JP6511742B2 - 真偽判定具 - Google Patents

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Description

本発明は、真偽判定体の真偽判定をおこなう真偽判定具に関するものである。
例えば、クレジットカード、預貯金用カード、各種金券、もしくは身分証明書等は、偽造や改ざんがされて不正に使用されるといろいろな支障を招くので、偽造や改ざんによる損害を防止するために、そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれている。また、例えば、腕時計、皮革製品、貴金属製品もしくは宝飾品等の高級品、とりわけ、高級ブランド品と言われるもの、オーディオ製品、電化製品、または媒体に記録された音楽ソフト、映像ソフト、ゲームソフト、もしくはコンピュータソフトも、やはり偽造の対象となるので、同様に、真正性を識別できる機能を有することが望まれている。
従来、上記の物品も含めた種々の物品の真正性の識別を可能にする目的で、ホログラムが多用されている。ホログラムは、その構造の精密さから、製造上の困難性を有するからである。しかし、ホログラムの製造方法は専門家には知られており、また、精密なものであるだけに、真正なホログラムと偽造されたホログラムとの区別はなかなかに困難である。
そこで、ホログラムに代るものとして、例えば、特許文献1では、基材と、基材の一方の面に形成され、入射した光のうち、左回り偏光又は右回り偏光のいずれか一方の光のみを反射する光選択反射層と光選択反射層の少なくとも一部に形成され、新製品を判定する判定情報を備える判定部とを有する真偽判定体と、円偏光版を用いた真偽判定具が提案されている。
また、特許文献2では、2層の光選択反射層が前記2層の間に位相差層を介して積層された積層構造を有しており、前記2層の光選択反射層は入射光のうち左円偏光もしくは右円偏光のいずれか一方であって同じ方向の円偏光を反射する光選択反射性を有する素材から構成され、かつ、前記2層の光選択反射層の反射光の中心波長どうしが互いに異なるものであり、前記積層構造の一方の面上に光回折構造層が積層されており、前記光回折構造層が反射型ホログラム又は光反射性層をともなった層であることを特徴とする真偽判定体と、円偏光版を用いた真偽判定具が提案されている。
しかし、特許文献1、2のような真偽判定具では、真偽判定体の“真”か“偽”かを、観察者が直感的に判断することが難しい。本明細書内で、“真”とは、真偽判定体が真正品であることを意味し、 “偽”とは、真偽判定体が真正品ではないことを意味する。
特許文献3では、コレステリック液晶層上に所定のパターンを有して設けられた1/2波長板として機能する液晶層を有する真偽判定体が記載され、真偽判定具である円偏光フィルターを通して所定のパターンが、所定の一色と黒色で認識できる識別媒体が提案されている。
しかし、このような真偽判定体は、“真”であることを示す前記所定のパターンを個々の媒体に作り込む必要があり、真偽判定にかかるコストの低減が難しい。
特開2000−25373号公報 特許第4390265号公報 WO2007/116844号公報
本発明の課題は、真偽判定体が、真偽判定体の“真”か“偽”かを、観察者が直感的に判断することが可能な、耐久性の高い真偽判定具を提供することである。
本発明の「真偽判定」とは、真偽判定体が“真”なのか“偽”なのかを判定する作業をいい、「観察者」とは、真偽判定体が“真”なのか“偽”なのかを目視で真偽判定をおこなう判定者をいい、「真偽判定具」とは、真偽判定体が“真”なのか“偽”なのかを判定するために用いる道具のことをいい、「真偽判定体」とは、“真”なのか“偽”なのかの真偽判定をされる物品をいう。
本発明の第1の態様は、円偏光を反射する真偽判定対象となる物品が真なのか偽なのかを目視で直観的に判定する判定具であって、前記判定具は前記物品を観察するための透過光観察部を備えており、
前記透過光観察部は、右円偏光板または左円偏光板、前記右円偏光板または前記左円偏光板の一方の面側に直感的な真偽判定が可能となる文字または記号のパターン状に塗布形成された位相差材料、前記位相差材料を覆う透明な保護層をこの順で有することを特徴とする真偽判定具に関する。
前記パターン状に塗布形成された位相差材料、1/2波長板としての機能を有していてもよい。
