JP6514326B2 - グレーティングの構造及びこれを備えたグレーティングカプラの製造方法 - Google Patents

グレーティングの構造及びこれを備えたグレーティングカプラの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、グレーティングの構造及びこれを備えたグレーティングカプラの製造方法に関する。
光導波路で構成された基板上の光回路に光信号の入出力を行うため、光導波路の伝搬光を光導波路外へ出射させたり、あるいは外部光を光導波路内に入射させたりする機能を付与したいことがある。グレーティングカプラはこのような目的に使用できる光入出力素子であり、基板上の光導波路の伝搬光を、基板表面に近接させた光ファイバ端面に入射させたり、或いはその逆に光ファイバからの光を光導波路に入射させたりすることができる。
図1は、導波光を光導波路外へ出射させるための構成を有するグレーティングカプラの一例の、グレーティング部の模式的な断面図である。以下では、図1を参照しながら、グレーティングカプラの構造、機能等を簡単に説明する。
図1に示すグレーティングカプラは、Silicon−on−insulator(SOI)ウエハを用いて作製できるグレーティングカプラの例の模式図であって、光導波路を介して光信号を受け取り、回折により光軸を変換する作用を有する。図1に例示された断面構造は、二酸化珪素(SiO)から成るBOX(Buried Oxide,埋め込み酸化膜)層102と、BOX層102より屈折率の高いシリコン(Si)から成るコア層114と、BOX層102と同じ二酸化珪素、または同程度の屈折率の材料から成る上部クラッド(Overclad)層116とを、この順に基板101に積層したもので、コア層114には回折格子が形成されている。このように、グレーティングカプラは、例えば、コア層114への回折格子の形成加工のみで光路変換を可能とするものである。
以下、導波光を光導波路外へ出射させるためのグレーティングカプラの動作原理等について概略説明する。尚、グレーティングカプラを用いて導波光を光導波路外に出射させる場合について説明するが、逆に動作させることによって、外部光を光導波路内に入射させることも可能である。
図1に示したグレーティングカプラ100のコア層114には、導波光の伝搬方向(z方向)に周期的で、導波路の厚さ方向(x方向)に凹凸を有する回折格子が形成されている。このような回折格子が形成されていると、導波光の一部が回折されて放射光を生じるが、その導波光と放射光は、伝搬方向(z方向)の位相整合条件を満たす。即ち、導波光の伝搬定数をβ、放射光のz方向の伝搬定数をβとすると、位相整合条件は、
β=β+qK (式1)
である。但し、Λを回折格子の周期とし、K=2π/Λで、qは放射光の次数(0、±1、±2、・・・)に相当する値である。
この場合、回折格子の法線に対する放射光の出射角θは、λを光の真空中の波長、Nを導波路の実効屈折率、nを上部クラッド層の屈折率、Λを回折格子の周期とすると、
sinθ=N+qλ/Λ (式2)
の関係式より求められる。
一般に、導波路の実効屈折率Nはコアの屈折率とクラッドの屈折率の間の値をとるため、N>nの関係にあり、光の放射が生じるのは、q≦−1を満たす次数qに限られる。更に、回折次数が小さい回折光ほど回折効率が大きいことを考慮すると、放射光へのパワー分配比を最も大きくできるのは、q=−1を満たす放射光を使用する場合である。尚、上記の−1次放射光には、上方放射光Pupと、BOX層102を介した基板101側への下方放射光Pdownの2つがある。また、導波路方向への戻り光Pref、コア層透過光Ptrans、も同時に存在する。グレーティングカプラへの入射光をPinとすると、
in=Pup+Pdown+Ptrans+Pref (式3)
の関係にある。
上方放射光Pupの出射角θは、図1に示される格子の周期Λ、幅w、深さd、光導波路の厚さDによって任意に設計できる。例えば、コア層114の材料がシリコン(Si)であり、BOX層102の材料が二酸化珪素(SiO)である場合、真空中の波長1.3μm〜1.6μmの光に対する周期Λ、幅w、深さd、光導波路の厚さDの数値範囲は、以下のとおりである。
Λ:530〜550nm,
FF(=1−w/Λ):0.3〜0.6,
d:60〜80nm,
D:180〜220nm.
グレーティングカプラが光出力用の光結合器として用いられる場合、グレーティングカプラへの入射光Pinに対する上方放射光Pupの割合が、性能指標の一つである。それを上方放射効率ηupとすれば、
ηup=Pup/Pin (式4)
で与えられる。光結合器としては当然ながら、上方放射効率ηupができるだけ1に近い方が良く、そのためには、(式3)から分かるように、Pupを大きくし、PdownとPtransとPrefをできるだけ小さくするのが良い。
非特許文献1には、図1に示したようなSOIウエハ上に形成したグレーティングカプラに関して、Pupを増してPdownを減らすための設計上の基本方針が開示されている。その一つは、コア層114の厚さを、コア層114を成す材料中での光の波長の1/2の整数倍にすることであり、もう一つは、BOX層102の厚さを、BOX層を成す材料中での光の波長の1/4の奇数倍にすることである。コア層114の厚さを光の波長の1/2にすることにより、コア層表面の格子の凹凸によって直接上方に散乱される光と、下方に散乱されてからコア層114の裏面で反射されて戻ってくる光との位相が揃う(同相)。その結果、両者が建設的な干渉を生じ、互いに打ち消しあうことなく上方に放射されるため、Pupが増加する。一方、BOX層102の厚さを光の波長の1/4の奇数倍にすることにより、コア層114の裏面を通り抜けてBOX層中に進入し、更にBOX層102の裏面で反射されて戻って来る光と、コア層114の裏面で反射されて直ぐに上方に向かう光とが建設的な干渉を起こし、互いに打ち消しあうことがない。その結果、コア層114の表面から一旦は下方に散乱された光の多くが上方に戻ることになり、相対的にPdownの割合が減少する。このように、SOI層の厚さとBOX層の厚さを適切に設計すればPupが増してPdownが減るので、上方放射効率ηupを一定程度大きくすることができる。
しかし、SOI層裏面やBOX層裏面の反射を最大化するだけでは下方放射光が十分に小さくならず、上方放射効率ηupを大きくするのには限界がある。グレーティングの裏面に金属の反射膜や多層膜の反射膜を作りこむことで下方放射光を減らすことは可能であるが、作製工程が複雑になるため、実用的ではない。そこで、上方放射効率ηupを更に大きくするための、別の動作原理に基づくグレーティングの構造が考案された。
そのグレーティングの構造では、グレーティングの凹凸による散乱光を最初から上方にだけ効率よく散乱させることによって、上方放射効率ηupの増加を図る。例えば、非特許文献2では、グレーティングの凹凸を非対称な鋸刃状にすることによって、SOI層内での散乱光をうまく干渉させ、上方散乱光に関してだけ光の位相が揃うようにすることで、上方に効率よく光が放射されるグレーティングの構造が開示されている。
