JPH10155806A - レーザーカテーテルチューブ及びその製造方法 - Google Patents

レーザーカテーテルチューブ及びその製造方法

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JPH10155806A
JPH10155806A JP9284447A JP28444797A JPH10155806A JP H10155806 A JPH10155806 A JP H10155806A JP 9284447 A JP9284447 A JP 9284447A JP 28444797 A JP28444797 A JP 28444797A JP H10155806 A JPH10155806 A JP H10155806A
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JP
Japan
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tube
laser catheter
catheter tube
laser
strand
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Withdrawn
Application number
JP9284447A
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English (en)
Inventor
Takuya Toyokawa
卓也 豊川
Masaaki Minamoto
政明 源
Shoji Sakakiyama
昭二 榊山
Masahiro Nakaizumi
政博 中泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先端が封止されたレーザーカテーテルチュー
ブであって、該先端においてレーザー光を確実に直進さ
せ得るように封止されているレーザーカテーテルチュー
ブ、又はレーザー光の強度を弱めるために、レーザー光
を適度に散乱させ得るレーザーカテーテルチューブ、及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 先端が封止されている軟質の樹脂チュー
ブよりなるレーザーカテーテルチューブであって、前記
封止された先端2aの内面2bが、レーザーカテーテル
チューブの長さ方向と直交するように構成されているレ
ーザーカテーテルチューブ2。又は、上記のレーザーカ
テーテルチューブにおいて、前記封止された先端の外面
に、凹凸が設けられているレーザーカテーテルチュー
ブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部にレーザー光
を導くための光ファイバーが挿入されるレーザーカテー
テルチューブ及びその製造方法に関し、より詳細には、
先端の封止部の加工工程を改良することにより先端から
直進的にレーザー光を出射し得るレーザーカテーテルチ
ューブ、又はレーザー光の強度を弱めるために、レーザ
ー光を適度に散乱させ得るカテーテルチューブ、及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カテーテルは、体内に薬液を注入した
り、レーザー光などを導いたりするために用いられてお
り、通常、軟質樹脂チューブにより構成されている。上
記カテーテルのうち、レーザー光を導くためのレーザー
カテーテルチューブは、内部にレーザー光を通すための
光ファイバーを挿入し、先端側からレーザー光を患部等
に向かって照射するために用いられている。
【0003】レーザーカテーテルチューブは薬液を注入
するためのものではないため、先端は封止されており、
かつ体内の表面や患部を傷つけないために、先端が丸め
られている。
【0004】すなわち、レーザーカテーテルチューブで
は、体内に挿入するための十分な柔軟性を有するだけで
なく、先端が丸められた状態で封止されており、かつレ
ーザー光を先端から直進的に出射し得るように構成され
ていることが求められている。
【0005】他方、特開平2−194925号公報に
は、一般的なカテーテルに用いられる樹脂チューブの先
端加工方法が開示されている。ここでは、樹脂チューブ
の外径と同等の径を有し、かつ最奥部が半球状とされた
穴が形成されている金型を用意し、金型の穴に樹脂チュ
ーブを挿入し加熱することにより、樹脂チューブの先端
を封止すると共に、該先端を丸めるように加工する方法
が示されている。
【0006】また、特開平7−100919号公報に
は、熱可塑性樹脂からなるパイプ材の端部加工方法とし
て、パイプ材の端部近傍の外周面に、組み合わされた際
にパイプ材の端部を半球状に加工し得るように曲面が形
成された複数の金型を当接し、加熱することにより、パ
イプ材の先端を封止すると共に該先端を丸める加工方法
が示されている。
【0007】しかしながら、熱可塑性樹脂チューブの先
端を封止し、かつ丸める従来の加工方法では、図1に示
すように、熱可塑性樹脂チューブ1の先端1a近傍が、
例えば半球状曲面を有するように丸められているに過ぎ
なかった。すなわち、先端1a近傍の内面1bの形状に
ついては特に注意は払われておらず、図1に示すように
先端1a近傍の外表面が丸められることにより、内面1
bは先端に向かって徐々に径が小さくなるような形状と
されているに過ぎなかった。
【0008】従って、上記のような熱可塑性樹脂チュー
ブ1をレーザーカテーテルチューブとして用いた場合、
内部に挿入された光ファイバーの先端から出射されたレ
ーザー光が内面1bにおいて屈折や乱反射し、レーザー
光を先端1aから確実に直進させることができなかっ
