JP6519191B2 - コンクリート構造物用化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物の表面に意匠性と耐久性を付与するための化粧シート、および該化粧シートを用いたコンクリート構造物の表面仕上げ方法に関する。
コンクリート構造物は、その外観を美装したり或いは耐久性を高めるためにその表面に塗装を施したり、タイルを貼ったりして仕上げを行うのが一般的である。例えば、タイル貼り仕上げでは、コンクリート構造物の表面にモルタルを塗布した後、目地が等間隔となるように一枚一枚タイルを貼ることにより行われていたため、熟練した作業者を必要とする作業であった。また、このような工法で仕上げられたタイル貼り装飾では、地震や経年劣化によるタイルの剥落も問題となっていた。このため、最近ではモルタルの代わりに接着剤を用いてタイルを貼り合わせる工法が採用され始めている。
また、大規模建築物等では、建築現場でコンクリート打設を行うのではなく、予め工場内で大型のプレキャストコンクリートパネルを作製しておき、建築現場でプレキャストコンクリートパネルを組み立ててコンクリート構造物を完成させる工法(プレキャスト工法)を採用することも行われている。プレキャスト工法で建築されたコンクリート構造物であっても、その表面にタイル貼り等を行って意匠性や耐久性を高めることが行われるが、近年では、作業者が一枚一枚タイルを貼り合わせるのではなく、予め複数のタイルを配列させたタイルシートを作製しておき、タイルシートをプレキャストコンクリートパネルの表面に貼り合わせる工法も開発されている(例えば、特開平6−280387号公報)。また、プレキャストコンクリートパネルを作製する際に型枠にタイルシートを配置しておき型枠内にコンクリートを打設することにより、内外装が施されたプレキャストコンクリートパネルを工場内で作製する、先付け工法と呼ばれる工法も検討され始めている(例えば、特開平7−47629号公報等)。
プレキャスト工法を採用することにより、外装仕上げが施されたコンクリート構造物を完成するまでの工期を非常に短縮することが可能になってきている。しかしながら、上記したようなタイル貼りの作業自体は熟練した作業者を必要とし、時間を要するものであった。
また、コンクリート構造物の表面を美装する手段として、上記したようなタイル貼り工法以外にも、意匠性を付与した仕上げシートをコンクリート構造物の表面に貼り合わせることが行われており、このような仕上げシートを使用すれば、コンクリートの打設時に型枠の内側に仕上げシートを配置させておくことにより、コンクリートと仕上げシートとが一体化した構造物を得ることができる(例えば、特開2014−200986号公報等)。
特開平6−280387号公報 特開平7−47629号公報 特開2014−200986号公報
本出願人は、タイル貼り工法に代えて、木目模様や石目模様等の意匠装飾が施された化粧シートをコンクリート構造物の表面に貼り合わせることによって、コンクリート構造物に全く新しい意匠性を付与することができることを提案している。また、本出願人は、コンクリート表面にシートを貼り合わせる際の接着剤として、特定の硬化剤と硬化触媒とを併用した貼り直しが可能なエポキシ系接着剤を提案している(特開2014−65889号公報)。そして、今般、このような化粧シートの接着層として特定の硬化性樹脂組成物を使用することにより、化粧シートの仮貼により位置合わせを行ってから本貼りができるため、意匠装飾の絵柄の模様合わせやタイル調絵柄の場合の目地模様合わせを短時間で正確にできるとともに、大面積のコンクリート構造物であっても、安定した品質の表面仕上げを短時間で行うことができることを見出した。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、仮貼により位置合わせを行ってから本貼りができる目地模様合わせが簡易かつ簡便な化粧シートであって、大面積のコンクリート構造物であっても、安定した品質の表面仕上げを短時間で行うことができるコンクリート構造物用化粧シートを提供することである。また、別の目的は、該化粧シートを用いたコンクリート構造物の表面仕上げ方法を提供することである。
本発明によるコンクリート構造物用化粧シートは、離型シートと、前記離型シートの一方の面に設けられた接着層と、前記接着層の前記離型シート側とは反対側の面に設けられた意匠層と、を備え、
前記接着層が、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により硬化反応が促進される硬化性樹脂組成物を含んでなることを特徴とするものである。
また、本発明によるコンクリート構造物用化粧シートの実施態様においては、前記意匠層表面に、更に表面保護層を備えていてもよい。
また、本発明によるコンクリート構造物用化粧シートの実施態様においては、前記硬化性樹脂組成物が、
分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する硬化性化合物と、
硬化剤として、分子中にメルカプト基を有する化合物と、
硬化触媒として、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により塩基性物質を発生する下記式(I):
Figure 0006519191
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、または、置換基を含んでもよく不飽和結合を含んでもよい、直鎖状または分岐鎖を有する炭化水素基を表すが、RおよびRの少なくとも1つは該炭化水素基であり、RおよびRは結合して環状構造を形成していてもよく、
およびRは、それぞれ独立して、水素または1価の置換基を表し、
〜Rは、それぞれ独立して、水素または1価の置換基を表すが、R〜Rの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、
は加熱および/または電磁波の照射により脱保護可能な保護基を表す。)
で表される塩基発生化合物と、を含んでいてもよい。
また、本発明によるコンクリート構造物用化粧シートの実施態様においては、化粧シートが長尺状のシートであってもよい。
また、本発明による別の態様によるコンクリート構造物の表面仕上げ方法は、
型枠内にコンクリートを打設してコンクリート構造物を作製する工程、
前記化粧シートに、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱を行う工程、および
前記化粧シートから離型シートを剥離して接着層を露出させ、前記コンクリート構造物の表面に前記化粧シートを貼り合わせる工程、
を含むものである。
さらに本発明の別の態様によるコンクリート構造物の表面仕上げ方法は、
前記化粧シートに、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱を行う工程、
前記化粧シートから離型シートを剥離して接着層を露出させる工程、
前記化粧シートを、前記接着層が内向するように型枠の内壁に配置する工程、および
前記型枠内にコンクリートを打設する工程、
を含むものである。
本発明によれば、接着層として電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により硬化反応が促進される硬化性樹脂組成物を用いた化粧シートをコンクリート構造物の表面に適用することにより、化粧シートの仮貼により位置合わせを行ってから本貼りができるため、意匠装飾の絵柄の模様合わせやタイル調絵柄の場合の目地模様合わせを短時間で正確にできる。また、大面積のコンクリート構造物であっても、安定した品質の表面仕上げを短時間で行うことができる。また、接着剤が付与されたシートを使用するため、従来のタイル貼り工法のようにモルタルまたは接着剤を塗布してからタイルを貼り合わせるという二段階の工程を経ることなく、一度でコンクリート構造物の表面仕上げを行うことができる。
さらに、化粧シートによれば、タイルを使用することなくコンクリート構造物の表面をタイル調に仕上げることができるため、地震等によるタイル剥落の恐れがない。また、化粧シートを樹脂フィルムのような軽量物とすれば、作業者の安全を確保することもできる。
本発明によるコンクリート構造物用化粧シートの一実施態様を示した模式断面図。 本発明によるコンクリート構造物用化粧シートの別の実施態様を示した模式断面図。
以下、本発明によるコンクリート構造物用化粧シートの実施の形態について詳細に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<コンクリート構造物用化粧シート>
図1は、本発明によるコンクリート構造物用化粧シートを示す模式断面図である。本発明によるコンクリート構造物用化粧シート1は、離型シート11と、離型シート11の一方の面に設けられた接着層10と、接着層10の離型シート11側とは反対側の面に設けられた意匠層12とを備えている。また、コンクリート構造物用化粧シートは、図2に示すように、意匠層12を保護する目的で、意匠層表面に更に表面保護層13を備えていてもよい。以下、コンクリート構造物用化粧シートを構成する各材料について説明する。
意匠層は、コンクリート構造物用化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
意匠層は、例えば、公知の着色剤(染料または顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(または分散媒)中に溶解(または分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等により、基材シート表面に印刷することにより形成することができる。印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
意匠層を構成する基材シートは、コンクリート構造物用化粧シートの強度や耐久性を考慮して種々の材料を選択できるが、ポリオレフィン系樹脂からなるシートを用いることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレンを主成分とする単独重合体または共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、および、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1またはオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントにアイソタクチックポリプロピレン、ソフトセグメントにアタクチックポリプロピレンを重量比80:20で混合したものが好ましい。
基材シートの厚みは特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが、通常40〜150μm、好ましくは50〜100μm程度である。
基材シートには、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。
基材シートの表面には、上記した絵柄等を印刷する際の定着性や耐久性を考慮して、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施したり、プライマー層を設けてもよい。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤等が挙げられる。
