JP6513611B2 - 橋梁点検システム - Google Patents

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Description

本発明は、橋梁点検用の複数のカメラを備えた橋梁点検システムに関する。
従来、伸縮可能なアームと、アーム上に間隔を置いて実装された複数のカメラとを備え、橋梁などの点検に用いられる撮影装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような撮影装置では、アームを伸ばすと、アーム自身の荷重や、アーム上のカメラ、各種ケーブルに働く重力によってアームが撓むので、カメラ同士の間に角度差を生じ、各カメラの撮影画像を1枚の画像に合成する場合などにおいて支障が生じる。
このアームの撓みを抑制するために、特許文献1の撮影装置では、アームの複数個所にケーブルを接続し、各ケーブルを、アームの根元に設置された支柱を経由して巻取機で引っ張るようにしている。その際、伸長可能に構成されたアームの長さに応じて、巻取機による各ケーブルの張力が、アーム上の水平センサの検出値に基づいて制御される。
巻取機を含む撮影装置は、橋梁上の橋梁点検車により駆動される伸縮可能なブームを介して橋梁の横に支持されたデッキの上に配置される。また、デッキ上には点検作業者が配置され、点検作業者により撮影装置の操作などが行われる。
特開2014−174280号公報
しかしながら、特許文献1の撮影装置によれば、橋梁の上でブームやデッキを支持する橋梁点検車や、巻取機などを有する。また、アームの伸長量に応じて、各ケーブルの引張り量を、水平センサの検出値に基づいて調整するために、複雑な制御を必要とする。このため、装置が複雑であり、装置及びその可動のための高いコストを必要とする。
また、橋梁の上に橋梁点検車を配置しなければならないため、橋梁上で大掛かりな交通規制を行う必要がある。したがって、撮影装置のセットアップや撤収等に長時間を要し、作業員もそれなりの人数を要する。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、低コストで簡便に橋梁の床版下で点検用カメラを極力直線状に配列できる橋梁点検システムを提供することにある。
第1発明に係る橋梁点検システムは、
点検対象となる橋梁の幅に対応する長さを有する棒状のカメラ支持部材と、
前記カメラ支持部材が前記橋梁の幅方向に沿って該橋梁の床版の下方に位置するように該カメラ支持部材の両端部を支持するための両端部支持手段と、
前記カメラ支持部材上に間隔を置いて設置される橋梁点検用の複数のカメラとを備え、
前記カメラ支持部材は、前記カメラが設置され、かつ前記両端部支持手段により支持された状態で重力により直線状となるように、予め曲りを有することを特徴とする。
第1発明の橋梁点検システムで撮影を行う際には、カメラが設置されたカメラ支持部材を両端部支持手段で支持して橋梁の床版の下方に位置させ、床版の各カメラに対応する部位が、下方から各カメラで撮影される。
ただし、カメラ支持部材は、両端部支持手段で両端部が支持された場合に、重力による撓みを生じる。かかる撓みにより各カメラの向きや撮影部位までの距離が不揃いとなっても、各カメラのパンやチルト、ズーム機能を個別に制御することにより、各カメラによる統一した方向及び倍率での撮影を行うことは、ある程度は可能である。
しかし、各カメラにおける制御可能な範囲には限界がある。したがって、カメラ支持部材を重力による撓みで湾曲させることなく極力直線状に維持して、各カメラの向きや撮影部位までの距離を極力統一するのが好ましい。
この点、第1発明によれば、カメラ支持部材は予め曲りを有しており、カメラが設置されて両端部が支持された状態では、重力により撓んで直線状となるので、各カメラを極力直線状に配列し、各カメラの向きや撮影部位までの距離を極力統一することができる。
そして、この作用を、予め曲りを有するカメラ支持部材の両端部を両端部支持手段により支持するだけで達成することができる。すなわち、第1発明によれば、低コストで簡便に橋梁の床版下で点検用のカメラを極力直線状に配列することができる。
