JP6511372B2 - 発電機用内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、回転数を目標回転数に維持する機能を有する発電機用内燃機関に関する。
従来から、回転数を目標回転数に近づけるように燃料噴射量等のフィードバック制御を行う内燃機関(例えばディーゼルエンジン)が知られている。特許文献1は、この種の内燃機関を開示する。
この特許文献1の内燃機関は、作業機用電子燃料噴射エンジンであって、燃料噴射装置と、目標エンジン回転数を設定する目標エンジン回転数設定部と、エンジン回転数変化率を算出する回転数変化率算出部と、算出されたエンジン回転数変化率に基づいてエンジンの運転状態が過渡期であることを検出する定常過渡期判別部と、その定常過渡期判別部が過渡期であると判別したことに応答して、検出された実回転数と目標回転数の偏差が許容値内となるように燃料噴射装置の噴射量を制御するフィードバック補正係数算出部と、を設けた構成となっている。
特許文献1は、この構成により、過渡期の回転変動をいち早く抑えて、エンジンの回転を早期に安定させることができるとする。
特開2000−274293号公報
エンジンにおいては、稼動時において負荷の大きさが変化する等して、必要なトルクが急激に増加又は減少する場合がある。この点、特許文献1の構成は、負荷変動に伴う回転数の変動を抑えるために、実回転数と目標回転数とを比較して決定された燃料噴射量により実回転数を制御している。しかしながら、このような制御では制御性が噴射量に対するフィードバックに依存するため、急激な負荷変動があった場合に、過補正により回転のオーバーシュートが発生したり、補正不足により目標回転数への収束時間が長くなったりする可能性がある。このように、特許文献1の構成はロバスト性が相対的に弱くなるので、発電機の起電力を一定周波数に維持する必要がある発電機用エンジンに適用することが難しかった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、負荷の変化により変動する実回転数を目標回転数に収束させるまでの収束時間を短縮でき、回転の安定性を確保できる発電機用内燃機関を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の発電機用内燃機関が提供される。即ち、この発電機用内燃機関では、発電機に一定の周波数の起電力を生じさせるために目標回転数が一定に設定される。発電機用内燃機関は、燃料噴射装置と、回転数検出部と、制御部と、を備える。前記燃料噴射装置は、燃料を噴射する。前記回転数検出部は、機関の実際の回転数である実回転数を検出する。前記制御部は、前記燃料噴射装置の噴射時期を制御する。前記制御部には、過渡期噴射時期制御情報と、補正情報と、が記憶されている。前記過渡期噴射時期制御情報は、前記実回転数の値に基づいて判定される過渡期において前記噴射時期を制御するための情報である。前記補正情報は、前記過渡期噴射時期制御情報により得られた噴射時期を補正するために、前記目標回転数と前記実回転数との回転数差の大きさに応じて設定されている。前記制御部は、前記目標回転数と前記実回転数との偏差を計算し、前記偏差の絶対値と、当該偏差の絶対値の上限値(閾値)である許容乖離量とを比較し、前記偏差の絶対値が許容乖離量以上であって、その状態が所定の判定回以上継続していた場合、前記過渡期であると判定する。前記制御部は、前記過渡期であると判定した場合に、前記燃料噴射装置の前記噴射時期を、前記補正情報による補正後の噴射時期となるように制御する。前記制御部は、前記実回転数が前記目標回転数より小さい場合、前記噴射時期を進角させるように補正し、前記実回転数が前記目標回転数より大きい場合、前記噴射時期を遅角させるように補正する。