意匠層の表面に設けられる表面保護層は、化粧シートをコンクリート構造物の表面に貼り合わせた後に、意匠層を保護し、耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与するものである。表面保護層は、意匠層の表面に、公知の熱硬化型樹脂や電離放射線硬化型樹脂等からなる層を設けることにより形成することができる。例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等の熱硬化型樹脂の溶液を、意匠層表面にロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥・硬化させることにより形成することができる。また、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂、シロキサン等のケイ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の電離放射線硬化型樹脂プレポリマー、オリゴマー、またはモノマーを上記塗布法で塗布し、紫外線、電子線等の電離放射線を照射して硬化させることにより表面保護層を形成することができる。
表面保護層を構成する樹脂組成物中には、融点が110℃以下のポリエチレンワックスが含まれていることが好ましく、表面保護層と水性ワックスとの密着性を向上させることができる。融点が110℃以下のポリエチレンワックスとしては、変性ポリエチレンワックスを用いて調製したものを用いることができ、例えば、酸化変性ポリエチレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、モノマー変性ポリエチレンワックスの中から適宜選択して混合することにより、融点を110℃に調整したポリエチレンワックスを得ることができる。なお、ポリエチレンワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/minで0℃から200℃まで昇温させる条件により測定される値である。
ポリエチレンワックスの含有量は、上記熱硬化型樹脂または電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂である、表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して、0.2〜0.6重量部である。ポリエチレンワックスの含有量を上述の範囲とすることにより、化粧シートの耐傷性、防滑性および水性ワックスの密着性を向上させることができる。
また、表面保護層には、耐傷性を更に向上させることを目的として、硬質フィラーが含まれていてもよい。硬質フィラーとしては、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイアモンド、金剛砂、ガラス繊維、溶融シリカ等が挙げられる。硬質フィラーの含有量は、上記熱硬化型樹脂または電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂である、表面保護層を形成する樹脂成分100重量部に対して、1〜10重量部であることが好ましい。また、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤、抗菌剤等を含んでいてもよい。
表面保護層の厚みは、コンクリート構造物用化粧シートの表面耐傷性やカール抑制を考慮して、20〜40μmとすることが好ましい。
表面保護層は、その表面がエンボス加工されていてもよい。エンボス加工方法は特に限定されず、例えば、表面保護層の表面を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい方法として挙げられる。エンボス加工には、公知の枚葉式または輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
化粧シートの耐候性をより向上させる目的で、表面保護層の最表面には更にハードコート層(図示せず)が設けられていてもよい。このようなハードコート層は、例えば特開2014−208493号公報に記載のような転写箔を用いて形成することができる。
また、意匠層と表面保護層との間には、両者の密着性を向上させる目的で透明性接着剤層(図1および図2には図示せず)が設けられていてもよい。透明性接着剤層は、意匠層を視認できる範囲の透明性を有しているものであれば特に制限されるものではなく、例えばポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等を用いて形成することができる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂またはポリエステル樹脂も適用し得る。
次に、コンクリート構造物用化粧シートを構成する接着層について説明する。接着層は、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により硬化反応が促進される硬化性樹脂組成物を含む。後記するように、本発明によるコンクリート構造物用化粧シートは、離型シートを剥離して接着層を露出させることにより、コンクリート構造物の表面に貼り合わすことができる。その際、接着剤として、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により硬化反応が促進される硬化性樹脂組成物を用いると、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱を行う前(即ち、コンクリート構造物用化粧シートの使用前)は、硬化性樹脂組成物の硬化反応は進行しないため保存安定性が優れる。一方、コンクリート構造物用化粧シートの使用時に電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱を行うことにより、速やかに硬化反応が進行して硬化性樹脂組成物が硬化する。そのため、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱のタイミングを調整することにより、シートの目地合わせや模様合わせが簡易かつ簡便にでき、安定した品質の仕上げ加工を行うことができる。また、従来のように、コンクリート構造物の表面にモルタルや接着剤を塗布してからタイルシートを貼り合わせるという二工程を必要とせず、一回の工程によってシートを貼り合わせることができるため、現場での施工作業の時間を大幅に短縮することができる。
上記したような電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により硬化反応が促進される硬化性樹脂組成物としては、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する硬化性化合物と、硬化剤として、分子中にメルカプト基を有する化合物と、硬化触媒として、下記一般式(I)で表される電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により塩基性物質を発生する塩基発生化合物と、を含んでなる硬化性樹脂組成物が挙げられる。
Figure 0006519191
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、または、置換基を含んでもよく不飽和結合を含んでもよい、直鎖状または分岐鎖を有する炭化水素基を表すが、RおよびRの少なくとも1つは該炭化水素基であり、RおよびRは結合して環状構造を形成していてもよく、
およびRは、それぞれ独立して、水素または1価の置換基を表し、
〜Rは、それぞれ独立して、水素または1価の置換基を表すが、R〜Rの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、
は加熱および/または電磁波の照射により脱保護可能な保護基を表す。)
分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する硬化性化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のアルコール型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂が、分子量の異なるグレードのものを広く入手可能で、粘接着性や反応性等を任意に設定できるという点においてより好ましい。また、トリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂は、該エポキシ樹脂を含有する感光性樹脂組成物からなる塗工液を塗布後、乾燥(100℃,10分間)した際に均一膜を形成し、室温になった際に離型PETからの剥離を容易にするという点において好ましい。
上記硬化性化合物は、短時間での硬化を実現するために、反応性が高く、かつ、エポキシ当量が低いことが好ましい。例えば、エポキシ当量が100〜800g/eq.範囲内であることが好ましい。ここで、エポキシ当量とは、JIS K7236に準拠した方法により測定した1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数である。
上記硬化性化合物の市販品としては、例えば、DIC株式会社製の「EPICLON EXA−835LV」、「EPICLON 850S」、「EPICLON N740」、「EPICLON EXA−830CRP」、「EPICLON EXA−830LVP」、「EPICLON HP−820」、三菱化学株式会社製の「jER 828」、「jER 806」、「jER 1001」、「jER 801N」、「jER 807」、「jER 152」、「jER 604」、「jER 630」、「jER 871」、「jER YX8000」、「jER YX8034」、「jER YX4000」、日本触媒株式会社製の「アクリセット BPA−328」、日産化学株式会社製の「TEPIC SP」、株式会社ADEKA製のEP4100シリーズ、EP4000シリーズ、EPUシリーズ、ダイセル化学工業株式会社製のセロキサイドシリーズ、エポリードシリーズ、EHPEシリーズ、東都化成株式会社製のYDシリーズ、YDFシリーズ、YDCNシリーズ、YDBシリーズ、ナガセケムテックス株式会社製のデナコールシリーズ、共栄社化学株式会社製のエポライトシリーズ等が挙げられる。
上記硬化性化合物の質量平均分子量は、例えば、100〜5000の範囲内のものが好適であるが、形成される粘接着剤層の接着力、耐久性等を向上させるためには、上記範囲内において高分子量のものを用いることがより好ましい。硬化性化合物は固体状、液状のいずれのものでも使用することができる。
