JP6506371B2 - 核酸を精製するための方法およびキット - Google Patents

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Description

関連出願の参照
本願は、2012年8月28日に出願された米国仮特許出願第61/693,963号および2012年9月5日に出願された米国仮特許出願第61/697,116からの優先権を主張する。
本発明は、全般的に核酸を分離および/または精製するための方法、および具体的には、自動化に適合しやすい固形モノリスフィルターを用いてサンプルから核酸を分離および/または精製するための方法に関する。
核酸精製は、非侵襲的出生前診断(NIPD)のための胎児DNAの精製を含む、大半の分子診断および研究使用のみの用途に必要である。抽出プロセスは、磁気ビーズおよび膜に基づくフォーマットを利用することにより合理化および自動化されている。粒子および膜は、有効である一方で困難な臨床マトリクスに直面するとき限界を有することが知られている。たとえば、膜およびビーズに基づくカラムは柔軟であり、孔径が小さく、かつ遠心分離または真空システムで処理するためにある種の支持体が必要である。膜およびビーズカラムの物理的な性質により顕著な流動抵抗がもたらされ、これが消耗品を目詰まりさせることなく効率よく処理できるサンプルの種類および/または流路内で一方向処理のできる総(装填)サンプル体積を限定する。反対に、磁気粒子は攪拌によりサンプル全体に分布させなければならない。溶液中に磁気粒子を均一に分散させる必要があることから、大半の磁気ビーズ消耗品では処理できる総サンプル装填体積が制限される。臨床サンプルの性状(粘度または完全性など)により、管またはロッド側面上での磁気粒子の濃縮が非効率的となることがある。また、抽出プロセス中にビーズからシリカ微粒子が剥落し、その磁気が失われて最終サンプルを汚染することがある。
スクリーニングおよび診断の両者を目的とした分子検査に対する需要が高いことから、試験室におけるサンプルスループットの要求が高まっている。抽出から検出を経た処理手順の自動化は、これらのサンプル処理負荷を軽減する上で最も重要である。上述した他の抽出技術に固有の限界があるので、自動化に適合しやすい簡素で低費用の核酸精製システムに対するニーズが未だに存在する。
本願の態様の1つは、液状サンプルから核酸を精製するための自動化法であって:(a)フィルターが核酸と特異的に結合することを特徴としかつ自動化ロボットプラットフォームが自動的に試薬を分注し、サンプル内容物を取出し、かつピペットチップおよび/またはサンプルチップを移動することができることを特徴とする、各チップが第1の開口部と第2の開口部の間の流路を規定するハウジングおよび流路の1区分を占めるフィルターを含む、複数のピペットチップをロボットプラットフォームに装填すること;(b)核酸がピペットチップを通り、かつその中のフィルターと結合するよう、核酸を含む液状サンプルの少なくとも一部分をピペットの第1の開口部から流し入れること;(c)液状サンプルのその一部分がピペットチップ外に出る間に2回目にフィルターを通過することを特徴とする、ピペットチップから第1の開口部を経て液状サンプルのその一部分を排除すること;および(d)溶離バッファーがピペットチップに出入りする間にフィルターを通過することを特徴とする、溶離バッファーをピペットチップの第1の開口部から流し入れかつ溶離バッファーをピペットチップから第1の開口部を経て排除することによって核酸をフィルターから溶離させることを含む自動化法に関する。
本願の他の態様は、血漿サンプルにおいて母体核酸から胎児核酸を分別および分離するための方法であって:(a)胎児および母体核酸の第1のフィルターとの特異的結合を可能とする条件下で胎児核酸および母体核酸を含む血漿サンプルを第1のフィルターに流すこと;(b)結合した胎児および母体核酸を第1のフィルターから溶離させて胎児核酸と母体核酸を含む濃縮核酸サンプルを形成すること;(c)母体核酸が第2のフィルターと結合しかつ胎児核酸が第2のフィルターを通過することを可能とする条件下で濃縮核酸サンプルを第2のフィルターに流すこと;および(d)第2のフィルターからのフロースルー分画が胎児核酸を含むことを特徴とする、第2のフィルターからフロースルー分画を捕集することを含む方法に関する。
本願の他の態様は、血漿サンプルにおいて母体核酸から胎児核酸を分離するためのキットであって:ガラスフリットフィルターが2〜220ミクロンの孔径を有しかつ核酸のガラスフリットフィルターとの結合を促進する薬剤によって処理またはコーティングされていないことを特徴とする、自立型ガラスフリットフィルターを含むピペットチップ、血漿サンプルと混合されかつ脂肪族アルコール約17〜25%v/vおよび約0.5Mから約4.0Mの間の濃度のカオトロピック塩を有する第1の結合混合物を提供するよう配合された第1の結合バッファー;および血漿サンプルと混合されかつ脂肪族アルコール約0〜10%v/vおよび約1Mから約4.0Mの間の濃度のカオトロピック塩を有する第1の結合混合物を提供するよう配合された第2の結合バッファーを含むキットに関する。
これらのおよび他の態様および利点は、以下の発明を実施するための形態を付属の図面と共に読む際に明らかになるであろう。
図1A〜1Dは、本願にしたがって核酸を精製するための中空チャンバーおよびフィルターを含むピペットチップデバイスの多様な実施形態の模式図である。 同上。 図2A〜2Dは、本願にしたがって胎児核酸を精製するための典型的なプロセスの模式図である。 同上。 エッペンドルフepMotion5070サンプルプレートレイアウト(A)およびワークテーブル上の試薬/消耗品の配置(B)を描出する。サンプルプレートは最大24サンプルについて設定することができるが(それぞれカラム1、5および9)、epMotionは8サンプルのみを同時に処理する。 鼻咽頭吸引物(NPA)に混合されたインフルエンザウイルスの自動化抽出物からのリアルタイムPCRの結果を描出する。NPA装填体積=100μL、溶離体積=50μL。結果は、各希釈レベルおよび目的インフルエンザ毎に異なる5つのNPAバックグラウンドから各3回繰り返した抽出の平均(n=15)である。qPCRはLightCycler480システム上で実施した。 全血からゲノムDNAを精製するためのハミルトンSTARデッキレイアウトを描出する(原寸と比例せず)。デッキ位置1=ハミルトン1mLフィルターチップ;2=ハミルトン1mLノンフィルターチップ;3=アコーニ/ハミルトン1mL LPT2mmフィルターチップ;4=装填血液サンプルキャリアー(採血管またはマイクロ遠心管);5〜9=それぞれ溶解バッファーF、エタノール、洗浄バッファーJ、洗浄バッファーKおよび溶離バッファーA2用290mL試薬トラフ;10=深型96ウェル結合プレート;11=深型96ウェル洗浄プレートJ;12=深型96ウェル洗浄プレートK;13=深型96ウェル溶離プレート;14=ハミルトンHHS2ヒーター/シェーカーとNunc深型96ウェルインキュベーションプレート;15=プロテイナーゼKを収容する50mL試薬トラフ。 図6A〜Gは、種々のゲノムDNA(gDNA)抽出の結果を示す。図6Aは全血から反復実施したヒトgDNA抽出から無作為選択した10サンプルのナノドロップ1000(サーモフィッシャー)によるUV可視光トレースを示す。図6Bは全血から抽出されたフィルターチップ精製ヒトgDNAの1%アガロースゲルを示す。M=フィッシャー24kb MAX DNAラダー。レーン1〜4=反復抽出物から無作為に選択した4サンプルに由来する約100ngの精製gDNA。図6Cはプール全血装填200μLを本発明にしたがった各8回の処理からのgDNA収量の再現性を示す。図6Dは全血からの平均gDNA収量が、1mL TruTip(登録商標)フィルターから処理された全血装填体積100μL、200μLおよび300μL(左側)および5mL TruTip(登録商標)フィルターから処理された全血体積1000μLおよび2000μL(中央および右側)の範囲にわたって線形であったことを示す。図6Eは400μLサンプル48本(唾液24本およびブランク24本)がqPCR分析に付された交叉汚染試験結果を示す。図6Fは、キアゲンのマニュアルスピンカラム法(右カラム/対)および本発明による自動化抽出法(左カラム/対)を用いて抽出した7名の盲検化唾液サンプル(サンプルA〜G;400μL装填/100μL溶離)からの平均gDNA収量の比較からのUV吸収率の結果を示す。図6Gは、競合会社5社の抽出系(カラム2〜6)と比較した、TruTip(登録商標)フィルター(カラム1)から処理した200μL全血の処理時間を示す。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 本願にしたがって胎児核酸を精製するためのプロセスの実施形態を示す流れ図である。 図8Aは、実際の母体サンプル中に認められる長さをシミュレートするために超音波処理でフラグメント化した女性および男性ゲノムDNAを示すアガロースゲルの写真である(女性=母体DNA、男性=胎児DNA)。図8Bは、種々の希釈度の胎児DNAの回収量を示す図である。PCRサンプル1つあたりn=3として各n=3抽出した、TruTip(黒菱形および黒四角)およびキアゲン(白三角および×)のそれぞれについて各サンプルが100から1ngの範囲のフラグメント化男性DNAと200ngのフラグメント化女性DNAを含めた総DNAを含有する抽出サンプルからのリアルタイムPCRの結果。誤差棒は±1標準誤差を示す。 本願の濃縮手順用いるか、または用いない胎児DNA(Chrom Y)および総DNA(Chrom1)の回収量を示す図である。1回に母体血漿5mLを用いた測定を4回実施。CHYは男性胎児DNAを定量しかつCH1は存在する総DNA(胎児および母体)を定量する。CHYおよびCH1を標的とする過去に公表された測定法を用いてLightCycler 480システム上でqPCRを実施した。 大量血漿サンプル由来DNAを精製するためのハミルトンSTARplusデッキレイアウトを描出する(原寸と比例せず)。システムは8×5mLチャネルおよび8×1mLチャネルを具備する。デッキポジション1=ハミルトン4mLフィルターチップ;2=アコーニ/ハミルトン5mLフィルターチップ;3=ソース血漿サンプル;4=50mL円錐管;5=CN−W1、CN−W2およびCN−W4試薬を収容する120mL試薬トラフ;6=プロテイナーゼK、CN−B2、CN−B3、EBA2、EBBおよびCN−W3試薬を収容する低体積試薬トラフ;7=CN−L1試薬を収容する290mL試薬トラフ;8=CN−B1試薬を収容する290mL試薬トラフ;9=手順1用深型96ウェルプレート;10=手順2用深型96ウェルプレート;11=精製最終生成物用サンプルキャリアー;12=ハミルトン1mLノンフィルターチップ;13=アコーニ/ハミルトン1mL LPT 4mmフィルターチップ。 図11Aは、大容量フィルターチップ手順で8回反復サンプル処理したプール母体血漿のサンプルからのqPCRの結果を描出する。プロトコルの全体(オフラインでのプロテイナーゼK前処理を含む)は約2時間で完了する。すべての繰り返し処理を通じた平均C値は胎児男性(CHY)および総(CH1)DNAについてそれぞれ34.58±0.66および29.76±0.50であり、これらは自動化抽出法の優れた反復性を証明する。標準物質に対するフィットポイント分析比較に基づき、総DNAプール中の胎児DNA濃度(ゲノム等価物中)を算出した結果、全サンプルを通じた平均%胎児DNAは2.8%であった。サンプルは抽出を実施する前にプールされていたので、このサンプルについての実際の%胎児DNAは不明である。 図11Bは、上記の抽出手順にしたがってアコーニTruTip(登録商標)を採用した自動化システム(左カラム/対)と、キアゲンのマニュアル循環核酸キット(右カラム/対)を用いた個別に異なる母体血漿11サンプルから2ずつ回収した胎児DNAの百分率の比較を示す。
本願は試験サンプルから核酸を精製するための方法およびデバイスを提供する。具体的には、本願は、それによってモノリス核酸結合マトリクスがピペットチップまたは類似のデバイスに挿入される簡易な核酸抽出技術を提供する。核酸抽出は、大半の液状物操作機器と適合し、かつそれゆえ自動化に適合しやすくかつ高スループット臨床用途およびサンプルマトリクスに向けた多くの媒体に適合化できるサンプル調製フォーマットを用いて実施される。一部の実施形態においては、本願は複数のピペットチップを有するロボットプラットフォームを用いて液状サンプルから核酸を精製するための自動化法に関する。
本願は、高分子量(HMW)DNAのバックグラウンド(母体DNAなど)からの低分子量(LMW)DNAフラグメント(胎児DNAなど)の優先的な選択に適合化した方法論をさらに提供する。方法論は、HMW DNA存在量と無関係にサンプル中に存在するLMW DNAの百分率を高め、かつ一定の臨床用途のための感度条件に適合するためにたとえば最大20mLまでの大きなサンプル体積を処理する能力を提供する。一部の実施形態においては、本願は、胎児および/または母体核酸のフィルターへの特異的結合を可能にするフィルターを用いて血漿サンプルにおいて母体核酸から胎児核酸を分別および分離するための方法に関する。本願は、血漿サンプルにおいて母体核酸から胎児核酸を分離するためのキットも提供する。
本願で用いる用語「試験サンプル」または「サンプル」は、核酸を含みうる任意の材料を意味する。試験サンプルの例は生体サンプル、環境サンプルおよび非自然サンプルを含むが、これに限定されない。生体サンプルの例は組織サンプル、生体液サンプル、細胞サンプル、細菌サンプル、およびウイルスサンプルを含むが、これに限定されない。組織サンプルは、任意の動物または植物から分離された組織を含む。生体液サンプルは、血液、血漿、尿、唾液、喀痰、脳脊髄液、鼻咽頭、頬、洗浄液(例:気管支)、および白血球除去(leukophoresis)サンプルを含むが、これに限定されない。細胞サンプルは培養細胞または任意の採取源から分離された細胞を含むが、これに限定されない。ウイルスサンプルは培養ウイルスまたは分離ウイルスを含むが、これに限定されない。環境サンプルは、空気サンプル、水サンプル、土壌サンプル、岩石サンプルおよび自然環境から得られる任意の他のサンプルを含むが、これに限定されない。人工的サンプルは、自然環境中に存在しない任意のサンプルを含む。「人工的サンプル」の例は、精製または分離した材料、培養材料、合成材料および他の任意の人工的材料を含むが、これに限定されない。一部の実施形態においては、試験サンプルは喀痰、NALC処理喀痰、全血または血液培養、血漿、脳脊髄液、鼻咽頭ぬぐい液および吸引液、気管支洗浄液、新鮮または凍結細胞または組織、FFPEサンプル、バフィーコート、血液カード、唾液、頬部ぬぐい液、糞便、固形または液状細菌培養、NPA、親水施設および土壌を含む。
