JP6506752B2 - Apiミグリトールのための超速崩壊錠剤処方 - Google Patents

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Description

ミグリトールは、糖尿病の経口療法のために用いられる。それは、α‐グルコシダーゼを阻害することによって、炭水化物を含有する食物の供給後の血糖値の上昇を抑制する。最適な効果を得るためには、食物における有効成分の均一な分布が有利である。これを達成するために、経口で崩壊する錠剤を使用する可能性が存在する。これは、胃中の糜粥自体における効率的な混合を可能とする。
口腔内で急速に崩壊または溶解する錠剤の技術分野には、広範囲に及ぶ先行技術が存在する。注目すべき例には、使用される有効成分の溶解性に関して、極めて一般的でかつ広い特許請求の範囲を含んで記載されている類似の製剤がある(JP2009114069A)。
新規製剤の製造は、いかなる専門的な技術をも必要とすべきではなく、かつ使用される成分のコストは低い方がよい。しかしながら、口腔内での錠剤の短い崩壊時間(軟化時間)の達成には、特別な課題が存在する。目標値は100秒未満である。これは、口腔内における液体が比較的に低容量であるために、およびまた水の粘度と比較すると高い唾液の粘度によってより達成しにくくなる。
製剤の受入性および服薬遵守を高めるために、得られる食感は、特に患者/消費者にとって快適であるべきである。
記載される組成物は、驚いたことに水中(37℃、ディスクを備えたPhEU装置)および口腔内で100秒未満という錠剤崩壊時間を達成する。製剤の25%(m/m)超の有効成分割合は、魅力的で小さな錠剤の製造を可能とするのに十分なほど高い。同時に、50N超の破断荷重および0.5%未満の摩損度を有する錠剤の機械的強度は、錠剤が正常に取り扱われ、且つ、包装されることを可能とするほど十分に高い。
APIの粗い粒子径と組み合された不溶性ビヒクルの組み合せ(全体の70%(m/m)が不溶性)は、心地良い食感を有する速崩壊をもたらし、且つ、易溶性および速溶性のビヒクル/有効成分、および/または高気孔率の剤形、例えば凍結乾燥製品等に関して別の方法で使用される技術とは対照をなす。そのうえ、用いられる生産技術の結果として、得られる錠剤は著しく安価である。
意外な要因は、測定される崩壊時間と医薬品有効成分(API)の粒子径との関係である。好ましい有効成分凝集物は、コンパクトであり(好ましくは結晶化している)、かつ、通常の造粒法(好ましくは湿式流動層造粒および乾式圧縮)または結晶化によっても達成可能である。増大する平均粒子径を有する、よりますますコンパクトな有効成分凝集物は、より短い崩壊時間をもたらすことが見出されている。
図1は、API粒子径の崩壊時間に対する影響の実施例を示す(Ph.EU装置、水、37℃)。左側の棒グラフは、結晶ミグリトールの崩壊時間を、二番目の棒グラフは<400ミクロンの粒子径を有する分画ミグリトールの崩壊時間を示す。三番目の棒グラフは、>400ミクロンの粒子径を有する分画ミグリトールの崩壊時間を示し、および右側の棒グラフは結晶ミグリトールの崩壊時間を示す。結晶化は流動層造粒によって起き、結晶産物は篩分けによって分画された。
驚いたことに、制約的な境界条件(方法および成分)にも拘らず、文献に記載された多数の専門技術および/または成分と同等の、または、それらより優れた製剤を開発することに成功した。
本発明の錠剤は、約20%〜30%のミグリトールを含有する。25%〜28%のミグリトールが好ましい。さらに本発明の錠剤は、65%〜78%、好ましくは68%〜75%の不溶性成分を含有する。100%との差は、打錠助剤、例えば、崩壊補助剤、賦形剤、充填剤、滑沢剤および任意のフレーバー等によって補われる。
用いられる製造技術は、医薬品業界における錠剤製造用の通常の種類の標準法である。
錠剤は、好ましくは直接打錠法によって得ることができる。この方法において成分は、単に混合されおよび任意に篩分けされ、次に生じた混合物は圧縮によって打錠される。この方法は、特に低生産コストのために注目に値する。
成分のいくつかまたは成分の全てが、このような混合物または部分混合物の形態で、乾式で混合されおよび圧縮されることも可能である。このようないわゆる「ロール造粒」は同様に安価であり製造し易い。乾式圧縮の後、圧縮物は篩分けされおよび他の残りの成分と任意に混合され、打錠用の流動性混合物が得られる。この混合物はその後、錠剤の形態にプレスされる。
有効成分の粒子径に関し記載された崩壊時間への好ましい効果を利用するために、有効成分はまた、単独または記載される組成物の他の成分と組み合わせて、より大きな有効成分凝集物または有効成分含有凝集物を形成するように処理され得る。そのうえ、ここでこの適合性は、上記の乾式圧縮または他の通常の造粒技術、例えば、流動層造粒または高速ミキサー造粒等によっても所有されている。この様な場合に使用される造粒液体は、好ましくは水または適当な有機溶媒である。