また、硬化性化合物として、上記以外の他に末端にエポキシ基を有する比較的高分子量の樹脂でエポキシ樹脂と反応可能なフェノキシ樹脂等を配合することができる。フェノキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールF骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールS骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールM骨格(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール骨格)を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールP骨格(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール骨格)を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールZ骨格(4,4’−シクロヘキシィジエンビスフェノール骨格)を有するフェノキシ樹脂等、ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ノボラック骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、フルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノキシ樹脂、ノルボルネン骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するフェノキシ樹脂等を挙げることができる。前記フェノキシ樹脂の分子量は、特に限定されないが、質量平均分子量が5000〜100000であることが好ましい。さらに好ましくは10000〜70000である。質量平均分子量が前記下限値以上であれば、製膜性を向上させる効果を十分に得ることができる。一方、前記上限値以下であれば、溶解性を維持することができて好適である。なお、本明細書において、質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際のポリスチレン換算の値を意味する。
上記した硬化性化合物の含有量は、目的とする用途により適宜設定する必要があるが、硬化性樹脂組成物全体を100質量部としたときに15〜95質量部であることが好ましい。含有量を15質量部以上とすることで、高温での弾性率を向上させることができ、95質量部以下とすることで、線膨張係数を高めて熱応力の緩和効果が得られる。
上記した硬化性化合物を硬化させるための硬化剤として、メルカプト基を有する化合物を使用することが好ましい。分子内にメルカプト基を2個以上有するものであれば、従来公知のものを使用できるが、分子内にメルカプト基を3個以上有するものがより好適である。メルカプト基の数が1個であると、硬化性化合物との反応点が低下し、接着性や耐久性が劣る場合がある。
メルカプト基を有する化合物のうち、ジチオールとして、例えば、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール(トリメルカプト−トリアジン)、1,5−ナフタレンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、4,4′−チオビスベンゼンチオール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン等が知られている。
また、トリチオールとして、例えば、トリチオグリセリン、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール(トリメルカプト−トリアジン)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、2,4,6−トリス(メルカプトメチル)メシチレン、トリス(メルカプトメチル)イソシアヌレート、トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレート、2,4,5−トリス(メルカプトメチル)−1,3−ジチオランが知られている。
また、テトラチオールとして、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、テトラメルカプトブタン、ペンタエリトリチオールが知られている。
上記した硬化剤の含有量は、目的とする用途により適宜設定する必要があるが、上記硬化性化合物の1エポキシ当量に対して、その活性水素当量が0.7〜1.2当量となるように配合されることが好ましい。メルカプト基を有する化合物の含有量が0.7当量以上で比較的低温でも硬化性が良好で硬化後の接着強度にも優れるという効果が顕著に発揮される。一方、メルカプト基を有する化合物の含有量が1.2当量を超えると初期粘着性および接着性の低下やコスト高という不都合を生ずるおそれがある点で好ましくない。
硬化性樹脂組成物には、上記した硬化性化合物および硬化剤に併用して、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により、脂肪族アミンを塩基性物質として発生する塩基発生化合物が含まれることが好ましい。なお、本明細書において、電磁波とは、波長を特定した場合を除き、可視および非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、および、電磁波と粒子線を総称する放射線または電離放射線を含むものとする。電磁波としては、特に限定されるものではなく、可視および非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、および、電磁波と粒子線を総称する放射線または電離放射線が含まれる。具体的には、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線等が挙げられる。これらの中でも、特に取り扱いが簡便であり、比較的高いエネルギーを得ることが可能な紫外線がより好適である。
照射光としては、200〜450nmの波長域の光が好ましく、300〜450nmの波長域の光がより好ましい。光源は、特に限定されるものではなく、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、炭素アーク灯、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、アルゴングローランプ、ハロゲンランプ、白熱ランプ、低圧水銀灯、フラッシュUVランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、タングステンフィラメントランプ、太陽光等が挙げられる。これらの光源を用い、積算光量が0.5〜6J/cm、好ましくは1〜6J/cmの範囲となるように光を照射することにより、上記接着剤を硬化させることができる。積算光量が0.5J/cm未満であると、硬化が不十分となるおそれがあり、6J/cm未満を超えると、作業時間が長くなるおそれがあるため、好ましくない。
硬化触媒として用いられる塩基発生化合物は、上記一般式(I)で表されるものであり、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により、脂肪族アミンを発生する。芳香族アミンを発生する塩基発生化合物に比べて溶解性が高く、塩基発生化合物の濃度を相対的に高くできるため、低温であっても熱硬化性を高めることができる。
上記一般式(I)で表される塩基発生化合物は、電磁波の照射により、または電磁波の照射と加熱とを組み合わせることにより、少ない照射量で、効率的に塩基を発生することが可能である。なお、電磁波の照射により塩基性物質を発生する塩基発生化合物とは、常温常圧の通常の条件下では活性を示さないが、外部刺激として電磁波が加えられると、塩基を発生する化合物をいうものとする。
上記一般式(I)で表される塩基発生化合物は、上記特定構造を有するため、電磁波が照射されることにより、一般式(I)中の(−CR=CR−C(=O)−)部分がトランス体からシス体へと異性化し、更に加熱によって環化し、塩基性物質であるアミン、NHRを生成する。そして、下記に示すように、このアミンが、メルカプト基を有する化合物の硬化触媒として作用する。
Figure 0006519191
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すなわち、電磁波を照射した後、加熱しなければ、塩基を発生しないため、後述する分子中にエポキシ基を少なくとも1個以上有する硬化性化合物と共存させても硬化反応が進行しない。したがって、硬化性化合物の保存安定性が低下することがないので、例えば、光酸発生剤を使用する場合のように、硬化遅延剤により硬化の進行を調整する必要がない。硬化遅延剤には、親水性のある材料を使用するため、硬化物に親水性のある材料が残り、透湿バリア性が低下する原因となるが、電磁波を照射した後、加熱しなければ、塩基を発生しない塩基発生化合物を使用した場合には、そのようなおそれが生じない。また、ラジカルによる硬化やカチオンによる硬化では、電磁波の照射後すぐに硬化が進行するため、可使時間が短く作業性に劣るが、本発明において使用される硬化性樹脂組成物であれば、電磁波照射後の加熱により塩基を発生する塩基発生化合物を含有するので、電磁波照射後の加熱を調整することで、可使時間の調整が可能となり作業性が良好となる。また、電磁波の照射前は硬化しないので保存安定性に優れるとともに、電磁波の照射後は100℃以下の低温で速やかに硬化が進行するため、上記したように、化粧シートをコンクリート表面に迅速に固定することができる。
また、塩基発生化合物から塩基性物質を発生させる際の加熱温度は、塩基発生化合物が置かれた環境の温度(例えば、室温)による加熱であっても良く、その場合、徐々に塩基が発生する。また、電磁波の照射時に副生される熱によっても塩基が発生するため、電磁波の照射時に副生される熱により実質的に加熱も同時に行われても良い。使用条件や所望の物性により異なるが、反応速度を高くし、効率よく塩基を発生させる点から、塩基を発生させるための加熱温度としては、30℃以上であることが好ましく、更に好ましくは60℃以上、より更に好ましくは100℃以上、特に好ましくは120℃以上である。効率的に塩基を発生させるために、塩基発生化合物を用いる際には、露光後または露光と同時に加熱を行うことにより塩基を発生する。露光と加熱を交互に行ってもよい。最も効率が良い方法は、露光と同時に加熱する方法である。
本発明においては、塩基発生化合物が、光潜在性硬化触媒として用いられる。光潜在性硬化触媒として塩基発生化合物を利用する際に求められる性能としては、(ア)樹脂に添加し、利用する際に析出しないこと(溶解性)、(イ)効率よく塩基を放出すること(塩基発生の感度)、(ウ)メルカプト基を有する化合物と反応しやすい構造の塩基性物質を放出すること(触媒活性)が挙げられる。桂皮酸アミド型の塩基発生化合物において、この3つの性能は、発生するアミンの構造と、芳香環に導入する置換基によって制御できる。
上記一般式(I)において、RおよびRは、それぞれ独立した水素または1価の置換基を有してもよく、かつ、不飽和結合を含んでもよい炭化水素基である。中でも、RおよびRの両方が1価の置換基であると、異性化の感度が向上し、発生する塩基が2級アミンとなるため、1級アミンに比べて塩基性が強くなり、加熱温度が低温(例えば、120℃)であっても触媒活性が高くなる。この点で、RおよびRの両方が1価の置換基であることが好ましい。
