JP6507976B2 - イミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩の製造方法 - Google Patents

イミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩の製造方法 Download PDF

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本発明は、イミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩の製造方法に関する。
イミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体は、有機合成化学、医薬品化学等の分野で広範に使用されている化合物である。例えば、特許文献1には、イミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体が抗ウィルス活性を有する化合物の合成中間体として有用であることが開示されている。
非特許文献1には、DNAマイナーグルーブに結合するオリゴペプチド等の製造原料として、1−メチルイミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造方法が開示されている。非特許文献1では、1−メチルイミダゾール−2−カルボン酸エチルは、1−メチルイミダゾール及びトリエチルアミンのアセトニトリル溶液に、クロロギ酸エチルのアセトニトリル溶液を添加して反応させることにより製造されている。
国際公開第2006/089664号
Krowickiら、Journal of Organic Chemistry、1987年、第52巻、p.3493−3501
しかしながら、非特許文献1には、数十gのスケールで反応を行った場合に、冷却効率の低下及びクロロギ酸エチルの添加時間の延長のために、収率の低下が起こると記載されており、非特許文献1に記載の製造方法は、工業的生産に適した製造方法とはいえない。
そこで本発明は、反応のスケール及び試薬の添加時間に関係なく、高い収率で安定したイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩の製造方法を提供し、工業的に有用なイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩を効率的に製造可能とすることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、クロロギ酸エステル誘導体とアセトニトリルの混合液に、イミダゾール誘導体又はその塩とトリエチルアミンとを添加することにより、反応のスケール及び試薬の添加時間に関係なく、安定して高い収率でイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) −45℃〜10℃の条件下で、一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩とトリエチルアミンとを、一般式(II)で示されるクロロギ酸エステル誘導体とアセトニトリルの混合液に添加する添加工程と、
上記イミダゾール誘導体又はその塩と上記クロロギ酸エステル誘導体とを、上記トリエチルアミンの存在下で反応させ、一般式(III)で示されるイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩を得る反応工程と、
を備える、上記一般式(III)で示されるイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩の製造方法。
Figure 0006507976
[式中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基又はベンジル基を表す。]
Figure 0006507976
[式中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基を表す。]
Figure 0006507976
[式中、R及びRは、上記定義と同じである。]
(2) 上記クロロギ酸エステル誘導体の量は、上記イミダゾール誘導体又はその塩に対して1.8〜3モル当量である、上記(1)記載の製造方法。
(3) 上記添加工程では、上記イミダゾール誘導体又はその塩と上記トリエチルアミンとを、−20℃〜10℃の条件下で添加し、上記反応工程では、上記イミダゾール誘導体又はその塩と上記クロロギ酸エステル誘導体とを、0〜30℃の条件下で反応させる、上記(1)又は(2)記載の製造方法。
(4) 上記添加工程で使用する上記イミダゾール誘導体又はその塩の量は、50g以上である、上記(1)〜(3)のいずれか一項記載の製造方法。
(5) Rは、メチル基、エチル基、プロピル基又はベンジル基であり、R2は、メチル基、エチル基又はイソブチル基である、上記(1)〜(4)のいずれか一項記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、一般式(III)で示されるイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩を、反応のスケール及び試薬の添加時間に関係なく、安定して高い収率で製造することができる。また、イミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩は、有機合成化学及び医薬品化学の分野で有用であり、本発明の製造方法は、ラージスケールの合成にも適用可能であるため、工業的生産に利用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書で使用する次の用語は、特に断りがない限り、下記の定義のとおりである。
「−45℃〜10℃の条件下」とは、一般式(II)で示されるクロロギ酸エステル誘導体とアセトニトリルの混合液の温度の下限が−45℃であり、その上限が10℃である温度範囲を意味する。
「−20℃〜10℃の条件下」とは、一般式(II)で示されるクロロギ酸エステル誘導体とアセトニトリルの混合液の温度の下限が−20℃であり、その上限が10℃である温度範囲を意味する。
「0〜30℃の条件下」とは、一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩とトリエチルアミンとを、一般式(II)で示されるクロロギ酸エステル誘導体とアセトニトリルの混合液に全量を添加した後に反応させる温度の下限が0℃であり、その上限が30℃である温度範囲を意味する。
