JP6526312B2 - 脱調検出装置及び脱調検出方法 - Google Patents

脱調検出装置及び脱調検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、電動機の脱調を検出する脱調検出装置及び脱調検出方法に関する。
電動機の脱調を検出する技術がある。特許文献1には、複数相の電流検出回路に含まれる増幅器の相間検出ゲインの差分を補正し、q軸電流の電気角周波数で見た際の2次周波数成分を検出して脱調判定を行うことが記載されている。
特開2004−120814号公報
特許文献1に記載された技術は、脱調していない状態での運転で得られた2次高調波と、脱調している状態での運転で得られた2次高調波とに十分な差分がある場合にのみ、脱調しているか否かの判定ができる。電動機が実際に使用される場合、外気の温度及び電源等の環境要因、並びに使用方法等により、電動機の回転速度及びトルクが変動する場合が多い。その際に正常運転における2次高調波と脱調運転における2次高調波との差分が小さくなったり、正常運転における2次高調波と脱調運転における2次高調波との大小関係が逆転したりする可能性がある。すると、電動機が脱調したことを検出する精度が低下する可能性がある。
本発明は、電動機の脱調を検出する精度の低下を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る脱調検出装置は、交流成分算出部と、高調波成分算出部と、回転速度算出部と、判定部と、を含む。交流成分算出部は、電動機に流れる電流から得られた前記電動機のトルク電流成分の交流成分を求める。高調波成分算出部は、交流成分算出部によって求められた交流成分から、電気角で見たときの、交流成分の2次高調波成分を求める。回転速度算出部は、交流成分算出部によって求められた交流成分から、電気角で見たときの、電動機の回転速度を求める。判定部は、回転速度算出部によって求められた回転速度に応じて定められる閾値と、高調波成分算出部によって求められた2次高調波成分とを比較し、2次高調波成分の値が閾値以上である場合に、電動機が脱調したことを示す信号を出力する。
本発明によれば、電動機の脱調を検出する精度の低下を抑制できるという効果を奏する。
実施の形態1に係る脱調検出装置を示す図 実施の形態1において閾値を回転速度に応じて変化させるデータマップの一例を示す図 実施の形態1において、判定部が閾値を補正する際に用いるデータマップの一例を示す図 実施の形態1に係る脱調検出装置の機能がソフトウェアで実現される場合のハードウェア構成例を示す図 実施の形態1に係る脱調検出装置の処理例を示すフローチャート 実施の形態1の変形例に係る脱調検出装置を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る脱調検出装置及び脱調検出方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る脱調検出装置10を示す図である。脱調検出装置10は、電動機1の脱調を検出する装置である。電動機1は、ステータが生成する回転磁界によってロータが回転するものであればよい。電動機1は、同期電動機、誘導電動機及び直流ブラシレス電動機が例示されるが、これらに限定されない。実施の形態1において、電動機1は、3相の同期電動機である。
ドライバ2は、電源4から供給される電力を電動機1に与えて電動機1を動作させる。電源4は、ドライバ2に直流電力を供給する。電源4は、交流電源から生成された直流電力をドライバ2に供給してもよいし、一次電池、二次電池又はキャパシタのような蓄電器であってもよい。
ドライバ2は、複数のスイッチング素子を有している。実施の形態1において、ドライバ2は、例えばインバータである。複数のスイッチング素子は、制御装置5から受け取った制御信号ScによってON又はOFFする。複数のスイッチング素子は、ON又はOFFすることにより、電動機1に電圧又は電流を与える。実施の形態1において、ドライバ2は、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、電動機1に与える電力を制御する。制御装置5は、電動機1に目標とする出力を発生させるための指令Srefを受け取る。制御装置5は、受け取った指令Sref及び電動機1の回転角に基づき、制御信号Scを生成して、ドライバ2に与える。電動機1の回転角は、電動機1の回転角検出器1Rによって検出される。
