JP6508879B2 - ズームレンズ及びそれを有する撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ズームレンズに関し、例えばデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、TVカメラ、監視用カメラ等の撮像装置の撮像光学系として好適なものである。
近年、撮像装置は、高機能化されるとともに装置全体が小型化されている。そしてそれに伴って、これらに用いる撮像光学系としては、レンズ全長が短く、全系がコンパクトで、広画角で、しかも高い光学性能(高解像力)を有するズームレンズであることが要求されている。
特に広画角のズームレンズのときには歪曲収差が少ないことが強く要求されている。この他、水面等からの反射光を抑えるための偏光フィルター、室外の明るい環境下で被写界深度が浅い開放撮影をしたい時に露出を抑えるためのNDフィルター、各種フィルター等の汎用フィルターをレンズ最前面への取り付けが容易なことが要求されている。
従来、全系が小型で広画角のズームレンズとして、負の屈折力のレンズ群が先行する(最も物体側に位置する)ネガティブリード型のズームレンズが知られている。このうち、撮影全画角100度以上の広画角のズームレンズが知られている(特許文献1乃至3)。また単一焦点距離の広画角の撮像光学系が知られている(特許文献4)。広画角のネガティブリード型のズームレンズでは多くの場合、負の屈折力の第1レンズ群と、それよりも像側に全体として正の屈折力の1つ以上のレンズ群を含む後群から成っている。
特許文献1では、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群より成る、広角端での撮影全画角120度で、ズーム比2程度のズームレンズを開示している。
特許文献2では、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群より成る、広角端での撮影全画角106度で、ズーム比2.1程度のズームレンズを開示している。また特許文献2は汎用フィルターの使用が可能なズームレンズを開示している。特許文献3では、負の屈折力の前群、正の屈折力の後群より成る、広角端での撮影全画角108度で、ズーム比2.2程度のズームレンズを開示している。特許文献4では、撮影全画角127度程度の単一焦点距離の撮像光学系を開示している。
特開2005−106878号公報 特開2008−046208号公報 特開2005−157097号公報 特開2011−102871号公報
ネガティブリード型のズームレンズにおいて広画角化及び全系の小型化及そして高解像力化を図るには、例えば第1レンズ群の負の屈折力を強く(負の屈折力の絶対値を大きく)する必要がある。そうすると、諸収差、特に樽型の歪曲が大きく発生してくる。そのため、通常、多くのズームレンズでは負の屈折力の第1レンズ群に大口径の非球面レンズを使用し、歪曲の補正と全系の小型化、そして広画角化を図っている。
特許文献1のズームレンズでは、負の屈折力の第1レンズ群に2つの非球面レンズを使用することで、全系の小型化を図りつつ広画角において歪曲を良好に補正している。しかし非点収差やコマ収差の補正が必ずしも十分でない。また、最も物体側のレンズ面の曲率半径が小さいため、最も物体側のレンズ面頂点位置での軸外光線の入射高が大きくなり、汎用フィルターを取り付けることが容易でない。
特許文献2のズームレンズでは、負の屈折力の第1レンズ群に2つの非球面レンズを使用することで、広画角化を図りつつ高い光学性能を得ている。特許文献2では、最も物体側の曲率半径が大きいため、最も物体側のレンズ面頂点位置での軸外光線の入射高が抑えられ、汎用フィルターの装着が容易である。特許文献2では歪曲が多少残存する傾向がある。
特許文献3のズームレンズでは、負の屈折力の第1レンズ群に2つの非球面レンズを使用することで、広画角化を図りつつ高い光学性能を得ている。特許文献3は非球面レンズの面の傾斜角(光軸に垂直な面に対するレンズ面の角度)が大きい。この為非球面レンズの製作が難しくなる傾向があった。
特許文献4の撮像光学系では、負の屈折力の第2レンズ群に、レンズ面の周辺部での傾斜角が極めて大きい非球面レンズを使用することで、広画角でありながら、ある程度の低歪曲を達成している。しかしながらレンズ面の周辺部での傾斜角が大きいため非球面レンズの製作が難しくなる傾向があった。
全系の小型化を図りつつ、広画角化を図ったときの諸収差、例えば歪曲収差を軽減し、良好なる光学性能を得るにはズームレンズを構成する各レンズ群のレンズ構成、各レンズ群の屈折力、ズームタイプ等を適切に設定することが重要になってくる。例えば非球面レンズを用いて、歪曲収差の発生を少なくするには、光学系中の非球面の位置や、非球面を適用するレンズ面形状や非球面量等を適切に設定することが重要である。また、非球面レンズを用いて収差補正を行う際には、非球面レンズの加工の安定性を考慮する必要がある。
非球面レンズの最も一般的な加工方法としては、高温で軟化させた硝材を、物体側と像側のレンズ面それぞれの形状の型で挟み込み、型形状を転写する、硝子モールド方式がある。この場合、光軸方向に双方の型で挟み込むため、各レンズ面の傾斜角が大きくなるほど、周辺でのプレス圧が落ちて転写精度が落ちたり、離型方向がレンズ面に垂直方向ではなく水平に近くなるため、離型時に食い付いて変形させたりすることがある。
このため非球面レンズは、加工の安定性も考慮して最適な形状に設定することが重要である。これらの構成が不適切であると、全系の小型化及び広画角化を図りつつ、加工まで考慮した上での高い光学性能のズームレンズを得るのが大変困難になる。
本発明は、加工の安定性の良い非球面レンズを用いることによって全系が小型で広画角でしかも高い光学性能が容易に得られるズームレンズ及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。
本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、1つ以上のレンズ群を有し、全体として正の屈折力の後群から構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズにおいて、
広角端と比較して望遠端において前記第1レンズ群と前記後群の間隔は狭くなり、
前記第1レンズ群は、物体側より像側へ順に配置された、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負の屈折力の第1非球面レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負の屈折力の第2非球面レンズ、物体側のレンズ面が凹形状の負レンズ、物体側及び像側のレンズ面が凸形状の正レンズより構成され、
前記第1非球面レンズは、像側のレンズ面が正の非球面量を有する非球面形状であり、前記第2非球面レンズは物体側のレンズ面が負の非球面量を有する非球面形状であり
記第1非球面レンズの物体側のレンズ面が球面形状の場合はその曲率半径、非球面形状の場合は参照球面の曲率半径をR11、前記第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の長さをBLD1とするとき、
0.10<BLD1/R11<1.00
なる条件式を満たすことを特徴としている。
この他、本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の第4レンズ群、正の第5レンズ群から構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズにおいて、
前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群、および前記第5レンズ群は全体として正の屈折力を有し、
広角端と比較して望遠端において前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔は狭くなり、
前記第1レンズ群は、物体側より像側へ順に配置された、像側のレンズ面が非球面形状であり正の非球面量を有する第1非球面レンズと、物体側のレンズ面が非球面形状であり負の非球面量を有する第2非球面レンズを含み、
前記第1非球面レンズの物体側のレンズ面が球面形状の場合はその曲率半径、非球面形状の場合は参照球面の曲率半径をR11、前記第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の長さをBLD1とするとき、
0.10<BLD1/R11<1.00
なる条件式を満たすことを特徴としている。
本発明によれば、加工の安定性の良い非球面レンズを用いることによって全系が小型で広画角でしかも高い光学性能が容易に得られるズームレンズが得られる。
本発明における実施例1のズームレンズのレンズ断面図 (A),(B) 本発明における実施例1のズームレンズの物体距離無限遠時における広角端と望遠端における収差図 本発明における実施例2のズームレンズのレンズ断面図 (A),(B) 本発明における実施例2のズームレンズの物体距離無限遠時における広角端と望遠端における収差図 本発明における実施例3のズームレンズのレンズ断面図 (A),(B) 本発明における実施例3のズームレンズの物体距離無限遠時における広角端と望遠端における収差図 本発明における実施例4のズームレンズのレンズ断面図 (A),(B) 本発明における実施例4のズームレンズの物体距離無限遠時における広角端と望遠端における収差図 本発明における非球面量の定義の説明図 本発明の撮像装置の要部概略図
以下に本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群1つ以上のレンズ群を有し、全体として正の屈折力の後群から構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。
広角端と比較して望遠端において第1レンズ群と後群の間隔は狭くなる。第1レンズ群は物体側より像側へ順に、像側のレンズ面が非球面形状であり、正の非球面量を有する第1非球面レンズと、物体側のレンズ面が非球面形状であり、負の非球面量を有する第2非球面レンズを含んでいる。