また、非特許文献3には、グレーティング部にポリシリコンやアモルファスシリコンを積層して厚くしてから、グレーティングの溝を深く掘った構造が開示されている。図2は非特許文献3に開示されているグレーティングの動作を説明するための、グレーティング断面の模式図である。図2に示した通り、このグレーティングの構造では、散乱光は主に、グレーティングの溝の底の角で発生する。すなわち、入射光は、グレーティングの凹部と凸部の底の角で散乱され、SOI層のシリコン中を同じ様に通過する下方散乱光230と231が発生する。それらが発生した時点では位相がπの奇数倍だけ異なるように、すなわち逆相となるように、グレーティングの周期が選ばれている。その結果、下方に散乱された光は相互に破壊的に干渉して打ち消し合う。一方、上方に散乱される光の内、散乱光の凹部を通過して上方に散乱される光232と凸部を通過して上方に散乱される光233は、発生した時点では位相がπずれていたとしても、屈折率の異なる経路を伝搬する間にその位相のずれが解消され、グレーティングの上部に到達した時点では同相となる。その結果、光232と233は互いに建設的に干渉し、共に上方に効率よく放射される。逆相や同相の干渉を生じさせるには、SOIの厚さや溝の深さを調節する。グレーティング部に積層されたシリコン層242はSOI層に対してオーバーレイ(overlay)と呼ばれる。オーバーレイの材料は、シリコン以外にも、利用できるプロセス技術に合わせて、シリコン窒化膜(Si膜)などの屈折率の高い誘電体材料が用いられることもある。
上述したように、非特許文献2や非特許文献3に開示された従来技術によるグレーティングの構造は、グレーティング構造部分だけに注目すると、上方放射光Pupの増加効果と下方放射光Pdownの低減効果に優れる。しかし、実際には種々の制約のために、期待した程の上方放射効率ηupを得られないことがある。例えば、非特許文献2に開示されたグレーティングの構造は非対称な鋸刃状であるため、通常のドライエッチング装置では形成が困難である。そのため、理想的な鋸刃形状が得られず、実際の上方放射効率は小さくなる。
非特許文献3に開示されたグレーティングの構造ではそのような問題は生じないが、深いグレーティングを用いることに起因して別の問題が生じる。すなわち、図2に示すように、コア層214の導波路部側からグレーティング部に光250が入射するときに急に深いグレーティングの段差240が現れるため、グレーティングの開始位置で入射光が反射されて大きな反射光Prefが発生しやすい。そのため、上方放射効率ηupが低下したり、グレーティングの前段に接続されている光回路にノイズを発生させたりする。この問題に対処するために従来技術では、導波路に接続しているグレーティングの開始部分だけグレーティングの溝を細くしたり浅くしたりするといったアポダイジングを行うことがある。しかし、十分な反射低減の効果を得るためには微細な溝の加工が必要であり、入力反射損が小さいグレーティングを高い歩留まりで製造することは困難である。
R. M. Emmons and D. G. Hall, "Buried oxide silicon-on-insulator structures. 2. Waveguide grating couplers", JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS, Vol. 28, No. 1, JULY 1992, pp. 164-175. K. C. Chang and T. Tamir, "Simplified approach to surface-wave scattering by balazed dielectric gratings", APPLIED OPTICS, Vol. 19, No. 2, January 1980, pp. 282-288. D. Vermeulen, S. Selvaraja, P. Verheyen, G. Lepage, W. Bogaerts, and G. Roelkens, "High-efficiency silicon-on-insulator fiber-to-chip grating couplers using a silicon overlay" in Group IV Photonics, 2009.
上術したように、基本的な浅いグレーティング構造だけでは、動作原理的に上方放射効率が不足しているという問題があり、動作原理的には高効率な非対称なグレーティング構造は、製造が困難であるという問題がある。また、やはり動作原理的に高効率な深いグレーティング構造も、グレーティング開始部での大きな構造の不連続のために反射損失が大きいとう問題がある。本発明は、これらの従来技術に基づくグレーティング構造の、動作原理、製造技術、及び反射損失の発生に係る問題を解決するために、動作原理的に高効率であって、製造が容易であり、同時に反射損失の発生が少ない、グレーティングカプラ用のグレーティング構造を提供する。
上記課題を解決するために、本発明のグレーティングの構造は、周期的な凹凸が形成された上面を有するコア層と、コア層の上面に接する第1の上部クラッド層と、第1の上部クラッド層の上面に接する第2の上部クラッド層と、コア層の下面に接する第1の下部クラッド層とを備える。凹凸の凹部は第1の上部クラッド層と同じ材料で満たされる。コア層を成す材料の屈折率は、第1の上部クラッド層、第2の上部クラッド層及び第1の下部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。第1の上部クラッド層の材料の屈折率は、第2の上部クラッド層の材料の屈折率よりも大きい。凹凸の凸部の上面から第1の上部クラッド層の上面までの厚さは、グレーティングカプラが入出力する光の、第1の上部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8)倍(mは正の整数)から凹凸の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内である。本構造において、第1の上部クラッド層の材料は、窒化珪素または酸化窒化珪素とすることができる。
また、本発明の別のグレーティングの構造は、周期的な凹凸が形成された上面を有するコア層と、コア層の上面に接する第1の上部クラッド層と、第1の上部クラッド層の上面に接する第2の上部クラッド層と、第2の上部クラッド層の上面に接する第3の上部クラッド層と、コア層の下面に接する第1の下部クラッド層を備える。凹凸の凹部は第1の上部クラッド層と同じ材料で満たされる。コア層を成す材料の屈折率は、第1の上部クラッド層、第3の上部クラッド層及び第1の下部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。第2の上部クラッド層の材料の屈折率は第1の上部クラッド層及び第3の上部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。凹凸の凸部の上面から第1の上部クラッド層の上面までの厚さは、グレーティングカプラが入出力する光の、第1の上部クラッド層を成す材料中での波長の(m/2±1/8)倍(mは正の整数)の長さの範囲、または(m/2±1/8)倍から凹凸の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内である。また、第2の上部クラッド層の厚さは、グレーティングカプラが入出力する光の、第2の上部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8)倍(mは正の整数)である。本構造において、第2の上部クラッド層の材料は、窒化珪素または酸化窒化珪素または珪素とすることができる。
