JP6405987B2 - インバータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インバータの制御装置に関する。
特許文献1には、電動機を起動する際の制御方法が記載されている。特許文献1では、電動機のロータを所定の初期位置に回転させるために、初期励磁期間を設けている。この初期励磁期間において、U相では、上アームのスイッチング素子をオフし、V相およびW相では、上アームのスイッチング素子をオンしている。なお各相の下アームのスイッチング素子は上アームのスイッチング素子とは反対に制御される。これにより、このスイッチンパターンに応じた初期位置にロータが回転することとなる。
非特許文献1には、電動機を制御する方法が記載されている。非特許文献1では、電動機の一次磁束を制御する一次磁束制御が採用される。
特許第5001642号公報
角 和紀、山村 直紀、常広 譲、「DCブラシレスモータの一センサレス制御方法」、電気学会論D、111巻、8号、1991年、p.639-644
しかしながら、電動機に接続された機械的負荷の負荷トルクが大きい場合に、ロータは、スイッチングパターンに応じた初期位置からずれた位置で回転を終了することがある。
ロータが初期位置からずれて位置する状態で一次磁束制御を行った場合には、一次磁束指令よりも小さな一次磁束しか発生せずに、必要なトルクを発生できない場合があった。この場合、電動機の始動が失敗し得る。
上述の点に鑑みて、本発明は、電動機を始動しやすいインバータの制御装置を提供することを目的とする。
本発明にかかるインバータの制御装置の第1の態様は、界磁(21)と電機子(22)とを有する電動機(2)へと交流電圧を出力するインバータ(1)を制御する制御装置(3)であって、初期励磁期間(T1)に亘って前記インバータを制御して、前記電機子に対する所定の回転位置で前記界磁を停止させるための磁界を、前記電機子に発生させ、前記初期励磁期間の後に、前記界磁による前記電機子への鎖交磁束(Λa)と、電機子反作用による磁束との合成たる一次磁束(λ0)を、前記一次磁束の指令値たる一次磁束指令値(λ0*)に基づいて制御する一次磁束制御を用いて、前記インバータを制御するインバータ制御部(31)と、前記一次磁束制御の開始時点における前記一次磁束指令値(λ0*)を、前記初期励磁期間(T1)において前記電動機が回転していないときの前記一次磁束(λ0)よりも大きい値に設定して前記インバータ制御部に出力する一次磁束指令出力部(32)とを備える。
本発明にかかるインバータの制御装置の第2の態様は、第1の態様にかかるインバータの制御装置であって、前記一次磁束指令出力部(32)は、前記一次磁束制御の開始からの初期期間(T21)において、前記一次磁束指令値を時間の経過と共に低減させて前記インバータ制御部に出力する。
本発明にかかるインバータの制御装置の第3の態様は、第2の態様にかかるインバータの制御装置であって、前記一次磁束指令出力部(32)は、前記初期期間(T21)の後に、前記一次磁束指令値(λ0*)を、前記インバータ(20)が出力する交流電流の振幅が最小となる値に設定する。
本発明にかかるインバータの制御装置の第1の態様によれば、一次磁束制御の開始時点における一次磁束指令値は初期励磁期間において電動機を停止させている一次磁束よりも大きいので、電動機を始動しやすくなる。
本発明にかかるインバータの制御装置の第2の態様によれば、一次磁束に沿うM軸と、M軸よりも90度位相が進むT軸とを設定する。一次磁束を低減すれば、インバータが出力する電流のM軸成分(M軸電流)が低減するので、消費電力を低減することができる。
本発明にかかるインバータの制御装置の第3の態様によれば、消費電力の低減に資する。
電力変換装置の構成の一例を概略的に示す図である。 インバータの構成の一例を概略的に示す図である。 ベクトル図の一例を概略的に示す図である。 ベクトル図の一例を概略的に示す図である。 ベクトル図の一例を概略的に示す図である。 一次磁束の一例を概略的に示す図である。 電流の一例を概略的に示す図である。 一次磁束と電流の振幅との関係の一例を概略的に示す図である。