第2発明に係る橋梁点検システムは、第1発明において、
前記カメラ支持部材は、
複数の棒状部材と、
隣接する前記棒状部材に対して、一方及び他方の側が固定されて各棒状部材を接続する接続部材とを備え、
各接続部材は曲がった中間部を有し、
前記カメラ支持部材の曲りは、各接続部材の曲がった中間部により形成されていることを特徴とする。
第2発明によれば、カメラ支持部材の曲りは、各接続部材の曲がった中間部により形成されるので、カメラ支持部材の棒状部材として曲りを設けるのが困難な部材を用いる場合でも、カメラ支持部材の曲りを容易に設定することができる。また、カメラ支持部材は、複数の棒状部材により構成されるので、各棒状部材の長さを適切に選択することにより、普通乗用車などに容易に載せることができる。
第3発明に係る橋梁点検システムは、第2発明において、
前記棒状部材は、横断面が矩形状である金属フレームで構成されており、
隣接する前記棒状部材及び対応する前記接続部材は、該接続部材の一方の側及び他方の側が、該隣接する棒状部材にそれぞれ嵌合し得るように構成されており、
各接続部材は、一方及び他方の側を対応する前記棒状部材にボルトで固定するためのねじ穴を前記曲りの曲率中心側の側面にのみ有し、
前記棒状部材は、前記ねじ穴に対応するばか穴を有することを特徴とする。
第3発明によれば、隣接する各棒状部材に接続部材を嵌合させ、棒状部材のばか穴から接続部材の曲率中心側の側面のねじ穴にボルトを螺合させるだけで、直ちに棒状部材の接続を行うことができるので、カメラ支持部材を迅速に組み立てることができる。その際に、接続部材が曲率中心側の面にのみねじ穴を有するので、全体として1方向にのみ曲りを有するカメラ支持部材を、確実に組み立てることができる。
第4発明に係る橋梁点検システムは、第3発明において、
前記棒状部材は、前記ばか穴を、該棒状部材の4つの側面のうちの1つの側面にのみ有することを特徴とする。
第4発明によれば、棒状部材を接続部材で接続するとき、棒状部材の4つの側面のうちのばか穴を有する面が必然的に曲率中心側に位置することになるので、ばか穴を有する面が確実に曲率中心側に位置するように、棒状部材を接続することができる。
したがって、棒状部材として、その4つの側面が同一ではなく(中心軸線について回転対称ではなく)、中心軸線周りの角度において何らかの方向性を有するものを設計する場合でも、曲率中心側に位置する面を予測して設計を行うことができる。そして接続時には、この設計に従った方向性で、間違えることなく確実に棒状部材を接続部材で接続し、一方向にのみ曲がったカメラ支持部材を組み立てることができる。
第5発明に係る橋梁点検システムは、第1〜第4のいずれかの発明において、
前記両端部支持手段は、
前記カメラ支持部材の両端部にそれぞれ1本ずつ取り付けられた2本のロッド部材と、
各ロッド部材を吊り下げるためのロッド部材毎の吊下用ロープと、
各吊下用ロープを別個に昇降させるために前記橋梁の両側の各高欄に1台ずつ設置される2台のウインチとを備え、
各ロッド部材は、前記カメラ支持部材に対して、該ロッド部材の中心軸線の回りに所定の角度範囲内で回転自在となるように取り付けられており、
各吊下用ロープは、
対応する前記ロッド部材の両側の各端部にそれぞれ1本ずつ一端が固定され、他端が相互に結合された2本のロープと、
該2本のロープの相互に結合された他端に一端が接続される1本のロープとで構成され、
前記ウインチは、対応する前記吊下用ロープの1本のロープの他端側を昇降させるものであることを特徴とする。
第5発明によれば、両端部支持手段によるカメラ支持部材の支持を、簡便な構成で、かつ安定した姿勢で、橋梁の上から容易に行うことができる。
また、カメラ支持部材に対する各ロッド部材の中心軸線回りの回転を制限なく許容した場合には、カメラ支持部材を吊り上げたときに、吊り上げ前の地上等に置かれた状態での吊下げ用ロープとロッド部材との位置関係によっては吊下げ用ロープがロッド部材と絡み、ロッド部材が地面に対して平行に吊り上がらない不具合が生じるおそれがある。
