以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(情報処理装置間で通信を行うための中継局にインセンティブを与えてその通信中に特定場所に滞在してもらう例)
2.第2の実施の形態(情報処理装置を所有するユーザを特定場所に滞在させる例)
3.応用例
<1.第1の実施の形態>
[通信システムの構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における通信システム10のシステム構成例を示す図である。
通信システム10は、情報処理装置100乃至104、200乃至205、300を備える。
情報処理装置100乃至104、200乃至205、300は、例えば、無線通信機能を備える携帯型の情報処理装置である。ここで、携帯型の情報処理装置は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の情報処理装置である。また、情報処理装置100乃至104、200乃至205、300は、例えば、無線通信機能を備える固定型の情報処理装置とするようにしてもよい。なお、固定型の情報処理装置は、例えば、プリンタ、パーソナルコンピュータ、オブジェクト等の情報処理装置である。
また、情報処理装置100乃至104、200乃至205、300は、無線LAN(Local Area Network)の通信方式により無線通信を行うことができる。また、情報処理装置100乃至104、200乃至205、300は、他の通信方式により無線通信を行うようにしてもよい。例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)仕様の通信方式により無線通信を行うようにしてもよい。
また、図1では、各装置間で行われる無線通信の通信経路を直線の点線で示す。なお、各装置間で行われる無線通信は、例えば、周囲の情報処理装置と自律的に相互接続する通信方法により実現される。なお、周囲の情報処理装置は、例えば、近接する情報処理装置、隣接する情報処理装置である。
ここで、周囲の情報処理装置と自律的に相互接続する通信方法として、アドホック通信やアドホックネットワーク等が知られている。このようなネットワークにおいては、各情報処理装置は、マスタ局(例えば、制御装置)に依存することなく、周囲の情報処理装置と相互に通信を行うことが可能である。そこで、本技術の第1の実施の形態では、周囲の情報処理装置と自律的に相互接続する通信方法として、アドホックネットワークやメッシュネットワークを例にして説明する。
アドホックネットワークでは、周囲に新たな情報処理装置が追加されると、この新たな情報処理装置も自由にネットワークに参加することができる。このように、情報処理装置(周囲の情報処理装置)が増加するのに応じて、ネットワークのカバー範囲を増加させることができる。すなわち、情報処理装置が順次追加されるのに応じて、ネットワークのカバー範囲を増加させることができる。
例えば、情報処理装置100乃至104は、メッシュグループ(mesh group)を既に形成しているものとする。また、例えば、情報処理装置200乃至205は、メッシュグループ(mesh group)を既に形成しているものとする。
ここで、各情報処理装置は、周囲の情報処理装置と自律的に相互接続する以外に、他の情報処理装置間でやりとりされる情報をバケツリレー的に転送することも可能である。
例えば、電波が届かない等の理由により、情報処理装置100と直接通信することができない情報処理装置(例えば、情報処理装置200)が存在する場合を想定する。このように直接通信ができない場合でも、情報処理装置100との直接通信が可能な情報処理装置300が情報処理装置100のデータを、情報処理装置200に転送することが可能である。そこで、このようにデータを転送することにより、情報処理装置100と、情報処理装置100と直接通信することができない情報処理装置200とは、情報処理装置300を経由して、互いに情報のやり取りを行うことが可能となる。
このように互いにデータ転送(いわゆる、バケツリレー)を行い、遠くの情報処理装置に情報を届ける方法は、マルチホップ・リレーと称されている。また、マルチホップを行うネットワークは、メッシュネットワークとして一般的に知られている。
このように、情報処理装置100および200は、中継局である情報処理装置300を介して通信することができる。しかしながら、情報処理装置300が、情報処理装置100および200のうちの少なくとも1つとの通信ができないような場所に移動してしまうと、情報処理装置100および200は、通信を行うことができなくなる。
例えば、情報処理装置200のユーザが、情報処理装置100からのデータの受信を希望する場合を想定する。この場合には、情報処理装置200のユーザは、そのデータの受信が完了するまでの間、情報処理装置100および200のそれぞれとの通信が可能な範囲に、中継局である情報処理装置300に滞在してもらう必要がある。
そこで、本技術の第1の実施の形態では、中継局に滞在してもらう必要がある場合に、その中継局(すなわち、中継局のユーザ)にインセンティブを与える例を示す。これにより、ユーザが希望するデータ通信が終了するまでの間、そのデータ通信を行うことが可能な場所に中継局に滞在してもらうことができる。
ここで、インセンティブは、ある行動を起こさせる動機付けや誘発剤となるものを意味する。例えば、インセンティブは、割引券、サービス券、ポイント、金券等のように、その使用に制約が付されるが、お金と同等の価値に置き換えられるものにより実現することができる。また、例えば、インセンティブは、物事と引き換えにできるもの、褒美のような条件をクリアすることにより一方的に与えられるもの、貢献の度合いを示すことにより、価値の高さを示すようなものにより実現することができる。例えば、インセンティブの付与は、インセンティブを実現するための情報(例えば、インセンティブを実現するためのポイント)の付与とすることができる。
[情報処理装置の構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100の内部構成例を示すブロック図である。なお、他の情報処理装置(情報処理装置101乃至104、200乃至205、300)の内部構成についても、情報処理装置100と略同一であるため、ここでは、情報処理装置100についてのみ説明し、他の情報処理装置の説明を省略する。
情報処理装置100は、無線通信部110と、アンテナ120と、I/O(Input/Output)インタフェース130と、記憶部140と、制御部150と、操作受付部160と、表示部170とを備える。また、これらの各部は、バス190を介して接続される。
無線通信部110は、アンテナ120を介して、電波の送受信を行うためのモジュール(例えば、セルラーモデム、無線LAN(Local Area Network)モデム)である。例えば、無線通信部110は、無線LANの通信方式により無線通信を行うことができる。また、例えば、無線通信部110は、3GPP仕様の通信方式により無線通信を行うようにしてもよい。また、例えば、無線通信部110は、ミリ波通信(60GHz等)、900MHz/2.4GHz/5GHz無線LAN、UWB(Ultra Wide Band)により無線通信を行うようにしてもよい。また、例えば、無線通信部110は、可視光通信、NFC(Near Field Communication)により無線通信を行うようにしてもよい。
また、例えば、無線通信部110は、制御部150の制御に基づいて、ある情報処理装置を経由して他の情報処理装置に各情報を転送することができる。このように互いにデータ転送(いわゆる、バケツリレー)を行い、遠くの情報処理装置に情報を届ける方法は、マルチホップ・リレーと称されている。また、マルチホップを行うネットワークは、メッシュネットワークとして一般的に知られている。このように、データ転送を行う場合には、無線通信部110は、マルチホップの通信経路の生成または更新のための信号のやりとりを他の情報処理装置との間で無線通信を利用して行う。
また、無線通信部110は、電波(電磁波)を用いた無線通信を行うようにしてもよく、電波以外の媒体を用いた無線通信(例えば、磁界を用いて行われる無線通信)を行うようにしてもよい。
I/Oインタフェース130は、情報処理装置100と連動して動作するセンサ・アクチュエータ等の外部装置とのインタフェースである。図2では、外部装置として、状態検出部181および音声出力部182がI/Oインタフェース130に接続される例を示す。また、図2では、状態検出部181および音声出力部182を情報処理装置100の外部に設ける例を示すが、これらの全部または一部を情報処理装置100に内蔵するようにしてもよい。また、ウェアラブルコンピュータ、ウェアラブル端末等の外部装置をI/Oインタフェース130に接続して用いるようにしてもよい。
状態検出部181は、情報処理装置100の加速度、動き、傾き等を検出することにより情報処理装置100の状態(例えば、位置、姿勢、移動距離)を検出するものである。そして、状態検出部181は、その検出された状態に関する状態情報を、I/Oインタフェース130を介して制御部150に出力する。なお、状態検出部181として、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPS(Global Positioning System)を用いることができる。
音声出力部182は、制御部150の制御に基づいて、各種音声を出力する音声出力部(例えば、スピーカ)である。