図1は本発明の実施例1のズームレンズの広角端(短焦点距離端)におけるレンズ断面図である。図2(A)、(B)はそれぞれ実施例1のズームレンズの広角端、望遠端(長焦点距離端)における収差図である。実施例1はズーム比2.06、開口比2.90のズームレンズである。図3は本発明の実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図4(A)、(B)はそれぞれ実施例2のズームレンズの広角端、望遠端における収差図である。実施例2はズーム比2.06、開口比4.10のズームレンズである。
図5は本発明の実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。
図6(A)、(B)はそれぞれ実施例3のズームレンズの広角端、望遠端における収差図である。実施例3はズーム比2.06、開口比2.89〜2.90のズームレンズである。図7は本発明の実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図8(A)、(B)はそれぞれ実施例4のズームレンズの広角端、望遠端における収差図である。実施例4はズーム比2.36、開口比4.12のズームレンズである。
図9は本発明に係る非球面レンズの非球面量の説明図である。図10は本発明のズームレンズを備えるデジタルスチルカメラ(撮像装置)の要部概略図である。レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。レンズ断面図において、iは物体側から像側への各レンズ群の順序を示し、Liは第iレンズ群である。L1は負の屈折力の第1レンズ群である。G1は第1非球面レンズ、G2は第2非球面レンズである。
LRは1以上のレンズ群を含み、正の屈折力の後群である。SPは、ズームレンズの使用時に所望のFナンバーに絞るための、開口絞りである。VSPは、ズーミングに応じて開口径が変化する可変絞りで、各ズーム位置での開放Fナンバー(Fno)光束を決定する部材である。
IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮像光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が置かれる。又、銀塩フィルム用カメラの撮像光学系として使用する際にはフィルム面に相当する感光面が置かれている。球面収差図において、実線はd線(波長587.6nm)、二点鎖線はg線(波長435.8nm)である。
非点収差図において点線はd線のメリディオナル像面、実線はd線のサジタル像面を表している。また、倍率色収差は、d線を基準とした際のg線の差分を表している。
FnoはFナンバーである。ωは撮影半画角(度)である。尚、以下の各実施例において広角端と望遠端は変倍用レンズ群が機構上、光軸上移動可能な両端に位置したときのズーム位置をいう。
レンズ断面図において、矢印は広角端から望遠端へのズーミングに際しての各レンズ群の移動軌跡を示している。Focusに関する矢印は無限遠から近距離へのフォーカシングに際しての移動方向を示している。
図1図5図7の実施例14のズームレンズは、物体側より像側へ順に配置された、負の屈折力(光学的パワー=焦点距離の逆数)の第1レンズ群L1、全ズーム範囲にわたり全体として正の屈折力の後群LRより成る。
実施例1、3、4において後群LRは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5より構成されている。実施例1、3、4のズームレンズでは、広角端から望遠端のズーム位置へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が像側に単調に移動している。第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、第5レンズ群L5は、物体側に移動している。第4レンズ群は、像側に凸状の軌跡を描きつつ、望遠端では広角端よりも物体側に位置するように移動している。
このとき広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔が小さく、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔が小さく、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4との間隔が大きくなるように各レンズ群が移動している。また第4レンズ群L4と第5レンズ群L5との間隔が小さくなるように各レンズ群が移動している。
矢印Focusで示すように第2レンズ群L2を像側に移動させて無限遠から近距離へのフォーカシングを行っている。開放Fナンバーは、ズーミングに連動して開口径が可変である可変絞りVSPで決定している。可変絞りVSPは、第4レンズ群L4に含まれており、ズーミングに際して第4レンズ群L4と一体的に(同じ軌跡)で移動する。所定のFナンバーに絞るためのFナンバー決定部材SPは、第4レンズ群L4の物体側に位置し、ズーミングに際して第4レンズ群L4と一体的に移動する。
図3の実施例2のズームレンズは、物体側より像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群L1、全ズーム範囲にわたり全体として正の屈折力の後群LRより成る。実施例2において、後群LRは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第2レンズ群L2、負の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4より構成されている。実施例2のズームレンズでは、広角端から望遠端のズーム位置へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が像側に単調に移動している。
第3レンズ群L3、第4レンズ群L4は、物体側に単調に移動している。第2レンズ群L2は像側へ凸状の軌跡で物体側に単調に移動している。このとき広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔が小さく、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔が大きくなるように各レンズ群が移動している。また第3レンズ群L3と第4レンズ群L4との間隔が小さくなるように各レンズ群が移動している。
実施例2では第2レンズ群L2を2つの正の屈折力の部分群L2a,L2bに分けた、物体側の部分群L2aを矢印Focusで示すように像側に移動させて無限遠から近距離へのフォーカシングを行っている。
開放Fナンバーは、ズーミングに連動して開口径が可変である可変絞りVSPで決定している。可変絞りVSPは、第3レンズ群L3に含まれており、ズーミングに際して第3レンズ群L3と一体的に移動する。所定のFナンバーに絞るためのFナンバー決定部材SPは、第3レンズ群L3の物体側に位置し、ズーミングに際して第3レンズ群L3と一体的に移動する。
次に本発明に係るレンズ面に形成される非球面量の定義を図9を用いて説明する。非球面量Arとは、図9に示すように、非球面Raの参照球面Rrefからの乖離量の最大値を表している。参照球面Rrefの半径(曲率半径)は、面頂点R0と参照球面Rrefの光線有効径Drより決定される球面の半径である。非球面Raの参照球面Rrefからの乖離方向が、参照球面Rrefに対して媒質を盛る方向を正の非球面量、媒質を削る方向を負の非球面量と定義する。例えば、図9に示す非球面Raは、正の非球面量を有する。
次に、公知の文献のレンズデータや、レンズの実物から非球面量の正負の値を判別する方法、また、具体的に非球面量を算出する方法を示す。非球面量の正負の値の判別、また非球面量の算出には、まず参照球面の半径(曲率半径)を求める必要があり、その参照球面の半径を得るためには、光線有効径を得る必要がある。多くの公知の文献のレンズデータには、有効径が記載されていない場合がある。その場合、最も簡単に光線有効径を得る方法は、レンズ断面図の描画上のレンズ全長の実寸と、数値データで示される既知のレンズ全長から描画倍率を求め、描画の曲面部径の実寸に描画倍率を掛けることで得られる。
レンズ描画の曲面部の径は、光学ツールによっては実際の光線有効径に対し、やや大きく設定されるが、非球面量の正負の値の判別や、大まかな非球面量を知るには、この方法で十分である。
次に、より高精度に光線有効径を得るためには、負の屈折力の第1レンズ群で、マージナルコンタクトを行っている部分や、両凸形状のレンズから算出する方法がある。広画角の撮影レンズの負の屈折力の第1レンズ群は、複数連なる負レンズのレンズ間隔を狭める程、全系の小型化と像面湾曲の補正が容易である。
このため、殆どの広画角の撮影レンズでは、負レンズ同志のレンズ周辺部を接触させる、所謂マージナルコンタクトを行うレンズペアが含まれている。また、両凸形状のレンズのレンズ周辺においても、通常、レンズ周辺厚を加工可能な限り薄くすることで、全系の小型化と像面湾曲の補正が容易となる。このことから、第1レンズ群の全てのレンズ面で、レンズ面同志が交差するポイントを仮の有効径とした上で、光線追跡を行う。その結果、前記仮の有効径のうち、いずれか1点で最周辺光束が決定され、その光線の各レンズ面での高さが光線有効径となる。
次に、レンズの実物から光線有効径を算出する方法について説明する。最も簡単に光線有効径を得る方法は、各レンズの研磨面部の径を測る方法である。多くのレンズでは、本体重量を軽量化するため、有効径に対し、研磨面の最外周の径までの余裕量を極力小さくする。そのため、研磨面の径自体を測定すれば、ある程度正確な光線有効径が得られ、非球面量の正、負の値の判別や、大まかな非球面量を知ることが十分可能である。
次に、より正確に光線有効径を知る方法は、負の屈折力の第1レンズ群中に、殆どの場合で存在する遮光部材の内径を測る方法である。通常、研磨面と粗擦り面との境界のエッジ部に強い光が当たると、そのエッジ部で光が乱反射し、ゴースト光が発生してしまう。そのため、研磨面と粗擦り面との境界に不要光が当たらないよう、遮光部材を光線有効径に合わせて配置し、不要光をカットする方法が広く用いられている。その遮光部材を仮の有効径とした上で、光線追跡を行う。