この点、第5発明では、各ロッド部材のカメラ支持部材に対する回転を所定の角度範囲内に制限したので、かかる不具合の発生を防止し、さらに安定した姿勢でカメラ支持部材を吊り上げることができる。所定の角度範囲は、例えば、この不具合発生を防止することができる最大の範囲より小さい範囲に設定することができる。
第6発明に係る橋梁点検システムは、第5発明において、
各ウインチを前記橋梁の高欄に取り付けるためのウインチ取付手段をウインチ毎に備え、
前記ウインチ取付手段は、前記高欄を水平方向に挟んで該ウインチを解除可能に固定するためのクランプ部と、
前記クランプ部に設けられ、該クランプ部を前記高欄に沿って移動させるのを補助するために該高欄の上面で転動可能なローラとを有することを特徴とする。
第6発明によれば、クランプ部とローラにより、橋梁の高欄にウインチを容易に固定するとともに、固定位置を容易に変更することができる。
本発明の一実施形態に係る橋梁点検システムの正面図である。 図1のシステムにおける棒状部材を接続するための構成を示す斜視図である。 図1のシステムにおける棒状部材の接続部分を示す正面図である。 図1のシステムの一部を示す斜視図である。 図1のシステムを用いて橋梁の点検を行う様子を示す斜視図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る橋梁点検システム1は、点検対象となる橋梁2の幅に対応する長さを有する棒状のカメラ支持部材3と、カメラ支持部材3が橋梁2の幅方向に沿って橋梁2の床版4の下方に位置するようにカメラ支持部材3の両端部を支持するための両端部支持手段5と、カメラ支持部材3上に間隔を置いて設置される橋梁2点検用の複数のカメラ6aとを備える。カメラ支持部材3は、複数の棒状部材7を接続して構成される。
カメラ支持部材3の両端部には、点検状況の確認用のカメラ6bが取り付けられる。カメラ6bは、点検用のカメラ6aやカメラ支持部材3を構成する棒状部材7などの床版4の下に配置されるシステム部分全体の状況を確認するために用いられる。各カメラ6a及び6bは、カメラ支持部材3の任意の位置に配置できるように、クランプ8を介してカメラ支持部材3に取り付けられる。
図2は、カメラ支持部材3の隣り合う棒状部材7を接続するための構成を示している。図2に示すように、カメラ支持部材3は、隣接する棒状部材7に対して、一方及び他方の側が固定されて各棒状部材7を接続する接続部材9を備える。
本実施形態では、棒状部材7として、横断面が矩形状であるアルミフレームが用いられる。具体的には、例えば、SUS株式会社の40mm角のフレーム材であるXF−40・40(商品名)を好ましく用いることができる。
棒状部材7としては、カメラ支持部材3の基本の長さを最長12mとして、長さが2mのものが6本用意される。また、カメラ支持部材3の長さを50cm刻みで調整できるように、1.5m、1m、0.5mのものが1本ずつ用意される。
なお、調整量を50cm刻みとしたことにより、カメラ支持部材3の長さには、橋梁2の総幅員に対して最大25cm、すなわち片側の高欄10の部分においては最大12.5cmの過不足が生じる。しかし、この値は、高欄10に主桁11を加えた高さに比べて十分小さいので、カメラ支持部材3に対して過大な圧縮又は引張応力を生じさせるものではない。
接続部材9としては、隣接する各棒状部材7に対して、一方及び他方の側が嵌合されてボルト12で固定されることにより各棒状部材7を結合する金属製の部材、具体的にはアルミ製の部材が用いられる。接続部材9の棒状部材7に対する嵌合は、棒状部材7の内側に対して行われる。接続部材9の中間部には、棒状部材7の嵌合量を決定する位置決め部材9aが設けられる。
カメラ支持部材3は、カメラ6a、6bが設置され、かつ両端部支持手段5により支持された状態で重力により直線状となるように、曲りを有する。この曲りは、各接続部材9の曲がった中間部により形成される。
すなわち、図3に示すように、各接続部材9は、その長さ方向の中間部において曲がった部分を有している。接続部材9が曲がった部分を有することによってその両側の棒状部材7が成す角度をθとすれば、たとえばtanθ=1/10を満たすような程度の値である。このような曲がった部分を有する接続部材9は、切削加工や射出成形により形成することができるが、棒状の部材をプレス加工することにより安価に入手することもできる。
