JP6506701B2 - 穀粉組成物 - Google Patents

穀粉組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6506701B2
JP6506701B2 JP2015557757A JP2015557757A JP6506701B2 JP 6506701 B2 JP6506701 B2 JP 6506701B2 JP 2015557757 A JP2015557757 A JP 2015557757A JP 2015557757 A JP2015557757 A JP 2015557757A JP 6506701 B2 JP6506701 B2 JP 6506701B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flour
mixture
flour composition
emulsifier
heat treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015557757A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015107858A1 (ja
Inventor
亮佑 藤村
亮佑 藤村
榊原 通宏
通宏 榊原
辰徳 西出
辰徳 西出
義人 植木
義人 植木
聡美 野崎
聡美 野崎
美和 高橋
美和 高橋
福留 真一
真一 福留
貴 堀水
貴 堀水
徹弥 光岡
徹弥 光岡
典子 坂本
典子 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Foods Inc
Original Assignee
Nisshin Foods Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Foods Inc filed Critical Nisshin Foods Inc
Publication of JPWO2015107858A1 publication Critical patent/JPWO2015107858A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6506701B2 publication Critical patent/JP6506701B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D6/00Other treatment of flour or dough before baking, e.g. cooling, irradiating, heating
    • A21D6/003Heat treatment
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D2/00Treatment of flour or dough by adding materials thereto before or during baking
    • A21D2/08Treatment of flour or dough by adding materials thereto before or during baking by adding organic substances
    • A21D2/14Organic oxygen compounds
    • A21D2/16Fatty acid esters
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D2/00Treatment of flour or dough by adding materials thereto before or during baking
    • A21D2/08Treatment of flour or dough by adding materials thereto before or during baking by adding organic substances
    • A21D2/30Organic phosphorus compounds
    • A21D2/32Phosphatides

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)

Description

本発明は、小麦粉等の穀粉を主体とし、該穀粉を加熱処理する工程を経て得られる熱処理穀粉組成物に関する。
天ぷら等の揚げ物食品、お好み焼き、ホットケーキ等のスポンジ状菓子等の小麦粉含有食品には、加熱調理後の経時的な食感低下や電子レンジ等で再加熱した際の食感低下がなく、加熱調理直後と同等の歯切れや口溶けの良い軽い食感を保持していることが要望される。斯かる要望特性を満たした小麦粉含有食品を得るための技術として、特許文献1には、小麦粉を主体として含有する穀粉原料から得られる流動生地のpHを二度に亘って特定範囲に調整することが記載されている。