特に、RまたはRの少なくとも一方がハロゲン原子で置換されていてもよいメチル基であると、アミド結合周辺の立体的な大きさが小さくなることで、光異性化反応が進行しやすくなるため、異性化の感度が高くなる。また、発生する塩基性物質の立体的な嵩が小さくなることで、発生したアミンがメルカプト基を有する化合物と反応しやすくなり、結果として触媒活性が向上する。この点で、RまたはRの少なくとも一方がハロゲン原子で置換されていてもよいメチル基であることがさらに好ましい。RまたはRの少なくとも一方がハロゲン原子で置換されてもよいメチル基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられるが、中でも原子半径がより小さいフッ素原子や塩素原子であることが触媒活性の向上の点から好ましく、置換されるハロゲン原子の数は、触媒活性の向上の点から少ないほうが好ましく、2個以下であることが好ましく、更に1個以下であることが好ましい。中でも特に、ハロゲン原子で置換されてもよいメチル基がメチル基であることが、触媒活性の向上の点から好ましい。
さらに、RおよびRが結合して窒素原子を含む環状構造を形成すると、炭素−炭素二重結合周囲の共役鎖が拡張しやすくなり異性化の感度が高くなる。また、発生したアミンがメルカプト基を有する化合物と反応しやすくなるため、触媒活性が向上する。この点で、RおよびRが結合して窒素原子を含む環状構造を形成することが好ましい。また、RおよびRが結合し形成された窒素原子を含む環状構造が、5から7員環であることが、異性化の感度が高くなる点でより好ましい。
炭化水素基としては不飽和結合を含んでいてもよく、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基が挙げられる。これらの炭化水素基は、当該炭化水素基中に置換基を含んでいてもよく、また、直鎖状であっても分岐鎖を含む直鎖であっても、それらが結合し環状構造を形成しても良い。ここで、分岐鎖とは、枝分かれした炭化水素基を有する構造をいい、当該構造に含まれる枝分かれしたそれぞれの炭化水素基をも指す。置換基を含む炭化水素基が結合し、複素環を形成していてもよい。置換基を含んで良い炭化水素基は、当該炭化水素基に含まれる2つ以上の分岐鎖が結合して環状構造を形成していても良く、置換基を含む2つ以上の分岐鎖が結合し、ヘテロ原子を含む複素環を形成していても良い。環状構造は、飽和または不飽和の脂環式炭化水素、縮合環、および複素環、並びに当該脂環式炭化水素、縮合環、および複素環よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる構造であっても良い。なお、本段落での環状構造は、例えば、R1がシクロヘキシル基である等、RまたはRの中の環状構造を示すものであり、上述した、RとRとが結合してできる窒素原子を含む環状構造とは異なる。
炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基が挙げられる。これらの炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20であるアルキル基、ビニル基、アリル基等の炭素数1〜20であるアルケニル基、エチニル基、2−プロピニル基等の炭素数1〜20であるアルキニル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、フルオレニル基等の炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等の炭素数7〜20のアラルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数4〜23であるシクロアルキル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数4〜23であるシクロアルケニル基等が挙げられる。
本発明において、置換基とは、水素原子と置き換えることが可能な水素以外の原子または原子団をいう。置換基としては、水素原子と置き換えることが可能な水素以外の原子あるいは原子団であれば特に限定されるものではなく、例えば、−XR10で表される原子団等が挙げられる。ここで、Xは、直接結合または2価の連結基であり、−XR12は、当該Xと、水素原子または水素原子と置き換えることが可能な水素以外の原子あるいは原子団であるR12とを連結させた原子団であれば特に限定されるものではない。(但し、Xが直接結合且つR12が水素原子で、−XR10が水素原子となる場合を除く)。
上記Xは、直接結合、または2価の連結基であれば、特に限定されるものではなく、例えば、酸素原子、硫黄原子からなる結合や、炭素原子、ケイ素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子および/またはリン原子を含む原子団および炭素原子を含む原子団等が挙げられる。Xとしては、オキシ基、チオ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、チオカルボニル基、オキシチオカルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基、カルボニルチオ基、オキシカルボニルチオ基、イミノ基、オキシイミノ基、カルボニルイミノ基、ホスホノ基、ホスホナト基、スルフィニル基、スルホニル基が挙げられる。
10は、水素または水素と置き換えることが可能な水素以外の原子または原子団であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ハロゲン原子(−F,−Cl,−Br,−I)、ヒドロシル基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、置換基を含んでもよいホスホノ基、置換基を含んでも良い不飽和結合を含んでもよい炭化水素基、置換基を含んでも良い不飽和結合を含んでもよいシリル基、置換基を含んでも良いアミノ基が挙げられる。上記R10として好ましい原子または原子団としてはで上記ハロゲン原子、ヒドロシル基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、置換基を有してもよく、かつ、不飽和結合を含んでもよい炭化水素基、置換基を有してもよく、かつ、不飽和結合を含んでもよいシリル基、置換基を含んでも良いアミノ基が挙げられる。
上記置換基を含んでも良く不飽和結合を含んでもよい炭化水素基としては分岐鎖を含んでも良く2つ以上の分岐鎖が結合して環状構造形成していても良く、置換基を含む2つ以上の分岐鎖が結合し複素環を形成していても良い。複素環としては、芳香族性を有していても有していていなくても良く、環状エーテル、ラクトン、ラクタム、芳香族複素環等が挙げられる。置換基を含んでも良く不飽和結合を含んでもよい炭化水素基の例としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基が挙げられる。これらの炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20であるアルキル基、ビニル基、アリル基等の炭素数1〜20であるアルケニル基、エチニル基、2−プロピニル基等の炭素数1〜20であるアルキニル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、フルオレニル基等の炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等の炭素数7〜20のアラルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数4〜23であるシクロアルキル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数4〜23であるシクロアルケニル基、エチレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、σ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクタム、γ−ブチロラクタム、σ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、フラン環、チオフェン環、2H−ピラン環、4H−チオピラン環、ベンゾフラン環、1−ベンゾチオフェン環、2H−クロメン環、1H−2−ベンゾピラン環、キサンテン環、チアントレン環等の複素環から水素を1つ除去した複素環基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基等の炭素数2〜20のアルキルオキシアルキル基、フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基、4−フェノキシブチル基等の炭素数7〜26であるアリールオキシアルキル基等が挙げられる。また、含んで良い置換基としては、置換基−XR10と同様であって良い。
上記置換基を含んでも良い不飽和結合を含んでもよいシリル基の例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等のアルキルシリル基、トリメトキシシリル基、ジメトキシメチル基、メトキシジメチル基等のアルコキシシリル基等が挙げられる。また、含んで良い置換基としては、置換基−XR10と同様であって良い。
また、R10における、置換基を含んで良くヘテロ原子の結合を含んで良いアミノ基(−NH(−R11)、−N(−R12)(−R13))の例としては、R11、R12、R13が、窒素原子との結合末端にヘテロ原子の結合を含んで良く、置換基を含んで良い炭化水素基が挙げられる。窒素原子との結合末端にヘテロ原子の結合を含んで良く、置換基を含んで良い炭化水素基としては、窒素原子と結合し得る限り、置換基−XR10と同様であって良い。
置換基を含んで良くヘテロ原子の結合を含んで良いアミノ基の好ましい例としては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリールオキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリールオキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
置換基:−XR10は、直接結合または2価の連結基であるXと、水素または水素と置き換えることが可能な水素以外の原子あるいは原子団であるR10とを連結させた原子団であれば、特に限定されるものではない。−XR10の例としては、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、ヒドロシル基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、上記に示した置換基を含んでもよく不飽和結合を含んでもよい炭化水素基(以下、「上述の炭化水素基」という場合がある)、上記に示した置換基を含んでもよく不飽和結合を含んでもよいシリル基、上記に示した置換基を含んでもよいアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、エチルへキシロキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基(−OR14:R14は上述の炭化水素基)、ベンジルオキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基(−OAr:Arは置換基を有してもよいアリール基、)、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基(−OCOR15:R15は上述の炭化水素基)、カルバモイルオキシ基(−OCONR1617:R16、R17は同一であっても異なっていても良い上述の炭化水素基であり、結合していてもよい)、シアノオキシ基(シアナト基)(−OCN)、メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜20のチオアルコキシ基(−SR18:R18は上述の炭化水素基)、ベンジルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチオ基(−SAr:Arは置換基を有してもよいアリール基、)、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基等のアシルチオ基(−SCOR19:R19は上述の炭化水素基)、シアノチオ基(チオシアナト基)(−SCN)、ホルミル基(−COH)、アシル基(−COR20:R20は上述の炭化水素基)、アルコキシカルボニル基(−COOR21:R21は上述の炭化水素基)、ベンジルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基(−COOAr:Arは置換基を有してもよいアリール基)、カルバモイル基(−CONR2223:R22、R23は同一であっても異なっても良い上述の炭化水素基であり、結合していてもよい)、チオアシル基(−CSR24:R24は上述の炭化水素基)、アルコキシチオカルボニル基(−CSOR25:R25は上述の炭化水素基)が挙げられる。