各接続部材9は、ボルト12による固定を行うためのねじ穴13を、曲がった部分の曲率中心側の側面にのみ有する。このねじ穴13は、各接続部材9の一方の側及び他方の側に1つずつ設けられる。棒状部材7は、ねじ穴13に対応するばか穴14を有する。各接続部材9は、例えば、10cmの長さを有し、各ねじ穴13は中間部から2.5cmの箇所に設けられる。
したがって、各隣接する棒状部材7を、ボルト12を用いて接続部材9で接続した場合、各接続部材9の曲がった部分により、カメラ支持部材3全体としての曲りが形成されることになる。
図4のように、両端部支持手段5は、カメラ支持部材3の両端部によりそれぞれ1本ずつ中心部が支持された2本のロッド部材15と、各ロッド部材15を吊り下げるためのロッド部材15毎の吊下用ロープ16と、各吊下用ロープ16にそれぞれ作用する2台のウインチ17(図1)とを備える。
各ロッド部材15は、カメラ支持部材3に対して垂直な中心軸線を有する。カメラ支持部材3の両端部によるロッド部材15の支持は、ロッド部材15がその中心軸線の回りに回転自在となるように行われる。すなわち、カメラ支持部材3の各端部と、対応するロッド部材15とでヒンジが構成され、各吊下用ロープ16は、このヒンジを介して、カメラ支持部材3に取り付けられる。
ただし、ロッド部材15の中心軸線回りの回転を制限なく許容した場合には、カメラ支持部材3を吊り上げたときに、吊り上げ前の地上等に置かれた状態での吊下用ロープ16とロッド部材15との位置関係によっては吊下用ロープ16がロッド部材15と絡み、ロッド部材15が地面に対して平行に吊り上がらない不具合が生じるおそれがある。そこで、各ロッド部材15のカメラ支持部材3に対する回転可能な範囲を所定の角度範囲内に制限している。この所定の角度範囲は、例えば、上述のヒンジとしての機能を十分達成できる最小限の角度範囲と、上記不具合の発生を防止することができる最大の角度範囲との間の範囲に設定することができる。
各吊下用ロープ16は、対応するロッド部材15の両端部にそれぞれ1本ずつ一端が接続され、他端が相互に固定された2本のロープ16aと、該2本のロープ16aの相互に固定された他端に一端が接続される1本のロープ16bとを有する。これらの接続は接続金具18により行われる。
上述のロッド部材15の回転角度範囲の制限に加え、ロッド部材15と吊下げ用ロープ16との間の接続金具18に接続されるリング状部材の可動範囲も制限される。これにより、カメラ支持部材3の吊上げ時における吊下用ロープ16のロッド部材15等との絡まりのより確実な防止が図られている。
図1のように、ウインチ17は、該1本のロープ16bの他端側を巻き上げるように、ロープ16bに接続される。また、各ウインチ17は、ウインチ取付手段19により、橋梁の両側の各高欄10に対して着脱自在に取り付けられる。各ウインチ取付手段19は、対応する高欄10を、その外面側及び内面側から水平方向に挟んでウインチ17を解除可能に固定するためのクランプ部20と、クランプ部20に設けられ、クランプ部20を高欄10に沿って移動させるのを補助するために高欄10の上面で転動するローラ21とを有する。
橋梁2の上には、各カメラ6a、6bを制御するためのモバイル端末としてのタブレット22と、各カメラ6a、6bに電力を供給するための小型電源装置23と、各カメラ6a、6bとタブレット22との間を無線で接続するネットワーク機器、具体的にはLAN用ハブ24やWi−Fiルータ25が配置される。
各カメラ6a、6bへの電力の供給は、各カメラ6a、6bとLAN用ハブ24との間を接続するLANケーブル26(図5)を介して行われる。タブレット22には、例えば、各カメラ6a、6bのうちの2台分の映像を表示できるようになっており、かつ表示対象のカメラ6a、6bを切り替えることができるようになっている。
この構成において、橋梁点検システム1を用いた橋梁2の点検は、少なくとも2名の検査員によって行われる。すなわち、点検に際しては、まず、橋梁2の下の河川敷においてカメラ支持部材3が組み立てられる。その際に、各隣接する棒状部材7に対して対応する接続部材9が嵌合され、ボルト12がばか穴14を通してねじ穴13に螺合され、各棒状部材7が連結される。
