JP6520540B2 - 焼結鉱の製造方法及び原料装入装置 - Google Patents
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Description
焼成速度は、焼結機パレット(以下、「パレット」と呼ぶ。)内の赤熱帯下降速度、並びにパレット面積、焼結原料の嵩密度等を勘案して決定される。赤熱帯下降速度を速めて焼成速度を向上させるためには、パレット上に形成される原料堆積層の通気性を高めることが重要となる。
前記パレットの幅方向に間隔をあけて該パレットの進行方向に延在し、前記原料堆積層の給鉱部がわ斜面から該原料堆積層内へ水平に挿入される通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2.5倍以上、前記通気性制御部材の部材高さを10mm以上かつ原料堆積層厚の0.6倍以下とすることを特徴としている。
前記パレットの幅方向に間隔をあけて該パレットの進行方向に延在し、前記原料堆積層の給鉱部がわ斜面から該原料堆積層内へ水平に挿入される通気性制御部材の部材間隔が部材高さの2.5倍以上、前記通気性制御部材の部材高さが10mm以上かつ原料堆積層厚の0.6倍以下とされていることを特徴としている。
各通気性制御部材は長辺方向がパレットの進行方向、短辺方向が鉛直方向となるように、パレットの幅方向に一定の間隔をあけて配置される。通気性制御部材の「部材間隔」は通気性制御部材間の内法寸法、「部材高さ」は通気性制御部材の短辺長、「部材幅」は通気性制御部材の板厚である。
なお、通気性制御部材の形状は帯板材に限定されるものではなく、棒材など他の形状を有するものでもよい。通気性制御部材の形状を例えば丸棒とした場合、材軸方向がパレットの進行方向、丸棒の直径が部材高さ及び部材幅となる。
原料装入装置10は、ふるい目0.5mmアンダーの微粉を15質量%以上含む焼結原料に水分7.5質量%以上9質量%以下、生石灰1.0質量%以上3.0質量%以下を添加して造粒した造粒物を、ドワイトロイド式焼結機(図示省略)のパレット13に装入し、パレット13上に原料堆積層12を形成する装置である。
本実施の形態における通気性制御部材11は帯板材とされ、帯板材の短辺方向が鉛直方向、帯板材の長辺方向がパレット13の進行方向となるように、原料堆積層12の給鉱部がわ斜面12aから原料堆積層12内へ水平に挿入される(図1参照)。通気性制御部材11の挿入長さは200mm程度以上である。
なお、通気性制御部材11の部材幅は10mm以上30mm以下とされている。
ふるい目0.5mmアンダーの微粉を10質量%〜20質量%含む焼結原料に水及びバインダーの機能を有する生石灰を添加して造粒し、生成した造粒物について焼結鍋焼成試験を実施した。具体的には、表1に示す焼結原料を用い、ドラムミキサーで4分間造粒して平均粒径3mmの造粒物を生成し、焼結鍋焼成試験を実施した。そして、焼成物を2mの高さから4回落下させ、6mmオーバーが残存する割合を鍋焼成後の歩留りとし、この歩留りと焼成速度の結果とを掛け合わせて焼結生産性を算出した。試験結果を図5(A)、(B)に示す。
水分[質量%]は、添加水量[kg]/(焼結原料の量[kg]+添加水量[kg])×100、生石灰割合[質量%]は、添加生石灰[kg]/焼結原料の量[kg]×100とした。
造粒処理後の原料を150℃雰囲気下で2時間以上乾燥させて水分を0質量%にした後、JIS Z8801−1「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」に示されているふるい目0.5mmを用いてロータップふるい振とう機による機械ふるい分けを15秒間実施した。そして、ふるい下の質量を測定し、ふるい下の質量[kg]/(ふるい上の質量[kg]+ふるい下の質量[kg])×100をふるい目0.5mmアンダーの微粉量[質量%]とした。なお、ロータップふるい振とう機にはタナカテック製のR−2型を使用し、往復25mm、300rpmで振とうさせ、2kgのハンマーで150回/min打撃を加える条件でふるい分けを実施した。
・微粉が15質量%以上の場合、水分を7.5質量%以上として造粒すると、焼結生産性が改善するが、水分が9質量%を超えると、水分過多のため焼成不足による歩留り低下が生じ、焼結生産性が低下した(図5(A)参照)。微粉が10質量%の場合は、水分増加による生産性改善効果は認められなかった。
なお、ふるい目0.5mmアンダーの微粉を20質量%〜100質量%で試験すると、縦軸の数値は異なるものの、水分を7.5質量%以上として造粒した場合、焼結生産性が改善した。バインダーとしての生石灰の割合を1質量%〜3質量%で変更した場合も同様の傾向であった。
なお、ふるい目0.5mmアンダーの微粉を20質量%〜100質量%で試験すると、縦軸の数値は異なるものの、生石灰割合を1質量%以上として造粒した場合、焼結生産性が改善した。造粒水分を7.5質量%〜9質量%で変更した場合も同様の傾向であった。
ふるい目0.5mmアンダーの微粉を20質量%程度含む焼結原料に水及びバインダーの機能を有する生石灰を添加して造粒し、生成した造粒物をドワイトロイド式焼結機に装入して操業試験を実施した。パレットの幅は4mである。
