JP6513920B2 - カテーテル及びカテーテルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像診断用カテーテルとその製造方法に関する。
冠動脈血管内等の診断に用いられる血管内超音波診断装置(IVUS)や光干渉断層計(OCT/OFDI)には画像診断カテーテルが用いられる。この種の画像診断カテーテルは、図9(a)に示されるように、主に、カテーテルシース1001と、カテーテルシース1001内に挿通された回転駆動シャフト(以下、ドライブシャフト1002)から構成される。血管軸方向の断層像を取得する際には、画像診断カテーテルが血管内に挿入され、ドライブシャフト1002を回転させながらカテーテルシース1001内を軸方向に移動させる。
ドライブシャフト1002は、金属ワイヤーが多条に螺旋巻きされたコイルシャフト1003の中空にイメージングコア1004が挿通された構成を有する。コイルシャフト1003の先端部にはイメージングコア1004の先端部としての超音波センサまたは集光レンズ(図9(a)では超音波センサ1011)が配置され、ハウジング1005と呼ばれる保護部品により保護されている。このような構造により、ドライブシャフト1002は、カテーテルシース1001内部で回転駆動や軸方向移動を行った時に、コイルシャフト1003やイメージングコア1004が破壊されにくい構造となっている。
カテーテルシース1001は血管内に通されて使用されるため、蛇行し、ところどころに屈曲した部分が生じる。ドライブシャフト1002の先端部のハウジング1005は、蛇行した血管内に留置されたカテーテルシース1001内を回転駆動しながら軸方向に移動することになり、その際には、抵抗感なくカテーテルシース1001に追従して動作可能となることが好ましい。ドライブシャフト1002の先端部分はカテーテルシース1001内で軸方向に移動する際に最も大きい抵抗となる。すなわち、図9(a)において、ハウジング1005の先端側とカテーテルシース1001の内壁との接触部分1100や、ハウジング1005とコイルシャフト1003の接続部分とカテーテルシース1001の内壁との接触部分1101が、ドライブシャフト1002の移動に際して大きな抵抗を生じる。ドライブシャフト1002の回転中にこの抵抗が生じると、ドライブシャフト1002のねじれを生じさせ、イメージングコア1004の破損の要因となる場合がある。したがって、ドライブシャフト先端部(ハウジング)とカテーテルシース内壁との間に生じる抵抗を低減するため、ハウジングの先端に弾性コイルを設けたり、ハウジングの先端を半球形状にしたりするなどの工夫がなされている。
特許文献1には、ドライブシャフトの先端部が半球形状を有するハウジングが示されている。図9(b)(c)は、特許文献1に記載されたハウジング1005を示す図である。このようなハウジング1005の形状によれば、ハウジング1005の先端がカテーテルシース1001の内壁と接触して生じる動摩擦力を小さくさせることができ、ドライブシャフト1002本体とハウジング1005との間に発生するねじれを小さくさせる効果がある。
米国特許第5503154号
特許文献1では、ハウジング1005の外形を金属の切削加工により成形している。図9(a)(b)に示されるような、先端が半球状であり、超音波センサ1011を収納するための空間を有するハウジング1005を切削加工で製造するには、複雑な加工工程が必要となる。そのため、ハウジングの製造コストが高くなってしまい、ドライブシャフト、さらにはカテーテルの製造コストが高くなるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、カテーテルをより低い製造コストで製造することを可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の一態様による、カテーテルの製造方法は、
ドライブシャフトと、その先端部を構成するハウジングを有するカテーテルの製造方法であって、
ハウジングに成形される円筒状の部材の一方の先端に、切り込みまたは切り欠きによるカットパターンを成形するカット工程と、
前記部材の前記カットパターンが成形された部分を加圧してドーム形状に成形する成形工程と、