その結果、前記仮の有効径のうち、いずれか1点で最周辺光束が決定され、その光線の各レンズ面での高さが光線有効径となる。また、別側面から正確な光線有効径を得る方法を説明する。それは、レンズ系を撮像装置や投影装置との組み合わせで使用し、レンズ系の最前面において、遮光部材を少しずつレンズ外周部から中心に向かって挿入して行く方法である。撮影画像や投影像に陰りが出始める寸前の遮光部材の位置が、レンズ系の最前面での光線有効径となる。そこから光線追跡を行うことで、第1レンズ群の最前面以外の光線有効径も知ることが出来る。
次に、本発明のズームレンズにおいて歪曲収差が小さい低歪曲かつ高性能な広画角のズームレンズを得るに至った経緯について説明する。特許文献1では、物体側から像側へ順に負、正、正、負の屈折力の第1レンズ群乃至第4レンズ群よりなる4群構成の広画角のズームレンズを開示している。負の屈折力の第1レンズ群に、2枚の非球面レンズを配置することで、全系が小型で広画角でありながら、歪曲を小さくしているが、非点収差やコマ収差が増大する傾向がある。
通常、広画角レンズは、全系の小型化かつ広画角化を図るには、負の屈折力の第1レンズ群の屈折力を強く(負の屈折力の絶対値を大きく)する必要があり、この結果、樽型の歪曲が大きく発生してくる。そのため多くの場合、軸外主光線の入射高が大きくなる第1レンズ群に、正の非球面量を持つ非球面レンズを配置し、樽型の歪曲を補正しつつ広画角化を図っている。
特許文献1でも、負の屈折力の第1レンズ群に2枚の正の非球面量を持つ非球面レンズを配置し、歪曲を効果的に補正している。ところがこの時、正の非球面量の効果により、画面周辺の非点収差が増加してしまい、周辺性能が低下する傾向があった。また、最も物体側の面が強い曲率の凸面となった場合、レンズ面最外周に軸外最周辺光束が半画角50度を越える角度で物体側から入射するため、面頂点に光軸と垂直な面を置いたとき、その面における光線有効径が著しく大きくなる。これにより、汎用フィルターの取り付けが困難になり、かつ全系の大型化を招く。
特許文献2では、物体側から像側へ順に、負、正、負、正の屈折力の第1レンズ群乃至第4レンズ群よりなる4群構成の広画角のズームレンズを開示している。負の屈折力の第1レンズ群に、非球面レンズを2枚使用することで、全系が小型でかつ広画角でありながら高い光学性能を得ている。特許文献2では、最も物体側の第1レンズをメニスカス形状の負レンズとすることで、歪曲を低減している。
この第1レンズのレンズ形状は、軸外主光線の入射高の低い像側の凹面で負の屈折力を得て、軸外主光線の入射高が高い物体側の凸面で歪曲を補正し、これにより歪曲の補正を良好に行うとともに広画角化を図っている。
特許文献3では、全体として負の屈折力の前群と、全体として正の屈折力の後群より成る、広画角のズームレンズを開示している。負の屈折力の前群に、非球面レンズを2枚使用することで、広画角でありながら高い光学性能を達成している。しかしながら、物体側から2番目の第2非球面レンズの像側のレンズ面の傾斜角が大き過ぎ、加工が難しくなる傾向があった。特許文献3では軸外主光線高の入射高が大きい位置に正の非球面量の非球面を配置して歪曲を補正し、それよりも軸外主光線の入射高が小さい位置に負の非球面量の非球面を配置して非点収差を良好に補正している。
特許文献4では単一焦点距離の広画角レンズにおいて、物体側から数えた第2レンズにレンズ周辺部での傾斜角が極めて大きい非球面を使用し、強力な正の非球面量を得て広画角化と低歪曲化を歪曲収差を補正している。このとき用いる非球面は傾斜角が大き過ぎ、加工が難しくなる傾向があった。更に、仮にこのような広画角レンズ系でズーミングを図った場合、第1レンズ群を通る軸外主光線の入射高が変化した際に、各光線位置での非球面量が大きく変化し、それにより歪曲と非点収差が増大してくる。このため、広画角のズームレンズへの応用が困難である。
そこで本発明者は、レンズの外径を小さくしつつ、第1レンズの物体側のレンズ面の傾斜角が小さくなるようなレンズ構成を考案した。但しこの時、第1レンズの物体側のレンズ面での屈折力が大きくなるため、歪曲の発生が大きくなってくる。それを補正するためには、軸外主光線の入射高が高い位置に正の非球面量の非球面を配置してくる。
超広画角のズームレンズの第1レンズは、物体側が緩い曲率の凸面、像側が強い曲率の凹面であることが、広画角化と歪曲を低減するのに有利である。これは軸外主光線の入射高が低い像側で発散性の屈折力を得つつ、軸外主光線の入射高が高い物体側で歪曲の補正を効率に行えるためである。正の屈折力の非球面量を持つ非球面を第1レンズの像側の強い曲率の凹面に付加することで、周辺部の傾斜角が周辺に向かうにつれて抑えられ、加工し易くなる上に、歪曲の補正を効果的に行えることを見出した。
次に、正の非球面量の非球面で発生する非点収差を、軸外収差の補正効果を逸しない程度に軸外主光線の入射高が下がった位置に、負の非球面量を持つ非球面レンズを配置することで補正している。その際、特許文献3のズームレンズでは、強い凹面側に、負の非球面量の非球面を配置してしまったため、傾斜角が著しく大きくなっていた。
そこで、本発明では、負の非球面量の非球面を、第2レンズの物体側に配置することで、面の傾斜角を大きくすることなく、非点収差を良好に補正できることを見出した。また、広角端から望遠端におけるズーミングにおいて、画角が小さくなるため、第1レンズでの樽型の歪曲が弱まる。それと同時に、第1レンズ群内での軸外主光線の入射高が低くなるため、正の非球面量の非球面での歪曲の補正効果も小さくなり、かつそれによる非点収差の発生も小さくなる。更に、負の非球面量の非球面での軸外主光線の入射高も小さくなり、非点収差の補正効果も小さくなっていく。
本発明者は、このような関係を採用すると、歪曲と非点収差を全ズーム域でバランスよく補正できることを見出した。具体的に、本発明のズームレンズは、負の屈折力の第1レンズ群と、1つ以上のレンズ群を含む全体として正の屈折力の後群LRより構成されている。そしてズーミングに際し、第1レンズ群と後群LRの間隔が狭まる、所謂ネガティブリード型のズームレンズである。
ポジティブリード型は、高ズーム比化には有利であるが、最も物体側のレンズ群が正の屈折力であり、軸外光束を収束させてしまう。このため、広角端における撮影画角が100度を超える広画角のズームレンズには適していない。また、本発明のズームレンズにおいて、第1レンズ群L1は、最も物体側より像側へ順に、負のパワーの第1非球面レンズと負のパワーの第2非球面レンズを有している。そして第1非球面レンズの像側の面が非球面形状で、正の非球面量であり第2非球面レンズの物体側の面が非球面形状で、負の非球面量である。
また、第1非球面レンズG1の物体側のレンズ面が球面形状の場合はその曲率半径、非球面形状の場合は参照球面の曲率半径をR11とする。第1レンズ群L1の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の長さをBLD1とする。このとき、
0.10<BLD1/R11<1.00 ・・・(1)
なる条件式を満たしている。
条件式(1)は、最も物体側の第1非球面レンズG1の面頂点位置においた光軸と垂直な面における光線有効径を極力小さくし、例えば汎用フィルターの取り付けを容易にしたり、外径を小さくしたりするためのものである。条件式(1)の下限を逸脱すると、第1非球面レンズG1の物体側のレンズ面での曲率が弱過ぎて、発散性の屈折力が強くなり、樽型の歪曲が大きく発生してくる。この結果、歪曲の補正が困難になる。
条件式(1)の上限を逸脱すると、第1非球面レンズG1の物体側のレンズ面の曲率が強過ぎて、面頂点位置に置いた光軸と垂直な面における光線有効径が大きくなり、例えば汎用フィルターを取り付けるのが困難となり、また外径が増大してくる。条件式(1)により、最も物体側のレンズ面の曲率をある程度緩くすることで、全系の小型化が図れる反面、歪曲の発生量が大きくなる。それを補正するために、軸外主光線の入射高が高い第1非球面レンズG1の、少なくとも像側のレンズ面を、正の非球面量の非球面形状としている。
それにより、前述した通り歪曲を効果的に補正できるだけでなく、像側のレンズ面の傾斜角を緩める方向の非球面形状になるため、レンズ加工性も容易となる。
次に、第1非球面レンズG1の正の非球面量を有する非球面により、発生する非点収差を補正するために、第1非球面レンズG1の非球面よりも軸外主光線の入射高が低い第2非球面レンズG2の物体側のレンズ面を負の非球面量を有する非球面形状としている。そうすることで、非点収差を良好に補正した上で、傾斜角が小さく、加工性の良い非球面形状となるようにしている。条件式(1)は、より好ましくは、数値範囲を次の如く設定するのが良い。
0.20<BLD1/R11<0.60 ・・・(1a)
以上により、撮影全画角が100度を越え、ズーム比が2倍程度で広画角のズームレンズを得ている。更に全系が小型で高い光学性能を有したズームレンズを得ている。尚、正の非球面量を持つ非球面と、負の非球面量を持つ非球面は、その非球面量をある程度大きくすると、前述した効果が容易に得られる。
ここで各実施例において、第1非球面レンズG1の像側のレンズ面の非球面量をAr1r、光線有効径をEa1r、第1非球面レンズG1の材料の屈折率をNd1とする。また第2非球面レンズG2の物体側のレンズ面の非球面量をAr2f、光線有効径をEa2f、第2非球面レンズG2の材料の屈折率をNd2
とするとき、
0.010<|(Ar1r/Ea1r)×Nd1|<0.100 ・・・(xa1)
0.010<|(Ar2f/Ea2f)×Nd2|<0.100 ・・・(xa2)
なる条件式を満足するのが好ましい。
条件式(xa1),(xa2)の下限値を逸脱する非球面量を有する非球面は、非球面の成形プロセスの作業に対し、得られる非球面効果が小さいため、好ましくない。条件式(xa1),(xa2)の上限値を逸脱する非球面量を有する非球面は、非球面傾斜角の変化率が大き過ぎて非球面の成形が困難になるため、好ましくない。条件式(xa1),(xa2)より好ましい条件としては、次の数値範囲を満たすのが良い。