本願で用いる「核酸」は、天然に発生するものまたは人工的に合成されるもの(その類似体を含む)を問わないDNAおよびRNA、またはその修飾物、特に任意の鎖長を有する天然に発生することが知られている修飾物を含む、個々の核酸および核酸の重合鎖を意味する。本願と一致する核酸の鎖長の例は、PCR生成物に適した長さ(例:約30から3000塩基対(bp)、約30〜2000bp、約30〜1000bp)、鎖長範囲50〜600bpのDNAフラグメント、鎖長範囲100〜350bpのDNAフラグメントおよびヒトゲノムDNA(例:約10キロ塩基対(Kb)からギガ塩基対(Gb)の単位)を制限なく含む。したがって、用語「核酸」が単一の核酸、さらには、たとえば発現された配列タグまたは遺伝子フラグメントなどの小さなフラグメント、さらには個々の遺伝子および染色体全体までをも含むゲノム材料によって例示されるようなより大きな鎖の状態である天然または人工的ヌクレオチド、ヌクレオシドの延伸、その組み合わせを包含することが認識されるであろう。本願で用いる用語「低分子量(LMW)DNA」は、種々の実施形態において約20kb、15kb、10kb、5kb、3kb、2kb、1kb、900bp、800bp、700bp、600bp、500bp、4000bp、350bpまたは300bp未満の鎖長を有するDNAフラグメントを意味する。本願で用いる用語「高分子量(HMW)DNA」は、種々の実施形態において、約300bp、350bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1kb、2kb、3kb、5kb、10kb、15kb、20kb、50kb、または100kb超の鎖長を有するDNAフラグメントを意味する。一部の実施形態においては、用語「高分子量DNA」は3000bpまたはそれ以上、2000bpまたはそれ以上、1000bpまたはそれ以上、800bpまたはそれ以上、600bpまたはそれ以上、500bpまたはそれ以上、400bpまたはそれ以上、または350bpまたはそれ以上のサイズ範囲のDNAを意味する一方;用語「低分子量DNA」は3000bpまたはそれ以下、2000bpまたはそれ以下、1000bpまたはそれ以下、800bpまたはそれ以下、600bpまたはそれ以下、500bpまたはそれ以下、400bpまたはそれ以下、350bpまたはそれ以下、または300bpまたはそれ以下のサイズ範囲のDNAを意味する。一部の実施形態においては、用語低分子量DNAは、母親の循環(例:血液)中に存在する胎児DNAを意味する一方、用語高分子量DNAは母体DNAを意味する。
本願で用いる用語「モノリス吸着剤」または「モノリス吸着材料」は、硬質、自立型のほぼモノリス状の構造を含みうる、単一片状の連続的相互連結小孔構造を有する多孔質三次元吸着材料を意味する。モノリスは、たとえば、前駆体を所望の形態の型に入れて注型、焼結または重合することにより作製される。用語「モノリス吸着剤」または「モノリス吸着材料」は、その中で最終生成物が個々の吸着剤粒子を含む、ベッド構造に充填されるかまたは多孔質マトリクスに包埋される個々の吸着剤粒子の集合体と鑑別されるよう意図されている。用語「モノリス吸着剤」または「モノリス吸着材料」は、ろ紙または吸着剤でコーティングされたろ紙などの、吸着繊維または吸着剤でコーティングされた繊維の集合体とも識別されるよう意図されている。
(フィルターおよびピペットチップ)
本発明のフィルターチップシステムは、それによってモノリス結合マトリクスフィルターがピペットチップに挿入される核酸抽出技術を提供する。多孔質モノリス材料は核酸と特異的に結合しかつ硬質、自立型、ほぼモノリス状の構造から構成される。一部の実施形態においては、多孔質モノリス材料は核酸親和性を提供する追加的な材料を含まない。一部の実施形態においては、多孔質モノリス材料は、ガラスフリットなどのガラス基剤のモノリス材料である。一部の実施形態においては、ガラスフリットは焼結ガラスフリットである。ガラスフリットまたは焼結ガラスフリットなどの多孔質モノリス材料の多孔度は用途に依存する。一般に、多孔質モノリス材料は、個々の用途に対する所望のサンプル流量を可能にし、かつ所望のサイズ範囲の核酸を保持することのできる多孔度を持たなければならない。一部の実施形態においては、多孔質モノリス材料は、2〜400ミクロン、2〜300ミクロン、2〜220ミクロン、2〜200ミクロン、2〜180ミクロン、2〜160ミクロン、2〜140ミクロン、2〜120ミクロン、2〜100ミクロン、2〜80ミクロン、2〜60ミクロン、2〜40ミクロン、2〜20ミクロン、2〜16ミクロン、2〜10ミクロン、2〜5.5ミクロン、4〜400ミクロン、4〜300ミクロン、4〜220ミクロン、4〜200ミクロン、4〜180ミクロン、4〜160ミクロン、4〜140ミクロン、4〜120ミクロン、4〜100ミクロン、4〜80ミクロン、4〜60ミクロン、4〜40ミクロン、4〜20ミクロン、4〜16ミクロン、4〜10ミクロン、4〜5.5ミクロン、10〜400ミクロン、10〜300ミクロン、10〜220ミクロン、10〜200ミクロン、10〜180ミクロン、10〜160ミクロン、10〜140ミクロン、10〜120ミクロン、10〜100ミクロン、10〜80ミクロン、10〜60ミクロン、10〜40ミクロン、10〜20ミクロン、10〜16ミクロン、16〜400ミクロン、16〜300ミクロン、16〜220ミクロン、16〜200ミクロン、16〜180ミクロン、16〜160ミクロン、16〜140ミクロン、16〜120ミクロン、16〜100ミクロン、16〜80ミクロン、16〜60ミクロン、16〜40ミクロン、40〜400ミクロン、40〜300ミクロン、40〜220ミクロン、40〜200ミクロン、40〜180ミクロン、40〜160ミクロン、40〜140ミクロン、40〜120ミクロン、40〜100ミクロン、40〜80ミクロン、40〜60ミクロン、100〜400ミクロン、100〜300ミクロン、100〜220ミクロン、100〜200ミクロン、100〜180ミクロン、100〜160ミクロン、100〜140ミクロン、100〜120ミクロン、160〜400ミクロン、160〜300ミクロン、160〜220ミクロン、160〜200ミクロン、160〜180ミクロン、200〜400ミクロン、200〜300ミクロン、または200〜220ミクロンの範囲の多孔度(すなわち平均孔径)を有するガラスフリットまたは焼結ガラスフリットである。他の実施形態においては、多孔質モノリス材料は、異なる多孔度を有する2つの区分を有するガラスフリットまたは焼結ガラスフリットである。各区分は上記の範囲の多孔度(例:4〜10ミクロン区分と16〜40ミクロン区分、または16〜40ミクロン区分と100〜160ミクロン区分)を有しうる。
一部の実施形態においては、フィルターは1〜30mm、1〜25mm、1〜20mm、1〜15mm、1〜10mm、1〜8mm、1〜6mm、1〜4mm、2〜30mm、2〜25mm、2〜20mm、2〜15mm、2〜10mm、2〜8mm、2〜6mm、2〜4mm、4〜30mm、4〜25mm、4〜20mm、4〜15mm、4〜10mm、4〜8mm、4〜6mm、6〜30mm、6〜25mm、6〜20mm、6〜15mm、6〜10mm、6〜8mm、8〜30mm、8〜25mm、8〜20mm、8〜15mm、8〜10mm、10〜30mm、10〜25mm、10〜20mm、10〜15mm、15〜30mm、15〜25mm、15〜20mm、20〜30mm、20〜25mm、または25〜30mmの範囲の厚さを有する。
一部の実施形態においては、多孔質モノリス材料は、核酸親和性を有する1つまたはそれ以上の材料によって修飾されうる。
一部の実施形態においては、フィルターは多孔質ガラスモノリス、多孔質ガラス−セラミック、または多孔質モノリスポリマーから作製される。一部の実施形態においては、多孔質ガラスモノリスは、その全文を参照文献として本願に援用する米国特許第4,810,674号および第4,765,818号に記載のゾル−ゲル法を用いて生成される。多孔質ガラス−セラミックは、多孔質ガラスモノリスの制御結晶化によって作製しうる。好ましい実施形態においては、多孔質ガラスモノリス、多孔質ガラス−セラミック、または多孔質モノリスポリマーは、その抗体に対する親和性を改善するためにポリヌクレオチドまたは抗体といった何らかの追加的材料によってコーティングされるかまたはこれが包埋されることはない。
多孔質モノリスポリマーは、最近10年間に開発された材料の新たな分類である。非常に小さなビーズから構成されるポリマーと対照的に、モノリスは、単純な成形工程を用いて作製された単一の連続的なポリマー片である。
一部の実施形態においては、フィルターは液状サンプルがそこを通過しうる微細孔質ガラスフリットを材料として作製される。多孔質ガラスフリットは、その核酸に対する親和性を改善するためにポリヌクレオチドまたは抗体といった何らかの追加的材料によってコーティングされるか、またはこれが包埋されることはない。核酸を精製することに適した基剤は、ホットプレスでビーズを圧縮して単一のモノリス構造を形成することによって形成される焼結ガラスを材料として作製される多孔質ガラスフリットを含む。フリットの均一な構造は、フリット内部での予測可能な液状物の流動を提供し、かつサンプルが流れるにつれて溶離液が同様の流体力学を有することを可能とする。予測可能な液状物の流動は、溶離プロセス時に高い回収率を提供する。
一部の実施形態においては、フィルターはピペットチップ内に配置される。フィルターはカラム、シリンジ、または体積および形状の異なる他のハウジングに嵌合される。本願に記載の方法は、マニュアルまたは自動ピペット、シリンジポンプ、手持ちシリンジを含む多様なデバイス、または液状物をフィルターを通過して移動させるための他の種類の自動化またはマニュアル法を用いて遂行することができる。
一部の実施形態においては、フィルターはサンプル中の異物から核酸をほぼ分別するよう設計される。本願で用いる「異物」は、サンプル中の核酸とは異なるすべての材料を意味する。そのような異物の例は、タンパク質、デンプン、脂質、金属イオン、および膜フラグメントおよび他の細胞性物質といったより大きな細胞構造物を含むが、これに限定されない。本願で用いる語句「ほぼ分別する」は、一部の実施形態において、異物に対して少なくとも30%の純度の核酸を提供する、より具体的な実施形態においては異物に対して少なくとも50%または60%の純度の核酸を提供する、さらにより具体的な実施形態においては異物に対して少なくとも70%または80%の純度の核酸を提供する、さらにより具体的な実施形態においては異物に対して少なくとも90%または95%の純度の核酸を提供する、かつさらにより一層具体的な実施形態においては異物に対して少なくとも97%または99%の純度の核酸を提供する分別を意味する。本願で用いるところの、異物に対して少なくとも30%の純度の核酸は、核酸対異物材料の重量比が30:70またはそれ以上である核酸試料を意味する。同様に、異物に対して少なくとも99%の純度の核酸は、核酸対異物材料の重量比が99:1またはそれ以上である核酸試料を意味する。
ここで図1Aに言及すると、ピペットチップデバイス100の実施形態はハウジング10、および核酸をそのような核酸を含有する液状物からほぼ除去することのできるモノリス多孔質フィルター20を含む。一部の実施形態においては、フィルター20は均一な多孔度を有するガラスフリットまたは焼結ガラスフリットである。他の実施形態においては、フィルター20は、相異なる多孔度を有する2つの区分を有するガラスフリットまたは焼結ガラスフリットであって、より大きな孔径を有する区分がより小さな孔径を有する区分よりもピペット入口に近く排置されることを特徴とする。これらすべての実施形態において、ガラスフリットは、その抗体に対する親和性を改善するためにポリヌクレオチドまたは抗体といった何らかの追加的材料によってコーティングされたり、あるいはこれが包埋されたりすることはない。
ピペットチップ100は、サンプル源からそこに核酸材料を流すためのピペットチップ入口または開口部16を含む。ハウジング10は、ピペッティングデバイスを受容するよう採用される遠位開口部14と入口16の間の中空チャンバー12によって規定される。ハウジング10の形状およびサイズは具体的に制限されていない。好ましいハウジングの形態は、操作中の流動ベクトルがほぼ直線状であり、これにより非円筒形形態に伴って起こりうる希釈洗浄を最小化または回避するよう、ほぼ円筒形である。一部の実施形態においては、ハウジング10は約0.1μLから約50mL、約10μLから約50mL、約100μLから約50mL、約1mLから約50mL、約2mLから約50mL、約5mLから約50mL、約10mLから約50mL、約20mLから約50mL、約0.1μLから約20mL、約10μLから約20mL、約100μLから約20mL、約1mLから約20mL、約2mLから約20mL、約5mLから約20mL、約10mLから約20mL、約0.1μLから約10mL、約10μLから約10mL、約100μLから約10mL、約1mLから約10mL、約2mLから約10mL、約0.1μLから約5mL、約10μLから約5mL、約100μLから約5mL、約1mLから約5mL、約0.1μLから約2mL、約10μLから約2mL、約100μLから約2mL、約1mLから約2mL、約0.1μLから約1mL、約10μLから約1mL、約100μLから約1mL、約0.1μLから約100μLまたは約10μLから約100μLの体積を有する。他の実施形態においては、ハウジング10は約0.1mL、約0.2mL、約0.5mL、約1mL、約2mL、約5mL、約10mL、約20mL、約30mL、約40mLまたは約50mLの体積を有する。これ以降用いるハウジング10の体積は「チップ体積」とも呼ばれる。
ハウジング10に適した材料は具体的には制限されず、かつプラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリスチレンなど)、ガラスおよびステンレスを含む。
サンプルフィルター20はハウジング10内の任意の位置に配置しうる。一部の実施形態においては、サンプルフィルター20は、サンプルが入口16を経てハウジング10に取り込まれた直後に濾過されるよう、入口16に近い近傍に配置される。1つの実施形態においては、サンプルフィルター20は入口16に隣接する。他の実施形態においては、サンプルフィルター20は入口16から0〜60mm、0〜40mm、0〜30mm、0〜20mm、0〜10mm、5〜60mm、5〜40mm、5〜30mm、5〜20mm、5〜10mm、10〜60mm、10〜40mm、10〜30mm、10〜20mm、20〜60mm、20〜40mm、20〜30mm、30〜60mmまたは40〜60mmの距離で離れている。他の実施形態においては、サンプルフィルター20は入口16から60〜120mm、60〜100mm、60〜80mm、80〜120mm、80〜100mmまたは100〜120mmの距離で離れている。さらに他の実施形態においては、サンプルフィルター20は入口16から60〜80mm、たとえば約75mmの距離で離れている。サンプルフィルター20は、目的の核酸の分離に適した多孔度を有しうる。一部の実施形態においては、サンプルフィルター20は4〜5.5ミクロン、4〜16ミクロン、16〜40ミクロン、40〜100ミクロン、100〜160ミクロンまたは2〜220ミクロンの平均孔径を有する。
