JP6507829B2 - 継手の遮水方法 - Google Patents

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Description

本発明は、継手を介して遮水壁部材を連結してなる遮水壁における継手の遮水方法に関する。
従来より、地中に構築した廃棄物処分場から漏えいした汚染水や地盤中の汚染土壌から浸出する汚染水が、地下水を介して周辺地盤に拡散することを防止するべく、廃棄物処分場や汚染土壌の近傍に遮水壁を構築している。遮水壁は、遮水パネルや鋼矢板等の遮水壁部材を連結して構築するものであり、隣り合う遮水壁部材は、遮水性能を備えた継手を介して連結されている。
遮水性能を備えた継手は、例えば、特許文献1に開示されているように、遮水パネルの一方の側端部に設置された、スリットを備えた平面視C型の雌継手と、遮水パネルの他方の側端部に設置された、外面に水膨潤ゴムを設置した雄継手とにより構成される。そして、雌継手の底部に蓋を設置するとともにスリットを鉄板で被覆した上で、先行する遮水パネルを地中に打設した後、当該遮水パネルの雌継手に対して、前記鉄板を上方から切断しつつ後行する遮水パネルの雄継手を挿入する。これにより、雌継手の内面と雄継手の外面との間に水膨潤性ゴムが配置され、継手に遮水構造が形成される。
特開2008−14004号公報
しかし、上記の方法では、雌継手に雄継手を挿入する際、雄継手の外面に設置した水膨潤ゴムに損傷やめくれが生じやすく、十分な遮水性能を発揮できない場合が生じる。
また、雌継手のスリットを覆う鉄板を切断しつつ雄継手を挿入すると、鉄板の切断部から雌継手と雄継手の間に土砂が入りこみ、雌継手の内面と水膨潤ゴムとの間に水みちが生じやすい。このため、雌継手と雄継手が嵌合した後であって水膨潤ゴムが膨潤する前に加圧水等にて継手内の土砂を除去するが、除去状態を確認することができない。
このような中、スリットを備えた平面視C型の雌継手内にアスファルトを充填して硬化させておき、当該雌継手に対して、アスファルトを押し潰しつつ後行する雄継手を挿入する方法も知られている。
しかし、例えば地震等により遮水壁に対して面外方向の外力が作用し、雄継手と雌継手の間で回転が生じると、硬化したアスファルトは可撓性に乏しいため、雌継手の内面と水膨潤ゴムとの間に水みちを生じやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、安価でかつ簡略な方法により、高い遮水性能を有する継手を構築することが可能な、継手の遮水方法を提供することである。
かかる目的を達成するため本発明の継手の遮水方法は、軸線方向に延在するスリットを備えた筒状体よりなり、底部に蓋を備えるとともに、前記スリットが被覆材にて被覆された雌継手と、前記スリットに挿入可能な板部、およびその先端に形成された前記雌継手に内方される拡径頭部を備えた雄継手と、からなる継手の遮水方法であって、前記雌継手が遮水壁部材の側端面における一方に、前記雄継手が他方に設置されており、地盤中に前記遮水壁部材を打設した後、打設した該遮水壁部材に察知された前記雌継手に、無機系のゲル状組成物よりなる遮水材を充填し、後行打設する前記遮水壁部材に設置された前記雄継手の、前記板部にて先行打設した前記遮水壁部材に設置された前記雌継手の前記被覆材を切断しつつ、前記拡径頭部を先行打設した前記遮水壁部材に設置された前記雌継手に挿入し、該雌継手に前記拡径頭部が挿入されることで余剰となる前記遮水材にて、先行打設した前記遮水壁部材に設置された前記雌継手の前記スリット及び前記被覆材の切断部と、後行打設した前記遮水壁部材に設置された前記雄継手との隙間密実に充填して閉塞することを特徴とする。
上記の継手の遮水方法によれば、ゲル状組成物よりなる遮水材を雌継手に充填した後、雌継手に雄継手の拡径頭部を挿入するから、雄継手の拡径頭部が挿入されることにより余剰となった遮水材が、雌継手のスリットから被覆材の切断部に押し出され、被覆材の切断部と雄継手との間の隙間の形状に倣って変形追随しながら、これらの隙間を密実に充填して閉塞する。これにより、雄継手と雌継手との間に水みちが形成されることがなく、継手に高い遮水性能をもたらすことが可能となる。
また、雌継手のスリット及び被覆材の切断部と雄継手との間の隙間がゲル状組成物よりなる遮水材にて充填されることから、地震等の外力が作用して、雄継手がスリット及び被覆材における切断部の幅だけ、雌継手に対して回転しても、遮水材が雄部材の挙動に対して変形追随して密実に充填した状態を維持するため、継手の遮水性能が損なわれることがない。