0.020<|(Ar1r/Ea1r)×Nd1|<0.060 ・・・(xaa1)
0.020<|(Ar2f/Ea2f)×Nd2|<0.060 ・・・(xaa2)
次に、本発明のズームレンズにおいて、より好ましい効果を得ることができる構成について説明する。第1非球面レンズG1は、物体側のレンズ面も正の非球面量を持つ非球面形状であると良い。それにより、軸外主光線の入射高が高い位置で、歪曲の補正を効果的に行うことができる。この時、物体側のレンズ面R11は正の屈折力の凸形状である。
通常は、凸面に正の非球面量を与えると、面の傾斜角を大きくする方向になるが、条件式(1)を満たすことで、十分に緩い正の曲率となっている。このため、正の非球面量を与えても面の傾斜角が著しく大きくなることはなく、前述したような成形上の問題も発生し得ない。
裏を返すと、第1非球面のレンズの物体側のレンズ面には、強い非球面量を与えにくいとも言える。そのため、各実施例に於ける第1非球面レンズG1の物体側の非球面は、下記の条件式(xb)を満たすのが良い。第1非球面レンズG1の物体側のレンズ面の非球面量をAr1f、光線有効径をEa1fとするとき、
0.005<|(Ar1f/Ea1f)×Nd1|<0.080 ・・・(xb1)
第1非球面レンズG1の物体側のレンズ面の非球面量は第1非球面レンズG1の像側のレンズ面や、第2非球面レンズG2の物体側のレンズ面よりも、非球面量を付けにくい形状ではある。しかしながら、軸外主光線の入射高がそれらよりも高いため、条件式(xb1)の範囲で、十分な非球面効果を得ることが出来る。条件式(xb1)の、より好ましい条件としては、次の数値範囲を満たすのが良い。
0.010<|(Ar1f/Ea1f)×Nd1|<0.050 ・・・(xbb1)
次に、本発明において更に好ましくは次の条件式の間うち1つ以上を満足するのが良い。第2非球面レンズG2の物体側のレンズ面の曲率半径をR21とする。第1レンズ群L1の焦点距離をf1、広角端における全系の焦点距離をfwとする。
0.00<BLD1/R21<1.00 ・・・(2)
1.00<−f1/fw<2.50 ・・・(3)
次に前述の各条件式の技術的意味について説明する。条件式(2)は、第2非球面レンズG2を物体側に凸面を向けたメニスカス形状にするためのものである。それにより、軸外主光線の入射高が低い像側で発散性のパワーを得つつ、軸外主光線の入射高が高い物体側で歪曲収差の補正を効率に行えるレンズ形状となる。また、物体側のレンズ面に、負の非球面量を与える際、面の傾斜角をより小さくする方向になるため、加工が容易になる。より好ましくは、条件式(2)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
0.10<BLD1/R21<0.80 ・・・(2a)
条件式(3)は、第1レンズ群L1の負の屈折力を適切にすることで、全系の小型化を図りつつ歪曲収差を良好に補正するためのものである。条件式(3)の上限値を逸脱して1レンズ群L1の負の屈折力が弱く(負の屈折力の絶対値が大きく)なり過ぎると、全系が大型化してしまう。条件式(3)の下限値を逸脱して、第1レンズ群L1の負の屈折力が強く(負の屈折力の絶対値が大きく)なり過ぎると、樽型の歪曲が大きくなってしまう。更に好ましくは条件式(3)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
1.20<−f1/fw<2.00 ・・・(3a)
次に、第1レンズ群L1は、物体側より像側へ順に配置された、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負の第1レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負の第2レンズ、物体側の面が凹形状の負の第3レンズ、両凸形状の正の第4レンズより構成することが好ましい。第11レンズと第12レンズは、前述した通り、メニスカス形状であると、歪曲収差の補正が容易になる。
第13レンズは、軸外主光線の入射高が小さくなり、歪曲が発生しにくいため、強い負の屈折力として発散性の屈折力を得ている。第14レンズを両凸形状の正レンズとすることで、負の屈折力の第1レンズ群L1内の収差補償を良好に行うと共に、負の値の主点位置を像側に移動させ、レンズ全長を短くしている。
本発明は、上述のようなズームレンズを有する撮像装置(この他、画像投影装置やその他の光学機器)に、種々適用可能である。以下、各実施例のレンズ構成について説明する。実施例1は、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5より構成されている。実施例1は広角端の撮影全画角が105度、変倍比2.1の5群ズームレンズである。
第1レンズ群L1は物体側より像側へ順に、物体側の面が凸でメニスカス形状の負の第1レンズ、物体側の面が凸でメニスカス形状の負の第2レンズ、両レンズ面が凹形状の負の第3レンズ、両レンズ面が凸形状の正の第4レンズより成っている。また、第1レンズの物体側と像側のレンズ面は、共に正の非球面量を持つ非球面形状であり、本発明に係る第1非球面レンズG1に当たる。また、第2レンズの物体側の面は、負の非球面量を持つ非球面形状であり、本発明に係る第2非球面レンズG2に当たる。
第1レンズの物体側の面は、汎用フィルターの取り付けを可能にするためと、全系の小型化を達成するべく、条件式(1)を満たすような緩い曲率のレンズ形状としている。それにより、歪曲が発生してくるが、それを補正するために、第1レンズの物体側のレンズ面と像側のレンズ面を、正の非球面量を持つ非球面形状としている。像側の凹面を正の非球面量を持つ非球面形状とし、面の傾斜角を軽減している。
この時、正の非球面量を持つ非球面形状で、非点収差が生じてくるが、それを第2レンズの物体側の面を、負の非球面量を持つ非球面形状として、良好に補正している。また第2レンズは、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズとすることで、軸外主光線の入射高が小さい像側の凹面で発散性の屈折力を得て、軸外主光線の入射高が大きい物体側の凸面で歪曲を補正している。その物体側の凸面を負の非球面量を持つ非球面形状とすることで、面の傾斜角を大きくすることなく、非点収差を効果的に補正している。
次に、第1レンズ群L1の屈折力は条件式(3)を満たしており、これにより全系の小型化を図りつつ歪曲収差を良好に補正している。
以上の方法により、広画角でありながら歪曲収差が少なく、高い光学性能を有する広画角のズームレンズを得ている。尚、第1非球面レンズG1の物体側と、像側の面は条件式(xa1),(xb1)を満足し、第2非球面レンズG2の物体側の面は、条件式(xa2)を満たしている。それにより、加工しやすいレンズ形状でかつ、各レンズでの収差補正の効果を十分に得ると共に、ズーミングにより軸外主光線の入射高が変動した時の非球面成分による激しい収差変動も抑制している。
実施例2は、物体側より像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、負の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4より構成される。実施例2は広角端の撮影全画角が105度、変倍比2.1の4群ズームレンズである。
第1レンズ群L1は物体側より像側へ順に、物体側の面が凸でメニスカス形状の負の第1レンズ、物体側の面が凸でメニスカス形状の負の第2レンズ、両レンズ面が凹形状の負の第3レンズ、両レンズ面が凸形状の正の第4レンズより成っている。また、第1レンズの物体側と像側の面は、共に正の非球面量を持つ非球面形状であり、本発明の第1非球面レンズG1に当たる。また、第2レンズの物体側の面は、負の非球面量を持つ非球面形状であり、本発明の第2非球面レンズG2に当たる。各レンズ群や非球面レンズの働きは、実施例1と同様である。
実施例3は、レンズ群の数、各レンズ群の屈折力、ズーミングに際しての各レンズ群の移動条件等のズームタイプが実施例1と同じである。実施例3は広角端の撮影全画角が105度、変倍比2.1の5群ズームレンズである。第1レンズ群L1のレンズ構成、非球面レンズの非球面量、光学特性等は実施例1と同じである。
実施例4は、実施例1と同じズームタイプである。実施例4は、広角端の撮影全画角が105度、変倍比2.4の5群ズームレンズである。第1レンズ群L1のレンズ構成、非球面レンズの非球面量、光学特性等は実施例1と同じである。
以上、本発明のズームレンズの好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことは言うまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
次に本発明の各実施例の数値実施例を示す。各数値実施例においてiは物体側からの面の順序を示し、riはレンズ面の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間のレンズ肉厚および空気間隔、ndi、νdiはそれぞれd線に対する材料の屈折率、アッベ数を示す。BFはバックフォーカスであり、最終レンズ面から像面までの距離で示している。レンズ全長は第1レンズ面から最終レンズ面までの距離にバックフォーカスを加えた値である。
非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正としRを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10,A12を各々非球面係数としたとき、
なる式で表している。また[e+X]は[×10+x]を意味し、[e−X]は[×10+x]を意味している。非球面は面番号の後に*を付加して示す。また、各光学面の間隔dが(可変)となっている部分は、ズーミングに際して変化するものであり、別表に焦点距離に応じた面間隔を記している。また、各光学面の有効径が(可変)となっている部分は、ズーミングに際して絞り径が変化する開放Fナンバー決定部材VSPであり、別表に可変面番号を「eai」とし、焦点距離に応じた有効径を記している。また前述の各パラメータ及び各条件式と数値実施例の関係を表1に示す。
(数値実施例1)