一部の実施形態においては、フィルター20は2つまたはそれ以上のサブフィルターを有する。図1Bは、サブフィルター22および24を含むフィルター20を有するピペットチップ100の実施形態を示す。一部の実施形態においては、サブフィルター22および24は相異なる多孔度を有しかつサブフィルター間の空隙と縦一列に配置される。他の実施形態においては、サブフィルター22および24はサブフィルター間に全く空隙を伴うことなく互いに隣接して配置される(図1B)。さらに他の実施形態においては、サブフィルター22および24は互いに融着され、相異なる多孔度の2つの区分(22および24)を有するモノリス構造20を形成する。典型的には、より大きな孔径のフィルターまたはフィルター区分はピペットチップ入口16により近く排置される。より孔径の大きなフィルターをピペットチップ入口により近く配置することは、より小さな空隙がサンプル材料によって目詰まりすることを回避するためのプレフィルターを提供することに寄与すると考えられている。
一部の実施形態においては、サブフィルター22は約80〜200ミクロン、好ましくは100〜160ミクロンの孔径を有し、かつサブフィルター24は約8〜80ミクロン、好ましくは16〜40ミクロンの孔径を有する。一部の実施形態においては、サブフィルター22は約8〜80ミクロン、好ましくは16〜40ミクロンの孔径を有し、かつサブフィルター24は約2〜16ミクロン、4〜10ミクロンまたは4〜5.5ミクロンの孔径を有する。
1つの実施形態においては、フィルター20は約1mmと約20mmの間の厚さを有する。他の実施形態においては、フィルター20は約2mmと約10mmの間の厚さを有し、他の実施形態においては、フィルター20は約2mmと約6mmの間の厚さを有する。さらに他の実施形態においては、フィルター20は約4mmの厚さを有する。
一部の実施形態においては、ピペットチップ100は、第2の開口部16とサンプルフィルター20の間に配置されたプレフィルター30をさらに含む(図1C)。プレフィルター30は、サンプルフィルター20の孔径よりも大きな孔径を有し、かつ核酸と特異的に結合しない。さらに他の実施形態においては、ピペットチップ100は、第1の開口部14の近傍にポンピングデバイスからの汚染を防止するためのエアロゾルフィルター40を収容する(図1D)。
(サンプル調製、結合、洗浄および溶離条件)
サンプル調製手順は、典型的には、細胞、細菌またはウイルスといった元の宿主から目的の核酸を遊離させる溶解手順を含む。細胞またはウイルス構造の溶解は、化学的(例:NaOHまたはチオシアン酸グアニジン)、機械的(例:ガラスビーズまたは超音波処理)、または物理的(例:凍結−解凍サイクル)に遂行することができる。組織サンプルについては、溶解手順の前に酵素消化手順を採用しうる。溶解したサンプルは、その後核酸の分離のために本願のモノリスフィルターに装填される。図2A〜2Dは本願のピペットチップ100を用いて核酸を精製する典型的なプロセスを示す。初めに、サンプル材料を、サンプル中の核酸がフィルター20上に保持されるよう内容物を濾過しながら、フィルター20を経てピペット器具に通過させる(または流す)。好ましくは、サンプル材料はフィルター20を経て入口16に向かって戻した後、結合効率を改善するためにフィルター20を経て複数回往復させる(例:2〜5回、2〜10回、2〜25回、2〜20回、5〜10回、5〜15回、5〜20回、10〜15回、10〜20回または15〜20回)。一部の例においては、サンプル材料はフィルター20を経て少なくとも2回、5回、少なくとも10回、少なくとも15回、または少なくとも20回またはそれ以上往復させる。典型的には、流動物はフィルターを通過して第1の方向に流れた後、対応するフィルターを横切って第1の方向と反対の方向に流れ、少なくとも2回フィルターを通過したフロースルー分画をもたらす(図2A)。
核酸は、適切な結合バッファーを用いてフィルターと結合させうる。結合の標的(例:HMW DNA、LMW DNAまたはその両者)に応じて、1つまたはそれ以上のカオトロピック剤および/またはそのカオトロピック塩の濃度を調節することによって適切な結合条件を達成することができる。典型的なカオトロピック剤は、尿素、チオ尿素、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、イソチオシアン酸グアニジン、塩酸グアニジン、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムおよび過塩素酸ナトリウムなどのカオトロピック塩;ブタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールなどの脂肪族アルコール;フェノールおよびその他のフェノール化合物;アルギニン、および塩化マグネシウムを含むが、これに限定されない。典型的なカオトロピック塩はチオシアン酸グアニジン、塩化グアニジン、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、尿素およびチオ尿素を含む。
一部の実施形態においては、結合バッファーは第1の手順においてHMWおよびLMW DNAの両者の選択されたフィルターとの結合を促進するために利用され、イソプロパノールなどの脂肪族アルコールが約17%から約25%、好ましくは約20%から約24%(至適=22.5%)の間の範囲で提供され、かつイソチオシアン酸グアニジンおよび/または塩酸グアニジンなどのカオトロピック塩が約0.5Mから約4.0M、好ましくは約1.0Mから約2.5M(至適=1.8M)の間の範囲で提供されることを特徴とする。HMW DNAの選択されたフィルターとの選択的結合を促進するために、イソプロパノールなどの脂肪族アルコールは約0%から約10%、好ましくは約4%から約6%(至適=4.7%)の間の範囲で提供されかつイソチオシアン酸グアニジンおよび/または塩酸グアニジンなどのカオトロピック塩は約1.0Mから約4.0M、好ましくは約3.0Mから約4.0Mの間の範囲で提供されうる。回収されたLMW DNAの選択されたフィルターとの結合(および濃縮)を促進するために、イソプロパノールなどの脂肪族アルコールは約10%から約25%、好ましくは約15%から約20%(至適=17.7%)の間の範囲で提供されかつイソチオシアン酸グアニジンおよび/または塩酸グアニジンなどのカオトロピック塩は約1.0Mから約5.0M、好ましくは約2.0Mから約4.0M(至適=3.3M)の間の範囲で提供されうる。
次の手順では(図2B)、フィルター20を洗浄バッファーで洗浄してフィルターと特異的に結合しない材料を除去する。手順1のそれと同様、洗浄バッファーは、フィルター20を経て少なくとも1回、5回、少なくとも10回、少なくとも15回、または少なくとも20回またはそれ以上往復させる。一部の実施形態においては、フィルター20は次の手順の前に単一の洗浄バッファーで洗浄する。他の実施形態においては、フィルター20は次の手順の前に2つまたはそれ以上の洗浄バッファーで洗浄する。この手順は、一部の実施形態では必要とされないこともある任意の手順である。
洗浄手順は、核酸抽出物または分画中に存在する外来性の未結合材料を除去する。洗浄バッファーの例は、グアニジン、酢酸ナトリウム、およびエタノールを含有するバッファー、トリスおよびエタノール、アセトン、エタノール、アセトンとエタノールの混合物を含有するバッファー、およびフィルターを乾燥するために容易に蒸発する他の溶媒を含むが、これに限定されない。
次の手順においては(図2C)、フィルター20はフィルターに空気を10、20、30、40、50、60、70、80、90、100回またはそれ以上通過させることにより乾燥する。この手順は、フィルター20から余剰の液状物を除去しかつ結合した核酸をより小さな体積で溶離することを可能とする。結合および/または洗浄手順からの残余の溶媒はPCRといった後続の反応に好ましくない影響を及ぼしうるので、この手順ではそうした残余の溶媒も除去する。この手順は、一部の実施形態では必要とされないこともある任意の手順である。
次の手順においては(図2D)、フィルター20に結合した核酸が溶離バッファーによってフィルターから溶離される。溶離バッファーはフィルター20を経て少なくとも2回、5回、少なくとも10回、少なくとも15回、または少なくとも20回またはそれ以上往復させる。
核酸は、適切な溶離バッファーを用いてフィルターから溶離させうる。適切な溶離条件は溶離バッファーを添加することにより達成することが可能であり、溶離バッファーの例は1mM NaOH、10mM TrisHCl、または好ましくはpHが6.5を上回る任意の低塩バッファーまたは水を含むが、これに限定されない。
一つの実施形態においては、本願に記載の方法は1)大きな体積のサンプルからある範囲のDNAフラグメント長の分離;および2)一定のサイズ範囲内のDNAフラグメントの選択的分離を可能にする。
ピペットチップ内にモノリス結合マトリクスを包埋することにより、困難な種類のサンプルから核酸を精製するために必要とされる抽出プロセスおよび機器の使用が大きく簡素化される。結合マトリクスの幾何学的配置および多孔度は、全体積が0.1から50mLの範囲のピペットチップ内部で核酸結合のための大きな表面積を提供しながら、流動抵抗または目詰まりを最小化するよう個別に調節される。したがってマトリクスは、低圧を用いてサンプルをその中を通して移動させることができるので、微小流動に適している。サンプル吸引および分注時の二方向流動は、至適な核酸回収および溶離のためのサンプル抽出とマトリクス結合の間の滞留時間の延長を可能とし、かつ単一のフィルターチップ内で目詰まりすることなく比較的大きなサンプル体積を処理することを可能とする。ピペットチップフォーマットは、サンプル数が少ないかまたはリソースが限られている環境において有用な手持ちピペットから、多数のサンプルを同時に処理することのできる大量液状物操作システムまでの、液状物を吸い上げる任意のデバイスに対して汎用的である。
(高分子量核酸からの低分子量核酸の分別)
1つの態様においては、本願は、低分子量(LMW)核酸(例:胎児核酸)および高分子量(HMW)核酸(例:母体核酸)の両者を含有するサンプルから、LMW核酸および/またはHMW核酸と特異的に結合する1つまたはそれ以上のフィルターを用いてLMW核酸および/またはHMW核酸を濃縮および分別するための方法を提供する。方法は、LMW核酸およびHMW核酸の両者と結合する第1のフィルターにサンプルを通し、第1のフィルターから結合した核酸を回収し、HMW核酸の第2のフィルターとの結合が可能な条件下で回収した核酸を第2のフィルターに通してフロースルー分画を生成する手順であって、フロースルー分画がLMW核酸を含有することを特徴とする手順を含む。一部の実施形態においては、方法は、第2のフィルターからHMW核酸を溶離させ、その後LMW核酸の第2のフィルターとの結合を可能とする条件下でLMW核酸を含有するフロースルー分画を第2のフィルターに通し、さらに第2のフィルターからLMW核酸を溶離させる手順をさらに含む。代替的に、方法は、LMW核酸の第3のフィルターとの結合を可能とする条件下でLMW核酸を含有するフロースルー分画を第3のフィルターに通し、さらに第3のフィルターからLMW核酸を溶離させる手順をさらに含みうる。一部の実施形態においては、第1および第2のフィルターは同じフィルターである。他の実施形態においては、第1のフィルターおよび/または第2のフィルターは相異なる多孔度の2つのサブフィルターをそれぞれ含む。一部の実施形態においては、サブフィルターは互いに離れて配置される。他の実施形態においては、サブフィルターはサブフィルター間に全く空隙を伴うことなく互いに隣接して配置される。さらに他の実施形態においては、サブフィルターは互いに融着されて相異なる多孔度の2つの区分を有する単一のモノリス構造を形成する。他の実施形態においては、第1および第2のフィルターは相異なる多孔度の2つのサブフィルターを有する同じフィルターである。
一部の実施形態においては、上記の方法(すなわちサイズ排除または濃縮に基づくDNAの分別)は、通常は体積の大きい臨床サンプルからの無細胞DNAの分離において用いられる。そのような臨床サンプルの例は、妊婦由来のサンプル(母体DNAと胎児DNAの分別を目的とする)、癌患者由来のサンプル(腫瘍DNAからの正常DNAの分別を目的とする)、移植患者由来のサンプル(ドナーDNAからの宿主DNAの分別を目的とする)を含むが、これに限定されない。一部の他の実施形態においては、上記の方法はNext Generation Sequencingを実施する前のライブラリー作成プロトコルにおいて、または腎臓サンプルからの感染症の分離を目的として用いられる。
一部の実施形態においては、方法は血漿サンプルにおいて母体核酸から胎児核酸を分別および分離するために用いられる。具体的には、方法はHMW核酸(例:母体核酸)およびLMW核酸(例:胎児核酸)の両者の捕捉および濃縮のために規定された孔径を有するフィルターを利用する。この後、HMW核酸の捕捉(および溶離)およびLMW胎児核酸の保持および濃縮を実施する。
好ましい実施形態においては、ピペットチップ内でサンプルをピペッティングすることによって、サンプルがフィルターに装填されかつフィルターから溶離できるよう、フィルターはピペットチップの内部に配置される。ピペットチップフォーマットは、高スループット処理能力を提供する多様な液状物操作機器の自動化に適合しやすい。
1つの具体的な実施形態においては、方法は:a)胎児核酸および母体核酸の両者が第1のモノリスガラスフリットに結合することを可能とする条件下で、胎児核酸および母体核酸を含む血漿サンプルを第1のモノリスガラスフリットを含む第1のピペットチップの内部体積内に流すこと、(b)第1の溶離バッファーを第1のモノリスガラスフリット内に流して結合した核酸を溶離させること、(c)母体核酸の第2のモノリスガラスフリットとの結合および溶離した核酸のフロースルー分画を捕集することに好都合な条件下で、溶離した核酸を第2のモノリスガラスフリットを含む第2のピペットチップ内に流すこと、(d)結合した母体核酸を第2のピペットチップから溶離させること、(e)胎児核酸の第2のモノリスガラスフリットとの結合に好都合な条件下でフロースルー分画を再度第2のチップの内に流すこと、および(f)胎児核酸を第2のモノリスガラスフリットから溶離させることを含む。
サンプルは、相異なるサイズの核酸を含有する任意の液状サンプルとすることができる。方法は、一方のサイズ範囲(例:50〜600bp)の核酸を他方のサイズ範囲(例:600bpより長い)の核酸から分別することを可能とするよう最適化することができる。一部の実施形態においては、サンプルは血液、血漿、尿、唾液、リンパ液または脊髄液などの体液サンプルである。具体的な実施形態においては、サンプルは妊婦に由来する血漿サンプルである。