図1は電動機駆動装置の一例を概略的に示している。電動機駆動装置はインバータ1と制御装置3とを備えている。
インバータ1には直流電圧が入力される。インバータ1は制御部3によって制御され、この直流電圧を交流電圧に変換して同期電動機2へと出力する。
図2はインバータ1の内部構成の一例を概略的に示す図である。例えばインバータ1は三相のインバータであって、三相交流電圧を出力端Pu,Pv,Pwから出力する。これらの出力端Pu,Pv,Pwは同期電動機2に接続される。インバータ1は例えばスイッチング素子Sup,Sunと,Svp,Svn,Swp,SwnとダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnとを備えている。なお各構成を示す符号に含まれる「u」、「v」、「w」は、その構成がそれぞれU相、V相、W相に属していることを示している。例えばスイッチング素子Sup,SupとダイオードDup,Dunと出力端PuはU相に属している。
スイッチング素子Sxp,Sxn(xはu,v,wを代表する、以下、同様)は、直流電圧が印加される直流線LH,LLの間において、互いに直列に接続されている。スイッチング素子Sxpは直流線LHと出力端Pxとの間に接続され、その導通/非導通によって直流線LHから出力端Pxへ向かって電流が流れることの許否を制御する。スイッチング素子Sxnは直流線LLと出力端Pxとの間に接続され、その導通/非導通によってから出力端Pxから直流線LLへ向かって電流が流れることの許否を制御する。ダイオードDxp,Dxnはそれぞれスイッチング素子Sxp,Sxnに並列に接続されており、これらの順方向はいずれも直流線LLから直流線LHに向かう方向である。
スイッチング素子Sxp,Sxnが制御装置3によって適切に制御されることにより、インバータ1は直流電圧を交流電圧に変換して出力することができる。
同期電動機2は界磁21と電機子22とを有している。界磁21は例えば永久磁石を有しており、電機子22へと鎖交する鎖交磁束(以下では、界磁磁束とも呼ぶ)を供給する。電機子22は例えばU相、V相およびW相の電機子巻線221を有しており、これらは、それぞれ対応するインバータ1の出力端Pu,Pu,Pwに接続される。インバータ1からの三相交流電圧が三相の電機子巻線221に印加されることにより、電機子22は当該三相交流電圧に応じた回転磁界を界磁21へと印加する。界磁21は当該回転磁界に応じて電機子22に対して回転する。
制御装置3はインバータ制御部31と一次磁束指令出力部32とを有している。一次磁束指令出力部32は、同期電動機2に発生する一次磁束(後述)についての一次磁束指令値[λ*]を生成し、これをインバータ制御部31へと出力する。インバータ制御部31は、一次磁束指令値[λ*]に基づいて一次磁束を制御する一次磁束制御を実行して、インバータ1を制御する。
またここでは、制御装置3はマイクロコンピュータと記憶装置を含んで構成される。マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップ(換言すれば手順)を実行する。上記記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM(Erasable Programmable ROM)等)、ハードディスク装置などの各種記憶装置の1つ又は複数で構成可能である。当該記憶装置は、各種の情報やデータ等を格納し、またマイクロコンピュータが実行するプログラムを格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。なお、マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップに対応する各種手段として機能するとも把握でき、あるいは、各処理ステップに対応する各種機能を実現するとも把握できる。また、制御装置3はこれに限らず、制御装置3によって実行される各種手順、あるいは実現される各種手段又は各種機能の一部又は全部をハードウェアで実現しても構わない。