「炭素数1〜5のアルキル基」とは、炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基又はネオペンチル基が挙げられる。
上記製造方法において、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基又はベンジル基であることが好ましい。Rは、メチル基、エチル基又はイソブチル基が好ましい。
上記製造方法に用いられるトリエチルアミンの量は、一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩に対して0.9〜5モル当量が好ましく、1〜2モル当量がより好ましい。
上記製造方法に用いられる一般式(II)で示されるクロロギ酸エステル誘導体の量は、一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩に対して1.8〜3モル当量が好ましく、1.8〜2.2モル当量がより好ましい。
上記製造方法に用いられる反応溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば特に制限はないが、アセトニトリルが好ましい。
上記添加工程において、一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩とトリエチルアミンとを、一般式(II)で示されるクロロギ酸エステル誘導体とアセトニトリルの混合液に添加する温度は、−45℃〜10℃が好ましく、−20℃〜10℃がより好ましい。
上記添加工程において、一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩とトリエチルアミンの添加方法に特に制限はないが、作業効率の観点から、一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩とトリエチルアミンとをあらかじめ混合した混合液を添加する方法が好ましい。所望により反応溶媒を混合してもよい。
上記添加工程において、添加時間に特に制限はないが、添加時間が1時間以上となった場合に従来方法と比較して特に顕著な効果が見られる。
上記反応工程において、反応温度は、0〜30℃が好ましい。
上記反応工程において、反応時間は反応温度等の条件により適宜選択されるが、8〜30時間が好ましい。
上記製造方法において、反応スケールに特に制限はないが、一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩を3g以上用いて実施することが好ましく、50g以上で実施することがさらに好ましい。
一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩及び一般式(II)で示されるクロロギ酸エステル誘導体は一般に購入することができる。また、公知の方法又はそれに準じた方法で製造することもできる。
上記製造方法で得られる一般式(III)で示されるイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩は、公知の分離精製手段、例えば、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、再結晶、再沈殿又は蒸留により単離・精製することができる。
一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩における「その塩」とは、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸若しくはリン酸等の無機酸又はギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸若しくはp−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
一般式(III)で示されるイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩における「その塩」とは、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸若しくはリン酸等の無機酸又はギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸若しくはp−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
上記製造方法は、一般式(III)で示されるイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩の水和物や溶媒和物の製造方法も包含する。
また、上記製造方法は、一般式(III)で示されるイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩を構成する原子の一部又は全部を放射性同位元素で置き換えた化合物の製造方法も包含する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例に記載した反応の分析は高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLC)を用いて行った。予め対象ピークの絶対検量線を作製しておき、HPLC分析により得られたピーク面積、サンプリング重量、溶液全体重量から収率を算出した。HPLC分析は島津製作所製LC−20ADを用いた。HPLC分析に用いた条件を以下に記載する。
検出:UV検出器(254nm)
カラム:YMC製YMC−Pack Pro C18 RS 250×4.6mmI.D.S−5μm
カラム温度:40℃
移動相:A液 20mMリン酸二水素ナトリウム水溶液
B液 アセトニトリル
展開条件:A/B=80/20(0〜5分)
80/20−35/65(15〜20分、リニアグラジエント)
流速:1.0mL/分
注入量:10μL
各物性値の測定には次の機器を用いた。H核磁気共鳴スペクトル(以下、H−NMR)は日本電子製ECS−400を用いて測定した。化学シフトはテトラメチルシランを基準として、δ(単位:ppm)で表し、各シグナルの多重度はそれぞれ、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)で表した。質量分析スペクトル(以下、MS)はAgilent製1200LC/MSDを用いてESI法で測定した。比較例及び実施例中、室温とは25〜30℃を示す。添加時間は試薬の添加開始から全量を添加するまでの時間を示し、反応時間は試薬の添加終了から反応液にエタノール及び水を添加するまでの時間を示す。
