JP6509258B2 - 金属誘電体光学フィルター、センサーデバイス、および製造方法 - Google Patents

金属誘電体光学フィルター、センサーデバイス、および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属誘電体光学フィルター、当該光学フィルターを含むセンサーデバイス、および当該光学フィルターの製造方法に関する。
光学センサーは、画像センサー、環境光センサー、近接センサー、色相センサー、およびUVセンサー等の光学センサーデバイスに用いられ、光信号を電気信号に変換して、光信号の検出や撮像を可能にする。光学センサーは、一般に、1つ以上のセンサー素子と、該1つ以上のセンサー素子の上に配置される1つ以上の光学フィルターとを含む。
例えば、カラー画像センサーは、アレイ状に配置されるの複数のカラーフィルター、即ち、カラーフィルターアレイ(CFA)を含む。CFAは、赤色、緑色、および青色(RGB)フィルター等、異なる色通過帯域を有する異なる種類のカラーフィルターを含む。
従来、染料を用いて形成される吸収フィルターが、カラーフィルターとして利用されている。しかし、このような染料ベースのカラーフィルターは、相対的に色通過帯域が広く、その結果、色の鮮やかさに劣る。あるいは、積層誘電体層から成るダイクロイックフィルター、即ち、干渉フィルターも、カラーフィルターとして利用可能である。このような全誘電体カラーフィルターは、より高い透過レベルおよびより狭い色通過帯域を有するため、より明るく鮮やかな色を実現する。しかし、全誘電体カラーフィルターの色通過帯域は、入射角の変化に伴う中心波長シフトが相対的に大きいため、望ましくない色ずれが起こる。
さらに、全誘電体カラーフィルターは、典型的に、多数の積層誘電体層を含み、相対的に厚い。そのため、全誘電体カラーフィルターは、高価であり、製造するのが難しい。特に、全誘電体カラーフィルターは、化学的にエッチングすることが難しい。したがって、パターン化には、リフトオフプロセスが好まれる。CFAにおける全誘電体カラーフィルターをパターン化するためのリフトオフプロセスの例は、1992年6月9日発行のHanrahanの米国特許第5,120,622号、1998年1月27日発行のBuchsbaumの米国特許第5,711,889号、2001年5月29日発行のEdlinger他の米国特許第6,238,583号、2003年10月28日発行のBuchsbaum他の米国特許第6,638,668号、および2010年1月19日発行のBuchsbaum他の米国特許第7,648,808号に開示されている。しかし、リフトオフプロセスは、一般に、フィルター高さの約2倍のフィルター間隔に限定されており、より小型のカラー画像センサーに好適な全誘電体CFAを実現するのは困難である。
色通過帯域において可視光を透過するのに加えて、染料ベースおよび全誘電体カラーフィルターの双方ともが、赤外(IR)光も透過し、これがノイズの一因となる。よって、カラー画像センサーは、典型的に、CFAの上に配置されるIRブロッキングフィルターも含む。IRブロッキングフィルターは、可視スペクトル領域で動作する他の光学センサーデバイスにも用いられる。従来、色ガラスから成る吸収フィルターや積層誘電体層から成るダイクロイックフィルターは、IRブロッキングフィルターとして利用されている。あるいは、積層金属誘電体層から成る誘導透過フィルターも、IRブロッキングフィルターとして利用可能である。金属誘電体IRブロッキングフィルターの例は、1997年7月15日発行のSakamoto他の米国特許第5,648,653号および2006年11月7日発行のOckenfuss他の米国特許第7,133,197号に開示されている。
IRブロッキングフィルターの使用を避けるために、積層金属誘電体層から成る誘導透過フィルターをカラーフィルターとして用いることができる。金属誘電体カラーフィルター等の金属誘電体光学フィルターは、本質的に、IRブロッキングである。典型的に、金属誘電体カラーフィルターは、入射角の変化に伴って波長が大きくシフトしない相対的に狭い色通過帯域を有する。さらに、金属誘電体カラーフィルターは、一般に、全誘電体カラーフィルターよりもずっと薄い。金属誘電体カラーフィルターの例は、1990年12月25日発行のMcGuckin他の米国特許第4,979,803号、2000年2月29日発行のWangの米国特許第6,031,653号、2009年12月10日公開のGidon他の米国特許出願第2009/0302407号、2011年8月25日公開のGrandの米国特許出願第2011/0204463号、および、2012年4月12日公開のGidon他の米国特許出願第2012/0085944号に開示されている。
典型的に、金属誘電体カラーフィルター等の金属誘電体光学フィルターにおける金属層は、銀またはアルミニウム層であり、これらの層は、環境的に不安定で、少量の水または硫黄に露出されただけで劣化する。銀層の化学エッチングでは、銀層のエッジが環境に露出され、劣化を引き起こす。したがって、大抵の場合、CFAにおける金属誘電体カラーフィルターは、金属誘電体カラーフィルターにとって異なる色通過帯域を選択するために誘電体層のみの厚みを調整することによって、パターン化される。言い換えれば、異なる色通過帯域を有する異なる種類の金属誘電体カラーフィルターは、互いに同じ数の銀層を有し、互いに同じ厚みの銀層を有する必要がある。しかし、これらの要件は、金属誘電体カラーフィルターの可能な光学設計を厳しく制限するものである。
本発明は、これらの要件に制限されない金属誘電体光学フィルターであって、画像センサーや、環境光センサー、近接センサー、色相センサー、UVセンサー等の他のセンサーデバイスでの使用に特に好適な金属誘電体光学フィルターを提供する。
本発明は、基板上に配置される光学フィルターであって、1つ以上の誘電体層と、前記基板上の前記1つ以上の誘電体層と交互に積層される1つ以上の金属層と、を含み、前記1つ以上の金属層の各々は、テーパ状エッジを有し、前記テーパ状エッジは、前記光学フィルターの周縁部で金属層の全周縁部に沿って伸び、前記1つ以上の誘電体層の少なくとも1つによって金属層の全周縁部に沿って保護的に覆われている、光学フィルターに関する。
また、本発明は、センサーデバイスであって、1つ以上のセンサー素子と、前記1つ以上のセンサー素子の上に配置される1つ以上の光学フィルターと、を含み、前記1つ以上の光学フィルターの各々は、1つ以上の誘電体層と、前記1つ以上の誘電体層と交互に積層される1つ以上の金属層と、を含み、前記1つ以上の金属層の各々は、テーパ状エッジを有し、前記テーパ状エッジは、前記光学フィルターの周縁部で金属層の全周縁部に沿って伸び、前記1つ以上の誘電体層の少なくとも1つによって金属層の全周縁部に沿って保護的に覆われる、センサーデバイスに関する。
さらに、本発明は、光学フィルターの製造方法であって、基板を設けるステップと、前記基板上にフォトレジスト層を塗布するステップと、前記フォトレジスト層をパターン化して、前記基板のフィルター領域を露出するステップであって、前記フィルター領域を囲むパターン化フォトレジスト層においてオーバーハングが形成されるステップと、1つ以上の誘電体層と交互に積層される1つ以上の金属層を含む多層積層体を、前記パターン化フォトレジスト層および前記基板のフィルター領域の上に堆積するステップと、前記パターン化フォトレジスト層および前記パターン化フォトレジスト層の上の前記多層積層体の部分を除去して、前記基板のフィルター領域の上に残存する多層積層体の部分で光学フィルターを形成するステップと、を含み、前記光学フィルターにおける前記1つ以上の金属層の各々は、テーパ状エッジを有し、前記テーパ状エッジは、前記光学フィルターの周縁部で金属層の全周縁部に沿って伸び、前記1つ以上の誘電体層の少なくとも1つによって金属層の全周縁部に沿って保護的に覆われる、方法に関する。
以下の添付図面を参照し、本発明をさらに詳細に説明する。