前記ドーム形状に成形された部分において、部材をロウ付けにより接合する接合工程と、
前記ドーム形状に成形された部分の表面を滑らかにするための処理を行う工程と、を有し、
前記カットパターンは、ドーム形状に成形されたときに、頂点部分に開口が形成されるように成形され、
前記成形工程では、前記開口を通る大きさの棒状部分を有する内型と、前記棒状部分を通す穴が設けられ、前記ドーム形状の凹部を有する外型とを用いて、前記切り込みが成形された部分を加圧する。
本発明によれば、先端の外形が半球状のハウジングをより低い製造コストで製造することが可能となる。
実施形態による画像診断用カテーテルの構成を説明する図である。 第1実施形態によるドライブシャフトの製造方法を説明するフローチャートである。 第1実施形態によるハウジングの製造方法の各工程を説明する図である。 製造されたハウジングをコイルシャフトに接続する方法を説明する図である。 第2実施形態によるドライブシャフトの製造方法を説明するフローチャートである。 第2実施形態によるドライブシャフトの製造方法の各工程を説明する図である。 第2実施形態によるドライブシャフトの製造方法の各工程を説明する図である。 第2実施形態によるドライブシャフトの製造方法の各工程を説明する図である。 一般的な画像診断用カテーテルのドライブシャフトを説明する図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は、実施形態によるカテーテルとしての画像診断用カテーテルの構成を説明する図である。図1に示すように、画像診断用カテーテル100は、主に、カテーテルの外壁となる外側のシース(カテーテルシース101)と、カテーテルシース101に挿通される回転駆動シャフト(以下、ドライブシャフト111)から構成されている。カテーテルシース101の先端側にはガイドワイヤを通すためのガイドワイヤルーメン部102が設けられている。また、カテーテルシース101は、シース接液部とシース手元部を有し、シース手元部の基端側にはコネクタ部103が接続されている。コネクタ部103は周知のプルバックスキャナ(モータドライブユニットとも称される)に接続される。
ドライブシャフト111は、金属ワイヤーを多条に螺旋巻きされた構造体であるコイルシャフト112を有し、その中空部にはイメージングコア113が挿通され、その先端部にはハウジング121が取り付けられている。イメージングコア113は、超音波画像診断装置(IVUS)の場合は超音波センサと電気信号線からなり、光干渉断層計(OCT、OFDI)の場合は光ビーム集光用レンズと光ファイバからなる。図1では、光ビーム集光用レンズ(ボールレンズ114)、光ファイバ115を有するイメージングコア113が示されている。
また、図1に示されるように、ドライブシャフト111の先端部において、イメージングコア113の先端部(超音波センサまたは集光レンズ)がコイルシャフト112から露出しており、保護部品としてのハウジング121により保護されている。ハウジング121は、コイルシャフト112の先端部にロウ付けにより接続されている。ハウジング121により、画像診断用カテーテル100内部でのドライブシャフト111の回転駆動及び軸方向移動時に、イメージングコア113が破壊から保護される。そのような保護を実現するために、ハウジング121は、蛇行したカテーテルシース101内を回転駆動しながら軸方向に移動する際に、抵抗感なくシースに追従して動作できるように、図示のようにその先端部がドーム形状を有している。
ドライブシャフト111の先端部を構成するハウジング121は、円筒状部分122と、ドーム形状部分123とを有しており、ドーム形状部分123が円筒状部分122の一端に接続された形状を有する。また、ドーム形状部分123には、円筒状部分122の中心軸を中心とした開口124が設けられている。この開口124により、コイルシャフト112に装着されるハウジング121の芯出しが高精度にかつ容易に実現される。円筒状部分122に設けられた窓125は、超音波やOCT計測光といったイメージングコアが送受信する信号を通過させるための開口である。また、ハウジング121は、後述するように、たとえば金属の円筒状部材の一端の側に切り込みあるいは切り欠きを有するカットパターンを成形し、そのカットパターンが成形された部分を加圧してドーム形状に成形することにより製造される。このような製造方法により、従来の切削加工に比べて格段に製造コストを下げることが可能となる。
