JP6520540B2 - 焼結鉱の製造方法及び原料装入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結鉱の製造方法及び原料装入装置に関し、特に、原料堆積層に挿入される通気性制御部材に関する。
焼結鉱を製造する焼結機の生産性は焼成速度×焼成後の歩留りで示される。従って、焼結機の生産性を向上させるためには、焼成速度及び/又は焼成後の歩留りの向上が必要となる。
焼成速度は、焼結機パレット(以下、「パレット」と呼ぶ。)内の赤熱帯下降速度、並びにパレット面積、焼結原料の嵩密度等を勘案して決定される。赤熱帯下降速度を速めて焼成速度を向上させるためには、パレット上に形成される原料堆積層の通気性を高めることが重要となる。
そこで、例えば特許文献1には、パレットの幅方向に間隔を置いて水平に配置した複数の通気性制御板をパレット進行方向に向けて原料斜面から原料堆積層に挿入し、原料堆積層の中・下層部に複数の通気溝を設けて通気性を向上する技術が開示されている。同文献には、通気性制御板の間隔を該通気性制御板の高さに対して1.5〜2倍とすること、また通気性制御板の高さを原料堆積層の層厚の2/5〜1/2とすることにより生産性の向上が図れることが記載されている。
特開平9−184022号公報
近年の資源劣質化に伴って、例えばふるい目0.5mmアンダーの微粉(粉鉱石)を15質量%以上含むような焼結原料が増加しており、焼結原料の造粒強化(造粒後の未造粒微粉を減少させること)の重要性が増している。微粉が多い焼結原料を高水分かつ高生石灰割合で造粒した場合、原料の付着性が高まるため、微粉の少ない焼結原料に比べて原料堆積層の通気性が悪化する。しかしながら、特許文献1には、パレットに装入する焼結原料の条件について記載されていない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、微粉が多い焼結原料を高水分かつ高生石灰割合で造粒した造粒物からなる原料堆積層の通気性を改善して、従来に比べて高い焼結生産性を実現することが可能な焼結鉱の製造方法及び原料装入装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、近年における焼結原料の微粉化に伴う高水分かつ高生石灰配合条件では、原料堆積層に挿入される通気性制御部材の設置条件について改善の余地があることを見出し、以下の本発明に想到した。
第1の発明は、ふるい目0.5mmアンダーの微粉を15質量%以上含む焼結原料に水分7.5質量%以上9質量%以下、生石灰1.0質量%以上3.0質量%以下を添加して造粒した造粒物を装入シュートを介してパレットに装入し、該パレット上に、層厚が400mm以上の原料堆積層を形成する焼結鉱の製造方法であって、
前記パレットの幅方向に間隔をあけて該パレットの進行方向に延在し、前記原料堆積層の給鉱部がわ斜面から該原料堆積層内へ水平に挿入される通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2.5倍以上、前記通気性制御部材の部材高さを10mm以上かつ原料堆積層厚の0.6倍以下とすることを特徴としている。
また、第2の発明は、ふるい目0.5mmアンダーの微粉を15質量%以上含む焼結原料に水分7.5質量%以上9質量%以下、生石灰1.0質量%以上3.0質量%以下を添加して造粒した造粒物を装入シュートを介してパレットに装入し、該パレット上に、層厚が400mm以上の原料堆積層を形成する原料装入装置であって、
前記パレットの幅方向に間隔をあけて該パレットの進行方向に延在し、前記原料堆積層の給鉱部がわ斜面から該原料堆積層内へ水平に挿入される通気性制御部材の部材間隔が部材高さの2.5倍以上、前記通気性制御部材の部材高さが10mm以上かつ原料堆積層厚の0.6倍以下とされていることを特徴としている。
通気性制御部材が帯板材の場合における用語の定義を図3に示す。
各通気性制御部材は長辺方向がパレットの進行方向、短辺方向が鉛直方向となるように、パレットの幅方向に一定の間隔をあけて配置される。通気性制御部材の「部材間隔」は通気性制御部材間の内法寸法、「部材高さ」は通気性制御部材の短辺長、「部材幅」は通気性制御部材の板厚である。
なお、通気性制御部材の形状は帯板材に限定されるものではなく、棒材など他の形状を有するものでもよい。通気性制御部材の形状を例えば丸棒とした場合、材軸方向がパレットの進行方向、丸棒の直径が部材高さ及び部材幅となる。