また従来、穀粉中の酵素の失活、殺菌や、品質改良等を目的として、穀粉を加熱処理することが知られている。例えば特許文献2には、蒸し饅頭、蒸しパン類等の蒸し物類に適した蒸し物類用小麦組成物として、小麦粉及び小麦粉100質量部に対して0.1〜2.0質量部の乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル等)を混合後、その混合物を品温80〜150℃、加熱時間5〜120分間の条件で間接加熱処理してなるものが記載されている。この間接加熱処理は、熱源として加熱水蒸気を用い、加熱水蒸気を小麦粉と乳化剤との混合物に直接当てるのではなく、該混合物が収容された容器に当てて、その容器内の該混合物を間接的に加熱する処理であり、該混合物は、湿熱処理ではなく、乾熱処理される。特許文献2記載の小麦組成物によれば、外観がふっくらとして弾力のある触感があり、食感はしっとりとして口溶けのよい蒸し物類が得られ、また、この蒸し物類は、保存・流通後、再度蒸したり、電子レンジ加熱を行っても、ふっくらとした外観を有し、食感も口溶けが良く硬くならない状態を維持することができるとされている。
また特許文献3にも、特許文献2と同様に、小麦粉と乳化剤との混合物を間接加熱処理することが記載されており、それによって、生地を直接電子レンジ調理することが可能なお好み焼きミックスが得られるとされている。
また特許文献4には、水分の多い食品素材、あるいは加熱調理に際しエキス分が流出しボソついた食感になり易い食品に添加され、食感等の品質を向上させるための加工食品の品質改良剤として、水分含有量10〜40重量%の穀粉を、乳化剤の存在下に、品温55℃以上の温度で加熱混練して、でんぷん質をα化してなるものが記載されており、この穀粉の加熱混練を、1軸又は2軸のスクリュー式押出成形機(エクストルーダー)を用いて実施することも記載されている。特許文献4によれば、特許文献4記載の加工食品の品質改良剤は、膨潤度が5.9〜8の範囲にあることから、α化小麦粉と実質的に同等品である考えられる。
特開2010−187602号公報 特開2007−117002号公報 特開2013−21972号公報 特開昭61−47162号公報
本発明は、穀粉と該穀粉100質量部に対して0.2〜10質量部の乳化剤との混合物を加熱処理してなる穀粉組成物である。
また本発明は、前記穀粉組成物を含有した穀粉ミックス、又は、前記穀粉組成物(前記穀粉ミックス)を用いて製造された穀粉含有食品である。
また本発明は、前記穀粉組成物の製造方法であって、穀粉と乳化剤との混合物に飽和水蒸気を直接当てて該混合物を加熱する加熱工程を有し、前記加熱工程は、導入された原料を排出口まで移送する移送路と、該移送路内に飽和水蒸気を導入する機構とを備えた製造装置を用いて実施され、前記加熱工程において、前記移送路内の前記混合物に対し、押出具を用いての前記排出口側への押し出しを行わない穀粉組成物の製造方法である。
本発明は、製造直後の良好な食感が経時的に劣化し難く、電子レンジ等で再加熱しても良好な食感を保持し得る穀粉含有食品の提供が可能な穀粉組成物に関する。
本発明の穀粉組成物は、少なくとも穀粉及び乳化剤を含む。
本発明の穀粉組成物に含まれる穀粉としては、各種食品に通常用いられるものを特に制限無く用いることができ、例えば、薄力粉、中力粉、強力粉等の小麦粉の他、そば粉、コーンフラワー、大麦粉、ライ麦粉、はとむぎ粉、ひえ粉、あわ粉等の穀粉類;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉等の澱粉及びこれらのα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理、酸化処理等の処理を施した加工澱粉等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの穀粉の中でも特に、小麦粉が好ましい。
本発明の穀粉組成物に含まれる乳化剤としては、各種食品に通常用いられるものを特に制限無く用いることができ、例えば、モノグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの乳化剤の中でも特に、モノグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンが好ましく、とりわけ、モノグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
