JP6514732B2 - 車両前部における歩行者保護構造 - Google Patents

車両前部における歩行者保護構造

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本発明は、車両前部における歩行者保護構造に係り、特に、フロントバンパカバー下部の内側に設けられるロアアブソーバの構造に関する。
従来、乗用車等の自動車のフロントバンパーには、歩行者との前面衝突時に、その衝撃エネルギーを吸収して軽減するアッパアブソーバ及びロアアブソーバが配設され、さらに、ロアアブソーバは、歩行者の膝より下方で足を払い、当該歩行者をボンネットフード上に載せるための所謂足払いとして機能させている。
このような足払いとして機能するものとして、バルクヘッドロアの左右両端部であって、フロントバンパーの左右屈曲部の下部に対応する位置に、左右一対の足払いプレートが設けられている自動車の前部車体構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、このような足払いとして機能するものとして、フロントバンパーの裏側下部にて車幅方向の略全長に亘って設置されるロアアブソーバを備えた車両前部構造が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2006−327438号公報 特開2015−112952号公報
しかしながら、背景技術に記載した自動車の前部車体構造では、歩行者との前面衝突時に、その衝撃エネルギーは足払いプレートの後方側に固定されるバルクヘッドロアに荷重伝達されるが、足払いプレートは、軽衝突時に変形して車体の変形を防止するために、車幅方向に延びるひだ状のエネルギー吸収部を設けていることから、歩行者との前面衝突時にはそのエネルギー吸収部が撓むので、足払いプレートの先端がばたつく場合があった。このように歩行者との前面衝突時に足払いプレートの先端がばたつくことで、当該歩行者の脚部に対する跳ね上げ機能を正常に発揮させることができなくなる難点があった。
また、背景技術に記載した車両前部構造では、ロアアブソーバがフロントバンパーの裏側下部にて車幅方向の略全長に亘ってロアクロスメンバに固定されていることから、当該ロアアブソーバの先端がばたつくことはないが大きな部材となる。この場合、ラジエータサポートのロアメンバ(ラジエータサポートロア)にフロントサイドメンバを介して固定されたフロントクロスメンバ(ロアクロスメンバ)にロアアブソーバを固定させている既存の歩行者保護のための車両前部構造だと、車幅方向の略全長に亘ってロアアブソーバを固定させるには、フロントクロスメンバを車幅方向に広げるために新しくプレス金型を起こす必要があるので、コストアップの要因となっていた。
本発明は、このような従来の難点を解消するためになされたもので、既存の歩行者保護のための車両前部構造を流用してもコストアップを防ぐことができ、而も歩行者の脚部に対する跳ね上げ機能を正常に発揮させることができる車両前部における歩行者保護構造を提供することを目的とする。
上述の目的を達成する本発明の第1の態様である車両前部における歩行者保護構造は、ラジエータサポートと、フロントバンパリーンフォースメントと、アッパアブソーバとを備えたものである。
このラジエータサポートは、車両の前部に配設され、略矩形枠体に形成されているものである。なお、本明細書において「配設」とはそれぞれの位置に設けることを意味する。
フロントバンパリーンフォースメントは、車両の前側端に設けられたフロントバンパカバーの車両後方側において、ラジエータサポートの前側で車幅方向に延在するように配設されているものである。なお、本明細書において「延在」とは延び出た状態にすることを意味する。
アッパアブソーバは、フロントバンパリーンフォースメントの車両前方側に固定され、車幅方向に延在するものである。
この車両前部における歩行者保護構造では、さらに、左右一対のフロントサイドメンバと、フロントクロスメンバと、第1のロアアブソーバと、左右一対の第2のロアアブソーバとを備えているものである。
左右一対のフロントサイドメンバは、ラジエータサポートが有する車両上下方向に延在する左右一対のラジエータサポートサイドの下部に連結され、車両前後方向に沿って車両前側に向かって配設されているものである。
フロントクロスメンバは、左右一対のフロントサイドメンバの車両前側の先端に連結され、車幅方向に延在するものである。
第1のロアアブソーバは、フロントクロスメンバの車両前方側に固定され、車幅方向に延在するものである。
第2のロアアブソーバは、略板状に形成され、ラジエータサポートが有する車幅方向に延在すると共に車両下方向に配置されたラジエータサポートロアの車幅方向各端部に、実質的に車両前後方向に沿って穿設された複数のボルト貫通孔を介してボルト締結されているものである。なお、本明細書において「穿設」とは穴をあけることを意味する。