脱調検出装置10は、交流成分算出部12と、高調波成分算出部13と、回転速度算出部14と、判定部15とを含む。実施の形態1において、脱調検出装置10は、さらに記憶部17を有する。実施の形態1において、脱調検出装置10は、電流成分算出部11及び停止指示部16を含むが、電流成分算出部11及び停止指示部16は脱調検出装置10以外の装置に設けられていてもよい。
電流成分算出部11は、電流検出器3によって検出された電動機1の電流から、電動機1のトルク電流成分を求める。電流検出器3は、電動機1に流れる電流を検出する。詳細には、電流検出器3は、電動機1のu相を流れるu相電流Iuを検出する第1電流検出器3uと、v相を流れるv相電流Ivを検出する第2電流検出器3vとを有する。u相を流れるu相電流Iuと、v相を流れるv相電流Ivと、w相を流れるw相電流Iwとは、Iu+Iv+Iw=0の関係がある。
電流成分算出部11は、電流検出器3によって検出されたu相電流Iu及びv相電流Ivをクラーク(Clark)変換及びパーク(Park)変換することにより、d軸電流Id及びq軸電流Iqを求める。q軸電流Iqは、電動機1のトルク電流成分である。電流成分算出部11は、求めたq軸電流Iqを、交流成分算出部12及び判定部15に与える。
交流成分算出部12は、電流成分算出部11によって求められたq軸電流Iqの交流成分Iqacを求める。実施の形態1において、交流成分算出部12は、ハイパスフィルタを有している。交流成分算出部12は、ハイパスフィルタにq軸電流Iqを通過させることで、交流成分Iqacを求める。交流成分算出部12は、求めた交流成分Iqacを、高調波成分算出部13及び回転速度算出部14に与える。ハイパスフィルタはデジタルフィルタであってもよいし、アナログフィルタであってもよい。交流成分算出部12は、ハイパスフィルタ以外の手法によってq軸電流Iqの交流成分Iqacを求めてもよい。
高調波成分算出部13は、交流成分算出部12によって求められた交流成分Iqacから、電気角で見たときの、交流成分Iqacの2次高調波成分Iqac2fを求める。電動機1の電気角は、電動機1の機械角に電動機1の極対数を乗ずることで求められる。電動機1の極対数は、電動機1の極数の1/2である。実施の形態1において、高調波成分算出部13は、交流成分Iqacをフーリエ変換することにより、2次高調波成分Iqac2fを求める。この場合、高調波成分算出部13は、電動機1の回転子の回転座標系における回転周期の1周期をN分割してIqacの値をN個取り込み、N個のIqacの値を保持する。回転子の回転周期の1周期は、電気角が0から2×πになるまでに要する時間に電動機1の極対数を乗じた値である。高調波成分算出部13は、N個のIqacの値にフーリエ変換を施すことにより、電気角で見たときの、交流成分Iqacの2次高調波成分Iqac2fを求める。高調波成分算出部13は、求めた2次高調波成分Iqac2fを判定部15に与える。高調波成分算出部13は、フーリエ変換以外の手法によって2次高調波成分Iqac2fを求めてもよい。
回転速度算出部14は、交流成分算出部12によって求められた交流成分Iqacから、電動機1の電気角で見たときの回転速度fを算出する。交流成分Iqacの周波数は、電動機1の回転速度fに比例するので、回転速度算出部14は、交流成分Iqacから電動機1の回転速度fを求めることができる。回転速度fは、電動機1の電気角が単位時間あたりに変化する大きさである。実施の形態1において、回転速度fは、電動機1の電気角が0から2×πになるまでに要する時間をτとしたとき、1/τ[Hz]で表されるが、回転速度fはrad/sec.で表されてもよい。回転速度算出部14は、求めた回転速度fを判定部15に与える。
判定部15は、回転速度算出部14によって求められた回転速度f及び電流成分算出部11によって求められたq軸電流Iqに応じて定められた閾値Zと、高調波成分算出部13によって求められた2次高調波成分Iqac2fとを比較する。比較の結果、判定部15は、電気角で見たときの2次高調波成分Iqac2fの値が閾値Z以上である場合に、電動機1が脱調したことを示す信号Sjを出力する。信号Sjは、停止指示部16に与えられる。