本発明の穀粉組成物における穀粉と乳化剤との配合割合は、穀粉100質量部に対して乳化剤が0.2〜10質量部であり、好ましくは0.2〜5質量部、更に好ましくは0.2〜1.5質量部である。小麦粉100質量部に対して乳化剤が0.2質量部未満であると、穀粉組成物を用いて製造された穀粉含有食品の食感(特に歯切れの良さ)が低下するおそれがあり、また、穀粉組成物の水への分散性が低下することに起因して、これを用いたバッター液の調製等の作業性が低下し、揚げ物等の穀粉含有食品の製造作業の負担が増大するおそれもある。また逆に、小麦粉100質量部に対して乳化剤が10質量部を超えると、穀粉組成物を用いて製造された穀粉含有食品の食感(特に風味)が低下するおそれがある。
本発明の穀粉組成物は、穀粉と乳化剤とが前記配合割合で配合された混合物を加熱処理することにより得られる。この加熱処理は、混合物の温度(品温)が80〜120℃となる条件で2秒〜3分間加熱する処理が好ましい。加熱処理における混合物の品温が80℃未満であると、穀粉組成物を用いて製造された穀粉含有食品の食感(特に歯切れのよさ)が低下するおそれがあり、該品温が120℃を超えると、製造工程が煩雑になると共に、穀粉組成物の粒子の造粒が過剰に起こるおそれがある。穀粉組成物粒子の造粒が過剰に起こると、穀粉組成物の平均粒子径が増大する結果、穀粉組成物を含む食材を油ちょうして得られる穀粉含有食品(例えば天ぷら)における衣の吸油が増え、食感が硬くなる。また、加熱時間が2秒未満又は3分間を超えると、穀粉組成物を用いて製造された穀粉含有食品の食感(特に風味・色)が低下するおそれがある。穀粉と乳化剤との混合物の加熱処理において、該混合物の品温は好ましくは90〜120℃である。また、該混合物の加熱時間(該品温の維持時間)は好ましくは2秒〜15秒間である。
尚、穀粉と乳化剤との混合物を加熱処理するに際し、出発物質の穀粉としては、水分含有量が10質量%未満の乾燥穀粉を用いても良い。このような乾燥穀粉を用いて加熱処理を行うことで、穀粉に対する熱処理の度合いを和らげることが可能となり、そうして得られた穀粉組成物は、特にパン・ベーカリー類の原料として好適である。
このように、本発明の穀粉組成物を得るための加熱処理は、加熱温度(品温)が比較的低温で且つ処理時間が比較的短時間である温和な処理で良いため、該加熱処理の熱媒体としては、水及び/又は水蒸気を好適に用いることができる。即ち、本発明の穀粉組成物を得るための加熱処理は、水及び/又は水蒸気を用いた湿熱処理が好ましい。水蒸気としては、飽和水蒸気が好ましく用いられる。この湿熱処理では、穀粉と乳化剤との混合物に加水し、あるいは該混合物に水蒸気(飽和水蒸気)を直接当てて該混合物を加熱する。前述したように、特許文献2及び3には、穀粉と乳化剤との混合物に対し乾熱処理を施すことが記載されているが、本発明では、乾熱処理ではなく、湿熱処理が推奨される。尚、湿熱処理は、原料中の水分を維持しながら、又は水分を加えながら行う加熱処理である。一方、乾熱処理は、容器中に原料を入れ、水分を加えずに、該容器の外から加熱する熱処理であり、原料中の水分の蒸発を積極的に行う熱処理である。
本発明の穀粉組成物を得るための湿熱処理の一例として、穀粉と乳化剤との混合物に加水したものをアルミパウチ等の密閉容器に封入密閉し、加圧下で加熱処理する方法が挙げられる。また、本発明の穀粉組成物を得るための湿熱処理の他の一例として、穀粉と乳化剤との混合物に加水したものを密閉容器内に導入した後、必要に応じて該混合物を攪拌しつつ、該容器内に飽和水蒸気を導入して加圧下で加熱処理する方法が挙げられる。後者の方法は、例えば、攪拌移送機構を備え且つジャケット等の加温手段で加温された連続粉体移送装置(密封系高速撹拌機)を用い、飽和水蒸気雰囲気下で前記混合物を加熱処理(湿熱処理)することによって実施し得る。尚、ここでいう「加圧下」は、主として容器内に充満する蒸気によって加圧状態となった場合を意味し、押出具(エクストルーダーが備えるスクリューに相当する部材)のような物体を前記混合物に接触させることによって該混合物を加圧状態とした場合は含まない。
本発明の穀粉組成物を得るための湿熱処理において、穀粉と乳化剤との混合物に加水する場合の加水量は、該混合物に対して、好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%である。また、湿熱処理が行われる系(密閉容器)内のゲージ圧(大気圧を圧力ゼロの基準として測った圧力)は、好ましくは0〜200kPa、更に好ましくは30〜100kPaである。
尚、本発明の穀粉組成物を得るための加熱処理(湿熱処理)において、前記混合物の温度(品温)は、「加熱中の穀粉又は乳化剤の品温」としても良く、「加熱処理が行われた系(密閉容器等)から前記混合物が排出される際の該混合物を構成する穀粉又は乳化剤の品温」(出口温度)としても良い。また、前記混合物の加熱時間(前記混合物の品温の維持時間)は、「前記混合物が飽和水蒸気と接触する時間」としても良く、「前記混合物が加熱処理の行われる系(密閉容器等)内に滞留する時間」としても良い。