記憶部140は、各種情報を格納するメモリである。例えば、記憶部140には、情報処理装置100が所望の動作を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム)が格納される。また、記憶部140には、音楽コンテンツや画像コンテンツ(例えば、動画コンテンツ、静止画コンテンツ)等の各種コンテンツが格納される。
制御部150は、記憶部140に格納されている制御プログラムに基づいて情報処理装置100の各部を制御するものである。例えば、制御部150は、送受信した情報の信号処理を行う。また、制御部150は、CPU(Central Processing Unit)により実現される。
例えば、無線通信を利用して無線通信部110によりデータを送信する場合には、制御部150は、記憶部140から読み出された情報やI/Oインタフェース130から入力された信号等を処理し、実際に送信するデータの塊(送信パケット)を生成する。続いて、制御部150は、その生成された送信パケットを無線通信部110に出力する。また、無線通信部110は、その送信パケットを、実際に伝送するための通信方式のフォーマット等に変換した後に、変換後の送信パケットをアンテナ120から外部に送信する。
また、例えば、無線通信を利用して無線通信部110によりデータを受信する場合には、無線通信部110は、アンテナ120を介して受信した電波信号を、無線通信部110内の受信機が行う信号処理により受信パケットを抽出する。そして、制御部150は、その抽出された受信パケットを解釈する。この解釈の結果、保持すべきデータであると判断された場合には、制御部150は、そのデータを記憶部140に書き込む。また、他の情報処理装置に転送すべきデータであると判断された場合には、制御部150は、他の情報処理装置に転送するための送信パケットとして、そのデータを無線通信部110に出力する。また、出力すべきデータであると判断された場合には、制御部150は、表示部170への出力や、I/Oインタフェース130から外部(例えば、音声出力部182)への出力を行う。
例えば、制御部150は、記憶部140に格納されている各種コンテンツを、無線通信を利用して他の情報処理装置に提供することができる。
また、例えば、制御部150は、ネットワークにおける他の情報処理装置に特定場所に滞在することを要求する滞在要求を送信し、その情報処理装置が特定場所に滞在することを条件にその情報処理装置にインセンティブを付与する制御を行う。
また、例えば、制御部150は、ネットワークにおける他の情報処理装置から特定場所に滞在することを要求する滞在要求を受信する受信処理を行う。この場合に、制御部150は、情報処理装置100が特定場所に滞在することを条件にその情報処理装置から付与されるインセンティブに基づく処理(例えば、特定アプリケーションの起動)を行う。
操作受付部160は、ユーザにより行われた操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた操作情報を制御部150に出力する。操作受付部160は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、センサ(例えば、タッチインタフェース)により実現される。
表示部170は、制御部150の制御に基づいて各種情報を表示する表示部である。なお、表示部170として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。なお、操作受付部160および表示部170については、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いて一体で構成することができる。
[通信例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における通信システム10を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、図3では、情報処理装置100、200、300が、図1に示すトポロジで存在している場合における通信処理例を示す。
また、図3では、情報処理装置300を中継局として、情報処理装置100および200間で行われる情報のやりとりの一例を示す。具体的には、情報処理装置300を経由して、情報処理装置200が、情報処理装置100に格納されているデータの送信を情報処理装置100に要求する例を示す。また、図3では、中継局である情報処理装置300がインセンティブを算出し、滞在要求を送信した情報処理装置200にその算出されたインセンティブを要求する例を示す。
情報処理装置200は、情報処理装置100からデータを送信してもらうため、データ送信要求(データ送信リクエスト信号)を、情報処理装置300を経由して情報処理装置100に送信する(401乃至404)。
そのデータ送信要求を受信した場合には(404)、情報処理装置100は、そのデータ送信要求に係るデータ送信が可能であるか否かを判断する。そして、情報処理装置100は、そのデータ送信要求に係るデータ送信が可能である場合には、データ送信が可能である旨を示すパケット(送信承認通知)を、情報処理装置300を経由して情報処理装置200に送信する(405乃至408)。
また、情報処理装置100は、そのデータ送信要求に係るデータ送信が可能である場合には、データトラフィック(data traffic)の生成(送信データの準備)を行う(409)。この送信データの準備は、そのデータ送信要求に係るデータ送信を開始するまでの間であれば、どのタイミングで行うようにしてもよい。
送信承認通知を受信した場合には(408)、情報処理装置200は、データ送信要求に係るデータを受信するために必要な時間を算出する。例えば、情報処理装置200は、データ送信要求に係るデータのデータ量と最低レートとに基づいて、その時間を算出することができる。なお、その時間を算出する際に、環境によっては、最低レートの代わりに、最適レートを用いるようにしてもよい。また、環境によって、他の通信レートを用いるようにしてもよい。また、本技術の第1の実施の形態では、そのように算出された時間を、情報処理装置300に滞在して欲しい時間(滞在時間)とする。
情報処理装置200は、そのように算出された時間を特定するための情報(例えば、時間長(例えば、10sec))を含めたパケット(リクエスト信号(滞在要求))を情報処理装置300に送信する(410、411)。この場合に、情報処理装置200および300間は直接通信が可能であるため、情報処理装置200は、その滞在要求を情報処理装置300に直接送信する(410、411)。
滞在要求を受信した場合には(411)、情報処理装置300は、その滞在要求を送信した情報処理装置200に要求するインセンティブを算出する(412)。
続いて、情報処理装置300は、滞在要求を受信した旨をユーザに通知する。例えば、滞在要求を受信した旨と、その滞在要求に係る滞在時間(例えば、10sec)と、算出されたインセンティブ(例えば、数値)とを情報処理装置300の表示部に表示することによりユーザに通知することができる。また、例えば、滞在要求を受信した旨と、その滞在要求に係る滞在時間と、算出されたインセンティブとを音声出力することによりユーザに通知することができる。
このように通知が行われた場合には、ユーザは、その滞在要求を承認するか否かを判断し、その滞在要求を承認するか否かの操作入力を行う。図3では、その滞在要求を承認する操作入力が受け付けられた場合の例を示す。
このように、ユーザによりその滞在要求を承認する操作入力が受け付けられた場合には(413)、情報処理装置300は、その滞在要求を承認する旨の通知(滞在承認通知)と、インセンティブ要求とを、情報処理装置200に送信する(414、415)。なお、インセンティブ要求は、算出されたインセンティブを要求するための情報である。
また、情報処理装置300は、情報処理装置200にデータ送信中継を許可した旨(滞在承認通知)を情報処理装置100に送信する(416、417)。この場合に、情報処理装置100および300間は、直接通信が可能であるため、情報処理装置300は、その滞在承認通知を情報処理装置100に直接送信する(416、417)。
滞在承認通知を受信した場合には(417)、情報処理装置100は、情報処理装置200へのデータ送信を開始する(418乃至421)。このデータ送信が行われている間、情報処理装置300は、情報処理装置100および情報処理装置200の双方との通信可能な範囲に滞在する必要がある。すなわち、情報処理装置300は、情報処理装置100から情報処理装置200へのデータ送信が開始されてから、滞在要求に係る滞在時間(例えば、10sec)が経過するまでの間、移動せずに、同一場所(または、その周囲の場所)に滞在する必要がある。
また、情報処理装置100から情報処理装置200へのデータ送信が終了した場合には(418乃至421)、情報処理装置200は、要求されたインセンティブを情報処理装置300に送信する(422、423)。例えば、要求されたインセンティブを情報処理装置300のユーザが使用することができる情報(例えば、ポイント情報)が、情報処理装置200から情報処理装置300に送信される(422、423)。すなわち、情報処理装置200のユーザから情報処理装置300のユーザにインセンティブが譲渡される(422、423)。このインセンティブの譲渡により、一連の処理が終了する。