停止指示部16は、判定部15から信号を受け取った場合に、電動機1を動作させるドライバ2に電動機1を停止させる信号である停止信号Sspを出力する。ドライバ2は、停止信号Sspを受け取ると、電動機1に対する電圧又は電流の出力を停止することにより、電動機1を停止させる。
図2は、実施の形態1において閾値Zを回転速度fに応じて変化させるデータマップMPaの一例を示す図である。実施の形態1において、判定部15は、回転速度算出部14によって求められた回転速度fに応じて閾値Zを変化させる。
図2のデータマップMPaは、閾値設定値Xと回転速度fとの関係を示している。データマップMPaは、脱調検出装置10の記憶部17に記憶される。閾値設定値Xは、閾値Zを定めるための変数であり、後述するように評価によって求められた任意の値である。閾値設定値Xは、電気角で表される。電動機1の回転速度fが0以上a以下の範囲において、閾値設定値XはAである。電動機1の回転速度fがaよりも大きくbよりも小さい範囲において、閾値設定値Xは、回転速度fが増加するにしたがって小さくなる。電動機1の回転速度fがb以上の範囲において、閾値設定値XはBである。実施の形態1において、AはBよりも大きい。
閾値Zを決定する場合、判定部15は、回転速度算出部14から電動機1の回転速度fを取得する。判定部15は、データマップMPaから回転速度fに対応する閾値設定値Xを取得する。判定部15は、取得した閾値設定値Xを用いて、閾値Zを求める。
判定部15は、回転速度算出部14から取得した電動機1の回転速度fがa以下、かつ、高調波成分算出部13から取得した2次高調波成分Iqac2fが閾値Z=A以上であれば、脱調と判定する。判定部15は、回転速度算出部14から取得した電動機1の回転速度fがb以上、かつ、高調波成分算出部13から取得した2次高調波成分Iqac2fが閾値Z=B以上であれば脱調と判定する。判定部15は、回転速度算出部14から取得した電動機1の回転速度fがaよりも大きくbよりも小さい場合、高調波成分算出部13から取得した2次高調波成分Iqac2fがAとBとを線形補間した値以上であれば脱調と判定する。この場合、閾値Zは、AとBとを線形補間した値である。
実施の形態1において、閾値設定値XであるA,B及び回転速度fであるa,bは、次のような方法で定められる。電動機1を同一のトルクで脱調運転させながら回転速度fを変化させた場合と、電動機1を同一のトルクで正常運転させながら回転速度fを変化させた場合とにおいて、それぞれの場合における2次高調波成分Iqac2fの値を測定する。そして、脱調運転時の2次高調波成分Iqac2fの値及び回転速度fと、正常運転時の2次高調波成分Iqac2fの値及び回転速度fとを用いて、脱調運転時のA,B,a,bが定められる。
実施の形態1において、閾値設定値XはA,Bの2つとし、閾値設定値Xを変更する回転速度fはa,bの2つとしているが、これらは3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。実施の形態1において、判定部15は、q軸電流Iqに応じて閾値Zを補正してもよい。
図3は、実施の形態1において、判定部15が閾値Zを補正する際に用いるデータマップMPbの一例を示す図である。データマップMPbは、脱調検出装置10の記憶部17に記憶される。データマップMPbは、補正係数Yとq軸電流Iqとの関係を示している。補正係数Yは、閾値設定値X又は閾値設定値Xの演算結果に乗算されたり、閾値設定値Xとともに演算されたりする。電動機1のq軸電流Iqが0以上c以下の範囲において、補正係数Yはαである。電動機1のq軸電流Iqがcよりも大きくdよりも小さい範囲において、補正係数Yは、電動機1のq軸電流Iqが増加するにしたがって大きくなる。電動機1のq軸電流Iqがd以上の範囲において、補正係数Yはβである。実施の形態1において、βはαよりも大きい。