本発明の穀粉組成物の製造方法の好ましい一例として、次の製造方法が挙げられる。
穀粉と乳化剤との混合物に飽和水蒸気を直接当てて該混合物を加熱する加熱工程を有し、前記加熱工程は、導入された原料を排出口まで移送する移送路と、該移送路内に飽和水蒸気を導入する機構とを備えた製造装置(以下、特定製造装置ともいう)を用いて実施され、前記加熱工程において、前記移送路内の前記混合物に対し、押出具を用いての前記排出口側への押し出しを行わない穀粉組成物の製造方法。
前記の好ましい製造方法の具体例として、小麦粉と乳化剤とを前記配合割合で混合し、この混合物をジャケット等の加温手段で加温された密閉容器に入れ、攪拌しながら該密閉容器内に加熱水蒸気を吹き込み、該混合物を加熱する方法が挙げられる。また、前記の好ましい製造方法の他の具体例として、前記特定製造装置として、攪拌移送機構を備え且つジャケット等の加温手段で加温された連続粉体移送装置(密封系高速撹拌機)を用い、且つ該連続粉体移送装置に、小麦粉と乳化剤とを前記配合割合で連続的に導入して攪拌移送しながら、該装置内に高圧で飽和水蒸気を導入し、所望の加熱温度及び加熱時間となるように、これらの混合物を加熱攪拌する加熱処理方法が挙げられる。この連続粉体移送装置(特定製造装置)においては、前記移送路内に、原料の移送方向に延びる撹拌軸と該撹拌軸の周囲に螺旋状に植設された撹拌羽根とを含んで構成される攪拌機が設けられ、該攪拌機によって該移送路内の原料(前記混合物)を撹拌可能になされているが、該撹拌機は、あくまで該移送路内の原料を撹拌するための部材であって、原料を前記排出口へ押し出すための押出具ではなく、該熱処理装置は、そのような押出具(エクストルーダーが備えるスクリューに相当する部材)は備えていない。即ち、本発明の穀粉組成物の製造方法の好ましい一例においては、特許文献4に記載の如き、1軸又は2軸のスクリュー式押出成形機(エクストルーダー)は使用しない。
穀粉と乳化剤との混合物を前記のように加熱処理(湿熱処理)することで、造粒物を得ることができる。この造粒物は、製造目的物である穀粉組成物である。こうして得られた造粒物は、乾燥させて用いるのが好ましい。乾燥の方法としては、棚乾燥、熱風乾燥、流動層乾燥等の方法が挙げられ、前記混合物の加熱処理の方法に応じて適宜選択すれば良い。乾燥後は、必要に応じ、宜公知の方法にて造粒物の粒径を調整する。
本発明の穀粉組成物(前記連続粉体移送装置を用いた加熱処理方法の実施によって製造された穀粉組成物)は、膨潤度が、好ましくは1.5〜4.0、更に好ましくは1.8〜3.8である。斯かる膨潤度の数値が高いほど、穀粉組成物の糊化(α化)が進んでいることを意味する。一般に、α化小麦粉の膨潤度は5.5〜9.0の範囲にあるから、膨潤度が前記好ましい範囲にある本発明の穀粉組成物は、α化小麦粉ほどは糊化が進んでおらず、α化小麦粉とは全く別物である。穀粉組成物の膨潤度が1.5〜4.0の範囲にあると、該穀粉組成物を用いて製造された穀粉含有食品の食感(特に歯切れの良さ)が一層向上する。
穀粉組成物の膨潤度は、次の方法(特開2005−54028号公報記載の加熱膨潤度の測定方法)により測定される。密封可能な試験管に測定試料(穀粉組成物)を乾燥重量で100mgを秤量し、該試験管に脱イオン水を10mL加えて測定試料の水分散液を得る。この水分散液を90℃で30分間加熱した後、5分間流水中で冷却する。その後、この水分散液を3000rpmで10分間遠心分離し、上澄みの水層を除去し、残部(澱粉糊液)の重量を測定し、次式より目的とする膨潤度を算出する。
膨潤度 = 澱粉糊液重量 (mg)/ 100(mg)
次に、本発明の穀粉ミックスについて説明する。本発明の穀粉ミックスは、前述した本発明の穀粉組成物を含有する。本発明の穀粉ミックスの形態は特に制限されず、固形物(粉体等)でも良く、固形物の穀粉ミックスを水に添加・混合して得られる液状物(いわゆるバッター液)でも良い。
本発明の穀粉ミックスは、前述した本発明の穀粉組成物のみを含有していても良く、該穀粉組成物に加えて更に他の成分を含有していても良い。この他の成分としては、この種の穀粉ミックスに一般的に用いられる成分を特に制限なく用いることができ、例えば、大豆蛋白、小麦蛋白、卵粉末、食物繊維、増粘剤、膨張剤、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の穀粉ミックスは、各種穀粉含有食品の原料として使用できる。本発明の穀粉ミックスに適用可能な穀粉含有食品としては、例えば、「パン・ベーカリー」類、「スポンジ状菓子、洋菓子、シュー皮菓子」類、「お好み焼き、たこ焼き」類、「フラワーペースト、ソース」類、「揚げ物用バッター」類、「春巻皮、パイ生地」類等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜15、比較例1及び2並びに参考例1〜3〕
