JP3264437B2 - 遮水装置及び透水係数測定方法 - Google Patents

遮水装置及び透水係数測定方法

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JP3264437B2
JP3264437B2 JP22717399A JP22717399A JP3264437B2 JP 3264437 B2 JP3264437 B2 JP 3264437B2 JP 22717399 A JP22717399 A JP 22717399A JP 22717399 A JP22717399 A JP 22717399A JP 3264437 B2 JP3264437 B2 JP 3264437B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤の透水係数の
測定に関し、より詳細には、複数の帯水層からなる地層
の帯水層の影響を遮断して透水係数の測定を行うための
遮水装置及び透水係数測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディープウエル工法を用いて地下構造物
を設置する場合には、通常土留め壁を掘削部周囲に設
け、揚水のため複数の帯水層を貫通したディープウエル
が掘削され、地盤改良のための薬液を注入して地盤改良
が行われる。この時、地中に複数の帯水層が存在する場
合、土留め壁や地盤改良剤による地盤改良の効果を各帯
水層の影響を受けることなく測定する必要が生じる。
【0003】通常、地盤の透水係数を測定するために
は、透水係数を測定する帯水層の深さに対応する井戸を
掘削し、井戸から離れた場所に観測孔を掘削して、井戸
から揚水ポンプにより地下水を汲み揚げ、観測孔中での
地下水位の変化を測定することにより、透水係数の測定
を行う。しかしながら、ディープウエル工法を用いて複
数の帯水層から揚水を行いつつ施工を行い、さらに上述
のような土留め壁を構築し、薬液注入による地盤改質を
行うような場合に、ディープウエルを各帯水層に対応す
る深さに応じて掘削するのでは揚水効率の点で不都合で
あること、作業空間も限られていること、また薬液注入
による地盤改良の影響も施工した領域に限られているた
め充分な数の観測孔を確保できない場合も生じること、
等の不都合がある。このため、すでに施工されているデ
ィープウエルを用いて複数の帯水層から揚水を可能とし
つつ土留め壁や薬液注入による地盤改良効果を確認する
ため、薬液注入が行われた帯水層の透水係数を測定する
ことが望ましい。
【0004】このように、各帯水層の影響を遮断してそ
れぞれの帯水層から層別揚水を行う構成を有する層別揚
水装置及び井戸は、例えば特開平7−62695号公報
に開示されている。特開平7−62695号において開
示されている層別揚水装置は、各帯水層別に開閉自在の
バルブを備えた止水板を設け、この止水板を井戸のケー
シングへと溶接することで、各帯水層毎に地下水の連通
を遮断して層別に揚水を可能とするものである。止水板
に設けられたバルブは、地上からの遠隔操作によって開
閉され揚水を行う部分の帯水層と連通されるようにされ
ている。
【0005】しかしながら、土留め壁や薬液注入による
地盤改良の効果を確認するという目的においては、土留
め壁や地盤改良の効果の確認後、止水板を撤去してディ
ープウエルの揚水能力を向上させる必要がある。このた
め、特開平7−62695号に開示の層別揚水装置で
は、複数の止水板にバルブが設けられているため揚水量
がバルブの流量等により制限されてしまうこと、また止
水板をケーシングへと溶接するための作業が必要とされ
ること、又いくら撤去可能に溶接されているとはいえ溶
接部分を切断しなければ止水板を撤去することができ
ず、止水板撤去のためのケーシング内での作業が必要と
されること等、作業効率及び施工コストの点で不都合が
ある。このため、より容易かつ効率的に帯水層間の地下
水の遮断を行うことが可能で、後の施工のためディープ
ウエルの揚水効率を損なうことなく、さらには施工コス
トを削減することが可能なディープウエル用の遮水装置
及び該遮水装置を用いた透水係数測定方法が必要とされ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
上述したように地盤を掘削して地下構造体を構築する
際、掘削されたディープウエルを有効に利用して土留め
壁や薬液注入による地盤改良効果を確認するべく効率的
に帯水層間の地下水の遮断を行うことが可能で、後の施
工効率を損なうことなく、施工コストを削減することが