補正係数Yを用いて閾値Zを決定する場合、判定部15は、回転速度算出部14から電動機1の回転速度fを取得し、電流成分算出部11からq軸電流Iqを取得する。判定部15は、データマップMPaから回転速度fに対応する閾値設定値Xを取得し、データマップMPbからq軸電流Iqに対応する補正係数Yを取得する。判定部15は、取得した閾値設定値X及び補正係数Yを用いて、閾値Zを求める。このように、実施の形態1において、閾値Zは、q軸電流Iqによって変化する。
判定部15は、電流成分算出部11から取得したq軸電流Iqがc以下である場合、電動機1の回転速度fによって定まる閾値設定値Xに補正係数Y=αを乗算する。判定部15は、電流成分算出部11から取得したq軸電流Iqがd以上である場合、電動機1の回転速度fによって定まる閾値設定値Xに補正係数Y=βを乗算する。判定部15は、電流成分算出部11から取得したq軸電流Iqがcよりも大きくdよりも小さい場合、回転速度算出部14から取得した電動機1の回転速度fによって定まる閾値設定値Xに、αとβとを線形補間した値を乗算する。この場合、補正係数Yは、αとβとを線形補間した値である。
実施の形態1において、補正係数Yであるα,β及びq軸電流Iqであるc,dは、次のような方法によって定められる。同一の回転速度fで電動機1を正常運転させながらトルクを変化させたときの2次高調波成分Iqac2fの値を測定する。正常運転かつ電動機1のトルクが大きい場合には、2次高調波成分Iqac2fの値が大きくなることによる脱調の誤判定を抑制するために、閾値Zが大きくなるように補正係数Yが設定される。
実施の形態において、補正係数Yはα,βの2つとし、補正係数Yを変更するq軸電流Iqはc,dの2つとしているが、これらは3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。
<脱調検出装置10のハードウェア構成について>
脱調検出装置10の機能は、専用のハードウェアである処理回路によって実現されてもよい。この場合、処理回路は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。脱調検出装置10の機能を異なる処理回路が実現してもよいし、脱調検出装置10の機能をまとめて1つの処理回路が実現してもよい。
図4は、実施の形態1に係る脱調検出装置10の機能がソフトウェアで実現される場合のハードウェア構成例を示す図である。脱調検出装置10の機能は、プロセッサ10Pによって実現される。プロセッサ10Pは、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)ともいう。
この場合、脱調検出装置10の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組合せにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ10Mに記憶される。プロセッサ10Pは、メモリ10Mに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、脱調検出装置10の機能を実現する。これらのプログラムは、脱調検出装置10が実行する手順及び実施の形態1に係る脱調検出方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
メモリ10Mは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった揮発性又は不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、及びDVD(Digital Versatile Disc)が該当する。メモリ10Mは、脱調検出装置10の記憶部17に相当する。
脱調検出装置10の機能は、一部が専用のハードウェアで実現され、一部がソフトウェア又はファームウェアで実現されてもよい。このように、脱調検出装置10は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組合せによって機能を実現することができる。
<脱調検出装置10の処理例>
