JP6508468B2 - 車両用照明装置、および車両用灯具 - Google Patents
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Description
この様な車両用照明装置においては、発光ダイオードにおいて発生した熱は、主に、ソケットを介して外部に放出される。そのため、ソケットは、アルミニウムなどの熱伝導率の高い金属から形成されていた。
ここで、車両用照明装置は、軽量であることが求められる。
そのため、ソケットの材料として、炭素などからなるフィラーを含む熱伝導性樹脂が用いられるようになってきている。
ところが、単に、熱伝導性樹脂からなるソケットとすれば、アルミニウムなどの金属からなるソケットと比べて放熱性能が低くなる。
そのため、放熱性能を向上させるために、発光モジュールと、熱伝導性樹脂からなるソケットの間に金属部材を設ける技術が提案されている。
しかしながら、金属部材を設けると、重量の増加と製造コストの増加を招くことになる。
そこで、熱伝導性樹脂からなるソケット自体の放熱性能を向上させることができる技術の開発が望まれていた。
基部と、前記基部の一方の面から突出した第1の凸部と、前記基部の、前記第1の凸部が設けられる側とは反対側に設けられたフィンと、前記基部の、前記第1の凸部が設けられる側とは反対側に設けられ、前記フィンと接合された第2の凸部と、を有するソケットと;前記第1の凸部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;を具備している。
前記ソケットは、熱伝導率が、7W/(m・K)以上、11W/(m・K)以下の熱伝導性樹脂を含んでいる。
前記基部の、車両用照明装置の中心軸と直交する方向における最大寸法をA1(mm)、前記第1の凸部の、前記中心軸と直交する方向における最大寸法をA2(mm)、前記発光モジュールに印加される電力をW(W)とした場合に、(A1−A2)/Wが、1.0以上、6.5以下となっている。
前記基部の、前記第1の凸部が設けられる側とは反対側の面から、前記第2の凸部の頂面までの距離が4mm以下である。
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、車両用照明装置1の模式斜視分解図である。
図3は、発光モジュール20の模式平面図である。
図1および図2に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、およびコネクタ40が設けられている。
収納部11は、円筒状を呈し、フランジ部12の凸部12b(第1の凸部の一例に相当する)から突出している。収納部11の内側であって、フランジ部12の凸部12bの上には、発光モジュール20が設けられている。また、収納部11の内側には、給電部30の給電端子31が突出している。
基部12aは、円板状を呈している。
凸部12bは、基部12aの一方の面から突出している。凸部12bは、基部12aの面12a1に設けられている。基部12aの面12a1は、車両用照明装置1の前面側に面する。
凸部12bの上には発光素子22を有する発光モジュール20が設けられる。
凹部12cは、基部12aの面12a2に設けられている(図5を参照)。基部12aの面12a2は、車両用照明装置1の背面側に面する。
すなわち、凹部12cは、発光モジュール20が設けられる側とは反対側に設けられている。
フィン13は、基部12aの面12a2から突出している。フィン13は、複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
凸部14は、基部12aの面12a2から突出し、フィン13と接合されている。
凸部15は、凹部12cの内部に設けられ、その先端は、基部12aの面12a2から突出している。
すなわち、凸部15は、凹部12cの内部に設けられ、基部12aの発光モジュール20が設けられる側とは反対側の面12a2から突出している。
凸部15は、フィン13と接合されている。
なお、凸部12b、凹部12c、凸部14、および凸部15に関する詳細は後述する。
ただし、収納部11、フランジ部12、フィン13、凸部14、および凸部15を一体に成形すれば、放熱性能の向上、外力に対する耐性の向上、製造コストの低減などを図ることができる。
取り付け部16は、複数設けられている。
取り付け部16は、車両用照明装置1を車両用灯具に装着する際に、車両用灯具に設けられた溝部に挿入される。そして、車両用照明装置1を回転させることで、車両用灯具に車両用照明装置1が保持されるようになっている。
すなわち、取り付け部16は、ツイストロックに用いられる。
発生した熱により発光素子22の温度が高くなりすぎると、光束の低下、配線25の断線、発光素子22の剥離などが生じるおそれがある。
そのため、発生した熱を車両用照明装置1の外部に効率よく放出する必要がある。
この場合、発生した熱は、主に、ソケット10を介して外部に放出される。
しかしながら、金属は比重が高いので車両用照明装置1が重くなるという問題がある。 これに対し、ソケット10の材料が、熱伝導性樹脂であれば、車両用照明装置1の軽量化を図ることができる。しかしながら、ソケット10の材料を熱伝導性樹脂とすれば、金属からなるソケットと比べて放熱性能が低くなる。
ところが、熱伝導性樹脂に含まれるフィラーの量を多くすれば、熱伝導性樹脂が脆くなり加工が困難となるという問題がある。