なお、滞在要求を承認しない操作入力が受け付けられた場合には、情報処理装置300は、その滞在要求を承認しない旨の通知(滞在未承認通知)を情報処理装置200に送信する。この場合には、情報処理装置300を中継局として使用することができないため、情報処理装置200は、情報処理装置100からのデータを受信することはできない。ただし、情報処理装置100および200間に、複数の中継局が存在する場合には、最初に滞在要求をした中継局(最適ルート)が未承認であったときでも、次の中継局(次の最適ルート)に滞在要求を行うことができる。同様に、3番目以降の中継局(次の最適ルート)に滞在要求を順次行うことができる。
また、図3では、滞在要求を承認するか否かをユーザによる手動操作で行う例を示したが、全ての滞在要求を承認することを予めユーザが設定しておくようにしてもよい。この場合には、滞在要求を受信する毎に、情報処理装置300は、滞在要求を送信した情報処理装置に自動で滞在承認通知を送信することができる。
また、中継局が、滞在要求を同時(または、ほぼ同時)に複数受け付けることも想定される。このような場合には、滞在要求を送信した各情報処理装置を信頼度の順位で並べて表示するようにしてもよい。この場合には、中継を許可する情報処理装置をユーザが手動で選択することができる。または、信頼度の高い上位の情報処理装置には、自動で中継を許可するようにしてもよい。
[インセンティブの算出例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における通信システム10を構成する中継局によるインセンティブの算出例を示す図である。図4では、インセンティブのウエイト(Weight)の計算方法を示す。
図4では、情報処理装置433を中継局として、情報処理装置431および432間でデータ通信を行う場合の例を示す。情報処理装置433は、次の式1を用いて、インセンティブのウエイトWを算出することができる。
W=w(t,n,d) … 式1
ここで、tは、滞在時間(Time)を示す値である。また、nは、中継局の数(num of relay node)を示す値である。また、dは、各装置間の距離(distance)を示す値である。
最初に、滞在時間に基づいて、インセンティブのウエイトWを算出する例を示す。例えば、滞在時間が長いほど、インセンティブが高くなるように、インセンティブのウエイトWが算出される。
例えば、t1<t2<t3である場合には、w(t1,n,d)<w(t2,n,d)<w(t3,n,d)とする。
次に、中継局の数に基づいて、インセンティブのウエイトWを算出する例を示す。例えば、中継局が多いほど、インセンティブが高くなるように、インセンティブのウエイトWが算出される。
例えば、n1<n2<n3である場合には、w(t,n1,d)<w(t,n2,d)<w(t,n3,d)とする。
ここで、中継局の数は、例えば、情報処理装置431および432の外側の中継局の数とすることができる。この場合には、中継局が多いほど、各ネットワーク間の通信が行い易くなる。このため、インセンティブが高くなるように、インセンティブのウエイトWが算出される。
また、中継局の数を、例えば、情報処理装置431および432の内側の中継局の数とすることもできる。この場合には、中継局が多いほど、選択することができる中継局が多く存在することになる。このため、中継局が多いほど、インセンティブが低くなるように、インセンティブのウエイトWを算出することが好ましい。
次に、各装置間の距離に基づいて、インセンティブのウエイトWを算出する例を示す。例えば、データ送信元および自装置(中継局)間の距離と、データ送信先および自装置(中継局)間の距離とが等しいほど、インセンティブが高くなるように、インセンティブのウエイトWを算出することができる。
例えば、情報処理装置431および432間の距離を2×R1とする。この場合に、次の各条件式を満たす場合には、w(t,n,D1)<w(t,n,D2)<w(t,n,D3)とする。
(R1−R3)<D0<R1
(R1−R2)<D1<(R1−R3)
0<D2<(R1−R2)
ここで、装置間の距離を算出する算出方法として、他の情報処理装置からのパケットの測定結果(例えば、受信信号強度)を用いる算出方法を採用することができる。例えば、RTT(Round Trip Time)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)等を用いることができる。
例えば、情報処理装置433が情報処理装置431から受信するパケットのRSSIを、RSSI_Aとする。また、情報処理装置433が情報処理装置432から受信するパケットのRSSIを、RSSI_Bとする。
この場合に、次の式を満たす場合に、情報処理装置433および431間の距離と、情報処理装置433および432間の距離とが同一または略同一であると判断することができる。
RSSI_A[dBm]≒RSSI_C[dBm]
このように、情報処理装置433および431間の距離と、情報処理装置433および432間の距離とが同一または略同一である場合には、インセンティブが高くなるように、インセンティブのウエイトWが算出される。
このように、情報処理装置433の制御部は、情報処理装置431乃至433のそれぞれの相対的な位置関係に基づいて、インセンティブを決定することができる。また、情報処理装置433の制御部は、ネットワークにおいて、データの受信に関与が可能な情報処理装置(例えば、データ通信を行う装置間の外側の中継局、または、その内側の中継局の数)の数に基づいて、インセンティブを決定することができる。また、情報処理装置433の制御部は、情報処理装置433が特定場所に滞在する時間に基づいて、インセンティブを決定することができる。
[データを中継する情報処理装置の動作例]
図5および図6は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置300によるデータ中継処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
情報処理装置300の制御部(図2に示す制御部150に相当)は、情報処理装置300が移動しているか否かを判断する(ステップS701)。この場合に、情報処理装置300の制御部は、情報処理装置300が絶対的な位置の移動をしているか否かを判断するようにしてもよく、情報処理装置300が相対的な位置の移動をしているか否かを判断するようにしてもよい。なお、絶対的な位置の移動は、例えば、地面に対して情報処理装置300が移動することを意味する。この場合には、例えば、情報処理装置300の制御部は、状態検出部(図2に示す状態検出部181に相当)からの状態情報に基づいて、情報処理装置300は移動しているか否かを判断することができる。また、相対的な位置の移動は、例えば、他の情報処理装置の位置を基準とした場合に、他の情報処理装置の位置との関係で情報処理装置300が移動することを意味する。すなわち、相対的な位置の移動の判断では、例えば、情報処理装置300および他の情報処理装置間の距離が変更した場合に、情報処理装置300が移動したと判断することができる。情報処理装置300が移動している場合には(ステップS701)、中継局となることが好ましくない。このため、データ中継処理の動作を終了する。
情報処理装置300が移動していない場合には(ステップS701)、情報処理装置300の制御部は、滞在要求を受信したか否かを判断する(ステップS702)。そして、滞在要求を受信していない場合には(ステップS702)、ステップS701に戻る。また、滞在要求を受信した場合には(ステップS702)、情報処理装置300の制御部は、情報処理装置300において滞在要求を受け入れる設定がされているか否かを判断する(ステップS703)。この設定は、例えば、ユーザ操作により予め行われているものとする。そして、滞在要求を受け入れる設定がされていない場合には(ステップS703)、ステップS701に戻る。
また、滞在要求を受け入れる設定がされている場合には(ステップS703)、情報処理装置300の制御部は、その滞在要求を送信した情報処理装置に要求するインセンティブを算出する(ステップS704)。
続いて、情報処理装置300の制御部は、滞在要求を受信した旨をユーザに通知する(ステップS705)。続いて、情報処理装置300の制御部は、ユーザによりその滞在要求を承認する操作入力(承認操作)が受け付けられたか否かを判断する(ステップS706)。
承認操作が受け付けられた場合には(ステップS706)、情報処理装置300の制御部は、その滞在要求を承認する旨の通知(滞在承認通知)と、インセンティブ要求とを、その滞在要求を送信した情報処理装置に送信する(ステップS707)。
また、情報処理装置300の制御部は、その滞在承認通知を、データの送信元の情報処理装置に送信する(ステップS708)。
また、滞在要求を承認しない操作入力(未承認操作)が受け付けられた場合には(ステップS706)、情報処理装置300の制御部は、滞在要求を承認しない旨の通知(滞在未承認通知)を、その滞在要求を送信した情報処理装置に送信する(ステップS709)。
また、情報処理装置300の制御部は、その滞在未承認通知を、データの送信元の情報処理装置に送信する(ステップS710)。
また、情報処理装置300の制御部は、データの送信元の情報処理装置からのデータ送信が開始されたか否かを判断する(ステップS711)。そして、そのデータ送信が開始されていない場合には(ステップS711)、監視を継続して行う。一方、そのデータ送信が開始された場合には(ステップS711)、情報処理装置300の制御部は、滞在要求に係るカウントを開始する(ステップS712)。
続いて、情報処理装置300の制御部は、そのカウントが滞在要求に係る滞在時間に達したか否かを判断する(ステップS713)。そして、そのカウントが滞在要求に係る滞在時間に達するまでの間(ステップS713)、監視を継続して行う。この場合に、情報処理装置300の制御部は、情報処理装置300が移動したか否かを判断し、情報処理装置300が大きく移動したような場合には、警告通知を行うようにしてもよい。
