JP6517464B2 - 物性が改善されたゲル組成物及びゲル物性の改善方法 - Google Patents

物性が改善されたゲル組成物及びゲル物性の改善方法 Download PDF

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本発明は、食品ならびに医薬品分野での発明であり、経口摂取時に噛み切りにくいような弾力性が高い物性、あるいは、付着性が低く、もろくて口中でまとまりにくい(食塊を形成しにくい)物性を有するゲル食品あるいはゲル状医薬品に対し、その物性を改善したゲル組成物を得ること、また、その物性の改善方法に関するものである。より詳しくは、水とゲル化剤と水に難溶な粒子成分を配合することにより、ゲルの弾力やもろさを抑え、口中でまとまりやすいゲル組成物を提供する、また、それら組成物を得るための物性改善方法を提供するものである。
超高齢社会と言われる現在、「高齢者に優しい」ということをコンセプトにした食品や医薬品が多数開発され、市販されるようになった。これは、経口で摂取する際に、嚥下機能の衰えにより、うまく摂取できず、誤嚥や窒息につながる嚥下障害を持った人々が増加していることに起因すると考えられる。加えて、市販の菓子では、小児や高齢者が喉詰め事故を起こしたコンニャクゼリーのように、特定の年齢層の消費者にとっても、危険性をはらんだゲル物性を有する食品も少ないながら存在している。
このような背景にあって、経口摂取するゲル食品あるいはゲル状医薬品における物性は現在、盛んに研究がなされており、また、経口摂取するために良い物性、あるいは逆に、このような物性は危険性が高いといった情報が様々な研究から容易に入手できるようになってきた。
例えば、非特許文献1によれば、高齢者にとって食べにくい食物とは、硬くて破断に強い力を要する食品、軟らかいが噛み切りにくく、噛みしめるのに力を要する食品、繊維質の食品、食塊形成の難しい食品が挙げられている。非特許文献2では、介護食品として相応しい物性を持った製品の提供をするために、かたさと粘度を物性の指標として、介護が必要な患者の状態に応じて区分けを行う基準を業界の自主規格ながらまとめている。また、 非特許文献3では、コンニャクゼリーによって発生した喉詰め事故を科学的に分析し、どのような物性値を有する食品で危険性が高いのかが検証されている。
前述の非特許文献に掲載されているような情報を踏まえた上で、安全で高齢者にも摂取しやすい物性を持つゲルを提供するために、特許文献1では、調製したゲルを篩から押し出し、1〜3mmの大きさに切断し、粒状とすることで嚥下しやすい物性を付与する技術が示されている。また、同様に、特許文献2では調製したゼリーを凍結乾燥後、1〜3mmの大きさに切断し、一定量の水を加えることで、速やかに元のゼリーに復元する技術が示されている。これらはいずれもゲルを粒状に裁断することでゲルの弾力性を抑えるとともに、ゲルどうしのまとまりやすさを向上させることによって、嚥下しやすい物性を得るという工夫がなされている。
しかしながら、この特許文献1、2に示されている方法は、上記安全上において望ましい物性を得るために、いずれもゲルを調製後に裁断し粒状化するという手法を用いており、工業化を行うに際しては、作業工程の増加、ひいてはコストアップの要因となることで、利便性・汎用性の高い方法であるとは言い難いという問題点があった。
発明者はこの点に鑑み、鋭意研究を進めた結果、破断応力が10000N/m^2以上のゲルを調製する場合に、水に難溶な粒子成分を配合することで、本来経口で摂取することが難しいとされる強い弾力のあるゲルやもろくて口中でまとまりにくいゲル物性を非常に摂取しやすい物性に改善し、また、その結果として得られる組成物を提供する技術を発明するに至ったのである。
神山かおる,食品工業,44(20),p18−24(2001) ユニバーサルデザインフード自主規格第2版 消費者庁「こんにゃく入りゼリー等の物性・形状等改善に関する研 究会報告書」
特許第3958130号公報 特許第3835544号公報