単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* ∞ 2.70 1.77250 49.6 56.63
2* 22.795 6.79 42.46
3* 31.197 2.40 1.85400 40.4 42.02
4* 21.199 10.82 35.51
5 -48.181 1.80 1.80400 46.6 35.46
6 943.990 2.44 36.55
7 76.602 6.84 1.62588 35.7 38.46
8 -67.993 (可変) 38.52
9 430.708 2.61 2.00100 29.1 29.70
10 -106.178 0.15 29.91
11 55.269 1.50 1.84666 23.8 30.42
12 20.958 7.09 1.72047 34.7 29.45
13 93.729 (可変) 29.33
14 51.488 4.93 1.49700 81.5 30.12
15 -104.904 (可変) 29.94
16(絞り)(SP)∞ 3.22 25.13
17 -118.986 1.20 1.91082 35.3 24.29
18 21.459 4.46 1.84666 23.8 23.93
19 91.609 3.50 23.89
20(VSP) ∞ (可変) (可変)
21 22.418 8.02 1.43875 94.9 24.64
22 -43.618 0.15 24.78
23* 182.817 1.60 1.85400 40.4 24.50
24 17.662 10.28 1.49700 81.5 24.22
25 -56.173 26.00
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.56879e-005 A 6=-2.12877e-008
A 8= 1.76522e-011 A10=-8.52647e-015 A12= 3.20079e-018