た。
【0009】また、上記のようにレーザー光を直進させ
ようとした場合に、レーザー光出力が大きすぎる場合
や、ほのかにぼやかして照射したい場合には、レーザー
光を適度に散乱させる必要があるが、その方法として表
面に凹凸を設けることが行われてきた。
【0010】従来、表面に凹凸を設ける一般的方法とし
ては紙やすり等で研摩する方法、成形の金型に凹凸を設
けて加工する方法などがある(例えば、特開昭59−2
32830号公報、特開平8−90651号公報等)。
【0011】しかしながら、上記の紙やすり等で研摩す
る方法では、削りかすや微粒子が発生してしまい、また
金型に凹凸を設ける方法では、連続加工を行うと金型の
凹凸部に樹脂が付着残留し、加工面の焼けや黒点等の異
物の付着などを起こしてしまうため、これらの方法は医
療用具に適用することはできない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、先端
が封止されたレーザーカテーテルチューブであって、該
先端においてレーザー光を確実に直進させ得るように封
止されているレーザーカテーテルチューブ、又はレーザ
ー光の強度を弱めるために、レーザー光を適度に散乱さ
せ得るレーザーカテーテルチューブ、及びその製造方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】レーザーカテーテルチュ
ーブでは、レーザー光が先端から高度の直進性をもって
出射されることが強く求められる。このため、請求項1
記載のレーザーカテーテルチューブは、先端が封止され
ている軟質の樹脂チューブよりなるレーザーカテーテル
チューブであって、前記封止された先端の内面が、レー
ザーカテーテルチューブの長さ方向と直交するように構
成されていることを特徴とする。
【0014】図2に示すように、本発明のレーザーカテ
ーテルチューブ2は、先端2aにおいては、内面2bが
レーザーカテーテルチューブ2の長さ方向と直交する方
向に形成されている。この構成により、本発明のレーザ
ーカテーテルチューブ2は、レーザー光が先端から高度
の直進性をもって出射される。上記、軟質の樹脂とは、
軟質の熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、軟質塩化ビニ
ルやポリエチレンなどが挙げられる。
【0015】このようなレーザーカテーテルチューブ
は、例えば、以下のようにして製造される。請求項2に
記載の発明は、先端が封止された軟質の樹脂チューブよ
りなるレーザーカテーテルチューブの製造方法であっ
て、下記の工程を備えることを特徴とする。
【0016】すなわち、請求項2に記載の発明に係るレ
ーザーカテーテルチューブの製造方法は、熱可塑性樹脂
よりなるチューブと、上記チューブの内径と略同等の外
径を有し、かつ一方端面が長さ方向と直交するように構
成されている円柱状ストランドとを用意する工程と、チ
ューブの先端開口に、円柱状ストランドを上記一方端面
側から挿入し、但し一方端面とは反対側の端部近傍部分
がチューブから突出された状態となるように挿入する工
程と、チューブ先端の内面と円柱状ストランドとを熱溶
着する工程とを備えることを特徴とする。
【0017】請求項2に記載の発明に係る製造方法で
は、円柱状ストランドの一方端面が、該円柱状ストラン
ドの長さ方向と直交するように構成されている。従っ
て、円柱状ストランドをチューブに挿入した状態におい
て、上記円柱状ストランドの一方端面が円柱状ストラン
ドの長さ方向すなわちチューブと円柱状ストランドとの
複合体の長さ方向と直交するように位置される。
【0018】よって、チューブの内面と円柱状ストラン
ドとを溶着し、一体化することにより、円柱状ストラン
ドの上記一方端面がレーザーカテーテルチューブの先端
の内面を構成することになるため、図2に示した内面2
bが構成されたレーザーカテーテルチューブを得ること
ができる。
【0019】請求項3,4に記載の発明は、レーザーカ
テーテルチューブの先端を丸めるための工程をさらに備
えるものであり、請求項3に記載の発明では、上記熱溶
着工程において、チューブ内面と円柱状ストランドとを
熱溶着すると共に、円柱状ストランドの上記一方端面と
は反対側の端部である先端が丸められる。また、請求項
4に記載の発明では、チューブと円柱状ストランドとを
最初に用意する工程において、円柱状ストランドとし
て、予め上記一方端面とは反対側の端部が丸められたも
のを用いることを特徴とする。
【0020】すなわち、請求項3,4で規定されている
ように、本発明においてレーザーカテーテルチューブの
先端を丸める工程は、円柱状ストランドをチューブに熱
溶着するに際し実施してもよく、予め先端が丸められた
円柱状ストランドをチューブに固定することにより行っ
てもよい。
【0021】請求項5に記載の発明は、上記チューブと
して、先端側に径方向と交差する方向に少なくとも1本
の切り込みが形成されたものを用いることを特徴とす
る。すなわち、請求項2〜4に記載の発明の製造方法の
何れにおいても、上記のように少なくとも1本の切り込
みが先端側に形成されたチューブを用いることにより、
円柱状ストランドをチューブに挿入しやすくなり熱溶着
するに際し、チューブ内の空気が切り込みから速やかに
抜けるため、熱溶着部分における気泡の噛み込みを防止
することができる。
【0022】上記円柱状ストランドは、好ましくは、熱
可塑性樹脂により構成され、それによってチューブと円
柱状ストランドとの熱溶着による接合強度を強固なもの
とすることができる。好ましくは、円柱状ストランド
は、チューブと同一の熱可塑性樹脂により構成され、そ
の場合には、熱溶着による両者の接合・一体化をより強
固なものとすることができる。