用語「LMW核酸」および「HMW核酸」は、母体血液または血漿からの胎児DNA抽出の文脈において用いられるとき、2種類の相異なるサイズ群の核酸を意味する。「LMW核酸」群の核酸は「HMW核酸」群の核酸よりも小さなサイズを有する。一部の実施形態においては、用語「LMW核酸」は1000bpまたはそれ以下の核酸を意味しかつ用語「HMW核酸」は1000bpよりも大きな核酸を意味する。他の実施形態においては、用語「LMW核酸」は800bpまたはそれ以下の核酸を意味しかつ用語「HMW核酸」は800bpよりも大きな核酸を意味する。他の実施形態においては、用語「LMW核酸」は600bpまたはそれ以下の核酸を意味しかつ用語「HMW核酸」は600bpよりも大きな核酸を意味する。
典型的な実施形態においては、方法は血漿サンプル中の母体DNA(典型的には600bpよりも大きい)から胎児DNA(典型的には600bpよりも小さい)を分離するために用いられる。方法の第1の手順は、より濃いサンプルが目詰まりすることなくマトリクスを流れることを可能とする多孔度、およびより小さなフラグメントの至適な結合を可能とする厚さを有する第1のガラスフリットフィルターを収容する1〜50mLの第1のピペットチップを利用する。一部の実施形態においては、第1のピペットチップは約20mL、約10mL、約5mL、約2mL、約1mL、約0.5mLまたは約0.1mLのチップ体積を有する。適切な血漿サンプル体積は約1から約20mLの間である。一部の例においては、処理するサンプルの体積を増加させるためにサンプルを複数のピペットチップ(例:2〜4個)に分配しうる。チップはモーター駆動ピペットフィラーと共に用いてもよく、本願に記載の方法は、シリンジポンプ、手持ちシリンジを含む多様なデバイス、または液状物をガラスフリットまたは他の種類のフィルターを通して移動させるための他の種類の自動化またはマニュアル法を用いて遂行することができる。十分に大きなフィルターを収容できる寸法である限り、種々の体積およびデザインのカラム、シリンジまたは他のフィルター用ハウジングも採用することができる。一部の実施形態においては、第1のガラスフリットフィルターは16〜40ミクロンの孔径を有する。他の実施形態においては、第1のガラスフリットフィルターは100〜160ミクロンの孔径を有する第1の区分および16〜40ミクロンの孔径を有する第2の区分を有する融着フィルターである。さらに他の実施形態においては、第1のガラスフリットフィルターは16〜40ミクロンの孔径を有する第1の区分および4〜5.5ミクロンまたは4〜10ミクロンの孔径を有する第2の区分を有する融着フィルターである。第1のガラスフィルターは2〜6mm、好ましくは4mmの厚さ、および5〜10mm、好ましくは7〜8mmの直径を有しうる。1つの実施形態においては、チップはアダプターによりモーター駆動ピペットフィラーに着接される。この設定は、上記の結合、洗浄、乾燥および溶離手順を用いた10〜20mLの血漿からの胎児核酸の抽出に用いうる。
第一のガラスフリットフィルターについての結合条件は、胎児DNAおよび母体DNAの両者のフィルターへの結合について最適化される。一部の実施形態においては、結合混合物は、プロテイナーゼKのような酵素、Triton、SDS、およびTweenなどの界面活性剤およびグアニジンなどの変性剤、および/またはグアニジン、イソプロパノールおよび酢酸ナトリウムといった所望のサイズ範囲のDNAのフィルターとの結合を促進する試薬を含んだ、血漿、細胞材料および血漿中に存在する他のタンパク質の消化、可溶化および変性のための試薬を含む。一部の実施形態においては、結合混合物は、17〜25%v/v、好ましくは約22.5%v/vの最終濃度のイソプロパノールまたはエタノール、および約0.5〜4M、好ましくは1.8Mの最終濃度のイソチオシアン酸グアニジンおよび/または塩酸グアニジンを含有する。そのような結合混合物は、結合混合物中の胎児DNAおよび母体DNAの両者が第1のガラスフリットフィルターと結合することを可能とする。胎児DNAおよび母体DNAのフィルターとの結合のために1ラウンドまたはそれ以上の間、結合混合物に第1のガラスフリットフィルターを両方向に通過させた後(すなわち一方の方向にフィルターを通過してピペットチップ内に入りさらにもう一方の方向に通過してピペットチップ外に出る)、結合したDNAを溶離バッファーで第1のフィルターから溶離させる。一部の実施形態においては、第1のフィルターは洗浄バッファーで1回またはそれ以上洗浄される。胎児および母体DNAの両者を含有する結合したDNAの溶離。一部の実施形態においては、結合したDNAは0.01〜5mL、0.01〜2.5mL、0.01〜1mL、0.01〜0.5mL、0.01〜0.25mL、0.01〜0.1mL、0.01〜0.05mL、0.05〜5mL、0.05〜2.5mL、0.05〜1mL、0.05〜0.5mL、0.05〜0.25mL、0.1〜5mL、0.1〜2.5mL、0.1〜1mL、0.1〜0.5mL、0.1〜0.25mL、0.25〜5mL、0.25〜2.5mL、0.25〜1mL、0.25〜0.5mL、0.5〜5mL、0.5〜2.5mL、0.5〜1mL、1〜5mL、1〜2.5mLまたは2〜5mLの体積で溶離する。一部の実施形態においては、胎児および母体DNAを濃縮するために結合したDNAは約0.05mLから約1mL、または約0.25mLから約0.5mLの体積で溶離される。DNAのサブポピュレーションの濃縮を必要としない用途においては、この手順はDNA抽出プロセスの最終手順でありかつDNAは典型的には50〜100μLの体積で溶離する。
方法の第2手順は、第1のフィルターから溶離したDNAサンプルからの母体DNAの除去を包含する。一部の実施形態においては、この手順は第2のガラスフリットフィルターを収容する0.2〜2mL、好ましくは1mLのピペットチップを用いて遂行される。一部の実施形態においては、第2のガラスフリットフィルターは16〜40ミクロンの孔径を有する。他の実施形態においては、第2のガラスフリットフィルターは4〜40ミクロンの孔径を有する。他の実施形態においては、第2のガラスフリットフィルターは100〜160ミクロンの孔径を有する第1の区分および16〜40ミクロンの孔径を有する第2の区分を有する融着フィルターである。さらに他の実施形態においては、第2のガラスフリットフィルターは16〜40ミクロンの孔径を有する第1の区分および4〜10ミクロンの孔径を有する第2の区分を有する融着フィルターである。第2のガラスフィルターは2〜6mm、好ましくは4mmの厚さ、および2〜6mm、好ましくは4mmの直径を有しうる。
この手順における結合混合物は、胎児DNAではなく母体DNAを第2のガラスフリットフィルターに結合させるために最適化される。一部の実施形態においては、結合混合物は、0〜10%v/v、好ましくは約4.7%v/vの最終濃度のイソプロパノールまたはエタノール、および約1.0〜4.0M、好ましくは3.4Mの最終濃度のイソチオシアン酸グアニジンおよび/または塩酸グアニジンを含有する。母体DNAのフィルターとの結合のために1ラウンドまたはそれ以上の間結合混合物を第2のガラスフリットフィルターに双方向通過させた後(すなわち一方の方向にフィルターを通過してピペットチップ内に入りさらにもう一方の方向に通過してピペットチップ外に出る)、次の手順のために結合混合物を捕集する。捕集した結合混合物は、このとき第2のフィルターからのフロースルー分画と名付けられ、胎児DNAを含有しかつ母体DNAを除去されている。
方法の第3手順は第2のフィルターからのフロースルー分画からの胎児DNAの分離を包含する。一部の実施形態においては、この手順は第2の手順で用いたものと同じピペットチップを用いて遂行される。これらの実施形態においては、第2の手順からのピペットチップを初めに溶離バッファーで洗浄して第2手順で第2のフィルターと結合した母体DNAを除去する。洗浄された母体DNAを含まない第2のフィルターは、次に胎児DNAの第2のフィルターとの結合に好都合な条件下で胎児DNAを分離するために用いる。結合した胎児DNAは、次に第2のフィルターから体積0.01〜0.1mLの溶離バッファーを用いて溶離させる。他の実施形態においては、第3手順で第3のガラスフリットフィルターを収容する0.2〜2mL、好ましくは1mLの第3のピペットチップを用いる。一部の実施形態においては、第3のガラスフリットフィルターは16〜40ミクロンの孔径を有する。他の実施形態においては、第3のガラスフリットフィルターは4〜5.5ミクロンまたは4〜10ミクロンの孔径を有する。他の実施形態においては、第3のガラスフリットフィルターは100〜160ミクロンの孔径を有する第1の区分および16〜40ミクロンの孔径を有する第2の区分を有する融着フィルターである。さらに他の実施形態においては、第3のガラスフリットフィルターは16〜40ミクロンの孔径を有する第1の区分および4〜5.5ミクロンまたは4〜10ミクロンの孔径を有する第2の区分を有する融着フィルターである。第3のガラスフィルターは2〜6mm、好ましくは4mmの厚さ、および2〜6mm、好ましくは4mmの直径を有しうる。
一部の実施形態においては、胎児DNA精製における上記の手順は単一のフィルター(すなわち単一のチップ)を用いて遂行される。胎児および/または母体DNAの結合は結合バッファーの組成によって制御される(例:結合バッファー1は胎児および母体DNAの両者のフィルターへの結合を可能とし、結合バッファー2は母体DNAのフィルターとの結合のみを可能とし、かつ結合バッファー3は胎児DNAのフィルターとの結合のみを可能とする)。一部の実施形態においては、単一のフィルターは多孔度が相異なる2つの区分を有するフィルターである。
(キット)
本願の他の態様は、血漿サンプルにおいて母体核酸から胎児核酸を分別および分離するためのキットを提供する。キットは上記の要素の任意の組み合わせを含みうる。1つの実施形態においては、キットは:円錐台形状を有しかつピペッティング機器の末端に契合するよう寸法取りされている1つまたはそれ以上のピペットチップを含む。1つまたはそれ以上のピペットチップは、約16ミクロンと約40ミクロンの間の孔径を有する硬質、自立型でほぼモノリスである焼結ガラス構造物を含むフィルターを含む1つのチップを含む。一部の実施形態においては、キットは、条件が0%を上回り10%未満のアルコールおよび約1.0Mから約4.0Mの間の範囲のグアニジンを含むことを特徴とする、母体核酸をフィルターに結合させるための条件を提供するよう配合された少なくとも1つの結合バッファー;および条件が約10〜25%の範囲のアルコールおよび約1.0Mから約5.0Mの間の範囲のグアニジンを含むことを特徴とする、胎児核酸をフィルターに結合させるための条件を提供するよう配合された少なくとも1つの結合バッファーをさらに含む。一部の実施形態においては、キットは、焼結ガラス構造物からDNAを溶離するために適切に配合された少なくとも1つの溶離バッファーおよび焼結ガラス構造物と結合しない異物を除去するために適切に配合された少なくとも1つの洗浄バッファーをさらに含む。一部の実施形態においては、1つまたはそれ以上のピペットチップは、その中に配置された2つまたはそれ以上のチップを含む。1つの実施形態においては、1つまたはそれ以上のピペットチップは、相異なる多孔度の2つの区分を有するガラスモノリスフィルターを有するチップを含む。他の実施形態においては、1つまたはそれ以上のピペットチップは多孔度の相異なる2つのフィルターを有するチップであって、一方のフィルターの末端が他方のフィルターの末端と融着されることを特徴とするチップを含む。
(自動フィルターチップシステム)
本願に従った方法を実施する任意の様態を採用することができる。しかし、フィルターチップの特性、適合性、簡素性、およびワークフローは、それが容易に適合化され、自動化され、かつ数多くの臨床サンプルマトリクス、装填サンプル体積、および液状物操作システムに対して有効となることを可能とする。したがって、好ましい実施形態においては、操作の様態はある種の自動化を含む。
一部の実施形態においては、本願は本願のフィルターを用いて液状サンプルから核酸を精製するための自動化法を提供する。方法は、(a)自動的に試薬を分注し、サンプル内容物を取出し、かつピペットチップおよび/またはサンプルチューブを移動させることができる自動化ロボットプラットフォームを提供すること;(b)各チップが第1の開口部と第2の開口部の間の流路を規定するハウジング、および流路の一区分を占めるフィルターを含み、フィルターが核酸と特異的に結合するモノリスフィルター材料を含む複数の本願のピペットチップを、ロボットプラットフォームに装填すること;(c)液状サンプルの少なくとも一部分が、その一部分に含まれる核酸がフィルター材料を通過しかつこれと結合するよう、第1の開口部を経てハウジング内に汲み上げられることを特徴とする、核酸を含む液状サンプルのその一部分をピペットチップに流し入れること;(d)液状サンプルのその一部分がピペットチップ外に出る間にフィルターを2回目に通過することを特徴とする、液状サンプルのその一部分を第1の開口部を経てピペットチップから排除すること;(e)溶離バッファーがピペットチップに出入りする間にフィルターを通過することを特徴とする、溶離バッファーを第一の開口部からピペットチップに流し入れかつその溶離バッファーを第1の開口部を経てピペットチップから排除することによって核酸をフィルターから溶離させること;および(f)複数のピペットチップのそれぞれにおいて手順(c)〜(e)を繰り返すことを含む。
さらなる実施形態においては、洗浄バッファーがピペットチップに出入りする間にフィルターを通過するよう洗浄バッファーを第1の開口部からピペットチップに流し入れかつその洗浄バッファーを第1の開口部を経てピペットチップから排除することによってフィルターが洗浄されることを特徴とする、洗浄手順が含まれる。好ましくは、洗浄手順は複数のピペットチップのそれぞれにおいて複数回反復される。
さらなる実施形態においては、フィルターに空気を複数回通過させることによってフィルターを乾燥することを特徴とする乾燥手順が含まれる。一部の実施形態においては、フィルターはフィルターに空気を10、20、30、40、50、60、70、80、90、100回またはそれ以上通過させることによって乾燥する。
一部の実施形態においては、フィルター材料は約2ミクロンと約220ミクロンの間の孔径を有しかつ/または約2mmから6mmの厚さを有する焼結ガラスフリットを含む。一定の実施形態においては、ピペットチップは、2つまたはそれ以上のフィルターのそれぞれが核酸と特異的に結合することを特徴とする、相異なる多孔度の2つまたはそれ以上のフィルターを含む。
一定の実施形態においては、液状サンプルは母体核酸および胎児核酸を含む血漿サンプルであり、かつ第1のフィルターから遊離された母体および胎児核酸を含む溶離した核酸の一部分は第2のフィルター材料を含む第2のフィルターを含む第2のピペットチップを流れ、母体核酸がピペットチップを通過して第2のフィルター材料と結合しかつ胎児核酸が第2のピペットチップの第2のフィルター材料およびそこから胎児核酸を回収する第1の開口部を通過するよう、溶離した核酸が第2のピペットチップの第1の開口部を経て上下に流れることを特徴とする。