焼結原料に添加する水分や生石灰の量が多くなると、通気性制御部材に原料が付着しやすくなる。通気性制御部材に顕著な付着物が存在する場合、図4に示すように、原料の進行を妨げようとする力が発生する。この原料の進行を妨げようとする力と原料を進行させようとする力によって原料が圧密され、原料堆積層の通気性が悪化する。原料堆積層の通気性悪化は、通気性制御部材の部材高さに対する部材間隔が小さいほど大きい。本発明者等が実施した試験(後述)により、通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2.5倍以上とすることにより原料堆積層の通気性が改善されることが判明した。
なお、微粉が多い焼結原料を高水分かつ高生石灰割合で造粒した造粒物を焼結する際に、原料圧密による原料堆積層の通気性悪化が防止できれば良いのであるから、通気性制御部材の部材高さに対する部材間隔を2.5倍からいたずらに大きくする必要はない。
さらに、本発明では、通気性制御部材の摩耗損耗による取り換え頻度を低減するため、部材高さの下限値を10mmとした。一方、部材高さの上限値は特許文献1記載と同様に原料堆積層厚の0.6倍(高さ300mm/原料層厚520mm)とした。これは、原料堆積層厚に対する通気性制御部材の相対的な高さが増加しすぎると、通気性制御部材が引き抜かれた箇所にできる空隙に造粒物が充填される際、原料堆積層表面に凹凸が発生し、焼結時に通気性に悪影響が生じるためである。
また、第1発明に係る焼結鉱の製造方法及び第2発明に係る焼結鉱の原料装入装置では、前記通気性制御部材の部材高さを35mm以上140mm以下かつ前記パレットの幅に対する前記通気性制御部材の部材幅の総和を5%以上とすることを好適とする。
通気性制御部材の部材高さが35mm未満であると、原料堆積層内の空隙形成による通気性改善効果が十分でなく、通気性制御部材の部材高さが140mm超であると、部材間隔が広くなり過ぎて通気性制御部材の本数が少なくなるため、通気性改善効果が小さくなる。同様に、パレット幅に対する通気性制御部材の部材幅の総和が5%未満であると、十分な通気性改善効果が得られない。
また、第1発明に係る焼結鉱の製造方法及び第2発明に係る焼結鉱の原料装入装置では、前記通気性制御部材の上面から前記原料堆積層の表面までの距離を150mm以上かつ原料堆積層厚の0.58倍以下とすることを好適とする。
通気性制御部材は、原料装入時の落下エネルギーを吸収し、通気性制御部材より下方の装入密度を軽減する効果も発揮する。従って、通気制御部材の位置が高くなるほど、装入密度が低い領域が増加し、原料堆積層の通気性が改善される。しかし、通気性制御部材を原料堆積層の表面に近づけすぎると、低歩留り領域である上層部に空隙が発生して上層部が脆弱化し焼結生産性が低下する。本発明者等が実施した試験(後述)により、通気性制御部材の上面から原料堆積層の表面までの距離を150mm以上かつ原料堆積層厚の0.58倍以下とすることにより焼結生産性が向上することが判明した。
本発明に係る焼結鉱の製造方法及び原料装入装置では、原料堆積層に挿入する通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2.5倍以上とすることで、微粉が多い焼結原料を高水分かつ高生石灰割合で造粒した造粒物からなる原料堆積層の通気性が改善され、従来に比べて高い焼結生産性を実現することができる。
本発明の一実施の形態に係る原料装入装置の模式図である。 同原料装入装置を構成する通気性制御部材の斜視図である。 通気性制御部材が帯板材の場合における用語の定義を示した模式図である。 通気性制御部材に付着した付着物の影響を説明するための模式図である。 ふるい目0.5mmアンダーの微粉を10〜20質量%含む焼結原料に水と生石灰を添加して造粒した造粒物の焼結生産性を示すグラフであって、(A)は生石灰が1質量%の場合、(B)は水分が8質量%の場合である。 通気性制御部材の板(部材)間隔/板(部材)高さと焼結生産性との相関性を示したグラフである。 通気性制御部材の板(部材)高さと焼結生産性との相関性を示したグラフである。 通気性制御部材の上面から原料堆積層表面までの距離と焼結生産性との相関性を示したグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係る原料装入装置10の模式図を図1に示す。
