JP6520111B2 - ロック検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ロック検出装置に関し、特に回転位置を検出し、当該回転位置に基づいて電動機のロックを検出する装置に関する。
従来から電動機のロックを検出する技術が提案されている。例えば電動機を駆動する電動機駆動装置を制御してロックを検出する方法が提案されている。より具体的には、電動機の第1回転位置を検出し、その第1回転位置から所定の角度で離れた停止位置で電動機を停止させるように、電動機駆動装置を制御する。その後、電動機の第2回転位置を検出し、電動機が適切に停止位置まで回転しているかどうかを判断することにより、ロックの有無を検出する。
また特許文献1には、電動機を駆動するインバータが記載されている。インバータは電動機へと交流電圧を出力している。特許文献1では、電動機の回転に寄与する基本波成分よりも十分に大きい高調波成分をインバータに出力させ、電動機に流れる電流に基づいて、電動機の回転位置を検出している。
特開2011−172324号公報
しかしながら、インバータ1がこの交流電圧を出力していない状態でも、電動機は回転し得る。例えば電動機に外力が働くことにより、電動機が回転することがある。外力を起こさせる具体的な例としては、電動機によって駆動される圧縮機の低圧と高圧との差や、電動機によって駆動されるファンへの風の通過を挙げることができる。
このような外力が働いた状態で、例えば第1回転位置を検出すると、低い精度で第1回転位置を検出することになる。これにより、ロックを検出する精度が低下する。
そこで、本願は、ロックを検出する精度を向上できるロック検出装置を提供することを目的とする。
本発明にかかるロック検出装置の第1の態様は、電機子巻線(221)を有する電機子(21)、および、界磁(22)を有する電動機(2)と、前記電機子を駆動するインバータ(1)とを有する電動機駆動装置において、前記電動機のロックを検出する装置(3)であって、前記電機子に対する前記界磁の回転位置を検出する位置検出部(32)と、前記インバータが前記電動機を駆動していない状態で、前記電動機が回転しているか否かの第1判定を行う第1判定部(33)と、前記第1判定にて否定的な判定がなされたときに検出される前記回転位置たる第1回転位置から、所定の角度で離れた前記回転位置たる制御停止位置へと、前記界磁を位置させるための磁界を、前記インバータを制御することで前記電機子に発生させるインバータ制御部(31)と、前記磁界を発生させてから検出された前記回転位置と、前記第1回転位置との差が、前記角度未満の所定の閾値よりも大きいか否かの第2判定を行う第2判定部(35)と、前記第2判定にて否定的な判定がなされたときに、前記電動機にロックが生じたことを検出するロック検出部(36)とを備える。
本発明にかかるロック検出装置の第2の態様は、電機子巻線(221)を有する電機子(21)、および、界磁(22)を有する電動機(2)と、前記電機子を駆動するインバータ(1)とを有する電動機駆動装置において、前記電動機のロックを検出する装置(3)であって、前記電機子に対する前記界磁の回転位置を検出する位置検出部(32)と、前記インバータが前記電動機を駆動していない状態で、前記電動機が回転しているか否かの第1判定を行う第1判定部(33)と、前記第1判定にて否定的な判定がなされたときに検出される前記回転位置から、所定の角度で離れた前記回転位置たる制御停止位置へと、前記界磁を位置させるための磁界を、前記インバータを制御することで前記電機子に発生させるインバータ制御部(31)と、前記磁界を発生させてから検出された前記回転位置と、前記制御停止位置との差が、前記角度未満の所定の閾値よりも大きいか否かの第2判定を行う第2判定部(35)と、前記第2判定にて肯定的な判定がなされたときに、前記電動機にロックが生じたことを検出するロック検出部(36)とを備える。
本発明にかかるロック検出装置の第3の態様は、第1または第2の態様にかかるロック検出装置であって、前記第2判定部(35)は、前記磁界の発生を終了した後に前記電動機(2)が回転しているか否かの第3判定を行い、前記第3判定にて否定的な判定がなされたときに、前記第2判定を行う。
