JP2005282130A - 地盤掘削方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 過剰な地下水揚水による周辺地盤の沈下や井戸枯れを未然に防止するとともに、土留め壁の根入れ深さも小さくする。
【解決手段】本発明に係る地盤掘削方法においては、まず、掘削予定領域1を取り囲むように空気注入井2を地盤3内に配置するとともに、掘削予定領域1の境界に沿って土留め壁10を建て込む(ステップ101)。次に、空気注入井2を介して地盤3内に空気を注入することで、掘削予定領域1の下方に位置する下方地盤4と該下方地盤の側方に隣接する周辺地盤5との間に挟まれた境界地盤6を飽和地盤から不飽和地盤へと変化させ、境界地盤6の透水性を低下させる(ステップ102)。次に、かかる状態で掘削予定領域1内に設置した揚水井9から地下水を揚水しつつ、また土留め壁10で土圧を支持しながら、掘削予定領域1を掘削する(ステップ103)。
【選択図】 図1
Description
本発明は、主として地下水位が高い地盤を掘削する地盤掘削方法に関する。
土木や建築の基礎工事を行うにあたり、軟弱な粘性土地盤や地下水位が比較的高くて緩い砂質土地盤を掘削する場合においては、土留め壁に加わる側圧及び湧水に対処する他に、掘削底面のヒービングやボイリングあるいは被圧水による盤ぶくれなどについても十分な安全対策が必要となる。
地下水圧の軽減や湧水の防止を行う方法としては、地下水を揚水することで該地下水の水位を低下させる水位低下工法と地下水の流入を物理的あるいは化学的に防止する止水工法とに大別され、水位低下工法にはディープウェル工法、止水工法には地盤固結工法や地下壁工法が知られている。
ここで、ディープウェル工法は、地下水を低下させようとする区域の周囲に一般に径30cm〜50cm程度の揚水井を何本か設置して該揚水井に地下水を集水し、各井戸にそれぞれ設置したポンプで揚水して地下水位を低下させるものであるが、かかる工法においては、上述した事故を未然に防止すべく、必要以上に水位を低下させている場合が多く、その結果、揚水処理に多くのコストが必要になるとともに、周辺地盤の沈下や井戸枯れを引き起こす懸念もあるという問題や、周辺に建物が建て込んでいるために十分な揚水井を設置することがそもそも困難であるという問題を生じていた。
一方、土留め壁の根入れ深さを大きくし非透水層に嵌入するようにすれば、地下水の回り込みを防止することができるが、その場合には、山留め工事の規模が大きくなり、施工期間が長期化するとともに山留め工事のコストが増加するという別の問題が生じる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、過剰な地下水揚水による周辺地盤の沈下や井戸枯れを未然に防止するとともに、土留め壁の根入れ深さも小さくすることが可能な地盤掘削方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る地盤掘削方法は請求項1に記載したように、掘削予定領域を取り囲むように又は該掘削予定領域に沿って空気注入井を地盤内に配置し、該空気注入井を介して前記地盤内に空気を注入することで前記掘削予定領域の下方に位置する下方地盤と該下方地盤の側方に隣接する周辺地盤との間に挟まれた境界地盤の透水性を低下させ、かかる状態で前記掘削予定領域内に設置した揚水井から地下水を揚水しつつ前記掘削予定領域を掘削するものである。
本発明に係る地盤掘削方法においては、まず、掘削予定領域を取り囲むように又は該掘削予定領域に沿って空気注入井を地盤内に配置する。掘削予定領域が例えば平面矩形状をなすものであれば、その矩形状領域の外周又は該掘削予定領域に沿って所定のピッチで空気注入井を地盤内に埋設することになる。なお、土留め壁は、必要に応じて適宜構築しておく。
次に、空気注入井を介して地盤内に空気を注入することにより、掘削予定領域の下方に位置する下方地盤と該下方地盤の側方に隣接する周辺地盤との間に挟まれた境界地盤を飽和地盤から不飽和地盤へと変化させ、該境界地盤の透水性を低下させる。
すなわち、境界地盤の土粒子間隙は、空気注入井の下端近傍に形成された空気吐出口から噴出された空気の泡(気泡)が混入するため、境界地盤は、エアカーテンのごとく、地下水の移動を阻む不透水性領域あるいは難透水性領域となる。
このように、空気注入井を介して注入された空気によって透水性が低下した境界地盤は、止水壁あるいは遮水壁としての役目を果たし、周辺地盤から下方地盤、さらに掘削予定領域の地盤へと地下水が移動するのを未然に防止する。
次に、かかる状態で掘削予定領域内に設置した揚水井から地下水を揚水しつつ掘削予定領域を掘削する。
ここで、上述したように、境界地盤が止水壁あるいは遮水壁としての役目を果たすため、掘削予定領域の地盤への地下水の流入量は大幅に低減し、その結果、掘削予定領域における揚水量もわずかで済む。
以下、本発明に係る地盤掘削方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る地盤掘削方法の手順を示したフローチャート、図2乃至図4は掘削手順を示した作業進行図である。これらの図に示すように、本実施形態に係る地盤掘削方法においては、まず、掘削予定領域1を取り囲むように複数の空気注入井2を地盤3内に埋設配置するとともに、掘削予定領域1の境界に沿って土留め壁10を設置する(ステップ101)。
土留め壁10は、鋼矢板等、公知の技術で構築すればよく、掘削規模が大きい場合には、地中連続壁を用いるのがよい。
掘削予定領域1は、図2(a)でわかるように平面矩形状をなすため、空気注入井2についても、該掘削予定領域の周囲を取り囲むように矩形状に配置する。
空気注入井2は、その下端が非透水層11の近傍に達するようにその長さが深さを決定する。
次に、図3に示すように、空気注入井2を介して地盤3内に空気を注入することで、掘削予定領域1の下方に位置する下方地盤4と該下方地盤の側方に隣接する周辺地盤5との間に挟まれた境界地盤6を飽和地盤から不飽和地盤へと変化させ、境界地盤6の透水性を低下させる(ステップ102)。