このような第1の態様である車両前部における歩行者保護構造によれば、ラジエータサポート、フロントバンパリーンフォースメント及びアッパアブソーバを備えた既存の歩行者保護のための車両前部構造を流用しても、ラジエータサポートロアの車幅方向各端部にそれぞれ第2のロアアブソーバをボルト締結するので、コストアップを防ぐことができ、さらに、略板状に形成された第2のロアアブソーバは、ラジエータサポートロアに対する複数のボルト締結箇所をそれぞれ車両前後方向に沿って配設していることから、歩行者との前面衝突による衝突荷重の荷重伝達モードを車両前後方向から車幅方向に移行させることができるので、第2のロアアブソーバを撓ますことなく衝突荷重をラジエータサポートロアに伝達させることができる。したがって、第2のロアアブソーバの先端のばたつきを防ぐことが可能になるので、歩行者の脚部に対する跳ね上げ機能を正常に発揮させることが可能になる。
本発明の第2の態様は第1の態様である車両前部における歩行者保護構造において、ラジエータサポートロアの車幅方向各端部が、それぞれ第2のロアアブソーバをボルト締結するための取付部が形成されていると共に、当該取付部に連設され第2のロアアブソーバのボルト締結側の側面と対向する側面を有するように突設された突設部が形成され、これら側面間には隙間が形成されている場合には、車両前後方向における最も前側に位置するボルト貫通孔は、ボルト貫通のためのキリ穴に形成され、他のボルト貫通孔は、長手方向が実質的に車幅方向である長穴に形成されているものである。なお、本明細書において「連設」とは連なった状態で設けられることを意味する。また、本明細書において「突設」とは突き出した状態に設けることを意味する。
このような第2の態様である車両前部における歩行者保護構造によれば、異音防止のために、ラジエータサポートロアと第2のロアアブソーバとの相互に対向する側面に隙間が形成されている場合に、歩行者との前面衝突による衝突荷重が第2のロアアブソーバに伝達されると、車両前後方向における最も前側に位置するボルト締結部を回転中心にして当該第2のロアアブソーバを回転させることができるので、第2のロアアブソーバをラジエータサポートロアに当てることによる直接的な荷重伝達経路を形成させることができる。したがって、第2のロアアブソーバを撓ますことなく確実に衝突荷重をラジエータサポートロアに伝達させることができる。
本発明の第3の態様は第1の態様又は第2の態様である車両前部における歩行者保護構造において、第2のロアアブソーバは、車両前後方向における前側部位がバンパーカバーの底部に固定されているものである。
このような第3の態様である車両前部における歩行者保護構造によれば、第2のロアアブソーバが車両上下方向においてばたつくことを確実に防ぐことができる。
本発明の第4の態様は第2の態様又は第3の態様である車両前部における歩行者保護構造において、第2のロアアブソーバは、プラスチック樹脂材料で構成されているものである。このような第4の態様である車両前部における歩行者保護構造によれば、歩行者の脚部に対する第2のロアアブソーバによる反力が必要以上に強くなることを防ぐことができるので、安定した跳ね上げ機能を持たせることができる。
本発明の車両前部における歩行者保護構造によれば、既存の歩行者保護のための車両前部構造を流用してもコストアップを防ぐことができ、而も歩行者の脚部に対する跳ね上げ機能を正常に発揮させることができる。
本発明の車両前部における歩行者保護構造における好ましい実施の形態を示す図で、各部材の位置関係を車両斜め右前方外側から見た斜視図である。 本発明の車両前部における歩行者保護構造の構成要素である第1のロアアブソーバと、左右一対の第2のロアアブソーバとの位置関係を示す斜視図である。 本発明の車両前部における歩行者保護構造の構成要素である第2のロアアブソーバが、ラジエータサポートロアの端部とフロントバンパカバーの底部とに固定されている状態を示す上面視の説明図である。 ラジエータサポートロアの端部と第2のロアアブソーバとの連結状態を示す図で、(A)は下面視の斜視図、(B)は(A)の概略A−A断面図、(C)は(A)の概略B−B断面図、(D)は(A)の概略C−C断面図である。 本発明の車両前部における歩行者保護構造の構成要素であるフロントバンパリーンフォースメントの車幅方向外側端の位置を設定するときに用いられるフロントフードの最大幅の両側端となる見切り線を説明するための車両の前部を示す平面図である。
以下、本発明の車両前部における歩行者保護構造を実施するための形態例について説明する。なお、この発明を実施するための形態で使用する各図中において矢印で方向を示してあるが、これは運転席に着座した乗員から見た方向を示すと共に、各矢印は各部品が車両に組み込まれたときの方向性を示している。矢印UPは車両上方向、矢印FRは車両前方向、矢印RRは車両後方向、矢印LHは車両左方向、矢印RHは車両右方向、矢印OUTは車幅外側方向をそれぞれ示している。