特に好ましい−XR10として、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、上記置換基を含んで良い炭化水素基、上記置換基を含んで良いシリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シアノオキシ基(シアナト基)、チオアルコキシ基、アリールチオ基、アセチルチオ基、アシルチオ基、シアノチオ基(チオシアナト基)、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、チオアシル基、アルコキシチオカルボニル基が挙げられ、さらに好ましいものとしてヒドロキシル基、メルカプト基、アルコキシ基、アリールオキシ基、チオアルコキシ基、アリールチオ基が挙げられる。これらの置換基を含むアミンを利用することで、溶解性の向上につながる。
また、NHRは、塩基(本発明においては、「塩基性物質」を単に、塩基という。)である。ところで、RおよびRに、アミノ基が含まれると、塩基発生化合物自体が塩基となり、エポキシ基と反応し、経時安定性が損なわれるおそれがある。この点で、RおよびRは、それぞれ、アミノ基を含まない有機基であることが好ましい。一方で、全てのアミノ基が経時安定性を損なうものではなく、全てのアミノ基が一般式(I)のRおよび/またはRの1つ以上の末端に、上記一般式(I)のRおよび/またはRを除いた残基が更に結合している状態であれば、RまたはRにアミノ基が含まれていても、経時安定性を損なうことはない。
生成するアミンは、NHRであり、RおよびRはそれぞれ独立に水素または置換基を含んでもよく不飽和結合を含んでもよい炭化水素であるため、生成するアミンは、1級または2級アミンである。また、アミンには、それぞれ脂肪族アミンおよび芳香族アミンがあるが、溶解性が高く、高濃度の塩基発生化合物を得やすい点で脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族1級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、イソアミルアミン、tert−ペンチルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、シクロヘプタンアミン、オクチルアミン、2−オクタンアミン、2,4,4−トリメチルペンタン−2−アミン、シクロオクチルアミン等が挙げられる。
脂肪族2級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−2−プロパノールアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン;エチルメチルアミン、N−メチルプロピルアミン、N−メチルブチルアミン、N−メチルイソブチルアミン、N−tert−ブチルメチルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−メチルアダマンタン−1−アミン、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、メチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール、N−メチル−3−エトキシプロピルアミン、N−メチル−3−プロポキシプロピルアミン、N−メチル−3−ブトキシプロピルアミン、N−メチル−3−イソプロポキシプロピルアミン、N−メチル−3−へプチルオキシプロピルアミン、N−メチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、N−メチルテトラヒドロフルフリルアミン等のハロゲン原子で置換されていてもよいメチル基を有するアミン;アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、メチルアジリジン、ジメチルアジリジン、メチルアゼチジン、ジメチルアゼチジン、トリメチルアゼチジン、メチルピロリジン、ジメチルピロリジン、トリメチルピロリジン、テトラメチルピロリジン、メチルピペリジン、ジメチルピペリジン、トリメチルピペリジン、テトラメチルピペリジン、ペンタメチルピペリジン、4−ヒドロキシピペリジン、2−ピペリジンメタノール、3−ピペリジンメタノール、4−ピペリジンメタノール、4−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンカルボン酸エチル、4−アセトアミドピペリジン、モルホリン等の脂環式アミンも挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子で置換されていてもよいメチル基を有するアミン、脂環式アミンが異性化の感度が良く、触媒活性が大きいため好ましい。
更に、生成するNHRは、アミド結合を形成可能なNH基を1つだけ有するモノアミン等の塩基だけでなく、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等のアミド結合を形成可能なNH基を2つ以上有する塩基であってもよい。
生成するNHRがNH基を2つ以上有する塩基の場合、上記一般式(I)のRおよび/またはRの1つ以上の末端に、アミド結合を形成可能なNH基を有する塩基を、電磁波の照射、または、電磁波の照射と加熱とにより発生するような電磁波潜在性部位が更に結合している構造が挙げられる。上記電磁波潜在性部位としては、上記一般式(I)のRおよび/またはRの1つ以上の末端に、上記一般式(I)のRおよび/またはRを除いた残基が更に結合している構造が挙げられる。
1級のアミノ基を2つ以上有するアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン等の直鎖状脂肪族アルキレンジアミン;1−ブチル−1,2−エタンジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン等の分岐状脂肪族アルキレンジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン、メンセンジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;ベンゼントリアミン、メラミン、2,4,6−トリアミノピリミジン等のトリアミン;2,4,5,6−テトラアミノピリミジン等のテトラアミン等を挙げられる。
2級のアミノ基を2つ以上有するアミンとしては、例えば、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N’−ジメチル−1,5−ペンタンジアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、N,N’−1,8−オクタンジアミン等の脂肪族アルキレンジアミン;ビス(2−メチルアミノエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メチルアミノエトキシ)エタン、ビス[2−(2−メチルアミノエトキシ)エチル]エーテル等の一般式CHNHCHCHO(CHCHNH)CHで示されるオキシ基を含む脂肪族アルキレンジアミン等が挙げられる。
上記した一般式(I)において、R,Rとしては、R,Rと同様の水素または置換基を利用できる。RおよびRとしては、高感度を達成しやすい点から、いずれも水素であることが好ましい。
一方、一般式(I)中のRおよびRのうち少なくとも1つが水素ではなく、上記特定の置換基である場合、RおよびRの両方共が水素の場合と比べて、有機溶剤に対する溶解性が更に向上したり、高分子前駆体との親和性が向上する。例えば、RおよびRのうち少なくとも1つが、アルキル基やアリール基等の置換基を有してもよく、かつ、不飽和結合を含んでもよい炭化水素基である場合、有機溶剤に対する溶解性が向上する。また、例えばRおよびRのうち少なくとも1つがフッ素等のハロゲンである場合、フッ素等のハロゲンを含有するエポキシ基を2つ以上有する硬化性化合物およびポリチオール系硬化剤との親和性が向上する。このように、Rおよび/またはRを所望の有機溶剤やエポキシ基を2つ以上有する硬化性化合物およびポリチオール系硬化剤に合わせて適宜置換基を導入することにより、所望の有機溶剤に対する溶解性が向上したり、所望のエポキシ基を2つ以上有する硬化性化合物およびチオール系硬化剤との親和性が向上する。
上記した一般式(I)において、R〜Rは、それぞれ独立した水素または1価の置換基であり、同一であっても異なっていてもよく、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよい。R〜Rにおける置換基としては上述した−XR10と同様のものを用いることができる。
〜Rとしては、溶解性の向上および高感度化を達成するために、1つ以上1価の置換基を有すること、またはR〜Rの2つ以上が結合して環状構造を形成することが好ましい。一般式(I)の構造において、カルボニル結合のα位およびβ位に位置するα炭素−β炭素間の二重結合がトランス体からシス体への異性化反応を効率よく進める要因としてはいくつかあり、例えば上記炭素−炭素二重結合周囲の立体障害の大きさ、上記炭素−炭素二重結合周囲に広がる共役鎖の電子状態等が挙げられる。置換基R〜Rに、置換基を少なくとも1つ導入するまたはR〜Rの2つ以上が結合して環状構造を形成することにより、上記炭素−炭素二重結合周囲の共役鎖が拡張し、塩基発生の感度を向上することができる。また、R〜Rに、置換基を少なくとも1つ導入することにより、吸収する光の波長を調整することが可能であり、置換基を導入することで所望の波長を吸収させるようにすることもできる。芳香族環の共役鎖を伸ばすような置換基を導入することにより、吸収波長を長波長にシフトすることができる。また、溶解性や組み合わせるエポキシ基を2個以上有する化合物とメルカプト基を有する化合物との相溶性が向上するようにすることもできる。これにより、組み合わせるエポキシ基を2個以上有する化合物とメルカプト基を2個以上有する化合物の吸収波長も考慮しながら、硬化性樹脂組成物の感度を向上させることが可能である。