これらの本発明のグレーティングの構造においては、凹凸の凹部の底面からコア層の下面までの距離は、コア層を成す材料中での光の波長の(1/2±1/8)倍から凹部の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内にあってもよい。
また、第1の下部クラッド層の厚さは、グレーティングカプラが入出力する光の、第1の下部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8)倍(mは正の整数)であってもよい。
更に、凹凸の深さは、グレーティングカプラが入出力する光の、コア層を成す材料中での波長の1/8倍以下であってもよい。
本発明のグレーティングカプラを製造する方法は、作製すべきグレーティングの凹部に対応する部分が開口したフォトレジストパターンを、第1の下部クラッド層の上のコア層の上に形成するステップと、当該フォトレジストパターンをマスクとして、コア層の表面をエッチングして、グレーティングの凹凸を形成するステップと、残ったフォトレジストを除去するステップと、作製すべきグレーティングカプラの形状に対応するフォトレジストパターンをコア層の上に形成するステップと、第1の下部クラッド層の表面までドライエッチングを行うステップと、残ったフォトレジストを除去するステップと、第1の上部クラッド層をコア層の上に堆積するステップと、グレーティングの凹凸部に対応する部分を覆うフォトレジストパターンを第1の上部クラッド層の上に形成するステップと、当該フォトレジストパターンをマスクとして、第1の上部クラッド層をドライエッチングし、グレーティングの凹凸部の上に第1の上部クラッド層が残るようにするステップと、残ったフォトレジストを除去するステップと、第2の上部クラッド層を第1の上部クラッド層及びコア層の上に堆積するステップを含む。コア層を成す材料の屈折率は、第1の上部クラッド層、第2の上部クラッド層及び第1の下部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。第1の上部クラッド層の材料の屈折率は、第2の上部クラッド層の材料の屈折率よりも大きい。凹凸の凸部の上面から第1の上部クラッド層の上面までの厚さは、グレーティングカプラが入出力する光の、第1の上部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8) 倍(mは正の整数)から凹凸の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内である。
本発明の他のグレーティングカプラを製造する方法は、作製すべきグレーティングの凹部に対応する部分が開口したフォトレジストパターンを、第1の下部クラッド層の上のコア層の上に形成するステップと、当該フォトレジストパターンをマスクとして、コア層の表面をエッチングして、グレーティングの凹凸を形成するステップと、残ったフォトレジストを除去するステップと、作製すべきグレーティングカプラの形状に対応するフォトレジストパターンをコア層の上に形成するステップと、第1の下部クラッド層の表面までドライエッチングを行うステップと、残ったフォトレジストを除去するステップと、第1の上部クラッド層をコア層の上に堆積するステップと、第2の上部クラッド層を第1の上部クラッド層の上に堆積するステップと、グレーティングの凹凸部に対応する部分を覆うフォトレジストパターンを第2の上部クラッド層の上に形成するステップと、当該フォトレジストパターンをマスクとして、第2の上部クラッド層をドライエッチングし、グレーティングの凹凸部の上に第2の上部クラッド層が残るようにするステップと、残ったフォトレジストを除去するステップと、第3の上部クラッド層を第1の上部クラッド層及び第2の上部クラッド層の上に堆積するステップを含む。コア層を成す材料の屈折率は、第1の上部クラッド層、第2の上部クラッド層、第3の上部クラッド層及び第1の下部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。第2の上部クラッド層の材料の屈折率は、第1の上部クラッド層及び第3の上部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。凹凸の凸部の上面から第1の上部クラッド層の上面までの厚さは、グレーティングカプラが入出力する光の、第1の上部クラッド層を成す材料中での波長の(m/2±1/8)倍(mは正の整数)の長さの範囲内、または(m/2±1/8)倍から凹凸の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内である。第2の上部クラッド層の厚さは、グレーティングカプラが入出力する光の、第2の上部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8) 倍(mは正の整数)である。
本発明によれば、高効率で製造が容易な、グレーティングカプラ用のグレーティングの構造を提供し得る。
例示的なグレーティングカプラのグレーティング部の模式的な断面図である。 非特許文献3に開示されているグレーティングの動作を説明するための、グレーティング断面の模式図である。 本発明の第1の実施形態によるグレーティングの構造を示す模式的な断面図である。 図3Aに示されるグレーティングの構造を備えるグレーティングカプラの製造方法のフローチャートを示す。 図3Aに示されるグレーティングの構造の、上方放射効率Pupの、第1の上部クラッド層316の厚さHcladに対する依存性を示す特性図である。 本発明の第2の実施形態によるグレーティングの構造を示す模式的な断面図である。 図5Aに示されるグレーティングの構造を備えるグレーティングカプラの製造方法のフローチャートを示す。 図5Aに示されるグレーティングの構造の、上方放射効率Pupの、第1の上部クラッド層515の厚さHcladに対する依存性を示す特性図である。 図5Aに示されるグレーティングの構造の、上方放射効率Pupの、第2の上部クラッド層516の厚さHclad2に対する依存性を示す特性図である。 本発明の第3の実施形態によるグレーティングの構造を示す模式的な断面図である。
以下、本発明のグレーティングの構造の各実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術的範囲は、それらの実施形態によって限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき解釈されるべきものである。尚、以下の説明においては、光をグレーティングから外部に出射する態様について主として説明するが、グレーティングに外部から光を入射する態様も同様の構成で実現できる。