そのカウントが滞在要求に係る滞在時間に達した場合には(ステップS713)、情報処理装置300の制御部は、その滞在要求を送信した情報処理装置からインセンティブを受信したか否かを判断する(ステップS714)。そして、その滞在要求を送信した情報処理装置からインセンティブを受信した場合には(ステップS714)、データ中継処理の動作を終了する。
また、その滞在要求を送信した情報処理装置からインセンティブを受信していない場合には(ステップS714)、情報処理装置300の制御部は、その滞在要求を送信した情報処理装置に、インセンティブ要求を再送信する(ステップS715)。
続いて、情報処理装置300の制御部は、その滞在要求を送信した情報処理装置からインセンティブを受信したか否かを判断する(ステップS716)。そして、その滞在要求を送信した情報処理装置からインセンティブを受信した場合には(ステップS716)、データ中継処理の動作を終了する。
また、その滞在要求を送信した情報処理装置からインセンティブを受信していない場合には(ステップS716)、所定回数(例えば、N回)、上述した各処理を繰り返し行う(ステップS714乃至S717)。
[データ送信を要求する情報処理装置の動作例]
図7は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200によるデータ受信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
情報処理装置200の制御部(図2に示す制御部150に相当)は、情報処理装置100からデータを送信してもらうため、データ送信要求(データ送信リクエスト信号)を、情報処理装置300を経由して情報処理装置100に送信する(ステップS721)。
続いて、情報処理装置200の制御部は、送信承認通知を受信したか否かを判断する(ステップS722)。そして、送信承認通知を受信していない場合には(ステップS722)、所定回数(例えば、N回)、上述した各処理を繰り返し行う(ステップS721乃至S723)。
送信承認通知を受信した場合には(ステップS722)、情報処理装置200の制御部は、データ送信要求に係るデータを受信するために必要な時間を算出する。そして、情報処理装置200の制御部は、そのように算出された時間を含めたパケット(リクエスト信号(滞在要求))を情報処理装置300に送信する(ステップS724)。
続いて、情報処理装置200の制御部は、滞在承認通知を受信したか否かを判断する(ステップS725)。そして、滞在承認通知を受信していない場合には(ステップS725)、所定回数(例えば、N回)、上述した各処理を繰り返し行う(ステップS724乃至S726)。
滞在承認通知を受信した場合には(ステップS725)、情報処理装置200の制御部は、情報処理装置100からのデータを受信するための受信処理を行う(ステップS727)。そして、情報処理装置200の制御部は、情報処理装置100からのデータ送信が終了したか否かを判断する(ステップS728)。情報処理装置100からのデータ送信が終了していない場合には(ステップS728)、ステップS727に戻る。
情報処理装置100からのデータ送信が終了した場合には(ステップS728)、情報処理装置200の制御部は、要求されたインセンティブを情報処理装置300に送信する(ステップS729)。
[データを送信する情報処理装置の動作例]
図8は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100によるデータ送信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
情報処理装置100の制御部150は、データ送信要求を受信したか否かを判断する(ステップS731)。そして、データ送信要求を受信していない場合には(ステップS731)、監視を継続して行う。
また、データ送信要求を受信した場合には(ステップS731)、情報処理装置100の制御部150は、そのデータ送信要求に係るデータ送信が可能であるか否かを判断する(ステップS732)。そして、情報処理装置100は、そのデータ送信要求に係るデータ送信が可能である場合には(ステップS732)、データ送信が可能である旨を示すパケット(送信承認通知)を、情報処理装置300を経由して情報処理装置200に送信する(ステップS733)。
また、情報処理装置100の制御部150は、そのデータ送信要求に係るデータ送信が可能である場合には、データトラフィック(data traffic)の生成(送信データの準備)を行う(ステップS734)。
続いて、情報処理装置100の制御部150は、滞在承認通知を受信したか否かを判断する(ステップS735)。滞在承認通知を受信しない場合には(ステップS735)、ステップS731に戻る。
滞在承認通知を受信した場合には(ステップS735)、情報処理装置100の制御部150は、情報処理装置200へのデータ送信を開始する(ステップS736)。そして、情報処理装置100の制御部150は、情報処理装置200へのデータ送信が終了したか否かを判断する(ステップS737)。そして、情報処理装置200へのデータ送信が終了していない場合には(ステップS737)、ステップS736に戻る。また、情報処理装置200へのデータ送信が終了した場合には(ステップS737)、データ送信処理の動作を終了する。
[滞在要求を行う情報処理装置がインセンティブを算出する例]
以上では、中継局(情報処理装置300)がインセンティブを算出する例を示した。ここで、滞在要求を行う情報処理装置(情報処理装置200)がインセンティブを算出するようにしてもよい。そこで、以下では、滞在要求を行う情報処理装置(情報処理装置200)がインセンティブを算出する例を示す。
[通信例]
図9は、本技術の第1の実施の形態における通信システム10を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、図9は、図3の一部を変形したものである。このため、図3と共通する部分については、図3と同一の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
送信承認通知を受信した場合には(408)、情報処理装置200は、インセンティブを算出する(431)。そして、情報処理装置200は、その算出されたインセンティブを滞在要求に含めて情報処理装置300に送信する(432、433)。これにより、情報処理装置300は、情報処理装置200により算出されたインセンティブを用いることができる。
[データを中継する情報処理装置の動作例]
図10は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置300によるデータ中継処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10は、図5の一部を変形したものである。このため、図5と共通する部分については、図5と同一の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
具体的には、情報処理装置200がインセンティブを算出するため、情報処理装置300は、インセンティブを算出しない。このため、図5に示すインセンティブ算出処理(ステップS704)が省略される。
[データ送信を要求する情報処理装置の動作例]
図11は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200によるデータ受信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図11は、図7の一部を変形したものである。このため、図7と共通する部分については、図7と同一の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
送信承認通知を受信した場合には(ステップS722)、情報処理装置200の制御部は、中継局に付与するインセンティブを算出する(ステップS730)。そして、情報処理装置200の制御部は、そのように算出されたインセンティブを含めた滞在要求を情報処理装置300に送信する(ステップS724)。
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、情報処理装置間で通信を行うための中継局にインセンティブを与えてその通信中に特定場所に滞在してもらう例を示した。ここで、例えば、スーパーマーケット等の広い商業施設において、家族で買い物をするような場合に、親は、子供がある特定場所(例えば、商業施設内の遊び場)にいることを希望することが想定される。しかしながら、子供は、親または他の人(商業施設の担当者)が監視をしない限り、親が希望する範囲内に滞在することは少ないと想定される。
そこで、本技術の第2の実施の形態では、情報処理装置を所有するユーザ(例えば、子供)を特定場所(例えば、商業施設内の遊び場)に滞在させることを可能にする例を示す。なお、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置の構成については、図2等に示す情報処理装置100、200、300と略同一である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、本技術の第1の実施の形態と同一の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