所望の波長に吸収波長をシフトさせるために、どのような置換基を導入したらよいかという指針としては、Interpretation of the Ultraviolet Spectra of Natural Products(A.I.Scott 1964)や、有機化合物のスペクトルによる同定法第5版(R.M.Silverstein 1993)に記載の表が参考として挙げられる。これらを参考とすることで、化合物の極大吸収波長がどの程度長波長化するかの目安を知ることができる。
芳香環に導入する置換基は、導入する構造や位置によって効果が異なる。例えば、Rに置換基を導入すると、効率よく感度を向上させることが可能であり、かつ、後述する硬化性樹脂組成物を厚膜として用いる場合に適している点で好ましい。Rに置換基を導入すると、高感度で且つ溶剤溶解性が良好な化合物となる傾向があるため、塩基発生化合物が良好な溶剤溶解性を要求される場合に適している点で好ましい。
なお、R〜Rの2つ以上が結合して環状構造を形成して環状構造になっていてもよい。環状構造は、飽和または不飽和の脂環式炭化水素、縮合環、および複素環、並びに当該脂環式炭化水素、縮合環、および複素環からなる群より選択される2種以上が組み合されてなる構造であってもよい。例えば、R〜Rは、それらの2つ以上が結合して、R〜Rが結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成していてもよい。R〜Rの2つ以上が結合して、R〜Rが結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成している場合は、炭素−炭素二重結合周囲の共役鎖が拡張し、感度が向上する点から好ましい。
桂皮酸アミド型の塩基発生化合物において、桂皮酸アミド骨格を有し、かつ、特徴的な置換基を有する化合物として、特開2011−89119号公報、特開2011−68888号公報に開示されたものが挙げられる。これら2つの公報に記載されている構造、溶解性が高くなりやすい点で、R〜Rとして好ましい。
〜Rにおける置換基として、直接結合または2、3、4、5価の連結基であるYと、水素または水素と置き換えることが可能な水素以外の原子あるいは原子団であるR23とを連結させた原子団であれば、特に限定されるものではない。R〜Rにおける置換基の例としては、ヒドロシル基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、上記に示した不飽和結合を含んでもよい炭化水素基、上記に示した不飽和結合を含んでもよいシリル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピロキシ基、t−ブトキシオキシ、エチルへキシロキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基(−OR24:R24は上述の炭化水素基)、ベンジルオキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基(−OAr:Arはアリール基、)、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基(−OCOR25:R25は上述の炭化水素基)、シアノオキシ基(シアナト基)(−OCN)、メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜20のチオアルコキシ基(−SR26:R26は上述の炭化水素基)、ベンジルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチオ基(−SAr:Arはアリール基、)、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基等のアシルチオ基(−SCOR27:R27は上述の炭化水素基)、シアノチオ基(チオシアナト基)(−SCN)、ヒドロキシアミノ基(−NHOR28:R28は水素または上述の炭化水素基)、アシルアミノ基(−NHCOR29:R29は水素または上述の炭化水素基)、ホルミル基(−COH)、アシル基(−COR30:R30は上述の炭化水素基)、アルコキシカルボニル基(−COOR31:R31は上述の炭化水素基)、ベンジルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基(−COOAr:Arはアリール基)、カルバモイル基(−CONR3233:R32、R33はそれぞれ独立に上述の炭化水素基であり、結合していてもよい)、チオアシル基(−CSR34:R34は上述の炭化水素基)、アルコキシチオカルボニル基(−CSOR35:R35は上述の炭化水素基)が挙げられる。
〜Rにおける置換基の特に好ましいものとして、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、上記置換基を含んで良い炭素数4以上の炭化水素基、上記置換基を含んで良いシリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シアノオキシ基(シアナト基)、チオアルコキシ基、アリールチオ基、アセチルチオ基、アシルチオ基、シアノチオ基(チオシアナト基)、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、チオアシル基、アルコキシチオカルボニル基が挙げられる。
〜Rの少なくとも一つは、炭素数4以上であり置換基を含んでもよく、不飽和結合を含んでもよい、直鎖または分岐鎖を有する直鎖の炭化水素基であるか、酸素原子および硫黄原子を含む結合を介して置換基がベンゼン環に結合することがより好ましい。具体的な態様として、上記置換基を含んで良い炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、チオアルコキシ基、アリールチオ基が挙げられる。なお、上記の「酸素原子および硫黄原子を含む結合」は、Xとしてオキシ基、チオ基を利用した場合を指す。これらを利用することで、溶解性の向上、塩基発生の感度の向上につながる。
上記した一般式(I)において、Rは、水素原子、または、加熱および/または電磁波の照射により脱保護可能な保護基であり、具体的には、WO2010/113813国際公開公報パンフレットに記載されている。ここで、「脱保護可能な」とは、−ORから−OHに変化する可能性があることをいう。Rが水素原子である場合、塩基発生化合物がフェノール性水酸基を含むため、保存安定性を損なう可能性がある。
一方、Rが上記保護基である場合、加熱および/または電磁波の照射により脱保護されて、水酸基を生成する。加熱および/または電磁波の照射により脱保護可能な保護基でフェノール性水酸基を保護することにより、Rが上記保護基である塩素発生剤は、非常に高い保存安定性を有するという利点を有するが、脱保護反応後の残渣が脱ガスの原因になる可能性がある、脱保護という余分なプロセスが必要となる場合がある、保護基を導入する分高コストとなるといった欠点もある。そのため、Rに保護基を導入するか否かは、利用する用途によって適宜選択する必要がある。Rは、本発明で用いられる塩基発生化合物において一般式(I)中に存在するアミド基が分解しない条件下で、加熱および/または電磁波の照射により脱保護可能なフェノール性水酸基の保護基であれば、特に限定されず用いることができる。例えば、アミド結合は、三臭化ホウ素や三塩化アルミニウム等の強ルイス酸や硫酸、塩酸、硝酸等の強酸等が存在する強酸性下における加熱や、水酸化ナトリウム等の強塩基が存在する強塩基性下における加熱により分解する。従って、このような強酸性または強塩基性条件下での加熱でしか脱保護されない保護基は、本発明の塩基発生化合物に用いられる保護基としては不適切である。Rは、溶解性や相溶性の向上あるいは合成時の反応性の変化等を目的として、当該塩基発生化合物と組み合わせて用いられる化合物の種類や、塩基発生化合物の適用方法や合成方法により適宜選択されるものである。
上記した一般式(I)で表される塩基発生化合物は、トランス体およびシス体の化学構造を取り得るが、本発明においては、トランス体のみを用いてもよいし、トランス体とシス体の混合物を用いてもよい。
塩基発生化合物の含有量は、後述する硬化性化合物100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましく、1〜15質量部であることがより好ましい。塩基発生化合物の含有量が1質量部未満であると、発生する塩基が当量よりも少なくなり、硬化が十分に進行しない場合があるため、好ましくない。20質量部を超えると、電磁波の照射により塩基が過剰に発生し一部の塩基が硬化性化合物の官能基と反応しなかったり、更に十分な接着強度が得られなかったりする場合があるため好ましくない。
本発明において使用される塩基発生化合物の一例としては、下記一般式(II)で表される塩基発生化合物が好ましい。
Figure 0006519191
式中のR40〜R49は、それぞれ独立した水素または置換基である。
上記一般式(II)で表される塩基発生化合物の合成方法を、下記式(III)の塩基発生化合物を例に挙げて説明する。なお、上記一般式(II)で表される塩基発生化合物の合成方法はこれに限定されるものではなく、複数の従来公知の方法にて合成することができる。
Figure 0006519191
一般式(III)で表される塩基発生化合物は、例えば、以下の方法にて合成することができる。まず、エトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミドおよび2−ヒドロキシ−4−(5−エチルヘキシルオキシ)−5−エチルベンズアルデヒドをメタノールに溶解し、これに炭酸カリウムのメタノール溶液をゆっくりと滴下し、撹拌する。薄層クロマトグラフィー(以下、「TLC」という。)により反応の終了を確認した後、ろ過を行い、炭酸カリウムを除き、減圧濃縮する。濃縮後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、撹拌する。反応終了後、ろ過によりトリフェニルホスフィンオキシドを除いた後、濃塩酸を滴下し、反応液を酸性にする。沈殿物をろ過により集め、少量のクロロホルムで洗浄することにより、2−ヒドロキシ−4−(5−エチルヘキシルオキシ)−5−エチルケイ皮酸を得る。次いで、窒素雰囲気下、上記にて得られた2−ヒドロキシ−4−(5−エチルヘキシルオキシ)−5−エチルケイ皮酸を脱水テトラヒドロフランに溶解し、氷浴下で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を加える。その後、ピペリジンを加え、終夜で撹拌する。反応終了後、反応溶液を濃縮し、水に溶解する。クロロホルムで抽出し、炭酸水素水溶液、塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥を行った後、濃縮することにより、上記一般式(III)で表される塩基発生化合物を得ることができる。なお、合成された上記一般式(III)で表される塩基発生化合物は、塩基としてピペリジンを発生する。
上記のようにして所望の塩基を発生する塩基発生化合物を容易に合成することができる。例えば、塩基として4−ヒドロキシピペリジンを発生させたい場合には、R44がヒドロキシル基であり、R45が水素原子である塩基発生化合物を合成すればよく、その際には、上記合成方法においてピペリジンの代わりに4−ヒドロキシピペリジンを加えればよい。