図3Aは、本発明のグレーティングの構造の第1の実施形態の構成を示す模式的な断面図である。図3Aに示すように、本実施形態のグレーティングの構造300は、周期的な凹凸320a及び320bが形成された上面を有するコア層314と、コア層314の上面に接する第1の上部クラッド層316と、第1の上部クラッド層316の上面に接する第2の上部クラッド層317と、コア層314の下面に接する第1の下部クラッド層302と、第1の下部クラッド層302の下面に接する第2の下部クラッド層301を備える。コア層314の上面の周期的な凹凸の凹部320bは、第1の上部クラッド層316と同じ材料で満たされる。コア層314を成す材料の屈折率は、第1の上部クラッド層316、第2の上部クラッド層317及び第1の下部クラッド層302のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。第1の上部クラッド層316の材料の屈折率は第2の上部クラッド層317の材料の屈折率よりも大きい。コア層314の上面の凸部320aの上面から第1の上部クラッド層316の上面までの厚さt34は、グレーティングカプラが入出力する光の第1の上部クラッド層316を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8) 倍(mは正の整数)から、コア層314の上面の凹凸320a及び320bの深さt31の1/2倍を引いた長さの範囲内である。図3Aにおいて、t32は、コア層314の上面の凹部320bの下面からコア層314の下面までの厚さを示す。t33は第1の下部クラッド層302の厚さを示す。
各層の材料は、SOIウエハを使用する場合であれば、例えば、コア層314と第2の下部クラッド層301の材料がシリコン(Si)、第1の上部クラッド層316の材料が窒化珪素(Si)、第2の上部クラッド層317と第1の下部クラッド層302の材料が二酸化珪素(SiO)であってもよい。
第1の実施形態におけるグレーティングの構造300の動作は次の通りである。
入射光350は、コア層314の上面の周期的な凹凸320a及び320bで散乱される。入射光350の一部は直接上方に放射されるが、他の一部は先ず下方に散乱され、その一部がコア層314の下面で反射されて戻り、更にコア層314の上面を通過することによって上方に放射される。そのため、コア層314の上面の透過率を大きくすることによって、上方放射効率を改善することができる。
そこで、第1の実施の形態では、コア層314の上に第1の上部クラッド層316と第2の上部クラッド層317が設けられる。第1の上部クラッド層316の屈折率と厚さを適切に調節することによって、第1の上部クラッド層316を、コア層314の上面の反射防止膜として機能させる。コア層314の材料がSi(屈折率:nSi)であり、第2の上部クラッド層317の材料がSiO(屈折率:nSiO2)である場合には、第1の上部クラッド層316の材料として最適な屈折率nARは、nAR=(nSi×nSiO2)1/2で与えられる。波長1.31μmの光の場合、nAR=2.25となるため、屈折率が2.0の窒化珪素で第1の上部クラッド層316を成膜すれば、完全ではないにしても、ある程度の反射防止効果を得ることができる。
図4は、図3Aに示されるグレーティングの構造の、上方放射効率Pupの第1の上部クラッド層316の厚さHcladに対する依存性を示す特性図である。図4に示すPupの最大値が、第1の上部クラッド層316による効果が最も得られた場合の上方放射効率である。図4に示すPupの最小値は、第1の上部クラッド層316が無い従来のグレーティングの構造の場合の上方放射効率と等しい。したがって、図4から、第1の実施の形態の適用により、上方放射効率が約0.6dB改善していることが理解される。
平坦な表面に積層する一層の反射防止膜の最適厚さは、その膜を成す材料中での波長の1/4の奇数倍にすべきであることが、従来技術において開示されている。そこでそれに従うと、第1の上部クラッド層316の厚さは、0.166μm(m=1)、0.497μm(m=2)、0.829μm(m=3)となるはずである。しかし、本願発明者らは、図4の特性図を詳細に調べ、実際にPupの最大値を与える膜厚は、それらの値よりも小さいことを発見した。また、本願発明者らは、その原因を更に調べ、コア層314の表面にグレーティングの凹凸320a及び320bが存在することによって、コア層314と第1の上部クラッド層316との間の光学的な界面が実質的には凹凸320a及び320bの中間くらいの深さの位置に移動しているためであることを発見した。この新たな発見に基づけば、窒化珪素から成る第1の上部クラッド層316の最適厚さHcladは次式で与えられる。
ただし、真空中の光の波長をλ0、窒化珪素の屈折率をnSiN、窒化珪素膜中での上方放射光の垂直方向からの傾きをφSiN、グレーティングの凹凸320a及び320bの深さをd(図3Aにおけるt31に相当)、mを正の整数とした。cosφSiNの項は、グレーティングから放射される光の光軸が垂直方向から傾いていることに基づく補正項である。この補正項の値は、グレーティングカプラの通常の使用条件ではほとんど1なので、無視しても問題ない。(式5)に示す通り、凹凸320a及び320bの深さの1/2倍だけ、第1の上部クラッド層316の厚さを従来技術が教える厚さよりも薄くするのが良い。
図4が示唆している通り、Hcladが、(式5)で与えられる値から少しずれても、ある程度の上方放射効率が得られる。すなわち、本願発明者らは、第1の実施の形態によって上方放射効率の改善効果が得られるHcladの範囲には幅があり、その範囲が次式で与えられることを見出した。
(式6)の範囲にHcladがあれば、すなわち、第1の上部クラッド層316の厚さが最適な厚さを中心に、それを成す材料中での波長の±1/8倍程度変化する範囲内ならば、第1の上部クラッド層316を設けることによる効果が半分以上は得られる。
尚、第1の上部クラッド層316の材料は、窒化珪素だけでなく、酸化窒化珪素や他の材料であってもよく、利用できる成膜装置に応じて、適宜選択されるべきである。
第1の実施の形態では、コア層314の表面の凹凸320a及び320bを特に深くすることなく上方放射効率ηupを向上させるため、グレーティング開始部での構造の不連続に起因する反射損失の発生を小さくできる。
次に具体的な実施例として、第1の実施の形態のグレーティングの構造300を適用したグレーティングカプラの製造方法について説明する。
図3Bは、図3Aに示されるグレーティングの構造300を備えるグレーティングカプラの製造方法のフローチャートを示す。グレーティングカプラを作製するためのウエハとして、SOIウエハを使用する。SOIウエハの各層の厚さは、例えば、第1の下部クラッド層302に相当する埋め込み酸化膜(二酸化珪素の膜)の厚さを2972nmとし、コア層314に相当するSOI層(Si層)の厚さを200nmとしてもよい。初めに、ステップ302Bにおいて、リソグラフィによって、作製すべきグレーティングの凹部に対応する部分が開口したフォトレジストパターンを、第1の下部クラッド層302の上のコア層(SOI層)314の上に形成する。ステップ304Bにおいて、当該フォトレジストパターンをマスクとして、コア層314の表面を、例えば35nmだけエッチングし、グレーティングの凹凸を形成する。ステップ306Bにおいて、残ったフォトレジストを除去する。次に、ステップ308Bにおいて、改めて、作製すべきグレーティングカプラの形状や導波路、その他の光デバイスに対応するフォトレジストパターンをコア層314の上に形成する。