【0023】また、上記円柱状ストランドは、請求項2
又は3に記載の発明においては、好ましくは、押出成形
により成形されたロッドを垂直に切断したもので構成さ
れる。また、請求項4に記載の発明においては、好まし
くは、射出成形品により構成される。射出成形品により
構成する場合、上記円柱状ストランドの一方端面を形成
するために、金型に該一方端面に応じた面を形成してお
けば、長さ方向に対して高精度に直交された一方端面を
有する円柱状ストランドを容易に得ることができる。
【0024】請求項6に記載のレーザーカテーテルチュ
ーブは、請求項1に記載のレーザーカテーテルチューブ
において、前記封止された先端の外面に、凹凸が設けら
れていることを特徴とする。
【0025】図10に示すように、請求項6に記載のレ
ーザーカテーテルチューブ30は、先端においては、内
面2bがレーザーカテーテルチューブ30の長さ方向と
直交する方向に形成されている。そして、封止された先
端の外面に、凹凸2cが設けられている。この構成によ
り、上記のレーザーカテーテルチューブ30は、内部に
光ファイバーが挿入されレーザー光が導かれると、レー
ザー光は内面2bのため直進するが、先端の外面の凹凸
2cによって適度に散乱される。従って、レーザー光を
直進させようとした場合に、レーザー光出力が大きすぎ
る場合や、ほのかにぼやかして照射したい場合に特に有
効である。上記、レーザーカテーテルチューブに用いら
れる軟質の樹脂としては、軟質の熱可塑性樹脂が好まし
く、例えば、軟質塩化ビニルやポリエチレンなどが挙げ
られる。
【0026】上記レーザーカテーテルチューブは、例え
ば、請求項7記載の方法のようにして製造される。すな
わち、請求項7に記載の発明に係る製造方法は、先端が
封止されている軟質の樹脂チューブよりなるレーザーカ
テーテルチューブの製造方法であって、前記封止された
先端の内面が、レーザーカテーテルチューブの長さ方向
と直交するように構成されているチューブを用意する工
程と、合成樹脂の溶解液に前記チューブの先端部を浸漬
する工程と、前記チューブの先端に付着した樹脂の溶解
液を乾燥させる工程とを備えることを特徴とする。
【0027】封止された先端の内面が、レーザーカテー
テルチューブの長さ方向と直交するように構成されてい
るチューブは、例えば、請求項1記載のレーザーカテー
テルチューブが挙げられる。このようにして用意された
チューブの先端部を、合成樹脂の溶解液に浸漬する。合
成樹脂の溶解液としては、例えば、上記チューブの成形
に使用した原料樹脂と同じ原料樹脂を有機溶剤に溶解し
糊状にしたペーストレジンが挙げられる。次いで、前記
チューブの先端に付着した樹脂の溶解液を乾燥させる。
これにより、合成樹脂を溶解していた有機溶剤が揮発乾
燥し、合成樹脂の溶解液の液滴形状がしぼみ、凹凸2c
が形成される。この凹凸2cにより、レーザー光の散乱
を引き起し、結果としてレーザー光の出光角を広げさせ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明のレーザーカテーテ
ルチューブ及びその製造方法の非限定的な例を図面を参
照しつつ説明する。
【0029】製造方法の第1の例 図3は、本発明のレーザーカテーテルチューブの製造方
法の第1の例を説明するための略図的斜視図である。
【0030】まず、熱可塑性樹脂チューブと、図3に示
す熱可塑性樹脂よりなる棒状部材11とを用意する。熱
可塑性樹脂チューブとしては、内部に光ファイバーを挿
入して体内に挿入し得るのに十分な柔軟性を有する軟質
の熱可塑性樹脂からなるものを用いることが好ましい。
このような熱可塑性樹脂チューブの例としては、軟質塩
化ビニルやポリエチレンなどからなるチューブを例示す
ることができる。
【0031】また、上記熱可塑性樹脂よりなる棒状部材
11は、円柱状ストランドを得るために用意されている
ものであり、熱可塑性樹脂チューブと同様に、軟質塩化
ビニルやポリエチレンのような軟質の熱可塑性樹脂によ
り構成されている。
【0032】次に、熱可塑性樹脂よりなる棒状部材11
をその長さ方向と直交する方向に切断し、円柱状ストラ
ンド12を得る。円柱状ストランド12では、上記切断
により形成された端面12aが、該円柱状ストランド1
2の長さ方向と直交している。また、円柱状ストランド
12の径は、熱可塑性樹脂チューブの内径とほぼ同等で
ある。
【0033】円柱状ストランド12を得るための上記切
断は、端面12aを正確に長さ方向と直交するように形
成し得る限り、適宜の方法で行うことができ、カッター
ナイフで押し切る方法、刃先を鋭利にしたペーパーカッ
ターで切断する方法、鋭利な切断刃を備えた切断装置な
どを用いる方法などにより行うことができる。なお、端
面12aは、後述のレーザー光が出射される面を構成す
るため、端面12aは円柱状ストランド12の長さ方向
と直交する方向に正確に形成されるだけでなく、その表
面が平滑かつ均一であることが望ましい。
【0034】次に、熱可塑性樹脂チューブ13の一端か
ら円柱状ストランド12を挿入する。この場合、上述し
た端面12aが内側となるように円柱状ストランド12
が挿入される。また、挿入の程度は、端面12aとは反
対側の端面12bが熱可塑性樹脂チューブ13から突出
された状態までとする。
【0035】円柱状ストランド12の樹脂チューブ13
への挿入深さについては、円柱状ストランド12の寸法
や樹脂チューブの寸法によって異なるため、必ずしも限
定される訳ではないが、通常、内径1.1〜1.3mm
程度のカテーテルを構成する場合、最終的には先端から
2mm程度の長さ部分が封止されている部分となるよう
に、1.5mm程度の長さだけ挿入することが望まし
い。
【0036】次に、上記のようにして、円柱状ストラン