<一次磁束制御の概要>
図3は同期電動機2における一次磁束[λ0](記号[]はベクトル量を表す:以下同様)と、同期電動機2における界磁磁束[Λa]との関係を示すベクトル図である。界磁磁束[Λa]は例えば同期電動機2が永久磁石を有している場合には当該永久磁石によって発生するし、同期電動機2が界磁巻線を有している場合には当該界磁巻線に電流が流れることによって発生する。
図3の例示では、d−q回転座標系と、M−T回転座標系と、Mc−Tc回転座標系とが示されている。d軸は界磁磁束[Λa]と同相に設定され、q軸はd軸に対して、位相が90度進む。よって、d−q回転座標系の回転速度ωeはいわゆる電気角で見たときの同期電動機2の回転速度と把握することができる。M軸は一次磁束[λ0]と同相に設定され、T軸はM軸に対して、位相が90度進む。Tc軸はMc軸に対して位相が90度進む。Mc−Tc回転座標系は、制御装置3で用いられる制御座標系である。
一次磁束[λ0]は、電機子巻線221に電流が流れて発生する電機子反作用による磁束[λi]と、界磁磁束[Λa]との合成である。電機子反作用による磁束[λi]は、周知のように、電機子巻線221に流れる電流と、電機子巻線221のインダクタンスとで決定される。
同期電動機2が出力する出力トルクTeは、電機子巻線221を流れる電流のM軸成分(以下、M軸電流とも呼ぶ)およびT軸成分(以下、T軸電流とも呼ぶ)をそれぞれIT,IMとし、一次磁束[λ0]のM軸成分およびT軸成分をλT,λMとすると、以下の式で表される。
Te=λM・IT−λT・IM ・・・(1)
M−T回転座標系の定義によれば、一次磁束[λ0]のT軸成分λTは零であるので、出力トルクTeは以下の式で表される。
Te=λM・IT ・・・(2)
以上のように、出力トルクTeは一次磁束[λ0]のM軸成分λMとT軸電流ITの積となる。なおT軸成分λTが零であることから、一次磁束[λ0]の大きさはM軸成分λMで表される。以下では、一次磁束[λ0]の大きさを一次磁束λ0(=λM)と呼ぶことがある。
一次磁束制御では、一次磁束[λ0]を一次磁束指令値[λ*]に基づいて制御する。より具体的には、一次磁束[λ0]についての一次磁束指令値[λ*]のTc軸成分を零に設定し、Mc軸成分を指令値λ0*に設定する。なお一次磁束指令値[λ*]のTc軸成分が零であることから、以下では、指令値λ0*を一次磁束指令値とも呼ぶ。そして、この一次磁束指令値λ0*に基づいて一次磁束[λ0]を制御すべく、インバータ制御部31は一次磁束指令値λ0*に基づいてスイッチング信号を生成し、これらをスイッチング素子Sxp,Sxnへと出力する。
このような一次磁束制御は公知であって、例えば非特許文献1などの技術を適用できるので、ここでは詳細な説明は省略し、その一例の概要のみを説明する。例えば同期電動機2(より具体的には電機子巻線221)を流れる交流電流を所定の電流検出部を用いて検出し、これをTc−Mc軸回転座標系の電流値に座標変換する。この座標変換には、前記制御座標系の回転角が用いられる。
次に、周知の電圧方程式に従って、回転速度指令値と一次磁束指令値λ0*と当該電流値とを用いて、インバータ1の出力電圧についての電圧指令値を、Tc−Mc軸回転座標上で生成する。そして、これを座標変換して、三相の電圧指令値を生成し、この三相の電圧指令値に基づいてスイッチング素子Sxp,Sxnのスイッチング信号を生成する。三相の電圧指令値に基づくスイッチング信号の生成も周知であり、例えば三相の電圧指令値と三角波との比較に基づいて行われる。
これにより、一次磁束指令値λ0*と略等しい一次磁束[λ0]を発生させ、かつ、必要な出力トルクを出力するための電流が、同期電動機2に流れる。そして同期電動機2が適切に回転することとなる。理想的にはMc−Tc回転座標系はM−T回転座標系と一致する。
