JP6514046B2 - エアゾール製品 - Google Patents

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Description

本発明は、エアゾール製品に関する。より詳細には、本発明は、液体状態のエアゾール組成物を吸着する多孔性セルロースが充填されており、噴射時にエアゾール組成物を脱着させて気体状態のエアゾール組成物を噴射するエアゾール製品に関する。
従来、エアゾール組成物を充填したエアゾール製品であって、エアゾール組成物の気相部分(ガス)のみを噴射するエアゾール製品が知られている。特許文献1には、揮発性の有効成分が液化ガスに溶解したエアゾール組成物を、気相部分(ガス)のみを噴射するエアゾール装置に充填した空間用エアゾール製品が開示されている。また、特許文献2には、ジメチルエーテルを噴射剤保持用の吸収体に吸収させ、ジメチルエーテルの気化ガスを噴射する防塵ブロワーが開示されている。特許文献3には、エアゾール噴射装置の上部に吸液蒸散体(セルロース系担体)が収納された透明樹脂容器を付設し、噴射されたエアゾール内溶液を吸着蒸散体に吸液させ、継続的に揮散させる揮散性薬剤含有エアゾール剤が開示されている。
特開2006−122319号公報 特開2009−113813号公報 特開2004−91452号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエアゾール製品は、真っ直ぐに正立または倒立させた状態において気相部分に開口する開口部を備える。このような開口部は、たとえばエアゾール製品が斜め姿勢に保持されると、液相部分(液体状態のエアゾール組成物)に開口部が浸漬される。また、特許文献1の図4には常に開口部が気相部分に位置するように可撓性のディップチューブ先端に浮きが取り付けられた実施形態が開示されている。しかしながら、このディップチューブは可撓性を有する。そのため、当該エアゾール製品は、搬送中などにディップチューブが絡まり所定の長さよりも短くなる場合がある。その結果、使用方法によっては、エアゾール製品の開口部は、エアゾール組成物の液相部分に浸漬され、噴射操作が行われると、液体状態のエアゾール組成物が噴射される場合がある。さらに、この特許文献1に記載のエアゾール製品は、エアゾール組成物の液相を大気中に噴射すると、液相中の液化ガスが気化して容積が膨張し、液相中に含まれていた有効成分(香料等)を含む原液が微細化し拡散される。そのため、このエアゾール製品は、有効成分を含んだ原液が壁等に付着しやすく、汚れなどの原因になり不快に感じやすい。
また、特許文献2に記載の防塵ブロワーは、微細なセルロース繊維集合体である吸収体を備える。このような微細なセルロース繊維は、水などの溶媒を吸着すると繊維が膨張し、絡まっていた繊維がほつれやすくなり、噴射時に繊維の一部がエアゾールバルブの弁で詰まる、エアゾールバルブのシール部分に挟まりやすく、漏洩しやすい。さらに、特許文献3に記載のエアゾール剤は、噴射されたエアゾール内容液のうち、吸着蒸散体に吸着されなかったエアゾール内容液が空間にそのまま噴射される。そのため、エアゾール剤は、空間に多くの粒子を拡散させてしまう。粒子状(すなわち液体状)のエアゾール剤は、気化する際に容積が数百倍に膨張されるため、使用者が誤って吸引すると咽る等しやすい。さらに、特許文献3のエアゾール剤は、一部が原液として噴射されるため、壁や床などが汚れやすい。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、噴射時にエアゾールバルブ等を詰まらせることがなく、誤って吸引されにくい気体状態のエアゾール組成物を噴射することのできるエアゾール製品を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のエアゾール製品には、以下の構成が主に含まれる。
(1)原液および液化ガスを含むエアゾール組成物がエアゾールバルブを備えるエアゾール容器に充填されているエアゾール製品であり、前記エアゾール容器には、粒状の多孔性セルロースがさらに収容されており、前記エアゾール組成物中の液体組成物は、前記エアゾールバルブが閉止状態にあるときは前記多孔性セルロースに吸着されており、前記エアゾールバルブが開放状態にあるときは前記多孔性セルロースから脱着され、前記エアゾール容器から気化したエアゾール組成物が噴射される、エアゾール製品。