本発明の継手の遮水方法は、あらかじめ余剰となる前記遮水材の体積が前記隙間より大きくなるよう、前記拡径頭部の断面形状を調整することを特徴とする。
本発明の継手の遮水方法は、前記遮水材が、砂、フライアッシュおよびベントナイトをドライミックスし、これに水と水ガラスを加えて攪拌するとともに、ゲル状に改質してなり、最大粒径が2.5mm以下の前記砂を500〜1350kg/m3、前記フライアッシュを100〜200kg/m3、前記ベントナイトを70〜100kg/m3、前記水を430〜700kg/m3、前記水ガラスを0.5〜2.0kg/m3、配合してなることを特徴とする。もしくは、前記遮水材が、砂とベントナイトとをドライミックスし、これに水と水ガラスを加えて攪拌するとともに、ゲル状に改質してなり、 最大粒径が2.5mm以下の前記砂を500〜1350kg/m3、前記ベントナイトを60〜100kg/m3、前記水を430〜700kg/m3、前記水ガラスを0.5〜2.0kg/m3、配合してなることを特徴とする。
上記の継手の遮水方法によれば、遮水材が、外力が作用した際にも高い耐久性を有する含水比を低減したゲル状組成物であるため、被覆材の切断部と雄継手との間の隙間を閉塞する遮水材が、地盤へ流亡することを抑制でき、長期にわたり安定して継手に遮水性能を維持することが可能となる。
本発明によれば、雌継手の内方に無機系のゲル状組成物よりなる遮水材を充填した後、雌継手に対して雄継手を挿入することから、雄継手を挿入することで余剰となった遮水材にて、被覆材の切断部と雄継手との間の隙間を閉塞することができるため、簡略な方法で継手に高い遮水性能をもたらすことが可能となる。
地盤中に構築される遮水壁の概略を示す図である。 遮水壁部材に設置された雌継手と雄継手の詳細を示す図である。 地盤中に構築する遮水壁の構築方法を示す図である(その1) 地盤中に構築する遮水壁の構築方法を示す図である(その2) 地盤中に構築する遮水壁の構築方法を示す図である(その3) 海中に構築する遮水壁の構築方法を示す図である(その1) 海中に構築する遮水壁の構築方法を示す図である(その2) 海中に構築する遮水壁の構築方法を示す図である(その3) 海中に構築される遮水壁の平面を示す図である。
以下に、本発明の継手を介して遮水壁部材を連結してなる遮水壁における継手の遮水方法を、図1〜図9を用いて説明する。
本実施の形態では、図1(a)で示すように、地中に構築した廃棄物処分場20から汚染水が漏えいした場合に、この汚染水が地下水を介して周辺地盤に拡散することを防止するべく、廃棄物処分場20の近傍に遮水壁1を構築する場合を事例とする。
まず、本実施の形態における遮水壁1および遮水壁1に用いられる継手の構造を図1〜図2を参照して説明する。
遮水壁1は、図1(b)の平面図で示すように、複数の遮水壁部材2を連結して構築するものであり、遮水壁部材2の一方の側端面には雌継手3が、他方の側端面には雄継手4がそれぞれ設置されて、継手が形成されている。なお、本実施の形態では、遮水壁部材2に遮水パネルを採用しているが、鋼矢板や鋼管矢板等、遮水壁を構築する際に用いられている部材であれば、いずれを採用してもよい。
図2で示すように、雌継手3は、軸線方向に延在するスリット31を備え、断面をC型に形成された筒状体よりなり、スリット31が被覆材5にて覆われるとともに、底部が蓋材32にて閉塞されている。本実施の形態において、雌継手3の底部は、遮水壁部材2に対して直交する水平面をなしているが、蓋材32にて閉塞したことによる貫入抵抗を減らすべく、例えば、遮水壁部材2に対して傾斜面をなすように形成してもよい。
被覆材5は、遮水壁部材2を地中に打設した際に、スリット31から雌継手3内に土砂が入り込むことを防止するべく設置されるものであり、断面が雌継手3の外周面に沿う弧状に形成されている。本実施の形態では被覆材5に鉄板を採用しているが、地盤に圧入した際の摩擦が小さく、また、スリット31に沿って切断が可能であり、かつ、切断後の断面を雌継手3の外周面に沿う形状のまま維持できる材料であれば、ゴムシートやアスファルトシート等いずれの材料を採用してもよい。