可能な遮水装置及び透水係数測定方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の上記
目的は本発明の遮水装置及び透水係数測定方法を提供す
ることにより達成される。
【0008】本発明の請求項1の発明によれば、ディー
プウエル工法におけるディープウエル内の地下水を遮断
する遮水装置であって、該遮水装置は、ケーシングの内
径よりも小径とされ気体供給ホースが挿通される円筒遮
水部材と、上記円筒遮水部材の接続部を介して該気体供
給ホースが連結され該円筒遮水部材の円筒面に隣接して
配設される膨張可能な中空部材と、上記円筒面に保持さ
れ該円筒面との間に上記中空部材を収容する空間を画成
すると共に上記中空部材の膨張により径方向外側へと変
形して上記ディープウエルの内壁に圧接する弾性部材と
を備える遮水装置が提供される。
【0009】本発明の請求項2の発明によれば、上記中
空部材は、上記気体供給ホースを介して気体を充填する
ことにより膨張し、上記弾性部材を上記内壁に押圧させ
て上記ディープウエルの深さ方向に沿った地下水の連通
を遮断することを特徴とする遮水装置が提供される。
【0010】本発明の請求項3の発明によれば、上記弾
性部材は、上記ディープウエルの外部から上記内壁と離
接自在に駆動されることを特徴とする請求項1に記載の
遮水装置が提供される。
【0011】本発明の請求項4の発明によれば、ディー
プウエル工法により施工される複数の帯水層からなる地
盤の最上部帯水層の透水係数をディープウエルを用いて
測定する方法であって、上記最上部帯水層に隣接する不
透水層を貫通して下部帯水層に達する複数のディープウ
エルを掘削し、ケーシングの内壁に対して離接自在に上
記ディープウエル外部から制御され上記帯水層の間の連
通を遮断する遮水装置を上記不透水層の位置において複
数の上記ディープウエル内部に配置し、上記弾性部材を
上記内壁に圧接させて上記最上部帯水層と上記下部帯水
層の間の連通を遮断し、上記ディープウエルの少なくと
も1つから地下水を揚水し、上記遮水装置が配設された
複数の上記ディープウエルの地下水位を測定することで
上記最上部帯水層の透水係数を測定することを特徴とす
る透水係数測定方法が提供される。
【0012】本発明の請求項5の発明によれば、上記遮
水装置は、上記内壁に対して離接可能な弾性部材と該弾
性部材を上記内壁に対して押圧するための中空部材と該
中空部材に隣接する円筒遮水部材とを備えることを特徴
とする透水係数測定方法が提供される。
【0013】本発明の請求項6の発明によれば、上記最
上部帯水層には、土留め壁が構築され、薬液注入による
地盤改良が行われることを特徴とする透水係数測定方法
が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の遮水装置及び
透水係数測定方法を用いる地盤1の縦断面図を示す。地
盤1は、地下駐車場といった地下構造物を構築するため
地表から掘削底2まで掘削されており、この掘削底2を
囲うように、土留め壁3が設けられているのが示されて
いる。この地盤1は、上層側から砂層といった帯水層4
と、粘土層といった不透水層5と、砂礫層といった帯水
層6と、この帯水層6の下層の粘土層といった不透水層
7とからなる。図1では、帯水層4及び帯水層6のそれ
ぞれの地下水位が破線A及び破線Bで示されている。さ
らに、図1では、この地盤1には、地下水汲み揚げのた
めに用いられるディープウエル8が複数設けられている
のが示されている。帯水層4、特に掘削底2の上部には
コンクリート等が打設されて地下構造物の床として用い
られるので、地盤沈下を防止する等の目的のためにセメ
ント、ベントナイト、薬液等が注入されて地盤改良が行
われる。図1に示した土留め壁3は、不透水層7まで根
入れされているのが示されている。しかしながら、この
土留め壁3は、不透水層5や不透水層7の深さに応じて
根入れすることができない場合や、根入れをするまでも
ない場合には、不透水層5や不透水層7へと根入れせず
に構築することも可能である。
【0015】図2には、本発明に用いられるディープウ
エル8が地盤1と共に詳細に示されている。ディープウ
エル8は、天端からケーシング9と、帯水層4の地下水
をディープウエル8内に導入するためのスクリーン10
と、不透水層6に対応した位置に設けられたケーシング
11と、帯水層6から地下水をディープウエル8へと導
入するためのスクリーン12と、井戸の底部にまで延び
たケーシング13とから構成されている。ディープウエ