本発明に使用される硬化性樹脂組成物は、上記した成分に加えて、感光性を向上させるために光増感剤を併用してもよい。光増感剤としては、例えば、アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン等が挙げられる。
また、熱伝導性、難燃性を向上させることができるという効果から、無機フィラーを添加してもよい。無機フィラーとしては、特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク等の金属酸化物、アルミニウム、金、銀、ニッケル、鉄等の金属微粒子、あるいはカーボンブラック、ガラス等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機フィラーの含有量は、目的とする用途により適宜設定する必要があるが、樹脂組成物全体を100質量部に対して、0〜1000質量部であることが好ましい。
接着層は、コンクリート構造物と化粧シートとの界面接着性を向上させるため、シランカップリング剤が含まれていてもよい。例えば、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、フェノール性水酸基、カルボキシル基等のエポキシ基を反応しうる官能基を有するシランカップリング剤を併用することが好ましい。上記エポキシ基と反応し得る官能基としては、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。具体的には、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類や、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類や、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ結合含有シラン類や、β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。シランカップリング剤は、樹脂組成物全体を100質量部に対して、0.1〜12質量部添加することが好ましく、0.5〜10重量部添加することがより好ましい。
また、耐熱性、密着性、樹脂強度等がより優れた成形体を得るために、硬化性樹脂組成物には充填剤が添加されていてもよい。例えば、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリウム、ジルコニア、クレー、水酸化アルミニウム等、アクリルゴムやシリコンゴム等の有機充填剤、シリカ、クレー、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン等の無機中空体や、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズ等の有機球状体や、塩化ビニリデンバルーン、アクリルバルーン等の有機中空体や、ガラス、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、セルロース、アセテート等からなる単繊維等が挙げられる。
さらに、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて必要に応じて、接着性付与剤、粘度を調整するための粘度調整剤、チキソトロープ性(揺変性)を付与するためのチキソトロープ剤(揺変性付与剤)、引張り特性等を改善されるための物性調整剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料等の着色剤、ホウ酸エステルやリン酸エステル、無機酸、有機酸等の保存性向上剤、ポリイミド樹脂、可塑剤、酸化防止剤、消泡剤等の添加剤を適量配合してもよい。
また、接着層(硬化性樹脂組成物)が硬化する前に、接着層に凝集力を付与して粘着性を持たせることにより、化粧シートをコンクリート構造物表面に仮固定することができるため、作業性がより向上する。接着層に凝集力を付与し得る樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、天然ゴム系、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリビニルエーテル、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、スチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ケトン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体等が挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の熱可塑性樹脂は、分子中にエポキシ基を少なくとも2個のエポキシ基を有する硬化性化合物と反応する官能基を有する高分子であることが好ましく、さらにエポキシ基と反応する官能基は、特に限定されず、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基の他、エポキシ基そのものも挙げられる。なかでもエポキシ基を有する高分子が、可撓性に優れた硬化物を得られる観点から好ましい。
アクリル樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸および/またはその種々の誘導体の重合体、共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸誘導体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシルアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル、ジメチル(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸アミド、イミドアクリレートTO−1492(東亞合成工業製)等のイミド基を含有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。また、上記共重合体は、上記(メタ)アクリル酸および/またはその種々の誘導体と、アクリロニトリル、スチレン、ブタジエン、アリル誘導体等との共重合体も含まれる。これらの中でも、接着性の観点からエポキシ基を有するものが好ましい。該エポキシ基の導入は、エポキシ基を含有する(メタ)アクリル化合物を用いることにより行うことができる。なお、エポキシ基を有する重合体と、有しない重合体との混合物であってもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分との反応生成物からなるポリエステル樹脂が挙げられる。上記多価カルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸等の3価以上の芳香族多価カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の5員環もしくは6員環を含む脂環式多価カルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族多価カルボン酸等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のエーテル構造を有する多価アルコール;ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール、ロジンオール等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の熱可塑性樹脂の中でも、ガラス転移温度(Tg)は、−40℃〜30℃であることが好ましい。Tgが−40℃未満であると、接着強度が不足するおそれがある。また、Tgが30℃を超えると、初期粘着力が不足するおそれがある。
熱可塑性樹脂の含有量は、目的とする用途により適宜設定する必要があるが、樹脂組成物全体を100質量部としたときに5質量部以上75質量部以下であることが好ましい。2質量部以上とすることで、応力緩和性に優れ、耐サーマルサイクル性に効果を示す。また、75質量部を超えると、硬化した際の接着強度や耐久性が不十分なものとなる。なお、「樹脂組成物全体」は、上記「硬化性化合物」および「熱可塑性樹脂」のほか、上記した他の樹脂も含んだ樹脂組成物の全体であることを示す。
次に、コンクリート構造物用化粧シートを構成する離型シートについて説明する。離型シートは、コンクリート構造物用化粧シートを使用するまでの間の取扱性を考慮して設けられるものであり、コンクリート構造物用化粧シートの使用時には剥離される。離型シートとしては、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の従来公知のものを好適に使用できる。また、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルムなどの離型紙用基材の片面または両面に離型層(図示せず)を形成したものを用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型または無溶剤型のいずれもが使用できる。
離形層は、離形層成分を分散および/または溶解した塗液を、離型紙用基材フィルムの片面に塗布し、加熱乾燥および/または硬化させて形成する。塗液の塗布方法としては、公知で任意の塗布法が適用でき、例えば、ロールコート、グラビアコート、スプレーコートなどである。また、離形層は、必要に応じて、基材フィルムの少なくとも片面の、全面または一部に形成してもよい。
離型シートの厚さは特に限定されないが、例えば、5μm以上、200μm以下の厚さのものを好適に使用することができる。
このような離型シートとしては、市販のものを使用してもよく、例えば、片面にシリコーン系剥離剤による易剥離処理が施されている厚さ38μmのポリエステルフィルム(三井化学東セロ株式会社製、商品名:SP−PET−01)等が挙げられる。
上記したコンクリート構造物用化粧シートの形態は特に制限されるものではないが、コンクリート構造物の表面仕上げに使用する際の作業性等を考慮すると、長尺状のシート形態とするのが好ましい。
<化粧シートを用いたコンクリート構造物の表面仕上げ方法>
上記したコンクリート構造物用化粧シートを用いたコンクリート構造物の表面仕上げ方法について説明する。本発明によるコンクリート構造物用化粧シートは、作業現場で打設して作製されたコンクリート構造物の表面に適用して、該表面の意匠性を高めることができる。具体的には、先ず、型枠内にコンクリートを打設してコンクリート構造物を作製しておき、上記した化粧シートに、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱を行った後に化粧シートから離型シートを剥離して接着層を露出させ、コンクリート構造物の表面に化粧シートの接着層を貼り合わせて硬化させることにより、コンクリート構造物の表面仕上げを行うことができる。本発明によれば、上記したように、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱のタイミングを調整することにより、シートの目地合わせや模様合わせが簡易かつ簡便にでき、安定した品質の仕上げ加工を行うことができる。また、従来のように、コンクリート構造物の表面にモルタルや接着剤を塗布してからタイルシートを貼り合わせるという二工程を必要とせず、一回の工程によってシートを貼り合わせることができるため、現場での施工作業の時間を大幅に短縮することができる。本発明の一実施態様によれば、上記方法に限られず、例えばプレキャスト工法によって工場内で作製されるコンクリート構造物にも適用することができる。