本発明は、弾力が強く喉詰めの危険性があるようなゲル、あるいは、非常にもろく経口摂取時に口の中での食塊形成が満足にできないような物性のゲルを容易に経口摂取可能な物性に改善する方法ならびにその方法により得られる組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、先に示した課題を克服できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の実施形態は次のとおりである。
(1)水とゲル化剤を含む組成物が、歪率が25.6パーセント未満または89.9パーセントを超えていること/または、付着性が1200J/m^3未満であるか、あるいは2600J/m^3を超えている物性を有する場合において、
前記水とゲル化剤を含む組成物と同じ配合量の成分、及び水に難溶な粒子成分とからなり、咀嚼力としての破断応力が10000N/m^2以上であることを特徴とする経口ゲル組成物。
(2)水に難溶な粒子成分の平均粒子径が、1〜300μmであることを特徴とする(1)に記載の経口ゲル組成物。
(3)水に難溶な粒子成分が活性炭、結晶セルロース、プラスチック製ポリマー、マイクロカプセル及び医薬品結晶成分の少なくとも一種以上を配合することを特徴とする
(1)または(2)のいずれかに記載の経口ゲル組成物。
(4)ゲル化剤がペクチン、カンテン、カラギーナン、ジェランガム、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアガム、タラガム、アルギン酸またはその塩、マンナン類のうちから、少なくとも一種以上を配合してなるものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の経口ゲル組成物。
本発明によれば、破断応力・弾力性が高く、かつ、付着性が低いために高齢者や幼児、介護が必要な患者等の咀嚼・嚥下力では飲み込みづらい危険性の高いような物性のゲルであっても、水に難溶な粒子成分を配合することにより、わずかな力(咀嚼力)でゲルを破壊させ、適度な付着性を付与することができるため食塊を形成しやすくなり、容易に嚥下できるような物性へと変化させることが出来る。
また、もろくて崩れやすく、口中でのまとまりを得にくかったようなゲル(食塊を形成しにくいようなゲル)の場合にも、水に難溶な粒子成分の配合により、ゲルがわずかな力で破壊され、その破壊されたゲルの内部が表面に露出することで、適度な付着性が付与されるため、あたかも特許文献1、2に記載されているような粒状化によって得られるような効果が認められ、食塊の形成が容易になり、嚥下しやすい物性のゲルを提供することが出来るのである。
さらに、本発明では、ゲルを調製する際に単に、水に難溶な粒子成分を配合することで、これらの特徴を得ることが出来るため、工業化に際し、非常に低コストで、かつ、十分な効果を持ったゲル組成物を得ることが可能なため、汎用性の高い技術を提供することが出来るという優れた利点も有するのである。
本発明に係るゲル組成物は水とゲル化剤及び水に難溶な粒子からなることを特徴としている。ゲル組成物の破断応力が低ければ、弾力が強い、あるいは、食塊の形成しにくい物性を有している場合でも、比較的容易に咀嚼・嚥下することが出来る。したがって、本発明の特徴を発揮させるためには、破断応力が10000N/m^2以上であることが望ましく、30000N/m^2以上であることがより好ましく、50000N/m^2以上であることが更に好ましい。
本発明に用いる水に難溶な粒子は、本発明の特徴を発揮させるために非常に重要である。特に、その粒子径については、服用に際しての口中で感じるざらつきを抑えることと、弾力の高いゲルの弾力を抑制し、あるいは、付着性が低く食塊を形成しにくい特徴を有するゲルに付着性を付与させるという両方の目的を達成させるために重要な要素である。そのため、処方設計を行うに当たっては、粒子径をコントロールすることが重要で、平均粒子径(d50)として、1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、10〜150μmが更に好ましい。
水に難溶な粒子の組成については、特に限定されることはないが、活性炭、結晶セルロース、プラスチック製ポリマー、マイクロカプセル及び医薬品結晶成分の少なくとも一種以上が配合されていればよい。ただし、口中のざらつきを軽減することを目的とした場合、粒子径は球状に近い方が好ましく、入手のしやすさという点では結晶セルロースがより好ましい。