[子供の行動例]
図12は、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置500および510からなる通信システム20の一例を示す図である。
例えば、情報処理装置500を母親が所持し、情報処理装置510をその子供が所持しているものとする。また、点線の円21を商業施設内の遊び場とする。
例えば、図12に示すように、情報処理装置500を所持する母親と、情報処理装置510を所持する子供とが、買い物のため、商業施設へ来た場合を想定する。この場合に、母親は、買い物の間、商業施設内の遊び場(点線の円21)で子供に遊んでいてもらいたいと考えたとする。しかしながら、子供は、遊び場(点線の円21)での遊びに飽きた場合には、矢印22に示すように、遊び場(点線の円21)から出てしまうことも想定される。
そこで、本技術の第2の実施の形態では、情報処理装置500を所持する母親が、情報処理装置510を所持する子供に対して、インセンティブ(例えば、ゲームをする権利)を与える。これにより、その親が希望する場所に、その子供がとどまるように誘発することができる。
[通信システムの構成例]
図13は、本技術の第2の実施の形態における通信システム30のシステム構成例を示す図である。
通信システム30は、情報処理装置500乃至504、510乃至516を備える。
上述したように、情報処理装置500は、母親が所持する情報処理装置であり、情報処理装置510は、その母親の子供が所持する情報処理装置である。
また、情報処理装置510の周辺に存在する情報処理装置511乃至516のそれぞれは、他の親(情報処理装置501乃至504を所持)の子供が所持する情報処理装置であるものとする。また、図13では、各情報処理装置により形成されるメッシュBSS(Basic Service Set)を点線の円31により模式的に示す。
[通信例]
図14は、本技術の第2の実施の形態における通信システム10を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、図14では、情報処理装置500、510が、図13に示すトポロジで存在している場合における通信処理例を示す。また、図14では、情報処理装置500および510間で行われるペアリング(Peering)の一例を示す。
最初に、情報処理装置500を所持する母親が、情報処理装置510を所持する子供をとどめておきたい場所に(例えば、遊び場所)に誘導する。そこで、母親が所持する情報処理装置500と、子供が所持する情報処理装置510とについて、子供がとどまってほしい場所の周辺に存在する他の情報処理装置との間でMesh Peer Linkを確立し、Mesh−BSSに参加する。
このように、Mesh−BSSに参加した後に、情報処理装置500は、情報処理装置510に対するインセンティブを制御するための設定を行う。
具体的には、情報処理装置500および情報処理装置510は、互いにビーコンのやりとりを行い、周囲の情報処理装置としてお互いの存在を確認する(601、602)。
例えば、母親は、情報処理装置500においてメッシュID、メッシュConfigurationを指定する。これにより、情報処理装置500は、その情報(メッシュID、メッシュConfiguration)を含むビーコンを送信する(601)。このビーコンを受信した情報処理装置510は、そのビーコンを受信した旨を表示部に表示させる。この場合に、母親は、情報処理装置510においてもメッシュID、メッシュConfigurationを事前に設定しておくものとする。ここで、情報処理装置510において事前に設定されるメッシュIDは、情報処理装置500において指定したメッシュIDと同一のメッシュIDであるものとする。また、情報処理装置510において事前に設定されるメッシュConfigurationは、情報処理装置500において指定したメッシュConfigurationと同一のメッシュConfigurationであるものとする。このように、情報処理装置500および情報処理装置501は、同じ情報(メッシュID、メッシュConfiguration)を含むビーコンを互いに送受信する(601、602)。これにより、情報処理装置500および情報処理装置501は、直接通信することができる範囲に互いの装置が存在することを検知することができる。なお、同一のメッシュID、同一のメッシュConfiguraionを事前に設定していない場合も想定される。この場合には、情報処理装置510側で、母親により、情報処理装置500が指定したメッシュIDおよびメッシュConfigulationを選択することにより、Peer Linkを張る相手装置を指定することができる。
続いて、情報処理装置500および510は、互いに、Mesh Peering openフレーム(603、605)、Mesh Peering confirmフレーム(604、606)を交換する。これにより、Mesh Peer Linkが確立される(607)。なお、Mesh Peering openフレーム、Mesh Peering confirmフレームは、どちらの情報処理装置が先に送信してもよい。また、Mesh Peering open、Mesh Peering confirmは、メッシュプロファイルが一致したメッシュ機器同士が、互いの通信路を確立するために行う設定手順である。
[各フレーム例]
図15乃至図17は、本技術の第2の実施の形態における通信システム30を構成する各情報処理装置間でやり取りされるフレームの構成例を示す図である。
図15には、ビーコンフレームの構成例を示し、図16には、Mesh Peering open frameおよびMesh Peering confirm frameの構成例を示す。
また、図17のaには、管理設定要求フレームの構成例を示し、図17のbには、管理設定確認フレームの構成例を示し、図17のcには、違反通知フレームの構成例を示す。なお、これらの各フレームについては、図27、図28を参照して詳細に説明する。
[表示例]
図18乃至図26は、本技術の第2の実施の形態における通信システム30を構成する各情報処理装置間に表示される表示画面例を示す図である。なお、これらの各表示画面例については、図27、図28を参照して詳細に説明する。
[インセンティブ管理開始までの通信例]
図27は、本技術の第2の実施の形態における通信システム10を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、図27では、情報処理装置500、510が、図27に示すトポロジで存在している場合における通信処理例を示す。また、図27では、情報処理装置500および510間でペアリングを行い、インセンティブ管理を開始するまでの例を示す。
最初に、情報処理装置500および510は、事前にパスワードを共有しておくものとする。そして、情報処理装置500および510は、互いにビーコンのやりとりを行う(611、612)。この場合に、図15に示すビーコンが用いられる。例えば、Incentive Flag521およびApp ID522を含むビーコンが用いられる。
ここで、Incentive Flag521は、このビーコンをやりとりする情報処理装置間でインセンティブ管理を行うことが可能であること、または、インセンティブ管理に対応していることを示すフラグである。また、App ID522は、インセンティブ管理で使用することができるアプリケーションを特定するための識別情報である。なお、複数のアプリケーションに対応している場合には、App ID522には、複数のアプリケーションIDが分類して格納される。
このように、ビーコンのやりとりを行うことにより(611、612)、情報処理装置500および510は、お互いを認識することができる。例えば、情報処理装置500および510は、インセンティブをやり取りする機能を備え、インセンティブのやり取りに対応可能であることを認識することができる。そして、情報処理装置500および510は、ペアとしてリンクを張るべき相手としてリストアップされ、相互認証が始まる(613)。すなわち、情報処理装置同士をセキュアなリンクで確立するときは、パスワードを共有しておき、4−way hand shake(613)で鍵を生成することにより、相互認証を行う。
続いて、情報処理装置500および510は、Mesh Peering openフレーム(614、616)、Mesh Peering confirmフレーム(615、617)を交換する。これにより、Mesh Peer Linkが確立される(618)。すなわち、お互いのパスが確立される。この場合に、図16に示すMesh Peering open frameおよびMesh Peering confirm frameが用いられる。例えば、Security info531を含むフレームが用いられる。
このように、情報処理装置500および510間のパスが確立された後に、インセンティブ管理手続きを行う。
図18および図19には、管理設定要求を送信する前に情報処理装置500の表示部670に表示される表示画面の遷移例を示す。これらの表示画面は、管理内容を設定するための表示画面である。
例えば、図18に示す場所ボタン671が選択(押下)されると、図19に示すように、場所に関するメニュー画面673が表示される。また、例えば、図18に示す時間ボタン672が選択(押下)されると、図19に示すように、時間に関するメニュー画面674が表示される。なお、これらの各表示画面では、説明の容易のため、簡略化した内容のみを示すが、さらに詳細な管理内容に関する情報を表示するようにしてもよい。