ド12が熱可塑性樹脂チューブ13に挿入された複合体
14を、金型内に配置し円柱状ストランド12を熱可塑
性樹脂チューブ13に溶着する。用い得る金型の一例を
図4(a)〜(c)に示す。
【0037】金型15は、上記複合体14が挿入される
穴15aを有する。穴15aの先端は、図4(a)に示
されているように、半球状とされている。また、図4
(b)に要部を半断面図で拡大して示すように、穴15
aの内周面は鏡面加工されている。すなわち、表面が鏡
面加工された部材15bにより穴15aの内周面が構成
されている。
【0038】金型15の周囲には、冷却のための冷却管
16,17が取り付けられている。冷却管16は穴15
aが設けられている部分において金型15の外周面に沿
って設けられており、冷却管17は金型15の取り付け
部15cの外周面に沿って延ばされている。
【0039】また、穴15aが設けられている部分近傍
においては、金型15を加熱するための誘導コイル18
が巻回されている。図4に示す例では、コイル18は、
銅パイプにより構成されており、図示しない高周波発振
機により通電されて、高周波誘導加熱により金型15を
加熱するように構成されている。また、コイル18は、
上記のように銅パイプにより構成されているため、加熱
後には、内部に冷却水を流すことにより、直ちに金型1
5を冷却し得るように構成されている。
【0040】円柱状ストランド12を熱可塑性樹脂チュ
ーブ13に溶着するにあたっては、高周波誘導加熱によ
り金型15を加熱した状態で、図3に示した複合体14
の先端側から複合体14を、図4に示す金型15の穴1
5aに挿入する。
【0041】加熱により、熱可塑性樹脂チューブ13と
円柱状ストランド12とが溶着されると共に、図3に示
すように、円柱状ストランド12の突出している部分が
丸められ、最終的に半球状の先端部12cがレーザーカ
テーテルチューブ14Aに構成される。
【0042】レーザーカテーテルチューブ14Aでは、
熱可塑性樹脂チューブ13の先端が上記円柱状ストラン
ド12を溶着し、一体化することにより封止されてい
る。しかも、端面12aが円柱状ストランド12と直交
する方向に形成されているため、光ファイバーを挿入
し、レーザー光を先端側から出射した場合、レーザー光
の所望でない屈折や乱反射を確実に防止することがで
き、レーザー光を患部等に向かって確実に直進させるこ
とができる。加えて、先端部12cが上記のように半球
状に丸められているため、レーザーカテーテルチューブ
14Aを体内に挿入した場合、体内の表面や患部を傷つ
けるおそれもない。
【0043】製造方法の第2の例 上述した製造方法の第1の例では、レーザーカテーテル
チューブ14Aにおいて気泡を巻き込むおそれがある。
これを、図5を参照して説明する。すなわち、熱可塑性
樹脂チューブ13に円柱状ストランド12を挿入し加熱
した場合、熱可塑性樹脂チューブ13内の空気が加熱に
より膨張し、熱可塑性樹脂チューブ13の内面と円柱状
ストランド12との間の界面から外側に抜けようとす
る。
【0044】他方、円柱状ストランド12の先端部分1
2cは、金型内で丸められるにつれて、図5(b)に示
すように、半球状の先端部12cの後面側に凹部12d
が形成されがちとなる。そのため、図5(c)に示すよ
うに、溶着後に、熱可塑性樹脂チューブ13内から熱可
塑性樹脂チューブ13と円柱状ストランド12との溶着
部分を通って抜け出てきた空気が、上記凹部12d内に
留まり、最終的に熱可塑性樹脂チューブ13の先端面1
3aと円柱状ストランド12の先端部12cとが溶着さ
れた段階で、内部に気泡19が残存することがあった。
このような気泡19が存在すると、レーザー光の乱反射
や所望でない屈折を生じる可能性がある。
【0045】本発明に係るレーザーカテーテルチューブ
の製造方法の第2の例は、このような気泡の巻き込みを
防止し得るものである。すなわち、図6(a)に示すよ
うに、熱可塑性樹脂チューブ13を用意した後、該熱可
塑性樹脂チューブ13の先端面13aから後方に向かっ
て複数の切り込みを形成する。
【0046】切り込み13bは、図6(b)では、熱可
塑性樹脂チューブ13の後方、すなわち熱可塑性樹脂チ
ューブ13の長さ方向に延びるように形成されている
が、熱可塑性樹脂チューブ13の径方向と交差する方向
であれば、特に限定されるものではない。もっとも、好
ましくは、熱可塑性樹脂チューブ13の長さ方向と略平
行に形成することにより、熱可塑性樹脂チューブ13の
先端から空気を確実に逃がすことができる。また、切り
込み13bの数についても特に限定されず、少なくとも
1本の切り込み13bが形成されておればよい。
【0047】次に、図6(c)に示すように、熱可塑性
樹脂チューブ13に、第1の例の場合と同様に、円柱状
ストランド12を挿入する。しかる後、図4に示した金
型15を用いて第1の例の場合と同様にして円柱状スト
ランド12を熱可塑性樹脂チューブ13に溶着すると共
に、円柱状ストランド12の先端を丸める。このように
して、レーザーカテーテルチューブを得ることができ
る。
【0048】本例では、上記複数の切り込み13bが形
成されているため、溶着に際し熱可塑性樹脂チューブ1
3内の空気が温められ、熱可塑性樹脂チューブ13と円
柱状ストランド12との間の界面から外側に抜けようと
した場合、切り込み13bから容易に抜け出る。従っ
て、図7(a)に示すように、円柱状ストランド12の
先端部分12cが丸められ、凹部12dが形成されたと
しても(図7(b)参照)、気泡を巻き込むことなく、
円柱状ストランド12が熱可塑性樹脂チューブ13に確
実に溶着される(図7(c)参照)。
【0049】その他の点については、前述した第1の例