光学フィルターの第1実施形態の断面概略図である。 図1Aの光学フィルターの製造方法におけるステップの概略図である。 図1Aの光学フィルターの製造方法におけるステップの概略図である。 図1Aの光学フィルターの製造方法におけるステップの概略図である。 図1Aの光学フィルターの製造方法におけるステップの概略図である。 図1Aの光学フィルターの製造方法におけるステップの概略図である。 図1Aの光学フィルターの製造方法におけるステップの概略図である。 光学フィルターの第2実施形態の断面概略図である。 複数の光学フィルターの断面概略図である。 例示赤色フィルターの層数、材料、および厚みの表である。 例示緑色フィルターの層数、材料、および厚みの表である。 例示青色フィルターの層数、材料、および厚みの表である。 例示明所フィルターの層数、材料、および厚みの表である。 図4A〜4Cの例示赤色、緑色、および青色フィルターの透過スペクトルのプロットである。 図4A〜4Cの例示赤色、緑色、および青色フィルターの透過スペクトルのプロットである。 図4Dの例示明所フィルターの入射角0°〜60°での透過スペクトルのプロットである。 図4A〜4Cの例示赤色、緑色、および青色(RGB)フィルターセットおよび従来の染料ベースRGBフィルターセットの色域のプロットである。 図4Aの例示赤色フィルターおよび従来の全誘電体赤色フィルターの入射角0°〜60°での色軌道のプロットである。 図4Dの例示明所フィルターの入射角0°〜60°での色軌道のプロットである。 センサーデバイスの第1実施形態の断面概略図である。 センサーデバイスの第2実施形態の断面概略図である。 パターン化フォトレジスト層および基板上に堆積される連続コーティングの断面の走査電子顕微鏡写真である。 パターン化フォトレジスト層および基板上に堆積される連続コーティングの断面の走査電子顕微鏡写真である。 高湿度および高温に露出された後の腐食を示す、図9Aおよび9Bの連続コーティングから成る光学フィルターの上面の光学顕微鏡写真である。 パターン化フォトレジスト層および基板上に堆積される非連続コーティングの断面の走査電子顕微鏡写真である。 より厚い底部剥離層とより大きなオーバーハングとを有するパターン化フォトレジスト層および基板上に堆積される非連続コーティングの断面の走査電子顕微鏡写真である。 より厚い底部剥離層とより大きなオーバーハングとを有するパターン化フォトレジスト層および基板上に堆積される非連続コーティングの断面の走査電子顕微鏡写真である。 例示紫外線A(UVA)、紫外線B(UVB)、および220nm中心フィルターの層数、材料、および厚みの表である。 図12の例示UVAフィルターの入射角0°〜60°での透過スペクトルのプロットである。 図12の例示UVBフィルターの入射角0°〜60°での透過スペクトルのプロットである。 図12の例示220nm中心フィルターの入射角0°〜60°での透過スペクトルのプロットである。 例示明所フィルターの入射角0°〜60°での透過スペクトルのプロットである。 センサーデバイスの第3実施形態の断面概略図である。 図15Aのセンサーデバイスの上面概略図である。 図15Aのセンサーデバイスの代替レイアウトの上面概略図である。 センサーデバイスの第4実施形態の上面概略図である。
本発明は、画像センサー、環境光センサー、近接センサー、色相センサー、紫外線(UV)センサー等のセンサーデバイスに特に好適に用いられる、保護金属層を有する金属誘電体光学フィルターを提供する。光学フィルターは、交互に積層される1つ以上の誘電体層と1つ以上の金属層とを含む。金属層は、誘電体層によって本質的に保護される。特に、金属層は、誘電体層の1つ以上によって保護的に覆われるテーパ状エッジを有する。よって、金属層の環境劣化に対する金属層の耐性が高まり、より環境耐久性の高い光学フィルターが得られる。
いくつかの実施形態において、1つ以上の誘電体層および1つ以上の金属層は、介在層なしに積層される。図1Aを参照して、光学フィルター100の第1実施形態は、基板110上に設けられ、交互に積層される3つの誘電体層120と2つの金属層130とを含む。金属層130の各々は、2つの誘電体層120の間に隣接して設けられることにより、環境から保護される。誘電体層120および金属層130は、その中に微細構造を有さない連続層である。
金属層130は、光学フィルター100の周縁部101にテーパ状エッジ131を有する。言い換えれば、金属層130は、光学フィルター100の中心部102にわたって厚みが実質的に一定であるが、光学フィルター100の周縁部101で厚みが次第に減少する。テーパ状エッジ131は、光学フィルター100の周縁部101において、金属層130の全周縁に沿って伸びる。同様に、誘電体層120は、光学フィルター100の中心部102にわたって厚みが実質的に一定であるが、光学フィルター100の周縁部101で厚みが次第に減少する。よって、光学フィルター100の中心部102は、高さが実質的に一定である一方、光学フィルター100の周縁部101は、傾斜している。言い換えれば、光学フィルター100は、実質的に平坦な上面および傾斜側面を有する。典型的に、光学フィルター100の側面は、水平面から約45°未満の角度で傾斜する。光学フィルター100の側面は、好ましくは、水平面から約20°未満の角度で傾斜し、より好ましくは、水平面から約10°未満の角度で傾斜する。
有利には、金属層130のテーパ状エッジ131は、環境に露出されない。むしろ、金属層130のテーパ状エッジ131は、金属層130の全周縁に沿って、誘電体層120の1つ以上で保護的に覆われている。当該1つ以上の誘電体層120は、例えば金属層130内部への硫黄や水の拡散を抑えることによって、金属層130の腐食等の環境劣化を抑制する。好ましくは、金属層130は、誘電体層120によって実質的に封入される。より好ましくは、金属層130のテーパ状エッジ131は、隣接する誘電体層120によって保護的に覆われ、金属層130は、隣接する誘電体層120によって実質的に封入される。場合によっては、上部誘電体層120、即ち、光学フィルター100上面の誘電体層120は、その下の全ての金属層130のテーパ状エッジ131を保護的に覆う。
図1B〜1Gを参照して、光学フィルター100の第1実施形態は、リフトオフプロセスにより製造されてもよい。特に図1Bを参照して、第1ステップで、基板110が設けられる。特に図1Cを参照して、第2ステップで、フォトレジスト層140が、基板110上に塗布される。典型的に、フォトレジスト層140は、スピンコーティングまたはスプレーコーティングで塗布される。
特に図1Dを参照して、第3ステップで、フォトレジスト層140がパターン化されて、光学フィルター100が配置されるべき基板110の領域、即ち、フィルター領域が露出される。基板110の他の領域は、パターン化フォトレジスト層140によって覆われたままである。典型的に、フォトレジスト層140は、まず基板110のフィルター領域を覆っているフォトレジスト層140の領域をマスクを通してUV光に露出して、その後好適な現像液または溶媒を用いてフォトレジスト層140の露出領域を現像、即ち、エッチングすることによって、パターン化される。
フォトレジスト層140は、フィルター領域を囲むパターン化フォトレジスト層140においてオーバーハング141、即ち、アンダーカットが形成されるように、パターン化される。典型的に、オーバーハング141は、好適な溶媒を用いる等してフォトレジスト層140の上部を化学的に改質して、フォトレジスト層140の上部が底部よりも遅く現像されるように、形成される。あるいは、オーバーハング141は、より遅く現像される上部層とより早く現像される底部層とから構成される二重層フォトレジスト層140を基板110に塗布することによって、形成されてもよい。
図1Eに示すように、オーバーハング141は、その後パターン化フォトレジスト層140および基板110上に堆積させるコーティング、即ち、多層積層体103が、基板110からパターン化フォトレジスト層140まで連続しないように、十分な大きさである必要がある。オーバーハング141は、典型的に、2μmよりも大きく、好ましくは、4μmよりも大きい。一般に、コーティングは、パターン化フォトレジスト層140の側面を覆うべきではない。