これにより、単に燃料噴射量を制御する構成と比較して、過補正によるオーバーシュートや補正不足により目標回転数への収束時間が長くなることなどを回避でき、内燃機関のロバスト性を向上させることができる。また、回転数差の大きさに応じて噴射時期を適切に調整することができるので、実回転数を目標回転数に素早く収束させることができる。そして、内燃機関のそれぞれの運転状態(例えば、目標回転数と実回転数とが乖離している時期である過渡期、及び、目標回転数と実回転数とが実質的に等しい時期である定常期)に応じた噴射時期制御情報により燃料の噴射時期を制御できるので、内燃機関の回転の安定性を確保することができる。また、目標回転数と実回転数との偏差が所定の条件を満たすと、過渡期と判定されるとともに、過渡期に対して噴射時期制御情報が特別に設定されているので、過渡期における実回転数の変動を容易に素早く収束させることができ、内燃機関における回転の安定性を向上させることができる。また、目標回転数と実回転数との回転数差の大小に応じて補正情報を設定することで、過渡期における内燃機関の回転収束性を向上させることができる。その上、実回転数が目標回転数より小さい場合に回転の上昇を促進でき、実回転数が目標回転数より大きい場合に回転の上昇を抑制できるので、実回転数を目標回転数に良好に収束させることができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの吸気、排気及び燃料供給の流れを模式的に示す説明図。 ECUの構成を示す機能ブロック図。 回転数及び噴射量に対する噴射時期制御マップと回転数差に基づく噴射時期補正量カーブとを示す模式図。 燃料噴射時期の制御に関する制御ブロックの構成を説明する図。 ECUが行う燃料噴射制御を示すフローチャート。 過渡期の判定処理を示すフローチャート。 回転数差に基づく噴射時期の補正の効果を説明するグラフ。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。初めに、図1及び図2を参照して、エンジン100の概要について説明する。図1は、エンジン100の吸気、排気及び燃料供給の流れを模式的に示す説明図である。図2は、ECU90の構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態のエンジン100は、ディーゼルエンジンであり、発電機用内燃機関(発電機の原動機)として構成されている。このエンジン100は、エンジン本体10と、制御部であるECU(エンジンコントロールユニット)90と、を備えている。
エンジン本体10は、外部から空気を吸入する吸気部2と、燃焼室3を有する図略のシリンダと、燃料の燃焼によって燃焼室3内に発生する排気ガスを外部に排出する排気部4と、を主要な構成として備えている。
吸気部2は、吸気の通路である吸気管21を備える。また、吸気部2は、吸気管21において吸気が流れる方向の上流側から順に配置された、過給機22と、吸気弁27と、吸気マニホールド28と、を備える。
吸気管21は、吸気の通路であって、過給機22と、吸気弁27と、吸気マニホールド28と、を接続するように構成されている。吸気管21の内部には、外部から吸入された空気を流すことができる。
過給機22は、図1に示すように、タービン23と、シャフト24と、コンプレッサ25と、を備えている。シャフト24の一端はタービン23と接続され、他端はコンプレッサ25と接続されている。タービン23は、排気ガスを利用して回転するように構成されている。シャフト24を介してタービン23と連結されているコンプレッサ25は、タービン23の回転に伴って回転する。コンプレッサ25の回転により、図略のエアクリーナにより浄化された空気を圧縮して強制的に吸入することができる。
吸気弁27は、ECU90からの制御指令に従って、その開度を調節することにより、吸気通路の断面積を変化させる。これにより、吸気弁27を介して、吸気マニホールド28へ供給する空気量を調整することができる。
吸気マニホールド28は、吸気管21から供給された空気をエンジン本体10のシリンダ数に応じて分配し、それぞれのシリンダの燃焼室3へ供給することができるように構成されている。
なお、過給機22のコンプレッサ25の下流側に、過給機22によって吸入された圧縮空気を冷却水等と熱交換させることで冷却させる図略のインタークーラを設置しても良い。
燃焼室3では、吸気マニホールド28から供給された空気を圧縮し、高温になった圧縮空気に燃料を噴射することにより、燃料を自然着火燃焼させ、ピストンを押して運動させる。こうして得られた動力は、クランク軸等を介して、発電機へ伝達される。
そして、本実施形態のエンジン100には、エンジン本体10が燃料の燃焼により過熱状態にならないようにするための図略の冷却水循環システムが設けられている。この冷却水循環システムは、冷却水を、エンジン本体10のシリンダヘッド等に形成された冷却ジャケット(図略)等に還流させ、エンジン本体10の冷却ジャケット等と熱交換させるように構成されている。