図5は、実施の形態1に係る脱調検出装置10の処理例を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、実施の形態1に係る脱調検出方法の処理例でもある。ステップS101において、図1に示される脱調検出装置10は、電動機1に流れる電流から、q軸電流Iq、交流成分Iqac、2次高調波成分Iqac2f及び回転速度fを求める。電動機1に流れる電流は、電流検出器3によって検出される。電流成分算出部11は、電流検出器3によって検出された電動機1の電流からq軸電流Iqを求める。交流成分算出部12は、q軸電流Iqから交流成分Iqacを求める。高調波成分算出部13は、交流成分Iqacから2次高調波成分Iqac2fを求める。回転速度算出部14は、2次高調波成分Iqac2fから回転速度fを求める。
ステップS102において、判定部15は、回転速度fと、閾値設定値Xを変更する回転速度aとを比較する。閾値設定値Xを変更する回転速度を、以下においては適宜、回転速度閾値と称する。回転速度fが回転速度閾値a以下である場合(ステップS102,Yes)、ステップS103において、判定部15は第1の方法で閾値Zを求める。回転速度fが回転速度閾値aよりも大きい場合(ステップS102,No)、ステップS104において、判定部15は回転速度fが回転速度閾値aよりも大きく回転速度閾値bよりも小さいか否かを判定する。
回転速度fが回転速度閾値aよりも大きく回転速度閾値bよりも小さい場合(ステップS104,Yes)、ステップS105において、判定部15は第2の方法で閾値Zを求める。回転速度fが回転速度閾値b以上である場合(ステップS104,No)、ステップS106において、判定部15は第3の方法で閾値Zを求める。
第1の方法、第2の方法又は第3の方法のいずれかで閾値Zが求められたら、ステップS107において、判定部15は、2次高調波成分Iqac2fと閾値Zとを比較する。2次高調波成分Iqac2fが閾値Z以上である場合(ステップS107,Yes)、ステップS108において判定部15は電動機1が脱調していると判定し、停止信号Sspをドライバ2に出力する。停止信号Sspを受け取ったドライバ2は、電動機1を停止させる。2次高調波成分Iqac2fが閾値Z未満である場合(ステップS107,No)、判定部15は電動機1が脱調していないと判定する。
次に、第1の方法、第2の方法及び第3の方法を説明する。第1の方法は、回転速度fが回転速度閾値a以下である場合、すなわちf≦aである場合に閾値Zを求める方法である。第1の方法において、q軸電流Iqが、補正係数Yを変更するq軸電流c以下である場合、すなわちIq≦cである場合、閾値Zは式(1)で求められる。以下において、補正係数Yを変更するq軸電流を適宜、q軸電流閾値と称する。
Z=A×α・・(1)
第1の方法においてq軸電流Iqがq軸電流閾値cよりも大きくq軸電流閾値dよりも小さい場合、すなわちc<Iq<dである場合、閾値Zは式(2)で求められる。
Z=A×{{(β−α)÷(d−c)}×(Iq−c)+α}・・(2)
第1の方法においてq軸電流Iqがq軸電流閾値d以上である場合、すなわちd≦Iqである場合、閾値Zは式(3)で求められる。
Z=A×β・・(3)
第2の方法は、回転速度fが回転速度閾値aよりも大きく回転速度閾値bよりも小さい場合、すなわちa<f<bである場合に閾値Zを求める方法である。第2の方法においてq軸電流Iqがq軸電流閾値c以下である場合、すなわちIq≦cである場合、閾値Zは式(4)で求められる。
Z={{(A−B)÷(b−a)}×(b−f)+B}×α・・(4)
第2の方法においてq軸電流Iqがq軸電流閾値cよりも大きくq軸電流閾値dよりも小さい場合、すなわちc<Iq<dである場合、閾値Zは式(5)で求められる。
Z={{(A−B)÷(b−a)}×(b−f)+B}×{{(β−α)÷(d−c)}×(Iq−c)+α}・・(5)
第2の方法においてq軸電流Iqがq軸電流閾値d以上である場合、すなわちd≦Iqである場合、閾値Zは式(6)で求められる。
Z={{(A−B)÷(b−a)}×(b−f)+B}×β・・(6)
第3の方法は、回転速度fが回転速度閾値aよりも大きく回転速度閾値bよりも小さい場合、すなわちa<f<bである場合に閾値Zを求める方法である。第3の方法においてq軸電流Iqがq軸電流閾値c以下である場合、すなわちIq≦cである場合、閾値Zは式(7)で求められる。
Z=B×α・・(7)
第3の方法においてq軸電流Iqがq軸電流閾値cよりも大きくq軸電流閾値dよりも小さい場合、すなわちc<Iq<dである場合、閾値Zは式(8)で求められる。