原料装入装置10は、ふるい目0.5mmアンダーの微粉を15質量%以上含む焼結原料に水分7.5質量%以上9質量%以下、生石灰1.0質量%以上3.0質量%以下を添加して造粒した造粒物を、ドワイトロイド式焼結機(図示省略)のパレット13に装入し、パレット13上に原料堆積層12を形成する装置である。
ドワイトロイド式焼結機では、上下に配置された往路と復路からなる無端レール(図示省略)上を走行する複数のパレット13が数珠状に連結され、無端搬送コンベアを構成している。パレット13に造粒物を供給する給鉱部と、製造された焼結鉱が排出される排鉱部にそれぞれ設けられたスプロケット(図示省略)を回転させることにより、複数のパレット13が無端レールに沿って周回する。
原料装入装置10は給鉱部に設置されており、造粒物を貯蔵する貯蔵ホッパー16と、造粒物を貯蔵ホッパー16から切出すドラムフィーダ15と、ドラムフィーダ15から切出された造粒物をパレット13に装入する装入シュート14とを備えている。また、装入シュート14の下方には、パレット13の幅方向に一定の間隔をあけてパレット13の進行方向に延在する複数の通気性制御部材11を備えている(図2参照)。
本実施の形態における通気性制御部材11は帯板材とされ、帯板材の短辺方向が鉛直方向、帯板材の長辺方向がパレット13の進行方向となるように、原料堆積層12の給鉱部がわ斜面12aから原料堆積層12内へ水平に挿入される(図1参照)。通気性制御部材11の挿入長さは200mm程度以上である。
通気性制御部材11の部材間隔は部材高さの2.5倍以上とされ、通気性制御部材11の部材高さは10mm以上、好ましく35mm以上、原料堆積層厚の0.6倍以下、好ましくは140mm以下、かつパレット13の幅に対する通気性制御部材11の部材幅の総和は5%以上とされている。また、通気性制御部材11の上面から原料堆積層12の表面までの距離は150mm以上かつ(原料堆積)層厚の0.58倍以下とされている。原料堆積層12の層厚は400mm程度以上である。
なお、通気性制御部材11の部材幅は10mm以上30mm以下とされている。
通気性制御部材11は固定されて移動せず、パレット13が進行することによって原料堆積層12から通気性制御部材11が引き抜かれる。通気性制御部材11が引き抜かれた原料層領域12bは疎となり、原料堆積層12の通気性が改善される(図2参照)。
[微粉を含む焼結原料の造粒強化に関する焼結鍋焼成試験]
ふるい目0.5mmアンダーの微粉を10質量%〜20質量%含む焼結原料に水及びバインダーの機能を有する生石灰を添加して造粒し、生成した造粒物について焼結鍋焼成試験を実施した。具体的には、表1に示す焼結原料を用い、ドラムミキサーで4分間造粒して平均粒径3mmの造粒物を生成し、焼結鍋焼成試験を実施した。そして、焼成物を2mの高さから4回落下させ、6mmオーバーが残存する割合を鍋焼成後の歩留りとし、この歩留りと焼成速度の結果とを掛け合わせて焼結生産性を算出した。試験結果を図5(A)、(B)に示す。
Figure 0006520540
なお、焼結原料に添加する水分及び生石灰割合の定義は以下の通りである。
水分[質量%]は、添加水量[kg]/(焼結原料の量[kg]+添加水量[kg])×100、生石灰割合[質量%]は、添加生石灰[kg]/焼結原料の量[kg]×100とした。
また、ふるい目0.5mmアンダーの微粉量[質量%]の計測は以下のように行った。
造粒処理後の原料を150℃雰囲気下で2時間以上乾燥させて水分を0質量%にした後、JIS Z8801−1「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」に示されているふるい目0.5mmを用いてロータップふるい振とう機による機械ふるい分けを15秒間実施した。そして、ふるい下の質量を測定し、ふるい下の質量[kg]/(ふるい上の質量[kg]+ふるい下の質量[kg])×100をふるい目0.5mmアンダーの微粉量[質量%]とした。なお、ロータップふるい振とう機にはタナカテック製のR−2型を使用し、往復25mm、300rpmで振とうさせ、2kgのハンマーで150回/min打撃を加える条件でふるい分けを実施した。
本試験により以下のことが判明した。