(比較例1〜8) 種々の条件で、1−メチル−1H−イミダゾール及びトリエチルアミンのアセトニトリル溶液に、クロロギ酸エチルのアセトニトリル溶液を添加した場合の1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造
Figure 0006507976
1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造を表1に示した条件で行った。
Figure 0006507976
1−メチル−1H−イミダゾールの使用量毎に操作を以下に記載する。
(比較例1〜4)1−メチル−1H−イミダゾール 3.3gスケール
100mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、アセトニトリル22mL、1−メチル−1H−イミダゾール3.3g及び表1に示した量のトリエチルアミンを加えて−20℃に冷却した。この溶液に、表1に示した量のクロロギ酸エチルをアセトニトリル8mLに溶解した溶液を、表1に示した添加時間で加えた。その後、室温で表1に示した反応時間撹拌した。反応液にエタノール20mL及び水10mLを加えて析出物を溶解し、均一となった溶液から1mLを採取した。採取した溶液をアセトニトリルで1000倍に希釈してHPLC分析を行い、収率を算出した。結果を表2に示す。
(比較例5〜7)1−メチル−1H−イミダゾール 50gスケール
1000mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、アセトニトリル200mL、1−メチル−1H−イミダゾール50g及び表1に示した量のトリエチルアミンを加えて−20℃に冷却した。この溶液に、表1に示した量のクロロギ酸エチルをアセトニトリル75mLに溶解した溶液を、表1に示した添加時間で加えた。その後、室温で表1に示した反応時間撹拌した。反応液にエタノール100mL及び水100mLを加えて析出物を溶解し、均一となった溶液から1mLを採取した。採取した溶液をアセトニトリルで1000倍に希釈してHPLC分析を行い、収率を算出した。結果を表2に示す。
(比較例8)1−メチル−1H−イミダゾール 100gスケール
2000mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、アセトニトリル400mL、1−メチル−1H−イミダゾール100g及び表1に示した量のトリエチルアミンを加えて−20℃に冷却した。この溶液に、表1に示した量のクロロギ酸エチルをアセトニトリル150mLに溶解した溶液を、表1に示した添加時間で加えた。その後、室温で表1に示した反応時間撹拌した。反応液にエタノール200mL及び水200mLを加えて析出物を溶解し、均一となった溶液から1mLを採取した。採取した溶液をアセトニトリルで1000倍に希釈してHPLC分析を行い、収率を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0006507976
(比較例9、実施例1〜7) 種々の条件で、クロロギ酸エチルのアセトニトリル溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール及びトリエチルアミンのアセトニトリル溶液を添加した場合の1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造例
1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造を表3に示した条件で行った。
Figure 0006507976
1−メチル−1H−イミダゾールの使用量毎に操作を以下に記載する。
(比較例9、実施例1〜3)1メチル−1H−イミダゾール 3.3gスケール
100mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、アセトニトリル22mL及び表1に示した量のクロロギ酸エチルを加えて−20℃に冷却した。この溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール3.3g及び表3に示した量のトリエチルアミンをアセトニトリル8mLに溶解した溶液を、表3に示した添加時間で加えた。その後、室温で表3に示した反応時間撹拌した。反応液にエタノール20mL及び水10mLを加えて析出物を溶解し、均一となった溶液から1mLを採取した。採取した溶液をアセトニトリルで1000倍に希釈してHPLC分析を行い、収率を算出した。結果を表4に示す。
(実施例4〜6)1−メチル−1H−イミダゾール 50gスケール
1000mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、アセトニトリル200mL及び表3に示した量のクロロギ酸エチルを加えて−20℃に冷却した。この溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール50g及び表3に示した量のトリエチルアミンをアセトニトリル75mLに溶解した溶液を、表3に示した添加時間で加えた。その後、室温で表3に示した反応時間撹拌した。反応液にエタノール100mL及び水100mLを加えて析出物を溶解し、均一となった溶液から1mLを採取した。採取した溶液をアセトニトリルで1000倍に希釈してHPLC分析を行い、収率を算出した。結果を表4に示す。
(実施例7)1−メチル−1H−イミダゾール 100gスケール
2000mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、アセトニトリル400mL及び表3に示した量のクロロギ酸エチルを加えて−20℃に冷却した。この溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール100g及び表3に示した量のトリエチルアミンをアセトニトリル150mLに溶解した溶液を、表3に示した添加時間で加えた。その後、室温で表3に示した反応時間撹拌した。反応液にエタノール200mL及び水200mLを加えて析出物を溶解し、均一となった溶液から1mLを採取した。採取した溶液をアセトニトリルで1000倍に希釈してHPLC分析を行い、収率を算出した。結果を表4に示す。