ステップ310Bにおいて、コア層314の下の第1の下部クラッド層302(埋め込み酸化膜)の表面までコア層314のドライエッチングを行う。ステップ312Bにおいて、残ったフォトレジストを除去する。ドライエッチングの条件は、二酸化珪素に対してシリコンのエッチング速度が速い条件を用いることができる。次に、ステップ314Bにおいて、プラズマ化学気相成長装置を用いて、第1の上部クラッド層316(例えば、窒化珪素の膜)を、例えば166nmだけコア層314の上に堆積する。ステップ316Bにおいて、グレーティングの凹凸部に対応する部分を覆うフォトレジストパターンを第1の上部クラッド層316の上に形成する。ステップ318Bにおいて、当該フォトレジストパターンをマスクにして第1の上部クラッド層316(窒化珪素の膜)をドライエッチングし、グレーティングの凹凸部の上に第1の上部クラッド層316が残るように加工する。ステップ320Bにおいて、残ったフォトレジストを除去する。ドライエッチングの条件は、シリコンに対して窒化珪素のエッチング速度が速い条件を用いるとよい。最後に、ステップ322Bにおいて、第2の上部クラッド層317(二酸化珪素)を、例えば2000nmだけ、第1の上部クラッド層316及びコア層314の上に堆積して、グレーティングカプラを含む光デバイスを完成させることができる。
本実施例によるグレーティングカプラの製造方法は、一般的なCMOS製造ラインで実施できる範囲内であって、製造は容易である。
本実施例で示したように、第1の実施の形態では、第1の上部クラッド層316を、第2の上部クラッド層317の材料(例えば二酸化珪素、SiO)の屈折率よりも大きい屈折率を有する材料(例えば窒化珪素、Si)で形成する。一方で、グレーティング部に光を入射する導波路の上のクラッド層の材料が、第2の上部クラッド層317の材料と同じ(例えば二酸化珪素、SiO)であるのが望ましいことが多い。
第1の実施例では、図3Aに示すように、導波路からグレーティングに光350が入射する際に、導波路の上部に染み出した光のフィールドが第1の上部クラッド層316の端340に衝突し、散乱損失や反射損失を生じることによって上方放射効率を低下させるという問題が生じることがある。そのような問題を解決できる他の一実施例について次に説明する。
図5Aは、本発明のグレーティングの構造の第2の実施形態の構成を示す模式的な断面図である。図5Aに示すように、本実施形態のグレーティングの構造500は、グレーティングカプラ用のグレーティングの構造であって、周期的な凹凸520a及び520bが形成された上面を有するコア層514と、コア層514の上面に接する第1の上部クラッド層515と、第1の上部クラッド層515の上面に接する第2の上部クラッド層516と、第2の上部クラッド層516の上面に接する第3の上部クラッド層517と、コア層514の下面に接する第1の下部クラッド層502と、第1の下部クラッド層502の下面に接する第2の下部クラッド層501を備える。コア層514の上面の周期的な凹凸の凹部520bは、第1の上部クラッド層515と同じ材料で満たされており、コア層514を成す材料の屈折率は、第1の上部クラッド層515、第3の上部クラッド層517及び第1の下部クラッド層502のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。第2の上部クラッド層516の材料の屈折率は、第1の上部クラッド層515と第3の上部クラッド層517のいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。コア層514の上面の凸部520aの上面から第1の上部クラッド層515の上面までの厚さt54は、グレーティングカプラが入出力する光の、第1の上部クラッド層515を成す材料中での波長の(m/2±1/8)倍(mは正の整数)の長さの範囲内、または(m/2±1/8)倍からコア層514の上面の凹凸520a及び520bの深さt51の1/2倍を引いた長さの範囲内である。第2の上部クラッド層516の厚さt55は、グレーティングカプラが入出力する光の、第2の上部クラッド層516を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8)倍(mは正の整数)である。図5Aにおいて、t52は、コア層514の上面の凹部520bの下面からコア層514の下面までの厚さを示す。t53は第1の下部クラッド層502の厚さを示す。
各層の材料は、第1の実施の形態の場合と同じくSOIウエハを使用する場合であれば、コア層314と第2の下部クラッド層501の材料をシリコン(Si)とし、第1の下部クラッド層502の材料を二酸化珪素(SiO)とすることができる。第1の実施の形態の場合と異なり、第1の上部クラッド層515と第3の上部クラッド層517の材料も二酸化珪素とすることができ、第2の上部クラッド層516の材料を窒化珪素(Si)とすることができる。その結果、第2の実施形態のグレーティングの構造500は、第1の実施の形態の場合のコア層とその直上の窒化珪素の膜との間に二酸化珪素の膜が挟まった構造になる。
第2の実施形態におけるグレーティングの構造500の動作は次の通りである。
第2の実施形態におけるグレーティングの構造500は、一見すると、第1の上部クラッド層515と第2の上部クラッド層516の2層で、コア層514に対する2層の反射防止膜を形成しているように見えるが、実際は異なる。従来技術によれば、2層の反射防止膜の場合は、第1の上部クラッド層515の材料の屈折率は、第2の上部クラッド層516の材料の屈折率よりも大きくなければならないが、第2の実施の形態ではそうはなっていないからである。
第1の上部クラッド層515の材料(例えばSiO)は、コア層514の材料(例えばSi)よりも屈折率が小さい。更に、第1の上部クラッド層515の厚さは、第1の上部クラッド層515を成す材料(例えばSiO)の中での光の波長の1/2倍の整数倍に設定されている。こうすることによって、コア層514の下面で反射されてからコア層514上面を通過し、第1の上部クラッド層515に進入する散乱光にとって、光学的に、第1の上部クラッド層515が存在していないのと同じ状態にすることができる。すなわち、第1の上部クラッド層515と第2の上部クラッド層516の2層による反射防止効果は、第1の実施形態の場合と同等である。
第2の実施形態の特徴の1つは、第1の実施形態ではコア層の直上にあった窒化珪素のクラッド膜がコア層から離れ、更に、コア層の直上のクラッド層の材料が、入力用導波路部の上部とグレーティング部の上部とで同じにできることである。それによって、図5Aに示すように、入力用導波路部からグレーティング部に光550が入射する際に、導波路部の上部のクラッド層に染み出した光のフィールドのほとんどは、連続して同じ材料(例えばSiO)の中を進むことになる。導波路部の上部のクラッド層に染み出した光のフィールドは、コア層514から離れた第2のクラッド層516にはほとんど届かないため、第2のクラッド層516の端では反射損失はほとんど発生しない。その結果、第1の実施形態が有する、上部クラッド層の端に導波光が衝突して散乱損失や反射損失を生じるという問題を解決できる。