システム、デバイス、および方法は、プログラマブルロジックによって完全自動化または半自動化することができる。操作の1つの様態においては、方法はマルチウェルプレート(例:24−ウェル、96ウェルなど)において実施される。自動化液状物操作は試験しようとする混合物を調製するために行う必要のある作業の量を減らすことになるので、混合物はこれを用いて混合することが好ましい。自動サンプリングプロトコルは、技術上既知である装置および方法を用いてロボティクスにより実施することもある。
任意の適切な機械または装置を用いて、自動化精製システムおよびその種々の処理手順にわたってサンプルを移動させうる。たとえば、本願で採用されるシステムは技術上既知である多様なロボティクスを用いてサンプル、試薬、および他のシステム構成要素の移動を自動化することができる。典型的なロボットシステムは、サンプルを1、2、または3軸上で移動させかつ/またはサンプル約1、2、または3軸の周りで回転させる能力を有する。典型的なロボットは工作物の上、下または横に位置しうるトラック上を移動する。典型的には、ロボットコンポーネントは、たとえば工作物を把握しかつ/または移動し、ピペッターを挿入し、試薬を分注し、吸引することなどができるロボットアームなどの機能的コンポーネントを含む。本願で用いる「ロボットアーム」は、好ましくはマイクロプロセッサで制御される、サンプル、試験管またはサンプルを収容するプレートを一方の位置から他の位置に物理的に移動するデバイスを意味する。各位置は自動化精製システムのユニットとすることができる。ロボットアームの制御のためのソフトウェアは、一般に、アームの製造者から入手可能である。
ロボティクスは、たとえば作業領域の上、下、または横などのトラック上に翻訳され、かつ/またはアームが作業領域の異なる位置に到達することを可能とする関節セグメントを含みうる。ロボティクスは、たとえば電気、空気圧または液圧駆動されうる、技術上既知のモーターによって駆動されうる。標準的PLCプログラミングまたは他の技術上周知の方法といった、任意の適切な駆動制御システムを用いてロボティクスを制御することができる。ロボティクスは、任意に、光学的または機械的に位置および/または力を測定し、かつロボットが所望の位置まで誘導されることを可能にする位置フィードバックシステムを含む。ロボティクスは、任意に、特定の位置を反復的に確保することを可能とする機械的留め具、光学マーカーまたはレーザーガイドなどの位置確定メカニズムも含む。
典型的な自動化サンプリングプロトコルは、たとえば、エッペンドルフepMotion5070、epMotion5075、ハミルトンSTARlet、STARおよびSTARplus液状物操作ロボットを利用しうる。そのようなプロトコルはRNA分離、全血からのゲノムDNA分離および以下にさらに説明するような母体血漿からの胎児DNA抽出および濃縮のために改変しうる。
しかし、すべての臨床サンプルはそれぞれ異なり、かつ粘度、粒子、粘液、表面汚染物質、微生物および/またはヒトゲノムバックグラウンドが個々に異なることを認識しなければならない。臨床サンプルの組成および自動化フィルターチップサンプル調製プロトコルの意図される用途に多様性が予測されると仮定すれば、所望の結果を達成するためにフィルターチップ手順のうちある手順を変更することが必要となりうる。たとえば、本願に記載される核酸の純度および/またはフィルターからの回収率は、(1)サンプル混合および溶解バッファー(およびアルコール)によるホモジナイゼーション;(2)流量;(3)サンプル数;(4)洗浄の回数および種類および(5)乾燥といった数多くのパラメーターによって影響されうる。
たとえば(1)に関しては、本願に記載のフィルターチップが比較的大きな孔径を有する一方で、サンプルのホモジナイゼーションおよび液化は効率的な細胞溶解およびその後のフィルターチップマトリクスへの結合手順にとって非常に重要である。均一かつ十分に液化されたライセートがあれば、サンプルをより高い流量でフィルターチップに通過させることも可能であり、これにより全般的なサンプル処理時間が短縮される。以下の大量血漿プロトコルによって説明するように、大きな装填サンプル体積は、困難なサンプルを(オンラインまたはオフラインで)完全にホモジナイズしかつ液化する機会をユーザーに提供するフィルターチップで効率的に処理することが可能であり、装填サンプル体積に対する懸念はわずかに過ぎない。
さらに、総処理時間が長くなるが、核酸結合または溶離時の流量がより遅いと、典型的には高い核酸収率がもたらされることを認識しなければならない。より遅い流量はDNA剪断の程度も最小化するであろう。
吸引および分注サイクルの至適回数は、サンプルの種類、総サンプル体積、および流量によって異なる。図2Aの手順1は、相異なる患者に由来する鼻咽頭吸引液の粘度範囲によって最適化がより困難なライセートの1つの典型であるNPAなどのサンプルに伴い、サイクル回数(および流量)がある種の経験的最適化を必要とする典型的な時点である。
フィルターチップマトリクスの完全な乾燥は、残留有機溶媒が精製された核酸サンプルと共溶離して下流の処理または試験を阻害することを防止するために推奨される。フィルターチップは遠心分離または真空濾過では乾燥されないので、流量および乾燥手順のサイクル数を共に最大化することが重要である。時に、乾燥サイクルが完了した後フィルターチップの末端に残留洗浄液の滴が存在する。ハミルトンロボットは、ウェルの側面で「チップタッチ」を実施して滴を除去し、それにより溶媒のない溶離を確保する能力を有する。epMotionシステムにはこの機能がないが、溶離バッファーでのフィルターチップ末端のプレリンスをプログラムして同じ効果を達成することができる。
幾何学的配置、ピペットチップ材料、およびロボットチャネルアームへの着接法は各機器の製造者に特有であるので、各液状物操作システムに対して相異なるフィルターチップ構造が必要である。フィルターチップマトリクスの寸法(直径、厚さおよび孔径)は、あらゆる固相抽出技術について予測されるように、核酸結合能力(および溶離効率)と相関する。大きな体積のサンプルに対する核酸結合能力を高めかつ/または個々のフィルターチップフォーマット間でマトリクス結合能力を均等化するために厚い(>4mm)マトリクスを1mLフィルターチップに包埋しうるが、その一方でフィルターチップの厚さと初回結合手順中の流量の間にトレードオフがある。したがって、自動化プロコルの開始手順には、より大きな体積のピペットチップにより大きな直径のマトリクスを包埋することが時に有益である(例:大量抽出用5mLハミルトン/アコーニTruTips(登録商標))。しかし、液状物操作ロボットの製造者が規定する個々のフィルターチップ設定を考えると、フィルターチップの核酸収量が、相異なる製造者の液状物操作プラットフォームまたは相異なるフィルターチップサイズ間で同一であると予測することは合理的でない。自動化フィルターチッププロトコルの臨床的な評価および市販の自動化システムとの直接比較は、他稿で詳細に報告される予定である。
(定義上の)臨床サンプルは、通常は無菌である部位から取得されている場合(例:脳脊髄液)を除き、相当な量のヒトゲノムDNAを含有するであろう。時にヒトゲノムDNAが所望される一方で、他の用途においてヒトDNAは望ましくないゲノムバックグラウンドを意味する。また、所望の核酸が痕跡量で存在する場合はキャリアーの役割を果たすこともある。バックグラウンドDNAの存在は、サンプル中の核酸の総量がマトリクスの結合能力を上回らない限り、通常は問題とならない。
下記の大量血漿抽出プロトコルの場合(図9)、目的は10〜20倍過量の母体DNAの存在下で(フラグメント化)胎児DNAを分離することであり、これは、配列が高度に一致しかつ特異度の高い分子的試験および/またはサイズ判別によってのみ識別することができることを除いて、感染症検査のサンプル調製の目的と同様である。一部の実施形態においては、総循環DNAは5mLフィルターチップを用いて分離し、さらにその後の高分子量および低分子量胎児DNAは、この後で結合バッファー条件を変化させることによる1mLフィルターチップとの結合および溶離によって分別される。シリカモノリスへの標的核酸の結合および溶離特性に基づくその選択的サイズ分別および濃縮は、膜またはサイズ排除スピンカラムによって達成されるものから著しく異なる作業様式である。ヒトゲノムDNAからの微生物DNAのサイズ分別および濃縮は、フィルターチップ結合および溶離バッファーを個別調節することによって同様に達成しうる。
一旦自動化フィルターチッププロトコルが検証されれば、プロセスに過誤が導入される状況は比較的少ない。しかしながら、誤ったフィルターチップを用いるかまたは誤った試薬トラフに試薬を配置して液状物操作ロボットを設定する可能性もある。一部の実施形態においては、プレフィルド、ホイル密封試薬プレートを提供してそのようなミスを回避する。プレフィルドプレートは自動化手順の複雑度を著しく簡素化し、ピペットチップおよび消耗品の数を減少させ、かつ抽出を実施するために必要なデッキスペースを最小化することができる。その後は、抽出の結果は典型的には初期サンプルの品質を表し、通常の場合低い回収率は抽出における過誤ではなくサンプル劣化(輸送または保管時)と関係する。
本願でさらに説明する自動化プロトコルは、多様な臨床サンプルを処理することに対するフィルターチップマトリクスそれ自体の有用性、および大きな体積および個々の液状物操作ロボット対してそれをどのように適合化できるかを強調する。フィルターチップ手順を自動化するために必要とされる主要なハードウェアは、磁性ロッド、真空システムまたはオンボード遠心分離器よりもむしろピペットチャネルアームそれ自体であるので、本願のフィルターチップシステムの簡素さは、新しい自動化核酸精製システムを購入することに興味を持つ者に対してある程度の費用面の利点をもたらす。フィルターチッププロトコルによってデッキスペースを最小化することにより、上級ユーザーは上流または下流自動化プロセスを本発明のフィルターチップシステムと一体化することもできる。たとえば、全血を分画化するハミルトンのeasyBloodソリューションは、自動化フィルターチップ抽出法と組み合わせることが可能であり、これによりバイオバンキングプロセスが著しく能率化されるであろう。核酸定量および正規化などの抽出後プロセス、PCR設定およびDNAシークエンシングも、より大きな液状物操作プラットフォームを用いてフィルターチップと容易に一体化される。
本願の態様の1つは、液状サンプルから核酸を精製するための自動化法であって:(a)フィルターが核酸と特異的に結合することを特徴としかつ自動化ロボットプラットフォームが自動的に試薬を分注し、サンプル内容物を取出し、およびピペットチップおよび/またはサンプルチップを移動させることができることを特徴とする、各チップが第1の開口部と第2の開口部の間の流路を規定するハウジングおよび流路の一区分を占めるフィルターを含む、複数のピペットチップをロボットプラットフォームに装填すること;(b)核酸がピペットチップを通過しかつその中のフィルターと結合するよう核酸を含む液状サンプルの少なくとも一部をピペットの第1の開口部から流し入れること;(c)液状サンプルのその一部分がピペットチップ外に出る間に2回目にフィルターを通過することを特徴とする、ピペットチップから第1の開口部を経て液状サンプルのその一部分を排除すること;および(d)溶離バッファーがピペットチップに出入りする間にフィルターを通過することを特徴とする、溶離バッファーをピペットチップの第1の開口部から流し入れかつその溶離バッファーを第1の開口部を経てピペットチップから排除することによって核酸をフィルターから溶離させることを含む自動化法に関する。一部の実施形態においては、手順(b)〜(d)は複数のピペットチップのそれぞれにおいて遂行される。
一部の実施形態においては、方法は、洗浄バッファーがピペットチップに出入りする間にフィルターを通過することを特徴とする、洗浄バッファーを第1の開口部を経てピペットチップに流し入れかつその洗浄バッファーを第1の開口部を経てピペットチップから排除することによってフィルターを洗浄する手順をさらに含む。関連する実施形態において、洗浄手順は2回またはそれ以上反復される。
一部の実施形態においては、サンプルを流しかつ排除する手順はすべての液状サンプルが少なくとも1回フィルターを通過するまで反復される。
一部の実施形態においては、フィルターは自立型ガラスフリットを含む。関連する実施形態においては、ガラスフリットは核酸の結合を促進する薬剤によって処理またはコーティングされていない焼結ガラスフリットである。他の関連する実施形態においては、ガラスフリットは約2ミクロンと約220ミクロンの間の孔径を有しかつ約2mmと約20mmの間の厚さを有する。
一部の実施形態においては、液状サンプルは母体および胎児核酸を含有する血漿を含む。関連する実施形態においては、ピペットチップは、2つまたはそれ以上のフィルターのそれぞれが核酸と特異的に結合することを特徴とする、多孔度の相異なる2つまたはそれ以上のフィルターを含む。
本願の他の態様は、血漿サンプルにおいて母体核酸から胎児核酸を分別および分離するための方法であって:(a)胎児および母体核酸の第1のフィルターとの結合を可能とする条件下で胎児核酸および母体核酸を含む血漿サンプルを第1のフィルターに流すこと;(b)結合した胎児および母体核酸を第1のフィルターから溶離させて胎児核酸と母体核酸を含む濃縮核酸サンプルを形成すること;(c)母体核酸が第2のフィルターと結合しかつ胎児核酸が第2のフィルターを経て流れることを可能とする条件下で濃縮核酸サンプルを第2のフィルターに流すこと;および(d)第2のフィルターからのフロースルー分画が胎児核酸を含有することを特徴とする、第2のフィルターからのフロースルー分画を捕集することを含む方法に関する。
一部の実施形態においては、手順(a)において胎児および母体核酸の第1のフィルターとの特異的結合を可能とする条件は、血漿サンプル、約17〜25%(v/v)の間の範囲の脂肪族アルコールおよび約0.5Mから約4.0Mの間の濃度範囲のカオトロピック塩を含む第1の結合混合物を形成することを含む。
一部の実施形態においては、手順(c)における母体核酸の第2のガラスフリットフィルターとの結合のための条件は、濃縮核酸サンプル、約0〜10%(v/v)の間の範囲の脂肪族アルコールおよび約1Mから約4.0Mの間の濃度範囲のカオトロピック塩を含む第2の結合混合物を形成することを含む。
一部の実施形態においては、方法は:(e1)第2のフィルターから母体核酸を溶離させて再生された第2のフィルターを生成する;(f1)胎児核酸の第2のフィルターとの結合を可能とする条件下で第2のフィルターからのフロースルー分画を再生された第2のフィルターに流す;および(h1)手順(f1)において第2のフィルターから結合した胎児核酸を溶離させる手順を含む。関連する実施形態においては、手順(f1)において胎児核酸を第2のフィルターと結合させるための条件は、第2のガラスフリットフィルターからのフロースルー分画、約10〜25%(v/v)の間の範囲の脂肪族アルコールおよび約1Mから約5.0Mの間の濃度範囲のカオトロピック塩を含む第3の結合混合物を形成することを含む。一部の実施形態においては、方法は、(e2)胎児核酸が第1のフィルターと結合することを可能とする条件下で第2のフィルターからのフロースルー分画を第1のフィルターに流す;および(f2)結合した胎児核酸を手順(e2)の第1のフィルターから溶離させる手順をさらに含む。