車両前部における歩行者保護構造は図1に示すように、ラジエータサポート1と、フロントバンパリーンフォースメント2と、アッパアブソーバ3とを備えたものである。
ラジエータサポート1は、車両の前部のエンジンルーム内に配設され、エンジンを冷却するためのラジエータ(図示せず。)が取り付けられている。このラジエータサポート1は、略矩形枠体に形成され、車幅方向に延在すると共に車両上下方向に離間された状態で配置された上下一対のラジエータサポートアッパ11及びラジエータサポートロア12と、上下一対のラジエータサポートアッパ11及びラジエータサポートロア12の車幅方向の各端部121、121を車両上下方向で連結する左右一対のラジエータサポートサイド13、13と、上下一対のラジエータサポートアッパ11及びラジエータサポートロア12の車幅方向のほぼ中心位置を連結するラジエータサポート縦柱14とから構成されている。
フロントバンパリーンフォースメント2は、車両の前側端に設けられたフロントバンパカバー4(図4参照。)の車両後方側において、ラジエータサポート1の前側で車幅方向に延在するように配設されている。このフロントバンパリーンフォースメント2は、ラジエータサポート1が有する左右一対のラジエータサポートサイド13、13の車両上下方向における中間部に、車両前後方向に沿って車両前側に向かって配設されている左右一対の第1のクラッシュボックス5A、5Aを介して連結されている。
アッパアブソーバ3は、フロントバンパリーンフォースメント2の車両前方側に固定されている。したがって、アッパアブソーバ3は、車幅方向に延在することになる。このようなアッパアブソーバ3は、発泡樹脂材、即ち、ウレタンフォーム等によって構成されている。
また、本発明の車両前部における歩行者保護構造は図1、図2に示すように、左右一対のフロントサイドメンバ6、6と、フロントクロスメンバ7と、第1のロアアブソーバ8と、左右一対の第2のロアアブソーバ9、9とを備えている。
左右一対のフロントサイドメンバ6、6は、ラジエータサポート1が有する左右一対のラジエータサポートサイド13、13の下部に連結され、車両前後方向に沿って車両前側に向かって配設されている。フロントクロスメンバ7は、左右一対のフロントサイドメンバ6、6の車両前側の先端に、車両前後方向に沿って車両前側に向かって配設されている左右一対の第2のクラッシュボックス5B、5Bを介して連結され、車幅方向に延在する。第1のロアアブソーバ8は、フロントクロスメンバ7の車両前方側に固定され、車幅方向に延在する。この第1のロアアブソーバ8は、発泡樹脂材、即ち、ウレタンフォーム等によって構成されている。
第2のロアアブソーバ9、9は、略板状に形成され、ラジエータサポートロア12の車幅方向各端部に、実質的に車両前後方向に沿って穿設された2つのボルト貫通孔12a、12bを介してボルト締結されている。この第2のロアアブソーバ9は、プラスチック樹脂材料で構成されている。
また、図2、図3に示すように、ラジエータサポートロア12の車幅方向各端部121、121は、それぞれ第2のロアアブソーバ9、9をボルト締結するための取付部12cが形成されている。さらに、このラジエータサポートロア12の車幅方向各端部121、121は、取付部12cに連設され、第2のロアアブソーバ9、9のボルト締結側の側面9aと対向する側面12dを有するように突設された突設部12eが形成されている。
また、図4(A)、(B)、(C)、(D)に示すように、第2のロアアブソーバ9のボルト締結側の側面9aと、突設部12eの側面12dとの間には隙間が形成されている。これら側面9a、12d間に隙間を設けるのは、これら側面9a、12dが当接していると、車両が走行中に異音を発生してしまう場合があるからである。
これら側面9a、12d間に隙間を設けている場合には、車両前後方向における最も前側に位置するボルト貫通孔12aは、ボルト貫通のためのキリ穴に形成されている(図4(B)参照。)。他のボルト貫通孔12bは、長手方向が実質的に車幅方向である長穴に形成されている(図4(D)参照。)。
第2のロアアブソーバ9は図3に示すように、車両前後方向における前側部位がフロントバンパカバー4の底部にボルト締結等の固定手段によって固定されている。なお、本発明の車両前部における歩行者保護構造は、車幅方向の中心に対して基本的には左右対称に形成されているので、図3は車両右方向に配設された第2のロアアブソーバ9のみを図示し、この車両右方向に配設された第2のロアアブソーバ9について説明しているが、車両左方向に配設された第2のロアアブソーバ9も同様である。
このように構成された本発明の車両前部における歩行者保護構造が適用される車両前部を有する車両の歩行者との前面衝突時における作用、効果について説明する。