ル8の底部には、底蓋14が設けられている。スクリー
ン10とスクリーン12とは、それぞれ帯水層4と帯水
層6とから地下水をディープウエル8へと導入して、揚
水効率を高めるようにされている。ディープウエル8の
ケーシングは、不透水層4に対応する以外の部分では、
砕石といったフィルター材15により包囲されており、
帯水層4及び帯水層6からの地下水をスクリーン10,
12を通してディープウエル内へと導入するようにさせ
ている。また、不透水層5に対応する部分には、図2に
示すようにモルタルといった遮水用パッカー材層16が
形成されているのが示されている。
【0016】ディープウエル8の井戸底部付近には、揚
水先端部にストレーナ17が取り付けられた揚水ポンプ
18が配置されていて、ディープウエル8内に溜まった
地下水を、揚水ポンプ17に連結された揚水パイプ19
を通して汲み揚げるようにされている。揚水パイプ19
は、ディープウエル8の天端に設けられた吊り金物20
により保持されており、バルブ21を介して排水部へと
地下水を排水している。
【0017】本発明は、上述のディープウエル8に対し
てディープウエル8のケーシング内壁に離接自在の遮水
装置22を帯水層4と帯水層6との連通を遮断するため
に用いるものである。図3には、本発明の遮水装置22
の一部断面とした側面図を示す。本発明の遮水装置22
は、外径がディープウエル8のケーシング11の内径よ
りも小径とされて、ディープウエル8への挿入が行える
ように構成された円筒遮水部材23と、この円筒遮水部
材23の円筒面24に沿って配置された中空部材25
と、この中空部材25の径方向外側に配置され、ケーシ
ング11の内壁と当接する弾性部材26とから構成され
ている。
【0018】本発明の遮水装置22に用いられる円筒遮
水部材23は、円筒部材23aと、天板23bと、底板
23cとから構成され、円筒部材23aの上部及び下部
にそれぞれ天板23bと底板23cとが溶接されて、そ
の内部に空間27が画成されている。この空間27の内
部には、外部から供給される空気や酸素等の気体を中空
部材25へと供給するための気体供給ホース28が挿通
されており、図3に示されるように、その端部29が接
続部として用いられる開口30に挿通されて中空部材2
5へと連結されている。この中空部材25には、図示し
ない接続部材が設けられていても良い。一方、この気体
供給ホース28の他端は、天板23bに設けられた図示
しない開口から遮水装置22の外部へと引き出され、さ
らにディープウエル8の外部へと導出されていて、遮水
装置22の弾性部材26及び中空部材25をディープウ
エル8の外部から動作可能としている。上述した空間2
7には、遮水装置22の浮力を調節するために水等を充
填することも可能である。
【0019】本発明の遮水装置22に用いられる弾性部
材26は、円筒部材23aの円筒面24に沿って周方向
に延ばされており、円筒部材23aの円筒面24にボル
トや螺子といった締結部材31により周方向に沿って上
端部及び下端部が固定されている。上述した締結部材3
1としては、ボルトや螺子等の他、円筒面24に沿って
延在するリング状の締結部材の他、接着剤等も用いるこ
とが可能である。弾性部材26の径方向内側であって、
円筒遮水部材23の円筒面24との間には、ディープウ
エル8の外部から供給される空気、酸素といった気体に
より膨張可能な弾性材料から形成される中空部材25が
配設されていて、ディープウエル8の外部から膨張収縮
可能とされている。図3では、この弾性部材26が中空
部材25に供給された酸素の圧力によりケーシング11
の内壁に圧接されているのが示されている。図3では、
紙面向かって左側のケーシング11は、省略して示して
いる。
【0020】天板23bには、遮水装置22を吊り下げ
るための複数の保持部材32が中心対称に溶接されてお
り、この保持部材32の他端は、連結部材33に溶接さ
れている。この連結部材33には、図示しないワイヤ等
の吊り下げ部材が連結され、ディープウエル8の天端開
口から遮水装置22を必要な高さにまでクレーンやレッ
カーにより下降できるようにさせている。
【0021】図4は、本発明の遮水装置22がディープ
ウエル8のケーシング11に対応する位置に挿入された
ところを、図3の切断線C−Cに沿って断面とした断面
図である。図4(a)は、中空部材25に気体が充填さ
れたところを示した図であり、図4(b)は、中空部材
25から気体を抜いたところを示した図である。図4
(a)に示された遮水装置22は、ディープウエル8の
ケーシング11内へと挿入された後、中空部材25に酸