の製造方法と同様である。従って、円柱状ストランド1
2の端面12aが円柱状ストランド12の長さ方向と正
確に直交しているため、レーザー光を乱反射や所望でな
い屈折を起こすことなく患部に照射することができる。
また、円柱状ストランド12の先端部12cが略半球状
に丸められているため、患部等を傷つけるおそれもな
い。
【0050】なお、上記切り込み13bは、溶着時の熱
により再度閉じられることになるため、最終的に得られ
たレーザーカテーテルチューブ20では、切り込み13
bは表面に表れていない(図7(c)参照)。
【0051】製造方法の第3の例 本発明のレーザーカテーテルチューブの製造方法の第3
の例を、図8及び図9を参照して説明する。
【0052】第1,第2の例では、円柱状ストランド1
2を熱可塑性樹脂チューブ13に挿入した後に溶着する
と共に、円柱状ストランド12の先端を丸めていたが、
第3の例では、図8に示す先端が予め丸められた射出成
形品よりなる円柱状ストランド21を用いる。
【0053】すなわち、円柱状ストランド21は、円柱
状ストランド12と同様の材料で構成され得るが、射出
成形により構成されており、一方端面21aが円柱状ス
トランド21の長さ方向と略直交するように形成されて
いる。また、端面21aとは反対側には、先端が丸めら
れた傘状の先端部21bが形成されている。先端部21
bは、その先端側が丸められており、かつ最大径部分の
径は熱可塑性樹脂チューブの外径とほぼ同等とされてい
る。
【0054】なお、円柱状ストランド21は、先端側に
上記のような最大径部分を有する先端部21bを有する
が、本明細書においては、このような先端部21bを有
するものも、「円柱状ストランド」なる表現に含まれる
ものとする。
【0055】第3の例では、上記のような先端部21b
及び端面21aが設けられた円柱状ストランド21を熱
可塑性樹脂チューブ13に挿入し、図9に示すように金
型22内にセットし、加熱することにより、溶着する。
【0056】金型22は、高周波誘電金型であり、環状
絶縁体22aの外周面により熱可塑性樹脂チューブ13
を加熱し、熱可塑性樹脂チューブ13と円柱状ストラン
ド21とを溶着するように機能する。なお、22b,2
2cは高周波電源23に接続される電極金型であり、環
状絶縁体22aを挟持するように配置されている。
【0057】金型22を用いて加熱することにより、熱
可塑性樹脂チューブ13と円柱状ストランド21とが溶
着され、レーザーカテーテルチューブを得ることができ
る。この例においても、円柱状ストランド21の端面2
1aが円柱状ストランド21の長さ方向と直交するよう
に形成されているため、得られたレーザーカテーテルチ
ューブでは、挿入された光ファイバーの先端から出射さ
れたレーザー光が患部に対して確実に直進される。ま
た、円柱状ストランド21の先端部21bは予め丸めら
れているため、レーザーカテーテルチューブが生体内の
表面や患部を傷つけるおそれもない。
【0058】なお、第3の例においても、好ましくは、
熱可塑性樹脂チューブ13として、第2の例で用いた熱
可塑性樹脂チューブのように複数の切り込み13bを形
成したものを用いてもよく、それによって、同様に溶着
部分への気泡の噛み込みを防止することができる。
【0059】変形例 上述した本発明に係るレーザーカテーテルチューブの製
造方法の第1〜第3の例では、熱可塑性樹脂チューブと
円柱状ストランドとを溶着するにあたり、高周波加熱法
を用いたが、他の加熱方法により円柱状ストランドと熱
可塑性樹脂チューブとを溶着してもよく、加熱方法は特
に限定されるものではない。
【0060】製造方法の第4の例 図11は、本発明のレーザーカテーテルチューブ及びそ
の製造方法の第4の例を説明するための側面図である。
これは、請求項7に記載の発明に係るレーザーカテーテ
ルチューブの製造方法である。
【0061】まず、例えば、請求項1記載のレーザーカ
テーテルチューブのような封止された先端31aの内面
31bが、チューブの長さ方向と直交するように構成さ
れているチューブ31を用意する。このチューブ31の
先端部を、合成樹脂の溶解液に浸漬し、瞬時に引き上げ
る。これにより、図11(a)に示すように、このチュ
ーブ31の先端部に、表面張力により合成樹脂の溶解液
2dが液滴状に塗布される。
【0062】次いで、前記チューブの先端に付着した合
成樹脂の溶解液を乾燥させる。これにより、合成樹脂の
溶解液2d中の有機溶剤が揮発乾燥し、液滴形状がしぼ
み、図11(b)に示すように、シボ状の凹凸2cの入
った表面が形成される。このようにして得られたレーザ
ーカテーテルチューブ30は、内部に光ファイバーが挿
入されレーザー光が導かれると、レーザー光は内面31
bのため直進するが、先端の外面の凹凸2cによって適
度に散乱される。従って、レーザー光を直進させようと
した場合に、レーザー光出力が大きすぎる場合や、ほの
かにぼやかして照射したい場合に特に有効である。
【0063】上記の製造方法においては、チューブ31
の先端31aの形状が半球形状に丸められていたが、図
12に示すように、先端32aの形状が平型形状に形成
されたチューブ32の方がより確実、かつ鮮明にシボ状
の凹凸が形成され易い。
【0064】
【実施例】以下、本発明のレーザーカテーテルチューブ
及びその製造方法の具体的な実験例としての実施例を説
明する。
【0065】実施例1 上述した製造方法の第1の例に従ってレーザーカテーテ
ルチューブを作製した。熱可塑性樹脂チューブ13とし
て、軟質塩化ビニルからなり、内径1.1mm、外径
2.0mmであり、表面が平滑なチューブを成形した。
また、円柱ストランドを得るために、上記熱可塑性樹脂
チューブの成形の場合と同じ原料を用い、直径1.2m