小麦粉として薄力粉(日清製粉製:フラワー)、乳化剤としてモノグリセリン脂肪酸エステル(理研製:エマルジーMS)又は大豆由来レシチン(辻製油製:SLP−ホワイト)を用い、これらを下記表に示す量で配合して均一に混合して混合物を得た。その混合物を密封系高速攪拌機に導入し、該攪拌機内に飽和水蒸気を導入しながら、所定の加熱温度(出口温度)で所定時間加熱処理(湿熱処理)した。加熱処理後に乾燥して、各実施例及び比較例の穀粉組成物を得た。ここで用いた密封系高速攪拌機は、前記連続粉体移送装置(特定製造装置)と同様の構成を有しており、即ち、導入された原料を排出口まで移送するための移送路内に、原料の移送方向に延びる撹拌軸と該撹拌軸の周囲に螺旋状に植設された撹拌羽根とを含んで構成される攪拌機を有し、該攪拌機によって該移送路内の原料(前記混合物)を撹拌可能に構成されており、原料を前記排出口へ押し出すための押出具は有さないという構成を備えたものである。
〔比較例3〕
小麦粉と乳化剤との混合物を加熱しなかった以外は実施例2と同様にして、穀粉組成物を得た。
〔試験例〕
各実施例、比較例及び参考例の穀粉組成物を用い、下記方法により穀粉含有食品の一種であるホットケーキ(スポンジ状菓子類)を製造した。ホットケーキは、製造(焼成)後、速やかに−30℃に急速冷凍し、その後−15℃で1週間保存した。その後、冷凍保存したホットケーキを電子レンジで加熱・解凍し、その風味及び食感(歯切れの良さ、しっとり感、口溶けの良さ)を10人のパネラーに下記評価基準に基づき評価してもらった。その評価結果(パネラー10名の平均点)を下記表1〜表3に示す。
<ホットケーキの製造方法>
(1)薄力粉(日清製粉製:フラワー)72質量部、試験対象の穀粉組成物5質量部、砂糖20質量部、食塩0.2質量部及び膨張剤(炭酸水素ナトリウム)2.8質量部を混合し(合計100質量部)、穀粉ミックスを調製した。
(2)次に、卵50gと牛乳150gとを混合して調製した卵乳液200gを、前記穀粉ミックス200gに加えてよく混ぜて生地を調製した。
(3)前記生地を、170℃に予め加熱しておいた鉄板の上に流して3分間焼成した後、ひっくり返して3分間焼成してホットケーキを製造した。
(風味の評価基準)
○:えぐみが無く、良好。
△:えぐみがほとんどなく、違和感がない。
×:えぐみが強く、不良。
(歯切れの良さの評価基準)
3点:さっくりとしていて噛み切りやすく、良好。
2点:硬さがそれほどなく、ややさっくりしている。
1点:硬くて噛み切りにくく、不良。
(しっとり感の評価基準)
3点:しっとり感があり、良好。
2点:ややしっとり感がある。
1点:パサパサしていてしっとり感がなく、不良。
(口溶けの良さの評価基準)
3点:口の中でほぐれやすく、飲み込みやすく、良好。
2点:口の中でややほぐれやすく、やや飲み込みやすい。
1点:口の中で固まりやすく、飲み込みにくく、不良。
Figure 0006506701
表1に示す通り、各実施例は各比較例に比して風味及び食感に優れる。比較例1は、乳化剤が配合されていないため、食感(特に歯切れ及び口溶けの良さ)に劣る結果となった。比較例2は、乳化剤の配合量が多すぎるため、食感は良好なものの、風味に劣る結果となった。比較例3は、穀粉と乳化剤とを混合しただけで、その混合物を加熱しなかったため、低評価となった。以上のことから、製造直後の良好な食感が経時的に劣化し難く、電子レンジで再加熱しても良好な食感を保持し得る穀粉含有食品(ホットケーキ)の提供が可能な穀粉組成物を得るためには、穀粉に対して特定量(穀粉100質量部に対して0.2〜10質量部)の乳化剤を配合し、且つそれらの混合物を加熱処理することが有効であることがわかる。
Figure 0006506701
表2は、各評価項目に対する加熱温度(品温)の影響をまとめたものである。表2に示す通り、穀粉と乳化剤との混合物の加熱温度は80〜120℃、特に100〜120℃が良好であった。尚、参考例2は、混合物の加熱温度を130℃に設定したところ、歯切れの良さは維持されるものの、風味と口溶け感に劣る結果となった。
Figure 0006506701
表3は、各評価項目に対する加熱時間の影響をまとめたものである。表3に示す通り、穀粉と乳化剤との混合物の加熱時間は2〜60秒間、特に2〜20秒間が良好であった。
本発明によれば、製造直後の良好な食感が経時的に劣化し難く、電子レンジ等で再加熱しても良好な食感を保持し得る穀粉含有食品の提供が可能な穀粉組成物が提供される。即ち、本発明の穀粉組成物あるいはこれを含有した本発明の穀粉ミックスを用いて製造された、本発明の穀粉含有食品は、良好な食感(サクサクとした歯切れの良さ、しっとり感、口溶けの良さ)を持ち、また、その良好な食感は該食品が冷めても劣化せず、該食品を電子レンジ等で再加熱しても食感の劣化が生じ難い。

Claims (7)