第一に、ラジエータサポート1、フロントバンパリーンフォースメント2及びアッパアブソーバ3を備えた既存の歩行者保護のための車両前部構造を流用しても、ラジエータサポートロア12の車幅方向各端部にそれぞれ第2のロアアブソーバ9、9をボルト締結するので、コストアップを防ぐことができる。
第二に、略板状に形成された第2のロアアブソーバ9は、ラジエータサポートロア12に対する2つのボルト締結箇所をそれぞれ車両前後方向に沿って配設しているので、歩行者との前面衝突による衝突荷重の荷重伝達モードを車両前後方向から車幅方向に移行させることができる。したがって、第2のロアアブソーバ9を撓ますことなく衝突荷重をラジエータサポートロア12に伝達させることができることから、第2のロアアブソーバ9の先端のばたつきを防ぐことが可能になるので、歩行者に対する足払い機能を正常に発揮させることが可能になる。
なお、第2のロアアブソーバ9をラジエータサポートロア12にボルト締結する数は2つに限らず、歩行者との前面衝突による衝突荷重の荷重伝達モードを車両前後方向から車幅方向に移行させることができれば3つ以上でもよい。
また、「実質的に車両前後方向に沿って」とは、完全に車両前後方向に沿っていなくてもよく、歩行者との前面衝突による衝突荷重の荷重伝達モードを車両前後方向から車幅方向に移行させることができれば、多少その方向から車幅方向にずれていてもよいことを意味している。
また、第2のロアアブソーバ9を略板状に形成させているのは、ラジエータサポートロア12の車幅方向各端部に連結させるからである。即ち、アッパアブソーバ3や第1のロアアブソーバ8のように、歩行者との前面衝突時に、その衝撃エネルギーを吸収して軽減することを主目的とはしておらず、脚部の跳ね上げを主目的としているからである。
また、異音防止のために、ラジエータサポートロア12と第2のロアアブソーバ9との相互に対向する側面に隙間が形成されている場合に、車両前後方向における最も前側に位置するボルト貫通孔12aが、ボルト貫通のためのキリ穴に形成され、他のボルト貫通孔12bが、長手方向が実質的に車幅方向である長穴に形成されていると、以下のような作用、効果を得ることができる。
歩行者との前面衝突による衝突荷重が第2のロアアブソーバ9に伝達されると、車両前後方向における最も前側に位置するボルト締結部(ボルト貫通孔12a)を回転中心にして当該第2のロアアブソーバ9を回転させることができる(図4(B)参照。)。即ち、他のボルト貫通孔12bが、長手方向が実質的に車幅方向である長穴に形成されているので、このボルト貫通孔12bを貫通するボルトがその長穴内を移動できるからである(図4(D)参照。)。このことから、第2のロアアブソーバ9をラジエータサポートロア12の端部121に当てることによる直接的な荷重伝達経路LTP(図2、図3参照。)を形成させることができる。したがって、第2のロアアブソーバ9を撓ますことなく確実に衝突荷重をラジエータサポートロア12に伝達させることができる。
なお、第2のロアアブソーバ9をラジエータサポートロア12にボルト締結する数は2つに限らず、車両前後方向における最も前側に位置するボルト締結部(ボルト貫通孔12a)を回転中心にして当該第2のロアアブソーバ9を回転させることができれば、3つ以上でもよい。
また、第2のロアアブソーバ9を、車両前後方向における前側部位がフロントバンパカバー4の底部に固定することで、第2のロアアブソーバ9が車両上下方向においてばたつくことを確実に防ぐことができる。
また、第2のロアアブソーバ9を、プラスチック樹脂材料で構成することで、歩行者の脚部に対する第2のロアアブソーバ9による反力が必要以上に強くなることを防ぐことができるので、安定した跳ね上げ機能を持たせることができる。なお、第2のロアアブソーバ9をプラスチック樹脂材料より剛性の高い金属で構成すると、反力が必要以上に強くなるが、形状で反力をチューニングできれば金属も用いることができる。
このような歩行者との前面衝突時に関する歩行者脚部保護性能試験においては、歩行者の脚部を模擬して形成された脚部インパクタが用いられている。この歩行者脚部保護性能試験は、JNCAP(独立行政法人 自動車事故対策機構)及びGTR規則(車両等の世界的協定規則に基づく世界統一技術規則)に基づく歩行者脚部保護性能試験で、所定の脚部インパクタを、衝撃装置により試験車のバンパに向けて時速40kmで発射させ、衝撃点における脚部インパクタの膝部等の衝撃値を計測するものである。
この歩行者脚部保護性能試験に、本発明の車両前部における歩行者保護構造を用いた場合、脚部インパクタに対する跳ね上げ機能を正常に発揮させることができるので、当該脚部インパクタの角度変化を最小限にすることが可能になる。したがって、脚部インパクタをばたつかせることなく跳ね上げることが可能になるので、安定した跳ね上げ機能を発揮できる。