一部の実施形態においては、第1および第2のフィルターは自立型ガラスフリットである。関連する実施形態においては、ガラスフリットは焼結ガラスフリットである。他の関連する実施形態においては、第1のガラスフリットは16〜40ミクロンの孔径を有しかつ第2のガラスフリットフィルターは4〜10ミクロンの孔径を有する。
一部の実施形態においては、方法は:(e3)胎児核酸が第3のフィルターと結合することを可能とする条件下で第2のフィルターからのフロースルー分画を第3のフィルターに流す;および(f3)結合した胎児核酸を第3のフィルターから溶離させる手順をさらに含む。
一部の実施形態においては、第1および第2のフィルターの一方または両者は、第1の孔径が第2の孔径と異なることを特徴とする、第1の孔径を有する第1の区分および第2の孔径を有する第2の区分を含むガラスフリットを含む。
一部の実施形態においては、第1のフィルターおよび第2のフィルターは同じフィルターである。
本願の他の態様は、血漿サンプルにおいて母体核酸から胎児核酸を分離するためのキットであって:ガラスフリットフィルターが2〜220ミクロンの孔径を有しかつ核酸のガラスフリットフィルターとの結合を促進する薬剤によって処理またはコーティングされていないことを特徴とする、自立型ガラスフリットフィルターを含むピペットチップ、血漿サンプルと混合されかつ脂肪族アルコール約17〜25%v/vおよび約0.5Mから約4.0Mの間の濃度のカオトロピック塩を有する第1の結合混合物を提供するよう配合された第1の結合バッファー;および血漿サンプルと混合されかつ脂肪族アルコール約0〜10%v/vおよび約1Mから約4.0Mの間の濃度のカオトロピック塩を有する第1の結合混合物を提供するよう配合された第2の結合バッファーを含むキットに関する。
一部の実施形態においては、キットは第1のガラスフリットフィルターを含みかつ0.5〜50mLのチップ体積を有する第1のピペットチップ;および第2のガラスフリットフィルターを含みかつ0.5〜50mLのチップ体積を有する第2のピペットチップを含む。関連する実施形態においては、第1のガラスフリットフィルターは16〜40ミクロンの孔径を有しかつ第2のガラスフリットフィルターは4〜10ミクロンの孔径を有する。一部の実施形態においては、ガラスフリットフィルターは第1の孔径を有する第1の区分および第2の孔径を有する第2の区分を含む融着ガラスフリットを含む。関連する実施形態においては、第1の区分は100〜160ミクロンの孔径を有しかつ第2の区分は16〜40ミクロンの孔径を有するか、または第1の区分は16〜40ミクロンの孔径を有しかつ第2の区分は4〜10ミクロンの孔径を有することを特徴とする。
以下の実施例は、本発明のある態様を例示しかつ当業者が本発明を実践することを支援するために提供される。これらの実施例はいかなる様態においても全く本発明の範囲を制限すると考慮されない。
(鼻咽頭吸引物からの自動RNA抽出)
エッペンドルフepMotion5070液状物操作ロボットを、1.2mLエッペンドルフピペットチップに包埋した大孔径アコーニTruTip(登録商標)マトリクス、2mL深型ウェルプレート(USAサイエンティフィック)、アコーニTruTip(登録商標)抽出試薬、およびサンプルマトリクスとしての鼻咽頭吸引物と共に用いた。epMotion5070液状物操作ロボットは8チップのみを同時に保持するので、ベースライン自動化プロトコルは8サンプル同時抽出用に記述した。しかし、1枚の96ウェル深型ウェルサンプルプレートでは1プログラムで24サンプルまで処理することができる。16または24サンプルの処理用に別のepMotionプログラムを入手することができる(また必要とされる)。以下に概要を示すプロトコルは、8サンプル自動化スクリプト用である。
(設定)
1.1 抽出を開始する前に鼻咽頭サンプルを室温中に取り出す。
1.2.鼻咽頭吸引物100μL+非ヌクレアーゼ含有水150μLをサンプルプレートのカラム1に分注する;図3A)。
1.3 サンプルプレートをepMotionワークテーブルの位置B1に載置する(図3B)。
1.4 ピペットチップ、フィルターチップおよび30mL試薬トラフをepMotionワークテーブルのそれぞれの位置に載置する(図3B)。
1.5 エッペンドルフepBlueソフトウェアを開き、アコーニが8サンプル用に提供するRunファイルを選択し、RUNタブ上のRUNボタンをクリックして方法を読み込む。
1.6 Levelセンサー設定でLevelとTipを選択し、さらにRUNボタンをクリックする。
1.7 サンプル体積をソフトウェアに入力し、RUNをクリックする。
1.8 epMotionスクリプトが、ワークテーブルの位置B2に位置する試薬レザバーに抽出および溶離試薬を補充するようユーザーに要求する。各試薬の推奨体積をそれぞれのトラフに補充する。8サンプルに対する最小試薬体積を表1に示す。
1.9 上記の手順1.8の要求時に、epMotionソフトウェアに表示される表に試薬の体積を入力すること。ユーザーが各試薬レザバーに分注するバッファーの体積は、上記の最小体積よりも大きいかまたは等しくなければならない。実際のバッファーの体積が手順1.8の推奨体積と比べて著しく大きい場合は、epMotionソフトウェアの表に各レザバー内のおおよその体積を入力すること。体積を誤入力するとepMotionハードウェアが各チューブまたは98ウェルプレートのウェルに誤った分取体積を送達する可能性がある。
(自動化プログラム)
1.10 RUNを選択して自動化法を開始する。自動化スクリプトは、ユーザーが介入することなく以下の手順(すなわち1.11〜1.23)を経て進行する。
(サンプル溶解および試薬分取)
1.11 溶解バッファーD 374μLをカラム1に分注すると共に10サイクル(吸引+分注=1サイクル)混合する。この手順から分解インキュベーションプロセスが開始し、同時に残りの試薬が分取される。
1.12 洗浄バッファーD 1.6μLをカラム2に分注する。
1.13 洗浄バッファーE 1.6μLをカラム3に分注する。
1.14 溶離バッファーA 50μLをカラム4に分注する。
1.15 6分間休止して分解バッファーD中での10分間のサンプルインキュベーションを完了する。
1.16 カラム1の各ウェルにエタノール375μLを加え、各サンプルを10ピペッティングサイクルでエタノールと混合する。
(抽出)
1.17 8本のフィルターチップをワークテーブル上の位置A2から装填し、図3Aおよび3Bに概要を示す抽出プロセスを開始する。
1.18 サンプル/溶解バッファー/エタノール混合液をサンプルプレートカラム1から7サイクル吸引および分注し、核酸をTruTip(登録商標)マトリクスと結合させる。TruTip(登録商標)マトリクスを流れるサンプル流量は変動することがあるものの(臨床サンプルの粘度の違いによる)、核酸収量は影響されない。サンプルの流動を改善するための選択肢は、考察において記載する。
1.19 フィルターチップをサンプルプレートカラム2に移動し、マトリクスを通して洗浄バッファーDで5回サイクルし、残留溶解バッファーおよびサンプルマトリクスを除去する。
1.20 フィルターチップをサンプルプレートカラム3に移動し、マトリクスを通して洗浄バッファーEで5回サイクルし、タンパク質およびその他の汚染物質を結合した核酸から除去する。
1.21 フィルターチップを(ワークテーブルの位置B2の)位置1の空の試薬レザバーに移動し、(高流量で)80回サイクルしてマトリクスを乾燥する。溶離する核酸標本中の残留溶媒は逆転写酵素およびTaqポリメラーゼなどの酵素に好ましくない影響を与えるので、フィルターチップを完全に乾燥することが重要である。
1.22 フィルターチップをサンプルプレートのカラム4に移動し溶離バッファーAで5回サイクルする。抽出および精製された核酸はこのときサンプルプレートカラム4のウェル内の溶離バッファー中に存在する。
1.23 フィルターチップをepMotionの廃棄物容器に押し出す。
プログラムが完了したならば、サンプルプレートを機器からマニュアルで取り出し、さらに精製された核酸を長期保存またはさらなる使用のために新しい試験管に移す。上級epMotionユーザーは、所望であれば、溶離したサンプルを別の保存用チューブまたはPCRプレートに移すよう、Runファイルに指示を追加することができる。合計16サンプル用のプログラムでは、サンプルプレートカラム5〜8を用いて手順1.11から1.16まで繰り返す。24サンプルプログラムについては、手順1.11から1.16を、それぞれサンプルカラム5〜8および9〜12を用いてさらに2回繰り返す。
表2は、実施例1で用いる試薬および装置のリストを提供する。
(実施例1で用いられる試薬および装置)
(代表的な結果)
鼻咽頭吸引物からのインフルエンザRNA抽出についてのリアルタイムPCRデータを図4に示す。平均C値における線形反応が10ゲノムコピーmL−1と10ゲノムコピーmL−1の間のインフルエンザで認められ(インフルエンザAおよびBについてそれぞれR=0.99および0.98)、平均C値の標準偏差は1サイクル未満である。8、16および24サンプルについての総サンプル処理時間は、それぞれ16、28および40分である。典型的な鼻咽頭吸引物またはスワブはインフルエンザAまたはBを>10TCID50mL−1含有し、これは>10ゲノムコピーml−1(1TCID50あたり1000ビリオンと仮定)を表しているので、それゆえ自動化epMotionプロトコルは大半の臨床NPA検体に対して有効であると予測される。
(ゲノムDNAの自動抽出)
ハミルトンSTAR液状物操作ロボットを用いて、全血からの96サンプルの自動化抽出を実証した。ハミルトンSTARは、デッキ上でオプションのヒーター/シェーカーユニットを利用できるという点でepMotionシステムと異なり、これは全血などのいくつかの臨床マトリクスの酵素的消化にとって重要である。システムは96チャネルピペットヘッドに嵌合することができるので、フィルターチップ手順および試薬のそれぞれに専用の96ウェルプレートがある。
(設定)
2.1 STAR機器およびコンピュータの電源を入れる。
2.2 ハミルトンRun Controlソフトウェアを開く。
2.3 アコーニが96サンプル用に提供するRunファイルを開く。
2.4 実験器具を図5に示すようにSTARデッキに配置する。
2.5 表3に従い、対応するトラフに試薬を分注する(体積は96サンプルの処理に必要とされる最小量を示す):
2.6 サンプルを室温と平衡させる。
2.7 サンプルキャリアーラック(図5のデッキ位置4)にサンプルチューブを配置する。サンプル1をキャリアーの左端の最後部に配置し、各キャリアーを連続的に下に移動し、正面右のサンプル96で終了する。
(自動化プログラム)
2.8 Runファイルウインドウの左上のPLAYボタンを選択する。自動化スクリプトはユーザーが介入することなく以下の手順で進行する。
(前処理)
2.9 各サンプルチューブから200μLをヒーター/シェーカーモジュール上の位置14にあるインキュベーションプレートに移す(図5)。
2.10 プロテイナーゼK80μLをインキュベーションプレートの各サンプルウェルに分注する。
2.11 溶解バッファーF 600μLをインキュベーションプレートの各ウェルに分注する。
2.12 フィルターチップで溶液を10サイクル混合し、さらにその後70℃かつ500rpmで20分間インキュベートする。サンプルをインキュベートすると同時に、液状物操作システムが試薬をその対応するプレートおよびウェルに分注して作動し続ける。
・位置10の深型ウェルプレートの各ウェルにエタノール800μL。
・位置11の深型ウェルプレートの各ウェルに洗浄バッファーJ 1.6mL。
・位置12の深型ウェルプレートの各ウェルに洗浄バッファーK 1.6mL。
・位置13の深型ウェルプレートの各ウェルに溶離バッファーA 100μL。
2.13 20分間インキュベートした後、サンプル混合物をインキュベーションプレートから位置10の深型ウェルプレートに移し、さらに12ピペッティングサイクルで混合される。
2.14 試薬チップを廃棄物容器に押し出す。
(抽出)
gDNA血液手順のこの部分は、洗浄試薬の組成とサイクル数以外は、epMotionインフルエンザのプロトコルと非常に類似している。ハミルトンTruTip(登録商標)チップは液状物レベルの感知を可能とするため炭素含浸されているので、ユーザーはTruTip内の液状物の流動を容易に目視できない。
2.15 デッキ位置3から96本のTruTip(登録商標)を装填する。
2.16 位置10のサンプル/溶解バッファー/エタノール混合液を10サイクル吸引および分注し、核酸をTruTip(登録商標)マトリクスと結合させる。
2.17 フィルターチップを位置11に移動し、マトリクスを通して洗浄バッファーJで5回サイクルし、残留溶解バッファーおよびサンプルマトリクスを除去する。
2.18 フィルターチップを位置12に移動し、洗浄バッファーKで5回サイクルしてタンパク質およびその他の汚染物質を結合した核酸から除去する。
2.19 フィルターチップを高速で40回サイクルして風乾する。
2.20 フィルターチップを位置13に移動し溶離バッファーA2中で5回サイクルする。抽出および精製された核酸はこのとき深型ウェルプレート中の溶離バッファー内に存在する。
2.21 フィルターチップを廃棄物容器に押し出す。
プログラムが完了したならば、溶離プレートを機器から取り除きさらに抽出されたサンプルを長期保存または下流用途のための適切なチューブに移す。
表4は、実施例2で用いる試薬および装置のリストを提供する。
(実施例2で用いられる試薬および装置)
(代表的な結果)
ヒトゲノムDNAに対して実施する分子的試験の範囲を考えると、全血からの核酸抽出の主要な目的は純度の高い高分子量ゲノムDNAを生成することである。96サンプル用自動化プロトコルは1時間以内に完了する。図6Aは、ハミルトンSTARプロトコルで45本の試薬ブランクと同時に処理した45本の陽性血液サンプルについてのUV/可視光吸光度プロフィールを示し、平均A260/280比は1.96でありかつ平均A260/230比は1.93である。1.7〜2.0の平均A260/280比および>1.7のA260/230比は、一般に、非常に純度の高いDNAである、残留塩、タンパク質または溶媒を含まない、および大半の下流の分子的用途に許容されることを示す。図6Bの1%アガロースゲルは、生成するgNDAが高分子量(>24Kb)で剪断が最小限であることを示す。全45本の陽性サンプル一式に由来するヒトDNAを、LightCycler(登録商標)480システム上でQuantifiler(登録商標)ヒトDNA定量キット(ライフテクノロジーズ)により定量し、全血200μLあたりヒトDNA5.26±0.46μgの平均収量をもたらした。
表5は、全血、バフィーコート、唾液、頬部ぬぐい液、ラット肺、ラット肝臓、ラット脾臓およびラット腎臓から自動精製したgDNAからの平均A260/280比を示す。
(多様なサンプル種に由来するゲノムDNAの品質)