本発明において、水に難溶な粒子成分はゲル組成物の物性を改善することを主眼として配合しているが、機能性を持たせた成分を配合することにより、その機能性を伴った組成物として提供することも可能である。例えば、腎疾患患者に適用される球形吸着炭やポリスチレンスルホン酸塩、塩酸セベラマー、また、コレステロールや胆汁酸を吸着・排除させる目的から、コレスチラミン、コレスチミド、結晶セルロースを使うことができる。さらには、マイクロカプセルに清涼剤や甘味料を含有させておき、ゲル組成物を咀嚼した際に、カプセルが壊れ、それらの内包物が出てくることにより矯味的な効果を狙うことも可能である。
本発明の組成物を入れる容器については特に限定されることはないが、カップ状、封筒状あるいはスティック状の容器を利用することができる。一般に、封筒状やスティック状は開口部の形状を工夫することにより、ある程度、ゲル組成物を破砕させることが可能であるため、組成物の大きさを意図的に小さくするという加工を施すことが可能であるが、カップ状の場合は、容器の底部あるいは側部を押すことにより内容物を取り出したり、スプーンにより内容物を掬い出したりするため、ゼリーの破砕効果を狙うことは難しいことから、本発明による物性の改善効果を享受できるという点で特に好適である。
本発明で用いるゲル化剤は特に限定されることはないが、例えば、ペクチン、カンテン、カラギーナン、ジェランガム、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアガム、タラガム、アルギン酸またはその塩、マンナン類のうちから、少なくとも一種以上を配合することが良く、場合により併用して使用することができる。併用する場合は、例えば、カッパカラギーナンとイオタカラギーナン、これらのカラギーナンとローカストビーンガム、更にキサンタンガムの併用などが例示される。また、弾力の高いゲルを作るという特徴から、マンナン類を配合するあるいは、キサンタンガムとローカストビーンガムの併用などの場合により好適であり、さらには、カンテンやジェランガムのようにもろくて崩れやすい「さくい」食感を形成し、食塊が形成しにくい物性を有するゲル化剤を使用することも好適である。
本発明のゲル組成物を製造するに当たっては、一般的なゼリーを製造する常法に従って製造することができる。しかしながら、水に難溶な粒子成分を配合させることから、その粒子成分が沈降するなど、調製液の中で不均一化しないように、粒子径(比重)に応じたゼリー液の粘度を確保する必要がある。そのために、配合するゲル化剤の粘度を調整するか、別途、増粘剤などを配合することによりゼリー液の粘度を調整することが望ましい。
以下に、調製例、実施例および試験例等を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例の配合に従い、常法によりゼリーを調製した。すなわち、各種ゲル化剤を粉末還元麦芽糖水あめで粉末混合し、継粉ができないように精製水に攪拌しながら徐々に投入した。続いて、ゲル化剤が完全に溶解もしくは、均一に分散したことを確認し、結晶セルロースを投入後、再度、均一になるまで攪拌を続けた。さらに、液を水浴で加熱し、品温が85℃になるまで昇温(カンテン処方は95℃)し、ゲル化剤を溶解させた後、85℃30分以上の殺菌を行ってゼリー液を調製した。
ゼリー液は物性測定用容器(約26mL容量のプラスチック容器:上部φ40mm、底部φ35mm、高さ30mmのテーパー容器)に約10mLずつ充填し、室温で一晩固化させた。その後、試験条件1に従いテクスチャー測定を行った。
(試験条件1)
テクスチャー測定法
装置:(株)山電 RHEONER RE−3305型
ロードセル:200N
プランジャー:φ3,8,及び16mmの円柱型(サンプルの破断応力により選択)
サンプル圧縮速度:1mm/s
クリアランス:サンプルの厚さに対し5%
直線運動による圧縮操作を2回繰り返し、破断応力(N/m^2)、破断歪率(%)及び付着性(J/m^3)を評価した。
(試験条件2)
官能評価
熟練したパネラー4名(男性2名、女性2名)に本発明に係るゲル組成物(実施例1〜8、比較例1〜4及び参考例)を口中に含み咀嚼・嚥下してもらい、咀嚼のしやすさ(硬さ、弾力)、飲み込みやすさ(食塊形成のしやすさ、付着性)について、官能的な評価を実施した。