本発明の第2の態様は、異なる円偏光を反射する真偽判定対象となる物品が真なのか偽なのかを目視で直観的に判定する真偽判定具であって、前記判定具は前記物品を観察するための第1ならびに第2の透過光観察部を備えており、
前記第1の透過光観察部は、右円偏光板、前記右円偏光板の一方の面側に直感的な真偽判定が可能となる文字または記号のパターン状に塗布形成された位相差材料、前記位相差材料を覆う透明な保護層をこの順番で備え、
前記第2の透過光観察部は、左円偏光板、前記左円偏光板の一方の面側に直感的な真偽判定が可能となる前記文字または記号とは異なる文字または記号のパターン状に塗布形成された位相差材料、前記位相差材料を覆う透明な保護層をこの順番で備ていることを特徴とする真偽判定具に関する。
前記第1の透過光観察部のパターン状に塗布形成された位相差材料と、前記第2の透過光観察部のパターン状に塗布形成された位相差材料とが、1/2波長板としての機能を有していてもよい。
本発明によれば、真偽判定対象となる物品である真偽判定体から反射される光が特定の円偏光性を有することを以て真とする真偽判定を、観察者が直感的に判断することが可能となる。
さらに、透明な保護層を有することで、円偏光板、およびパターン状に塗布形成された位相差材料の耐久性が高くなるだけでなく、当該位相差材料の存在をわかりにくくする隠蔽効果がある。

(a)、(b) 真偽判定具の形態の一例を示す概略図、概略断面図である。 (a)、(b) 真偽判定具の形態の一例を示す概略図、概略断面図である。 (a)真偽判定体の一例を示す概略図である。 (b)真偽判定具を通して観察できる画像の一例を示す概略図である。 (a)真偽判定体の一例を示す概略図である。 (b)真偽判定具を通して観察できる画像の一例を示す概略図である。 (a)、(b) ホログラム層を有する真偽判定具の形態の一例を示す概略断面図である。
本形態は、観察者が目視により真偽判定をおこなう真偽判定具に関するものであり、直感的な真偽判定が可能となるように、文字または記号等のパターンを表示することにより、真偽判定のための情報を観察者に提供するものである。
一般的に、真偽判定は、圧倒的に多数の真偽判定体に対し、少数の真偽判定具を用いておこなわれる。このような圧倒的に多数の前記真偽判定体ではなく、少数の前記真偽判定具に対して、前記真偽判定情報として位相差材料をパターン状に塗布形成する加工を施すことにより、加工費を減少することにより、真偽判定にかかるコストを低減することができる。
1.真偽判定
本形態の真偽判定具は、観察者が、真偽判定体からの反射光を観察し、真偽判定をおこなうために用いられる。本形態の真偽判定具を用いる真偽判定体は、1種類または2種類の特定の波長を有し、特定の円偏光性を有する光を反射する。
−1.反射光が1種類の場合
真偽判定体が、図3(a)に示すように、入射する自然光に対して、光選択反射層41により、特定の波長の、右または左の円偏光を反射する真偽判定体2を用いた場合の真偽判定について説明する。
真偽判定体の光選択反射層が、赤色の右円偏光を反射する材料で形成されている場合を仮定して説明する。
真偽判定具には、観察者と反対側から前記赤色の右円偏光が入射する。
ここで、前記真偽判定具の透過光観察部が右円偏光を通す円偏光板を有し、位相差材料が「True」のパターン状に塗布形成されている場合、観察者は、赤い背景に、暗い赤色、黒色、または黒に近い灰色で表示される「True」というパターンを観察することができる。真偽判定体が“偽”で、赤色の右円偏光の反射光が選択されていない場合は、パターンの観察はできない。
前記真偽判定具の透過光観察部が右円偏光を通す円偏光板を有し、位相差材料が「True」のパターンを中抜きで塗布形成されている場合、観察者は、暗い赤色、黒色、または黒に近い灰色の背景に、赤で表示される、図3(b)に示すような「True」というパターンを観察することができる。真偽判定体が“偽”で、赤色の右円偏光の反射光が選択されていない場合は、パターンの観察はできない。
真偽判定体の光選択反射層が、赤色の左右円偏光を反射する材料で形成されている場合は、上述の場合とは逆の見え方になる。
位相差材料のパターンをより明確に認識するために、上記透過光観察部の位相差材料が、1/2波長板としての機能を有することが好ましい。位相差材料が1/2波長板としての機能を有していれば、位相差材料を通った右円偏光が左円偏光になり、右円偏光を通す円偏光板を通らなくなるためである。