図2は、本実施形態によるハウジング121およびドライブシャフト111の製造方法を説明するフローチャートである。ステップS201〜S204がハウジング121を製造するためのステップであり、ステップS205〜S206がハウジング121を用いてドライブシャフト111を組み上げるためのステップである。また。図3は、ハウジング121の製造過程を説明する図、図4はドライブシャフト111の製造を説明する図であり、以下、図2〜図4を参照してハウジング121の製造方法およびドライブシャフト111の製造方法の具体例を説明する。
まず、ステップS201において、図3(a)に示されるように、円筒状の部材(本実施形態では金属パイプ301)の一方の端部において、たとえばレーザ加工にてカットパターン302を成形し、さらに、側面に窓125を形成する。なお、カットパターン302は、金属パイプ301の端部をドーム形状部分123へ成形するために設けられたカットパターンであり、他の形態の切り込みや切り欠きであってもよい。例えば、本実施形態のカットパターン302では、円筒状の部材の端部を、円筒状の部材の外周面から内周面に亘って貫通するように複数の切り込みを施し、その切り込みは、端部から円筒状の部材の長手軸方向の中心に向かった所定の位置まで略三角形状のスリットに成形されている。但し、カットパターン302の形状はこれに限られるものではなく、たとえば、台形形状のスリットであっても、直線状の切り込みであっても良い。また、カットパターンはドーム形状部分123へ成形した際に、カットパターン部分の部材同士が突き合わさり、重なりや隙間が無いようにすることが望ましいが、後の工程で半田の充填や研磨が行われるので部材の一部同士に多少の隙間や重なりがあってもかまわない。
さらに、カットパターンは、ドーム形状に成形されたときに、頂点部分に開口124が形成されるように設計されている。なお、本実施形態の製造方法により、特許文献1に記載されているような半球状の先端部を持つハウジング(ドーム形状の頂点部分に開口を設けないハウジング)を製造することが容易であることは明らかである。
なお、金属パイプとなる材質としては、SUS304、SUS316L、白金及び白金イリジウム合金、コバルトクロム合金、タンタル及びタンタル合金、タングステン及びタングステン合金、チタン及びチタン合金、マグネシウム、アルミ及びアルミ合金などが挙げられる。また、金属パイプに代えて、レーザ加工が可能な非金属材料からなるパイプ(円筒部材)が用いられてもよい。すなわち、上述したようなカットパターンを形成することが可能であれば、円強情の部材は金属部材であっても非金属部材であってもかまわない。
次に、ステップS202において、金属パイプ301のカットパターンが成形された部分を加圧してドーム形状の部分を成形する。本実施形態では、たとえば、図3(b)に示されるように、内型311と外型312によりドーム形状の部分を成形する。内型311は、ハウジング121の開口124を通る大きさの棒状部分313を有した押し子である。外型312は、ハウジング121のドーム形状部分123の形状に対応した凹部を有し、内型311の棒状部分313を通す穴が設けられている。図示のように、外型312にカットパターン302が成形された金属パイプ301を挿入し、内型311を金属パイプ301内に挿入して加圧することで、ハウジング先端部のカット部がドーム形状となるように成形される。
なお、内型311に設けられた棒状部分313と外型312に設けられた穴により、加圧成型時において開口124の中心と円筒状部分122の中心軸とが高精度に一致するように芯出しされる。