素が供給されて膨張していて、弾性部材26をケーシン
グ11に向かって押圧させ、ディープウエル8内のケー
シング11に対応する位置において遮水装置22が地下
水圧や浮力により上下に変位しないように必要な摩擦力
を生じさせている。同時に遮水装置22は、図4(a)
に示した配置とされることにより、弾性部材26とケー
シング11の内壁とを水密に遮断させている。上述した
ようにケーシング11の内壁に当接する弾性部材26
と、中空部材25とを別の構成とすることによって本発
明の遮水装置22に対し、ケーシング11内に安定に保
持させ地下水を遮断する機能を弾性部材26に付与する
と共に、弾性部材26の気密性を考慮することなく必要
な強度を付与することを可能とする。また、ケーシング
11の内壁に当接させるための中空部材25への供給空
気量を低減させることができるため、遮水装置22の迅
速な固定・撤去を可能とすることができる。なお、図4
には、ホース28の径方向への配置が破線により示され
ているが、ホース28の配置は、遮水装置22の吊下を
妨げないようにすることができれば、どのような位置に
設けられていても良い。また、図4には、保持部材32
の配置が破線で示されている。
【0022】上述した弾性部材26の材質としては、本
発明の遮水装置22をケーシング11の内壁に圧接して
本発明の遮水装置22をケーシング11内の所定位置に
保持できるように中空部材25による押圧力により必要
な摩擦力を生じさせることができる部材であれば天然ゴ
ム、加硫した天然ゴム、合成ゴム等のゴムシート、合成
樹脂材料、またこれらの材料を混合して得られる材料を
シート状に形成したシート材料、金属製のシートや板等
を適宜用いることができる。図4に示す本発明の遮水装
置22の実施例では、弾性部材26としてゴムシートを
用いるものとして示されている。また、中空部材25と
しては、空気、酸素等の気体を随時充填・抜き取りで
き、上述した弾性部材26を変形させることが可能なよ
うに充分な圧力を加えられる材質・形状であればどのよ
うなものでも用いることもでき、例えば天然ゴム、加硫
した天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂、これらの混合され
た材料等、適当な弾性を有する材料であればいかなるも
のでも用いることができる。この中空部材25は、上述
したように直接ケーシング11の内壁には当接しないの
で、弾性部材26よりも容易に変形しやすい柔軟な部材
から構成することが可能である。
【0023】また、遮水装置22の径方向内側には、図
3に示したように天板23bと底板22cとが溶接され
ているので、弾性部材26がケーシング11との間を水
密に遮断することにより、本発明の遮水装置22を通し
ての帯水層4及び帯水層6の間の地下水の流れが遮断さ
れ、帯水層6からの地下水の影響を切り離して、ディー
プウエル8を土留め壁3及び地盤改良のための薬液注入
の効果を確認するための観測孔として用いることが可能
となる。この天板23b又は底板22cには、空間27
内に水等を充填できるように図示しない閉塞可能な開口
が設けられていても良い。
【0024】帯水層4の透水係数を測定した後、遮水装
置22は、ディープウエル8をその本来の目的である帯
水層6の地下水を含めた地下水の揚水に用いるためにデ
ィープウエル8から遮水装置22を撤去する必要があ
る。遮水装置22のディープウエル8からの撤去は、ま
ず、図4(b)に示すように中空部材25に充填された
酸素といった気体を地上からの操作で抜き取って中空部
材25を収縮させ、弾性部材26の径をケーシング11
の内径よりも小径として弾性部材26とケーシング11
の間に離間Sを形成する。次いで、遮水装置22を連結
部材33に連結されたワイヤによりクレーンやレッカー
を用いて遮水装置22を引き揚げることにより行われ
る。本発明の遮水装置22は、上述したようにケーシン
グ11内の内壁には溶接されていないので、遮水装置2
2をケーシングの内壁へと溶接するよりも容易、かつ効
率的に遮水装置22の撤去を行うことが可能となる。
【0025】図5には、本発明の透水係数測定方法を適
用する際の遮水装置22の配置が示されている。以下、
図5を用いて本発明の透水係数測定方法について説明す
る。なお、図5では、説明に関連しない部材・要素は、
簡略化のため省略して示している。図5には、地下水を
揚水するための複数のディープウエル8a,8b,8c
が示されており、これらのディープウエル8a,8b,
8cのうち、ディープウエル8b,8cには、本発明の