第2面
K = 0.00000e+000 A 4=-7.56574e-006 A 6= 1.02654e-008
A 8= 6.93094e-012 A10=-3.60121e-013 A12= 2.52719e-016

第3面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.36897e-005 A 6= 3.69178e-008
A 8=-5.33325e-011 A10=-7.01350e-014 A12= 1.98358e-016

第4面
K =-1.47032e+000 A 4=-6.47782e-006 A 6= 3.19152e-008
A 8=-9.55855e-011 A10= 2.78579e-013 A12= 4.81490e-017

第23面
K = 0.00000e+000 A 4=-9.20273e-006 A 6=-1.83819e-008
A 8= 3.71506e-011 A10=-1.23191e-013 A12=-1.56347e-016

各種データ
ズーム比 2.06

広角 中間 望遠
焦点距離 16.48 23.60 33.95
Fナンバー 2.90 2.90 2.90
半画角(度) 52.70 42.51 32.51
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 177.02 161.56 156.44
BF 38.00 44.49 56.64

d 8 28.49 11.32 1.00
d13 16.56 11.78 4.83
d15 0.50 8.37 13.97
d20 10.97 3.10 -2.50

ea20 16.88 19.26 24.39

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -23.34 33.78 1.45 -30.69
2 9 69.95 11.35 -1.90 -7.95
3 14 70.23 4.93 1.09 -2.23
4 16 -49.54 12.38 4.71 -5.01
5 21 45.48 20.05 3.30 -11.22
(数値実施例2)