本発明にかかるロック検出装置の第4の態様は、第1から第3のいずれか一つの態様にかかるロック検出装置であって、前記制御停止位置を算出する停止位置算出部(34)を備え、前記第1判定部(33)は、前記インバータ(1)が前記電動機(2)を駆動していない状態で検出された複数回の前記回転位置に基づいて前記第1判定を行い、前記停止位置算出部は、前記複数回の前記回転位置の少なくとも一つに基づいて前記回転位置を算出する。
本発明にかかるロック検出装置の第1および第2の態様によれば、回転していないと判定したときに検出される回転位置は、回転しているかどうか分からない状態で検出される回転位置に比べて、検出精度が高い。したがって、その回転位置を用いて行われるロックの検出精度を向上できる。
本発明にかかるロック検出装置の第3の態様によれば、第2判定において検出される回転位置の検出精度を向上でき、ひいてはロックの検出精度を向上できる。
本発明にかかるロック検出装置の第4の態様によれば、第1判定において検出された回転位置を用いて制御停止位置を算出するので、前記第1判定の後に改めて回転位置を検出する必要がない。
ロック検出装置の一例を概略的に示す図である。 インバータの構成の一例を概略的に示す図である。 ロック検出装置の動作の一例を示す図である。 電流ベクトルを概略的に示す図である。 ロック検出装置の動作の一例を示す図である。 ロック検出装置の動作の一例を示す図である。
第1の実施の形態.
図1は電動機2のロックを検出するロック検出装置3の一例を概略的に示している。図1の例示では、電動機2へと交流電圧を出力するインバータ1も示されている。インバータ1には直流電圧が入力されており、このインバータ1は、入力された直流電圧を交流電圧に変換して電動機2へと出力する。
図2はインバータ1の内部構成の一例を概略的に示す図である。例えばインバータ1は三相のインバータであって、三相交流電圧を出力端Pu,Pv,Pwから出力する。これらの出力端Pu,Pv,Pwは電動機2に接続される。インバータ1は例えばスイッチング素子Sup,Sunと,Svp,Svn,Swp,SwnとダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnとを備えている。なお各構成を示す符号に含まれる「u」、「v」、「w」は、その構成がそれぞれU相、V相、W相に属していることを示している。例えばスイッチング素子Sup,SupとダイオードDup,Dunと出力端PuはU相に属している。
スイッチング素子Sxp,Sxn(xはu,v,rを代表する、以下、同様)は、直流電圧が印加される直流線LH,LLの間において、互いに直列に接続されている。スイッチング素子Sxpは直流線LHと出力端Pxとの間に接続され、その導通/非導通によって直流線LHから出力端Pxへ向かって電流が流れることの許否を制御する。スイッチング素子Sxnは直流線LLと出力端Pxとの間に接続され、その導通/非導通によってから出力端Pxから直流線LLへ向かって電流が流れることの許否を制御する。ダイオードDxp,Dxnはそれぞれスイッチング素子Sxp,Sxnに並列に接続されており、これらの順方向はいずれも直流線LLから直流線LHに向かう方向である。
スイッチング素子Sxp,Sxnが適切に制御されることにより、インバータ1は直流電圧を交流電圧に変換して出力することができる。
図1を参照して、電動機2は例えば磁石埋込型の電動機であり、界磁21と電機子22とを有している。界磁21は、例えばコア(図示省略)と、当該コアに埋設される永久磁石(図示省略)を有している。永久磁石は、電機子巻線221へと鎖交する界磁磁束を供給する。電機子22は例えばU相、V相およびW相の電機子巻線221を有しており、これらは、それぞれ対応するインバータ1の出力端Pu,Pu,Pwに接続される。インバータ1からの三相交流電圧が三相の電機子巻線221に印加されることにより、電機子22は当該三相交流電圧に応じた回転磁界を界磁21へと印加する。界磁21は当該回転磁界に応じて電機子22に対して回転する。
ロック検出装置3は、例えばインバータ制御部31と、位置検出部32と、第1判定部33と、停止位置算出部34と、第2判定部35と、ロック検出部36とを備えている。