図9Aおよび9Bを参照して、コーティング903が基板910およびパターン化フォトレジスト層940上で連続していると、その後に行われるフォトレジスト層940およびその上のコーティング903部分のリフトオフにおいて、コーティング903が、パターン化フォトレジスト層940の底縁で破断し、コーティング903から成る光学フィルターのエッジ、特に、光学フィルターの金属層のエッジが環境に露出する。露出エッジは、高湿度・高温露出等の環境攻撃の影響を受けやすく、図9Cの銀含有光学フィルター900に示すように、腐食につながる。
図10を参照して、非連続コーティング1003を提供する実施形態において、フォトレジスト層は、二層構造を有し、上部層1042と底部層1043とを含む。上部層1042は、感光性であり、UV光への選択的露出によってパターン化可能である。底部層1043は、一般に、感光性でなく、剥離層として機能する。レジストの好適な例には、上部感光層1042用のAZ Electronic MaterialsのnLOF2020および底部剥離層1043用のMicrochem Corp.のLOR10Bがある。
フォトレジスト層が現像される際、オーバーハング1041の程度は、現像時間によって制御される。図10において、約3μmのオーバーハング1041になるように、現像時間が選択された。好ましくは、底部剥離層1043の厚みは、約500nmを超え、オーバーハング1041の厚みは、約2μmを超える。きれいなリフトオフ、即ち、堆積コーティング1003の破断のないリフトオフを保証するために、コーティング1003の厚みは、一般に、底部剥離層1043の厚みの約70%未満であるべきである。図10において、底部剥離層1043の厚みは、約800nmであり、上部感光層1042の厚みは、約2μmであり、コーティングの厚みは、約500nmである。オーバーハング1041の下の光学フィルター1000の側面は、角度約10°で傾斜している。
図11を参照して、場合によっては、より厚い底部剥離層1143が使用され、例えばあるプロセスでは約80秒〜約100秒等のより長い現像時間でより大きなオーバーハング1141が生成される。これらの特徴により、光学フィルター1100の側面の傾斜を低減して光学フィルター1100の周縁部での上部誘電体層1121の厚みを大きくして、エッジ耐久性を高める。図11において、約6μmのオーバーハング1141になるように、現像時間が選択された。好ましくは、底部剥離層1143の厚みは、約2μmを超え、オーバーハング1141の厚みは、約4μmを超える。コーティング層1103の厚みは、一般に、底部剥離層1143の厚みの約30%未満であるべきである。図11において、底部剥離層1143の厚みは、約2.6μmであり、上部感光層1142の厚みは、約2μmであり、コーティング1103の厚みは、約500nmである。オーバーハング1141の下の光学フィルター1100の側面は、角度約5°で傾斜している。
特に図1Eを参照して、第4ステップで、多層積層体103は、パターン化フォトレジスト層140および基板110のフィルター領域上に非連続コーティングとして堆積される。基板110のフィルター領域上に堆積された多層積層体103の部分が、光学フィルター100を形成する。光学フィルター100の層に対応する多層積層体103の層は、熱蒸着、電子ビーム蒸着、プラズマ支援蒸着、反応性イオン蒸着等の蒸着や、マグネトロンスパッタリング、反応性スパッタリング、交流(AC)スパッタリング、直流(DC)スパッタリング、パルスDCスパッタリング、イオンビームスパッタリング等のスパッタリングや、プラズマ強化化学蒸着等の化学蒸着や、原子層堆積といった、さまざまな堆積技術を用いて堆積することができる。また、異なる層を、異なる堆積技術で堆積してもよい。例えば、金属層130を、金属ターゲットのスパッタリングによって堆積し、誘電体層120を、酸素の存在下における金属ターゲットの反応性スパッタリングによって堆積してもよい。
オーバーハング141は基板110のフィルター領域の周縁部を覆うため、堆積層の厚みは、光学フィルター100の周縁部101に向かって次第に減少する。オーバーハング141は、光学フィルター100の周縁部101に向かって、コーティングの緩やかなロールオフを生じる。誘電体層120が金属層130上に堆積されると、誘電体層120は、金属層130の上面だけでなく金属層130のテーパ状エッジ131も覆うことにより、金属層130を環境から保護する。また、上部誘電体層120は、一般に、下の金属層130の保護層の役割を果たす。例えば、図11の実施形態において、厚み約100nmの上部誘電体層1121は、図11Aに示すように、下のより耐久性の低い金属層、特に、金属層のテーパ状エッジ上に伸びて保護的に覆う。
特に図1Fを参照して、第5ステップにおいて、パターン化フォトレジスト層140上の多層積層体103の部分が、フォトレジスト層140と共に、除去、即ち、リフトオフされる。典型的に、フォトレジスト層140は、好適なストリッパーまたは溶媒を用いて、剥がされる。基板110のフィルター領域上に残存する多層積層体103の部分が、光学フィルター100を形成する。基板110は、例えば、従来のセンサー素子であってもよい。
尚、図1B〜1Fのリフトオフプロセスを用いて、基板110上に、同一種類、即ち、同一光学設計の複数の光学フィルター100を同時に形成してもよい。また、リフトオフプロセスを繰り返して、引き続き、同一基板110に、異なる種類、即ち、異なる光学設計の1つ以上の光学フィルターを形成してもよい。場合によっては、以下により詳細に説明するように、リフトオフプロセスや場合によってはドライまたはウエットエッチングプロセスを用いて、より環境耐久性の高い1つ以上の光学フィルターを後で基板110上に形成して、より環境耐久性の低い1つ以上の光学フィルター100と部分的に重なるようにしてもよい。このようにして、光学フィルターアレイを基板110上に形成することができる。基板110は、例えば、従来のセンサーアレイであってもよい。
特に図1Gを参照して、任意の第6ステップで、付加的な保護コーティング150が、光学フィルター100上に堆積される。保護コーティング150は、前述の堆積技術のうちの1つを用いて堆積されてもよい。保護コーティング150は、光学フィルター100の中心部102および周縁部101の双方、即ち、光学フィルター100の全ての露出部分を覆うことによって、光学フィルター100を環境から保護する。
他の実施形態において、光学フィルターは、誘電体層と金属層との間に配置される複数の腐食抑制層を含み、これらがさらに金属層を保護する。図2を参照して、基板210上に配置された光学フィルター200の第2実施形態は、光学フィルター100の第1実施形態と類似しているが、さらに3つの誘電体層220と2つの金属層230との間に4つの腐食抑制層260を含む。
金属層230の各々は、2つの腐食抑制層260の間に隣接して配置されることによって、さらに環境から保護される。腐食抑制層260は、主に堆積プロセスにおいて、金属層230の腐食を抑制する。特に、腐食抑制層260は、光路における金属層230の部分を保護して、金属層230の光学特性の劣化を抑える。好ましくは、金属層230のテーパ状エッジ231は、最も近い誘電体層220と共に、隣接する腐食抑制層260によって保護的に覆われる。このように、金属層230は、好ましくは、最も近い誘電体層220と共に、隣接する腐食抑制層260によって実質的に封入される。
光学フィルター200の第2実施形態は、光学フィルター100の第1実施形態の製造に用いられたものと同様のリフトオフプロセスで製造されてもよい。但し、第4ステップで堆積される多層積層体の層は、光学フィルター200の層に対応する。特に、腐食抑制層260は、各金属層230の前後に堆積される。有利には、腐食抑制層260は、誘電体層220の堆積中、金属層230の腐食、即ち、酸化を抑制する。腐食抑制層260は、金属層230が銀またはアルミニウムを含有する場合に、特に有用である。そのような実施形態において、腐食抑制層260は、金属層230からの銀またはアルミニウムと誘電体層220からの酸素が反応して酸化銀または酸化アルミニウムを形成するのを抑制する。