ステップS203において、金属パイプ301のドーム形状に成形された部分の金属同士をロウ付けにより接合する。たとえば、図3(c)に示すように、芯出し治具321にドーム形状部が成形された金属パイプ301を被せ、半田ワッシャー323を配置した状態で、半田ワッシャー323表面に熱風ブローを加えることで、カットパターン302のカット部の合わせ溝を溶融半田で充填させ、金属同士を接合する。このとき、芯出し治具321の棒状部分322をドーム形状部の開口に通して接合が行われるので、開口124の中心と円筒状部分122の中心軸とがより高精度に一致するように芯出しされて、ハウジング121の形状が確定することになる。なお、本実施形態では半田ワッシャー323の加熱方法として熱風ブローを用いる方法用いたが、これに限られるものではなく、例えば、高周波誘導加熱、抵抗加熱、レーザ加熱等の方法が用いられてもよい。
次に、ステップS204において、バフ研磨、バレル研磨、ブラスト研磨等の物理的研磨もしくはその他の研磨方法により、ドーム形状の凹凸面を平滑にさせる。後工程で、表面にメッキ層を形成させてもよい。
以上のような製造工程により、図3(d)に示すような、先端がドーム形状を有するハウジング121を、比較的安価でかつ量産的に製造することが可能となる。
次に、ステップS205において、以上のようにして製造されたハウジング121とコイルシャフト112とを接続する。本実施形態では、ハウジング121とコイルシャフト112との接続にロウ付け(本実施形態では半田接合)を用いる。図9を参照して説明したように、カテーテルシース101の内壁とハウジング121の先端側との接触部分(図9の接触部分1100)および内壁とハウジング121の付け根との接触部分(図9の接触部分1101)に生じる動摩擦力を小さくすることが望ましい。そのためには、ドライブシャフト111とハウジング121が高精度に芯出しされ、接続される必要がある。したがって、本実施形態では、ドライブシャフト111とハウジング121とを接続する際に、ハウジング121の開口124を用いてドライブシャフト111とハウジング121との接合時に芯出しを行う。
本実施形態のハウジング121の中心軸は、円筒状部分122の中心軸と一致し、開口124の中心を通る。したがって、本実施形態では、たとえば図4に示されるような芯出し方法により、コイルシャフト112とハウジング121が接続される。すなわち、ハウジング121との開口124とコイルシャフトの中空を通る棒状部分を有する芯出し治具401を用いてハウジング121とコイルシャフト112の中心軸を一致させて、それらを半田付けにより接合する。なお、ハウジング121とコイルシャフト112を接続した後に芯出し治具401は抜去される必要があるので、ドーム形状部分123に設けられた開口124の径は、コイルシャフト112の内径と等しいか、それよりも大きくする。また、ハウジング121およびコイルシャフト112の外面にはこれらを専用の十字溝治具(図示せず)に沿わせて接合することが望ましい。
ハウジング121とコイルシャフト112を接続した後、芯出し治具401を抜去し、ステップS206において、イメージングコア113を窓125からコイルシャフト112の中空へ挿入する。そして、イメージングコア113の先端(たとえば超音波センサの部分)を所定の状態で固定することにより図1に示したようなドライブシャフト111が得られる。
なお、ハウジング121の先端部のドーム形状部分123に設けられている開口124は、カテーテルシース101が蛇行してもその内壁とは接触しない場所に設けられているため、機能面への影響は問題にならない。
以上のような、開口124が設けられたハウジング121を従来のように切削加工にて製造しようとすると、複雑な加工工程が必要となるため、製造コストが高くなってしまう。これに対して、第1実施形態によれば、先端がドーム形状でかつ先端部の頂点部分に開口124が設けられたハウジング121を容易かつ安価に製造することが可能となる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、ハウジング121をコイルシャフト112に接続した後、ハウジング121の窓125からイメージングコア113をコイルシャフト112に挿入している。たとえばIVUS用のカテーテルのように、イメージングコア113が細い電気信号線を有する超音波センサであれば、上述した第1実施形態の手法を用いることができる。しかしながら、許容される曲げの曲率が小さい光ファイバを含むイメージングコア113の場合、窓125からコイルシャフト112の中空へ挿入することが困難となる場合がある。第2実施形態では、そのようなイメージングコアが挿通されたドライブシャフトの製造方法について説明する。なお、第2実施形態による画像診断用カテーテル100(特にドライブシャフト111やハウジング121)の構造は第1実施形態(図1)と同様である。