またここでは、ロック検出装置3はマイクロコンピュータと記憶装置を含んで構成される。マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップ(換言すれば手順)を実行する。上記記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM(Erasable Programmable ROM)等)、ハードディスク装置などの各種記憶装置の1つ又は複数で構成可能である。当該記憶装置は、各種の情報やデータ等を格納し、またマイクロコンピュータが実行するプログラムを格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。なお、マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップに対応する各種手段として機能するとも把握でき、あるいは、各処理ステップに対応する各種機能を実現するとも把握できる。また、ロック検出装置3はこれに限らず、ロック検出装置3によって実行される各種手順、あるいは実現される各種手段又は各種機能の一部又は全部をハードウェアで実現しても構わない。
図3はロック検出装置3の動作の一例を示すフローチャートである。この一連の動作は、インバータ1が電動機2を駆動していない状態、即ち、電動機2を回転させるための交流電圧を出力していない状態で、開始される。ただし、既述のように、インバータ1がこの交流電圧を出力していない状態でも、例えば電動機2に外力が発生することにより、電動機2が回転することがある。
ステップS1において、第1判定部33は、電動機2が回転しているか否かの判定を行う。つまり、電動機2が外力によって回転しているか否かを判定するのである。この判定は例えば次のように行われる。即ち、位置検出部32が、界磁21の電機子22に対する回転位置を順次に複数回検出する。検出した回転位置は第1判定部33へと出力される。
第1判定部33は、検出された複数の回転位置に基づいて、電動機2が回転しているか否かを判定する。例えば、これらの回転位置の最小値と最大値との差が基準値よりも大きいことを以て、電動機2が回転していると判定し、当該差が基準値よりも小さいことを以て、電動機2が回転していないと判定する。電動機2が回転していると判定したときには、その判定結果をロック検出部36へと出力する。電動機2が回転していないと判定したときには、電動機2の回転位置を停止位置算出部34へと出力する。
なお、位置検出部32による回転位置の検出方法は任意であるものの、その一例について説明する。例えばインバータ制御部31がインバータ1を制御して、電動機2を回転させない程度に高い周波数を有する交流電電圧をインバータ1から出力させる。
かかる制御は例えば次のように行うことができる。即ち、インバータ1が出力する交流電圧についての電圧指令値を、例えば高調波の正弦波で生成し、この電圧指令値に基づいてスイッチング素子Sxp,Sxnへのスイッチング信号を生成する。このようなスイッチング信号の生成は周知であるものの、例えば電圧指令値と三角波との比較に基づいて行うことができる。
図4は、上記制御によって電動機2に流れる電流のベクトルの軌跡を示す図である。なお図4の例示では、α−β座標系とd−q座標系とが示されている。α−β座標系は固定子(例えば電機子22)に固定された座標系である。α軸は例えばU相の電流Iuによって発生するU相の磁束と同相に設定され、β軸はα軸に対して位相が90度進む。d−q座標系は回転子(例えば界磁21)に固定された座標系である。d軸は界磁21の界磁磁束と同相に設定され、q軸はd軸に対して90度位相が進む。電動機2が回転することによって、d−q座標系は界磁21と同期して回転することとなる。本実施の形態では、d軸の回転位置を電動機2の回転位置として把握する。
図4は、電動機2が回転していないときの電流ベクトルの軌跡を示している。このとき、当該軌跡は楕円を呈し、その長軸がd軸に沿う。つまり、この長軸の方向を算出することで、界磁21の回転位置を得ることができる。
よって図1の例示では、電動機2を流れる交流電流を検出する電流検出部4が設けられている。検出された交流電流は位置検出部32へと出力される。位置検出部32は、検出された交流電流に基づいて、電流ベクトルを算出し、その電流ベクトルが描く楕円の長軸の方向を算出する。これにより、界磁21の回転位置を検出することができる。