遮水装置21aが不透水層5に対応する部分に設けられ
たケーシング11b,11c部分に配設されているのが
示されている。図5に示した遮水装置22b,22cそ
れぞれの弾性部材26は、ケーシング11b,11cの
内壁にそれぞれ圧接していて、帯水層4及び帯水層6の
間の地下水の連通を遮断させている。
【0026】観測孔として用いるディープウエル8b,
8cのみに遮水装置22b,22cを配置した後、図5
に示した本発明の透水係数測定方法では、揚水用のディ
ープウエル8aには遮水装置22aを設けずに井戸底付
近にまでポンプを導入して帯水層4及び帯水層6からの
地下水を揚水させる。予め帯水層4及び帯水層6の個々
の透水係数が知られているので、各帯水層について予め
測定された透水係数を用いて土留め壁3及び地盤改良に
よる施工箇所付近における帯水層4の透水係数を、本発
明の遮水装置22を配置したディープウエル8b,8c
の地下水位の変化を観測することにより得ることが可能
となる。
【0027】上述したように、図5に示した本発明の透
水係数測定方法によれば、本来ディープウエル工法にお
ける地下水を揚水する目的のディープウエル8b,8c
を、帯水層4に対する土留め壁3及び地盤改良のための
薬液注入の効果を確認するための観測孔として用いるこ
とが可能となる。したがって本発明の透水係数測定方法
では、ディープウエル8a,8b,8c以外に観測孔を
掘削することなくディープウエル8b,8cの地下水位
の変化を観測することにより、土留め壁3及び地盤改良
の効果による帯水層4の透水係数の測定が行えることに
なる。図5には、本発明の透水係数測定方法による透水
係数の測定に用いられる地下水位を破線Dで示してあ
る。帯水層4における土留め壁3や地盤改良の効果が確
認された後には、上述したように地上から中空部材26
に充填された酸素といった気体を抜き取ることにより遮
水装置22b,22cをディープウエル8b,8cから
撤去する。このようにしてディープウエル8a,8b,
8cを本来の目的のための地下水揚水用井戸として再度
用いることが可能となる。
【0028】図5では、本発明の遮水装置22を観測孔
として用いるディープウエル8の数だけ用いるものとし
て説明しているが、本発明の透水係数測定方法では、観
測孔として用いるディープウエル8b,8cのみではな
く、すべてのディープウエル8a,8b,8cに図示し
ない遮水装置22aと、遮水装置22b,22cとを配
置して、揚水用のディープウエル8aから地下水を揚水
させつつ、ディープウエル8b,8cの地下水位の変化
を観測することにより土留め壁3や地盤改良の効果によ
り変化した透水係数を得ることも可能である。また、図
5では、ディープウエル3が3つ示してあるが、本発明
の透水係数測定方法では、ディープウエル8の本数は施
工に必要なだけ用いることができ、必要に応じて本発明
の遮水装置22を挿入することが可能である。
【0029】
【発明の効果】本発明の請求項1の発明では、弾性部材
が中空部材により押圧されてディープウエル内壁に当接
して堅固に遮水装置を固定するので、地盤を掘削して地
下構造体を構築する際、新たに観測孔を掘削することな
くすでに掘削されたディープウエルを有効に利用して土
留め壁や薬液注入による地盤改良効果を確認するため効
率的に帯水層間の地下水の遮断を行うことが可能な遮水
装置が提供される。
【0030】本発明の請求項2の発明では、中空部材が
空気の充填抜き取りにより膨張収縮することで弾性部材
がディープウエル内壁に離接されるので、透水係数の測
定後に遮水装置を容易に取り外しを行うことができ、施
工効率を損なうことなく、施工コストを削減することが
可能な遮水装置及び透水係数測定方法を提供することが
可能となる。
【0031】本発明の請求項3の発明では、遮水装置が
ディープウエルの外部からの操作により上記内壁と離接
自在とされているので、堅固に遮水装置を固定すること
が容易となると共に、透水係数の測定後に遮水装置を容
易に撤去することができるので、ディープウエル工法の
施工効率を損なうことなく、施工コストを削減すること
が可能な遮水装置を提供することが可能となる。
【0032】本発明の請求項4の発明では、地盤を掘削
して地下構造体を構築する際、掘削されたディープウエ
ルを有効に利用して効率的に帯水層間の地下水の遮断を
行なうと共に、施工効率を損なうことなく、施工コスト
を削減することが可能な透水係数測定方法を提供するこ
とができる。
【0033】本発明の請求項5の発明では、地盤を掘削
して地下構造体を構築する際、掘削されたディープウエ