これにより、各接続部材9の中間部の曲がった部分により全体としての曲りが形成されたカメラ支持部材3が構成される。なお、両端の各接続部材9の端部には、ロッド部材15及び吊下用ロープ16のロープ16aが取り付けられている。
次に、カメラ支持部材3に、必要な数のカメラ6a及び6bが、点検に適した所定の位置に所定の間隔を置いて取り付けられる。この取付けは、各カメラ6a又は6bが固定されたクランプ8を用いて行われる。
このとき、カメラ6aは、カメラ支持部材3の曲りの外方(曲率中心と反対側)を向くように取り付けられる。カメラ6bは、カメラ支持部材3などが観察できるように、カメラ支持部材3に沿った方向を向くようにして、カメラ支持部材3の両端部に取り付けられる。
次に、橋梁2の両側の高欄10に取り付けられた各ウインチ17に他端側が取り付けられている各吊下用ロープ16のロープ16bの一端側が、各ウインチ17の操作により河川敷に下される。
次に、各吊下用ロープ16のロープ16aとロープ16bとが、接続金具18を用いて接続される。このとき、各吊下用ロープ16によってカメラ支持部材3の両端部を吊り下げたときに、カメラ支持部材3の湾曲により凸んだ側(曲率中心と反対側)が上方を向くように、カメラ支持部材3とロープ16aとの位置関係が考慮される。
次に、各ウインチ17により、各ロープ16bがそれぞれ巻き上げられる。このとき、上述のロッド部材15の回転範囲の制限などにより吊下用ロープ16のロッド部材15との絡まりが防止されているので、特に作業員を配置して絡まりの有無を監視する必要はない。したがって、2名の作業員で2台のウインチ17を操作するだけで、巻上げ作業を行うことができる。
これにより、カメラ支持部材3は、その凸んだ側が上方を向いた姿勢で、上方に引き上げられ、橋梁2の床版4下方の点検位置に配置される。このとき、カメラ支持部材3は、自身の重量、カメラ6a、6b、クランプ8などに働く重力により、下方へ撓む。この結果、カメラ支持部材3は、それが予め有する曲りが矯正されて、ほぼ直線の状態に遷移する。
これにより、点検用のカメラ6aは、チルトやパン、ズームによることなく、すべて鉛直上方を向き、かつ同一の倍率で橋梁2の床版4の下面が撮影可能な状態となる。また、カメラ6bは、すべてのカメラ6a及びカメラ支持部材3を含むその周囲の様子が確認できる状態となる。すなわち、カメラ6a、6bは、この状態となるように、カメラ支持部材3に対してクランプ8により予め取り付けられている。
次に、タブレット22により各カメラ6a及び6bからのリアルタイムの映像により撮影範囲における床版4の異常の有無を確認しながら、必要な静止画像を取得するなどの橋梁2の点検を開始する。このときの様子が図5に示されている。
なお、図5では、主桁11の数が2つの橋梁2について、3台の点検用のカメラ6aを用いて点検を行う様子が示されている。このように、主桁11の数や、橋梁2の幅に応じて、カメラ6aの台数や、カメラ支持部材3の長さが適宜選択される。
かかる点検に際しては、各カメラ6a及び6bのズームや、パン、チルトの操作が、各カメラ6a又は6b同時に又はカメラ6a及び6b毎に必要に応じて行われる。ただし、上述のように、カメラ6a及び6bは、ほぼ一直線上に位置しているので、ズームやパン、チルトの操作は、必要な映像を取得するに十分な範囲で行われる。取得される各静止画像の橋梁2上の位置は、各カメラ6a及び6bのカメラ支持部材3上の位置などによって特定され、記録される。
これにより、現在の橋軸方向の点検位置(カメラ支持部材3の位置)において、橋軸に直角な方向のすべての床版4の下面を点検し、撮影して得られたデータがタブレット22により保存される。
次に、このような点検作業が、橋軸方向の点検位置を変更しながら、順次行われる。点検位置の変更は、高欄10に対するクランプ部20の固定を解除し、ウインチ取付手段19を高欄10に沿って所望の位置まで移動させ、再度クランプ部20を高欄10に固定することにより行われる。