そのため、放熱性能と加工性を考慮すると、熱伝導性樹脂の熱伝導率は7W/(m・K)以上、11W/(m・K)以下とすることが好ましい。
なお、熱伝導性樹脂は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い炭素や酸化アルミニウム等からなるフィラーを混合させたものとすることができる。
また、基板2には、基体21および配線パターン24が設けられている。
基体21は、板状を呈し、表面に配線パターン24が設けられている。
基体21は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックスから形成することができる。
なお、基体21は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
配線パターン24は、基体21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基体21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24には、入力端子24aが設けられている。
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電部30の給電端子31が電気的に接続されている。そのため、発光素子22は、配線パターン24を介して、給電部30と電気的に接続されている。
配線パターン24は、例えば、銀を主成分とする材料から形成することができる。配線パターン24は、例えば、銀や銀合金から形成することができる。ただし、配線パターン24の材料は、銀を主成分とする材料に限定されるわけではない。配線パターン24は、例えば、銅を主成分とする材料などから形成することもできる。
配線パターン24は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。
発光素子22は、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)に図示しない電極を有したものとすることができる。なお、図示しない電極は、配線パターン24に設けられる側の面(下面)と、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)とに設けられていてもよいし、どちらかの面のみに設けられていてもよい。
発光素子22の光の出射面である上面は、車両用照明装置1の前面側に向けられている。発光素子22は、主に、車両用照明装置1の前面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
制御素子23は、発光素子22に流れる電流を制御する。
発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子と、グランド端子と、の間の印加電圧を一定にすると、発光素子22の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22の明るさが所定の範囲内に収まるように、制御素子23により、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにしている。
制御素子23は、例えば、抵抗器とすることができる。制御素子23は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。
なお、図3に例示をした制御素子23は、膜状の抵抗器である。
例えば、制御素子23が膜状の抵抗器の場合には、制御素子23の一部を除去して図示しない除去部を形成する。そして、除去部の大きさや数などにより、制御素子23の抵抗値を変化させる。この場合、制御素子23の一部を除去すれば、抵抗値は増加することになる。制御素子23の一部の除去は、例えば、制御素子23にレーザ光を照射することで行うことができる。
制御素子23の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
配線25は、例えば、金を主成分とする線とすることができる。ただし、配線25の材料は、金を主成分とするものに限定されるわけではない。配線25の材料は、例えば、銅を主成分とするものや、アルミニウムを主成分とするものなどであってもよい。
枠部26は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)やPC(polycarbonate)などの樹脂や、セラミックスなどから形成することができる。
なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22から出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。
また、枠部26は、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
また、発光素子22から車両用照明装置1の前面側に向けて出射された光の一部であって封止部27の上面(封止部27と外気との界面)で全反射した光は、枠部26の中央部26a側の側壁面26bで反射して、再び車両用照明装置1の前面側に向けて出射される。