例えば、メニュー画面673、674を用いて、母親が希望する管理内容を選択(押下)する。この選択が行われた後の表示画面例を図20に示す。
図20には、管理設定要求を送信している場合に情報処理装置500の表示部670に表示される表示画面の一例を示す。
例えば、メニュー画面673、674を用いて、母親が希望する管理内容の選択が行われ、設定開始ボタン675が押下された場合には、情報処理装置500の制御部は、情報処理装置510に管理設定要求を送信する(619)。この管理設定要求は、情報処理装置500を所持する母親が、情報処理装置510を所持する子に対して、指定した場所に指定時間だけ滞在するように要求するための要求である。また、この管理設定要求では、図17のaに示す管理設定要求フレームが送信される。
ここで、図17のaに示す設定距離541には、情報処理装置500を所持する母親により設定された場所に関する設定内容(例えば、メニュー画面673を用いて設定された内容)が格納される。また、図17のaに示す設定時間542には、情報処理装置500を所持する母親により設定された時間に関する設定内容(例えば、メニュー画面674を用いて設定された内容)が格納される。また、図17のaに示すインセンティブ543には、この管理設定要求により設定するインセンティブを特定するための情報(例えば、許可するアプリケーションID)が格納される。
このように、管理設定要求が送信された場合には(619)、情報処理装置500の制御部は、図20に示す表示画面を表示部670に表示させる。この表示画面では、送信された管理設定要求に対応する設定内容を表示する画面676、677が表示される。
また、情報処理装置500からの管理設定要求を受信した情報処理装置510の制御部は(619)、図21に示す表示画面を表示部680に表示させる。この表示画面では、受信した管理設定要求に対応する設定内容を表示する画面681と、はいボタン682と、いいえボタン683とが表示される。
はいボタン682およびいいえボタン683は、受信した管理設定要求に対応する設定内容をユーザ(子供)に確認させるためのボタンである。すなわち、母親との約束を子供に確認させるためのボタンである。
例えば、はいボタン682が選択(押下)されると、情報処理装置510の制御部は、管理設定確認を情報処理装置500に送信する(620)。この場合には、情報処理装置510の制御部は、自装置に設定する処理が完了した後に、管理設定確認を送信する。この管理設定確認では、図17のbに示す管理設定確認フレームが送信される。
ここで、図17のbに示す設定距離551、設定時間552、インセンティブ553には、実際に情報処理装置510に設定された内容とその結果が格納される。例えば、正しく設定されている場合には、図17のbに示す設定距離551、設定時間552、インセンティブ553には、図17のaに示す同一名称の各情報が格納される。また、図17のbに示す設定結果554には、情報処理装置510が、情報処理装置500からの管理設定要求に対応する設定内容を設定したか否かを示す情報が格納される。例えば、図21に示すはいボタン682が選択(押下)された場合には、設定完了を示す情報が設定結果554に格納され、いいえボタン683が選択(押下)された場合には、設定未完了を示す情報が設定結果554に格納される。
また、情報処理装置510の制御部は、管理設定確認が送信された場合には(620)、図22に示す表示画面を表示部680に表示させる。この表示画面では、確認した設定内容を再度表示する画面684乃至686が表示される。これにより、子供は、管理設定を容易に再確認することができる。
また、情報処理装置510からの管理設定確認を受信した情報処理装置500の制御部は(620)、図23に示す表示画面を表示部670に表示させる。この表示画面では、送信した管理設定要求に対応する設定内容を表示する画面687乃至689が表示される。これにより、母親は、管理設定が正しく完了したことを容易に確認することができる。
また、情報処理装置510からの管理設定確認を受信した場合には(620)、情報処理装置500の制御部は、送信した管理設定要求に対応するインセンティブを情報処理装置510に送信する(621)。このインセンティブとして、例えば、アプリケーションの使用許可キー等を含む情報が送信される。また、インセンティブを情報処理装置510に送信した後に(621)、情報処理装置500の制御部は、監視を開始する(622)。
また、情報処理装置500からのインセンティブを受信した情報処理装置510の制御部は(621)、図24に示す表示画面を表示部680に表示させる。この表示画面では、インセンティブを有効とするための条件(設定内容)を表示する画面690乃至693が表示される。
これにより、情報処理装置510を所持する子供が、母親により指定された設定範囲にとどまっている間、許可されたアプリケーションを使用することができる。
また、例えば、同様の設定をされた情報処理装置を保持する他の子供(遊び場に滞在するように指示された子供)と、その親が所持する情報処理装置とがMesh−BSSで形成されている。このため、子供の遊び場所から母親が離れても、hopにより、情報処理装置500および510間のネットワーク接続が可能となる。また、他の情報処理装置からの無線が届かないような広い場所に母親が移動したような場合には、商業施設内のネットワーク経由で接続することが可能である。すなわち、情報処理装置500を所持する母親は、子供がいる場所から離れ、商業施設内の他の場所への移動が可能となる。
[インセンティブ監視に関する通信例]
図28は、本技術の第2の実施の形態における通信システム10を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、図28では、情報処理装置500、510の双方が移動する場合を想定する通信処理例を示す。
最初に、情報処理装置500は、設定内容を指定し(631)、その設定内容に対応する管理設定要求を情報処理装置510に送信する(632、633)。なお、この各処理は、図27に示す処理(619)に対応する。
続いて、情報処理装置510は、受信した管理設定要求に基づいて、設定処理を行う(634)。この場合に、情報処理装置510は、設定範囲に存在する他の情報処理装置からのフレームの観察を開始する。
続いて、情報処理装置510は、管理設定確認(設定完了通知、設定値報告、受入通知を含む)を情報処理装置500に送信する(635、636)。なお、この各処理は、図27に示す処理(620)に対応する。
続いて、情報処理装置500は、インセンティブを情報処理装置510に送信する(637、638)。なお、この各処理は、図27に示す処理(621)に対応する。
続いて、情報処理装置510は、受信したインセンティブが許可するアプリケーション(例えば、ゲーム)を起動させる(639)。例えば、アプリケーションの使用許可キーを用いて、アプリケーション(例えば、ゲーム)を起動させることができる。
続いて、情報処理装置510は、設定範囲に情報処理装置510が存在するか否かを判断する(640)。なお、設定範囲に存在するか否かを判断する判断方法については、図29を参照して詳細に説明する。ここで、図28では、情報処理装置510が設定範囲外に出た場合を想定して説明する。
例えば、情報処理装置510を所持する子供が移動して、情報処理装置510が設定範囲外に出たことが検出された場合には(641)、情報処理装置510は、受信したインセンティブが許可するアプリケーションを終了させる(642)。すなわち、母親から譲渡されたインセンティブが無効化される。または、その子供が使用中のアプリケーションを停止(または、一時停止)するようにしてもよい。この場合には、違反警告と、違反が解消すればアプリケーションを再開させることができる旨とを表示することができる。
続いて、情報処理装置510は、違反通知を情報処理装置500に送信する(643、644)。この違反通知では、図17のcに示す違反通知フレームが送信される。ここで、図17のcに示す設定距離561および設定時間562は、図17のaに示す同一名称の各情報に対応する。また、図17のcに示すインセンティブDisable info563には、設定されたインセンティブを無効するための情報(例えば、アプリケーションID)が格納される。
違反通信を受信した場合には(644)、情報処理装置500は、情報処理装置510が設定範囲外に出たことをユーザに通知する(645)。この通知例を図25に示す。例えば、情報処理装置500の制御部は、図25に示す表示画面を表示部670に表示させる。この表示画面では、設定内容についての違反があった旨の警告を表示する画面694が表示される。
続いて、情報処理装置500は、設定範囲に戻すための通知を情報処理装置510に送信する(646、647)。この通信を受信した場合には(647)、情報処理装置510は、設定範囲に戻すための警告をユーザに通知する。この警告例を図26に示す。例えば、情報処理装置510の制御部は、図26に示す表示画面を表示部680に表示させる。この表示画面では、設定内容についての違反があった旨の警告を表示する画面695が表示される。
[設定範囲外への移動を検出する検出例]
図29は、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置510により保持される周辺装置リスト650を模式的に示す図である。
周辺装置リスト650には、情報処理装置510の周囲に存在する各情報処理装置に関する測定値が格納される。例えば、端末識別情報651および距離換算値652が格納される。
端末識別情報651は、情報処理装置510の周囲に存在する情報処理装置を識別するための識別情報である。