Z=B×{{(β−α)÷(d−c)}×(Iq−c)+α}・・(8)
第3の方法においてq軸電流Iqがq軸電流閾値d以上である場合、すなわちd≦Iqである場合、閾値Zは式(9)で求められる。
Z=B×β・・(9)
以上、実施の形態1に係る脱調検出装置10及び脱調検出方法は、電動機1の回転速度fに応じて閾値Zを変更する。このような処理により、実施の形態1に係る脱調検出装置10及び脱調検出方法は、外気温度及び電源の変動といった環境要因、並びに電動機1の使用方法等により、電動機1の回転速度f及びトルクが変動する場合でも、電動機1の脱調を判定する精度の低下を抑制できる。その結果、実施の形態1に係る脱調検出装置10及び脱調検出方法は、電動機1が正常運転している場合に脱調したと判定して電動機1を停止させてしまうような動作不良を抑制できる。また、実施の形態1に係る脱調検出装置10及び脱調検出方法は、電動機1が脱調運転している場合に脱調していないと判定して、脱調したまま電動機1の運転が継続する可能性を低減できるので、脱調したまま電動機1の運転が継続することによって発生する不具合を低減できる。
実施の形態1に係る脱調検出装置10及び脱調検出方法は、q軸電流Iqに応じて閾値Zを補正する。このような処理により、実施の形態1に係る脱調検出装置10及び脱調検出方法は、電動機1の脱調を判定する精度の低下を、さらに確実に抑制できる。詳細には、補正係数Yはq軸電流Iqが増加すると大きくなるので、電動機1が正常運転しているときにq軸電流Iqが増加してトルクが大きくなった場合には、閾値Zも大きくなる。その結果、実施の形態1に係る脱調検出装置10及び脱調検出方法は、電動機1のトルクが大きくなった場合において、脱調の誤判定を抑制できる。このため、実施の形態1に係る脱調検出装置10及び脱調検出方法は、脱調の誤判定によって電動機1が停止するといった動作不良を抑制できる。
補正係数Yはq軸電流Iqが減少すると小さくなるので、電動機1が正常運転しているときにq軸電流Iqが減少してトルクが小さくなった場合には、閾値Zも小さくなる。その結果、実施の形態1に係る脱調検出装置10及び脱調検出方法は、電動機1のトルクが小さくなった場合において、精度よく脱調を判定できる。このため、実施の形態1に係る脱調検出装置10及び脱調検出方法は、脱調であると判定されない状態で電動機1の脱調運転が継続することによって電動機1に生じる不具合を抑制できる。
<変形例>
図6は、実施の形態1の変形例に係る脱調検出装置10aを示す図である。実施の形態1において、脱調検出装置10は電流成分算出部11によってq軸電流Iqが求められたが、変形例において、脱調検出装置10aは制御装置5が求めたq軸電流Iqを用いる点が異なる。すなわち、脱調検出装置10aは、電流成分算出部11を有さない点が、脱調検出装置10とは異なる。脱調検出装置10aの他の構成は、脱調検出装置10と同様である。
制御装置5は、第1変換部21と、第2変換部22と、第1制御部23Fと、第2制御部23Sと、第3変換部24と、第4変換部25とを有する。第1変換部21は、電流検出器3aによって検出されたu相電流Iu、v相電流Iv及びw相電流Iwをクラーク変換して、α軸電流Iα及びβ軸電流Iβを求める。電流検出器3aは、第1電流検出器3uと、第2電流検出器3vと、w相を流れるw相電流Iwを検出する第3電流検出器3wとを有する。第2変換部22は、α軸電流Iα及びβ軸電流Iβをパーク変換することにより、d軸電流Id及びq軸電流Iqを求める。第2変換部22は、パーク変換を実行するにあたって、電動機1の回転角検出器1Rによって検出された電動機1の回転角θeを用いる。回転角θeは電気角である。
第2変換部22によって求められたq軸電流Iqは、脱調検出装置10aが取得する。脱調検出装置10aは、q軸電流Iqを用いて、実施の形態1に係る脱調検出装置10と同様に電動機1の脱調を検出する。
第1制御部23Fは、第2変換部22によって求められたq軸電流Iqと、q軸電流の目標値Iqrefとを比較し、両者の差が0になるように電圧値Vqを求める。第2制御部23Sは、第2変換部22によって求められたd軸電流Idと、d軸電流の目標値Idrefとを比較し、両者の偏差が0になるように電圧値Vdを求める。