すなわち、枠部26は、封止部27の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能を有する。なお、枠部26の形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
封止部27は、透光性を有する材料から形成されている。封止部27は、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
封止部27は、例えば、枠部26の中央部26aに樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
例えば、発光素子22が青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22から出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が車両用照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22の種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類や発光素子22の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
接合部28は、膜状を呈し、枠部26と、基体21との間に設けられている。
接合部28は、例えば、シリコーン系接着剤やエポキシ系接着剤を硬化させることで形成されたものとすることができる。
制御素子29は、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられている。
制御素子29は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子29は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。
図3に例示をした制御素子29は、表面実装型のダイオードである。
制御素子52は、発光ダイオードの断線の検出や、誤点灯防止などのために設けられている。制御素子52は、プルダウン抵抗である。
制御素子52は、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成された膜状の抵抗器とすることができる。
制御素子52は、例えば、酸化ルテニウムを用いて形成された膜状の抵抗器とすることができる。
なお、制御素子29および発光素子22が設けられる領域、配線25が接続される領域、および給電端子31が接続される領域には被覆部51が設けられていない。
例えば、被覆部51は、制御素子29が半田付けされる領域35は覆っていない。
被覆部51は、水分やガスなどが配線パターン24、制御素子23、および制御素子52に接触するのを抑制するため、および、電気絶縁性を確保するために設けられている。 被覆部51は、ガラス材料を含むものとすることができる。
そのため、マイグレーションの抑制や、半田の濡れ性の向上のために、配線パターン24を覆う金属膜34が設けられている。
また、配線パターン24が、例えば、銅を主成分とする材料から形成される場合には、高温条件下や硫黄成分が多い雰囲気下において酸化や硫黄との反応が早くなり、半田の濡れ性が低下する場合がある。そのため、配線パターン24が、銅を主成分とする材料から形成される場合も、配線パターン24を覆う金属膜34を設けるようにすることが好ましい。
金属膜34は、例えば、無電解めっき法を用いて、半田付けがされる領域35に形成することができる。
複数の給電端子31は、収納部11およびフランジ部12の内部を延びている。複数の給電端子31の一方の端部は、フランジ部12の凸部12bから突出し、配線パターン24の入力端子24aと電気的に接続されている。複数の給電端子31の他方の端部は、車両用照明装置1の背面側において、ソケット10から露出している。
なお、給電端子31の数、配置、形態などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
コネクタ40には、図示しない電源などが電気的に接続されている。
そのため、コネクタ40を給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とが電気的に接続される。
コネクタ40は、例えば、接着剤などを用いてソケット10側の要素に接合することができる。
まず、凸部12b、凹部12c、凸部14、および凸部15について説明する。
前述したように、熱伝導性樹脂に含まれるフィラーの量を多くすれば、放熱性能を向上させることができるが、熱伝導性樹脂が脆くなり外力に対する耐性(機械的な強度)が低下する。
そこで、本実施の形態においては、フィン13およびフランジ部12と接合された凸部14を設けるようにしている。
そのため、発光素子22から出射した光が、収納部11や収納部11の側壁に設けられた取り付け部16により遮られやすくなる。
この場合、発光モジュール20の取り付け位置を車両用照明装置1の前面側に寄せると、発光素子22から出射した光が、収納部11や取り付け部16により遮られるのを抑制することができる。
そのため、基部12aから車両用照明装置1の前面側に向けて突出する凸部12bを設け、凸部12bに発光モジュール20を設けるようにしている。すなわち、凸部12bを設けて、発光モジュール20の取り付け位置を車両用照明装置1の前面側に寄せるようにしている。