続いて、本実施形態のエンジン100において燃料の供給及び噴射を行う構成について簡単に説明する。図1に示すように、エンジン100は、燃料を貯留するための燃料タンク81と、燃料フィルタ82と、燃料ポンプ83と、コモンレール84と、インジェクタ(燃料噴射装置)85と、を備えている。
燃料ポンプ83によって吸い込まれた燃料は、燃料フィルタ82を通過し、これにより、燃料に混入しているゴミ及び汚れが取り除かれる。その後、燃料はコモンレール84へ供給される。コモンレール84は、高圧で燃料を蓄え、複数のインジェクタ85に分配して供給する。
インジェクタ85は、燃焼室3に燃料を噴射するための燃料噴射バルブ(インジェクタ電磁弁)86を備える。インジェクタ電磁弁86がECU90の指示に応じたタイミングで開閉することにより、インジェクタ85は燃焼室3に燃料を噴射する。当該インジェクタ電磁弁86の開くタイミングを制御することにより、燃料の噴射時期を調整することができる。
燃焼室3で燃料が燃焼することによって発生した排気ガスは、排気部4を介して、燃焼室3からエンジン本体10の外へ排出される。
排気部4は、排気ガスの通路である排気管41を備える。また、排気部4は、排気管41において排気ガスが流れる方向における上流側から順に配置された、排気マニホールド42と、排気ガス浄化装置であるDPF60と、を備えている。
また、エンジン本体10はEGR装置50を備えており、排気ガスの一部を、図1に示すように、当該EGR装置50を介して吸気側へ還流させることができる。EGR装置50には、EGRクーラ51と、EGRバルブ52と、が設けられている。EGRクーラ51は、吸気へ還流させる排気ガスを冷却する。EGRバルブ52は、排気ガスの還流量を調整できるように構成されている。このように構成された冷却機能付きのEGR装置50により、例えばエンジン100の高負荷運転時における最高燃焼温度を下げることができるので、NOx(窒素酸化物)の生成量を低減することができる。
排気管41は、排気ガスの通路であって、排気マニホールド42と、DPF60と、を接続するように構成されている。排気管41の内部に、燃焼室3から排出された排気ガスを流すことができる。
排気マニホールド42は、各燃焼室3で発生した排気ガスをまとめて、当該排気ガスを過給機22のタービン23に供給するように排気管41へ導く。
なお、過給機22のタービン23とDPF60の間に、排気ガスの排出量を調整できる排気弁(図略)を設けても良い。
DPF60は、図1に示すように、排気管41の出口に設けられている。DPF60は、細長く形成されたケーシングを備える。また、DPF60は、酸化触媒61と、スートフィルタ62と、を備えている。酸化触媒61及びスートフィルタ62は、ケーシングの内部に配置されている。また、スートフィルタ62は、ケーシングの内部で排気ガスが流れる方向において、酸化触媒61の下流側に配置される。排気管41からDPF60に導入された排気ガスは、スートフィルタ62により浄化された後、エンジン100の外へ排出される。
酸化触媒61は、白金等で構成されており、排気ガスに含まれる一酸化炭素、一酸化窒素などの酸化を促進することができる。酸化触媒61の作用によって、排気ガス中の一酸化窒素は、不安定な二酸化窒素に酸化される。そして、二酸化窒素が一酸化窒素に戻るとき放出された酸素は、下流側のスートフィルタ62で捕捉されたPMの酸化のために供給される。
スートフィルタ62は、排気ガス内の煤等からなる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集することで排気ガスを濾過するとともに、その内部で、PMの酸化反応が行われる。
図2に示すECU90は、各種演算処理や制御を実行するCPUと、記憶部としてのROM及びRAMなどから構成され、エンジン本体10又はその近傍に配置される。
ECU90は、図2に示すように、検出部70からの検出結果に基づいて、エンジン本体10の回転数の検出値(実回転数)、燃料の噴射量等の情報を取得し、エンジン本体10の燃料噴射に関する複数のモード(具体的には、ベース噴射モード及び過渡期モード)から何れかを選択して制御を行うように構成されている。なお、ベース噴射モード及び過渡期モードについて、詳細は後述する。