距離換算値652は、情報処理装置510の周囲に存在する情報処理装置から受信したフレームに基づいて算出される測定値である。
例えば、情報処理装置510の制御部は、周辺に存在する情報処理装置からのフレームを受信する際にRSSIを取得する。そして、情報処理装置510の制御部は、その取得されたRSSIに基づいて、周辺に存在する情報処理装置までの距離を算出することができる。すなわち、その取得されたRSSIを距離に換算することができる。なお、RSSIの代わりに、RTT等を測定し、この値を用いて距離を求めるようにしてもよい。
そして、情報処理装置510の制御部は、求められた距離を、周辺装置リスト650の距離換算値652に格納し、その距離を求めた情報処理装置の識別情報を、周辺装置リスト650の端末識別情報651に格納する。
情報処理装置510の制御部は、そのように生成された周辺装置リスト650を用いて、情報処理装置510が設定範囲内に存在するか、設定範囲外に存在するかを判定することができる。
具体的には、設定範囲の設定値を閾値(例えば、5m)とする。そして、情報処理装置510の制御部は、周辺装置リスト650の距離換算値652と閾値とを比較して、閾値以上の値が、周辺装置リスト650の距離換算値652に存在するか否かを判断する。
例えば、周辺装置リスト650に格納されている全ての情報処理装置の数に対して、所定の割合(例えば、3割)以上の情報処理装置の距離換算値652が、閾値以上である場合に、情報処理装置510が設定範囲外に存在すると判定することができる。なお、この例では、情報処理装置510の周囲の全ての情報処理装置の数に対する割合(例えば、3割)を基準として判定する例を示した。ただし、情報処理装置510の周囲の情報処理装置のうちで、閾値以上となる情報処理装置の数を基準として判定するようにしてもよい。また、これらの判定基準となる設定値(例えば、割合、数)は、ユーザ操作により設定可能とすることができる。
ただし、情報処理装置510の周辺に存在する情報処理装置は、時間経過に応じて、入れ替わりや、移動することも考えられる。このため、周辺装置リスト650は、定期的または不定期に更新することが好ましい。
[管理側の情報処理装置の動作例]
図30は、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置500による管理設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
最初に、情報処理装置500の制御部は、設定内容を指定し(ステップS751)、その設定内容に対応する管理設定要求を情報処理装置510に送信する(ステップS752)。
続いて、情報処理装置500の制御部は、管理設定確認を受信したか否かを判断する(ステップS753)。そして、管理設定確認を受信していない場合には(ステップS753)、ステップS752に戻る。
また、管理設定確認を受信した場合には(ステップS753)、情報処理装置500の制御部は、インセンティブを情報処理装置510に送信する(ステップS754)。
続いて、情報処理装置500の制御部は、違反通知を受信したか否かを判断する(ステップS755)。違反通知を受信していない場合には(ステップS755)、監視を継続して行う。
違反通知を受信した場合には(ステップS755)、情報処理装置500の制御部は、情報処理装置510が設定範囲外に出たことをユーザに通知する(ステップS756)。
続いて、情報処理装置500の制御部は、設定範囲に戻すための通知を情報処理装置510に送信する(ステップS757)。続いて、情報処理装置500の制御部は、設定範囲に戻すための通知に対する返信(設定範囲に戻った旨の返信)が時間内にあったか否かを判断する(ステップS758)。そして、その返信(設定範囲に戻った旨の返信)が時間内にあった場合には(ステップS758)、ステップS752に戻る。一方、その返信(設定範囲に戻った旨の返信)が時間内になかった場合には(ステップS758)、管理設定処理の動作を終了する。
[管理される側の情報処理装置の動作例]
図31は、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置510による管理処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
最初に、情報処理装置510の制御部は、管理設定要求を受信したか否かを判断する(ステップS761)。管理設定要求を受信していない場合には(ステップS761)、監視を継続して行う。
管理設定要求を受信した場合には(ステップS761)、情報処理装置510の制御部は、受信した管理設定要求に基づいて、設定処理を行う(ステップS762)。
続いて、情報処理装置510の制御部は、管理設定確認を情報処理装置500に送信する(ステップS763)。
続いて、情報処理装置510の制御部は、インセンティブを受信したか否かを判断する(ステップS764)。インセンティブを受信していない場合には(ステップS764)、監視を継続して行う。
インセンティブを受信した場合には(ステップS764)、情報処理装置510の制御部は、受信したインセンティブが許可するアプリケーション(例えば、ゲーム)を起動させる(ステップS765)。
続いて、情報処理装置510の制御部は、情報処理装置510が設定範囲外に出たか否かを判断する(ステップS766)。情報処理装置510が設定範囲外に出ていない場合には(ステップS766)、監視を継続して行う。
情報処理装置510が設定範囲外に出た場合には(ステップS766)、情報処理装置510の制御部は、受信したインセンティブを無効化し(ステップS767)、そのインセンティブが許可するアプリケーションを停止させる(ステップS768)。
続いて、情報処理装置510の制御部は、違反通知を情報処理装置500に送信する(ステップS769)。
続いて、情報処理装置510の制御部は、設定範囲に戻すための通知を行う(ステップS770)。この通知は、情報処理装置500からの通知(設定範囲に戻すための通知)を受信したことを条件に行うようにしてもよく、その通知を受信する前に自動で行うようにしてもよい。
続いて、情報処理装置510の制御部は、情報処理装置510が設定範囲内に戻ったか否かを判断する(ステップS771)。情報処理装置510が設定範囲内に戻らない場合には(ステップS771)、情報処理装置510の制御部は、違反通知を情報処理装置500に再送信し、警告通知を継続して行う(ステップS772)。そして、所定時間が経過しても、情報処理装置510が設定範囲内に戻らない場合には、管理処理の動作を終了する。
また、情報処理装置510が設定範囲内に戻った場合には(ステップS771)、情報処理装置510の制御部は、情報処理装置510が設定範囲内に戻った旨を情報処理装置500に送信する(ステップS773)。
このように、本技術の実施の形態では、特定場所に滞在してもらいたい情報処理装置にインセンティブを与えることにより、その特定場所にその情報処理装置を滞在させることができる。この場合に、例えば、一つの情報処理装置が存在している場所と、その周辺に存在する情報処理装置との相対的な位置に応じて、インセンティブを与えることができる。これにより、周辺に存在する情報処理装置に、その場所に滞在するように誘発することができる。すなわち、他のユーザに特定場所に滞在するように誘発することができる。
このように、本技術の実施の形態によれば、情報処理装置を所持するユーザ(例えば、中継局のユーザ、子供)を、希望する場所に、他のユーザが強制することなく、その意思(例えば、中継局のユーザの意思、子供の意思)で滞在させることができる。
なお、本技術の実施の形態では、他の情報処理装置から付与されたインセンティブを各情報処理装置が管理する例を示したが、外部装置(例えば、ネットワークサーバ)が一括して管理するようにしてもよい。例えば、ネットワーク上に存在する情報処理システム(例えば、クラウドコンピューティング)によりインセンティブを管理することができる。
<3.応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、情報処理装置100乃至104、200乃至205、300、500乃至504、510乃至516は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、テレビジョン受像機、プリンタ、デジタルスキャナ若しくはネットワークストレージなどの固定端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、情報処理装置100乃至104、200乃至205、300、500乃至504、510乃至516は、スマートメータ、自動販売機、遠隔監視装置又はPOS(Point Of Sale)端末などの、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、情報処理装置100乃至104、200乃至205、300、500乃至504、510乃至516は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
[3−1.第1の応用例]