<直流励磁制御の概要>
さて、同期電動機2を始動する場合には、インバータ制御部31は、一次磁束制御に先立つ初期励磁期間において、直流励磁制御を行う。この直流励磁制御は、界磁21の電機子22に対する回転位置を所定の初期位置に一致させるための制御である。つまり、界磁21を初期位置に位置させたうえで、当該初期位置に基づいて一次磁束制御を行うことにより、同期電動機2を始動させるのである。この初期位置は、一次磁束制御における制御座標系の回転角の初期値に相当する。
かかる直流励磁制御においては、インバータ制御部31は、インバータ1を制御して、所定の初期位置で界磁21を停止させるための停止磁界を、電機子22に発生させる。このような停止磁界を発生させる制御としては、例えば特許文献1または非特許文献1の技術を採用できる。以下ではその一例について述べる。
例えば、初期励磁期間において、各相のスイッチング素子Sxp,Sxnを互いに排他的に導通させるスイッチングパターンの一つを採用する。ここで全てのスイッチング素子Sxpを導通させるスイッチングパターン、および、全てのスイッチング素子Sxnを導通させるスイッチングパターンを総称する「零スイッチングパターン」の呼称を導入する。これらの零スイッチングパターンでは、出力端Pu,Pv,Pwが互いに短絡し、電機子22に電圧を出力できない。よって初期励磁期間では、これらの零スイッチングパターン以外のスイッチングパターンが採用される。但し、後述するように、零スイッチングパターン以外のスイッチングパターンが採用されるときには、零スイッチングパターンが併用されても構わない。
直流励磁制御において、例えばスイッチング素子Sup,Svpを導通させ、スイッチング素子Swnを導通させる。これにより、このスイッチングパターンに対応する電流経路で、各相の電機子巻線221に電流Iu,Iv,Iwが流れる。より具体的には、出力端Pu,PvからそれぞれU相,V相の電機子巻線221へと電流Iu,Ivが流れ、これらが合流して、W相の電機子巻線221を介して出力端Pwへと電流Iwが流れる。
かかる電流Iu,Iv,Iwによって、各相の電機子巻線221には磁界が生じる。そして、この磁界を合成した磁界(以下、電機子磁界とも呼ぶ)が、電機子22の全体に発生することとなる。各電機子巻線221に生じる磁界は、スイッチングパターンに対応した電流Iu,Iv,Iwによって発生するので、電機子22の電機子磁界の向きは、スイッチングパターンに依存することになる。上記停止磁界は、この電機子磁界の方向が実質的に一方向を維持する磁界を意味し、上記回転磁界は、この電機子磁界が実質的に時間の経過と共に回転する磁界を意味する。
初期励磁期間に亘ってスイッチングパターンを一つ採用すれば、そのスイッチングパターンの一つによって決まる方向の電機子磁界(停止磁界)が、初期励磁期間に亘って発生することとなる。
図4および図5は、初期励磁期間におけるベクトル図の一例を概略的に示している。図4および図5では電流ベクトル[I]も示されている。電流ベクトル[I]は、インバータ1が出力する電流(電機子巻線221を流れる電流)のベクトルであり、その方向は電機子磁界の方向と一致する。
界磁21に電機子磁界が印加されると、図5に示すように、界磁21(永久磁石)のd軸は電機子磁界の方向に沿うように回転する。つまり、この電機子磁界の方向(電流ベクトル[I]の方向)によって示される初期位置で、界磁21が停止する。またこのときd軸と電流ベクトル[I]が一致するので、トルク電流(T軸電流IT)が零になり、M軸もd軸に沿うこととなる。
ただし、同期電動機2の機械負荷が重い(負荷トルクが大きい)ときには、d軸は電機子磁界とずれ得る。例えば図4の状態で界磁21が停止し得る。このとき、同期電動機2は停止しているものの、機械負荷の負荷トルクよりも僅かに小さい出力トルクが出力されている。よって、図4においては、トルク電流を示す電流のT軸成分たるT軸電流ITは零にはなっていない。