真偽判定体からの反射光が特定の波長の光のみで、完全な一方向の円偏光を反射し、真偽判定具の位相差材料が完全な1/2波長板としての機能を有しており、真偽判定具の円偏光板が前記一方向の円偏光のみを通す理想的な状態であれば、前記特定の波長の光の色の背景に、位相差材料のパターンが黒色で観察される。
しかし、実際に作製することができる真偽判定体、および真偽判定具は、光の波長および位相にばらつきを有している。このため、位相差材料が完全な1/2波長板としての機能を有していなくても、観察者は真偽判定具の透過光を観察することにより真偽判定を行なうことができる。
1−2.反射光が2種類の場合
真偽判定体が、図4(a)に示すように、入射する自然光に対して、特定の波長で、右または左のうち一方向に円偏光された第1の反射光と、前記特定の波長とは異なる波長で、前記円偏光と同じ方向に円偏光された第2の反射光とを反射する真偽判定体2を用いた場合の真偽判定について説明する。
真偽判定体の第1の光選択反射層が赤色の右円偏光を反射する材料で形成され、第2の光選択反射層が青色の左円偏光を反射する材料で形成されている場合を仮定して説明する。
真偽判定具には、観察者と反対側から赤色の右円偏性の第1の反射光と、青色の左円偏性の第2の反射光とが入射する。ここで、前記真偽判定具の第1の透過光観察部が右円偏光を通す円偏光板を有し、第2の透過光観察部が左円偏光を通す円偏光板を有し、第1の透過光観察部に「O」、第2の透過光観察部に「K」のパターン状に位相差材料が塗布形成されている場合、観察者は、第1の透過光観察部は、前記第1の反射光のみが透過し位相差材料は、主に第2の反射光が透過するので、赤色の背景に、青色または青色と赤色が合成された色で表示される、図4(b)に示すような「O」というパターンを観察することができる。第2の透過光観察部では、同様の理由で、青色の背景に、赤色または青色と赤色が合成されたで表示される、図4(b)に示すような「K」というパターンを、観察することができる。真偽判定体が“偽”で、反射光が選択されず、円偏光が反射されない場合は、パターンの観察はできない。
位相差材料のパターンがより明確に認識するために、上記透過光観察部の位相差材料が、1/2波長板としての機能を有することが好ましい。理由は、前述の反射光が1種類の場合と同様である。さらに、前述の反射光が1種類の場合と同様に、位相差材料が完全な1/2波長板としての機能を有していなくても、観察者は真偽判定具の透過光を観察することにより真偽判定を行なうことができる。
2.真偽判定具
本形態の真偽判定具の一例を、図1(a)に示す。図1(a)に示す例では、真偽判定具10は、透過光観察部10と、前記透過光観察部10を支持する枠体20を有している。本形態の真偽判定具は、前記透過光観察部10が、取り扱い上問題がない程度の高い剛性を有していれば、枠体20は無くてもよいが、保管時などに発生する汚れや傷などの発生を防止するために、枠体20を有しているほうが好ましい。
図1(b)に示すように、前記透過光観察部10は、右または左の円偏光板31、前記右または左の円偏光板の一方の面側にパターン状に塗布形成された位相差材料32、および透明な保護層35をこの順番で有する。前記真偽判定具1を真偽判定に使用するときは、観察者側に円偏光板31面を、真偽判定体側に透明な保護層35面を向けて使用する。
前記パターン状に塗布形成された位相差材料32が1/2波長板としての機能を有していると、反射光の透過と遮断の状況が理想的な状態に近づくので、より明確にパターンを認識できる。
また、本形態の真偽判定具1は、図1(a)に示すように、一つの透過光観察部10の中に第1の透過光観察部と、第2の透過光観察部を有していてもよく、図2(a)に示すように、枠体20と、前記枠体20に支持された第1の透過光観察部11と、第2の透過光観察部12と、を有していてもよい。本形態の真偽判定具は、前記透過光観察部10が、取り扱い上問題がない程度の高い剛性を有していれば、枠体20は無くてもよいが、保管時などに発生する汚れや傷などの発生を防止するために、枠体20を有しているほうが好ましい。
真偽判定具1が、第1の透過光観察部11と、第2の透過光観察部12と、を有する場合、第1の透過光観察部11は、右または左どちらかの円偏光性を有する円偏光板33を有し、第2の透過光観察部12は、前記第1の透過光観察部11に用いた円偏光板33とは逆の円偏光性を有する円偏光板34を有することが好ましい。