また、雄継手4は、遮水壁部材2と連続するとともに、スリット31に挿入可能な板部を有し、その先端に形成された、雌継手3の内方に収納可能で、かつスリット31から抜け出ることのない拡径頭部を備えている。本実施の形態では、雄継手4の拡径頭部に円筒体を採用しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、雌継手3と嵌合して継手を形成できるものであれば、角筒材やT型鋼等いずれの形状を有する部材を採用してもよい。
このような雌継手3と雄継手4よりなる継手の隙間には、図1(b)で示すように、無機系のゲル状組成物よりなる遮水材6が充填されている。
遮水材6は無機系材料よりなるため、微生物による劣化が生じにくく、雌継手3と雄継手4よりなる継手構造に対して、長期にわたり良好な遮水性を維持することができる。また、遮水材6はゲル状組成物よりなるため、変形追随性に富み、雌継手3と雄継手4により形成された隙間の形状に倣って変形追随し、この隙間を密実に充填して、継手に高い止水性能をもたらすことができるものである。
以下に、上述した性能を有する遮水材6に採用した、遮水壁1を構築する際の継手の遮水方法を、図3〜図5を参照して説明する。
まず、図3に示すように、雌継手3のスリット31が被覆材5にて被覆されるとともに、底部が蓋材32にて閉塞された遮水壁部材2を、透水層10を貫通して下端部が不透水層11に達するまで、地盤中に打設する。
遮水壁部材2の打設方法はいずれでもよく、打設しようとする地盤に応じて、バイブロハンマー等の打設機により打設してもよいし、圧入機にて圧入してもよい。
次に、雌継手3の内方に図示しない注入管を挿入し、注入管を雌継手3の下端部から上方に向けて順次に引きあげながら、図4で示すように、地下水位より上方に達するまで遮水材6を充填する。
本実施の形態では、遮水壁部材2を地盤中に打設した後に遮水材6を充填したが、必ずしも上記の方法に限定するものではない。後行打設する遮水壁部材2の雄継手4を雌継手3に挿入する際に、雌継手3に遮水材6が充填されていればよく、遮水壁部材2を地盤中に打設する前に、あらかじめ充填しておいてもよい。
この場合には、雌継手3の内方に遮水材6を充填し、その上端部を着脱自在な上蓋にて塞いだ上で、遮水壁部材2を地盤中に打設するとよい。こうすると、遮水壁部材2の打設作業中に生じる振動により、雌継手3から遮水材6が漏れ出すことを防止することができる。
次に、遮水材6が充填された雌継手3に対して、後行打設する遮水壁部材2の雄継手4の位置合わせを行ったうえで、後行する遮水壁部材2を地盤中に打設する。
すると、雄継手4の板部にて雌継手3の被覆材5を切断しつつ、雄継手4の拡径頭部を雌継手3に挿入しながら、後行打設する遮水壁部材2が地盤中に貫入され、図5で示すように、所望の深度まで打設される。これにより、雌継手3と雄継手4よりなる継手を介して、先行打設した遮水壁部材2と後行打設した遮水壁部材2が連結される。
このとき、遮水材6が充填された雌継手3に雄継手4を挿入すると、雄継手4の体積分だけ遮水材6が余剰となる。しかし、この余剰な遮水材6が、図1(b)及び図5で示すように、雌継手3のスリット31から被覆材5の切断部51に押し出され、被覆材5の切断部と雄継手4との間の隙間の形状に倣って変形追随し、これらの隙間を密実に充填して閉塞する。
このように、雌継手3と雄継手4との間の隙間、スリット31及び被覆材5の切断部51と雄継手4との間に、遮水材6が密実に充填されることとなるため、雌継手3と雄継手4よりなる継手に対して高い遮水性能が付与されることとなる。
なお、後行する遮水壁部材2を地盤中に打設する際に、被覆材5の切断部51から雌継手3と雄継手4との間に土砂が入り込むことがある。しかし、遮水材6はゲル状組成物であるため、これらの土砂を内包しながら雌継手3と雄継手4との間を変形追随しつつ充填される。これにより、雌継手3と雄継手4との間に土砂を原因とする水みちが形成されることがないため、雌継手3と雄継手4との間に入り込んだ土砂を除去するための清掃作業を省略することが可能となる。
上記の工程を繰り返し、雌継手3、雄継手4および遮水材6を用いて先行打設した遮水壁部材2に後行打設する遮水壁部材2を連結することにより、所望の延長を有する遮水壁1を構築することができる。
こうして構築された遮水壁1は、例えば、地震等により面外方向の外力が作用すると、雄継手4が、スリット31及び被覆材5の切断部51の幅の中で、雌継手4に対して回転する。しかし、雄継手4の回転移動に伴ってスリット31及び被覆材5の切断部51と雄継手4との間の隙間の形状が変化しても、この動きに遮水材6が変形追随して密実に充填した状態を維持するため、遮水性能が損なわれることがなく、継手3と雄継手4よりなる継手を、遮水性能を有する可撓性継手として機能させることが可能となる。