そして、ECU90は、上記の検出部70の検出結果に基づいて、エンジン100の各運転状態(言い換えれば、上記の各モード)における燃料の噴射時期を実現できるようにインジェクタ電磁弁86を制御している。
検出部70は、エンジン本体10の運転状態を判定するための情報(即ち、回転速度及び燃料の噴射量)を検出するために、回転数検出部71と、燃料噴射量検知部72と、を備える。
回転数検出部71は、例えば、エンジン本体10が備える図略のクランク軸の回転を検出するクランクセンサとして構成することができる。燃料噴射量検知部72は、例えば、ECU90から上記のインジェクタ電磁弁86への指令値に基づいて燃料噴射量を計算することにより得るように構成することができる。
ECU90は、記憶部91と、噴射時期計算部92と、を備えている。記憶部91は、燃料の噴射制御等に関して予め設定された様々な情報を記憶している。記憶部91に記憶される情報としては、例えば、目標回転数及び噴射時期制御マップ等を挙げることができる。噴射時期計算部92は、燃料の噴射時期を算出することができる。
目標回転数は、エンジン100の回転数の制御目標値である。本実施形態では、目標回転数は一定の値として設定されているので、発電機に一定の周波数の起電力を容易に生じさせることができる。
図3は、回転数及び噴射量に対する噴射時期制御マップと回転数差に基づく噴射時期補正量カーブとを示す模式図である。噴射時期制御マップは、例えば、図3に示すベースマップ(噴射時期制御情報)及び過渡期マップ(過渡期噴射時期制御情報)のように、エンジン100の回転数と燃料噴射量の組合せに噴射時期を対応付けた2次元のテーブルとして表現することができる。
記憶部91には、ベース噴射モードと過渡期モードの2種類のモードで用いられる噴射時期制御マップ(即ち、ベースマップ及び過渡期マップ)が個別に記憶されている。なお、ベース噴射モードの制御は、エンジン100の実回転数と目標回転数とがほぼ一致している状態(定常期)において行われる。過渡期モードの制御は、エンジン100の実回転数が目標回転数から乖離している状態(過渡期)において行われる。
更に、記憶部91には、ベース噴射モードと過渡期モードとを切り換えるための条件が記憶されている。詳細には、記憶部91には、目標回転数と実回転数との偏差の絶対値が所定値以上である状態が所定の判定回以上継続すればベース噴射モードから過渡期モードに切り換えられる場合に(詳細は後述)、その偏差の絶対値の閾値及び判定回の閾値が記憶される。
更に、記憶部91には、上記の過渡期モードにおいて噴射時期を補正するための噴射時期補正量カーブ(補正情報)が記憶されている。
噴射時期補正量カーブは、例えば、図3の下側に簡易的に示されるように、目標回転数と実回転数との回転数差に補正量を対応付けた1次元のテーブルとして記憶することができる。ただし、噴射時期補正量カーブはテーブルの形式で表現することに限定されず、例えば数式の形で表現(記憶)することもできる。
そして、本実施形態のエンジン100においては、当該噴射時期補正量カーブは、負のフィードバックを掛けるように、目標回転数と実回転数との偏差に基づいて設定されている。具体的には、噴射時期補正量カーブは、実回転数が目標回転数より大きい場合は噴射時期を遅角させる一方、実回転数が目標回転数より小さい場合は噴射時期を進角させるように定められている。
また、本実施形態のエンジン100においては、噴射時期補正量カーブは、実回転数と目標回転数との乖離が大きい程、噴射時期を遅角又は進角させる補正の度合いが大きくなるように設定されている。これにより、実回転数を目標回転数に収束させるタイミングを早めることができるとともに、過補正によるオーバーシュート及び補正不足によるアンダーシュートを効果的に抑制でき、エンジン100の回転の安定性を向上させることができる。
以上の構成で、エンジン100の実回転数と目標回転数とがほぼ一致している状態(定常期)では、ECU90は、回転数検出部71及び燃料噴射量検知部72からエンジン100の回転数及び燃料の噴射量を取得するとともに、記憶部91からベースマップを読み込む。そして、ECU90(噴射時期計算部92)は、当該回転数及び噴射量に対応した噴射時期をベースマップに基づいて求め、インジェクタ電磁弁86の開弁タイミングを制御する(ベース噴射モード)。