ステップS1にて、肯定的な判定がなされたとき、即ち電動機2が回転していると判定されたときには、ステップS2にて、ロック検出部36は電動機2にロックが生じていないことを検出する。つまり、電動機2が回転していれば、当然に電動機2にはロックが生じていないので、ステップS2にて、ロックが生じていないことを検出するのである。
他方、電動機2が回転していない場合であっても、この時点では、ロックを検出したと結論することはできない。なぜなら、たとえ電動機2にロックが発生していなくても、電動機2に外力が発生していなければ、電動機2は回転しないからである。
そこで、ステップS1にて、否定的な判定がなされたときには、ステップS3以降の処理を実行し、これによりロックの有無を検出する。ステップS3においては、停止位置算出部34は、電動機2が回転していないと判定されたときに検出された回転位置と、所定の角度(例えば90度)で離れた回転位置(以下では、制御停止位置と呼ぶ)を算出する。例えばステップS1において検出された回転位置の一つ(あるいは、平均値)に、所定の角度を加算または減算して、制御停止位置を算出する。制御停止位置はインバータ制御部31へと出力される。
次にステップS3にて、インバータ制御部31は、算出された制御停止位置で界磁21を停止させるための停止磁界を電機子22に発生させるべく、インバータ1を制御する。停止磁界とは、時間の経過に依らず実質的に一方向を向く磁界である。かかる停止磁界は界磁21に印加される。電動機2にロックが発生していなければ、当該停止磁界の印加によって、界磁21(永久磁石)のd軸が当該停止磁界の方向に沿うように、界磁21が回転し、その状態で停止する。一方で、電動機2にロックが発生していれば、当該停止磁界の印加にもかかわらず、界磁21は回転しない。
当該停止磁界を発生させる制御は公知であるものの、その一例について概説する。まず各相のスイッチング素子Sxp,Sxnは相互に排他的に導通するように制御される。これは、直流線LH,LLが短絡することを回避するためである。スイッチング素子Sxpが導通/非導通することをそれぞれ「1」「0」で示し、各相を並べて表すと、例えば(000)(001)(010)(011)(100)(101)(110)(111)の8つのスイッチングパターンを採用することができる。
以下では、(000)および(111)で表されるスイッチングパターンを零スイッチングパターンと呼ぶ。この零スイッチングパターンでは、出力端Pu,Pv,Pwが互いに短絡するので、インバータ1は電圧を出力することができない。よって停止磁界を印加させる制御においては、零スイッチングパターンを採用する必要はない。
一例として、スイッチングパターン(110)を採用する場合を説明する。つまり、スイッチング素子Sup,Svpを導通させ、スイッチング素子Swnを導通させる。例えばスイッチング素子Sup,Svpを導通させ、スイッチング素子Swnを導通させる。これにより、このスイッチングパターン(110)に対応する電流経路で、各相の電機子巻線221に電流Iu,Iv,Iwが流れる。より具体的には、出力端Pu,PvからそれぞれU相,V相の電機子巻線221へと電流Iu,Ivが流れ、これらが合流して、W相の電機子巻線221を介して出力端Pwへと電流Iwが流れる。
かかる電流Iu,Iv,Iwによって、各相の電機子巻線221には磁界が生じる。そして、これらの磁界を合成した磁界(以下、電機子磁界とも呼ぶ)が、電機子22の全体に発生することとなる。各電機子巻線221に生じる磁界は、スイッチングパターンに対応した電流Iu,Iv,Iwによって発生するので、電機子22の電機子磁界の向きは、スイッチングパターンに依存することになる。
なお、ここでいう電機子磁界は、停止磁界および回転磁界を含む概念である。停止磁界は、この電機子磁界の方向が実質的に一方向を維持する磁界を意味し、上記回転磁界は、この電機子磁界が実質的に時間の経過と共に回転する磁界を意味する。
例えばこのスイッチングパターンを一つ採用し続ければ、そのスイッチングパターンの一つによって決まる方向の電機子磁界(停止磁界)が発生し続けることになる。
しかるに、このスイッチングパターンの一つとして採用されるスイッチングパターンは数種類しか存在しない。なぜなら、このスイッチングパターンでは各相のスイッチング素子Sxp,Sxnを互いに排他的に導通させるからである。よって一つのスイッチングパターンのみを採用すれば、任意の回転位置で界磁21を停止させるための停止磁界を発生させることはできない。制御停止位置は、ステップS1における電動機2の回転位置に依存し、ステップS1における電動機2の回転位置は任意の値を採り得る。よって制御停止位置として任意の値を採り得るようにスイッチングパターンを制御する必要がある。