・微粉が15質量%以上の場合、水分を7.5質量%以上として造粒すると、焼結生産性が改善するが、水分が9質量%を超えると、水分過多のため焼成不足による歩留り低下が生じ、焼結生産性が低下した(図5(A)参照)。微粉が10質量%の場合は、水分増加による生産性改善効果は認められなかった。
なお、ふるい目0.5mmアンダーの微粉を20質量%〜100質量%で試験すると、縦軸の数値は異なるものの、水分を7.5質量%以上として造粒した場合、焼結生産性が改善した。バインダーとしての生石灰の割合を1質量%〜3質量%で変更した場合も同様の傾向であった。
・微粉が15質量%以上の場合、生石灰の割合を1質量%以上として造粒すると、焼結生産性が改善した(図5(B)参照)。しかし、生石灰は非常に高価であることと、生石灰の割合を4質量%としたときに発塵量が増加したことから、生石灰割合の上限を3質量%とした。
なお、ふるい目0.5mmアンダーの微粉を20質量%〜100質量%で試験すると、縦軸の数値は異なるものの、生石灰割合を1質量%以上として造粒した場合、焼結生産性が改善した。造粒水分を7.5質量%〜9質量%で変更した場合も同様の傾向であった。
[通気性制御部材の部材間隔の影響に関する操業試験]
ふるい目0.5mmアンダーの微粉を20質量%程度含む焼結原料に水及びバインダーの機能を有する生石灰を添加して造粒し、生成した造粒物をドワイトロイド式焼結機に装入して操業試験を実施した。パレットの幅は4mである。
原料配合及び造粒条件は前述した鍋試験と同じ条件とし、水分は8質量%、生石灰は1.5質量%とした。以降の操業試験における焼結原料に占める微粉量、原料配合、及び造粒条件も本試験と同様である。
なお、本試験では、比較のため、水分7質量%、生石灰0.8質量%での試験も併せて実施した。
通気性制御部材には帯板材を使用した。操業試験に使用した通気性制御部材の諸元を表2に、試験結果を図6にそれぞれ示す。
なお、原料堆積層の層厚は700mmとし、以降の操業試験は全て層厚700mm一定として実施した。
Figure 0006520540
本試験により以下のことが判明した。
・低水分、低生石灰割合(水分7質量%、生石灰0.8質量%)の場合、通気性制御部材を使用することで焼結生産性が改善した(図6参照)。
・高水分、高生石灰割合(水分8質量%、生石灰1.5質量%)の場合、通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2倍に設定すると、通気性制御部材を使用しなかった場合より焼結生産性が低下したが、通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2.5倍以上に設定すると、通気性制御部材を使用しなかった場合より焼結生産性が改善され、焼結生産性が最大となった(図6参照)。
試験後に通気性制御部材を確認したところ、顕著な付着物が通気性制御部材に形成されていた。そこで、通気性制御部材の先端部に厚み10mm程度のテープを巻き付けて付着物を模擬し、原料堆積層に挿入して原料を移動させる試験を行ったところ、部材間隔/部材高さが2程度の場合には、付着物を模擬したテープによって原料進行が妨げられるため通気性制御部材間全域の原料が圧密される現象が発生するが、部材間隔/部材高さが2.5以上の場合は、通気性制御部材近傍のみに圧密現象が発生することが判明した(図4参照)。
従って、上述した焼結生産性の低下は、高水分、高生石灰割合となることで高付着性となった焼成前原料が通気性制御部材に付着して付着物を形成し、部材間隔が狭いため、形成された付着物によって通気性制御部材間全域の原料が圧密され、原料堆積層の通気性が悪化したものと推定される。一方、通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2.5倍以上とした場合、通気性制御部材近傍のみに圧密現象が発生するため、原料堆積層中に形成された疎領域が維持され、良好な通気網が形成されると推定される。
・造粒水分を7.5質量%〜9質量%の間で変動させると共に、生石灰の割合を1質量%〜3質量%で変動させたところ、通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2倍以下とした場合、焼結生産性が低下した。また、通気性制御部材の部材高さを10mm〜400mmで変動させたところ、通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2倍以下とした場合、焼結生産性が低下することを確認した。