かかる一連の点検作業は、タブレット22にリアルタイムで表示されるカメラ支持部材3の両端部のカメラ6bからの画像により、橋梁点検システム1の床版4の下の部分、すなわち点検用のカメラ6a、各棒状部材7などの全体の状況をリアルタイムで確認しながら行われる。
点検作業が終了すると、上記の手順と逆の手順でカメラ支持部材3を河川敷に下し、カメラ6a、6bや、吊下用ロープ16、ウインチ17などを取り外し、カメラ支持部材3を分解して容易に橋梁点検システム1が撤収される。
以上のように、本実施形態によれば、カメラ支持部材3が点検時には重力により直線状となるので、橋梁2の床版4下でカメラ6a、6bを直線状に配列して点検を行うことができる。その配列は、カメラ6a、6bを取り付けたカメラ支持部材3の両端部を両端部支持手段5で支持するだけで行うことができる。したがって、低コストで簡便に橋梁2の床版4下でカメラ6a、6bを極力直線状に配列することができる橋梁点検システム1を提供することができる。
また、カメラ支持部材3の曲りは、各接続部材9の曲がった中間部により形成されるので、カメラ支持部材3の棒状部材7として曲りを設けるのが困難な部材を用いる場合でも、カメラ支持部材3の曲りを容易に設定することができる。
また、カメラ支持部材3を上述の棒状部材7と接続部材9とで構成したので、隣接する各棒状部材7に接続部材9を嵌合させ、各棒状部材7のばか穴14から接続部材9のねじ穴13にボルト12を螺合させるだけで、直ちにカメラ支持部材3を組み立てることができる。その際、ばか穴14は、棒状部材7の4つの側面のうちの1つの側面にのみ存在するので、棒状部材7の中心軸線回りの方向性を間違えることなく確実に棒状部材7を接続部材9で接続することができる。
また、このようにシステムが簡便で構成が簡単であり、かつ吊下用ロープ16のロッド部材15に対する絡まりが防止されているため、最低2名の作業員により、普通乗用車に橋梁点検システム1を積んで現場に向かい、橋梁2の点検を行い、撤収することができる。点検に際しては、橋梁2上に小型電源装置23、ウインチ17等を配置するだけで足りるので、橋梁2上の大掛かりな交通規制を不要とすることができる。
また、橋梁2の点検に際しては、通常、各カメラ6a、6bは、カメラ支持部材3において、橋梁2の主桁11に対応する位置の間に配置されるので、カメラ支持部材3を主桁11に接触する位置まで近付けることができる。また、カメラ支持部材3を主桁11に接触させてカメラ支持部材3の振動を抑制した状態で点検を行うこともできる。その場合に、カメラ6bによって、接触等の様子をリアルタイムで確認することができる。
また、カメラ支持部材3の両端部は、回転自在なロッド部材15によるヒンジ構造を介して吊下用ロープ16により吊り下げるようにしているので、カメラ支持部材3の支持を、簡便な構成で、かつ安定した姿勢で、橋梁2の上から容易に行うことができる。また、橋梁2の高欄10にはロープ16bの張力のみを作用させることができる。
また、棒状部材7としては、長さが2mのものに加え、1.5m、1m、0.5mのものも用意したので、種々の幅員の橋梁2の点検に対応することができる。
また、システムのセットアップ、点検作業、システムの撤収を簡単に行うことができ、かつ各部の構造も単純であるため、不具合の発生が少なく、取扱いやメンテナンスも容易である。
また、長さが2mの棒状部材7や接続部材9は同一仕様のものとして構成することができる。このため、これらの一部に不具合が生じた場合でも、交換が容易であり、経済的である。
また、上述の棒状部材7及び接続部材9を用いてカメラ支持部材3を最適化することにより、例えば、12mの長さのカメラ支持部材3に約1kgのカメラ6a、6bを1m間隔で設置しても支障なくカメラ支持部材3を機能させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、接続部材9には2つに限らずより多くのねじ穴を設けたり、曲率中心と反対側の面にもねじ穴を設けたりして、より多くのボルトを用いて棒状部材7を接続するようにしてもよい。また、棒状部材7と接続部材9との間に補強板を挟んで接続するようにしてもよい。