(実施例1)
成分名 配合量(重量%)
グルコマンナン 0.45
κ−カラギーナン 0.45
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
結晶セルロース(粒子径約106μm) 4.54
精製水 適量
100
(実施例2)
成分名 配合量(重量%)
グルコマンナン 0.45
κ−カラギーナン 0.45
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
結晶セルロース(粒子径約106μm) 6.74
精製水 適量
100
(実施例3)
成分名 配合量(重量%)
グルコマンナン 0.45
κ−カラギーナン 0.45
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
結晶セルロース(粒子径約150μm) 6.72
精製水 適量
100
(実施例4)
成分名 配合量(重量%)
グルコマンナン 0.45
κ−カラギーナン 0.45
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
結晶セルロース(粒子径約150μm) 10.00
精製水 適量
100
(実施例5)
成分名 配合量(重量%)
グルコマンナン 0.45
κ−カラギーナン 0.45
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
結晶セルロース(粒子径約300μm) 15.00
精製水 適量
100
(実施例6)
成分名 配合量(重量%)
グルコマンナン 0.45
κ−カラギーナン 0.45
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
結晶セルロース(粒子径約300μm) 22.30
精製水 適量
100
(実施例7)
成分名 配合量(重量%)
キサンタンガム 0.50
ローカストビーンガム 0.50
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
結晶セルロース(粒子径約106μm) 4.54
精製水 適量
100
(実施例8)
成分名 配合量(重量%)
カンテン 0.50
キサンタンガム 0.30
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
結晶セルロース(粒子径約150μm) 10.00
精製水 適量
100
(比較例1)
成分名 配合量(重量%)
グルコマンナン 0.45
κ−カラギーナン 0.45
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
精製水 適量
100
(比較例2)
成分名 配合量(重量%)
キサンタンガム 0.50
ローカストビーンガム 0.50
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
精製水 適量
100
(比較例3)
成分名 配合量(重量%)
カンテン 0.50
キサンタンガム 0.30
粉末還元麦芽糖水あめ 40.00
精製水 適量
100
(比較例4)
成分名 配合量(重量%)
カンテン 0.28
キサンタンガム 0.10
粉末還元麦芽糖水あめ 16.00
精製水 適量
100
(参考例)
成分名 配合量(重量%)
カンテン 0.35
キサンタンガム 0.10
粉末還元麦芽糖水あめ 16.00
ポリスチレンスルホン酸カルシウム(粒子径約50μm) 20.00
精製水 適量
100
(結果1)
実施例1〜8、比較例1〜4及び参考例について、試験条件1に従って試験を行い、以下のような結果を得た。
食品のコンニャクゼリーで喉詰め事故が発生したような非常に弾力が強く、噛み切りにくい物性で、しかも破断応力の高い、硬いゼリーとするため、破断応力10000N/m^2以上になるよう処方を作製し、比較例1とした。この比較例1の処方に対し、難溶性粒子成分として、様々な粒子径の結晶セルロースを配合量を変えて処方を構成したものを実施例1〜6とした。なお、比較例4ならびに参考例として、破断応力が10000N/m^2より低いゼリーも調製したが、官能評価の結果、咀嚼しやすさ、飲み込みやすさの点で、両物性に明確な差異は認められず、いずれも、非常に容易に咀嚼・嚥下することが可能であった。よって、破断応力10000N/m^2より低い物性は本発明の目的には合致しないと判断した。