また、このような歩行者との前面衝突時における作用をもたらす本発明の車両前部における歩行者保護構造は、ポップアップフード装置を備えた車両に好適である。ポップアップフード装置は、衝突体が歩行者であると制御部が判定すると、フロントフードを持ち上げて歩行者の保護を図るものである。
したがって、歩行者保護の観点から、フロントバンパリーンフォースメント内に設けられる歩行者衝突検知センサの車幅方向の検知範囲を図5に示すように、平面視でフロントフードFFの最大幅W1や一対のエプロンアッパメンバ間の最大幅W2にすることになる。これは、エンジンルーム内に配設されたエプロンアッパメンバ等の強度の高い部材に歩行者が直接的に当たらないようにするためである。なお、一対のエプロンアッパメンバ間の最大幅W2を基準にするのは、フロントフードFFの意匠等によっては、エプロンアッパメンバも覆っている場合があるからである。
このようなポップアップフード装置を備えた車両Cは、歩行者衝突検知センサの車幅方向の検知範囲を、平面視でフロントフードFFの最大幅W1や一対のエプロンアッパメンバ間の最大幅W2に設定することから、フロントバンパリーンフォースメントの車幅方向の長さが、ラジエータサポートが有する左右一対のサイドメンバ間の車幅方向の長さより長くなるので、本発明の車両前部における歩行者保護構造は、ポップアップフード装置を備えた車両に好適なものとなる。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
1……ラジエータサポート
11……ラジエータサポートアッパ
12……ラジエータサポートロア
12a、12b……ボルト貫通孔
12c……取付部
12d……側面
12e……突設部
13、13……左右一対のラジエータサポートサイド
2……フロントバンパリーンフォースメント
3……アッパアブソーバ
4……フロントバンパカバー
5A、5A……左右一対の第1のクラッシュボックス
5B、5B……左右一対の第2のクラッシュボックス
6、6……左右一対のフロントサイドメンバ
7……フロントクロスメンバ
8……第1のロアアブソーバ
9、9……左右一対の第2のロアアブソーバ
9a……側面

Claims (4)

  1. 車両の前部に配設され、略矩形枠体に形成されているラジエータサポートと、
    車両の前側端に設けられたフロントバンパカバーの車両後方側において、前記ラジエータサポートの前側で車幅方向に延在するように配設されているフロントバンパリーンフォースメントと、
    前記フロントバンパリーンフォースメントの車両前方側に固定され、車幅方向に延在するアッパアブソーバと、を備えた車両前部における歩行者保護構造において、
    前記ラジエータサポートが有する車両上下方向に延在する左右一対のラジエータサポートサイドの下部に連結され、車両前後方向に沿って車両前側に向かって配設されている左右一対のフロントサイドメンバと、
    前記左右一対のフロントサイドメンバの車両前側の先端に連結され、車幅方向に延在するフロントクロスメンバと、
    前記フロントクロスメンバの車両前方側に固定され、車幅方向に延在する第1のロアアブソーバと、
    略板状に形成され、前記ラジエータサポートが有する車幅方向に延在すると共に車両下方向に配置されたラジエータサポートロアの車幅方向各端部に、実質的に車両前後方向に沿って穿設された複数のボルト貫通孔を介してボルト締結されている左右一対の第2のロアアブソーバとを備えていることを特徴とする車両前部における歩行者保護構造。
  2. 前記ラジエータサポートロアの車幅方向各端部が、それぞれ前記第2のロアアブソーバを前記ボルト締結するための取付部が形成されていると共に、当該取付部に連設され前記第2のロアアブソーバの前記ボルト締結側の側面と対向する側面を有するように突設された突設部が形成され、これら側面間には隙間が形成されている場合には、
    車両前後方向における最も前側に位置する前記ボルト貫通孔は、ボルト貫通のためのキリ穴に形成され、他の前記ボルト貫通孔は、長手方向が実質的に車幅方向である長穴に形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両前部における歩行者保護構造。
  3. 前記第2のロアアブソーバは、車両前後方向における前側部位が前記フロントバンパカバーの底部に固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両前部における歩行者保護構造。
  4. 前記第2のロアアブソーバは、プラスチック樹脂材料で構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の車両前部における歩行者保護構造。
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