なお初期励磁期間は、界磁21を停止させるまでに必要な十分な時間である。
<一次磁束制御の初期>
図4のように界磁21(d軸)が初期位置からずれた状態で、一次磁束制御を開始すると、一次磁束指令値λ0*よりも小さい一次磁束λ0しか発生できない場合がある。その理由について簡単に説明する。一次磁束指令値λ0*に等しい一次磁束λ0を発生させるための電機子反作用の磁束[λi]は、M軸とd軸が一致した状態(図5)よりも、M軸とd軸とがずれた状態(図4)の方が、大きい。つまり、必要な電流が図5の状態よりも図4の状態の方が大きい。したがって、d軸とM軸とが一致したという想定で一次磁束制御を行うと、必要な量の電流が流れずに、一次磁束λ0が小さくなる。
そして、このように一次磁束λ0が小さくなると、十分な出力トルクTeが出力できずに、同期電動機2を適切に始動できないことがある。
そこで、一次磁束指令出力部32は、初期励磁期間の終期における一次磁束λ0よりも大きな一次磁束指令値λ0*をインバータ制御装置31に出力する。なお初期励磁期間の終期においては、同期電動機2は停止していると考えられる。よって初期励磁期間の終期における一次磁束とは、初期励磁期間において同期電動機2が回転していないときの一次磁束、とも説明できる。
図6は一次磁束λ0の一例を概略的に示している。なお図6では、直流励磁期間T1においては、一次磁束λ0が破線で示されており、その後に一次磁束制御が行われる一次磁束制御期間T2における一次磁束としては、一次磁束指令値λ*が示されている。理想的な一次磁束制御においては、一次磁束λ0は一次磁束指令値λ*に一致するからである。また、図6では、初期励磁期間T1の一部が示されており、例えば同期電動機2が停止磁界に応じて停止した状態からの初期励磁期間T1が示されている。初期励磁期間T1の後の一次磁束期間T2においては、一次磁束制御が行われる。図6の例示では、一次磁束制御の開始時点t1における一次磁束指令値λ0*は、初期励磁期間T1の終期における一次磁束λ0よりも大きく設定されている。
なお初期励磁期間T1における一次磁束は、同期電動機2の機械負荷も考慮したシミュレーションまたは実験によって得ることができる。
これにより、一次磁束期間T2の初期において、同期電動機2は高い出力トルクTeを出力することが可能となる。したがって、同期電動機2を始動させやすい。
ところで、負荷トルク(あるいは同期電動機2の1回転における負荷トルクの平均値)は始動時に高く、時間の経過と共に低減する場合には、同期電動機2が出力すべき出力トルクTeも時間の経過と共に低減する。そこで、図6に例示するように、一次磁束期間T2のうち初期期間T21において、一次磁束指令出力部32は、一次磁束指令値λ0*を時間の経過と共に低減させてもよい。図6の例示では、一次磁束指令値λ0*を時間に比例して低減させている。
図7は、一つの電機子巻線221を流れる電流の波形を概略的に例示している。初期期間T21における一次磁束指令値λ0*の低減によって、初期期間T21における電流の振幅が時間の経過と共に低減する。なぜなら、一次磁束指令値λ0*を低減させれば、主としてM軸電流IMが低減するからである。これにより、初期期間T21において同期電動機2で生じる消費電力の低減を図ることができる。
なお一次磁束指令値λ0*の時間に対する低減率を大きくすれば、一次磁束λ0が急激に低減する。例えば一次磁束λ0の低減率が、負荷トルクの時間に対する低減率よりも大きい場合、即ち負荷トルクよりも急激に一次磁束λ0が低減する場合には、一次磁束制御によって、T軸電流ITが増大してしまう(式(2)参照)。
そこで、一次磁束指令値λ0*の低減率は、電流ベクトル[I]の大きさが増大しないように、設定されることが望ましい。具体的な一例として、T軸電流ITが増大しないように、一次磁束指令値λ0*の低減率を設定することが望ましい。例えば一次磁束λ0の低減率が負荷トルクの時間に対する低減率よりも小さければ、T軸電流ITは増大しないので、一次磁束指令値λ0*の低減率は、負荷トルクの時間に対する低減率よりも小さいことが望ましい。