このような構成によれば、液体状態のエアゾール組成物(原液および液化ガスの液相)は、エアゾールバルブが閉止状態では多孔性セルロースに吸着されている。このようなエアゾール組成物は、エアゾールバルブを開放状態にすることにより、エアゾール容器内と大気とが連通し、エアゾール容器内の液化ガスの気相が大気に放出され、エアゾール容器の圧力が下がる。さらに、エアゾール容器内の圧力を平衡にしようとするため粒状の多孔性セルロースから吸着されていたエアゾール組成物の液相(液体状態の液化ガス)が脱着されて容器本体内で気化する。その結果、エアゾール製品は、使用時の向きによらず、気体状態のエアゾール組成物を噴射することができる。また、噴射されたエアゾール組成物は、気体状態であるため、液体状態で噴射される場合と比べて壁等に付着しにくい。さらに、本発明のエアゾール製品は、気体状態で噴射することができるため、気化する際の膨張が起こらず、使用者が誤って吸引しにくい。加えて、多孔性セルロースは、粒状であるため、エアゾール組成物を吸着してもほつれることが無く、使用途中にエアゾールバルブ等で詰まることがない。
(2)前記エアゾール組成物は、前記多孔性セルロースの飽和吸着量以下となるよう前記エアゾール容器に充填される、(1)記載のエアゾール製品。
このような構成によれば、液体状態のエアゾール組成物は、ほとんど全量がエアゾール容器内で多孔性セルロースに吸着される。そのため、エアゾール製品は、使用時の向きによらず、気体状態のエアゾール組成物のみを噴射しやすい。
(3)前記原液は、水を含有する、(1)または(2)記載のエアゾール製品。
このような構成によれば、原液中の水は、液化ガスとともに多孔性セルロースに吸着される。そのため、たとえば有効成分を水に溶解させた原液を用いることにより、エアゾール製品は、有効成分の効果が付与された気体状態のエアゾール組成物を噴射することができる。また、有効成分は、多孔性セルロースに吸着されている。そのため、エアゾール製品は、たとえば有効成分のみが消耗することを防ぐことができる。その結果、有効成分の効果は、長く使用する場合であっても持続されやすい。
(4)前記エアゾール容器は、透光性材料からなる容器本体を備え、
前記多孔性セルロースは、容器本体に収容されている、(1)または(2)記載のエアゾール製品。
このような構成によれば、エアゾール製品は、エアゾールバルブが閉止状態から開放状態に切り替えられると、多孔性セルロースに吸着されていたエアゾール組成物が脱着され、粒状の多孔性セルロースが小さくなる。そのため、吸着されているエアゾール組成物の残量は、多孔質セルロースの変化を確認することにより把握され得る。
本発明によれば、噴射時にエアゾールバルブ等を詰まらせることがなく、誤って吸引されにくい気体状態のエアゾール組成物を噴射することのできるエアゾール製品を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態のエアゾール製品の模式的な側面図である。
本発明の一実施形態のエアゾール製品は、原液および液化ガスを含むエアゾール組成物がエアゾールバルブを備えたエアゾール容器に充填されており、エアゾール組成物を噴射する噴射状態(開放状態)と非噴射状態(閉止状態)とが切り替えて使用される。通常、エアゾール組成物は、エアゾール容器内において、少なくとも一部が液体状態で存在し、残部が気体状態で存在する。本実施形態では、エアゾール容器内に、粒状の多孔性セルロースが収容されている。そのため、液体状態で存在するエアゾール組成物は、エアゾールバルブの開閉により粒状の多孔性セルロースに吸着または脱着される。一方、気体状態のエアゾール組成物は、原液(有効成分)の気化した気化原液と、液化ガスの気化した気化ガスとからなる。噴射状態では、このような気体状態のエアゾール組成物が噴射される。以下、それぞれの構成について説明する。
[多孔性セルロース]
多孔性セルロースは、多孔性の球状(粒状)セルロース粒子であり、たとえば木材パルプを原料として製造される。このように、多孔性セルロースは、単一の球状セルロース粒子に多数の細孔が形成された構造であり、たとえばセルロース繊維の集合体とは構造が異なる。多孔性セルロースは、エアゾール容器内に、後述するエアゾール組成物とともに収容される。多孔性セルロースは、エアゾールバルブが閉止されることによりエアゾール容器内が加圧状態(この状態において、エアゾール容器内は、エアゾール組成物中の液化ガスの飽和蒸気圧となる)においてエアゾール組成物(液体状態の液化ガスや、原液、各種有効成分(油性成分を含む))を吸着することができる。また、多孔性セルロースは、エアゾールバルブが開放される(エアゾール容器内の圧力が充填された液化ガスの飽和蒸気圧よりも低下した状態)ことにより、吸着していたエアゾール組成物中の液体組成物を脱着し、エアゾール容器本体内に放出することができる。
多孔性セルロースの飽和吸着量は、エアゾール組成物に対して0.5ml/g以上であることが好ましく、1ml/g以上であることがより好ましい。また、多孔性セルロースの飽和吸着量は、エアゾール組成物に対して10ml/g以下であることが好ましく、5ml/g以下であることがより好ましい。飽和吸着量が0.5ml/g未満の場合、エアゾール組成物の吸着量が少なくなり、噴射できるエアゾール組成物の容量が少なくなる傾向がある。一方、飽和吸着量が10ml/gを超える場合、噴射されずに多孔性セルロース中に残留するエアゾール組成物の量が多くなる傾向がある。