また、カメラ支持部材3は、予め曲りが設けられた1本の棒状の部材で構成してもよい。また、ウインチ17を用いずに、作業員がその手でロープ16bを引き上げてカメラ支持部材3を吊り下げるようにしてもよい。また、カメラ支持部材3の昇降は、吊下用ロープ16及びウインチ17によらず、カメラ支持部材3の両端部に固定した棒状の部材を介して行うようにしてもよい。
1…橋梁点検システム、2…橋梁、3…カメラ支持部材、4…床版、5…両端部支持手段、6a、6b…カメラ、7…棒状部材、8…クランプ、9…接続部材、9a…位置決め部材、10…高欄、11…主桁、12…ボルト、13…ねじ穴、14…ばか穴、15…ロッド部材、16…吊下用ロープ、16a、16b…ロープ、17…ウインチ、18…接続金具、19…ウインチ取付手段、20…クランプ部、21…ローラ、22…タブレット、23…小型電源装置、24…LAN用ハブ、25…Wi−Fiルータ、26…LANケーブル。

Claims (6)

  1. 点検対象となる橋梁の幅に対応する長さを有する棒状のカメラ支持部材と、
    前記カメラ支持部材が橋梁の幅方向に沿って橋梁の床版の下方に位置するように該カメラ支持部材の両端部を支持するための両端部支持手段と、
    前記カメラ支持部材上に間隔を置いて設置される橋梁点検用の複数のカメラとを備え、
    前記カメラ支持部材は、前記カメラが設置され、かつ前記両端部支持手段により支持された状態で重力により直線状となるように、予め曲りを有することを特徴とする橋梁点検システム。
  2. 前記カメラ支持部材は、
    複数の棒状部材と、
    隣接する前記棒状部材に対して、一方及び他方の側が固定されて各棒状部材を接続する接続部材とを備え、
    各接続部材は曲がった中間部を有し、
    前記カメラ支持部材の曲りは、各接続部材の曲がった中間部により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の橋梁点検システム。
  3. 前記棒状部材は、横断面が矩形状である金属フレームで構成されており、
    隣接する前記棒状部材及び対応する前記接続部材は、該接続部材の一方の側及び他方の側が、該隣接する棒状部材にそれぞれ嵌合し得るように構成されており、
    各接続部材は、一方及び他方の側を対応する前記棒状部材にボルトで固定するためのねじ穴を前記曲りの曲率中心側の側面にのみ有し、
    前記棒状部材は、前記ねじ穴に対応するばか穴を有することを特徴とする請求項2に記載の橋梁点検システム。
  4. 前記棒状部材は、前記ばか穴を、該棒状部材の4つの側面のうちの1つの側面にのみ有することを特徴とする請求項3に記載の橋梁点検システム。
  5. 前記両端部支持手段は、
    前記カメラ支持部材の両端部にそれぞれ1本ずつ取り付けられた2本のロッド部材と、
    各ロッド部材を吊り下げるためのロッド部材毎の吊下用ロープと、
    各吊下用ロープを別個に昇降させるために前記橋梁の両側の各高欄に1台ずつ設置される2台のウインチとを備え、
    各ロッド部材は、前記カメラ支持部材に対して、該ロッド部材の中心軸線の回りに回転自在となるように取り付けられており、
    各吊下用ロープは、
    対応する前記ロッド部材の両側の各端部にそれぞれ1本ずつ一端が固定され、他端が相互に結合された2本のロープと、
    該2本のロープの相互に結合された他端に一端が接続される1本のロープとで構成され、
    前記ウインチは、対応する前記吊下用ロープの1本のロープの他端側を昇降させるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の橋梁点検システム。
  6. 各ウインチを前記橋梁の高欄に取り付けるためのウインチ取付手段をウインチ毎に備え、
    前記ウインチ取付手段は、前記高欄を水平方向に挟んで該ウインチを解除可能に固定するためのクランプ部と、
    前記クランプ部に設けられ、該クランプ部を前記高欄に沿って移動させるのを補助するために該高欄の上面で転動可能なローラとを有することを特徴とする請求項5に記載の橋梁点検システム。
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