このような負荷トルクの時間に対する低減率は、予めシミュレーションまたは実験によって知ることができる。
次に、初期期間T21の後の期間T22における一次磁束指令値λ0*について述べる。この期間T22においては、インバータ1が出力する電流(交流電流)Iu,Iv,Iwの振幅が最も小さくなるように、一次磁束指令値λ0*を設定してもよい。図8は、出力トルクTeが一定であるときの、一次磁束λ0(即ち、M軸成分λM)とインバータ1が出力する交流電流の振幅iaとの関係を示す図である。図8から、振幅iaは一次磁束λ0に対して極小値を有することが分かる。種々の出力トルクTeに対する上記関係は、シミュレーションまたは実験により予め求めることができる。
一次磁束指令出力部32は、上記関係に基づいて振幅iaが最小となる一次磁束指令値[λ*]を生成し、これをインバータ制御部31へと出力する。
これにより、振幅iaが最小となるように、一次磁束[λ0]が制御されることになり、より高い効率で同期電動機2を制御することができる。言い換えれば、消費電力を低減することができる。
なお上述の例では、初期励磁期間T1に亘ってスイッチングパターンの一つを採用した。しかるに、このスイッチングパターンは数種類しか存在しない。なぜなら、このスイッチングパターンでは各相のスイッチング素子Sxp,Sxnを互いに排他的に導通させ、しかも、零スイッチングパターンを採用しないからである。よって、初期励磁期間T1において、スイッチングパターンの一つのみを採用すれば、その数種類に対応する回転位置のうちから初期位置が選定されることになる。
しかるに本実施の形態ではこれに限らない。初期励磁期間T1において、所定の時比率で、複数のスイッチングパターンを採用することで、初期位置として任意の回転位置を採用することができる。この場合、零スイッチングパターンも採用してもよい。
また、本発明は、その発明の範囲内において、相互に矛盾しない限り、上記の種々の実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 インバータ
2 同期電動機
3 制御装置
31 インバータ制御部
32 一次磁束指令出力部

Claims (3)

  1. 界磁(21)と電機子(22)とを有する電動機(2)へと交流電圧を出力するインバータ(1)を制御する制御装置(3)であって、
    初期励磁期間(T1)に亘って前記インバータを制御して、前記電機子に対する所定の回転位置で前記界磁を停止させるための磁界を、前記電機子に発生させ、前記初期励磁期間の後に、前記界磁による前記電機子への鎖交磁束(Λa)と、電機子反作用による磁束との合成たる一次磁束(λ0)を、前記一次磁束の指令値たる一次磁束指令値(λ0*)に基づいて制御する一次磁束制御を用いて、前記インバータを制御するインバータ制御部(31)と、
    前記一次磁束制御の開始時点における前記一次磁束指令値(λ0*)を、前記初期励磁期間(T1)において前記電動機が回転していないときの前記一次磁束(λ0)よりも大きい値に設定して前記インバータ制御部に出力する一次磁束指令出力部(32)と
    を備える、インバータの制御装置。
  2. 前記一次磁束指令出力部(32)は、前記一次磁束制御の開始からの初期期間(T21)において、前記一次磁束指令値を時間の経過と共に低減させて前記インバータ制御部に出力する、請求項1に記載のインバータの制御装置。
  3. 前記一次磁束指令出力部(32)は、前記初期期間(T21)の後に、前記一次磁束指令値(λ0*)を、前記インバータ(20)が出力する交流電流の振幅が最小となる値に設定する、請求項2に記載のインバータの制御装置。
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