エアゾール容器に収容される多孔性セルロースの個数は、特に限定されない。多孔性セルロースの個数は、上記した飽和吸着量と、吸着すべき液体状態のエアゾール組成物の量とに基づいて適宜決定される。
それぞれの多孔性セルロースの粒径は特に限定されない。多孔性セルロースの粒径は、1〜10mmであることが好ましい。粒径が1mm未満の場合、多孔性セルロースは、エアゾールバルブに詰まりやすい。一方、粒径が10mmを超える場合、エアゾール組成物は、多孔性セルロースへの吸着および多孔性セルロースからの脱着に時間がかかる傾向がある。
[エアゾール組成物]
エアゾール組成物は、非噴射状態においてエアゾール容器内に加圧状態で充填される成分であり、原液および液化ガスを含む。
(原液)
原液は、後述するエアゾール製品のエアゾール容器に充填された状態において、多孔性セルロースに吸着される成分であり、有効成分を含む。原液は、有効成分単体であってもよく、有効成分を溶剤に溶解させたものでもよい。
原液の含有量は、エアゾール組成物中0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。また、原液の含有量は、エアゾール組成物中20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることがさらに好ましい。原液の含有量が0.05質量%未満の場合、原液を含有する効果が得られにくい傾向がある。一方、原液の含有量が20質量%を超える場合、多孔質セルロースから脱着できずに残量が多くなる傾向がある。
(有効成分)
有効成分は、皮膚や頭髪等の適用箇所に所望の効果を付与するために適宜含有される。有効成分としては、揮発性を有するものが好ましい。このような有効成分としては、各種香料、消臭成分、殺菌・防腐成分、防虫成分、殺菌成分、収斂成分等が例示される。
各種香料としては、合成香料、天然植物性香料等が例示される。合成香料としては、炭化水素系香料、アルコール系香料、エステル系香料、アルデヒド系香料、ケトン系香料、エーテル系香料、フェノール系香料等の単体香料およびこれらを用いて調合した調合香料等が例示される。炭化水素系香料としては、リモネン、ピネン、テルピネン等が例示される。アルコール系香料としては、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、ベンジルアルコール、2−メチル−1−ヘキサノール、3−メチル−1−ヘキサノール、シトロネロール、ゲラニオール、リナロール、L−メントール、メチル−n−ブチルカルビノール、メチルエチルイソプロピルカルビノール、メチルヘキシルカルビノール、メチルフェニルカルビノール、エチルフェニルカルビノール、メチルベンジルカルビノール、フェニルエチルアルコール、テレピネオール、ジヒドロミルセノール等が例示される。エステル系香料としては、イソブチルアセテート、n−アミルアセテート、イソアミルアセテート、n−ヘキシルアセテート、n−オクチルアセテート、n−デシルアセテート、ベンジルアセテート、β−フェニルエチルアセテート、ゲラニルアセテート、l−メンチルアセテート、リナリルアセテート、n−アミルプロピネート、イソアミルプロピネート、リナリルプロピネート、ベンジルプロピネート、エチルブチレート、イソプロピルブチレート、ヘキシルブチレート、ベンジルブチレート、エチルイソブチレート、イソプロピルイソブチレート、n−ブチルイソブチレート、イソアミルイソブチレート、ベンジルイソブチレート、エチルバレレート、プロピルバレレート、ブチルバレレート、イソアミルバレレート、ヘプチルバレレート、ベンジルバレレート、エチルベンゾエート、イソブチルフェニルアセテート、メチルサリシレート等が例示される。アルデヒド系香料としては、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、シトロネラール、シトラール、フェニルアセトアルデヒド等が例示される。エーテル系香料としては、エチルイソアミルケトン、メチルヘプテノン、アセトフェノン、ベンザルアセトン、o−アミノアセトフェノンなどのケトン系香料、ゲラニルメチルエーテル、シネオール、エチルベンジルエーテル、エストラゴール等が例示される。フェノール系香料としては、アネトール、オイゲノール等が例示される。天然植物性香料としては、オレンジ油、グレープフルーツ油、アニス油、ペパーミント油、スペアミント油、ローズ油、ラベンダー油、レモン油、レモンユーカリ、カユプテ、クラリセージ、コリアンダー等が例示される。
消臭成分としては、メチルベンゾエート、ベンジルアセテート、ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル等が例示される。