mの長尺状の断面円形の棒材を成形した。
【0066】次に、上記棒材を2mmの長さに、かつ切
断面が長さ方向と正確に直交するようにペーパーカッタ
ーを用いて切断し、前述した端面12aを有する円柱状
ストランド12を得た。
【0067】次に、上記円柱状ストランド12を熱可塑
性樹脂チューブ13の先端に1mmの深さまで挿入し、
図4に示した金型15を加熱し、複合体14を金型15
に挿入し、円柱状ストランド12と熱可塑性樹脂チュー
ブ13とを溶着すると共に、先端を丸めた。
【0068】加熱に際しては、金型15に高周波発振機
(精電舎電子工業社製、商品名:UK−5K)を接続
し、高周波誘導加熱により行った。なお、金型15につ
いては、誘導コイル18として直径4mmの銅パイプが
4ターン巻回されたものを用いた。また、加熱に際し、
上記高周波発振機の出力の90%(定格高周波出力は5
kW)で2.6秒加熱(推定金型最高温度は105〜1
70℃)した。次に、金型を加熱した後、熱可塑性樹脂
チューブ13と円柱状ストランド12とを複合化した複
合体14を金型15の穴15aに挿入し、10秒間保持
し、しかる後金型15より引き抜いた。このようにし
て、レーザーカテーテルチューブ14Aを得た。
【0069】実施例2 上述した製造方法の第3の例に従ってレーザーカテーテ
ルチューブを作製した。
【0070】熱可塑性樹脂チューブについては、実施例
1と同様にして成形したものを用いた。また、図8に示
した射出成形品である円柱状ストランド21について
は、熱可塑性樹脂チューブの作製に用いた軟質塩化ビニ
ル樹脂を用い、端面21aの径が1.2mm、先端部2
1bの最大径部分の寸法(すなわち傘の部分の最大径寸
法)が2.0mm、円柱部21cの長さが1mmのもの
を成形した。
【0071】上記のようにして成形した円柱状ストラン
ド21を熱可塑性樹脂チューブ13に、傘の部分が当接
するまで挿入し、その状態で図9に示した高周波誘電金
型で熱可塑性樹脂チューブ13の円柱状ストランド21
の円柱部21cに当接している部分を加熱し溶着した。
なお、図9に示した環状絶縁体22aの熱可塑性樹脂チ
ューブ13に当接されている部分の熱可塑性樹脂チュー
ブ13の長さ方向に沿う寸法は、上記円柱部21cの長
さと同等とした。また、高周波誘電金型による加熱条件
は、最大高周波出力3kW、周波数40MHz、印加時
間4秒とした。上記のようにして、円柱状ストランド2
1を熱可塑性樹脂チューブ13に溶着し、実施例2のレ
ーザーカテーテルチューブを作製した。
【0072】比較例 比較のために、円柱状ストランドを用いることなく、実
施例1で用いた熱可塑性樹脂チューブ13を図4に示す
金型15に挿入し加熱することにより先端を封止すると
共に丸めた。
【0073】評価 実施例1及び比較例で得たレーザーカテーテルチューブ
を各5本用意した。比較例のレーザーカテーテルチュー
ブ5本を、サンプルA〜サンプルEとし、実施例1の5
本のレーザーカテーテルチューブを、サンプルF〜サン
プルJとする。
【0074】上記各レーザーカテーテルチューブに対
し、レーザーに接続された光ファイバーを挿入し、79
0nmの波長の半導体レーザー光をレーザーカテーテル
チューブ先端から出射し、レーザーカテーテルチューブ
のレーザー光透過率を測定した。なお、1つのサンプル
のレーザーカテーテルチューブに対し、光ファイバーを
挿入しレーザー光透過率を測定した後、該光ファイバー
を抜去し、再度挿入してレーザー光透過率を測定する工
程を5回繰り返した。このようにして、1つのサンプル
のレーザーカテーテルチューブに対し同一の光ファイバ
ーを挿入した場合の光透過率のばらつきを調べた。結果
を下記の表1及び表2に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】表1及び表2の結果から、比較例のレーザ
ーカテーテルチューブ、すなわちサンプルA〜Eでは、
光透過率の変化が5.9%以上と高く、全体としての光
透過率のばらつきは15.6%と高かったのに対し、実
施例1のレーザーカテーテルチューブでは、最も変化幅
の大きかったサンプルHでも4.3%の変化幅であり、
サンプルF〜Jの変化幅の平均は5.3%に過ぎなかっ
た。
【0078】従って、実施例1で得たレーザーカテーテ
ルチューブを用いれば、レーザー光の光透過率のばらつ
きを大幅に低減し得ることがわかる。
【0079】実施例3 上述した製造方法の第4の例に従ってレーザーカテーテ
ルチューブを作製した。図11に示したチューブ31と
して、外径2.0mm、内径1mm、長さ150mmの
軟質塩化ビニル製チューブで、封止された先端31aの
内面31bが、チューブの長さ方向と直交するように構
成されており、先端31aの外面が半球形状に丸められ
ているものを用意した。
【0080】前記チューブ31のレーザー光出光部表面
を以下のように加工した。上記チューブ31のレーザー
光出光部側の端10mmを、ペーストレジン〔テトラヒ
ドロフラン(溶剤)100ml、ジオクチルフタレート
(可塑剤、乾燥時間の調整のために添加した)10m
l、及び軟質塩化ビニルペレット(理研ビニル工業社
製、SR1147、チューブ31を構成する原料と同
じ)10gからなる〕に垂直下向き方向で浸漬し、瞬時
に引き上げた。これを引き上げた状態のまま1時間乾燥
させた。このようにして図11(b)に示したようなシ
ボ状の凹凸2cが形成されたレーザーカテーテルチュー
ブ30を得た。得られたレーザーカテーテルチューブの
レーザー光の出光角を求めると15.5度であった。ま
た、このレーザーカテーテルチューブのレーザー光出光
部の表面の性状を示す顕微鏡写真を図13に示す。な
お、上記の凹凸形成の加工をする前のチューブ31のレ
ーザー光の出光角は11.3度であった。また、比較の