一方、エンジン100の実回転数が目標回転数に対して乖離している状態(過渡期)では、ECU90は、回転数検出部71及び燃料噴射量検知部72からエンジン100の回転数及び燃料の噴射量を取得するとともに、記憶部91から過渡期マップを読み込む。そして、ECU90(噴射時期計算部92)は、当該回転数及び噴射量に対応した噴射時期を過渡期マップに基づいて求め、更に噴射時期補正量カーブに基づいて補正した上で、インジェクタ電磁弁86の開弁タイミングを制御する(過渡期モード)。
次に、本実施形態のエンジン100において、ECU90における燃料噴射時期の具体的な制御について図4等を参照して説明する。図4は、燃料噴射時期の制御に関する制御ブロックの構成を説明する図である。
図3に示すように、ECU90は、ベース噴射モードと過渡期モードとで異なる噴射時期制御マップを用いて燃料の噴射時期を制御している。
ベース噴射モードにおいては、ECU90は、回転数検出部71及び燃料噴射量検知部72の検出結果から得られたエンジン100の実回転数及び燃料噴射量に基づき、燃料の噴射時期を、予め設定されて記憶部91に記憶されたベースマップを用いて求める。その後、ECU90は、得られた噴射時期に応じてインジェクタ電磁弁86の開弁タイミングを制御する。
過渡期モードにおいては、ECU90は、回転数検出部71及び燃料噴射量検知部72の検出結果から得られたエンジン100の実回転数及び燃料噴射量に基づき、燃料の噴射時期を、予め設定されて記憶部91に記憶された過渡期マップを用いて求める。更に、ECU90は、目標回転数と実回転数との回転数差を計算し、算出された回転数差に基づき、噴射時期の補正量を、予め設定されて記憶部91に記憶された噴射時期補正量カーブを用いて求める。
その後、ECU90は、過渡期マップで求められた噴射時期に補正量を加算することにより、補正後の噴射時期を求め、得られた噴射時期に応じてインジェクタ電磁弁86の開弁タイミングを制御する。
続いて、ECU90が行う具体的な処理について図5を参照して説明する。図5は、ECU90が行う燃料噴射制御を示すフローチャートである。
図5に示すフローは、エンジン100の運転が開始する時点で開始される。このフローがスタートすると、ECU90は先ず、エンジン100が過渡期モードであるか否かの判定結果を取得する(ステップS101)。なお、本実施形態において、過渡期の判定は別のプログラムによって行われており、詳細は後述する。その後、ECU90は、ステップS101で取得した判定結果が過渡期モードであるか否かを判定する(S102)。
ステップS102の判断で、判定結果が過渡期モードでない場合(即ち、ベース噴射モードである場合)は、ECU90は、ベース噴射モードにおける噴射時期制御マップ(ベースマップ)を記憶部91から読み取る(ステップS103)。
その後、ECU90は、回転数検出部71及び燃料噴射量検知部72から実回転数n及び燃料噴射量θを取得し(ステップS104)、ベースマップに基づいて噴射時期を求める(ステップS105)。その後、得られた噴射時期に基づく制御信号を生成してインジェクタ電磁弁86に出力し(ステップS106)、ステップS101に戻る。
一方、ステップS102の判断で、判定結果が過渡期モードである場合は、ECU90は、過渡期噴射モードにおける噴射時期制御マップ(過渡期マップ)を記憶部91から読み取る(ステップS107)。
その後、ECU90は、回転数検出部71及び燃料噴射量検知部72から実回転数n及び燃料噴射量θを取得し(ステップS108)、過渡期マップに基づいて噴射時期を求める(ステップS109)。
次に、ECU90は、目標回転数Nと実回転数nとの偏差Δnを計算により求め(ステップS110)、得られた偏差Δn及び噴射時期補正量カーブに基づいて噴射時期の補正量を求めて、この補正量を噴射時期に加算することで補正する(ステップS111)。そして、ECU90は、補正後の噴射時期に基づく制御信号を生成してインジェクタ電磁弁86に出力し(ステップS106)、ステップS101に戻る。
次に、ベース噴射モード及び過渡期モードの判定について図6を参照して説明する。図6は、過渡期の判定処理を示すフローチャートである。なお、図6に示す過渡期の判定処理は、図5の燃料噴射制御フローと並行して行われる。