そこで、所定周期において、複数のスイッチングパターンを所定の時比率で採用することで、制御停止位置に対応する停止磁界を電機子22に発生させる。つまり、所定周期における電機子磁界の時間平均で示される磁界の方向を一方向に維持するのである。例えばスイッチングパターン(100),(110)をそれぞれ0.5の時比率で採用する場合、スイッチングパターン(100),(110)に対応する電機子磁界の方向を二等分する方向に、平均的な電機子磁界を発生させることができ、その平均的な電機子磁界が停止磁界として機能する。
したがって、スイッチングパターンおよびその時比率を適宜に調整することで、制御停止位置で界磁21を停止させるための停止磁界を発生させることができる。
インバータ制御部31は停止磁界を発生させるスイッチング信号Sをインバータ1へと出力し、その出力した旨を位置検出部32へと出力する。
ステップS4において、停止磁界の発生から所定の時間が経過した後に、ステップS5において、位置検出部32は電動機2の回転位置を検出する。この所定の時間は、界磁21が制御停止位置まで回転するのに十分な時間である。検出された回転位置は、第2判定部35へと出力される。
次にステップS6において、第2判定部35は、ステップS5にて検出された回転位置と、ステップS3において算出された制御停止位置との差が所定の閾値よりも大きいか否かの判定を行う。その判定結果は、ロック検出部36へと出力される。
もし電動機2にロックが生じていれば、ステップS4において停止磁界が印加されたとしても、界磁21は回転しないので、その回転位置は、ステップS1において検出された回転位置を維持する。この場合、ステップS5において検出された回転位置と、制御停止位置との差は閾値よりも大きくなる。なおこの閾値は、ステップS4で回転させる所定の角度未満の値であり、例えば数度程度である。
よってステップS6にて、肯定的な判定がなされたときには、ステップS7においてロック検出部36は電動機2にロックが生じていることを検出する。
一方で、電動機2にロックが生じていない場合には、ステップS4において界磁21はほぼ制御停止位置まで回転して停止する。そこで、ステップS6にて、否定的な判定がなされたときには、ステップS8においてロック検出部36は電動機2にロックが生じていないことを検出する。
以上のように、本ロック検出方法によれば、ステップS1において電動機2が回転していないと判定されたときに、ステップS3が実行される。したがって、制御停止位置の算出に用いられる回転位置を高い検出精度で得ることができ、これにより、制御停止位置の算出精度を向上することができる。よって、この制御停止位置を用いてロックを検出する精度を向上することができる。
また上述の例では、ステップS3の制御停止位置の算出に用いられる回転位置として、ステップS1の判定に用いられる回転位置を採用している。これによれば、ステップS1の判定の後に改めて回転位置を検出する必要がない。
また上述の例では、ステップS6において、ステップS5で検出された回転位置と、ステップS3で算出した制御停止位置との差が所定値よりも大きいか否かを判定した。しかるに、図5に示すように、ステップS6’を実行してもよい。図5のフローチャートは、ステップS6の替わりにステップS6’が実行されること以外は、図3のフローチャートと同一である。ステップS6’において、第2判定部35は、ステップS1で検出される回転位置と、ステップS5で検出される回転位置との差が所定値よりも大きいか否かを判定する。もし、電動機2にロックが生じていなければ、ステップS4にて電動機が回転するので、ステップS1,S5でそれぞれ検出される回転位置の差は大きくなる。他方、もし電動機2にロックが生じていれば、ステップS4にて電動機が実質的に回転しないので、ステップS1,S5でそれぞれ検出される回転位置の差は小さくなる。
よって、ステップS6’にて否定的な判定がなされると、ロック検出部36は、電動機2にロックが生じていることを検出し、ステップS6’にて肯定的な判定がなされたときに、ロック検出部36は、電動機2にロックが生じていないことを検出する。
第2の実施の形態.