そのため、基部12aの面12a2に凹部12cを設けて、重量や材料費の抑制を図るようにしている。
そこで、本実施の形態においては、凹部12cの内部に、フィン13と接合される凸部15を設けるようにしている。
なお、図4は、車両用照明装置1を背面側(発光モジュール20が設けられる側とは反対側)から見た図である。
図5は、図4におけるA−A線断面図である。
図6(a)〜(c)は、凸部14の断面形状を例示するための模式断面図である。
この場合、凸部14は、一のフィン13と、一のフィン13に隣接する他のフィン13との間に設けられるようにすることができる。
そして、凸部14は、一のフィン13および他のフィン13の少なくともいずれかと接合することができる。
すなわち、フィン13の根元側には凸部14が接合されている。
そのため、フィン13の外力に対する耐性を向上させることができる。
この場合、フィン13が延びる方向と、凸部14が延びる方向を交差させることもできる。この様にすれば、フィン13の外力に対する耐性をさらに向上させることができる。
そのため、凸部14は、放熱フィンとしても機能する。
凸部14を設けるようにすれば、放熱性能を向上させることができる。
この様にすれば、凸部14を設けるようにしても、フィン13の近傍における空気の流れが妨げられるのを抑制することができる。
面14b1および面14b2の少なくともいずれかは、凸部14の頂面14aに向かうに従い、面14b1と面14b2との間の距離が漸次短くなるように傾斜している。
すなわち、面14b1および面14b2の少なくともいずれかは、傾斜面となっている。
面14b1および面14b2の両方を傾斜面とする場合には、傾斜方向が互いに逆向きとなるようにする。
また、図6(b)、(c)に示すように、面14b1または面14b2を傾斜面とすることもできる。
傾斜面を設けるようにすれば、空気の流れに乱流が発生するのを抑制することができる。
そのため、空気の流れを円滑にすることができるので、放熱性能を向上させることができる。
なお、空気の流れ方向100は、車両用照明装置1の取り付け形態や、車両用照明装置1が取り付けられる環境などの影響を受ける。
そのため、図6(a)に示すように、互いに対峙する2つの面(面14b1および面14b2)を傾斜面とし、傾斜方向が互いに逆向きとなるようにすれば、予め空気の流れ方向100が分からなかったり、空気の流れ方向100が変化したりする場合であっても対応が可能となる。
また、凸部15の先端は、基部12aの面12a2から突出している。凸部15は、フィン13と接合されている。
この場合、凸部15は、一のフィン13と、一のフィン13に隣接する他のフィン13との間に設けられるようにすることができる。
そして、凸部15は、一のフィン13および他のフィン13の少なくともいずれかと接合されているようにすることができる。
すなわち、フィン13の根元側には凸部15が接合されている。
そのため、フィン13の外力に対する耐性を向上させることができる。
この場合、フィン13が延びる方向と、凸部15が延びる方向を交差させることもできる。この様にすれば、フィン13の外力に対する耐性をさらに向上させることができる。
この場合、凹部12cの内部に凸部15を設け、凸部15をフィン13と接合すれば、凹部12cの内部の熱をフィン13に逃がすことができる。
この様に、凸部15は、熱伝達部および放熱フィンとしても機能する。
そのため、凸部15を設けるようにすれば、凹部12cの内部の熱を逃がすことができるので、放熱性能を向上させることができる。
この様にすれば、凸部15を設けるようにしても、フィン13の近傍における空気の流れが妨げられるのを抑制することができる。
この場合、凸部15の突出方向(高さ方向)における凸部15の頂面15aの位置は、凸部14の頂面14aの位置と同じとなるようにすることができる。
この様にすれば、空気の流れに乱流が発生するのを抑制することができる。
そのため、空気の流れを円滑にすることができるので、放熱性能をさらに向上させることができる。
面15b1および面15b2の少なくともいずれかは、凸部15の頂面15aに向かうに従い、面15b1と面15b2との間の距離が漸次短くなるように傾斜している。
すなわち、面15b1および面15b2の少なくともいずれかは、傾斜面となっている。
面15b1および面15b2の両方を傾斜面とする場合には、傾斜方向が互いに逆向きとなるようにする。
また、図6(b)、(c)において例示をした凸部14と同様に、面15b1または面15b2を傾斜面とすることもできる。
そのため、空気の流れを円滑にすることができるので、放熱性能を向上させることができる。
なお、空気の流れ方向100は、車両用照明装置1の取り付け形態や、車両用照明装置1が取り付けられる環境などの影響を受ける。
そのため、図6(a)において例示をした凸部14と同様に、互いに対峙する2つの面(面15b1および面15b2)を傾斜面とし、傾斜方向が互いに逆向きとなるようにすれば、予め空気の流れ方向100が分からなかったり、空気の流れ方向100が変化したりする場合であっても対応が可能となる。
まず、基部12aおよび凸部12bの放熱性能について説明する。
本発明者らの得た知見によれば、発光素子22などで発生した熱の大部分は、熱源である発光モジュール20に近く、且つ、車両用灯具などに接触するフランジ部12の基部12aから外部に放出される。