腐食抑制層260は、反応性スパッタリング等の前述の堆積技術の1つを用いて、金属窒化物または金属酸化物等の金属化合物の層として堆積されてもよい。あるいは、腐食抑制層260は、まず前述の堆積技術の1つを用いて好適な金属層を堆積し、その後金属層を酸化させることによって、形成されてもよい。好ましくは、金属層230の上部の腐食抑制層260の各々は、まず好適な金属層を堆積し、金属層を酸化させて、その後金属酸化物層を堆積することによって、形成される。例えば、これらの腐食抑制層260は、好適な金属ターゲットをスパッタリングした後、酸化させて、続いて酸素の存在下で好適な金属ターゲットを反応性スパッタリングすることによって、形成されてもよい。腐食抑制層の形成方法のさらなる詳細については、後述すると共に、米国特許第7,133,197号に開示されている。
本発明の光学フィルターは、さまざまな光学設計を有してもよい。例示光学フィルターの光学設計について、以下にさらに詳細に記載する。一般に、光学フィルターの光学設計は、好適な層数、材料、および/または厚みを選択することによって、特定の通過帯域に対して最適化される。
光学フィルターは、少なくとも1つの金属層と、少なくとも1つの誘電体層とを含む。多くの場合、光学フィルターは、複数の金属層と複数の誘電体層とを含む。典型的に、光学フィルターは、2〜6つの金属層と、3〜7つの誘電体層と、任意に4〜12つの腐食抑制層とを含む。金属層の数が増えると、より急峻なエッジの通過帯域が提供されるが、帯域内透過率はより低くなる。
光学設計における最初または底部層、即ち、基板上に堆積される最初の層は、金属層または誘電体層であってもよい。光学設計における最後または上部層、即ち、基板上に堆積される最後の層は、通常、誘電体層である。底部層が金属層である場合、光学フィルターは、シーケンス(M/D)で積層されるn個の金属層(M)とn個の誘電体層(D)とから構成されてもよい(n≧1)。あるいは、光学フィルターは、シーケンス(C/M/C/D)で積層されるn個の金属層(M)と、n個の誘電体層(D)と、2n個の腐食抑制層(C)とから構成されてもよい(n≧1)。底部層が誘電体層である場合、光学フィルターは、シーケンスD(M/D)で積層されるn個の金属層(M)とn+1個の誘電体層(D)とから構成されてもよい(n≧1)。あるいは、光学フィルターは、シーケンスD(C/M/C/D)で積層されるn個の金属層(M)と、n+1個の誘電体層(D)と、2n個の腐食抑制層(C)とから構成されてもよい(n≧1)。
金属層の各々は、金属または合金から成る。いくつかの実施形態において、金属層の各々は、銀から成る。あるいは、金属層の各々は、銀合金から成ってもよい。例えば、基本的に金を約0.5wt%、スズを約0.5wt%、および残部を銀とする銀合金は、耐腐食性を向上させる。他の実施形態において、金属層の各々は、アルミニウムから成る。金属または合金の選択は、用途に依存する。銀は、通常、可視スペクトル領域に通過帯域を有する光学フィルターに好ましく、アルミニウムは、通常、UVスペクトル領域に通過帯域を有する光学フィルターに好ましい。但し、銀は、通過帯域が約350nmを超える波長を中心とする場合に用いられることもある。
必ずしもそうではないが、一般に、金属層は、同一の金属または合金から成り、異なる厚みを有する。典型的に、金属層の各々は、約5nm〜約50nmの物理厚みを有し、好ましくは、約10nm〜約35nmの物理厚みを有する。
誘電体層の各々は、光学フィルターの通過帯域において透明である誘電材料から成る。
可視スペクトル領域に通過帯域を有する光学フィルターでは、誘電体層は、典型的に、各々、可視スペクトル領域で透明である550nmで約1.65を超える屈折率を持つ高指数誘電材料から成る。このようなフィルターの高指数誘電材料の好適な例には、二酸化チタン(TiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化ハフニウム(HfO)、五酸化ニオブ(Nb)、五酸化タンタル(Ta)、およびこれらの混合物がある。好ましくは、このようなフィルターの高指数誘電材料は、また、UV吸収性、即ち、近UVスペクトル領域において吸収性である。例えば、TiOおよび/またはNbを含むかTiOおよび/またはNbから成る高指数誘電材料は、近UVスペクトル領域において、より高いUVブロッキング、即ち、より低い帯域外透過率を提供する。好ましくは、高指数誘電材料の屈折率は、550nmで約2.0を超え、より好ましくは、550nmで約2.35を超える。通常、より高い屈折率が望ましい。但し、現在利用可能な透明高指数誘電材料は、一般に、550nmで約2.7の屈折率を有する。
UVスペクトル領域に通過帯域を有するフィルターでは、誘電体層は、典型的に、各々、UVスペクトル領域で透明である300nmで約1.4〜1.65の屈折率を有する中間指数誘電材料、または、好ましくは、300nmで約1.65を超える屈折率、より好ましくは、300nmで約2.2を超える屈折率を有する高指数誘電材料から成る。UVスペクトル領域に通過帯域を有するこのようなフィルターの中間指数および高指数誘電材料の好適な例には、Ta、二酸化ハフニウム(HfO)、三酸化アルミニウム(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、三酸化スカンジウム(Sc)、三酸化イットリウム(Y)、ZrO、二酸化マグネシウム(MgO)、二フッ化マグネシウム(MgF)、その他のフッ化物、およびこれらの混合物がある。例えば、Taを340nmを超える波長を中心とする通過帯域用の高指数誘電材料として使用し、HfOを約400nm未満の波長を中心とする通過帯域用の高指数誘電材料として使用してもよい。
必ずしもそうではないが、一般に、誘電体層は、同一の誘電材料から成り、異なる厚みを有する。典型的に、誘電体層の各々は、約20nm〜約300nmの物理厚みを有する。好ましくは、上部誘電体層は、約40nmを超える物理厚みを有し、より好ましくは、約100nmを超える物理厚みを有することで、下の金属層の保護層としての役割を果たすことができる。各誘電体層の物理厚みは、光学設計によって要求される1/4波長光学的厚み(QWOT(quarter wave optical thickness))に対応するように選択される。QWOTは、4ntとして定義される。ここで、nは、誘電材料の屈折率であり、tは、物理厚みである。典型的に、誘電体層の各々は、約200nm〜約2400nmのQWOTを有する。
任意の腐食抑制層の各々は、腐食抑制材料から成る。典型的に、腐食抑制層は、腐食抑制誘電材料から成る。好適な腐食抑制誘電材料の例には、窒化ケイ素(Si)、TiO、Nb、酸化亜鉛(ZnO)、およびこれらの混合物がある。好ましくは、腐食抑制誘電材料は、金属層の金属または合金よりも高いガルバニー電位を有する金属の、窒化物または酸化物等の、化合物である。
場合によっては、金属層の下の腐食抑制層は、ZnOから成り、金属層の上の腐食抑制層は、亜鉛から成る1nm未満の厚み等の極薄層およびZnOから成る薄層を含む。亜鉛層は、金属層に堆積され、その後ポスト酸化されて、光学吸収を防ぐ。金属層の上下のZnO層は、典型的に、反応性スパッタリングにより堆積される。有利には、ZnO層を堆積する前に金属層の上に亜鉛層を堆積することによって、金属層が、反応性スパッタリング中に生じる活性化イオン化酸素種に露出されるのを防ぐ。亜鉛層は、優先的に酸素を吸収し、金属層の酸化を抑制する。
腐食抑制層は、一般に、特に当該層が可視スペクトル領域において吸収している際に、光学フィルターの光学設計に寄与することを実質的に避けるために、好適に薄い。典型的に、腐食抑制層の各々は、約0.1nm〜約10nmの物理厚みを有し、好ましくは、約1nm〜約5nmの物理厚みを有する。好適な腐食抑制層のさらなる詳細は、米国特許第7,133,197号に開示されている。
任意の保護コーティングは、典型的に、誘電材料から成る。保護コーティングは、誘電体層と同じ誘電材料から成ってもよく、同じ範囲の厚みを有してもよい。多くの場合、保護コーティングは、上部誘電体層と同じ誘電材料から成り、上部誘電体層の設計厚みの部分、即ち、光学設計によって要求される厚みである厚みを有する。言い換えれば、光学設計の上部誘電体層は、誘電体層と誘電体保護コーティングとに分けられる。あるいは、保護コーティングは、エポキシ樹脂等の有機材料から成ってもよい。