図5は、第2実施形態によるドライブシャフト111の製造方法を説明するフローチャートである。また、図6〜図8は第2実施形態によるドライブシャフト111の製造時の各工程を説明する図である。
図1において、たとえばOCT/OFDIのイメージングコア113として、剛直で曲がりにくい溶融石英製の光ファイバ115を使用する場合には、コイルシャフト112に対して光ファイバ115をハウジング121の先端部から挿入させる必要がある。その場合には、ハウジング121の先端をドーム形状に成型するプロセスを、光ファイバ115を通した後に実施する必要がある。なお、その場合には、ハウジング121及びコイルシャフト112は水平方向に配置させた方が作業上好都合である。以下、図5、図6〜図8を参照して、第2実施形態によるドライブシャフトの製造方法について説明する。
ステップS501において、図3(a)に示されるように、円筒状の部材(本実施形態では金属パイプ301)に対して、レーザ加工にてパイプ片端部にカットパターン302が成形され、さらに、側面に窓125が形成されたハウジングを作成する。このステップは第1実施形態のステップS201と同様である。
ステップS502において、金属パイプ301の先端部をドーム形状に変形させない状態で、金属パイプ301とコイルシャフト112を半田付けする。この様子を図6(a)に示す。芯出し治具601は、金属パイプ301の内径に対応した径を有する第1の棒部分602と、コイルシャフト112の内径に対応した径を有する第2の棒部分603を有し、これら第1の棒部分602、第2の棒部分603の中心軸は一致している。したがって、図6(a)に示されるように芯出し治具601を用いて金属パイプ301とコイルシャフト112をロウ付け(たとえば半田付け)により接続すると、コイルシャフト112の軸と金属パイプ301の軸が一致するように芯出しされる。
以上のようにして金属パイプ301とコイルシャフト112との接続を完了すると、芯出し治具601が抜去される。そして、ステップS503において、金属パイプ301の先端側からコイルシャフト112の中空へイメージングコア113が挿入される。たとえば、図6(b)に示されるように、ハウジング121となる金属パイプ301を半田付けしたコイルシャフト112の先端側から、造影マーカ611が固定されたボールレンズ114付きの光ファイバ115がコイルシャフト112の内部に挿入される。図6(c)は、ボールレンズ付き光ファイバの造影マーカ611の部分がハウジング121となる金属パイプ301に固定された状態を示している。
次に、ステップS504において、金属パイプ301のカットパターンが成形された部分が加圧されることによりドーム形状の部分が成形される。第2実施形態によるドーム形状部分の成形は、たとえば図7に示されるように実現される。
図7(a)に示されるように、先端部にカットパターンが成形された金属パイプ301を金型701に挿入し、金属パイプ301の先端部を押し子702で加圧する。第2実施形態では、図示のように、金属パイプ301の軸方向に直交する方向から加圧することで、ドーム形状の部分が成形される。図7(b)は、金型701内で押し子702を加圧させ、金属パイプ301の先端部をドーム形状に変形させた状態を示している。なお、押し子702で加圧する方法としては、押し子702を回転しながら振動させることにより加圧する方法(スウェージング加工)が好適である。但し、このような加工方法に限定されるものではなく、たとえば、プレス加工等、他の方法を用いてもよいことは言うまでもない。
次に、ステップS505において、金属パイプ301のドーム形状に成形された部分の金属同士をロウ付けにより接合する。第2実施形態では、ボールレンズ付き光ファイバをあらかじめ金属パイプ301およびコイルシャフト112に固定した状態で、図7に示したようにして成形されたドーム形状部のカット部の合わせ溝に溶融半田を充填させる。以下、図8により、ステップS505の処理を詳細に説明する。