図6Cはプール全血装填200μLを1mL TruTip(登録商標)フィルターで処理しさらに体積100μLで溶離した各8回の分離からのリアルタイムqPCRの結果を示す。結果は、独立した3測定日に相異なる測定者が分離したヒトDNAの平均収量に高度な再現性があることを示す。図6Dは、全血からの平均gDNA収量が、1mL TruTip(登録商標)フィルターから処理した全血装填体積100μL、200μLおよび300μL(左側)および 5mL TruTip(登録商標)フィルターから処理した全血体積1000μLおよび2000μL(中央および右)にわたって線形であったことを示す。図6Eは、唾液24ウェルおよびPBS24ウェルを収容するプレートが自動DNA抽出プロセスに付された交叉汚染試験の結果を示す。各ウェルから抽出されたDNAをその後qPCRで増幅した。図6Eに示すように、ウェル間に交叉汚染はなかった。図6Fは、キアゲンのマニュアルスピンカラム法(右カラム/対)および本発明による自動化抽出法(左カラム/対)を用いて抽出した7つの個別盲検化唾液サンプル(サンプルA〜G;400μL装填/100μL溶離)からの平均gDNA収量の比較からのUV吸収率の結果を示す。データは、本願の自動プロセスはキアゲンプロセスよりも優れたサンプルgDNA回収率を提供することを示唆する。図6Gは、5つの競合他社の抽出系(カラム2〜6)と比較した、TruTip(登録商標)フィルター(カラム1)から処理した200μL全血の処理時間を示す。
(胎児核酸を精製するためのプロトコル)
非侵襲的出生前診断(NIPD)は、胎児奇形および流産を含む多くのリスクを負う標準的な出生前診断法の代替となるその能力によって、革新的な医療の進歩を提供する、重要かつ急速に成長する市場である。そればかりか、母体の血漿中に存在する胎児DNAの遺伝的異常を検査することに必要なのは簡易な採血のみである。この方法は、出生前診断のよりリスクの低い手法を提供するものの、特殊な処理技術を必要とするサンプルの種類には多くの困難もある。第1に、妊娠初期の胎児DNAは母体血漿中に低濃度で存在するので、大量のサンプルを処理および濃縮して分析に適した量を達成できることが重要である。しかし、現在市販されているキットではわずか250μL〜5mLを装填して総核酸を分離することができる。第2に、循環胎児DNAは、母体血漿中で高い母体循環DNAバックグラウンド中で存在する(Lo 1997)。血液サンプルを適切な時点で(<24時間)処理しなければ、母体DNAバックグラウンドが時間と共に上昇して存在する%胎児DNAのさらなる低下を引き起こす(Barrett 2011)。この低比率は、胎児DNAに特異的な遺伝子の種々のコピー数を正確に定量することを困難にする。さらに、母体血漿サンプルは、どれだけ迅速に処理されるかに応じて、スピンカラム結合材料の目詰まりを引き起こす凝固因子および他のタンパク質および凝固剤を含有することがある。第3に、規制当局が承認する臨床診断測定法に移行する場合に自動化が容易であることは重要な能力であるが、現在のキットは自動化が容易でないシリカスピンカラム法を用いている。
本発明にしたがって血漿サンプルにおいて母体核酸から胎児核酸を分別および分離するための典型的なプロトコルを以下に提供する。
(3.1.0 設定)
3.1.1 プロテイナーゼKを5mLサンプルチューブに615μLずつ分注する(1サンプルにつき5mLサンプルチューブ2本)。
3.1.2 キャリアーRNAをサンプルチューブに1μg(0.2μg/μLを5μL)ずつ添加する。
3.1.3 溶解バッファーCN−L1をサンプルチューブに6.2mLずつ添加する。
3.1.4 血漿サンプルをサンプルチューブに5mL添加する。
3.1.5 サンプルチューブをボルテックスの最大スピードで30秒間振盪する。
3.1.6 水浴内で60℃で30分間インキュベートする。
3.1.7 結合バッファーCN−B1をサンプルチューブに12mL添加する。
3.1.8 BSA(20mg/mL)をサンプルチューブに10μL(20mg/mL)添加する。
3.1.9 サンプルチューブをボルテックスの最大スピードで15秒間振盪する。
3.1.10 サンプルチューブを氷上で5分間インキュベートする。
(3.2.0 抽出)
3.2.1 胎児および母体DNAのフィルターへの結合
3.2.1.1 20mLピペットチップをモーター駆動ピペットフィラーに着接する。
3.2.1.2 サンプルチューブA内で液状サンプルを18サイクルピペッティングする(サイクル=吸引+分注)。
3.2.1.3 サンプルチューブBについて手順3.2.1.2を繰り返す。
3.2.1.4 (液状サンプルの入った)サンプルチューブを廃棄するが、ピペットチップは保持する。
このとき核酸はピペットチップフィルターと結合している。
3.2.2 洗浄
3.2.2.1モーター駆動ピペットフィラーを用いて、ピペットチップにより洗浄バッファーを1サイクルピペッティングする。
3.2.2.2 洗浄バッファーは廃棄するがピペットチップは保持する。
3.2.2.3 手順3.2.2をさらに3回繰り返す。
核酸はまだピペットチップフィルターと結合している。
3.2.3 乾燥
3.2.3.1 モーター駆動ピペットフィラーを用いて、ピペットチップフィルターに15サイクル通気する。相当量の洗浄バッファーが残っている場合は、ピペットチップを穏やかに間欠的にタッピングする。
この手順は、過量の洗浄バッファーから発生しうるPCR阻害を回避するためのものである。
3.2.3.2 1分間待ってピペットチップフィルターを完全に乾燥させる。
核酸はまだピペットチップフィルターと結合している。
3.2.4 精製された母体および胎児核酸をピペットチップから溶離する。
3.2.4.1 溶離バッファーをピペットチップ内に吸い上げ、1分間待って溶離バッファーをフィルター上でインキュベートする。
3.2.4.2 液状物を溶離1チューブにピペッティングし、合計5サイクル繰り返す。
3.2.4.3 溶離2チューブで手順3.2.4.1および3.2.4.2を繰り返す。
3.2.4.4 チューブを遠心機に付して内容物を底に集め、溶離チューブ1および2のサンプルを合わせる。
3.2.4.5 溶離チューブに収容された総体積を測定し、溶離バッファーA2を加えて全量を450μLとする。
このとき抽出された核酸は溶離チューブ内に存在する。
3.2.4.6 ピペットチップを廃棄する。
このとき精製された核酸は排除および濃縮できる状態である。
(3.3.0 HMW核酸の排除)
3.1.1 準備
3.3.1.1 手順3.2.4.5からの溶離サンプルを、適切なサンプル番号をラベル表示した2mLマイクロ遠心チューブに移す。
3.3.1.2 結合バッファーCN−B2を495μL加える。
3.3.1.3 サンプルをボルテックスで10秒間振盪しさらにパルス遠心する。
3.3.2 HMW核酸をピペットチップと選択的に結合させる。
3.2.2.1 1mL4mmピペットチップを電子ピペットに着接する。
3.2.2.2 サンプルチューブの液状サンプルを20サイクルピペッティングする(サイクル=吸引+分注)。
3.3.2.3 サンプルチューブを閉じ、取り出す。
廃棄してはならない;サンプルチューブは胎児DNAを含んでいる。
3.3.2.4. ピペットチップを保持する。
このとき高MW核酸(母体DNA)はピペットチップフィルターと結合している。
3.3.3 (ピペットチップをすすぐ)
3.3.3.1 リンスチューブ内で液状物を5サイクルピペッティングする。
3.2.2.2 リンスチューブは廃棄するがピペットチップは保持する。
核酸はフィルターから遊離する。
(3.4.0 LMW核酸の濃縮)
3.4.1 準備
3.4.1.1 結合バッファーCN−B3をサンプルチューブに575μL加える。
3.4.1.2 サンプルチューブをボルテックスで10秒間振盪しさらにパルス遠心する。
3.4.2 LMW核酸を結合させる。
3.4.2.1 サンプルチューブ内で液状物を20サイクルピペッティングする。
3.4.2.2 サンプルチューブは廃棄するがピペットチップは保持する。
このとき核酸はフィルターと結合している。
3.4.3 LMW核酸の洗浄
3.4.3.1 レイニンピペットに対して上記と同じ条件を維持する。
3.4.3.2 洗浄1チューブ内で液状物を1サイクルピペッティングする。
3.4.3.3 洗浄1チューブは廃棄するがピペットチップは保持する。
3.4.3.4 溶離2チューブで手順3.4.3.2および3.4.3.3を繰り返す。
核酸はまだフィルターと結合している。
3.4.4 乾燥
3.4.4.1 ピペットチップを空の乾燥チューブに入れ、ピペットチップに15サイクル通気する。相当量の洗浄バッファーが残っている場合は、ピペットチップを穏やかに間欠的にタッピングする。
この手順は、過量の洗浄バッファーから発生しうるPCR阻害を回避するためのものである。
3.4.4.2 1分間待ってフィルターを完全に乾燥させる。
核酸はまだピペットチップフィルターと結合している。
3.4.5 溶離
3.4.5.1 溶離チューブ内の液状物をピペットチップ内に引き上げ、1分間待って溶離バッファーをフィルター上でインキュベートする。
3.4.5.2 溶離チューブ内で液状物を合計10サイクルピペッティングする。
3.4.5.3 溶離したサンプルを溶離チューブ内に保持する。
このとき抽出された核酸は溶離チューブ内に存在する。
3.4.5.4 ピペットチップを廃棄する。
このとき、精製された核酸はPCR増幅または−20℃(長期保存には−80℃)での保存ができる状態である。
上記の精製手順は図7に要約される。一部の実施形態においては、手順の費用を低減するために全精製手順(すなわち3.1.0から3.4.5.4)において単一のピペットチップのみを用いる。胎児および/または母体DNAのピペットチップフィルターとの選択的結合は、相異なる結合バッファーによって達成される。一部の実施形態においては、単一のピペットチップは多孔度が相異なる2つの区分を有するガラスフリットフィルターを収容する。他の実施形態においては、単一のピペットチップは多孔度の相異なる2つの区分を有する焼結ガラスフリットフィルターを収容する。他の実施形態においては、単一のピペットチップは多孔度の相異なる2つのフィルターを収容しかつフィルターは互いに融着される。他の実施形態においては、単一のピペットチップは多孔度の相異なる2つまたはそれ以上のフィルターを収容する。
一部の実施形態においては、上記の方法(すなわちサイズ排除または濃縮に基づく胎児DNAの分別)は、癌患者のサンプル(腫瘍DNAからの正常DNAの分別用)または移植患者由来のサンプル(ドナーDNAからの宿主DNAの分別用)からの他の無細胞DNAの分離において用いられる。プロトコルのサイズ排除/濃縮部分は、Next Generation Sequencingを実施する前のライブラリー作成プロトコルにおいても用いることができるであろう。大量のサンプルからのDNA小フラグメントの分離(必ずしも濃縮を含まない)は、腎臓サンプルからの感染症の分離のための一般的な用途でもある。
(胎児DNA抽出手順の特性決定)
(DNA回収効率)
男性および女性全長ゲノムDNA(プロメガ)を、ガラスビーズを有するPCRチューブの側壁でホーンソニケーターを用いてフラグメント化し、さらに女性および男性DNAについて超音波処理時間を最適化して所望のフラグメント範囲を生成し、プロトコルの排除手順用にサイズ間を識別する能力を開発および実証した。結果を図8Aに示す。男性DNAは<600bpのサイズ範囲にフラグメント化し(約150bp前後が中心)、血漿サンプル中の循環胎児DNAをシミュレーションした。女性DNAは約400bpから1200bpのサイズ範囲にフラグメント化し(約800bp前後が中心)、血漿サンプル中の母体DNAをシミュレーションした。フラグメント化女性DNA200ngおよび種々の量のフラグメント化男性DNA(1、3、10、30および100ng)の混合物を含有するサンプルを調製し、実施例3に記載のDNA抽出プロトコルで抽出した。図8Bは、フラグメント化男性DNA(Chrom Y)DNAおよび総DNA(Chrom1)の回収物のqPCR結果を示す。3回の抽出の平均であるデータを示す。各抽出サンプルはqPCRにより2回ずつ測定した。結果は、試験濃度範囲内で有効な男性DNA回収量が達成されかつキアゲン循環核酸キットを用いた収量と匹敵することを示す。キアゲン法と比較して低いTruTipについての総DNA回収量は、TruTipプロトコルの濃縮効果を証明している。
他の一連の実験では、相異なる寸法およびマトリクス多孔度を有するガラスフリットフィルターを、胎児および母体DNAの回収について試験した。簡単に述べると、フラグメント化男性DNAを10ng添加した女性血漿10mLを、相異なる寸法およびマトリクス多孔性を有するガラスフリットフィルターを用い、実施例3の手順3.2.0に記載の手順(抽出手順のみ)にしたがって処理し、抽出したDNAを溶離バッファー250μLに回収し、胎児(CHY)および総(CH1)DNAについてqPCRで分析した。結果を表6に要約する。
(排除手順(実施例3の手順3.3)および濃縮手順(実施例3の手順3.4)の効果と対比した濃縮手順(実施例3の手順3.4)のみの効果)
フラグメント化男性および女性DNAの混合物(装填)を、手順3.3によって、またはこれを用いない実施例3の基本的プロトコルを用いて抽出した。図9に示すように、排除手順3.3がない場合、濃縮手順3.4は男性DNAを80%回収し、装填量(約2.4%)と比較してわずかに濃縮することができた。排除手順3.3が濃縮手順に含められると、結果は男性DNA(CHY)についてわずかに低いが女性DNAについては著しく低い回収率がみられることを示し、その結果この場合の%胎児DNAは全体的に約8%上昇する(表7)。
(大量血漿サンプルから胎児核酸を抽出するための自動化プロトコル)
ハミルトンSTARplus機器を用いて、母体血漿5mLより遊離循環胎児DNAを抽出するための自動化プロトコルを開発および実証した。STARplusシステムは、一方が8×5mLチャネルでかつ一方が8×1mLチャネルの、2台の自動化ピペットチャネルアームを支持することができる。これらのアームは、各8サンプルのバッチで交互処理を実施するために平行して作動することができる。初回の大量抽出には5mLフィルターチップを用いてよく、また抽出された核酸のサイズ分別およびさらなる濃縮には1mLフィルターを用いてよい。
(準備)
5.1 STARplus機器およびコンピュータの電源を入れる。
5.2 ハミルトンRun Controlソフトウェアを開く。
5.3 アコーニより8サンプルの大量血漿サンプル用に提供されたRunファイルを開く。
5.4 実験器具を図10に示すようにSTARplusデッキに配置する。
5.5 表8に従い、試薬をその対応するレザバーに分注する。

5.6 サンプルを室温と平衡させる。
5.7 サンプルキャリアーラック(図10Aのデッキ位置3)にサンプルチューブを配置する。再後部にサンプル1を配置し、デッキの前方に連続的に移動する。
(自動化プログラム)
装填サンプルの体積が大きいので、ハミルトンSTARplus機器の外で水浴中での前処理手順を実施しなければならない。自動化プロトコル中のユーザーの介入を要する手順は文頭の米印(*)(および太字)で表示する。