図6のフローが開始されると、ECU90は、初期設定として、現在の状態をベース噴射モードに設定する(ステップS201)。次にECU90は、回転数検出部71から実回転数nを取得するとともに(ステップS202)、目標回転数Nと実回転数nとの偏差Δnを計算する(ステップS203)。
その後、ECU90は、上記の偏差の絶対値|Δn|と、ベース噴射モードにおいて許容できる当該偏差の絶対値の上限値(閾値)である許容乖離量Dとを比較する(ステップS204)。
ステップS204の判断で、偏差の絶対値|Δn|が許容乖離量Dより小さい場合は、その状態が所定の判定回以上継続しているか否かを、カウント変数等を用いて判断する(ステップS205)。なお、判定回は、図6に示すループ処理が行われる中で、ステップS204における判定がされる毎に1回と数える。|Δn|<Dの状態が所定の判定回以上継続していた場合は、現在の状態が過渡期モードだったときはベース噴射モードに切り換える(ステップS206)。なお、|Δn|<Dの状態ではあるものの、その状態が所定の判定回までは継続していない場合は、現在の状態を切り換えない。その後、ステップS202に戻る。
ステップS204の判断で、偏差の絶対値|Δn|が許容乖離量D以上である場合は、その状態が所定の判定回以上継続しているか否かを、カウント変数等を用いて判断する(ステップS207)。|Δn|≧Dの状態が所定の判定回以上継続していた場合は、現在の状態がベース噴射モードだったときは過渡期モードに切り換える(ステップS208)。なお、|Δn|≧Dの状態ではあるものの、その状態が所定の判定回までは継続していない場合は、現在の状態を切り換えない。その後、ステップS202に戻る。
以上に示すように、図6のフローでは、目標回転数Nと実回転数nとの偏差が所定の条件を満たすと、現在の状態がベース噴射モードと過渡期モードとの間で上記のように切り換えられる。そして、図6の処理で設定される現在のモードが、図5のステップS101において(過渡期判定の結果として)参照されることになる。
このように、本実施形態のエンジン100は、過渡期において燃料噴射時期を制御することによって、実回転数nを目標回転数Nに好適に収束させることができる。特に、本実施形態のエンジン100は、過渡期において、目標回転数Nと実回転数nとの偏差Δnに基づいて噴射時期を補正する制御を行っている。従って、本実施形態の構成では図7の実線に示すように、回転数差(偏差Δn)に基づく補正がない場合(図7の鎖線)と比較して、目標回転数Nと実回転数nとの偏差Δnを一層小さくすることができるとともに、実回転数nを目標回転数Nに収束させるまでの収束時間を一層短縮することができる。従って、本実施形態のエンジン100は、高い回転安定性を有するので、商品性を向上することができる。
以上に説明したように、本実施形態のエンジン100では、発電機に一定の周波数の起電力を生じさせるために目標回転数Nが一定に設定される。エンジン100は、インジェクタ85と、回転数検出部71と、ECU90と、を備える。インジェクタ85は、燃料を噴射する。回転数検出部71は、機関の実際の回転数である実回転数nを検出する。ECU90は、インジェクタ85の噴射時期を制御する。ECU90は、実回転数nの値に基づいて過渡期であると判定した場合に、目標回転数Nと実回転数nとの回転数差(偏差Δn)に基づいてインジェクタ85の噴射時期を制御する。
これにより、単に燃料噴射量を制御する構成と比較して、過補正によるオーバーシュートや補正不足により目標回転数Nへの収束時間が長くなることなどを回避でき、エンジン100のロバスト性を向上させることができる。また、回転数差(偏差Δn)の大きさに応じて噴射時期を適切に調整することができるので、実回転数nを目標回転数Nに素早く収束させることができる。
また、本実施形態のエンジン100において、ECU90には、過渡期マップと、ベースマップと、が記憶されている。過渡期マップは、過渡期において噴射時期を制御するための情報である。ベースマップは、過渡期以外において噴射時期を制御するための情報である。
これにより、エンジン100の運転状態(例えば、上記の過渡期モード及びベース噴射モード)に応じたマップにより燃料の噴射時期を制御できるので、エンジン100の回転の安定性を確保することができる。また、過渡期のための噴射時期制御マップ(過渡期マップ)が特別に設定されているので、過渡期における実回転数nの変動を容易に素早く収束させることができる。