図3を参照して、光学フィルター300は、典型的に、1μm未満のフィルター高さh、即ち、光学フィルター300の中心部の基板310からの高さを有し、好ましくは、0.6μm未満のフィルター高さhを有する。尚、フィルター高さは、一般に、前述の堆積コーティングの厚みに対応する。画像センサーに用いられる場合、光学フィルター300は、典型的に、2μm未満のフィルター幅w、即ち、光学フィルター300の中心部の幅を有し、好ましくは、1μm未満のフィルター幅wを有する。有利には、相対的に低いフィルター高さによって、複数の光学フィルター300がリフトオフプロセスで形成される際により小さなフィルター間隔にすることができる。典型的に、画像センサーにおける光学フィルター300は、2μm未満のフィルター間隔d、即ち、最も近い光学フィルター300の中心部の間の間隔を有し、好ましくは、1μm未満のフィルター間隔dを有する。より大きな画素サイズを有する他のセンサーデバイスに用いられる場合、フィルター幅は、約50μm〜約100μmであってもよい。
光学フィルターは、高い帯域内透過率および低い帯域外透過率を有する金属誘電体バンドパスフィルター、即ち、誘導透過フィルターである。いくつかの実施形態において、光学フィルターは、可視スペクトル領域において相対的に狭い色通過帯域を有するカラーフィルターである。例えば、光学フィルターは、赤色、緑色、青色、シアン、黄色、またはマゼンタフィルターである。他の実施形態において、光学フィルターは、可視スペクトル領域において明所通過帯域、即ち、相対的に明るい光への人間の眼のスペクトル応答を模倣した明所光度効率関数に一致する通過帯域を有する明所フィルターである。また他の実施形態において、光学フィルターは、可視スペクトル領域において相対的に広い通過帯域を有するIRブロッキングフィルターである。
そのような実施形態において、光学フィルターは、典型的に、約50%を超える最大帯域内透過率、約300nm〜約400nm、即ち、近UVスペクトル領域において約2%未満の平均帯域外透過率、および、約750nm〜約1100nm、即ち、赤外線(IR)スペクトル領域において約0.3%未満の平均帯域外透過率を有する。一方、従来の全誘電体カラーおよび明所フィルターは、典型的に、本質的にIRブロッキングではない。一般に、そのような実施形態において、光学フィルターはまた、低角シフト、即ち、0°からの入射角の変化に伴う中心波長シフトを有する。典型的に、光学フィルターは、600nmを中心とする光学フィルターに対して、大きさで約5%または約30nm未満の入射角60°での角度シフトを有する。一方、従来の全誘電体カラーおよび明所フィルターは、典型的に、極めて角度感度が高い。
図4A、4B、および4Cは、それぞれ例示赤色、緑色、および青色フィルター、即ち、例示RGBフィルターセットの光学設計、即ち、層数、材料、および厚みの表である。図4Dは、例示明所フィルターの光学設計の表である。各光学設計の層は、基板上に堆積される第1または底部層から番号付けされている。
金属層の各々は、銀から成り、約13nm〜約34nmの物理厚みを有する。誘電体層の各々は、高指数誘電材料(H)から成り、約240nm〜約2090nmのQWOTを有する。例えば、高指数誘電材料は、550nmで約2.43の屈折率を有するNbとTiOとの混合物であってもよい。腐食抑制層の各々は、ZnOから成り、約2nmの物理厚みを有する。
高指数誘電材料が550nmで約2.43の屈折率を有する場合、赤色フィルターのフィルター高さは606nm、緑色フィルターのフィルター高さは531nm、青色フィルターのフィルター高さは252nm、および明所フィルターのフィルター高さは522nmである。これらのフィルター高さは、従来の全誘電体カラーおよび明所フィルターより大幅に低い。
図5Aおよび5Bは、例示赤色、緑色、および青色フィルターの透過スペクトル570、571、および572のプロットである。例示赤色フィルターの透過スペクトル570は、約620nmを中心とする赤色通過帯域を含み、例示緑色フィルターの透過スペクトル571は、約530nmを中心とする緑色通過帯域を含み、例示青色フィルターの透過スペクトル572は、約445nmを中心とする青色通過帯域を含む。
図5Cは、入射角0°〜60°での例示明所フィルターの透過スペクトル573(0°)および574(60°)のプロットである。入射角0°での例示明所フィルターの透過スペクトル573は、約555nmを中心とする明所通過帯域を含む。入射角60°での例示明所フィルターの透過スペクトル574では、明所通過帯域は、約520nmを中心とする。言い換えれば、入射角60°での例示明所フィルターの角度シフトは、約-25nmである。有利には、例示明所フィルターの角度シフトは、従来の全誘電体明所フィルターの角度シフトよりも大幅に小さい。
例示カラーおよび明所フィルターの各々は、約60%を超える最大帯域内透過率を有する。有利には、例示カラーおよび明所フィルターは、従来の染料ベースおよび全誘電体カラーおよび明所フィルターと比べて向上したIRブロッキングを提供し、IR漏れに因るノイズを低減する。とりわけ、例示カラーおよび明所フィルターの各々は、約750nm〜約1100nm、即ち、IRスペクトル領域において、約0.3%未満の平均帯域外透過率を有する。例示カラーおよび明所フィルター、特に例示赤色フィルターはまた、いくつかの従来の金属誘電体カラーフィルターと比べて向上したUVブロッキングを提供し、UV漏れに因るノイズを低減する。とりわけ、例示カラーおよび明所フィルターの各々は、約300nm〜約400nm、即ち、近UVスペクトル領域において、約2%未満の平均帯域外透過率を有する。
例示RGBフィルターセットの色域680を、比較用の従来の染料ベースRGBフィルターセットの色域681と共に、図6AにおけるCIExy色度図にプロットする。有利には、例示RGBフィルターセットの色域680は、従来の染料ベースRGBフィルターセットの色域681よりも大幅に大きい。
入射角0°〜60°での例示赤色フィルターの色軌道682を、入射角0°〜60°での従来の全誘電体赤色フィルターの色軌道683と共に、図6BにおけるCIExy色度図にプロットする。入射角0°〜60°での例示明所フィルターの色軌道684を、図6CにおけるCIExy色度図にプロットする。有利には、例示赤色および明所フィルターの角度シフトは、従来の全誘電体赤色および明所フィルターの角度シフトよりも大幅に小さい。
いくつかの実施形態において、光学フィルターは、約180nm〜約420nm等、UVスペクトル領域において相対的に狭い通過帯域を有するUVフィルターである。例えば、光学フィルターは、紫外線A(UVA)または紫外線B(UVB)フィルターであってもよい。そのような実施形態において、光学フィルターは、典型的に、約5%を超える、好ましくは約15%を超える最大帯域内透過率を有し、約420nm〜約1100nm、即ち、可視およびIRスペクトル領域において約0.3%未満の平均帯域外透過率を有する。一方、従来の全誘電体UVフィルターは、典型的に、本質的にIRブロッキングではない。一般に、そのような実施形態において、光学フィルターはまた、低角度シフト、即ち、0°からの入射角の変化に伴う中心波長シフトを有する。典型的に、光学フィルターは、300nmを中心とする光学フィルターに対して、大きさで約5%または大きさで約15nm未満の入射角60°での角度シフトを有する。一方、従来の全誘電体UVフィルターは、典型的に、極めて角度感度が高い。
図12は、例示UVA、UVB、および220nm中心フィルターの光学設計、即ち、層数、材料、および厚みの一覧である。金属層の各々は、アルミニウムから成り、約10nm〜約20nmの物理厚みを有する。誘電体層の各々は、高指数誘電材料、即ち、UVAフィルターではTa、UVBおよび220nm中心フィルターではHfOから成り、約40nm〜約60nmの物理厚みを有する。例示UVフィルターは、腐食抑制層を含まない。なぜなら、腐食抑制層が提供する付加的な保護は、金属層がアルミニウムから成る場合、通常必要ないからである。
UVAフィルターのフィルター高さは350nm、UVBフィルターのフィルター高さは398nm、および220nm中心フィルターのフィルター高さは277nmである。これらのフィルター高さは、従来の全誘電体UVフィルターよりも大幅に低い。