前記第1の透過光観察部11と第2の透過光観察部12とは、それぞれ、円偏光板と、前記円偏光板の一方の面側にパターン状に塗布形成された位相差材料と、透明な保護層とをこの順番で有する。前記真偽判定具1を真偽判定に使用するときは、図1(b)に示すように、観察者側に透明な保護層35面を、真偽判定体側に位相差材料32面を向けて使用する。
透過光観察部10、第1の透過光観察部11、および第2の透過光観察部12に用いる前記円偏光板の偏光方向は、例えば図3(a)、図4(a)に示すような真偽判定体からの反射光の偏光方向、および透過光観察部10での表示色の選択などをふまえて、任意に選択することができる。
枠体20は、前記透過光観察部10、第1の透過光観察部11、および第2の透過光観察部12を保持するための機能を有していればよく、透過光観察部10のみでも取り扱いに十分な剛性を有することにより枠体20が必要でない場合は、枠体20はなくてもよい。また、枠体20は、透過光観察部10を保持するための機能を有していればよく、どのような材質を用いてもよい。取り扱いのしやすさ、製造のしやすさ、コスト等の点で、プラスチック製のシートや厚紙を用いることが好ましい。
また、前記透過光観察部10は、図1(a)に示すような穴部を有する枠体20の、一方の面に固定してあってもよく、2枚の枠体に挟まれて固定されていてもよい。
3.透過光観察部
透過光観察部は、上記のように、観察者側から、順に、円偏光板、位相差材料を有する。
3−1.円偏光板
円偏光板は、直線偏光フィルムと1/4波長板とを有する。
3−1−1.直線偏光フィルム
直線偏光フィルムは、直線偏光機能を有していればよく、液晶ディスプレイ等で使用されるヨウ素系偏光フィルム、染料系偏光フィルム等を用いることができる。
3−1−2.1/4波長板層
前記直線偏光フィルムの吸収軸に対し、1/4波長板+45度で組み合わせれば右円偏光板を形成することでき、−45度で組み合わせれば左円偏光板を形成することができる。1/4波長板は、複屈折性を有する材料を、1/4波長の位相差を発生できる厚さに形成してあればよい。例えば、複屈折性を有する液晶等の塗布可能な材料や、PETフィルム、ポリカーボネートまたはセロファンフィルムなどの複屈折性を有するフィルムを用いることができる。


3−2.位相差材料
位相差材料は、パターン状に塗布形成され、該位相差材料を透過する光の位相に変化を与える。前記位相差材料が1/2波長板としての機能を有する場合は、入射した右円偏光は左円偏光に、入射した左円偏光は右円偏光に、のように、入射してきた光の円偏光方向を逆転させることができる。
このような位相差材料には、塗布形成することが可能で、複屈折性を有する材料を用いることができる。1/2波長板としての機能を有する位相差材料を形成する場合は、前記複屈折性を有する材料の膜厚を調整し、1/2波長の位相差を発生できる厚さに塗布形成すればよい。非液晶性材料の複屈折性を有する材料を用いることが好ましい。このような材料として、例えば、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、およびこれらの材料の混合物が挙げられる。
本形態において、位相差材料32は、パターン状に塗布形成される。前記位相差材料32のパターンは、どのように表示されれば“真”なのか“偽”なのかを事前に決めてあればどのようなパターンでもよいが、観察者が直感的に物品の“真”、“偽”を目視で判定できるようなパターンが形成されていることが好ましい。例えば、図3(b)、図4(b)に示すように「True」、「OK」などの文字でもよく、「○」などの記号でもよい。
本形態において、パターン状に塗布形成された位相差材料の厚さは、必ずしも1/2波長の位相差を発生できる厚さに塗布形成する必要は無く、前記位相差材料がパターン状に存在するだけでパターンの認識は可能である。前記位相差材料は、1μmから50μmの厚さで塗布形成されることが好ましい。1μm以下だと位相差を変化させる機能が低下する。50μm以上だと、材料費がかかりコストが上昇してしまう。
3−3.透明な保護層