Figure 0006507976
(実施例8、9、比較例10)クロロギ酸エチル及びトリエチルアミンの当量の効果評価
クロロギ酸エチルのアセトニトリル溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール及びトリエチルアミンのアセトニトリル溶液を添加する方法での1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造において、クロロギ酸エチル及びトリエチルアミンの当量の効果を評価するため、表5に示す条件で反応を行った。100mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、アセトニトリル22mL及び表5に示した量のクロロギ酸エチルを加えて−20℃に冷却した。この溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール3.3g及び表5に示した量のトリエチルアミンをアセトニトリル8mLに溶解した溶液を、表5に示した添加時間で加えた。その後、室温で表5に示した反応時間撹拌した。反応液にエタノール20mL及び水10mLを加えて析出物を溶解し、均一となった溶液から1mLを採取した。採取した溶液をアセトニトリルで1000倍に希釈してHPLC分析を行い、収率を算出した。結果を表5に示す。
Figure 0006507976
(比較例11、12)塩基の種類の効果評価
クロロギ酸エチルのアセトニトリル溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール及びトリエチルアミンのアセトニトリル溶液を添加する方法での1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造において、塩基の種類による効果を評価するため、表6に示す条件で反応を行った。100mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、アセトニトリル22mL及び表6に示した量のクロロギ酸エチルを加えて−20℃に冷却した。この溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール3.3g及び表5に示した塩基をアセトニトリル8mLに溶解した溶液を、表6に示した添加時間で加えた。その後、室温で表6に示した反応時間撹拌した。反応液にエタノール20mL及び水10mLを加えて析出物を溶解し、均一となった溶液から1mLを採取した。採取した溶液をアセトニトリルで1000倍に希釈してHPLC分析を行い、収率を算出した。結果を表6に示す。
Figure 0006507976
(比較例13〜17)溶媒の種類の効果評価
クロロギ酸エチルのアセトニトリル溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール及びトリエチルアミンのアセトニトリル溶液を添加する方法での1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造において、溶媒の効果を評価するため、表7に示す条件で反応を行った。100mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、表7に示した溶媒22mL及び表7に示した量のクロロギ酸エチルを加えて−20℃に冷却した。この溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール3.3g及び表7に示した量のトリエチルアミンを表7に示した溶媒8mLに溶解した溶液を、表7に示した添加時間で加えた。その後、室温で表7に示した反応時間撹拌した。反応液にエタノール20mL及び水10mLを加えて析出物を溶解し、均一となった溶液から1mLを採取した。採取した溶液をアセトニトリルで1000倍に希釈してHPLC分析を行い、収率を算出した。結果を表7に示す。
Figure 0006507976
(実施例10、11、比較例18)添加温度、反応温度の効果評価
クロロギ酸エチルのアセトニトリル溶液に1−メチル−1H−イミダゾール及びトリエチルアミンのアセトニトリル溶液を添加する方法での1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造において、添加温度及び反応温度の効果を評価するため、表8に示す条件で反応を行った。100mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、アセトニトリル22mL及び表8に示した量のクロロギ酸エチルを加えて冷却した。この溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール3.3g及び表8に示した量のトリエチルアミンをアセトニトリル8mLに溶解した溶液を、表8に示した添加温度の範囲で加えた。その後、表8に示した反応温度で表8に示した反応時間撹拌した。反応液にエタノール20mL及び水10mLを加えて析出物を溶解し、均一となった溶液から1mLを採取した。採取した溶液をアセトニトリルで1000倍に希釈してHPLC分析を行い、収率を算出した。結果を表8に示す。
Figure 0006507976
(実施例12)1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸メチルの製造
Figure 0006507976
100mLの三ツ口フラスコ内をアルゴン雰囲気に置換した後、アセトニトリル22mL及びクロロギ酸メチル6.3mLを加えて−20℃に冷却した。この溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール3.3g及びトリエチルアミン6.8mLをアセトニトリル8mLに溶解した溶液を30分で加え、その後、室温で12時間撹拌した。反応液に酢酸エチル50mLを加えた後、不溶物を濾別し、残渣を酢酸エチル50mLで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせて減圧濃縮し、濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸メチル4.2g(収率73%)を得た。
MS m/z [M+H]:141.
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.41(3H,s),4.02(3H,s),7.04(1H,s),7.15(1H,s).