第1の実施の形態では、次の場合にロック検出方法の検出精度が低下した。即ち、ロックの生じていない電動機2がステップS1の実行時点では外力を受けず、ステップS5の実行時点で外力を受けて回転する場合である。この場合、第1の実施の形態では、ステップS5における回転位置の検出精度が低下し、ひいてはロックの検出精度が低下する。そこで、第2の実施の形態では、かかる事態にも対応する。
第2の実施の形態にかかる電動機駆動装置の一例は第1の実施の形態と同様である。図6は第2の実施の形態にかかるロック検出装置3の動作の一例を概略的に示している。図6の例示では、図3に比して、ステップS9,S10を更に実行する。
ステップS9はステップS4,S5の間に実行される。ステップS9においては、第1判定部33は、電動機2が回転しているか否かを判定する。この判定は、例えばステップS1と同様にして行われる。ステップS9にて肯定的な判定がなされると、ステップS10にて、ロック検出部36はロックが生じていないことを検出し、否定的な判定がなされると、ステップS5を実行する。なおステップS9にて回転位置を検出している場合には、ステップS5における再度の回転位置の検出は不要である。ステップS5以降の動作は第1の実施の形態と同様であるので、繰り返しの説明を避ける。
これによれば、ステップS6の判定で用いられる回転位置の検出精度を向上することができ、ひいては、ロックの検出精度を向上することができる。
また、本発明は、その発明の範囲内において、相互に矛盾しない限り、上記の種々の実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 インバータ
2 電動機
3 ロック検出装置
31 インバータ制御部
32 位置検出部
33 第1判定部
35 第2判定部
36 ロック検出部

Claims (4)

  1. 電機子巻線(221)を有する電機子(21)、および、界磁(22)を有する電動機(2)と、前記電機子を駆動するインバータ(1)とを有する電動機駆動装置において、前記電動機のロックを検出する装置(3)であって、
    前記電機子に対する前記界磁の回転位置を検出する位置検出部(32)と、
    前記インバータが前記電動機を駆動していない状態で、前記電動機が回転しているか否かの第1判定を行う第1判定部(33)と、
    前記第1判定にて否定的な判定がなされたときに検出される前記回転位置たる第1回転位置から、所定の角度で離れた前記回転位置たる制御停止位置へと、前記界磁を位置させるための磁界を、前記インバータを制御することで前記電機子に発生させるインバータ制御部(31)と、
    前記磁界を発生させてから検出された前記回転位置と、前記第1回転位置との差が、前記角度未満の所定の閾値よりも大きいか否かの第2判定を行う第2判定部(35)と、
    前記第2判定にて否定的な判定がなされたときに、前記電動機にロックが生じたことを検出するロック検出部(36)と
    を備える、ロック検出装置。
  2. 電機子巻線(221)を有する電機子(21)、および、界磁(22)を有する電動機(2)と、前記電機子を駆動するインバータ(1)とを有する電動機駆動装置において、前記電動機のロックを検出する装置(3)であって、
    前記電機子に対する前記界磁の回転位置を検出する位置検出部(32)と、
    前記インバータが前記電動機を駆動していない状態で、前記電動機が回転しているか否かの第1判定を行う第1判定部(33)と、
    前記第1判定にて否定的な判定がなされたときに検出される前記回転位置から、所定の角度で離れた前記回転位置たる制御停止位置へと、前記界磁を位置させるための磁界を、前記インバータを制御することで前記電機子に発生させるインバータ制御部(31)と、
    前記磁界を発生させてから検出された前記回転位置と、前記制御停止位置との差が、前記角度未満の所定の閾値よりも大きいか否かの第2判定を行う第2判定部(35)と、
    前記第2判定にて肯定的な判定がなされたときに、前記電動機にロックが生じたことを検出するロック検出部(36)と
    を備える、ロック検出装置。
  3. 前記第2判定部(35)は、前記磁界の発生を終了した後に前記電動機(2)が回転しているか否かの第3判定を行い、前記第3判定にて否定的な判定がなされたときに、前記第2判定を行う、請求項1または請求項2に記載のロック検出装置。
  4. 前記制御停止位置を算出する停止位置算出部(34)を備え、
    前記第1判定部(33)は、前記インバータ(1)が前記電動機(2)を駆動していない状態で検出された複数回の前記回転位置に基づいて前記第1判定を行い、
    前記停止位置算出部は、前記複数回の前記回転位置の少なくとも一つに基づいて前記回転位置を算出する、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のロック検出装置。
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