ために、上記の凹凸形成の加工をする前のチューブ31
のレーザー光出光部の表面の性状を示す顕微鏡写真を図
14に示す。
【0081】実施例4 上述した製造方法の第4の例に従ってレーザーカテーテ
ルチューブを作製した。チューブとして、図12に示し
たような、外径2.0mm、内径1mm、長さ150m
mの軟質塩化ビニル製チューブで、封止された先端の内
面が、チューブの長さ方向と直交するように構成されて
おり、先端32aの外面が平型形状に形成されたチュー
ブ32を用意した。
【0082】上記チューブ32を用いたことの他は、実
施例3と同様にして凹凸形成の加工をした。得られたレ
ーザーカテーテルチューブのレーザー光の出光角を求め
ると24.2度であった。また、このレーザーカテーテ
ルチューブのレーザー光出光部の表面の性状を示す顕微
鏡写真を図15に示す。このように実施例3よりもより
確実にシボ付けがなされたレーザーカテーテルチューブ
が得られた。
【0083】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係るレーザーカ
テーテルチューブは、先端が封止されている軟質の樹脂
チューブよりなるレーザーカテーテルチューブであっ
て、前記封止された先端の内面が、レーザーカテーテル
チューブの長さ方向と直交するように構成されているの
で、レーザー光が先端から高度の直進性をもって出射さ
れる。よって、本発明のレーザーカテーテルチューブを
用いることにより、患部に対してレーザー光のエネルギ
ーを効率よく照射することができ、レーザー光を用いた
診断や治療の効率を高めることが可能となる。
【0084】請求項2に記載の発明に係るレーザーカテ
ーテルチューブの製造方法では、一方端面が長さ方向と
直交するように構成された円柱状ストランドを熱可塑性
樹脂よりなるチューブに挿入し、両者を熱溶着している
ため、得られたレーザーカテーテルチューブでは、先端
の封止された部分の内面が上記円柱状ストランドの一方
端面により構成されているため、レーザー光が出射され
るレーザーカテーテルチューブ先端の内面が、レーザー
カテーテルチューブの長さ方向と正確に直交される。従
って、レーザー光を、レーザーカテーテルチューブから
患部に対して高い直進性をもって照射することが可能と
なる。よって、本発明の製造方法で得られたレーザーカ
テーテルチューブを用いることにより、患部に対してレ
ーザー光のエネルギーを効率よく照射することができ、
レーザー光を用いた診断や治療の効率を高めることが可
能となる。
【0085】請求項3に記載の発明では、円柱状ストラ
ンドの上記一方端面とは反対側の端部が、熱溶着工程に
おいて丸められるため、レーザー光が先端から確実に直
進されるだけでなく、先端が丸められているので患部や
生体内の表面を傷つけないレーザーカテーテルチューブ
を確実に得ることができる。
【0086】請求項4に記載の発明では、円柱状ストラ
ンドとして、一方端面と反対側の端部が予め丸められた
ものを用いるため、レーザー光が先端から確実に直進さ
れるだけでなく、先端が丸められているので患部や生体
内の表面を傷つけないレーザーカテーテルチューブを確
実に得ることができる。
【0087】請求項5に記載の発明によれば、少なくと
も1本の切り込みが熱可塑性樹脂チューブに形成されて
いるので、溶着に際しチューブ内の空気が温められたと
しても、温められた空気が切り込みから外部に速やかに
流出するため、熱可塑性樹脂チューブと円柱状ストラン
ドとの溶着部分における気泡の巻き込みを確実に防止す
ることができる。
【0088】また、請求項2〜5のいずれかに記載の発
明において、円柱状ストランドが熱可塑性樹脂により構
成されている場合には、熱可塑性樹脂よりなるチューブ
と円柱状ストランドとを溶着により強固に一体化するこ
とができる。
【0089】請求項6に記載の発明に係るレーザーカテ
ーテルチューブは、先端が封止されている軟質の樹脂チ
ューブよりなるレーザーカテーテルチューブであって、
前記封止された先端の内面が、レーザーカテーテルチュ
ーブの長さ方向と直交するように構成され、更に、前記
封止された先端の外面に、凹凸が設けられているので、
レーザー光を適度に散乱させ得る。よって、本発明のレ
ーザーカテーテルチューブは、レーザー光を直進させよ
うとした場合に、レーザー光出力が大きすぎる場合や、
ほのかにぼやかして照射したい場合に特に有効である。
【0090】請求項7に記載の発明に係るレーザーカテ
ーテルチューブの製造方法では、合成樹脂の溶解液に、
封止された先端の内面がチューブの長さ方向と直交する
ように構成されているチューブの先端部を浸漬し、該先
端に付着した樹脂の溶解液を乾燥させることにより、封
止された先端の外面に、凹凸が設けられるので、得られ
たレーザーカテーテルチューブはレーザー光を適度に散
乱させ得る。よって、レーザー光を直進させようとした
場合に、レーザー光出力が大きすぎる場合や、ほのかに
ぼやかして照射したい場合に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の熱可塑性樹脂チューブの先端の封止構造
を説明するための断面図。
【図2】本発明のレーザーカテーテルチューブを説明す
るための断面図。
【図3】本発明のレーザーカテーテルチューブの製造方
法の第1の例を説明するための斜視図。
【図4】本発明のレーザーカテーテルチューブの製造方
法の第1の例で用いられる金型を説明するための図であ
り、(a)は縦断面図、(b)は金型の要部を示す部分
断面図、(c)は平面図。
【図5】本発明のレーザーカテーテルチューブの製造方
法において気泡が巻き込む可能性を説明するための図で
あり、(a)はチューブと円柱状ストランドとの複合体