比較例1の特徴として、破断応力と歪率が非常に高く、かつ、付着性が低いという物性の特徴を有していた。これに対し、結晶セルロースを入れた系では、破断応力は低下傾向にあり、また、歪率も低下し、さらに、付着性が高まる結果となった。
弾力に相当する歪率が低くなることは、口中での咀嚼によりゼリーを崩しやすくなることを意味しており、また、付着性が増すことによって、崩れたゼリーがまとまりやすくなる、すなわち、食塊を形成しやすくなることを意味する。実施例1〜6は、比較例に対し、いずれも前述の点で改善が認められており、また、難溶性粒子成分の粒径が大きく、配合量も増えることによって、破断応力と歪率が低下する割合が特に高いことも分かった。
以上のことから、咀嚼・嚥下しやすい物性となっていることが確認できた。
続いて、コンニャクゼリーのような非常に弾力の強いゲルを作ることで知られる、ローカストビーンガム−キサンタンガムの混合ゲルについて、同様に評価した(比較例2)。
比較例2も比較例1と同様に、破断応力、歪率が高く、付着性が低いゲルとなったが、難溶性粒子成分である結晶セルロースを配合することで、歪率が低下し、付着性が上昇するという結果であった(実施例7)。
一方、咀嚼・嚥下しにくいゲル物性のもう一つの例としてカンテンゲルがあげられる。カンテンゲルは、弾力が低く、もろく崩れやすいという特徴を有しており、「さくい」という言葉で表現される。この「さくい」食感と付着性の低さにより、口中でうまくゼリーどうしがまとまらず、食塊が形成しにくいために嚥下しにくい物性であると言われている。
このカンテンゲルの物性を本発明において改善が可能かを評価した。難溶性粒子成分を含まない比較例3に対し、難溶性粒子成分を配合した実施例8においては、歪率が高くなり(弾力が増す)、また、付着性も増加するという結果となった。
このことは、カンテンに特有の「さくい」物性を、難溶性粒子成分を配合することで、食塊を形成しやすい物性に改善することができたことを示している。
試験条件1において評価した結果を示す。
Figure 0006517464
(結果2)
試験条件2に従い、熟練したパネラーによるサンプルの官能評価を実施した(表2)。比較例1においては、4名中4名が咀嚼しにくく、飲み込みも困難である旨回答しているが、難溶性微粒子を配合した実施例1〜6では、大部分が咀嚼しやすさを適度か容易、また、飲み込みやすさも適度か容易と回答し、食感の改善が図られていることが官能評価から示された。
さらに、比較例2に対する実施例7及び、比較例3に対する実施例8に関しても同様な結果であり、官能評価面においても食感が改善されていることが分かる結果を得ることができた。
Figure 0006517464

Claims (4)

  1. 水とゲル化剤と増粘剤とを調製してなる組成物歪率89.9パーセントを超えて94.3パーセントまでの範囲であり、かつ付着性が200J/m^3未満となるような物性である前記水と前記ゲル化剤と前記増粘剤とに難溶な粒子成分とからなり、咀嚼力としての破断応力が10000N/m^2以上であることを特徴とする経口ゲル組成物。
  2. 水に難溶な粒子成分の平均粒子径が、1〜300μmであることを特徴とする請求項1に記載の経口ゲル組成物。
  3. 水に難溶な粒子成分が活性炭、結晶セルロース、プラスチック製ポリマー、マイクロカプセル及び医薬品結晶成分の少なくとも一種以上を配合することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の経口ゲル組成物。
  4. ゲル化剤がペクチン、カンテン、カラギーナン、ジェランガム、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアガム、タラガム、アルギン酸またはその塩、マンナン類のうちか一種を配合してなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の経口ゲル組成物。
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