また、本実施形態のエンジン100において、ECU90には、過渡期マップにより得られた噴射時期を補正するために、回転数差(偏差Δn)に応じて定められた噴射時期補正量カーブが記憶されている。ECU90は、インジェクタ電磁弁86による燃料噴射時期を、噴射時期補正量カーブによる補正後の噴射時期となるように制御する。
これにより、過渡期における実回転数nの変動を一層素早く収束させることができ、エンジン100における回転の安定性を向上させることができる。
また、本実施形態のエンジン100において、噴射時期補正量カーブは、実回転数nが目標回転数Nより小さい場合、噴射時期を進角させるように補正し、実回転数nが目標回転数Nより大きい場合、噴射時期を遅角させるように補正するように設定されている。
これにより、実回転数nが目標回転数Nより小さい場合には回転数を上昇させる方向に噴射時期の補正が行われ、実回転数nが目標回転数Nより大きい場合に回転数を減少させる方向に噴射時期の補正が行われるので、実回転数nを目標回転数Nに良好に収束させることができる。
また、本実施形態のエンジン100においては、噴射時期補正量カーブは、回転数差(偏差Δn)の大きさに応じて設定されている。
このように、目標回転数Nと実回転数nとの回転数差(偏差Δn)の大小に応じて補正量を設定することで、過渡期におけるエンジン100の回転収束性を向上させることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の説明におけるフローチャートに示す処理は一例であり、一部の処理の順序を変更又は削除したり、2つの処理を同時に行ったり、他の処理を追加したりしても良い。
上記の実施形態では、エンジン100は図1に示すように4気筒になっているが、これに限定されず、気筒数は4以外でも可能である。
上記実施形態のエンジン100においては、過渡期マップを用いて求められた噴射時期に対し、噴射時期補正量カーブを用いて求められた補正量を加算することで、過渡期における噴射時期を補正している。しかしながら、補正の方法はこれに限定されず、例えば元の噴射時期に補正係数を乗算することによって補正しても良い。
上記の説明においては、ベースマップと過渡期マップとが個別に設定されている。しかしながらこれに限定されず、噴射時期補正量カーブを適切に設定することで、ベース噴射モードでも過渡期モードでも共通のマップが使用されても良い。
マップの代わりに、例えば関数等を用いて、ベース噴射モード及び過渡期モードにおける燃料噴射時期を求めても良い。
過渡期における燃料噴射時期の制御は、燃料噴射量の制御と組み合わせて行われても良い。
71 回転数検出部
85 インジェクタ(燃料噴射装置)
90 ECU(制御部)
100 エンジン(発電機用内燃機関)

Claims (1)

  1. 発電機に一定の周波数の起電力を生じさせるために目標回転数が一定に設定される発電機用内燃機関において、
    燃料を噴射する燃料噴射装置と、
    機関の実際の回転数である実回転数を検出する回転数検出部と、
    前記燃料噴射装置の噴射時期を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部には、
    前記実回転数の値に基づいて判定される過渡期において前記噴射時期を制御するための情報である過渡期噴射時期制御情報と、
    前記過渡期噴射時期制御情報により得られた噴射時期を補正するために、前記目標回転数と前記実回転数との回転数差の大きさに応じて設定されている補正情報と、
    が記憶されており、
    前記制御部は、
    前記目標回転数と前記実回転数との偏差を計算し、
    前記偏差の絶対値と、当該偏差の絶対値の上限値(閾値)である許容乖離量とを比較し、前記偏差の絶対値が許容乖離量以上であって、その状態が所定の判定回以上継続していた場合、前記過渡期であると判定し、
    前記過渡期であると判定した場合、前記燃料噴射装置の前記噴射時期を、前記補正情報による補正後の噴射時期となるように制御し、前記実回転数が前記目標回転数より小さい場合、前記噴射時期を進角させるように補正し、前記実回転数が前記目標回転数より大きい場合、前記噴射時期を遅角させるように補正することを特徴とする発電機用内燃機関。
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