図13Aは、入射角0°〜60°での例示UVAフィルターの透過スペクトル1370(0°)および1371(60°)のプロットである。図13Bは、入射角0°〜60°での例示UVBフィルターの透過スペクトル1372(0°)および1373(60°)のプロットである。図13Cは、入射角0°〜60°での例示220nm中心フィルターの透過スペクトル1374(0°)および1375(60°)のプロットである。入射角0°での例示UVAフィルターの透過スペクトル1370は、約355nmを中心とするUVA通過帯域を含み、入射角0°での例示UVBフィルターの透過スペクトル1372は、約295nmを中心とするUVB通過帯域を含み、入射角0°での220nm中心フィルターの透過スペクトル1374は、約220nmを中心とする通過帯域を含む。入射角60°での例示UVフィルターの角度シフトは、大きさで約15nm未満である。有利には、例示UVフィルターの角度シフトは、従来の全誘電体UVフィルターの角度シフトよりも大幅に小さい。
例示UVフィルターの各々は、約10%を超える最大帯域内透過率を有する。特に、UVAおよびUVBフィルターの各々は、約20%を超える最大帯域内透過率を有する。有利には、例示UVフィルターは、従来の全誘電体UVフィルターと比べて向上したIRブロッキングを提供し、IR漏れに因るノイズを低減する。とりわけ、例示UVフィルターの各々は、約420nm〜約1100nm、即ち、可視およびIRスペクトル領域において、約0.3%未満の平均帯域外透過率を有する。
本発明の光学フィルターは、センサーデバイスまたは他の能動デバイスの一部に含まれる場合に特に有用である。センサーデバイスは、本発明に係る1つ以上の光学フィルターに加えて、1つ以上のセンサー素子を含む任意の種類のセンサーデバイスであってもよい。場合によっては、センサーデバイスはまた、1つ以上の従来の光学フィルターを含んでもよい。例えば、センサーデバイスは、画像センサー、環境光センサー、近接センサー、色相センサー、UVセンサー、またはそれらの組み合わせであってもよい。1つ以上のセンサー素子は、任意の種類の従来のセンサー素子であってもよい。典型的に、1つ以上のセンサー素子は、フォトダイオード、電荷結合素子(CCD)センサー素子、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサー素子、シリコン検出器、または特定UV高感度検出器等の光検出器である。1つ以上のセンサー素子は、前面または背面照射であってもよい。センサー素子は、シリコン、ヒ化ガリウムインジウム(In1-xGaAs)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ゲルマニウム、硫化鉛(PbS)、または窒化ガリウム(GaN)等の任意の典型的なセンサー材料から成ってもよい。
1つ以上の光学フィルターは、1つ以上のセンサー素子の上に配置され、1つ以上の光学フィルターが、1つ以上のセンサー素子に提供される光をフィルタリングする。典型的に、各光学フィルターは、1つのセンサー素子の上に配置される。言い換えれば、センサーデバイスの各画素は、典型的に、1つの光学フィルターと1つのセンサー素子とを含む。好ましくは、1つ以上の光学フィルターは、1つ以上のセンサー素子のパッシベーション層の上等、1つ以上のセンサー素子の上に直接配置される。例えば、1つ以上の光学フィルターは、リフトオフプロセスによって1つ以上のセンサー素子の上に形成されてもよい。しかし、場合によっては、1つ以上の光学フィルターと1つ以上のセンサー素子との間には1つ以上のコーティングが配置され得る。場合によっては、1つ以上の光学フィルターは、1つ以上のセンサー素子と一体化されてもよい。
いくつかの実施形態において、センサーデバイスは、単一のセンサー素子と、センサー素子の上に配置される本発明に係る単一の光学フィルターとを含む。図7を参照して、センサーデバイス790の第1実施形態は、センサー素子711と、センサー素子711の上に配置される光学フィルター700とを含む。例えば、センサーデバイス790は、環境光センサーであってもよく、センサー素子711は、フォトダイオードであってもよく、光学フィルター700は、図4Dの例示明所フィルター等の明所フィルター、または、IRブロッキングフィルターであってもよい。他の例では、センサーデバイス790は、UVセンサーであってもよく、センサー素子711は、フォトダイオードであってもよく、光学フィルター700は、図12の例示UVA、UVB、または220nm中心フィルター等のUVフィルターであってもよい。
環境光センサーの例示実施形態において、本発明に係る明所フィルターは、フォトダイオードと一体化される。明所フィルターは、フォトダイオードの上、典型的に、フォトダイオードの例えばSiから成る平坦化パッシベーション層の上に配置される。例えばエポキシ樹脂から成る任意の保護コーティングまたは封入層は、明所フィルターおよびフォトダイオードの上に配置されてもよい。明所フィルターの光学設計は、パッシベーション層、および、存在する場合は封入層を考慮して最適化される。
入射角0°〜60°でのフォトダイオードとの一体化のために最適化された例示明所フィルターの透過スペクトル1470(0°)および1471(60°)を、正規化明所応答曲線1472と共に、図14にプロットする。透過スペクトル1470および1471は、Siパッシベーション層およびエポキシ樹脂封入層と適合する。入射角0°での例示明所フィルターの透過スペクトル1470は、約555nmを中心とする明所通過帯域を含む。例示明所フィルターの透過スペクトル1470は、入射角0°〜40°で正規化明所応答曲線1472にある程度追従する。また、例示明所フィルターは、入射角0°〜60°でUVおよびIR光をどちらもブロックし、低角度シフトを有する。有利には、例示明所フィルターは、例えば温度125℃および相対湿度100%で96時間、環境的耐久性がある。
他の実施形態において、センサーデバイスは、複数のセンサー素子と、複数のセンサー素子の上に配置される本発明に係る複数の光学フィルターとを含む。典型的に、センサー素子は、アレイ状に配置される。言い換えれば、センサー素子は、フォトダイオードアレイ、CCDアレイ、CMOSアレイ、または任意の他の種類の従来のセンサーアレイ等のセンサーアレイを形成する。また、典型的に、光学フィルターは、アレイ状に配置される。言い換えれば、光学フィルターは、カラーフィルターアレイ(CFA)等の光学フィルターアレイを形成する。好ましくは、センサーアレイおよび光学フィルターアレイは、対応する二次元アレイ、即ち、モザイクである。例えば、アレイは、行と列とを有する長方形アレイである。
多くの場合、そのような実施形態において、光学フィルターは、実質的に互いに離間している。言い換えれば、光学フィルターの周縁部は、通常、互いに接触していない。しかし、場合によっては、光学フィルターの誘電体層は、非意図的に接触するかもしれず、他方、金属層の特にテーパ状エッジは、互いに離間したままである。
典型的に、複数の光学フィルターは、互いに異なる通過帯域を有する異なる種類の光学フィルターを含む。例えば、複数の光学フィルターは、赤色、緑色、青色、シアン、黄色、および/またはマゼンタフィルター等のカラーフィルター、明所フィルター、IRブロッキングフィルター、UVフィルター、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態において、複数の光学フィルターは、異なる種類のカラーフィルターを含み、CFAを形成する。例えば、複数の光学フィルターは、図4A〜4Cの例示赤色、緑色、および青色フィルター等の赤色、緑色、および青色フィルターを含み、ベイヤーフィルターアレイ等のRGBフィルターアレイを形成してもよい。他の例では、複数の光学フィルターは、シアン、マゼンタ、および黄色フィルターを含み、CMYフィルターアレイを形成してもよい。