すなわち、境界地盤6の土粒子間隙は、空気注入井2の下端近傍に形成された空気吐出口7から噴出された空気の泡8(気泡)で満たされるため、境界地盤6は、エアカーテンのごとく、地下水の移動を阻む不透水性領域あるいは難透水性領域となる。
このように、空気注入井2を介して注入された空気によって透水性が低下した境界地盤6は、止水壁あるいは遮水壁としての役目を果たし、地下水12が周辺地盤5から下方地盤4、さらに掘削予定領域1の地盤へと移動するのを遮断する。
なお、空気注入井2は、境界地盤6が上述したような不飽和地盤へと変化するよう、かつ不飽和地盤へと変化する範囲が非透水層11まで及ぶよう、それらの配置ピッチや深さを適宜選定するとともに、空気注入井2を介して空気を注入ないしは圧入するにあたっても、図示しないエアコンプレッサの仕様を適宜選択することで十分な空気を圧送できるようにする。
次に図4に示すように、かかる状態で掘削予定領域1内に設置した揚水井9から地下水を揚水しつつ、また土留め壁10で土圧を支持しながら、掘削予定領域1を掘削する(ステップ103)。
以上説明したように、本実施形態に係る地盤掘削方法によれば、空気注入井2を介して注入された空気で境界地盤6の透水性を低下させることにより、該境界地盤が止水壁あるいは遮水壁としての役目を果たすため、土留め壁10を非透水層11まで貫入せずとも、周辺地盤5から下方地盤4、さらに掘削予定領域1の地盤へと地下水が移動するのを遮断することが可能となる。
そのため、掘削予定領域1の地盤への地下水の流入量は大幅に低減し、その結果、掘削予定領域1における揚水量もわずかで済む。
また、揚水井9の設置本数も少なくて済むとともに、掘削予定領域1内の揚水井9の本数が減る分だけ、掘削の作業性も格段に向上する。
また、上述したように境界地盤6が止水壁あるいは遮水壁としての役目を果たすため、土留め壁10の根入れ深さを大きくする必要がなくなり、土留め工事を簡略化して費用を削減することが可能となる。
加えて、地盤に注入するのは薬剤ではなく空気であるため、環境汚染の懸念はなく、しかも地盤が有害物質で汚染されている場合には、地盤内を好気性環境に変化させて好気性細菌を活性化させ、該好気性細菌が出す分解酵素で有害物質を地盤内で分解することも可能となる。
本実施形態では、掘削予定領域1を矩形状をなすものとしたが、本発明に係る掘削予定領域がかかる形状に限定されるものではないことは言うまでもない。
また、本実施形態では、土留め壁を用いる例を説明したが、法面を付けながら掘り下げる場合には土留め壁を設けずとも土圧を安定させることが可能であり、この場合には土留め壁に代えて止水壁又は遮水壁を設けるようにすればよい。
また、本実施形態では、掘削予定領域1を取り囲むように複数の空気注入井2を地盤3内に埋設配置するとともに、掘削予定領域1の境界に沿って土留め壁10を設置するようにしたが、本発明に係る複数の空気注入井は、必ずしも掘削予定領域を取り囲むように配置せねばならないものではなく、掘削予定領域に沿って配置すればよい。
例えば、上述した実施形態に代えて、複数の空気注入井2を土留め壁10の掘削側壁面に接触配置するようにしてもかまわない。すなわち、空気注入井2を土留め壁10の非掘削側壁面に接触配置する場合も土留め壁10の掘削側壁面に接触配置する場合も、本発明でいう掘削予定領域に沿った配置に包摂される。
1 掘削予定領域
2 空気注入井
3 地盤
4 下方地盤
5 周辺地盤
6 境界地盤
10 土留め壁
2 空気注入井
3 地盤
4 下方地盤
5 周辺地盤
6 境界地盤
10 土留め壁
Claims (1)
- 掘削予定領域を取り囲むように又は該掘削予定領域に沿って空気注入井を地盤内に配置し、該空気注入井を介して前記地盤内に空気を注入することで前記掘削予定領域の下方に位置する下方地盤と該下方地盤の側方に隣接する周辺地盤との間に挟まれた境界地盤の透水性を低下させ、かかる状態で前記掘削予定領域内に設置した揚水井から地下水を揚水しつつ前記掘削予定領域を掘削することを特徴とする地盤掘削方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004097660A JP2005282130A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 地盤掘削方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004097660A JP2005282130A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 地盤掘削方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005282130A true JP2005282130A (ja) | 2005-10-13 |
Family
ID=35180825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004097660A Withdrawn JP2005282130A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 地盤掘削方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005282130A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2016084586A (ja) * | 2014-10-23 | 2016-05-19 | 前田建設工業株式会社 | ニューマチックケーソン工法におけるケーソン作業室への適正送気圧力の決定方法 |
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2004
- 2004-03-30 JP JP2004097660A patent/JP2005282130A/ja not_active Withdrawn
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