図6は、上方放射効率Pupの、第1の上部クラッド層515の厚さHcladに対する依存性を示す特性図である。図6に示すPupの最大値が、第1の上部クラッド層515による効果が最も得られた場合の上方放射効率である。図6に示すPupの最小値は、第1の上部クラッド層515と第2の上部クラッド層516が無い従来のグレーティングの構造の場合の上方放射効率よりも小さくなっている。第2の実施形態によって上方放射効率を改善するための第1の上部クラッド層515の膜厚の許容範囲は、それを成す材料中での光の波長の±1/8倍程度の範囲である。
第1の上部クラッド層515の最適膜厚Hcladは次式で与えられる。
また、第1の上部クラッド層515の厚さが最適膜厚からずれる場合、上方放射効率の低下率を最大値の1/4以下に抑制できるとしたときの許容範囲、すなわち、少なくとも上方放射効率が第2の実施例の適用前よりも増加するとした場合のHcladの許容範囲は、次式で与えられる。
ただし、二酸化珪素の屈折率をnSiO2、二酸化珪素膜中での上方放射光の垂直方向からの傾きをφSiO2、mを正の整数とした。cosφSiO2の項は、グレーティングから放射される光の光軸が、垂直方向から傾いていることに基づく補正項であり、通常のグレーティングカプラの使用状態では1に近い値をとるので、無視してもよい。
(式7)や(式8)から分かるように、コア層514のグレーティングの上面に凹凸520a及び520bが存在することによって、補正項d/2(dは図5Aのt51に相当)がつくことは、従来技術が教えないところであり、第1の実施の形態の場合と同じである。
ただし、グレーティングの溝の深さがグレーティングの凹凸の下面からコア層の下面までの距離よりも大きい場合、すなわちd>t52となる時は、この補正項自体の誤差が大きくなるため、(式7)や式(式8から)補正項を除く。
図7は、図5Aに示されるグレーティングの構造の、上方放射効率Pupの、第2の上部クラッド層516の厚さHclad2に対する依存性を示す特性図である。図7に示すPupの最大値が、第2の上部クラッド層516による効果が最も得られた場合の上方放射効率である。図7に示すPupの最小値は、第1の上部クラッド層515と第2の上部クラッド層516が無い従来のグレーティングの構造の場合の上方放射効率と同等である。第2の実施形態によって上方放射効率を改善するための第2の上部クラッド層516の膜厚の許容範囲は、それを成す材料中での光の波長の±1/8倍程度の範囲である。
第2の上部クラッド層516の最適膜厚Hclad2は次式で与えられる。
(式9)から分かるように、第2の上部クラッド層516は上面がほぼ平坦な第1の上部クラッド層515の上に積層されるので、コア層514の表面の凹凸520a及び520bの影響は第2の上部クラッド層516には及ばず、補正項d/2は付かない。
最適膜厚からずれる場合、上方放射効率の低下率を最大値の半分以下に抑制できるとしたときのHclad2の許容範囲は、次式で与えられる。
尚、第2の上部クラッド層516の材料は、窒化珪素だけでなく、酸化窒化珪素や珪素や他の材料であってもよく、利用できる成膜装置に応じて、適宜選択されるべきである。
次に具体的な実施例として、第2の実施の形態のグレーティングの構造500を適用したグレーティングカプラの製造方法について説明する。
図5Bは、図5Aに示されるグレーティングの構造500を備えるグレーティングカプラの製造方法のフローチャートを示す。グレーティングカプラを作製するためのウエハとして、SOIウエハを使用する。SOIウエハは、第1の下部クラッド層502(埋め込み酸化膜)及びコア層514(SOI層)を含む。ステップ502Bにおいて、リソグラフィによって、作製すべきグレーティングの凹部に対応する部分が開口したフォトレジストパターンを、第1の下部クラッド層502の上のコア層514の上に形成する。ステップ504Bにおいて、当該フォトレジストパターンをマスクとして、コア層514の表面をエッチングし、グレーティングの凹凸を形成する。ステップ506Bにおいて、残ったフォトレジストを除去する。次に、ステップ508Bにおいて、作製すべきグレーティングカプラの形状や導波路、その他の光デバイスに対応するフォトレジストパターンをコア層514の上に形成する。ステップ510Bにおいて、コア層514の下の第1の下部クラッド層502の表面までコア層514のドライエッチングを行う。ステップ512Bにおいて、残ったフォトレジストを除去する。ドライエッチングの条件は、二酸化珪素に対してシリコンのエッチング速度が速い条件を用いるとよい。第2の実施の形態では、この後、ステップ514Bにおいて、プラズマ化学気相成長装置を用いて、第1の上部クラッド層515として、例えば二酸化珪素を457nmだけ、コア層514の上に堆積する。そして更に、ステップ516Bにおいて、プラズマ化学気相成長装置を用いて、第2の上部クラッド層516として、例えば窒化珪素を166nmだけ、第1の上部クラッド層515の上に堆積する。ステップ518Bにおいて、グレーティングの凹凸部に対応する部分を覆うフォトレジストパターンを第2の上部クラッド層516の上に形成する。ステップ520Bにおいて、当該フォトレジストパターンをマスクにして第2の上部クラッド層516をドライエッチング、グレーティングの凹凸部の上に第2の上部クラッド層516が残るように加工する。ステップ522Bにおいて、残ったフォトレジストを除去する。最後に、ステップ524Bにおいて、第3の上部クラッド層517(二酸化珪素)を、第1の上部クラッド層515及び第2の上部クラッド層516の上に、例えば2000nmだけ堆積して、グレーティングカプラを含むデバイスを完成させることができる。
窒化珪素の膜のドライエッチングの条件は、二酸化珪素に対して窒化珪素のエッチング速度が速い条件を用いてもよいが、最後にステップ524Bにおいて二酸化珪素で埋めるので、ステップ520Bにおいて窒化珪素の膜の下の二酸化珪素の膜を多少オーバーエッチングしてしまっても、全く問題がない。
第1実施の形態の場合は、窒化珪素の膜のドライエッチングでオーバーエッチング量が多過ぎると、グレーティングカプラ以外の部分でSOI層が薄くなってしまい、デバイス特性が悪化する懸念があった。これに対して、第2の実施形態ではそのような懸念が無いので、製造工程としては、第2の実施形態の方が第1の実施形態よりも優れている。
さて、コア層514の材料にシリコンを用い、最上層のクラッド層の材料に二酸化珪素を用いる場合、反射防止膜となる中間の上部クラッド層の屈折率を、精確には2.25にすればよいことは、本節の前半で述べたとおりである。しかし、通常のCMOS製造ラインを活用してグレーティングカプラを含む光デバイスを製造する場合、クラッド用の高屈折率誘電体膜として利用できるは、屈折率が2.0の窒化珪素(Si)であり、得られる屈折率は所望の2.25には届かない。このような場合は、上方放射効率の改善効果がやや限定的になってしまう。この問題を解決するためのグレーティングの構造が、次に説明する他の一実施例である。