有利には、異なる種類の光学フィルターは、互いに異なる数の金属層および/または異なる厚みの金属層を有してもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも2つの異なる種類の光学フィルターは、互いに異なる数の金属層を含む。同じまたは他の実施形態において、少なくとも2つの異なる種類の光学フィルターは、互いに異なる金属層厚みを有する。例えば、図4Cの例示青色フィルターは、図4Aおよび4Bの例示赤色および緑色フィルターと異なる数の金属層を有する。また、図4A〜4Cの例示赤色、緑色、および青色フィルターは全て、互いに異なる金属層厚みを有する。
図8を参照して、センサーデバイス890の第2実施形態は、複数のセンサー素子811と、複数のセンサー素子811の上に配置される複数の光学フィルター800および804とを含む。複数の光学フィルター800および804は、第1通過帯域を有する第1種類の光学フィルター800と、第1通過帯域と異なる第2通過帯域を有する第2種類の光学フィルター804とを含む。例えば、センサーデバイス890は、画像センサーであり、複数のセンサー素子811は、CCDアレイであり、複数の光学フィルター800および804は、ベイヤーフィルターアレイであってもよい(そのうちの1行の一部のみが図示されている)。第1種類の光学フィルター800は、図4Bの例示緑色フィルター等の緑色フィルターであってもよく、第2種類の光学フィルター804は、図4Aの例示赤色フィルター等の赤色フィルターまたは図4Cの例示青色フィルター等の青色フィルターであってもよい。
前述のセンサーデバイスの実施形態のいずれも、より環境耐久性のある1つ以上の付加的な光学フィルターおよび1つ以上の付加的なセンサー素子と組み合わせてもよい。
よって、いくつかの実施形態において、センサーデバイスは、1つ以上の第1センサー素子の上に配置される本発明に係る1つ以上の第1光学フィルターに加えて、1つ以上の第2センサー素子の上に配置される1つ以上の第2光学フィルターを含む。1つ以上の第2光学フィルターは、1つ以上の第1光学フィルターよりも環境耐久性が高い。例えば、1つ以上の第1光学フィルターは、金属層が銀または銀合金から成る本発明に係る銀誘電体光学フィルターであってもよい。1つ以上の第2光学フィルターは、金属層がアルミニウムから成る本発明に係るアルミニウム誘電体光学フィルターであってもよい。あるいは、1つ以上の第2光学フィルターは、全誘電体、シリコン誘電体、または水素化シリコン誘電体光学フィルター等の従来の光学フィルターであってもよい。
そのような実施形態において、1つ以上の第2光学フィルターは、1つ以上の第1光学フィルターと部分的に重なり、より環境耐久性の高い1つ以上の第2光学フィルターがより環境耐久性の低い1つ以上の第1光学フィルターの周縁部を保護的に覆う。有利には、この重複レイアウトによって、1つ以上の第1光学フィルターの特に金属層のテーパ状エッジに、腐食等の環境劣化からの付加的な保護を与える。1つ以上の第1光学フィルターのフィルター側面の小傾斜および低フィルター高さのため、1つ以上の第1光学フィルターの周縁部の傾斜側面および基板上に配置されると、1つ以上の第2光学フィルターは、合致して、1つ以上の第2光学フィルターに連続層を提供する。
1つ以上の第2光学フィルターは、金属層のテーパ状エッジを含む1つ以上の第1光学フィルターの周縁部の傾斜側面へ、好ましくは1つ以上の第1光学フィルターの全周縁部に沿って伸びる。好ましくは、1つ以上の第2光学フィルターは、1つ以上の第1光学フィルターの周縁部の傾斜側面を完全に覆う。しかし、1つ以上の第2光学フィルターは、1つ以上の第1センサー素子を覆って妨げることはない。
典型的に、1つ以上の第1光学フィルターおよび1つ以上の第2光学フィルターは、互いに異なる通過帯域を有する。例えば、1つ以上の第1光学フィルターは、赤色、緑色、青色、シアン、黄色、またはマゼンタフィルター等のカラーフィルター、明所フィルター、IRブロッキングフィルター、またはそれらの組み合わせであってもよい。特に、1つ以上の第1光学フィルターは、図4A〜4Cの例示赤色、緑色、および/または青色フィルター等の銀誘電体カラーフィルター、図4Dの例示明所フィルター等の銀誘電体明所フィルター、または銀誘電体IRブロッキングフィルターであってもよい。
1つ以上の第2光学フィルターは、例えば、UVフィルター、近IRフィルター、またはそれらの組み合わせであってもよい。特に、1つ以上の第2光学フィルターは、図12の例示UVA、UVB、および/または220nm中心フィルター等のアルミニウム誘電体UVフィルター、または、全誘電体UVフィルターであってもよい。あるいは、1つ以上の第2光学フィルターは、2014年1月16日公開のHendrix他の米国特許出願公報第2014/0014838号に記載の光学フィルター等の、シリコン誘電体または水素化シリコン誘電体近IRフィルターであってもよい。
典型的に、センサーデバイスは、そのような実施形態において、多機能であり、1つ以上の第1光学フィルターおよび1つ以上の第2光学フィルターの通過帯域によって主に決定される異なる機能を有する異なる種類の光学センサーを組み合わせる。1つ以上の第1光学フィルターおよび1つ以上の第1センサー素子は、第1種類の光学センサーを形成し、1つ以上の第2光学フィルターおよび1つ以上の第2センサー素子は、第2種類の光学センサーを形成する。例えば、第1種類の光学センサーは、明所フィルターまたはIRブロッキングフィルターを含む環境光センサー、1つ以上の異なる種類のカラーフィルターを含む色相センサー、または複数の異なる種類のカラーフィルターを含む画像センサーであってもよい。第2種類の光学センサーは、例えば、UVフィルターを含むUVセンサー、または、近IRフィルターを含む近接センサーであってもよい。
図15を参照して、センサーデバイス1590の第3実施形態は、第1センサー素子1511と、第1センサー素子1の上に配置される本発明に係る第1光学フィルター1500とを含み、第1種類の光学センサーを形成する。センサーデバイス1590はさらに、第2センサー素子1512と、第2センサー素子1512の上に配置されるより環境耐久性の高い第2光学フィルター1505とを含み、第2種類の光学センサーを形成する。
例えば、第1種類の光学センサーは、環境光センサーであってもよく、第1光学フィルター1500は、図4Dの例示明所フィルター等の銀誘電体明所フィルター、または、銀誘電体IRブロッキングフィルターであってもよい。第2種類の光学センサーは、例えば、UVセンサーであってもよく、第2光学フィルター1505は、図12の例示UVA、UVB、または220nm中心フィルター等のアルミニウム誘電体UVフィルター、または、全誘電体UVフィルターであってもよい。あるいは、第2種類の光学センサーは、近接センサーであってもよく、第2光学フィルター1505は、全誘電体、シリコン誘電体、または水素化シリコン誘電体等の近IRフィルターであってもよい。第1センサー素子1511および第2センサー素子1512は、フォトダイオードであってもよい。
特に図15Aを参照して、第2光学フィルター1505は、第1光学フィルター1500の全周縁部に沿って、第1光学フィルター1500の傾斜側面の上に伸びる。こうして、第2光学フィルター1505は、金属層のテーパ状エッジを含む第1光学フィルター1500の周縁部を保護的に覆う。
特に図15Bおよび15Cを参照して、第1光学フィルター1500は、第1センサー素子1511を覆い第1センサー素子1511に与えられる光をフィルタリングする。第2光学フィルター1505は、第2センサー素子1512を覆い第2センサー素子1512に与えられる光をフィルタリングし、第1センサー素子1511を取り囲むが覆いはしない。図15Bに示すレイアウトにおいて、第1センサー素子1511および第2センサー素子1512は、接着パッド1513の行の間の行に配置される。図15Cに示す代替レイアウトにおいて、第2センサー素子1512は、環状であり、第1センサー素子1511を取り囲む。
図16を参照して、センサーデバイス1690の第4実施形態は、複数の第1センサー素子1611と、複数の第1センサー素子1611の上に配置される本発明に係る複数の第1光学フィルター1600、1604、および1606とを含み、第1種類の光学センサーを形成する。センサーデバイス1690はさらに、第2センサー素子1612と、第2センサー素子1612の上に配置される第2光学フィルター1605とを含み、第2種類の光学センサーを形成する。