なお、例えば、雄継手4の拡径頭部が挿入されることにより余剰となる遮水材6の体積が、スリット31及び被覆材5の切断部51と雄継手4との間の隙間に形成される体積より十分大きくなるよう、あらかじめ雄継手4の拡径頭部における部材厚や断面形状を調整しておくと、より確実にスリット31及び被覆材5の切断部51と雄継手4との間を閉塞することが可能となる。
ところで、継手の止水方法に用いる遮水材6は、無機系のゲル状組成物であればいずれを採用してもよいが、本実施の形態では、フライアッシュを含有する変形追随性遮水材、及びフライアッシュを含有しない変形追随性遮水材、の2種類を採用している。以下に、本実施の形態で採用する変形追随性遮水材の詳細を説明する。
フライアッシュを含有する変形追随性遮水材は、砂、フライアッシュおよびベントナイトをドライミックスし、これに水と水ガラスを加えて攪拌し、ゲル状に改質したものであって、最大粒径が2.5mm以下の前記砂を500〜1350kg/m3、前記フライアッシュを100〜200kg/m3、前記ベントナイトを70〜100kg/m3、前記水を430〜700kg/m3、前記水ガラスを0.5〜2.0kg/m3、配合してなるものである。
一方、フライアッシュを含有しない変形追随性遮水材は、砂とベントナイトとをドライミックスし、これに水と水ガラスを加えて攪拌し、ゲル状に改質したものであって、最大粒径が2.5mm以下の前記砂を500〜1350kg/m3、前記ベントナイトを60〜100kg/m3、前記水を430〜700kg/m3、前記水ガラスを0.5〜2.0kg/m3、配合してなるものである。
そして、上記の変形追随性遮水材はいずれも、発明者により、管径が1インチから2インチの配管で変形追随性遮水材の圧送を行う条件の下、シリンダーフロー値が15cm以上、変形追随性遮水材の透水係数1×10-6cm/sec以下、配合する砂の最大粒径2.5mm以下、変形追随性遮水材の密度1.5t/m3以上、の各性能を満足する配合であることが確認されている。
つまり、上記2種類の変形追随性遮水材はともに、小口径の注入管にて充填される場合にも、ポンプ圧送性と分離抵抗性に富むとともに、シルト層と同程度の高い遮水性能を有する。
また、湿潤密度が1.7〜1.9t/m3と、一般的な流動化処理土と比較して高い数値を有しており、単位体積あたりの空隙(水分+空気)が少ないことが確認されている。
つまり、上記2種類の変形追随性遮水材はともに、地盤中に打設した際に、深さ方向への圧密沈下が生じにくく、自身が含有している水の抜けが起こりにくい。また、地震等の外力を受けても変形することがない程度の耐久性を有する。
さらに、フライアッシュを含有する変形追随性遮水材は、フライアッシュによるベアリング効果が期待できることから、含水比を低減しつつより高い流動性を有する。
上記の性能を有する2種類の変形追随性遮水材のいずれを遮水材6に採用した場合にも、まず、ポンプ圧送性と分離抵抗性に富むことから、雌継手3に遮水材6を充填する際に目詰まりを生じることがないため、作業効率がよい。
また、高い流動性を有するため、遮水材6が充填された雌継手3に対して雄継手4の拡径頭部を挿入する際に、余剰となった遮水材6が、スムーズにスリット31から被覆材5の切断部に押し出され、スリット31及び被覆材5の切断部51と雄継手4との間の隙間を効率よく充填し、閉塞することが可能となる。
そして、遮水壁1を構築後の遮水材6は、深さ方向への圧密沈下が生じにくいことから、全高に一様な遮水性能を長期にわたって維持することが可能となる。また、外力が作用した際にも高い耐久性を有するため、周辺地盤と接触している、スリット31及び被覆材5の切断部51と雄継手4との間の隙間を閉塞する遮水材6は、常時だけでなく地震等の外力が作用した際にも地盤中に流亡するおそれが低く、長期にわたり安定して遮水性能を維持することが可能となる。
したがって、遮水壁1を構築後の継手に対して、遮水材6を補充もしくは交換する等のメンテナンス作業を省略することが可能となる。
なお、本発明の継手の遮水方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、地盤中に構築する遮水壁1を例に挙げて説明したが、図6〜図9で示すように、海洋12に構築する遮水壁1に適用することも可能である。