殺菌・防腐成分としては、チモール、カルバクロール、フェノキシエタノール等が例示される。防虫成分としては、ナフタレン、カンフル、N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、カプリル酸ジエチルアミド、ハーブエキス等が例示される。殺菌成分としては、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、感光素、パラクロルメタクレゾール等が例示される。収斂成分としては、アラントインヒドロキシアルミニウム、クエン酸、乳酸、タンニン酸等が例示される。
(溶剤)
溶剤は、液化ガスに溶解しない有効成分を溶解する溶媒として適宜含有される。また、溶剤は、液体状態の液化ガスとともに粒状の多孔性セルロースに吸着される。噴射時には、溶剤は、吸着されていた液化ガス、有効成分とともに多孔性セルロースから脱着され、有効成分の効果が付与された気体状態のエアゾール組成物が噴射される。
溶剤としては、水、アルコール、揮発性油分およびこれらの混合物等が例示される。水としては、精製水、イオン交換水、生理食塩水、海洋深層水等が例示される。アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等の炭素数が2〜5個の1価アルコール等が例示される。揮発性油分としては、イソパラフィン、ノルマルペンタン、イソペンタン等の炭化水素油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエトキシエチル等のエステル油等が例示される。
原液の充填量は、多孔性セルロースの飽和吸着量以下であることが好ましい。具体的には、溶媒として水が用いられる場合、水の充填量は、多孔性セルロース1gに対して5ml以下であることが好ましく、1ml以下であることがより好ましく、0.4ml以下であることがさらに好ましい。また、溶媒としてエタノールが用いられる場合、エタノールの充填量は、多孔性セルロース1gに対して3ml以下であることが好ましく、2ml以下であることがより好ましく、1ml以下であることがさらに好ましい。原液の充填量が多孔性セルロースの飽和吸着量を超える場合、非噴射状態において多孔性セルロースに吸着されていない原液が増える傾向がある。このような原液は、噴射状態において液体状態のまま勢いよく噴射され、壁等に付着しやすい。よって、このような原液は、誤って吸引されやすい。また、水(原液)の充填量を0.01〜0.4ml/gにすることで残量がわかりやすくなる。すなわち、粒状の多孔性セルロースのみが容器に充填される場合、多孔性セルロースは、静電気により容器表面に付着する。ここで、水を多孔性セルロースに対して0.01〜0.4ml/gの範囲で含有させることにより、多孔性セルロースは、エアゾール組成物を吸着し、かつ、容器表面に付着しなくなる。一方、噴射を続けることにより残量が少なくなると、液化ガスの気化と共に水も揮発する。その結果、多孔性セルロースは、再び容器本体に付着する。これにより、残量は、目視にて把握されやすい。
<液化ガス>
液化ガスは、多孔性セルロースに吸着した有効成分(原液)を脱着させ、気体の有効成分を大気に噴射するなどの目的で含有される。液化ガスは、エアゾール容器に加圧充填された状態において、主に液体状態で存在し、残部が気体状態(気化した液化ガス)として存在する。液体状態の液化ガスは、非噴射状態では多孔性セルロースに吸着されており、噴射状態では圧力差により多孔性セルロースから脱着される。脱着された液化ガスは、容器本体内で気化する。
液化ガスとしては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物からなる液化石油ガス、ジメチルエーテル、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン(HFO−1234ze)、トランス−2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン(HFO−1234yf)などのハイドロフルオロオレフィン、およびこれらの混合物等が例示される。なお、液化石油ガスはノルマルブタン、イソブタン、プロパンの含有比率を調整することにより圧力を調整することができるため、噴射時の勢いを調整しやすい。これらの中でも、有効成分や溶剤などの原液を脱着(揮発)させやすく、有効成分の効果が得られやすく、残量を少なくすることができる点から、液化ガスは、ジメチルエーテルであることが好ましい。液化ガスは、気化する時間などを調整するためにノルマルペンタン、イソペンタン等の沸点が5〜40℃である炭化水素が含有されてもよい。
液化ガスの蒸気圧は特に限定されず、たとえば、20℃での蒸気圧が0.05〜0.6(MPa)である液化ガスが好ましく、0.08〜0.5(MPa)である液化ガスがより好ましい。なお、加圧剤として、窒素、空気、二酸化炭素、亜酸化窒素などの圧縮ガスが用いられてもよい。