図8(a)に示すように、治具801は、ドーム形状に対応した凹部802と、凹部802の中央に設けられた、開口124の径に対応した径を有する棒状の突起部803を有する。治具801に半田ワッシャー809を通しておく。この状態で、金属パイプ301のドーム形状に成形された部分を押圧しながらロウ付けが行われる。すなわち、図8(b)に示すように、金属パイプ301の先端部のドーム形状部の開口に治具801の突起部803を挿入し、半田ワッシャー809をハウジング先端部のドーム形状に沿って形状付けする。その後、図8(c)に示すように、半田ワッシャー809付近に熱風ブローを加えることで、金属パイプ301のカット部の合わせ溝を溶融半田で充填させ、ハウジング121を得る。なお、半田ワッシャーの加熱方法は熱風ブロー以外の方法も可能であり、例えば、高周波誘導加熱、抵抗加熱、レーザ加熱等の方法が挙げられる。
その後、ステップS506において、バフ研磨、バレル研磨、ブラスト研磨等の物理的研磨もしくはその他の研磨方法により、ドーム形状の凹凸面を平滑にさせる。なお、研磨の代わりに、後工程で、表面にメッキ層を形成させてもよい。こうして、図8(d)に示されるように、コイルシャフト112の先端にハウジング121が装着されたドライブシャフト111が得られる。その後、ハウジング121の先端を研磨してドライブシャフト11Iが完成し、最後に完成したドライブシャフト111をカテーテルシース101に挿通させることで画像診断用カテーテル100を製造することができる。
以上のように、第2実施形態によれば、ドーム形状の先端部を有するハウジング121が先端部に装着された画像診断用カテーテル100のドライブシャフト111を安価でかつ量産的に製造することが可能となる。
100:画像診断用カテーテル、101:カテーテルシース、102:ガイドワイヤルーメン部、103コネクタ部、111:ドライブシャフト、112:コイルシャフト、113:イメージングコア、121:ハウジング、122:円筒状部分、123:ドーム形状部分、124:開口、125:窓

Claims (14)

  1. ドライブシャフトと、その先端部を構成するハウジングを有するカテーテルの製造方法であって、
    ハウジングに成形される円筒状の部材の一方の先端に、切り込みまたは切り欠きによるカットパターンを成形するカット工程と、
    前記部材の前記カットパターンが成形された部分を加圧してドーム形状に成形する成形工程と、
    前記ドーム形状に成形された部分において、前記部材をロウ付けにより接合する接合工程と、
    前記ドーム形状に成形された部分の表面を滑らかにするための処理を行う工程と、を有し、
    前記カットパターンは、ドーム形状に成形されたときに、頂点部分に開口が形成されるように成形され、
    前記成形工程では、前記開口を通る大きさの棒状部分を有する内型と、前記棒状部分を通す穴が設けられ、前記ドーム形状の凹部を有する外型とを用いて、前記切り込みが成形された部分を加圧することを特徴とするカテーテルの製造方法。
  2. ドライブシャフトと、その先端部を構成するハウジングを有するカテーテルの製造方法であって、
    ハウジングに成形される円筒状の部材の一方の先端に、切り込みまたは切り欠きによるカットパターンを成形するカット工程と、
    前記部材の前記カットパターンが成形された部分を加圧してドーム形状に成形する成形工程と、
    前記ドーム形状に成形された部分において、前記部材をロウ付けにより接合する接合工程と、
    前記ドーム形状に成形された部分の表面を滑らかにするための処理を行う工程と、を有し、
    前記カットパターンは、ドーム形状に成形されたときに、頂点部分に開口が形成されるように成形され、
    前記接合工程では、前記開口を通る大きさの棒状部分を有する芯出し治具に、前記成形工程で成形された前記部材をかぶせて、ロウ付けによる接合を行うことを特徴とするカテーテルの製造方法。
  3. 前記カットパターンは、ドーム形状に成形されたときに前記部材の一部同士が重ならないように成形されることを特徴とする請求項1または2に記載のカテーテルの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のハウジングを有するカテーテルの製造方法により製造されたカテーテル。