この場合にも、図6で示すように、雌継手3のスリット31が被覆材5にて被覆されるとともに、底部が蓋材32にて閉塞された遮水壁部材2を先行して海底地盤13中に打設する。そして、図示しない注入管を介して雌継手3の内方に、図7で示すように、雌継手3の天端まで充填した後、先の要領で後行する遮水壁部材2を打設する。
なお、海洋12に遮水壁1を構築する場合には、後行打設する遮水壁部材2の雄継手4に、図8で示すような止水材7を設置しておく。
止水材7は、雌継手3に雄継手4を挿入する際に、被覆材5の切断部51から遮水材6が海水中に漏れ出ることを防ぐべく用いる部材であり、止水性能を有し、海洋に触れることで変状や流亡を生じることのない材料であれば、いずれを用いてもよい。また、雄継手4に対する止水材7の設置範囲は、天端から、遮水壁部材2を打設した際に海底地盤13に達する範囲に設置しておくとよい。
これにより、海洋12に構築される遮水壁1には、天端から海底地盤13の上部に至る高さ範囲には、図9で示すような、雌継手3と雄継手4の間の隙間に遮水材6と止水部材7が充填された継手が形成され、海底地盤12中には、図1(b)で示すような、雌継手3と雄継手4の間の隙間に遮水材6のみが充填された継手が形成されることとなる。
こうして海洋12に構築された遮水壁1は、例えば、止水材7に弾性変形可能な部材を用いることにより、波によって面外方向の外力が作用すると、雌継手4に対する雄継手3の回転を、天端から海底地盤13の上部に至る高さ範囲では止水部材7にて、また、海底地盤12中では、スリット31及び被覆材5の切断部51と雄継手4との間を閉塞する遮水材6にてそれぞれ許容し、衝撃を吸収することも可能となる。
1 遮水壁
2 遮水壁部材
3 雌継手
31 スリット
32 蓋材
4 雄継手
5 被覆材
51 切断部
6 遮水材
7 止水ゴム

10 透水層
11 不透水層
12 海洋
13 海底地盤

20 廃棄物処分場

Claims (4)

  1. 軸線方向に延在するスリットを備えた筒状体よりなり、底部に蓋を備えるとともに、前記スリットが被覆材にて被覆された雌継手と、
    前記スリットに挿入可能な板部、およびその先端に形成された前記雌継手に内方される拡径頭部を備えた雄継手と、からなる継手の遮水方法であって、
    前記雌継手が遮水壁部材の側端面における一方に、前記雄継手が他方に設置されており、
    地盤中に前記遮水壁部材を打設した後、打設した該遮水壁部材に設置された前記雌継手に、無機系のゲル状組成物よりなる遮水材を充填し、
    後行打設する前記遮水壁部材に設置された前記雄継手の、前記板部にて先行打設した前記遮水壁部材に設置された前記雌継手の前記被覆材を切断しつつ、前記拡径頭部を先行打設した前記遮水壁部材に設置された前記雌継手に挿入し、
    該雌継手に前記拡径頭部が挿入されることで余剰となる前記遮水材にて、先行打設した前記遮水壁部材に設置された前記雌継手の前記スリット及び前記被覆材の切断部と、後行打設した前記遮水壁部材に設置された前記雄継手との隙間密実に充填して閉塞することを特徴とする継手の施工方法。
  2. 請求項1に記載の継手の遮水方法において、
    あらかじめ余剰となる前記遮水材の体積が前記隙間より大きくなるよう、前記拡径頭部の断面形状を調整することを特徴とする継手の施工方法。
  3. 請求項1または2に記載の継手の遮水方法において、
    前記遮水材が、砂、フライアッシュおよびベントナイトをドライミックスし、これに水と水ガラスを加えて攪拌するとともに、ゲル状に改質してなり、
    最大粒径が2.5mm以下の前記砂を500〜1350kg/m 3 、前記フライアッシュを100〜200kg/m 3 、前記ベントナイトを70〜100kg/m 3 、前記水を430〜700kg/m 3 、前記水ガラスを0.5〜2.0kg/m3、配合してなることを特徴とする継手の遮水方法。
  4. 請求項1または2に記載の継手の遮水方法において、
    前記遮水材が、砂とベントナイトとをドライミックスし、これに水と水ガラスを加えて攪拌するとともに、ゲル状に改質してなり、
    最大粒径が2.5mm以下の前記砂を500〜1350kg/m 3 、前記ベントナイトを60〜100kg/m 3 、前記水を430〜700kg/m3、前記水ガラスを0.5〜2.0kg/m 3 、配合してなることを特徴とする継手の遮水方法。
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