なお、本試験では、比較のため、水分7質量%、生石灰0.8質量%での試験も併せて実施した。
なお、原料堆積層の層厚は700mmとし、以降の操業試験は全て層厚700mm一定として実施した。
・低水分、低生石灰割合(水分7質量%、生石灰0.8質量%)の場合、通気性制御部材を使用することで焼結生産性が改善した(図6参照)。
・高水分、高生石灰割合(水分8質量%、生石灰1.5質量%)の場合、通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2倍に設定すると、通気性制御部材を使用しなかった場合より焼結生産性が低下したが、通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2.5倍以上に設定すると、通気性制御部材を使用しなかった場合より焼結生産性が改善され、焼結生産性が最大となった(図6参照)。
なお、部材間隔/部材高さの値が2.5以上であれば、原料が圧密される現象が通気性制御部材近傍のみに限られるため、部材間隔/部材高さの値の上限値は特に設けない。部材高さを一定として部材間隔を広げれば、部材間隔/部材高さの値は増加し、パレット幅方向の部材本数密度は低下するが、通気性制御部材を挿入することによる本発明の効果を得ることができる。
通気性制御部材の部材高さの影響について調査した。
通気性制御部材には帯板材を使用し、通気性制御部材の部材間隔/部材高さは2.5と3の2種類とした。操業試験に使用した通気性制御部材の諸元を表3に、試験結果を図7にそれぞれ示す。
・通気性制御部材の部材高さを35mm以上140mm以下かつパレットの幅に対する通気性制御部材の部材幅の総和を5%以上とした場合に焼結生産性が向上した(図7参照)。
逆に、通気性制御部材の部材高さを140mmを超えて大きくした場合、大きな空隙が確保できるため通気網形成効果は大きくなるが、部材高さが大きくなり過ぎると、部材間隔を広げなければならず、通気性制御部材の本数が減ってしまい、得られる通気性改善効果が低下する。部材間隔/部材高さを増加させすぎた場合も同様である。
通気性制御部材の高さ位置(通気性制御部材の上面から原料堆積層表面までの距離)の影響について調査した。
通気性制御部材には帯板材を使用した。操業試験に使用した通気性制御部材の諸元を表4に、試験結果を図8にそれぞれ示す。
・通気性制御部材の上面から原料堆積層表面までの距離が近づくほど(通気性制御部材の高さ位置が高くなるほど)、焼結生産性が向上した(図8参照)。また、その効果は、層厚の0.58倍以下(本試験では400mm以下)とした場合に顕著に得られた。
Claims (6)
- ふるい目0.5mmアンダーの微粉を15質量%以上含む焼結原料に水分7.5質量%以上9質量%以下、生石灰1.0質量%以上3.0質量%以下を添加して造粒した造粒物を装入シュートを介してパレットに装入し、該パレット上に、層厚が400mm以上の原料堆積層を形成する焼結鉱の製造方法であって、
前記パレットの幅方向に間隔をあけて該パレットの進行方向に延在し、前記原料堆積層の給鉱部がわ斜面から該原料堆積層内へ水平に挿入される通気性制御部材の部材間隔を部材高さの2.5倍以上、前記通気性制御部材の部材高さを10mm以上かつ原料堆積層厚の0.6倍以下とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。 - 請求項1記載の焼結鉱の製造方法において、前記通気性制御部材の部材高さを35mm以上140mm以下かつ前記パレットの幅に対する前記通気性制御部材の部材幅の総和を5%以上とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
- 請求項1又は2記載の焼結鉱の製造方法において、前記通気性制御部材の上面から前記原料堆積層の表面までの距離を150mm以上かつ原料堆積層厚の0.58倍以下とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
- ふるい目0.5mmアンダーの微粉を15質量%以上含む焼結原料に水分7.5質量%以上9質量%以下、生石灰1.0質量%以上3.0質量%以下を添加して造粒した造粒物を装入シュートを介してパレットに装入し、該パレット上に、層厚が400mm以上の原料堆積層を形成する原料装入装置であって、
前記パレットの幅方向に間隔をあけて該パレットの進行方向に延在し、前記原料堆積層の給鉱部がわ斜面から該原料堆積層内へ水平に挿入される通気性制御部材の部材間隔が部材高さの2.5倍以上、前記通気性制御部材の部材高さが10mm以上かつ原料堆積層厚の0.6倍以下とされていることを特徴とする焼結鉱の原料装入装置。 - 請求項4記載の焼結鉱の原料装入装置において、前記通気性制御部材の部材高さが35mm以上140mm以下かつ前記パレットの幅に対する前記通気性制御部材の部材幅の総和が5%以上とされていることを特徴とする焼結鉱の原料装入装置。
- 請求項4又は5記載の焼結鉱の原料装入装置において、前記通気性制御部材の上面から前記原料堆積層の表面までの距離が150mm以上かつ原料堆積層厚の0.58倍以下とされていることを特徴とする焼結鉱の原料装入装置。
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