何らかの特別な理由(例えば、ミグリトール原体の入手可能性または技術設備不足)により、仮に記載の組成物において微粒子径グレード(例えば、3μm〜80μm、10μm〜50μmまたは15μm〜30μmの平均粒子径x50)のミグリトール原体が使用されなければならないならば、生じた混合物の流動特性は著しく低減される。結果として得られる錠剤の物理的性質は確かに変化するが、しかし依然として十分に短い崩壊時間および十分に高い機械的耐性の望ましい範囲内にとどまる。しかしながら錠剤圧縮の製造プロセス段階は、悪影響を受ける。微粒子径のミグリトール(微結晶または破砕物質)の使用は粉末偏析をもたらし、それは打錠作業におけるいくつかの時点に対する容認できない含量均一性の結果を引き起こす(含量均一性試験は、PhEU、PhJap、USPのような全ての主要な薬局方の共通の試験法である)。このようなプロセスは、含量均一性試験の通常用いられる拘束力のある法規に違反するために、市場供給のために発売/使用され得ない錠剤を生産するリスクが高い。
観察された粉末偏析の背後の正確な機構は解明されていないが(例えば、混合成分の粒子径の違い、混合成分の密度の違い、架橋現象による不規則な粉末の流動等)、打錠プロセスの生産高および頑健性は、容器(すぐ打錠のできる混合物を含む)と打錠機フィーダーとの間の連結部として可撓性の金属箔チューブを使用することによって、製造される錠剤の含量均一性結果に関し驚くほどに改善され得る。この可撓性の金属箔チューブに使用される物質は、粉末の流動に応じたチューブ径の変化を可能とするのに十分なほどに可撓性でなければならず、且つ、食品および医薬製剤と直接接触するのに適した材料から作製されなければならない(例えば、ポリエチレン(LDPEまたはHDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、セルロース、ケイ素、ポリスチレン(PS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはその組み合せ)。可撓性金属箔チューブの最大直径は、75mm〜400mm、100mm〜350mm、150〜300mmの範囲である。記載されるこの簡易な可撓性金属箔配チューブは、標準的な金属チューブ(通常はステンレス)およびフィーダー(強制式フィーダーまたは重量式フィーダー)上流の打錠機内部のすべての部分を置き替えるために使用される。このようにして、打錠機の容器とフィーダーとの間のその直径を変えることのできる、直接的な可撓性の連結部が与えられる。この仕組みは、含量均一性試験の合格判定基準が安全に満たされ、ならびに打錠プロセスの頑健性が大いに改善されるほどまでに、混合物の粉末偏析が低減されることを保証する。
プロセス装置の記載した簡易で効果的な修正は、市販されている他の技術的努力(例えば、打錠機のフィーダーに少量で規定量の粉末混合物を供給する定量供給ユニット)を回避するために役立ち、粉末混合物の長距離垂直輸送を可能とし、使用後に処分し得るので洗浄の必要が無く、且つ、非常に低い投資しか必要としない。修正された打錠プロセスは、他の方法では不可能であろう微粒子グレードのミグリトールに関してさえも、顕著に改善された頑健性を伴って稼働し得る。
[実施例]
錠剤組成物の実施例
Figure 0006506752
50〜70N(シュロニガー6D)の破断荷重の小面を有する8.5mmの扁平錠剤に圧縮する。
)ミグリトールは二者択一的に、乾式圧縮形態(ロール顆粒)の流動層造粒製品として、または結晶化ののち直接的に(追加の作業ステップがないので特に好ましい)使用され得る。
**)特に適した滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムまたはフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV)である。以下のものは不溶性である:トウモロコシデンプン、三ケイ酸マグネシウム、PVP CL。
直接打錠による製造実施例
Figure 0006506752
乾式圧縮による部分混合物の凝集実施例:
Figure 0006506752

Claims (6)

  1. 20%〜30%のミグリトールと、65%〜78%のトウモロコシデンプン、三ケイ酸マグネシウムおよび架橋ポリビニルピロリドンである不溶性成分を含み、更に打錠補助剤を含有していてもよい錠剤であって、
    ミグリトールが15〜30μmの平均粒子径を有する結晶の凝集形態で存在し、該凝集物が400μmを超える粒子サイズを有する前記錠剤
  2. 25%〜28%のミグリトールと、68%〜75%のトウモロコシデンプン、三ケイ酸マグネシウムおよび架橋ポリビニルピロリドンである不溶性成分を含有する、請求項1に記載の錠剤。
  3. 100秒未満の崩壊時間を有する、請求項1または2に記載の錠剤。
  4. 成分を混合すること、および、
    さらなる媒介物なしに該混合物を圧縮により打錠すること
    を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤の製造方法
  5. 成分を混合すること、
    該混合物を初期圧縮にかけること、および
    それを圧縮により打錠すること
    を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤の製造方法
  6. すぐ打錠できる混合物を含む容器と打錠機フィーダーとの間の連結部として、可撓性金属箔チューブが使用される打錠機を用いる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤成形方法。
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