  1. 穀粉と該穀粉100質量部に対して0.2〜10質量部の乳化剤との混合物を加熱処理してなる穀粉組成物であって、前記加熱処理は、2秒〜3分間、押出具を用いずに、飽和水蒸気による加圧下で加熱する処理である穀粉組成物。
  2. 前記乳化剤は、モノグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンから選択される1種以上である請求項1に記載の穀粉組成物。
  3. 前記加熱処理は、前記混合物の温度が80〜120℃となる条件で加熱する処理である請求項1又は2に記載の穀粉組成物。
  4. 前記加熱処理は、水及び/又は水蒸気を用いた湿熱処理である請求項1〜3の何れか一項に記載の穀粉組成物。
  5. 穀粉と該穀粉100質量部に対して0.2〜10質量部の乳化剤との混合物を2秒〜3分間、押出具を用いずに加熱してなる穀粉組成物の製造方法であって、穀粉と乳化剤との混合物に飽和水蒸気を直接当てて該混合物を加熱する加熱工程を有し、
    前記加熱工程は、導入された原料を排出口まで移送する移送路と、該移送路内に飽和水蒸気を導入する機構とを備えた製造装置を用いて実施される穀粉組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4の何れか一項に記載の穀粉組成物を含有した穀粉ミックス。
  7. 請求項1〜4の何れか一項に記載の穀粉組成物を用いて製造された穀粉含有食品。
JP2015557757A 2014-01-16 2014-12-26 穀粉組成物 Active JP6506701B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014006114 2014-01-16
JP2014006114 2014-01-16
PCT/JP2014/084585 WO2015107858A1 (ja) 2014-01-16 2014-12-26 穀粉組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015107858A1 JPWO2015107858A1 (ja) 2017-03-23
JP6506701B2 true JP6506701B2 (ja) 2019-04-24

Family

ID=53542758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015557757A Active JP6506701B2 (ja) 2014-01-16 2014-12-26 穀粉組成物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9833004B2 (ja)
JP (1) JP6506701B2 (ja)
CN (1) CN105722397B (ja)
WO (1) WO2015107858A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6812290B2 (ja) * 2017-03-30 2021-01-13 日清フーズ株式会社 穀粉組成物の製造方法
CN110612027A (zh) * 2017-07-13 2019-12-24 日清食品株式会社 烘焙食品用混合料
WO2020203756A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社日清製粉グループ本社 穀粉組成物の製造方法
JPWO2021095827A1 (ja) * 2019-11-15 2021-05-20
BR102022008570A2 (pt) * 2022-05-03 2023-11-14 Zini Indústria E Comércio De Produtos Alimentícios Ltda. Processo para obtenção de farinha de empanamento lipófoba e respectivo produto resultante

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3733210A (en) * 1971-03-24 1973-05-15 Procter & Gamble Method for making liquid shortening containing culinary mixes
JPS6147162A (ja) 1984-08-09 1986-03-07 Aageru Shokuhin Kk 加工食品の品質改良剤
JPS62143659A (ja) * 1985-12-17 1987-06-26 Tech Res Assoc Extru Cook Food Ind 小麦粉の改質方法