(実施例13)1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸イソブチルの製造
Figure 0006507976
クロロギ酸メチルの代わりにクロロギ酸イソブチル11mLを用いて、実施例12と同様の操作を行い、1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸イソブチル5.7g(収率77%)を得た。
MS m/z [M+H]:183.
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.01(6H,d,J=6.8Hz),2.15(1H、m),4.02(3H,s),4.13(2H,d,J=6.8Hz),7.03(1H,s),7.16(1H,s).
(実施例14)1−エチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造
Figure 0006507976
クロロギ酸メチルの代わりにクロロギ酸エチル8.0mL、1−メチル−1H−イミダゾールの代わりに1−エチル−1H−イミダゾール3.9gを用いて、実施例12と同様の操作を行い、1−エチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチル4.7g(収率69%)を得た。
MS m/z [M+H]:169.
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.44(3H,t,J=7.2Hz),1.45(3H,t,J=7.2Hz),4.41(2H,q,J=7.2Hz),4.46(2H,q,J=7.2Hz),7.10(1H,s),7.15(1H,s).
(実施例15)1−プロピル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造
Figure 0006507976
クロロギ酸メチルの代わりにクロロギ酸エチル8.0mL、1−メチル−1H−イミダゾールの代わりに1−プロピル−1H−イミダゾール4.5gを用いて、実施例12と同様の操作を行い、1−プロピル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチル5.1g(収率69%)を得た。
MS m/z [M+H]:183.
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.94(3H,t,J=7.7Hz),1.43(3H,t,J=7.2Hz),1.84(2H,dq,J=7.2,7.2Hz),4.38(2H,q,J=7.7Hz),4.40(2H,q,J=7.2Hz),7.07(1H,s),7.15(1H,s).
(実施例16)1−ベンジル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造
Figure 0006507976
クロロギ酸メチルの代わりにクロロギ酸エチル8.0mL、1−メチル−1H−イミダゾールの代わりに1−ベンジル−1H−イミダゾール6.4gを用いて、実施例12と同様の操作を行い、1−ベンジル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチル6.5g(収率70%)を得た。
MS m/z [M+H]:231.
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.41(3H,t,J=6.5Hz),4.44(2H,q,J=6.5Hz),5.64(2H,s),7.06(1H,s),7.17−7.37(6H,m).
(実施例17)1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルの製造
Figure 0006507976
クロロギ酸メチルの代わりにクロロギ酸エチル8.0mLを用いて、実施例12と同様の操作を行い、1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチル4.35g(収率70%)を得た。
MS m/z [M+H]:155.
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.41(3H,t,J=7.1Hz),4.00(3H、s),4.39(2H,q,J=7.1Hz),7.02(1H,s),7.13(1H,s).
本発明の製造方法によれば、有機合成化学及び医薬品化学の分野で有用な、一般式(III)で示されるイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩を工業的に製造することができる。

Claims (5)

  1. −45℃〜10℃の条件下で、一般式(I)で示されるイミダゾール誘導体又はその塩とトリエチルアミンとを、一般式(II)で示されるクロロギ酸エステル誘導体とアセトニトリルの混合液に添加する添加工程と、
    前記イミダゾール誘導体又はその塩と前記クロロギ酸エステル誘導体とを、前記トリエチルアミンの存在下で反応させ、一般式(III)で示されるイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩を得る反応工程と、
    を備える、前記一般式(III)で示されるイミダゾール−2−カルボン酸エステル誘導体又はその塩の製造方法。
    Figure 0006507976
    [式中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基又はベンジル基を表す。]
    Figure 0006507976
    [式中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基を表す。]
    Figure 0006507976
    [式中、R及びRは、上記定義と同じである。]
  2. 前記クロロギ酸エステル誘導体の量は、前記イミダゾール誘導体又はその塩に対して1.8〜3モル当量である、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記添加工程では、前記イミダゾール誘導体又はその塩と前記トリエチルアミンとを、−20℃〜10℃の条件下で添加し、前記反応工程では、前記イミダゾール誘導体又はその塩と前記クロロギ酸エステル誘導体とを、0〜30℃の条件下で反応させる、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記添加工程で使用する前記イミダゾール誘導体又はその塩の量は、50g以上である、請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
  5. は、メチル基、エチル基、プロピル基又はベンジル基であり、R2は、メチル基、エチル基又はイソブチル基である、請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法。
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