透明な保護層は、前記偏光板および前記位相差板フィルムを傷つき等から保護する。さらに、前記位相差板フィルムの存在をわかりにくくする隠蔽効果を有し、本形態の真贋判定具を用いる真贋判定システムの有効性を向上することができる。透明な保護層を透過した光が、前記偏光板および前記位相差板フィルムを通して観察されるので、透明な保護層には、傷つきを防止できる機能だけではなく、複屈折率が低く、できるだけ透過する光の位相に影響を与えないことが求められる。このような透明な保護層は、ウレタン樹脂、塩酢ビ樹脂、アクリル樹脂などを用いて、コーティング法により形成することができる。透明な保護層の厚さは、前記位相差板フィルムの厚さより厚く、(位相差板フィルムの厚さ+100μm)以下であることが好ましい。本形態においては、位相差材料は、1μmから50μmの厚さで塗布形成されることが好ましいので、透明な保護層は、1μmより厚く、150μm以下であることが好ましい。前記位相差板フィルムの厚さより薄いと、位相差板フィルムの隠蔽効果が低下する。また、(位相差板フィルムの厚さ+100μm)以上だと割れが発生しやすくなる。
4.真偽判定体
真偽判定に、本形態の真偽判定具を用いる真偽判定体は、特定の円偏光を反射すればよい。
例えば、図3(a)に示すように、入射する自然光に対して、光選択反射層41により、特定の波長の、右または左の円偏光を反射する真偽判定体2を用いることができる。
このような光選択反射層41には、例えば、高分子コレステリック液晶を用いることができる。必要に応じて、カイラル剤および紫外線重合開始剤を含んでいても良い。
また、光選択反射層として、上記のコレステリック液晶層だけでなく、例えば、見る角度によって色が変化する顔料を用いる、蒸着薄膜を用いる、もしくは二色性色素を用いることにより構成することができる。見る角度によって色が変化する顔料としては、高屈折率の酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄などの層と、低屈折率のマイカ等の層を積層したパール顔料を例示することができ、具体的には、( 株) 資生堂製の商品名; インフィニットカラーや、メルク社( 独国) 製の商品名; イリオジン等が入手可能である。蒸着薄膜はアルミニウム等の金属やそのほかの素材を気相法により薄膜として形成したもので、水面に浮かんだ油の薄膜のようないわゆる干渉色を示すものである。二色性色素は、分子軸の方向によって光の吸収性を相違する長鎖色素分子からなり、例えば、色素分子の分子軸の方向に対して法線方向の光成分は吸収性がほぼなく光を透過するのに対して、分子軸の方向に対して平行方向の光成分は吸収性を有し、光を透過しない性質を有するもので、アントラキノン系、アゾ系、もしくはビスアゾ系の色素を例示することができる。
また、図4(a)に示すように、第1の光選択反射層43、1/2波長板の機能を有する基材45、および第2の光選択反射層44を有する真偽判定体2を用いることができる。前記真偽判定体2は、入射する自然光に対して、第1の光選択反射層43により特定の波長の右円偏光を反射し、第1の光選択反射層43により前記特定の波長とは異なる波長の右円偏光を反射し、1/2波長板の機能を有する基材45を透過することで円偏光の方向が逆転する。この真偽判定体2は、全体の機能として特定の波長の右円偏光と、前記特定の波長とは異なる波長の左円偏光を反射する。
前記第1の光選択反射層、および前記第2の光選択反射層には、前記光選択反射層に用いる材料と同様のものを用いることができる。
真偽判定体2は、不要な光の反射を防ぐために、真偽判定体2の反射面と反対側に光吸収層を有していても良い。前記光吸収層により、不要な光の反射が減少し、真偽判定が容易になる。
真偽判定体2は、更なるセキュリティー性を向上するために、真偽判定体2の反射面と反対側に、パターン状に形成された反射層を有していてもよく、図5(a)、(b)に示すように、真偽判定体2の反射面と反対側に、ホログラム層を有していてもよい。さらに、前記ホログラム層の反射層がパターン状に形成されていても良い。
〔実施例1〕
300μmの厚さの白色のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを2枚貼り合わせた枠体を用い、前記2枚のPETフィルム間に円偏光板を固定した。円偏光板は、直線偏光フィルムに、1/4波長板を前記直線偏光フィルムの吸収軸に対し+45度で貼り合わせて、右円偏光板を作製した。前記右円偏光板の観察者と反対側に、位相差材料として、ポリアリレートを「True」の文字状に厚さ10μmに塗布形成した。さらに、印刷法、コーティング法により透明な保護層を形成して、真偽判定具を作製した。前記透明な保護層は、DICグラフィックス社製THF(テトラヒドロフラン)プライマー、セイコーアドバンス社製SG740 800メジウム、昭和インク工業所社製SE−11(P)メジウム、およびDICグラフィックス社製アクリデックA−801−Pを、それぞれ用いて厚さ25μmになるように、4種類の真偽判定具を形成した。