US5464642A (en) * 1993-08-16 1995-11-07 The Procter & Gamble Company Process for making reduced-fat fried snacks with lighter, more expanded snack structures
EP0874556B1 (en) * 1996-01-16 2001-07-18 The Procter & Gamble Company Fried snack
JP4098894B2 (ja) * 1998-09-01 2008-06-11 日清フーズ株式会社 天ぷら用小麦粉
JP3943951B2 (ja) * 2002-02-19 2007-07-11 株式会社日清製粉グループ本社 マイクロ波加熱用食品素材
ZA200603334B (en) * 2005-04-29 2007-03-28 Nat Starch Chem Invest Rice flour composition with enhanced process tolerance and solution stability
JP2007117002A (ja) 2005-10-28 2007-05-17 Nisshin Flour Milling Inc 蒸し物類用小麦粉組成物およびその製造法
JP4995851B2 (ja) 2009-02-18 2012-08-08 日清製粉株式会社 小麦粉含有流動生地の製造方法
WO2012081351A1 (ja) * 2010-12-17 2012-06-21 不二製油株式会社 ロールイン用油中水型乳化油脂組成物
JP2013021972A (ja) 2011-07-21 2013-02-04 Nisshin Foods Kk 電子レンジ調理用お好み焼きミックス粉
JP5851825B2 (ja) * 2011-12-20 2016-02-03 日清フーズ株式会社 長期保存可能な揚げ物用食品及びそのためのバッター液

Also Published As

Publication number Publication date
US9833004B2 (en) 2017-12-05
CN105722397A (zh) 2016-06-29
US20160278392A1 (en) 2016-09-29
JPWO2015107858A1 (ja) 2017-03-23
WO2015107858A1 (ja) 2015-07-23
CN105722397B (zh) 2021-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6649280B2 (ja) 熱処理小麦粉の製造方法及びベーカリー食品用ミックスの製造方法
JP3495859B2 (ja) 熱処理デュラム小麦粉
JP6506701B2 (ja) 穀粉組成物
CA3157980A1 (en) Method for manufacturing pregelatinized cereal flour
JP5914252B2 (ja) 熱処理小麦粉の製造方法
JP6681250B2 (ja) 粉砕熱処理小麦粉の製造方法及びベーカリー食品用ミックスの製造方法
JP2001095489A (ja) 澱粉質食品生地練り込み用水中油型乳化油脂組成物
JP2003219827A (ja) おから配合膨化食品
JP7189727B2 (ja) 型焼き菓子類用ミックス粉
JP2791141B2 (ja) 膨化食品
JP6495708B2 (ja) 熱処理穀粉及びその製造方法
JP6659487B2 (ja) 熱処理穀粉の製造方法
JP2008067676A (ja) お好み焼き類用湿熱処理小麦粉、お好み焼き類用ミックス、およびお好み焼き類
JP4685839B2 (ja) ケーキドーナツの製造方法
JP7019169B2 (ja) 冷凍焼き菓子用ミックスの製造方法
JP7093644B2 (ja) バッター生地加熱食品用ミックス、バッター生地加熱食品、及びバッター生地加熱食品の製造方法
JP6666769B2 (ja) 熱処理小麦粉の製造方法及びベーカリー食品用ミックスの製造方法
JP6756668B2 (ja) 含気泡食品用食感改良剤及びその製造方法、並びに含気泡食品の製造方法
JP7383013B2 (ja) 穀粉組成物の製造方法
KR20220002283A (ko) 개질 소맥분
JP6521732B2 (ja) 春巻皮の製造方法
JP6543836B2 (ja) 小麦粉組成物
JP7461139B2 (ja) ベーカリー用上掛け生地
JP7110132B2 (ja) 乾麺の製造方法、及び乾麺の色調変化の抑制方法
WO2023095231A1 (ja) 熱処理小麦粉の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6506701

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250