を溶着する途中の工程を説明するための斜視図、(b)
は溶着工程途中における円柱状ストランドの傘の部分を
説明するための側面図、(c)は気泡を巻き込んだ状態
を説明するための部分切欠側面図。
【図6】(a)〜(c)は、本発明のレーザーカテーテ
ルチューブの製造方法の第2の例を説明するための各斜
視図。
【図7】(a)〜(c)は、本発明のレーザーカテーテ
ルチューブの製造方法の第2の例を説明するための図で
あり、(a)は斜視図、(b)は溶着工程途中の円柱状
ストランドの側面図、(c)は得られたレーザーカテー
テルチューブを説明するための部分切欠斜視図。
【図8】本発明のレーザーカテーテルチューブの製造方
法の第3の例で用いられる円柱状ストランドを示す斜視
図。
【図9】本発明のレーザーカテーテルチューブの製造方
法の第3の例における溶着工程を説明するための断面
図。
【図10】請求項6に記載のレーザーカテーテルチュー
ブを説明するための側面図。
【図11】本発明のレーザーカテーテルチューブの製造
方法の第4の例を説明するための側面図。
【図12】先端の形状が平型形状に形成されたチューブ
の例を示す側面図。
【図13】実施例3で得られたレーザーカテーテルチュ
ーブのレーザー光出光部の表面の性状を示す顕微鏡写真
である。
【図14】実施例3における凹凸形成の加工をする前の
チューブのレーザー光出光部の表面の性状を示す顕微鏡
写真である。
【図15】実施例4で得られたレーザーカテーテルチュ
ーブのレーザー光出光部の表面の性状を示す顕微鏡写真
である。
【符号の説明】
2 レーザーカテーテルチューブ 2a 先端 2b 内面 12 円柱状ストランド 12a 一方端面 13 熱可塑性樹脂よりなるチューブ 21 円柱状ストランド 21a 一方端面 14A レーザーカテーテルチューブ 30 レーザーカテーテルチューブ 2c 凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中泉 政博 山口県新南陽市開成町4560 積水化学工業 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端が封止されている軟質の樹脂チュー
    ブよりなるレーザーカテーテルチューブであって、 前記封止された先端の内面が、レーザーカテーテルチュ
    ーブの長さ方向と直交するように構成されていることを
    特徴とするレーザーカテーテルチューブ。
  2. 【請求項2】 先端が封止されている軟質の樹脂チュー
    ブよりなるレーザーカテーテルチューブの製造方法であ
    って、 熱可塑性樹脂よりなるチューブと、前記チューブの内径
    と略同等の外径を有し、かつ一方端面が長さ方向と直交
    するように構成されている円柱状ストランドとを用意す
    る工程と、 前記チューブの先端開口に、前記円柱状ストランドを前
    記一方端面側から、但し、一方端面とは反対側の端部近
    傍部分がチューブから突出された状態となるように挿入
    する工程と、 前記チューブと円柱状ストランドとを熱溶着する工程と
    を備えることを特徴とするレーザーカテーテルチューブ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱溶着工程において、チューブと円
    柱状ストランドとを熱溶着すると共に、前記円柱状スト
    ランドの前記一方端面とは反対側の端部を丸めることを
    特徴とする請求項2に記載のレーザーカテーテルチュー
    ブの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記チューブ及び円柱状ストランドを用
    意する工程において、前記円柱状ストランドとして、一
    方端面とは反対側の端部が予め丸められたものを用意す
    る請求項2に記載のレーザーカテーテルチューブの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記チューブ及び円柱状ストランドを用
    意する工程において、前記チューブとして、先端開口か
    ら径方向と交差する方向に延びるように形成された少な
    くとも1本の切り込みが形成されたチューブを用いるこ
    とを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のレーザー
    カテーテルチューブの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のレーザーカテーテルチ
    ューブにおいて、 前記封止された先端の外面に、凹凸が設けられているこ
    とを特徴とするレーザーカテーテルチューブ。
  7. 【請求項7】 先端が封止されている軟質の樹脂チュー
    ブよりなるレーザーカテーテルチューブの製造方法であ
    って、 前記封止された先端の内面が、レーザーカテーテルチュ
    ーブの長さ方向と直交するように構成されているチュー
    ブを用意する工程と、 合成樹脂の溶解液に前記チューブの先端部を浸漬する工
    程と、 前記チューブの先端に付着した樹脂の溶解液を乾燥させ
    る工程とを備えることを特徴とするレーザーカテーテル
    チューブの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024071011A1 (ja) * 2022-09-30 2024-04-04 テルモ株式会社 カテーテルおよびカテーテルへのマーカー部材の固定方法

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