また、他の実施態様として、型枠内にコンクリートを打設する際に化粧シートを適用して、コンクリート構造物を得ると同時にその表面に意匠性を付与することができる。即ち、従来のタイルシートを用いた型枠先付け工法において、タイルシートを本発明によるコンクリート構造物用化粧シートに置き換えることにより、より簡易かつ簡便にコンクリート構造物の表面に意匠性を付与することができる。具体的には、型枠内にコンクリートを打設する前に、上記した化粧シートに電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱を行い、該化粧シートを、接着層が内向するように型枠の内壁に配置しておき、型枠内にコンクリートを流し込んで打設することにより、表面に意匠性が付与されたコンクリート構造物を得ることができる。この方法は、作業現場でコンクリートを打設してコンクリート構造物を作製する際は勿論のこと、プレキャスト工法によって工場内でコンクリート構造物を作製する際にも適用できることは言うまでもない。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
<意匠層および表面保護層の形成>
厚さ60μmの着色ポリプロピレンシートの両面にコロナ放電処理を施した後、表面および裏面にそれぞれプライマー剤を塗工してプライマー層(各厚さ2μm)を形成した。プライマー剤は、樹脂組成物100重量部とヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)5重量部との混合物であり、上記樹脂組成物は、アクリルウレタン共重合体、アクリルポリオール、トリアジン系紫外線吸収剤(5質量%)の混合物とした。
次いで、表面のプライマー層上に絵柄模様を厚みが2μmとなるように印刷し、その上に厚み3μmの透明接着剤を塗布した後、ポリプロピレン樹脂をTダイ押出し機により加熱溶融押出により成膜した。ポリプロピレン樹脂膜の表面にコロナ放電処理を施し、2液硬化型ウレタン樹脂を塗工して、厚み2μmのプライマー層を形成した。
上記のようにして形成したプライマー層の表面に、下記組成の表面保護層形成用組成物を塗布し、酸素濃度200ppmの雰囲気下において加速電圧175keV、5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射することにより塗膜を硬化させることにより、25μmの厚さで表面保護層を形成した。表面保護層形成用組成物は、樹脂成分として2官能ウレタンアクリレートオリゴマーを80重量部(重量平均分子量1500 ガラス転移温度−55℃)、および6官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量1500 ガラス転移温度200℃以上 共栄社化学株式会社製UA306H)を20重量部含み、上記樹脂成分100重量部に対して、滑剤として融点が110℃のポリエチレンワックスを0.5重量部含み、さらに、艶消し剤として、平均粒径11μmの不定形シリカを14重量部、硬質フィラーとして、平均粒径3μmの球形シリカを5重量部含むものを使用した。なお、融点が110℃のポリエチレンワックスは融点が116℃の未変性ポリエチレンワックスを50重量部と、融点が104℃の酸化変性ポリエチレンワックス50重量部とを混合することにより調製したものであった。
得られたシートの表面保護層の表面を、温度140℃、圧力10〜40kg/cmの条件でエンボス加工することにより、意匠層および表面保護層が形成されたシートを得た。
<離型シートおよび接着層の形成>
まず、接着層を形成するための接着剤組成物を下記のようにして調製した。硬化性化合物であるエポキシ樹脂(商品名「jER 828」,ビスフェノールA型エポキシ樹脂,固形分:100%,エポキシ当量:184〜194g/eq.,質量平均分子量:370,三菱化学社製)100質量部と、メルカプト基を有する硬化剤であるPEMP(ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート、商品名「QX40」,粘度:400〜550mPa・s/25℃,メルカプタン当量:125〜137g/eq,三菱化学社製)70質量部と、塩基発生剤(発生塩基:ピペリジン)5質量部とを、撹拌機(製品名「T.K.ホモディスパー2.5型」,PRIMIX社製)を用いて混合撹拌した後、脱泡することにより接着剤組成物を調製した。
なお、塩基発生剤は、下記のようにして調製した。即ち、100mLフラスコにメタノール15mLを入れ、そこに炭酸カリウム2.00gを加えた。次いで、50mLフラスコにメタノール10mLを入れ、そこにエトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド(東京化成工業(株)製)2.67g(6.2mmol)および2−ヒドロキシ−4−(5−エチルヘキシルオキシ)−5−エチルベンズアルデヒド1.7g(6.2mmol)を添加し、溶解させた後、よく撹拌した上記炭酸カリウムのメタノール溶液をゆっくりと滴下した。そして、3時間撹拌した後、TLCにより反応の終了を確認した。次いで、ろ過により炭酸カリウムを除き、減圧濃縮した。濃縮後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を50mL加えて、1時間撹拌した。反応終了後、ろ過によりトリフェニルホスフィンオキシドを除き、濃塩酸を滴下して反応液を酸性にした。沈殿物をろ過により集め、少量のクロロホルムで洗浄することにより2−ヒドロキシ−4−(5−エチルヘキシルオキシ)−5−エチルケイ皮酸を1.7g得た。続いて、窒素雰囲気下、100mL三口フラスコ中で、2−ヒドロキシ−4−(5−エチルヘキシルオキシ)−5−エチルケイ皮酸1.0g(3.19mmol)を脱水テトラヒドロフラン10mLに溶解し、氷浴下で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(東京化成工業(株)製)0.73g(3.83mmol,1.2eq)を加えた。30分後に、アミンとしてピペリジン(東京化成社製)129mg(1.52mmol、0.95eq)を加えた後、終夜で撹拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、水に溶解した。クロロホルムで抽出した後、炭酸水素水溶液、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮することにより、下記式(III)に示す塩基発生剤を1.0g得た。
Figure 0006519191
次いで、得られた接着剤組成物を、離型シート(商品名:SP−PET−03,片面にシリコーン系剥離剤による剥離処理が施されてなるポリエステルフィルム,膜厚:38μm,東セロ社製)の剥離処理面に、塗工後の厚みが100μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工して接着層を形成した。
<コンクリート構造物用化粧シートの作製>
離型シート上に形成した接着層と、上記で得られた意匠層および表面保護層が形成されたシートの意匠層とが対向するように両者を貼り合わせることによりコンクリート構造物用化粧シートを得た。
<コンクリート構造物の表面仕上げ>
上記のようにして得られたコンクリート構造物用化粧シートに、紫外線照射装置(製品名「DRE−10/12QN」,Hバルブ使用,フュージョンUVシステムズジャパン社製)を用いて、波長300〜370nmの領域で光強度が2000mJとなるように紫外線を照射した。続いて、コンクリート構造物用化粧シートから離型シートを剥離して接着層を露出させ、コンクリート構造物用化粧シートの接着層の面を、打設したコンクリート板の表面に貼り合わせた。化粧シートの接着層に紫外線を照射してからコンクリート板に貼り合わせるまでに要した時間は2分程度であり、シートの貼り直しを行うには十分な時間を確保することができた。
1:コンクリート構造物用化粧シート
10:接着層
11:離型シート
12:意匠層
13:表面保護層

Claims (6)

  1. 型枠先付け工法によりコンクリート構造物を打設する際に使用されるコンクリート構造物用化粧シートであって、
    離型シートと、前記離型シートの一方の面に設けられた接着層と、前記接着層の前記離型シート側とは反対側の面に設けられた意匠層と、を備え、
    前記接着層が、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により硬化反応が促進される硬化性樹脂組成物を含んでなることを特徴とする、コンクリート構造物用化粧シート。
  2. 前記意匠層表面に、更に表面保護層を備えてなる、請求項1に記載のコンクリート構造物用化粧シート。
  3. 前記硬化性樹脂組成物が、
    分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する硬化性化合物と、
    硬化剤として、分子中にメルカプト基を有する化合物と、
    硬化触媒として、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱により塩基性物質を発生する下記式(I)で表される塩基発生化合物と、
    を含んでなる、請求項1または2に記載のコンクリート構造物用化粧シート。:
    Figure 0006519191
    (式中、
    およびRは、それぞれ独立して、水素、または、置換基を含んでもよく不飽和結合を含んでもよい、直鎖状または分岐鎖を有する炭化水素基を表すが、RおよびRの少なくとも1つは該炭化水素基であり、RおよびRは結合して環状構造を形成していてもよく、
    およびRは、それぞれ独立して、水素または1価の置換基を表し、
    〜Rは、それぞれ独立して、水素または1価の置換基を表すが、R〜Rの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、
    は加熱および/または電磁波の照射により脱保護可能な保護基を表す。)。
  4. 前記接着層が、アクリル系樹脂をさらに含んでなる、請求項1または2に記載のコンクリート構造物用化粧シート。
  5. 前記化粧シートが長尺状のシートである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンクリート構造物用化粧シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧シートを用いたコンクリート構造物の表面仕上げ方法であって、
    前記化粧シートに、電磁波の照射または電磁波の照射後の加熱を行う工程、
    前記化粧シートから離型シートを剥離して接着層を露出させる工程、
    前記化粧シートを、前記接着層が内向するように型枠の内壁に配置する工程、および
    前記型枠内にコンクリートを打設する工程、
    を含んでなる、方法。
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