前記4種類の真偽判定具を用いて、自然光に対して右円偏光の赤色の波長を反射する特性を有する真偽判定体を観察した結果、すべての真偽判定具の透過光観察部において、赤色の背景に、黒色に近い灰色の「True」の文字を確認することができた。反射光に特徴を持たない真偽判定体を観察した結果、真偽判定具の透過光観察部において、情報を確認することができなかった。
〔実施例2〕
300μmの厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを2枚貼り合わせた第1の透過光観察部と第2の透過光観察部を有する枠体を用い、前記2枚のPETフィルム間に円偏光板を固定した。第1の透過光観察部に固定した円偏光板には、直線偏光フィルムに1/4波長板を前記直線偏光フィルムの吸収軸に対し+45度で貼り合わせた右円偏光板を用いた。第2の透過光観察部に固定した円偏光板には、直線偏光フィルムに1/4波長板を前記直線偏光フィルムの吸収軸に対し−45度で貼り合わせた左円偏光板を用いた。第1の透過光観察部には、前記右円偏光板の観察者と反対側に、位相差材料として、ポリビニルアルコールを、「O」の文字状に厚さ10μmに塗布形成し、真偽判定具を作製した。第2の透過光観察部には位相差材料として、ポリビニルアルコールを、「K」の文字状に厚さ10μmに塗布形成し、さらに、保護層を塗布形成して、真偽判定具を作製した。第1の透過光観察部および。第2の透過光観察部に形成した透明な保護層は、実施例1と同様に4種類の材料を用いて形成した。
前記4種類の真偽判定具を用いて、自然光に対して右円偏光の赤色の波長と左円偏光の青色の波長とを反射する特性を有する真偽判定体を観察した。その結果、すべての真偽判定具の第1の透過光観察部において、赤色の背景に、青色の「O」の文字を確認することができた。また、すべての第2の透過光観察部において、青色の背景に、赤色の「K」の文字を確認することができた。反射光に特徴を持たない真偽判定体を観察した結果、真偽判定具の第1の透過光観察部、第2の透過光観察部ともに、情報を確認することができなかった。
1 真偽判定具
10 透過光観察部
11 第1の透過光観察部
12 第2の透過光観察部
20 枠体
31、33、34 円偏光板
32 位相差材料
2 真偽判定体
41 光選択反射層
42 基材
43 第1の光選択反射層
44 第2の光選択反射層
45 基材(1/2波長板)
3 ホログラム層

Claims (4)

  1. 円偏光を反射する真偽判定対象となる物品が真なのか偽なのかを目視で直観的に判定する判定具であって、前記判定具は前記物品を観察するための透過光観察部を備えており、
    前記透過光観察部は、右円偏光板または左円偏光板、前記右円偏光板または前記左円偏光板の一方の面側に直感的な真偽判定が可能となる文字または記号のパターン状に塗布形成された位相差材料、前記位相差材料を覆う透明な保護層をこの順で有することを特徴とする真偽判定具。
  2. 前記パターン状に塗布形成された位相差材料が、1/2波長板としての機能を有することを特徴とする請求項1に記載の真偽判定具。
  3. 異なる円偏光を反射する真偽判定対象となる物品が真なのか偽なのかを目視で直観的に判定する真偽判定具であって、前記判定具は前記物品を観察するための第1ならびに第2の透過光観察部を備えており、
    前記第1の透過光観察部は、右円偏光板、前記右円偏光板の一方の面側に直感的な真偽判定が可能となる文字または記号のパターン状に塗布形成された位相差材料、前記位相差材料を覆う透明な保護層をこの順番で備え、
    前記第2の透過光観察部は、左円偏光板、前記左円偏光板の一方の面側に直感的な真偽判定が可能となる前記文字または記号とは異なる文字または記号のパターン状に塗布形成された位相差材料、前記位相差材料を覆う透明な保護層をこの順番で備ていることを特徴とする真偽判定具。
  4. 前記第1の透過光観察部のパターン状に塗布形成された位相差材料と、前記第2の透過光観察部のパターン状に塗布形成された位相差材料とが、1/2波長板としての機能を有することを特徴とする請求項3に記載の真偽判定具。
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