  5. イメージングコアが挿通されたコイルシャフトを備えた、ドライブシャフトを有するカテーテルの製造方法であって、
    請求項1から3のいずれか1項に記載された製造方法によりハウジングを製造する工程と、前記ハウジングの円筒状部分には、前記イメージングコアにより送受信される信号を通すための窓が設けられており、
    第1の棒状部分と第2の棒状部分を有する治具の前記第1の棒状部分を前記コイルシャフトの中空部に挿入し、前記第2の棒状部分を前記ハウジングの前記開口に通して、前記コイルシャフトと前記ハウジングを接合する接合工程と、を有し、
    前記治具の前記第1の棒状部分と前記第2の棒状部分の中心軸が一致していることを特徴とするドライブシャフトを有するカテーテルの製造方法。
  6. 前記接合工程により前記ハウジングと前記コイルシャフトが接合された後、前記治具を抜去し、前記窓から前記イメージングコアを前記コイルシャフトの中空に挿入する工程をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のドライブシャフトを有するカテーテルの製造方法。
  7. イメージングコアが挿通されたコイルシャフトを備えた、カテーテルのためのドライブシャフトを有するカテーテルの製造方法であって、
    ハウジングに成形される円筒状の部材であって、一方の先端に切り込みが成形された部材を前記コイルシャフトに接続する接続工程と、
    前記円筒状の部材を通して前記コイルシャフトの中空に前記イメージングコアを挿入する挿入工程と、
    前記部材の前記切り込みが成形された部分を加圧してドーム形状に成形する成形工程と、
    前記ドーム形状に成形された部分において突き合わさるまたは重なりあう前記部材をロウ付けにより接合する接合工程と、
    前記ドーム形状に成形された部分の表面を滑らかにする処理を行う工程と、を有することを特徴とするドライブシャフトを有するカテーテルの製造方法。
  8. 前記成形工程では、前記切り込みが成形された部分を前記コイルシャフトの軸方向に直交する方向から加圧することを特徴とする請求項7に記載のドライブシャフトを有するカテーテルの製造方法。
  9. 前記切り込みは、ドーム形状に成形されたときに、頂点部分に開口が形成されるように成形されていることを特徴とする請求項7または8に記載のドライブシャフトを有するカテーテルの製造方法。
  10. 前記接合工程では、前記ドーム形状に対応した形状の凹部を有し、前記開口の大きさに対応した大きさの棒状部分が該凹部の中央に設けられた治具を用いて前記部材の前記ドーム形状に成形された部分を押圧しながらロウ付けすることを特徴とする請求項9に記載のドライブシャフトを有するカテーテルの製造方法。
  11. 前記接続工程で前記コイルシャフトに接続される部材には、前記イメージングコアが信号を送受信するための窓が設けられていることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載のドライブシャフトを有するカテーテルの製造方法。
  12. 請求項5から11のいずれか1項に記載のドライブシャフトを有するカテーテルの製造方法により製造されたカテーテル。
  13. カテーテルのためのドライブシャフトの先端部を構成するハウジングであって、
    円筒状部分と、
    前記円筒状部分の一端に接続されたドーム形状部分と、を備え、
    前記ドーム形状部分には、前記円筒状部分の中心軸を中心とした開口が設けられており、
    前記円筒状部分に、超音波またはOCT計測光を通過させるための窓が設けられていることを特徴とするハウジングを有するカテーテル。
  14. 前記円筒状部分に接続された前記ドーム形状部分は、円筒状の部材の一端の側に切り込みまたは切り欠きを設け、該切り込みまたは切り欠きの部分をドーム形状に加圧することで成形されることを特徴とする請求項13に記載のハウジングを有するカテーテル。
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