図8は、本発明のグレーティングの構造の第3の実施形態の構成を示す模式的な断面図である。図8に示すように、本実施形態のグレーティングの構造800は、周期的な凹凸820a及び820bが形成された上面を有するコア層814と、コア層814の上面に接する第1の上部クラッド層815と、第1の上部クラッド層815の上面に接する第2の上部クラッド層816と、第2の上部クラッド層816の上面に接する第3の上部クラッド層817と、第3の上部クラッド層817の上面に接する第4の上部クラッド層818と、第4の上部クラッド層818の上面に接する第5の上部クラッド層819と、コア層814の下面に接する第1の下部クラッド層802と、第1の下部クラッド層802の下面に接する第2の下部クラッド801とを備える。コア層814の上面の周期的な凹凸の凹部820bは、第1の上部クラッド層815と同じ材料で満たされている。コア層814を成す材料の屈折率は、第1の上部クラッド層815第3の上部クラッド層817及び第1の下部クラッド層802のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。第2の上部クラッド層816の材料の屈折率は、第1の上部クラッド層815と第3の上部クラッド層817のいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。第4の上部クラッド層818の材料の屈折率は、第3の上部クラッド層817と第5の上部クラッド層819のいずれの層の材料の屈折率よりも大きい。コア層814の上面の凸部820aの上面から第1の上部クラッド層815の上面までの厚さt84は、グレーティングカプラが入出力する光の、第1の上部クラッド層815を成す材料中での波長の (m/2±1/8)倍(mは正の整数)の長さの範囲内、または(m/2±1/8)倍からコア層814の上面の凹凸820a及び820bの深さt81の1/2倍を引いた長さの範囲内である。第2の上部クラッド層816の厚さt85は、グレーティングカプラが入出力する光の、第2の上部クラッド層816を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8) 倍(mは正の整数)である。図8に示すように、本実施形態のグレーティングの構造800は、図5Aに示される第2の実施形態のグレーティングの構造500における第2の上部クラッド層516及び第3の上部クラッド層517に加えて、第4の上部クラッド層818及び第5の上部クラッド層819を備え、したがって、2層以上の反射防止膜を有する構造となっている。図8に示すように、例えば、第2の上部クラッド層816と同じ屈折率と厚さを有する第4の上部クラッド層818を第3の上部クラッド層817の上に設けた構造にすると、第2の上部クラッド層816と第4の上部クラッド層818の材料の屈折率を1.94にすることができる。この場合、第2の上部クラッド層816及び第4の上部クラッド層818は、酸化窒化珪素(SiO)の膜として、一般のCMOS製造ラインでも堆積することが可能である。更に多くの反射防止膜層を備える構造を用いることにより、酸化窒化珪素の屈折率をより小さくすることもできる。図8において、t82は、コア層814の上面の凹部820bの底面からコア層814の下面までの厚さを示す。t83は、第1の下部クラッド層802の厚さを示す。t86は、第2の上部クラッド層816の上面から第3の上部クラッド層817の上面までの厚さを示す。t87は、第4の上部クラッド層818の厚さを示す。
上述の全ての実施の形態において、上方放射効率を最大にするためには、コア層の厚さを最適化することも重要である。コア層上面の周期的な凹凸の凹部の底面から前記コア層の下面までの距離が、コア層を成す材料中の波長の(1/2±1/8)倍から前記凹部の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内に設定されればよい。尚、凹部の深さの1/2倍を引くことは、コア層上面に凹凸が形成されていることを反映した補正であり、グレーティングカプラの従来技術が教えていないところである。
また、第1の下部クラッド層の厚さに関しては、グレーティングカプラが入出力する光の、第1の下部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8)倍(mは正の整数)に設定すると、上方放射効率を最大化できる。
更に、コア層上面の凹凸の深さを、グレーティングカプラが入出力する光の、コア層を成す材料中での波長の1/8倍以下に設定することも、上方放射効率の最大化に有効である。また、このようにすることは、入力用導波路部からグレーティング部に入射した光がグレーティング部の周期的な凹凸の開始位置に衝突することで発生する反射損失を低減する効果もある。 ただし、凹凸の深さを過度に小さくすることは、グレーティングの単位長さあたりの放射効率を低下させるので、目的のグレーティングカプラの仕様に合わせた最適化が必要である。
以上、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明してきたが、当業者であれば、他の類似する実施形態を使用することができること、また、本発明から逸脱することなく適宜形態の変更又は追加を行うことができることに留意すべきである。
100 グレーティングカプラ
101 基板
102 BOX層
116 上部クラッド層
114、214、314、514、814 コア層
230、231 下方散乱光
232、233 上方に散乱される光
240 グレーティングの段差
242 シリコン層
250、350、550、850 光
300、500、800 グレーティングの構造
301、501、801 第2の下部クラッド層
302、502、802 第1の下部クラッド層
316、515、815 第1の上部クラッド層
317、516、816 第2の上部クラッド層
320a、320b、520a、520b、820a、820b 凹凸
340 第1の上部クラッド層の端
517、817 第3の上部クラッド層
818 第4の上部クラッド層
819 第5の上部クラッド層

Claims (9)

  1. グレーティングカプラ用のグレーティングの構造であって、
    周期的な凹凸が形成された上面を有するコア層と、
    前記コア層の上面に接する第1の上部クラッド層と、
    前記第1の上部クラッド層の上面に接する第2の上部クラッド層と、
    前記コア層の下面に接する第1の下部クラッド層と、
    を備え、
    前記凹凸の凹部は、前記第1の上部クラッド層と同じ材料で満たされており、
    前記コア層を成す材料の屈折率は、前記第1の上部クラッド層、前記第2の上部クラッド層及び前記第1の下部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きく、
    前記第1の上部クラッド層の材料の屈折率は、前記第2の上部クラッド層の材料の屈折率よりも大きく、
    前記凹凸の凸部の上面から前記第1の上部クラッド層の上面までの厚さが、グレーティングカプラが入出力する光の、前記第1の上部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8)倍(mは正の整数)から前記凹凸の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内であることを特徴とするグレーティングの構造。
  2. グレーティングカプラ用のグレーティングの構造であって、
    周期的な凹凸が形成された上面を有するコア層と、
    前記コア層の上面に接する第1の上部クラッド層と、
    前記第1の上部クラッド層の上面に接する第2の上部クラッド層と、
    前記第2の上部クラッド層の上面に接する第3の上部クラッド層と、