単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* ∞ 2.70 1.77250 49.6 53.27
2* 22.080 7.61 39.06
3* 36.990 2.40 1.85400 40.4 38.61
4* 20.215 8.77 34.05
5 -58.371 1.80 1.83481 42.7 34.05
6 697.823 0.37 35.28
7 59.901 10.28 1.64769 33.8 36.98
8 -48.449 (可変) 37.23
9 49.418 1.50 1.84666 23.8 20.35
10 21.754 4.53 1.72047 34.7 20.22
11 9723.492 6.62 20.30
12 61.977 2.75 1.49700 81.5 20.86
13 -138.157 (可変) 20.76
14(絞り) ∞ 10.57 18.30
15 -70.807 1.20 1.91082 35.3 16.57
16 27.994 2.72 1.84666 23.8 16.64
17 1123.942 1.00 16.71
18 ∞ (可変) (可変)
19 22.635 8.43 1.43875 94.9 23.87
20 -36.594 0.15 24.14
21* 1328.069 1.60 1.85400 40.4 23.79
22 18.657 9.48 1.49700 81.5 23.79
23 -60.578 25.50
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.45361e-005 A 6=-2.14146e-008
A 8= 1.68992e-011 A10=-7.07348e-015 A12= 3.98674e-018

第2面
K = 0.00000e+000 A 4=-5.22266e-006 A 6= 1.04802e-008
A 8=-1.25539e-012 A10=-3.68653e-013 A12= 6.82685e-017

第3面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.50776e-005 A 6= 3.67095e-008
A 8=-6.24892e-011 A10=-7.49577e-014 A12= 2.54560e-016

第4面
K =-1.36619e+000 A 4=-1.45116e-005 A 6= 4.06011e-009
A 8=-4.96578e-012 A10= 1.96453e-013 A12= 5.61681e-017

第21面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.20520e-005 A 6=-2.54366e-008
A 8= 5.26129e-011 A10=-1.60970e-013 A12=-1.56347e-016

各種データ
ズーム比 2.06

広角 中間 望遠
焦点距離 16.48 24.15 33.95
Fナンバー 4.10 4.10 4.10
半画角(度) 52.70 41.86 32.51
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 173.42 158.56 156.35
BF 38.00 46.50 56.92

d 8 36.99 13.63 1.00
d13 0.50 6.73 13.97
d18 13.47 7.24 0.00

ea18 12.16 13.92 16.81

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -28.02 33.92 -2.03 -37.23
2 9 46.61 15.40 5.53 -7.12
3 14 -62.70 15.48 10.75 -2.91
4 19 48.81 19.66 2.67 -11.44

(数値実施例3)

単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* ∞ 2.70 1.77250 49.6 57.84
2* 25.336 5.51 44.56
3* 34.425 2.40 1.85400 40.4 43.89
4 22.738 11.38 35.42
5 -59.117 1.80 1.77250 49.6 35.30
6 215.260 5.31 35.20
7 72.428 5.36 1.64769 33.8 36.41
8 -115.224 (可変) 36.34
9 229.270 2.80 2.00100 29.1 31.19
10 -125.410 0.15 31.21
11 56.916 1.50 1.84666 23.8 30.89
12 20.742 7.35 1.72047 34.7 29.69
13 99.362 (可変) 29.53
14 60.910 4.71 1.49700 81.5 30.10
15 -92.324 (可変) 29.93
16(絞り) ∞ 3.59 26.12
17 -100.556 1.20 1.91082 35.3 25.20
18 21.970 4.67 1.84666 23.8 24.92
19 97.505 3.50 24.91
20 ∞ (可変) (可変)
21 22.568 8.09 1.43875 94.9 26.04
22 -44.561 0.15 25.62
23* 218.429 1.60 1.85400 40.4 24.53
24 17.947 10.35 1.49700 81.5 24.06
25 -49.371 25.95
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.01295e-005 A 6=-2.69333e-008
A 8= 2.21559e-011 A10=-1.31043e-014 A12= 5.49611e-018

第2面
K = 0.00000e+000 A 4=-6.43510e-006 A 6= 3.16365e-008
A 8=-1.56924e-011 A10=-3.48160e-013 A12= 3.70256e-016

第3面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.01126e-005 A 6= 3.77034e-008
A 8=-4.43369e-011 A10=-1.18752e-013 A12= 1.89041e-016

第23面
K = 0.00000e+000 A 4=-8.77862e-006 A 6=-1.80630e-008
A 8= 5.29288e-011 A10=-1.59857e-013 A12=-1.56347e-016

各種データ
ズーム比 2.06

広角 中間 望遠
焦点距離 16.48 23.60 33.95
Fナンバー 2.89 2.88 2.90
半画角(度) 52.70 42.51 32.51
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 177.06 161.89 158.29
BF 38.00 45.63 60.17

d 8 31.70 12.99 1.00
d13 15.40 11.32 5.16
d15 0.50 6.84 10.33
d20 7.33 0.99 -2.50

ea20 16.90 19.79 25.50


ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -24.08 34.46 1.63 -31.91
2 9 67.68 11.81 -1.84 -8.14
3 14 74.60 4.71 1.26 -1.91
4 16 -47.64 12.96 4.98 -5.22
5 21 45.00 20.18 3.90 -10.88

(数値実施例4)

単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* ∞ 2.70 1.77250 49.6 55.70
2* 22.913 6.87 41.66
3* 34.152 2.40 1.85400 40.4 41.07
4* 21.097 10.26 34.37
5 -49.131 1.80 1.80400 46.6 34.30
6 2921.270 1.68 35.10
7 68.035 6.37 1.64769 33.8 36.35
8 -71.454 (可変) 36.29
9 130.888 2.29 2.00100 29.1 24.80
10 -189.388 0.15 24.68
11 60.441 1.50 1.84666 23.8 24.34
12 19.802 5.37 1.72047 34.7 23.39
13 101.698 (可変) 23.07
14 59.435 3.43 1.49700 81.5 24.07
15 -95.460 (可変) 23.56
16(絞り) ∞ 2.94 19.35
17 -129.859 1.20 1.91082 35.3 18.82
18 21.897 3.32 1.84666 23.8 18.69
19 118.432 1.00 18.68
20 ∞ (可変) (可変)
21 22.027 8.34 1.43875 94.9 25.75
22 -40.199 0.15 25.77
23* 235.762 1.60 1.85400 40.4 25.12
24 17.606 9.65 1.49700 81.5 24.54
25 -86.416 26.00
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.66546e-005 A 6=-2.30653e-008
A 8= 1.86622e-011 A10=-7.87831e-015 A12= 2.72259e-018