通気性制御部材の部材間隔の絶対値ではなく、部材高さとの相対値が重要であるのは、部材高さの増加に伴って付着物の影響範囲が広がるため、部材間隔をより広げる必要があることによると推定される。
因って、造粒水分を7.5質量%〜9質量%、生石灰割合を1質量%〜3質量%とした場合、通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2.5倍以上(部材間隔/部材高さが2.5以上)とすることで焼結生産性を改善することができる。
なお、部材間隔/部材高さの値が2.5以上であれば、原料が圧密される現象が通気性制御部材近傍のみに限られるため、部材間隔/部材高さの値の上限値は特に設けない。部材高さを一定として部材間隔を広げれば、部材間隔/部材高さの値は増加し、パレット幅方向の部材本数密度は低下するが、通気性制御部材を挿入することによる本発明の効果を得ることができる。
因みに、パレット幅を、常用されるパレット幅である5600mm、通気性制御部材の部材高さを10mm、部材幅を10mmとし、パレット幅の1/4位置と3/4位置に通気性制御部材を各1本(計2本)配置した場合、部材間隔/部材高さは2790mm/10mm=279となる。
[通気性制御部材の部材高さの影響に関する操業試験]
通気性制御部材の部材高さの影響について調査した。
通気性制御部材には帯板材を使用し、通気性制御部材の部材間隔/部材高さは2.5と3の2種類とした。操業試験に使用した通気性制御部材の諸元を表3に、試験結果を図7にそれぞれ示す。
Figure 0006520540
本試験により以下のことが判明した。
・通気性制御部材の部材高さを35mm以上140mm以下かつパレットの幅に対する通気性制御部材の部材幅の総和を5%以上とした場合に焼結生産性が向上した(図7参照)。
通気性制御部材の部材間隔/部材高さを2.5以上とした場合に本発明の効果が得られるため、通気性制御部材の部材高さを小さくした場合、部材間隔を狭めて通気性制御部材の本数を増やすことができるが、通気性制御部材による空隙が小さくなり過ぎると、得られる通気網形成効果が小さくなる。本試験によれば、通気性制御部材の部材高さが35mmを下回ると、焼結生産性改善効果が低下した。
逆に、通気性制御部材の部材高さを140mmを超えて大きくした場合、大きな空隙が確保できるため通気網形成効果は大きくなるが、部材高さが大きくなり過ぎると、部材間隔を広げなければならず、通気性制御部材の本数が減ってしまい、得られる通気性改善効果が低下する。部材間隔/部材高さを増加させすぎた場合も同様である。
また、本試験によれば、通気性制御部材の部材高さが35mm以上140mm以下かつパレットの幅に対する通気性制御部材の部材幅の総和が5%を下回ると、焼結生産性改善効果が低下した(例えば表3の部材高さ140mmの条件で、部材間隔/部材高さが2.5と3.0の比較)。このため、通気性制御部材の部材高さ規定(35mm以上140mm以下)以外に、パレット幅に対する部材幅の総和の規定(5%以上)も重要であることが判明した。
因って、通気性制御部材の部材高さには最適範囲が存在し、部材高さを35mm以上140mm以下かつパレットの幅に対する通気性制御部材の部材幅の総和を5%以上とすることにより生産改善効果が得られる。
[通気性制御部材の高さ位置の影響に関する操業試験]
通気性制御部材の高さ位置(通気性制御部材の上面から原料堆積層表面までの距離)の影響について調査した。
通気性制御部材には帯板材を使用した。操業試験に使用した通気性制御部材の諸元を表4に、試験結果を図8にそれぞれ示す。
Figure 0006520540
本試験により以下のことが判明した。
・通気性制御部材の上面から原料堆積層表面までの距離が近づくほど(通気性制御部材の高さ位置が高くなるほど)、焼結生産性が向上した(図8参照)。また、その効果は、層厚の0.58倍以下(本試験では400mm以下)とした場合に顕著に得られた。
通気性制御部材を配置している場合、装入原料は通気性制御部材に当たってから積み付けられるため、通気性制御部材よりも下方に積み付けられる原料層は落下エネルギーが緩和され、装入密度が低下する。即ち、上述した効果は、通気性制御部材の高さ位置が高くなることによって、落下エネルギー緩和の効果を享受できる原料層の割合が増加し、原料堆積層の通気性が向上したためと考えられる。