第3変換部24は、第1制御部23Fによって求められた電圧値vq及び第2制御部23Sによって求められた電圧値vdを逆パーク変換して、変換値vα及び変換値vβを求める。第3変換部24は、逆パーク変換を実行するにあたって、電動機1の回転角検出器1Rによって検出された電動機1の回転角θeを用いる。
第4変換部25は、第3変換部24から取得した変換値vα及び変換値vβに空間ベクトル変換を施して、制御信号Scを生成する。ドライバ2は、第4変換部25から制御信号Scを取得する。ドライバ2は、取得した制御信号Scにしたがってスイッチング素子をON又はOFFさせることにより、電動機1を駆動する。
変形例は、実施の形態1と同様の作用及び効果を奏する。さらに、変形例は、制御装置5によって求められたq軸電流Iqが脱調検出装置10aに用いられるので、脱調検出装置10aに電流成分算出部11が備えられなくてもよい。その結果、変形例は、脱調検出装置10aの構造を簡単にできる。変形例において、脱調検出装置10aは、図6の二点鎖線に示されるように、制御装置5に備えられてもよい。この場合、脱調検出装置10aの機能は制御装置5によって実現される。
実施の形態1及び変形例に係る脱調検出装置10,10aは、電動機1の正常運転時における動作品質を向上させたり、電動機1の脱調運転が継続した場合に生じる電動機1の騒音及び振動を抑制したり、電動機1が有する永久磁石の減磁及び巻線の絶縁破壊を抑制したりすることが可能である。実施の形態1及び変形例に係る脱調検出装置10,10aは、冷凍機の圧縮機を駆動する電動機、空気調和機の圧縮機を駆動する電動機及び空気調和機のファンを駆動する電動機の脱調を検出できる。実施の形態1及び変形例に係る脱調検出装置10,10aは、冷凍機及び空気調和機に適用されることで、信頼性の高い冷凍機及び空気調和機を実現できる。
以上の実施の形態1及び変形例に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 電動機、2 ドライバ、3,3a 電流検出器、4 電源、5 制御装置、10,10a 脱調検出装置、11 電流成分算出部、12 交流成分算出部、13 高調波成分算出部、14 回転速度算出部、15 判定部、16 停止指示部、17 記憶部、f 回転速度、Iq q軸電流、Iqac 交流成分、Iqac2f 2次高調波成分、Ssp 停止信号、Z 閾値。

Claims (5)

  1. 電動機に流れる電流から得られた前記電動機のトルク電流成分の交流成分を求める交流成分算出部と、
    前記交流成分算出部によって求められた前記交流成分から、電気角で見たときの、前記交流成分の2次高調波成分を求める高調波成分算出部と、
    前記交流成分算出部によって求められた前記交流成分から、電気角で見たときの、前記電動機の回転速度を求める回転速度算出部と、
    前記回転速度算出部によって求められた前記回転速度に応じて定められる閾値と、前記高調波成分算出部によって求められた前記2次高調波成分とを比較し、前記2次高調波成分の値が前記閾値以上である場合に、前記電動機が脱調したことを示す信号を出力する判定部と、
    を含む、脱調検出装置。
  2. 前記判定部から前記信号を受け取った場合に、前記電動機を動作させるドライバに前記電動機を停止させる信号を出力する停止指示部を有する、請求項1に記載の脱調検出装置。
  3. 前記閾値は、前記トルク電流成分によって変化する、請求項2に記載の脱調検出装置。
  4. 電動機に流れる電流から、前記電動機のトルク電流成分を求め、前記トルク電流成分の交流成分を求め、電気角で見たときの2次高調波成分を前記交流成分から求め、電気角で見たときの前記電動機の回転速度を前記交流成分から求める工程と、
    前記回転速度に応じて定められる閾値と、前記2次高調波成分とを比較し、電気角で見たときの前記2次高調波成分の値が前記閾値以上である場合に、前記電動機が脱調したことを示す信号を出力する工程と、
    を含む、脱調検出方法。
  5. 前記閾値は、前記トルク電流成分によって変化する、請求項4に記載の脱調検出方法。
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