(前処理)
サンプルをプロテイナーゼKおよび溶解バッファーでインキュベートしてサンプルをホモジナイズしかつ細胞を溶解してDNAを遊離させる。
5.8 Runファイルウインドウの左上のPLAYボタンを選択する。
5.9 自動化スクリプトで血漿5mL、プロテイナーゼK 615μL、および溶解バッファーCN−L1 6.3mLを各50mLコニカルチューブに添加すると、その後PAUSEとなる。
5.10 *サンプルデッキより50mLコニカルチューブを取り出し、ボルテックスで30秒間高速振盪し、水浴またはヒートブロック上で30分間60℃でオフラインインキュベーションを実施する。コニカルチューブをハミルトンデッキから取り出した後、自動化スクリプトをRESUMEとして引き続き試薬をそれぞれのプレートおよびウェルに分注する(図10Bおよび10C)。
・CN−W1 2mLを位置9カラム1のウェルに1つおきに分注する。
・CN−W2 2mLを位置9カラム2のウェルに1つおきに分注する。
・CN−W4 2mLを位置9カラム3のウェルに1つおきに分注する。
・EA2 250μLを位置9のカラム4および5のウェルに1つおきに分注する。
・EBB 1mLを位置10カラム2の全ウェルに分注する。
・CN−W3 500μLを位置10カラム3の全ウェルに分注する。
・CN−W4 500μLを位置10カラム4の全ウェルに分注する。
・EBA2 50μLを位置10カラム5の全ウェルに分注する。
5mLチャネルは各サンプルを隣り合ったウェルで使用するには口径が大きすぎるので、自動化プログラムではデッキ位置9の深型ウェルプレートの1つおきのウェルに試薬を分注する。
試薬を分注すると、プログラムはPAUSEとなる。
5.11 *30分、60℃でのインキュベーション後、50mLコニカルチューブを氷上に5分間載置する。
5.12 *50mLコニカルチューブをデッキ位置4のサンプルキャリアーラック内の元の位置に戻し、自動化スクリプトをRESUMEとする。
5.13 結合バッファーCN−B1を各サンプルチューブに12mL添加し、10回混合する。
(大量抽出)
5mLフィルターチップを用いて溶解血漿サンプルから総DNAを抽出してもよい。
5.14 大量核酸抽出用に5mLフィルターチップを位置2から取り出す。
5.15 50mLコニカルチューブ中で、チューブの底から開始して各ピペッティングサイクル後に3mm上に移動しながら、サンプル混合物を15回サイクルする。この手順で総核酸を結合マトリクスと結合させる。
5.16 フィルターチップを位置6の深型ウェルプレートカラム1に移動し、洗浄バッファーCN−W1中で1回サイクルする。
5.17 フィルターチップを位置9のカラム2に移動し、洗浄CN−W2中で1回サイクルする。
5.18 フィルターチップを位置9のカラム3に移動し、洗浄CN−W4中で2回サイクルする。
5.19 フィルターチップを位置9のカラム4に移動し、高速で40回サイクルして結合マトリクスを乾燥する。
5.20 フィルターチップを位置9のカラム5に移動し、10回サイクルして結合した核酸を5mLフィルターチップから溶離させる。これは大量溶離物#1である。
5.21 フィルターチップをカラム6に移動し、溶離バッファーの第2の分取物を用いて手順を繰り返す。これは大量溶離物#2である。
5.22 溶離物#2を位置9のカラム5に移動して溶離物#1と合わせ、さらにフィルターチップを廃棄する。
(排除および濃縮)
高分子量DNAを抽出サンプルから除去し、残りのDNAを分離および濃縮する。
5.23 手順5.22の混合した溶離液を位置10のカラム1に添加し、完全に10回混合する。
5.24 位置13から1mLフィルターチップを取り出し、20回サイクルして高分子量DNAをマトリクスと結合させる。
5.25 フィルターチップを位置10のカラム2に移動し5回サイクルしてチップをすすぐ。フィルターチップは保持し、位置13のチップラックに戻す。
5.26 位置12の試薬チップを用いて、結合バッファーCN−B3を位置10カラム1のサンプルに575μL添加しさらに10回混合する。
5.27 手順5.25のフィルターチップを取り出し、位置10のカラム1に戻し、20回サイクルしてサンプル由来の残りのDNAを1mLチップに結合させる。
5.28 フィルターチップを位置10のカラム4に移動し洗浄CN−W3中で1回サイクルして残余阻害物質をすべて除去する。
5.29 フィルターチップを位置10のカラム5に移動し洗浄CN−W4中で1回サイクルしてCN−W3由来の残余のグアニジンを除去する。
5.30 フィルターチップを位置10のカラム5の上に持ち上げし、35回通気サイクルしてマトリクスを乾燥させる。
5.31 フィルターチップを位置10のカラム6に移動し、EBA2中で10回サイクルして精製、サイズ選択および濃縮した核酸を溶離させる。
5.32 ピペットチップを廃棄する。
5.33 溶離したサンプルをカラム6から位置11の1.5mLチューブに移す。
抽出したサンプルは保存または下流処理できる状態である。
表9は、実施例5で用いる試薬および装置のリストを提供する。
(代表的な結果)
大量フィルターチップ手順で処理したプール母体血漿サンプルの8回反復実施サンプルのリアルタイムの結果を図11Aに示す。プロトコルの全体(オフラインでのプロテイナーゼK前処理を含む)は約2時間で完了する。すべての反復実施にわたる平均C値は胎児男性(CHY)および総(CH1)DNAについてそれぞれ34.58±0.66および29.76±0.50であり、これは自動化抽出法の優れた反復性を証明する。標準に対するフィットポイント分析比較に基づき、総DNAプール中の胎児DNA濃度(ゲノム当量)を算出した結果、全サンプルを通じた%胎児DNAの平均は2.8%であった。サンプルは抽出を実施する前にプールされていたので、このサンプルについての実際の%胎児DNAは不明である。
図11Bは、上記の抽出手順にしたがってアコーニTruTip(登録商標)を採用した自動化システム(左カラム/対)と、キアゲンのマニュアル循環核酸キット(右カラム/対)を用いた、11の異なる母体血漿サンプルから2回ずつ回収した胎児DNAの百分率の比較を示す。
本発明は、いかなる特定の理論または作用とも無関係に、高い結合能力を目的として比較的厚い硬質自立型マトリクス構造物を実装することによって上記のニーズを満たし、低い流体抵抗、より速い流量、および臨床および環境サンプル中の粒子に対するより高い耐性を目的として比較的大きな空隙を含み、かつ遊離性の材料(例:シリカゲル、珪藻土、ガラスビーズなど)から構成されない。
結合マトリクスおよびチップフォーマットは:i)高い抽出効率および濃縮を目的とした高表面積、ii)大きなサンプル体積および汚染サンプルのための大きな空隙率、iii)遠心分離または真空マニフォールドの必要性を回避する単純な構想;およびiv)抽出生成物の任意の下流増幅検出系との適合性を含む、現在の技術では実現されない数多くの利点を提供する。本願に記載のシステムは、ロボット液状物操作システム上でより高いスループットの処理のために、十分に特性決定されかつ容易にスケールアップされる堅牢な操作と簡素化された製造を提供するよう、壊れやすく繊細な材料(例:ファイバーフィルター、メンブランフィルター、シリコン微細構造)の使用を回避する。
本願で用いられる用語および記述は、例示のみを目的として記載されかつ制限を意味しない。当業者は、特に指示がない限りすべての用語が可能なその最も広い意味で理解されるべきである、以下の請求項に定義される本発明の趣旨および範囲内の数多くの変法、およびその同義のものが可能であることを認識するであろう。

Claims (18)

  1. 血漿サンプルにおいて高分子量(HMW)核酸から低分子量(LMW)核酸を分別および分離するための方法であって:
    (a)該LMW核酸および該HMW核酸の第1のフィルターとの特異的結合を可能とする条件下で該LMW核酸および該HMW核酸を含む血漿サンプルを前記第1のフィルターに流すこと;
    (b)結合した該LMW核酸および該HMW核酸を前記第1のフィルターから溶離させて該LMW核酸および該HMW核酸を含む濃縮核酸サンプルを形成すること;
    (c)前記HMW核酸が第2のフィルターと特異的に結合しかつ該LMW核酸が前記第2のフィルターを通過することを可能とする条件下で前記濃縮核酸サンプルを前記第2のフィルターに流すこと;および
    (d)前記第2のフィルターからの前記フロースルー分画が該LMW核酸を含有することを特徴とする、前記第2のフィルターからの前記フロースルー分画を捕集することを含み、
    但し、該LMW核酸は600bp以下、且つ、該HMW核酸は600bpより大きい、前記方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、手順(a)における前記LMW核酸および前記HMW核酸の前記第1のフィルターとの特異的結合を可能とする前記条件が前記血漿サンプル、17〜25%(v/v)の間の範囲の脂肪族アルコールおよび0.5Mから4.0Mの間の濃度範囲のカオトロピック塩を含む第1の結合混合物を形成することを含むことを特徴とする前記方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、手順(c)において前記HMW核酸を前記第2のガラスフリットフィルターと結合させるための前記条件が前記濃縮核酸サンプル、0〜10%(v/v)の間の範囲の脂肪族アルコールおよび1Mから4.0Mの間の濃度範囲のカオトロピック塩を含む第2の結合混合物を形成することを含むことを特徴とする前記方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって:
    (e1)結合した前記HMW核酸を前記第2のフィルターから溶離させて再生された第2のフィルターを生成すること;
    (f1)前記LMW核酸の前記第2のフィルターとの結合を可能とする条件下で前記第2のフィルターからの前記フロースルー分画を前記の再生された第2のフィルターに流すこと;および
    (h1)結合した前記LMW核酸を手順(f1)における前記第2のフィルターから溶離させることという手順をさらに含む前記方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、手順(f1)における前記LMW核酸を前記第2のフィルターと結合させるための前記条件が前記第2のガラスフリットフィルターからの前記フロースルー分画、10〜25%(v/v)の間の範囲の脂肪族アルコールおよび1Mから5.0Mの間の濃度範囲のカオトロピック塩を含む第3の結合混合物を形成することを含むことを特徴とする前記方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって:
    (e2)前記LMW核酸の前記第1のフィルターとの結合を可能とする条件下で前記第2のフィルターからの前記フロースルー分画を前記第1のフィルターに流すこと;および
    (f2)結合した前記LMW核酸を手順(e2)における前記第1のフィルターから溶離させることという手順をさらに含む前記方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記第1および第2のフィルターが自立型ガラスフリットであることを特徴とする前記方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、前記ガラスフリットが焼結ガラスフリットであることを特徴とする前記方法。
  9. 請求項7に記載の方法であって、前記第1のガラスフリットフィルターが16〜40ミクロンの孔径を有しかつ前記第2のガラスフリットフィルターが4〜10ミクロンの孔径を有することを特徴とする前記方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって:
    (e3)前記LMW核酸の第3のフィルターとの結合を可能とする条件下で前記第2のフィルターからの前記フロースルー分画を前記第3のフィルターに流すこと;および
    (f3)結合した前記LMW核酸を前記第3のフィルターから溶離させることという手順をさらに含む前記方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、前記第1および第2のフィルターの一方または両者が第1の孔径を有する第1の区分および第2の孔径を有する第2の区分を含むガラスフリットを含むことを特徴とし、前記第1の孔径が前記第2の孔径と異なることを特徴とする前記方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、前記第1のフィルターおよび前記第2のフィルターが同じフィルターであることを特徴とする前記方法。
  13. 血漿サンプルにおいて高分子量(HMW)核酸から低分子量(LMW)核酸を分離するためのキットであって:
    自立型ガラスフリットフィルターを含むピペットチップであって、前記ガラスフリットフィルターが2〜220ミクロンの孔径を有しかつ核酸の前記ガラスフリットとの結合を促進する薬剤によって処理またはコーティングされていないことを特徴とするピペットチップ;
    血漿サンプルと混合されかつ脂肪族アルコール17〜25%v/vおよび0.5Mから4.0Mの濃度のカオトロピック塩を有する第1の結合混合物を提供するよう配合された第1の結合バッファー;および
    濃縮核酸サンプルと混合されかつ脂肪族アルコール0〜10%v/vおよび1Mから4.0Mの濃度のカオトロピック塩を有する第2の結合混合物を提供するよう配合された第2の結合バッファーを含み、
    但し、該LMW核酸は600bp以下、且つ、該HMW核酸は600bpより大きい、前記キット。
  14. 請求項13に記載のキットであって、前記ピペットチップが0.5〜50mLのチップ体積を有することを特徴とする前記キット。
  15. 請求項14に記載のキットであって、自立型ガラスフリットフィルターを含む追加的ピペットチップをさらに含み、前記追加的ピペットチップが0.5〜50mLのチップ体積を有することを特徴とする前記キット。
  16. 請求項15に記載のキットであって、前記ガラスフリットフィルターが16〜40ミクロンの孔径を有しかつ前記追加的ピペットチップ内の前記ガラスフリットフィルターが4〜10ミクロンの孔径を有することを特徴とする前記キット。
  17. 請求項14に記載のキットであって、前記ガラスフリットフィルターが第1の孔径を有する第1の区分および第2の孔径を有する第2の区分を含む融着ガラスフリットを含むことを特徴とする前記キット。
  18. 請求項17に記載のキットであって、前記第1の区分が100〜160ミクロンの孔径を有しかつ前記第2の区分が16〜40ミクロンの孔径を有するか、または前記第1の区分が16〜40ミクロンの孔径を有しかつ前記第2の区分が4〜10ミクロンの孔径を有することを特徴とする前記キット。
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