    前記コア層の下面に接する第1の下部クラッド層と、
    を備え、
    前記凹凸の凹部は、前記第1の上部クラッド層と同じ材料で満たされており、
    前記コア層を成す材料の屈折率は、前記第1の上部クラッド層、前記第3の上部クラッド層及び前記第1の下部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きく、
    前記第2の上部クラッド層の材料の屈折率は、前記第1の上部クラッド層及び前記第3の上部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きく、
    前記凹凸の凸部の上面から前記第1の上部クラッド層の上面までの厚さが、グレーティングカプラが入出力する光の、前記第1の上部クラッド層を成す材料中での波長の(/2±1/8)倍(m は正の整数)から前記凹凸の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内であり、
    前記第2の上部クラッド層の厚さが、グレーティングカプラが入出力する光の、前記第2の上部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8)倍(mは正の整数)であることを特徴とするグレーティングの構造。
  3. 前記凹凸の凹部の底面から前記コア層の下面までの距離が、前記コア層を成す材料中での光の波長の(1/2±1/8)倍から前記凹部の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載のグレーティングの構造。
  4. 前記第1の下部クラッド層の厚さが、グレーティングカプラが入出力する光の、前記第1の下部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8)倍(mは正の整数)であることを特徴とする、請求項1または2に記載のグレーティングの構造。
  5. 前記凹凸の深さは、グレーティングカプラが入出力する光の、前記コア層を成す材料中での波長の1/8倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のグレーティングの構造。
  6. 前記第1の上部クラッド層の材料が窒化珪素または酸化窒化珪素または珪素であることを特徴とする請求項1に記載のグレーティングの構造。
  7. 前記第2の上部クラッド層の材料が窒化珪素または酸化窒化珪素であることを特徴とする請求項2に記載のグレーティングの構造。
  8. グレーティングカプラを製造する方法であって、
    作製すべきグレーティングの凹部に対応する部分が開口したフォトレジストパターンを、第1の下部クラッド層の上のコア層の上に形成するステップと、
    該フォトレジストパターンをマスクとして、前記コア層の表面をエッチングして、グレーティングの凹凸を形成するステップと、
    残ったフォトレジストを除去するステップと、
    作製すべきグレーティングカプラの形状に対応するフォトレジストパターンを前記コア層の上に形成するステップと、
    前記第1の下部クラッド層の表面まで前記コア層のドライエッチングを行うステップと、
    残ったフォトレジストを除去するステップと、
    第1の上部クラッド層を前記コア層の上に堆積するステップと、
    前記グレーティングの凹凸部に対応する部分を覆うフォトレジストパターンを前記第1の上部クラッド層の上に形成するステップと、
    該フォトレジストパターンをマスクとして、前記第1の上部クラッド層をドライエッチングし、前記グレーティングの凹凸部の上に前記第1の上部クラッド層が残るようにするステップと、
    残ったフォトレジストを除去するステップと、
    第2の上部クラッド層を前記第1の上部クラッド層及び前記コア層の上に堆積するステップと、
    を含み、
    前記コア層を成す材料の屈折率は、前記第1の上部クラッド層、前記第2の上部クラッド層及び前記第1の下部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きく、
    前記第1の上部クラッド層の材料の屈折率は、前記第2の上部クラッド層の材料の屈折率よりも大きく、
    前記凹凸の凸部の上面から前記第1の上部クラッド層の上面までの厚さが、グレーティングカプラが入出力する光の、前記第1の上部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8)倍(m は正の整数)から前記凹凸の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内であることを特徴とする方法。
  9. グレーティングカプラを製造する方法であって、
    作製すべきグレーティングの凹部に対応する部分が開口したフォトレジストパターンを、第1の下部クラッド層の上のコア層の上に形成するステップと、
    該フォトレジストパターンをマスクとして、前記コア層の表面をエッチングして、グレーティングの凹凸を形成するステップと、
    残ったフォトレジストを除去するステップと、
    作製すべきグレーティングカプラの形状に対応するフォトレジストパターンを前記コア層の上に形成するステップと、
    前記第1の下部クラッド層の表面まで前記コア層のドライエッチングを行うステップと、
    残ったフォトレジストを除去するステップと、
    第1の上部クラッド層を前記コア層の上に堆積するステップと、
    第2の上部クラッド層を前記第1の上部クラッド層の上に堆積するステップと、
    前記グレーティングの凹凸部に対応する部分を覆うフォトレジストパターンを前記第2の上部クラッド層の上に形成するステップと、
    該フォトレジストパターンをマスクとして、前記第2の上部クラッド層をドライエッチングし、前記グレーティングの凹凸部の上に前記第2の上部クラッド層が残るようにするステップと、
    残ったフォトレジストを除去するステップと、
    第3の上部クラッド層を前記第1の上部クラッド層及び前記第2の上部クラッド層の上に堆積するステップと、
    を含み、
    前記コア層を成す材料の屈折率は、前記第1の上部クラッド層、前記第2の上部クラッド層、前記第3の上部クラッド層及び前記第1の下部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きく、
    前記第2の上部クラッド層の材料の屈折率は、前記第1の上部クラッド層及び前記第3の上部クラッド層のうちのいずれの層の材料の屈折率よりも大きく、
    前記凹凸の凸部の上面から前記第1の上部クラッド層の上面までの厚さが、グレーティングカプラが入出力する光の、前記第1の上部クラッド層を成す材料中での波長の
    (m/2±1/8)倍(mは正の整数)から前記凹凸の深さの1/2倍を引いた長さの範囲内であり、
    前記第2の上部クラッド層の厚さが、グレーティングカプラが入出力する光の、前記第2の上部クラッド層を成す材料中での波長の((2m−1)/4±1/8)倍(mは正の整数)であることを特徴とする方法。
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