・通気性制御部材の上面から原料堆積層表面までの距離が150mmを下回ると、通気性は高位であるものの上層部の歩留りが悪化し、生産改善代が低下した。
一般に原料堆積層表面付近では原料荷重が負荷されないため、疎な状態で原料が堆積される。この原料堆積層表面付近に通気性制御部材を挿入した場合、原料堆積層表面に堆積した原料は、より疎な状態となって原料粒子間距離が増大するため、却って焼結鉱の強度が低下する。その結果、パレット全体にわたる焼結鉱の生産性改善効果が低下したものと考えられる。
なお、原料堆積層の層厚を変化させた場合でも、通気性制御部材の上面から原料堆積層表面までの距離が150mm未満で歩留り悪化が生じ、層厚の0.58倍以下とすると通気性が改善することを確認している。ただし、原料堆積層の層厚は400mm程度以上1m以下を想定している。
因って、通気性制御部材の上面から原料堆積層表面までの距離を150mm以上かつ層厚の0.58倍以下、より好ましくは層厚の0.36倍以下とすることにより生産改善効果を得ることができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、上記実施の形態では、通気性制御部材の形状を帯板材としているが、前述したように、これに限定されるものではなく、棒材等でもよい。
10:原料装入装置、11:通気性制御部材、12:原料堆積層、12a:給鉱部がわ斜面、12b:原料層領域、13:パレット、14:装入シュート、15:ドラムフィーダ、16:貯蔵ホッパー

Claims (6)

  1. ふるい目0.5mmアンダーの微粉を15質量%以上含む焼結原料に水分7.5質量%以上9質量%以下、生石灰1.0質量%以上3.0質量%以下を添加して造粒した造粒物を装入シュートを介してパレットに装入し、該パレット上に、層厚が400mm以上の原料堆積層を形成する焼結鉱の製造方法であって、
    前記パレットの幅方向に間隔をあけて該パレットの進行方向に延在し、前記原料堆積層の給鉱部がわ斜面から該原料堆積層内へ水平に挿入される通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2.5倍以上、前記通気性制御部材の部材高さを10mm以上かつ原料堆積層厚の0.6倍以下とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 請求項1記載の焼結鉱の製造方法において、前記通気性制御部材の部材高さを35mm以上140mm以下かつ前記パレットの幅に対する前記通気性制御部材の部材幅の総和を5%以上とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の焼結鉱の製造方法において、前記通気性制御部材の上面から前記原料堆積層の表面までの距離を150mm以上かつ原料堆積層厚の0.58倍以下とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  4. ふるい目0.5mmアンダーの微粉を15質量%以上含む焼結原料に水分7.5質量%以上9質量%以下、生石灰1.0質量%以上3.0質量%以下を添加して造粒した造粒物を装入シュートを介してパレットに装入し、該パレット上に、層厚が400mm以上の原料堆積層を形成する原料装入装置であって、
    前記パレットの幅方向に間隔をあけて該パレットの進行方向に延在し、前記原料堆積層の給鉱部がわ斜面から該原料堆積層内へ水平に挿入される通気性制御部材の部材間隔が部材高さの2.5倍以上、前記通気性制御部材の部材高さが10mm以上かつ原料堆積層厚の0.6倍以下とされていることを特徴とする焼結鉱の原料装入装置。
  5. 請求項4記載の焼結鉱の原料装入装置において、前記通気性制御部材の部材高さが35mm以上140mm以下かつ前記パレットの幅に対する前記通気性制御部材の部材幅の総和が5%以上とされていることを特徴とする焼結鉱の原料装入装置。
  6. 請求項4又は5記載の焼結鉱の原料装入装置において、前記通気性制御部材の上面から前記原料堆積層の表面までの距離が150mm以上かつ原料堆積層厚の0.58倍以下とされていることを特徴とする焼結鉱の原料装入装置。
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