液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、93質量%以上であることがさらに好ましい。また、液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中99.95質量%以下であることが好ましく、99.9質量%以下であることがより好ましく、99.5質量%以下であることがさらに好ましい。液化ガスの含有量が80質量%未満である場合、エアゾール組成物は、多孔性セルロースから脱着しきれずに残量が多くなる傾向がある。一方、液化ガスの含有量が99.95質量%を超える場合、エアゾール組成物は、他の有効成分等が含有しにくくなる傾向がある。
また、液化ガスの充填量は、多孔性セルロースの飽和吸着量以下であることが好ましい。具体的には、液化ガスが液化石油ガスである場合、液化石油ガスの充填量は、多孔性セルロース1gに対して5ml以下であることが好ましい。また、液化ガスがジメチルエーテルである場合、ジメチルエーテルの充填量は、多孔性セルロース1gに対して4ml以下であることが好ましい。さらに、液化ガスがハイドロフルオロオレフィンである場合、ハイドロフルオロオレフィンの充填量は、多孔性セルロース1gに対して3.5ml以下であることが好ましい。液化ガスの充填量が多孔性セルロースの飽和吸着量を超える場合、非噴射状態において多孔性セルロースに吸着されていない液体状態の液化ガスが増える。このような液体状態の液化ガスは、噴射状態において勢いよく噴射され、壁等に付着しやすい。また、このような原液は、誤って吸引されやすい。
エアゾール組成物全体の説明に戻り、エアゾール組成物の充填量は、多孔性セルロースの飽和吸着量以下であることが好ましい。より具体的には、エアゾール組成物の充填量は、個々の多孔性セルロースの飽和吸着量および比重にもよるが、多孔性セルロース1gに対して1〜6mlであることが好ましい。エアゾール組成物は、充填量が多孔性セルロースの飽和吸着量以下である場合、多孔性セルロースに吸着されやすい。そのため、エアゾール組成物は、噴射時に適宜多孔性セルロースから脱着されやすい。その結果、エアゾール製品は、使用時の向きによらず、気体状態のエアゾール組成物のみを噴射しやすい。また、エアゾール組成物の充填量が1ml/g未満の場合、噴射できる量が少なくなる傾向がある。一方、エアゾール組成物の充填量が6ml/gを超える場合、エアゾール組成物は、多孔性セルロースに吸着されずに液体状態でエアゾール容器内に存在する傾向がある。このような液体状態のエアゾール組成物は、噴射されると、液体状の液化ガスが気化して容積が膨張し、液相中に含まれていた有効成分(香料等)を含む原液が微細化し拡散されるため、誤って吸引されやすい。
(任意成分)
次に、本実施形態のエアゾール組成物が好適に含む任意成分について説明する。本実施形態のエアゾール組成物は、上記した成分以外にも、種々の任意成分が適宜含有されてもよい。たとえば、原液は、上記した溶剤以外にも、多価アルコール、色素等が含有されてもよい。
(多価アルコール)
多価アルコールは、水に溶解しない有効成分などの溶媒として適宜含有される。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびグリセリン等の2〜3価のアルコールが例示される。
色素は、原液や液化ガスを着色するために適宜含有される。色素により原液や液化ガスが着色されることにより、吸着された粒状の多孔性セルロースも着色され得る。着色された状態(吸着状態)で噴射をすると、液化ガスが気化することにより、原液および液化ガスが多孔性セルロースから脱着され、溶解されていた色素も脱着されるため、着色されていた多孔性セルロースの色が薄くなり、視覚的に残量がわかりやすい。
色素としては、例えばアマランス(赤色2号)、エリスロシン(赤色3号)、ニューコクシン(赤色102号)、フロキシン(赤色104号)、ローズベンガル(赤色105号)、アシッドレッド(赤色106号)、リソールルビンB(赤色201号)、ローダミンB(赤色213色)、ローダミンBアセテート(赤色214号)、ファストアシッドマゲンタ(赤色227号)、ニオシンYS(赤色230号)、フロキシンBK(赤色231号)、ローズベンカルK(赤色232号)、ビオラミンR(赤色401号)、ボンソー3R(赤色502号)、ボンソーR(赤色503号)、ボンソーSX(赤色504号)、ファストレッドS(赤色506号)、レゾルシンブラウン(かっ色201号)、オレンジI(だいだい色402号)、オレンジII(だいだい色205号)、エリスロシン黄NA(だいだい207号)、タートラジン(黄色4号)、サンセットイエロー(黄色5号)、ウラニン(黄色202号)、キノリンイエローWS(黄色203号)、ポーライエロー5G(黄色402号)、ナフトールイエローS(黄色403号)、メタニルイエロー(黄色406号)、ファストライトイエロー3G(黄色407号)、ファストグリーン(緑色3号)、アリザリンシアニングリーンF(緑色201号)、ピラニンコンク(緑色204号)、ライトグリーンSF黄(緑色205号)、ナフトールグリーンB(緑色401号)、ギネアグリーンB(緑色402号)、ブリリアントブルーFCF(青色1号)、インジゴカルミン(青色2号)、パテントブルーNA(青色202号)、パテントブルーCA(青色203号)、アルファズリンFG(青色205号)、アリズロールパープル(紫色401号)、ナフトールブルーブラック(黒色401号)などの水溶性色素、ローダミンBステアレート(赤色215号)、テトラクロルテトラブロムフルオレセイン(赤色218号)、テトラブロムフルオレセイン(赤色223号)、スダンIII(赤色225号)、薬用スカーレット(赤色501号)、オイルレッドXO(赤色505号)、ジブロムフルオレセイン(橙色201号)、ジョードフルオレセイン(橙色206号)、オレンジSS(橙色403号)、フルオレセイン(黄色201号)、キノリンイエローSS(黄色204号)、エローAB(黄色404号)、エローOB(黄色405号)、キニザリングリーンSS(緑色202号)、スタンブルーB(青色403号)、アリズリンパープルSS(紫色201号)などの油溶性色素が挙げられる。
以上の粒状の多孔性セルロースおよびエアゾール組成物は、たとえばエアゾール容器に収容(充填)されてエアゾール製品として利用される。
[エアゾール製品]
本実施形態のエアゾール製品が、図1を参照して説明される。図1は、本実施形態のエアゾール製品1の模式的な側面図である。エアゾール製品1は、容器本体2と、容器本体2に取り付けられるエアゾールバルブ3と、エアゾール組成物を噴射する噴射孔41が形成された噴射ボタン4とを備える。容器本体2は、多孔性セルロースが収容され、エアゾール組成物が充填される。エアゾール製品1は、エアゾールバルブ3によってエアゾール組成物を噴射する噴射状態と、非噴射状態とが切り替えられる。図1に示されるエアゾール製品1は、非噴射状態である。以下、それぞれの構成について説明する。なお、エアゾール製品1の構成は、本実施形態に限定されず、上記多孔性セルロースおよびエアゾール組成物を収容でき、適切に噴射できる構成であればよい。
(容器本体2)
容器本体2は、多孔性セルロース5を収容し、かつ、エアゾール組成物を加圧状態で充填するための耐圧性を有する容器である。容器本体2は、汎用の形状であってよい。本実施形態の容器本体2は、上部に開口を有する有底筒状である。開口は、多孔性セルロース5や原液を充填するための充填口であり、後述するエアゾールバルブ3により閉止される。
容器本体2内には、図1に示されるように、多孔性セルロース5が収容されており、エアゾール組成物が充填されている。ただし、非噴射状態において、液体状態のエアゾール組成物は多孔性セルロース5に吸着されている。
容器本体2の材質は特に限定されない。このような材質としては、アルミニウム、ブリキ等の金属、各種合成樹脂、耐圧ガラス等が例示される。本実施形態の容器本体2は、噴射残量が視覚的に把握されやすい点から透光性を有する合成樹脂容器や耐圧ガラスからなることが好ましい。なお、本実施形態において「透光性」とは、容器本体2に収容される多孔性セルロース5を目視で確認できる程度以上の透光性をいう。
(エアゾールバルブ3)
エアゾールバルブ3は、容器本体2の開口に取り付けられて容器本体2内を密封するための部材である。エアゾールバルブ3は、容器本体2内と外部との連通/遮断を切り替える弁機構(図示せず)を備えている。弁機構は、気化したエアゾール組成物を噴射する噴射状態と、非噴射状態とを切り替える部材である。弁機構は、非噴射状態から噴射状態に切り替えられると、容器本体2内の気密状態を開放し、容器本体2内と外気とを連通させる。これにより、容器本体2内の圧力が下がり、エアゾール組成物は、多孔性セルロース5から脱着される。
また、エアゾールバルブ3は、弁機構から容器本体2内に液化ガスを圧入することができる。弁機構より圧入される液化ガスは、容器本内では一部が液体状態となり、残部が気体状態となる。
なお、エアゾールバルブ3の構造は特に限定されず、汎用のエアゾールバルブ3が適宜用いられる。たとえば、エアゾールバルブ3は、下方に押し下げることにより外部と連通するステム孔(図示せず)を有するステム(図示せず)と、ステム孔をシールするステムラバー(図示せず)と、ステムを下方から常時垂直上方向に付勢するスプリング(図示せず)等を備える。このような構成の弁機構によれば、たとえば後述する噴射ボタン4が操作されると、ステムラバーによって閉止されていたステム孔が開放され、容器本体2内と外気とが連通される。
容器本体2にエアゾール組成物を充填する方法は特に限定されない。一例を挙げると、容器本体2の開口から多孔性セルロース5および原液を充填し、エアゾールバルブ3により容器本体2の開口を閉止し、エアゾールバルブ3の弁機構から液化ガスを圧入する方法が採用される。ほかにも、エアゾールバルブ3を固着する前に液化ガスを充填するアンダーカップ充填が採用されてもよい。エアゾール組成物が充填された容器本体2の内圧は、25℃において0.1〜0.6MPa程度である。