ルを有効に利用して効率的に帯水層間の地下水の遮断を
行なうと共に、施工効率を損なうことなく、遮水装置が
容易に撤去可能であり、施工コストを削減することが可
能な透水係数測定方法を提供することができる。
【0034】本発明の請求項6の発明では、土留め壁や
薬液注入による地盤改良効果により変化した透水係数
を、帯水層間の影響を最小限としながら測定することを
可能とする透視係数測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が用いられる地盤を示した図。
【図2】本発明のディープウエルの詳細図。
【図3】本発明の遮水装置の一部断面とした側面図。
【図4】本発明の遮水装置の図3の切断線C−Cに沿っ
た断面図。
【図5】本発明の透水係数測定方法を示した概略図。
【符号の説明】
1…地盤 2…掘削底 3…土留め壁 4…帯水層 5…不透水層 6…帯水層 7…不透水層 8,8a,8b,8c…ディープウエル 9…ケーシング 10…スクリーン 11…ケーシング 12…スクリーン 13…ケーシング 14…底蓋 15…フィルター材 16…遮水用パッカー材 17…ストレーナ 18,18a…揚水ポンプ 19…揚水パイプ 20…吊り金物 21…バルブ 22…遮水装置 23…円筒遮水部材 23a…円筒部材 23b…天板 23c…底板 24…円筒面 25…中空部材 26…弾性部材 27…空間 28…気体供給ホース 29…気体供給ホース端部 30…開口 31…ボルト 32…保持部材 33…連結部材 S…離間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 1/02 E02D 3/10 102 E21B 33/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディープウエル工法におけるディープウ
    エル内の地下水を遮断する遮水装置であって、該遮水装
    置は、 ケーシングの内径よりも小径とされ気体供給ホースが挿
    通される円筒遮水部材と、 前記円筒遮水部材の接続部を介して該気体供給ホースが
    連結され該円筒遮水部材の円筒面に隣接して配設される
    膨張可能な中空部材と、 前記円筒面に保持され該円筒面との間に前記中空部材を
    収容する空間を画成すると共に前記中空部材の膨張によ
    り径方向外側へと変形して前記ディープウエルの内壁に
    圧接する弾性部材とを備える遮水装置。
  2. 【請求項2】 前記中空部材は、前記気体供給ホースを
    介して気体を充填することにより膨張し、前記弾性部材
    を前記内壁に押圧させて前記ディープウエルの深さ方向
    に沿った地下水の連通を遮断することを特徴とする請求
    項1に記載の遮水装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材は、前記ディープウエルの
    外部から前記内壁と離接自在に駆動されることを特徴と
    する請求項1に記載の遮水装置。
  4. 【請求項4】 ディープウエル工法により施工される複
    数の帯水層からなる地盤の最上部帯水層の透水係数をデ
    ィープウエルを用いて測定する方法であって、 前記最上部帯水層に隣接する不透水層を貫通して下部帯
    水層に達する複数のディープウエルを掘削し、 ケーシングの内壁に対して離接自在に前記ディープウエ
    ル外部から制御され前記帯水層の間の連通を遮断する遮
    水装置を前記不透水層の位置において複数の前記ディー
    プウエル内部に配置し、 前記弾性部材を前記内壁に圧接させて前記最上部帯水層
    と前記下部帯水層の間の連通を遮断し、 前記ディープウエルの少なくとも1つから地下水を揚水
    し、 前記遮水装置が配設された複数の前記ディープウエルの
    地下水位を測定することで前記最上部帯水層の透水係数
    を測定することを特徴とする透水係数測定方法。
  5. 【請求項5】 前記遮水装置は、前記内壁に対して離接
    可能な弾性部材と該弾性部材を前記内壁に対して押圧す
    るための中空部材と該中空部材に隣接する円筒遮水部材
    とを備えることを特徴とする請求項4に記載の透水係数
    測定方法。
  6. 【請求項6】 前記最上部帯水層には、土留め壁が構築
    され、薬液注入による地盤改良が行われることを特徴と
    する請求項4又は5に記載の透水係数測定方法。
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