例えば、第1種類の光学センサーは、画像センサーまたは色相センサーであってもよく、複数の第1光学フィルター1600、1604、および1606は、図4A〜4Cの例示銀誘電体赤色、緑色、および青色フィルター等の異なる種類のカラーフィルターであってもよい。第2種類の光学センサーは、例えば、UVセンサーであってもよく、第2光学フィルター1605は、図12の例示アルミニウム誘電体UVA、UVB、または220nm中心フィルター等のUVフィルターであってもよい。あるいは、第2種類の光学センサーは、近接センサーであってもよく、第2光学フィルター1605は、全誘電体、シリコン誘電体、または水素化シリコン誘電体近IRフィルター等の近IRフィルターであってもよい。複数の第1センサー素子1611および第2センサー素子1612は、フォトダイオードアレイを形成してもよい。

Claims (28)

  1. 基板上に配置される光学フィルターであって、
    複数の誘電体層と、
    複数の金属層であって、該複数の金属層の各金属層は前記複数の誘電体層の少なくとも2つによって囲まれている、複数の金属層と、を含み、
    前記複数の金属層の各金属層は、前記複数の誘電体層の少なくとも1つによって保護的に覆われている、第1テーパ状エッジ及び第2テーパ状エッジを有する、光学フィルター。
  2. 前記光学フィルターは、実質的に平坦な上面および傾斜側面を有し、
    前記光学フィルターの傾斜側面は、水平面から約45°未満の角度で傾斜している、請求項1に記載の光学フィルター。
  3. 前記光学フィルターの傾斜側面は、水平面から約20°未満の角度で傾斜している、請求項に記載の光学フィルター。
  4. 前記光学フィルターは、約1μm未満のフィルター高さを有する、請求項1に記載の光学フィルター。
  5. 前記複数の金属層の各々は、前記光学フィルターの中心部にわたって実質的に一定の厚みを有する、請求項に記載の光学フィルター。
  6. 前記複数の金属層の各々は、銀、銀合金またはアルミニウムからなる、請求項に記載の光学フィルター。
  7. 前記光学フィルターは、カラーフィルター、明所フィルター、赤外線ブロッキングフィルター、または紫外線フィルターである、請求項1に記載の光学フィルター。
  8. 前記複数の誘電体層は、前記複数の金属層の各金属層を保護的に覆う上部誘電体層を含む、請求項に記載の光学フィルター。
  9. 記上部誘電体層は、約40nmを超える物理厚みを有する、請求項に記載の光学フィルター。
  10. センサーデバイスであって、
    1つ以上の第1センサー素子と、
    前記1つ以上の第1センサー素子の上に配置される1つ以上の第1光学フィルターと、を含み、
    前記1つ以上の第1光学フィルターの各々は、
    複数の誘電体層と、
    複数の金属層であって、該複数の金属層の各金属層は前記複数の誘電体層の少なくとも2つによって囲まれている、複数の金属層と、を含み、
    前記複数の金属層の各金属層は、前記複数の誘電体層の少なくとも1つによって保護的に覆われている、第1テーパ状エッジ及び第2テーパ状エッジを有する、センサーデバイス。
  11. 前記1つ以上の第1光学フィルターは、前記1つ以上の第1センサー素子のパッシベーション層の上に配置される、請求項10に記載のセンサーデバイス。
  12. 前記1つ以上の第1光学フィルターおよび前記1つ以上の第1センサー素子の上に配置される封入層をさらに含む、請求項10に記載のセンサーデバイス。
  13. 前記センサーデバイスは、画像センサー、環境光センサー、近接センサー、色相センサー、紫外線センサー、またはそれらの組み合わせである、請求項10に記載のセンサーデバイス。
  14. 1つ以上の第2センサー素子と、
    前記1つ以上の第2センサー素子の上に配置される1つ以上の第2光学フィルターと、を含み、
    前記1つ以上の第2光学フィルターは、前記1つ以上の第1光学フィルターよりも環境耐久性が高く、
    前記1つ以上の第2光学フィルターは、前記1つ以上の第1光学フィルターと部分的に重な、請求項10に記載のセンサーデバイス。
  15. 前記1つ以上の第1光学フィルターは、実質的に平坦な上面および傾斜側面を有し、
    前記1つ以上の第2光学フィルターは、前記傾斜側面の上に伸びる、請求項14に記載のセンサーデバイス。
  16. 前記複数の金属層の各々は、銀または銀合金から成る、請求項10に記載のセンサーデバイス。
  17. 前記1つ以上の第1光学フィルターは、1つ以上のカラーフィルター、1つ以上の明所フィルター、1つ以上の赤外線ブロッキングフィルター、またはそれらの組み合わせである、請求項10に記載のセンサーデバイス。
  18. 前記1つ以上の第2光学フィルターは、1つ以上の全誘電体光学フィルター、1つ以上のアルミニウム誘電体光学フィルター、1つ以上のシリコン誘電体光学フィルター、1つ以上の水素化シリコン誘電体光学フィルター、またはそれらの組み合わせである、請求項14に記載のセンサーデバイス。
  19. 前記1つ以上の第2光学フィルターは、1つ以上の紫外線フィルター、1つ以上の近赤外線フィルター、またはそれらの組み合わせである、請求項14に記載のセンサーデバイス。
  20. 光学フィルターの製造方法であって、該方法は、
    基板を設けるステップと、
    前記基板上にフォトレジスト層を塗布するステップと、
    前記フォトレジスト層をパターン化して、前記基板のフィルター領域を露出するステップであって、前記フィルター領域を囲むパターン化フォトレジスト層においてオーバーハングが形成されるステップと、
    1つ以上の誘電体層と交互に積層される1つ以上の金属層を含む多層積層体を、前記パターン化フォトレジスト層および前記基板のフィルター領域の上に堆積するステップと、
    前記パターン化フォトレジスト層および前記パターン化フォトレジスト層の上の前記多層積層体の部分を除去して、前記基板のフィルター領域の上に残存する多層積層体の部分で光学フィルターを形成するステップと、を含み、
    前記光学フィルターにおける前記1つ以上の金属層の各々は、前記光学フィルターにおける前記1つ以上の誘電体層の少なくとも1つによって保護的に覆われている、第1テーパ状エッジ及び第2テーパ状エッジを有し、前記第1テーパ状エッジは、前記光学フィルターの第1周縁部に位置し、前記第2テーパ状エッジは、前記光学フィルターの第2周縁部に位置し、
    前記1つ以上の金属層は、前記基板の長さに関して他の金属層に隣接していない方法。
  21. 前記1つ以上の金属層は、複数の金属層から構成され、
    前記1つ以上の誘電体層は、複数の誘電体層から構成される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記基板は、センサー素子である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記オーバーハングは、少なくとも2μmである、請求項21に記載の方法。
  24. 前記オーバーハングは、少なくとも4μmである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記フォトレジスト層は、底部剥離層と上部感光層とを含む、請求項21に記載の方法。
  26. 前記多層積層体は、前記底部剥離層の厚みの約70%未満の厚みで堆積される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記多層積層体は、前記底部剥離層の厚みの約30%未満の厚みで堆積される、請求項25に記載の方法。
  28. 前記基板上に前記光学フィルターよりも環境耐久性が高い別の光学フィルターを形成して、前記別の光学フィルターが前記光学フィルターと部分的に重なり、前記第1周縁部および前記第2周縁部を保護的に覆うようにするステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
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