(噴射ボタン4)
噴射ボタン4は、エアゾールバルブ3を経て取り込まれた気体のエアゾール組成物を噴射するための部材である。噴射ボタン4には、エアゾール組成物を噴射するための噴射孔41が形成されている。噴射ボタン4は従来から用いられている汎用の形状でもよい。
[エアゾール製品1の使用方法]
次に、本実施形態のエアゾール製品1の使用方法の一例について説明する。本実施形態のエアゾール製品1は、非噴射状態において、容器本体2内に充填されたエアゾール組成物のうち、液体状態のエアゾール組成物が多孔性セルロース5に吸着されている。
この状態で噴射ボタン4が使用者により押し下げられると、噴射ボタン4は、エアゾールバルブ3内のステムを下方(容器本体2側)へ押し下げる。これにより、ステム孔が開放され、容器本体2内と外気とが連通する。その結果、容器本体2内の圧力が下がり、多孔性セルロース5に吸着されていたエアゾール組成物が脱着される。脱着されたエアゾール組成物は、容器本体2内で気化し、気相部分に存在していた気化したエアゾール組成物と適宜混合される。このような気体状態のエアゾール組成物は、弁機構に取り込まれ、ステム孔を通って噴射ボタン4に送られ、噴射孔41から噴射される。この際、噴射されるエアゾール組成物は、液体状態ではないため、勢いよく噴射されにくく、壁等に付着しやすい。また、このようなエアゾール組成物は、誤って吸引されにくい。
次いで、必要量が噴射された後に噴射ボタン4の押し下げが止められると、ステムは、スプリングにより元位置まで押し上げられ、ステムラバーによって再度ステム孔が閉止される。これにより、容器本体2内と外気とが遮断される。その結果、多孔性セルロース5から脱着された液化ガスを含む気体のエアゾール組成物によって容器本体2内の圧力が高められ、容器本体2内が再び加圧状態となる。そのため、多孔性セルロース5からのエアゾール組成物の脱着が停止される。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
(実施例1)
図1に示す透光性を有するポリエチレンテレフタレート製の耐圧容器に、多孔性セルロース(*1)5gを収容した。また、水溶性香料(*2)0.25gを精製水2.25gに溶解した原液2.5g(2.5mL)を充填し、エアゾールバルブを固着して密封した。次いで、エアゾールバルブからジメチルエーテル6.6g(10mL)を充填し、エアゾール製品を製造した。
*1:ビスコパールAH−4050L(商品名)、レンゴー(株)
*2:Citrus NAT KH−4136(商品名)、香栄工業(株)
(実施例2)
ジメチルエーテルの代わりに液化石油ガス(*3)5.7g(10ml)を充填した以外は実施例1と同様の方法によりエアゾール製品を製造した。
*3:ノルマルブタンとイソブタンとプロパンの混合物(25℃での蒸気圧が0.2MPa)
(実施例3)
ジメチルエーテルの代わりにハイドロフルオロオレフィン(*4)11.9g(10ml)を充填した以外は実施例1と同様の方法によりエアゾール製品を製造した。
*4:1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)
(実施例4)
図1に示す透光性を有するポリエチレンテレフタレート製の耐圧容器に、多孔性セルロース(*1)5gを収容した。また、水溶性香料(*2)0.04gを精製水0.36gに溶解した原液0.4g(0.4mL)を充填し、エアゾールバルブを固着して密封した。次いで、エアゾールバルブからジメチルエーテル6.6g(10mL)を充填し、エアゾール製品を製造した。
(実施例5)
図1に示す透光性を有するポリエチレンテレフタレート製の耐圧容器に、多孔性セルロース(*1)5gを収容した。また、水溶性香料(*2)0.02gを精製水0.18gとエタノール0.2gに溶解した原液0.4g(0.44mL)を充填し、エアゾールバルブを固着して密封した。次いで、エアゾールバルブから液化石油ガス8.6g(15mL)を充填し、エアゾール製品を製造した。
(比較例1)
多孔性セルロースを使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法によりエアゾール製品を製造した。
(比較例2)
多孔性セルロースに代えて繊維状セルロースを使用した以外は、実施例1と同様の方法によりエアゾール製品を製造した。
実施例1〜5および比較例1〜2で得られたそれぞれのエアゾール組成物を充填した容器本体に、噴射ボタンをそれぞれ取り付けた。得られたエアゾール製品について、以下の評価方法により、内容物の安定性、噴射状態およびエアゾール組成物の残量を評価した。結果を表1に示す。
(内容物の安定性)
エアゾール製品を、それぞれ5℃、25℃および40℃の恒温室に3日間保管し、エアゾール容器内の内容物の状態を目視で観察した。
<評価基準>
○:いずれの温度においても、液体状態のエアゾール組成物は見られず、多孔性セルロースは粒状のままであった。