第2面
K = 0.00000e+000 A 4=-6.84110e-006 A 6= 1.38799e-008
A 8= 1.35022e-012 A10=-3.73498e-013 A12= 2.61507e-016

第3面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.13594e-005 A 6= 3.92384e-008
A 8=-5.41127e-011 A10=-7.49810e-014 A12= 1.91660e-016

第4面
K =-1.33027e+000 A 4=-5.37488e-006 A 6= 2.96288e-008
A 8=-9.07880e-011 A10= 3.04175e-013 A12= 3.93915e-017

第23面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.07411e-005 A 6=-1.71910e-008
A 8=-7.03467e-012 A10=-2.66539e-014 A12=-1.56347e-016

各種データ
ズーム比 2.36

広角 中間 望遠
焦点距離 16.48 24.40 38.90
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(度) 52.70 41.56 29.08
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 177.74 162.40 159.73
BF 38.00 45.51 63.40

d 8 32.33 13.25 1.00
d13 17.08 13.30 4.99
d15 0.50 9.90 17.33
d20 16.83 7.43 0.00

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -23.16 32.07 1.39 -28.82
2 9 70.53 9.31 -1.82 -6.81
3 14 74.25 3.43 0.89 -1.42
4 16 -57.92 8.46 4.05 -2.29
5 21 50.47 19.73 1.31 -12.51

次に実施例1乃至4に示したズームレンズを撮像装置に適用した実施例を、図10を用いて説明する。
本発明の撮像装置はズームレンズを含む交換レンズ装置と、交換レンズ装置とカメラマウント部を介して着脱可能に接続され、ズームレンズが形成する光学像を受光して、電気的な画像信号に変換する撮像素子を含むカメラ本体とを備えている。
図10は一眼レフカメラの要部概略図である。図10において10は実施例1乃至4のズームレンズ1を有する撮影レンズである。ズームレンズ1は保持部材である鏡筒2に保持されている。20はカメラ本体であり、撮影レンズ10からの光束を上方に反射するクイックリターンミラー3、撮影レンズ10の像形成装置に配置された焦点板4より構成されている。更に焦点板4に形成された逆像を正立像に変換するペンタダハプリズム5、その正立像を観察するための接眼レンズ6などによって構成されている。
7は感光面であり、CCDセンサやCMOSセンサ等のズームレンズによって形成される像を受光する撮像素子(光電変換素子)や銀塩フィルムが配置される。撮影時にはクイックリターンミラー3が光路から退避して、感光面7上に撮影レンズ10によって像が形成される。実施例1乃至4にて説明した利益は本実施例に開示したような撮像装置において効果的に享受される。撮像装置としてクイックリターンミラー3のないミラーレスの一眼レフカメラにも同様に適用できる。
L1 第1レンズ群 L2 第2レンズ群 L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群 L5 第5レンズ群 LR 後群
G1 第1非球面レンズ G2 第2非球面レンズ

Claims (13)

  1. 物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、1つ以上のレンズ群を有し、全体として正の屈折力の後群から構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズにおいて、
    広角端と比較して望遠端において前記第1レンズ群と前記後群の間隔は狭くなり、
    前記第1レンズ群は、物体側より像側へ順に配置された、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負の屈折力の第1非球面レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負の屈折力の第2非球面レンズ、物体側のレンズ面が凹形状の負レンズ、物体側及び像側のレンズ面が凸形状の正レンズより構成され、
    前記第1非球面レンズは、像側のレンズ面が正の非球面量を有する非球面形状であり、前記第2非球面レンズは、物体側のレンズ面が負の非球面量を有する非球面形状であり、
    記第1非球面レンズの物体側のレンズ面が球面形状の場合はその曲率半径、非球面形状の場合は参照球面の曲率半径をR11、前記第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の長さをBLD1とするとき、
    0.10<BLD1/R11<1.00
    なる条件式を満たすことを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記第1非球面レンズの物体側のレンズ面は非球面形状であり正の非球面量を有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 前記第2非球面レンズの物体側のレンズ面参照球面の曲率半径をR21とするとき、
    0.00<BLD1/R21<1.00
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
  4. 前記第1レンズ群の焦点距離をf1、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
    1.00<−f1/fw<2.50
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  5. 前記第1非球面レンズの像側のレンズ面の非球面量をAr1r、前記第1非球面レンズの像側のレンズ面の光線有効径をEa1r、前記第1非球面レンズの材料の屈折率をNd、前記第2非球面レンズの物体側のレンズ面の非球面量をAr2f、前記第2非球面レンズの物体側のレンズ面の光線有効径をEa2f、前記第2非球面レンズの材料の屈折率をNdとするとき、
    0.010<|(Ar1r/Ea1r)×Nd|<0.1000.010<|(Ar2f/Ea2f)×Nd|<0.100
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  6. 前記第1非球面レンズの物体側のレンズ面は非球面形状であり、
    前記第1非球面レンズの物体側のレンズ面の非球面量をAr1f、前記第1非球面レンズ
    の物体側のレンズ面の光線有効径をEa1f、前記第1非球面レンズの材料の屈折率をNdとするとき、
    0.005<|(Ar1f/Ea1f)×Nd|<0.080なる条件式を満足することを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  7. 前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の第4レンズ群、正の第5レンズ群より構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  8. 広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群は像側へ移動し、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第5レンズ群は物体側へ移動し、前記第4レンズ群は像側へ凸状の軌跡で移動することを特徴とする請求項7に記載のズームレンズ。
  9. 前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の第4レンズ群より構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  10. 広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群は像側へ移動し、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群は物体側へ移動することを特徴とする請求項9に記載のズームレンズ。
  11. 物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の第4レンズ群、正の第5レンズ群から構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズにおいて、
    前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群、および前記第5レンズ群は全体として正の屈折力を有し、
    広角端と比較して望遠端において前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔は狭くなり、
    前記第1レンズ群は、物体側より像側へ順に配置された、像側のレンズ面が非球面形状であり正の非球面量を有する第1非球面レンズと、物体側のレンズ面が非球面形状であり負の非球面量を有する第2非球面レンズを含み、
    前記第1非球面レンズの物体側のレンズ面が球面形状の場合はその曲率半径、非球面形状の場合は参照球面の曲率半径をR11、前記第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の長さをBLD1とするとき、
    0.10<BLD1/R11<1.00
    なる条件式を満たすことを特徴とするズームレンズ。
  12. 広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群は像側へ移動し、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第5レンズ群は物体側へ移動し、前記第4レンズ群は像側へ凸状の軌跡で移動することを特徴とする請求項11に記載のズームレンズ。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のズームレンズと、該ズームレンズによって形成される像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
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