また、発光モジュール20と基部12aの間にある凸部12bが、熱伝達部となる。
また、発光モジュール20に印加される電力Wが増えると、発生する熱量が増加する。
本発明者らの得た知見によれば、(A1−A2)/Wを所定の値以上とすれば、放熱性能を向上させることができる。
そのため、実質的には、基部12aの最大寸法A1が放熱性能の向上に最も大きな影響を与えることになる。
すなわち、基部12aの最大寸法A1を大きくすれば、放熱性能を向上させることができる。
そのため、熱源である発光モジュール20から遠くなるほど伝わる熱が少なくなり、温度上昇が小さくなる。
つまり、基部12aの最大寸法A1を必要以上に大きくしても、基部12aの周縁領域における温度はあまり変わらないので、放熱性能の改善は望めなくなる。
一方、基部12aの最大寸法A1を大きくしすぎると、車両用照明装置1の軽量化が図れなくなるおそれがある。
本発明者らの得た知見によれば、基部12aの最大寸法A1を40mm以下とすれば、放熱性能の向上と軽量化を図ることができる。
この場合、熱伝導性樹脂の熱伝導率は、7W/(m・K)以上、11W/(m・K)以下とした。
発光モジュール20に印加される電力Wは、1.0W(ワット)以上、6.0W(ワット)以下とした。
基部12aの最大寸法A1は、40mm以下とした。
そして、基部12aの最大寸法A1と、凸部12bの最大寸法A2を変化させて、(A1−A2)/Wの評価を行った。
なお、(A1−A2)/W=0は、A1=A2の場合である。
表1から分かるように、(A1−A2)/Wを1.0以上、6.5以下とすれば、放熱性能の向上と軽量化を図ることができる。
なお、熱伝導性樹脂の熱伝導率が、7W/(m・K)以上、11W/(m・K)以下であれば、(A1−A2)/Wの最適範囲に変わりはない。
前述したように、フィン13は、放熱フィンとして機能する。
そのため、基部12aの、凸部12bが設けられる側とは反対側の面12aから、フィン13の頂面13aまでの距離B(図5を参照)を大きくすれば、放熱性能を向上させることができる。
そのため、熱源である発光モジュール20から遠くなるほど伝わる熱が少なくなり、温度上昇が小さくなる。
つまり、フィン13の頂面13aまでの距離B(フィン13の突出長さ)を必要以上に大きくしても、フィン13の先端領域における温度はあまり変わらないので、放熱性能の改善は望めなくなる。
一方、フィン13の頂面13aまでの距離Bを大きくしすぎると、車両用照明装置1の軽量化が図れなくなるおそれがある。
本発明者らの得た知見によれば、フィン13の頂面13aまでの距離Bを35mm以下とすれば、放熱性能の向上と軽量化を図ることができる。
前述したように、凸部14は、放熱フィンとして機能する。
そのため、基部12aの、凸部12bが設けられる側とは反対側の面12aから、凸部14の頂面14aまでの距離C(mm)(図5を参照)を大きくすれば、放熱性能を向上させることができる。
そのため、熱源である発光モジュール20から遠くなるほど伝わる熱が少なくなり、温度上昇が小さくなる。
つまり、凸部14の頂面14aまでの距離C(凸部14の突出長さ)を必要以上に大きくしても、凸部14の先端領域における温度はあまり変わらないので、放熱性能の改善は望めなくなる。
また、前述したように、凸部14の頂面14aまでの距離Cを大きくするほどフィン13の近傍における空気の流れが妨げられる。
そのため、凸部14の頂面14aまでの距離Cを大きくしすぎると、放熱性能がかえって低下するおそれがある。
また、凸部14の頂面14aまでの距離Cを大きくしすぎると、車両用照明装置1の軽量化が図れなくなるおそれがある。
本発明者らの得た知見によれば、凸部14の頂面14aまでの距離Cを4mm以下とすれば、放熱性能の向上と軽量化を図ることができる。
Claims (5)
- 基部と、前記基部の一方の面から突出した第1の凸部と、前記基部の、前記第1の凸部が設けられる側とは反対側に設けられたフィンと、前記基部の、前記第1の凸部が設けられる側とは反対側に設けられ、前記フィンと接合された第2の凸部と、を有するソケットと;
前記第1の凸部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;
を具備し、
前記ソケットは、熱伝導率が、7W/(m・K)以上、11W/(m・K)以下の熱伝導性樹脂を含み、
前記基部の、車両用照明装置の中心軸と直交する方向における最大寸法をA1(mm)、前記第1の凸部の、前記中心軸と直交する方向における最大寸法をA2(mm)、前記発光モジュールに印加される電力をW(W)とした場合に、(A1−A2)/Wが、1.0以上、6.5以下となり、
前記基部の、前記第1の凸部が設けられる側とは反対側の面から、前記第2の凸部の頂面までの距離が4mm以下である車両用照明装置。 - 前記基部の、前記第1の凸部が設けられる側とは反対側の面から、前記フィンの頂面までの距離が35mm以下である請求項1記載の車両用照明装置。
- 前記最大寸法A1は、40mm以下である請求項1または2に記載の車両用照明装置。
- 前記電力Wは、1.0W(ワット)以上、6.0W(ワット)以下である請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用照明装置に設けられたソケットの基部に接触する車両用灯具。
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