△:いずれかの温度において、液体状態のエアゾール組成物が、容器本体の内面にわずかに付着していた。
×:いずれかの温度において、液体状態のエアゾール組成物が、容器本体の底部に溜まっていた。
(噴射状態)
エアゾール製品を、25℃の恒温室に1日間保管し、その後、5秒間噴射したときの噴射状態を目視で観察した。
<評価基準>
○:正立状態および倒立状態のいずれの向きで噴射しても、液体状態のエアゾール組成物は噴射されず、気体状態のエアゾール組成物のみが噴射された。
×1:正立状態または倒立状態のいずれかの向きで噴射した際に、液体状態のエアゾール組成物が噴射された。
×2:エアゾールバルブが詰まり、噴射できなくなった。
(エアゾール組成物の残量)
エアゾール製品を、25℃の恒温水槽に正立状態で1時間浸漬し、その後、噴射し続け(エアゾールバルブを開放状態で維持する)噴射できなくなったときのエアゾール容器内の残量を算出し、以下の評価基準に基づいて評価した。エアゾール組成物の残量は、10質量%以下であれば実用に適する。
<評価基準>
◎:残量は、10質量%以下であり、全量噴射後に多孔性セルロースが容器本体内面に付着した。
○:残量は、10質量%以下であり、全量噴射後に多孔性セルロースは容器底部に溜まっていた。
×:残量は、11質量%を超えた。
(多孔性セルロースの飽和吸着量)
多孔性セルロースを充填した透明なポリエチレンテレフタレート製のエアゾール容器に、上記実施例1〜5および比較例1〜2において作製したエアゾール組成物を充填し、エアゾール容器内にエアゾール組成物の液相が出来るまで充填し、25℃において1gの多孔性セルロースが、エアゾール組成物を吸着できる容量を算出した。
(エアゾール組成物/多孔性セルロース)
エアゾール容器に充填した多孔性セルロースに吸着されているエアゾール組成物の液体組成物の容量を、多孔性セルロース、エアゾール組成物(原液および液化石油ガス)の充填量から算出した。
Figure 0006514046
表1に示されるように、多孔性セルロースを収容した実施例1〜5のエアゾール製品は、噴射時にエアゾールバルブが詰まることがなく、内容物の安定性および噴射状態が良好であった。また、実施例1〜5のエアゾール製品は、残量が少なかった。
一方、多孔性セルロースを使用しなかった比較例1のエアゾール製品は、内容物の安定性が低く(多孔性セルロースを収容していないため)、かつ、倒立状態で噴射したところ液体状態のエアゾール組成物が噴射された。また、多孔性セルロースに代えて繊維状セルロースを使用した比較例2のエアゾール製品は、エアゾールバルブが詰まり、噴射できなくなった。
(処方例1)防虫剤
図1に示す透光性を有するポリエチレンテレフタレート製の耐圧容器に、多孔性セルロース(*1)8gを収容した。また、以下の処方にしたがって調製した原液Bを1g(1.1mL)充填し、エアゾールバルブを固着して密封した。次いで、エアゾールバルブからジメチルエーテル15g(22.7mL)を充填し、エアゾール製品を製造した。
<原液B>
水 48.9
エタノール 50.0
ハーブエキス 1.0
赤色102号 0.1
合計 100.0(質量%)
処方例1のエアゾール製品は、いずれも内容物の安定性が優れ、かつ、噴射状態も良好であった。また、エアゾール製品は、全量噴射後の残量が少なくなった。さらに、原液が多孔性セルロースから脱着(揮発)したことにより、多孔性セルロースは、静電気により容器本体の内面に付着した。加えて、色素も同様に脱着され、噴射前と噴射後で多孔性セルロースの色が変化した。その結果、エアゾール製品は、色の濃度に基づいて残量を把握することができた。
1 エアゾール製品
2 容器本体
3 エアゾールバルブ
4 噴射ボタン
41 噴射孔
5 多孔性セルロース

Claims (4)

  1. 原液および液化ガスを含むエアゾール組成物が、エアゾールバルブを備えるエアゾール容器に充填されているエアゾール製品であり、
    前記エアゾール容器には、粒状の多孔性セルロースがさらに収容されており、
    前記エアゾール組成物中の液体組成物は、
    前記エアゾールバルブが閉止状態にあるときは前記多孔性セルロースに吸着されており、
    前記エアゾールバルブが開放状態にあるときは前記多孔性セルロースから脱着され、前記エアゾール容器から気化したエアゾール組成物が噴射される、エアゾール製品。
  2. 前記エアゾール組成物は、前記多孔性セルロースの飽和吸着量以下となるよう前記エアゾール容器に充填される、請求項1記載のエアゾール製品。
  3. 前記原液は、水を含有する、請求項1または2記載のエアゾール製品。
  4. 前記エアゾール容器は、透光性材料からなる容器本体を備え、
    前記多孔性セルロースは、容器本体に収容されている、請求項1または2記載のエアゾール製品。
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