図32は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913、アンテナスイッチ914、アンテナ915、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース913は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース913は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース913は、アドホックモード又はWi−Fi Direct等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。なお、Wi−Fi Directでは、アドホックモードとは異なり2つの端末の一方がアクセスポイントとして動作するが、通信はそれら端末間で直接的に行われる。無線通信インタフェース913は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF(Radio Frequency)回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース913は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース913は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ914は、無線通信インタフェース913に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ915の接続先を切り替える。アンテナ915は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース913による無線信号の送信及び受信のために使用される。また、IEEE802.16、3GPP仕様(例えば、W−CDMA、GSM(登録商標)、WiMAX、WiMAX2、LTE、LTE−A)等の公衆回線に接続するための無線通信インターフェースの機能を有し、公衆回線と通信し得る。
なお、図32の例に限定されず、スマートフォン900は、複数のアンテナ(例えば、無線LAN用のアンテナ及び近接無線通信方式用のアンテナ、公衆回線通信用アンテナなど)を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ914は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図32に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図32に示したスマートフォン900において、図2を用いて説明した制御部150は、無線通信インタフェース913において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。
なお、スマートフォン900は、プロセッサ901がアプリケーションレベルでアクセスポイント機能を実行することにより、無線アクセスポイント(ソフトウェアAP)として動作してもよい。また、無線通信インタフェース913が無線アクセスポイント機能を有していてもよい。
[3−2.第2の応用例]
図33は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、アンテナスイッチ934、アンテナ935及びバッテリー938を備える。
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
無線通信インタフェース933は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース933は、アドホックモード又はWi−Fi Direct等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。無線通信インタフェース933は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース933は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ934は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路の間でアンテナ935の接続先を切り替える。アンテナ935は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送信及び受信のために使用される。
なお、図33の例に限定されず、カーナビゲーション装置920は、複数のアンテナを備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ934は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図33に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
図33に示したカーナビゲーション装置920において、図2を用いて説明した制御部150は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disc)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)等を用いることができる。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
複数の情報処理装置が1対1で無線通信を行うことにより前記複数の情報処理装置が相互に接続されるネットワークにおける前記複数の情報処理装置を構成する第1情報処理装置に特定場所に滞在することを要求する滞在要求を送信し、前記第1情報処理装置が前記特定場所に滞在することを条件に前記第1情報処理装置にインセンティブを付与する制御を行う制御部を具備する情報処理装置。
(2)
前記第1情報処理装置は、前記複数の情報処理装置を構成する第2情報処理装置から送信されるデータを当該情報処理装置が受信する場合に前記データを中継する中継装置であり、
前記制御部は、前記データの受信が完了するまでの間、前記第1情報処理装置が前記特定場所に滞在することを条件に前記第1情報処理装置に前記インセンティブを付与する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、当該情報処理装置と前記第1情報処理装置と前記第2処理装置との相対的な位置関係に基づいて、前記インセンティブを決定する前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、前記複数の情報処理装置を構成する各情報処理装置のうちで前記データの受信に関与が可能な情報処理装置の数に基づいて前記インセンティブを決定する前記(2)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、前記第1情報処理装置が前記特定場所に滞在する時間に基づいて、前記インセンティブを決定する前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、前記第1情報処理装置に前記インセンティブを付与することにより前記第1情報処理装置において特定アプリケーションを起動させる前記(1)から(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、前記第1情報処理装置が前記特定場所の範囲外に出たことが検出された場合には、前記インセンティブを無効化する前記(1)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
前記制御部は、前記第1情報処理装置が前記特定場所の範囲外に出たことが検出された場合には、前記第1情報処理装置が前記特定場所に戻るための警告通知を前記第1情報処理装置に送信する前記(1)から(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)
複数の情報処理装置が1対1で無線通信を行うことにより前記複数の情報処理装置が相互に接続されるネットワークにおける前記複数の情報処理装置を構成する第1情報処理装置から特定場所に滞在することを要求する滞在要求を受信した場合に、当該情報処理装置が前記特定場所に滞在することを条件に前記第1情報処理装置から付与されるインセンティブに基づく処理を行う制御を行う制御部を具備する情報処理装置。
(10)
前記制御部は、前記インセンティブに基づいて特定アプリケーションを起動させる前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記制御部は、当該情報処理装置が前記特定場所の範囲外に出たことが検出された場合には、前記特定アプリケーションを停止または終了させる前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記制御部は、当該情報処理装置が前記特定場所の範囲外に出たことが検出された場合には、前記インセンティブを無効化させる前記(9)から(11)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13)
前記制御部は、当該情報処理装置が前記特定場所の範囲外に出たことが検出された場合には、その旨を前記第1情報処理装置に送信する前記(9)から(12)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14)
複数の情報処理装置が1対1で無線通信を行うことにより前記複数の情報処理装置が相互に接続されるネットワークにおける前記複数の情報処理装置を構成する第1情報処理装置に特定場所に滞在することを要求する滞在要求を送信する手順と、
前記第1情報処理装置が前記特定場所に滞在することを条件に前記第1情報処理装置にインセンティブを付与する手順と
を具備する情報処理方法。