JP2002534080A - 核酸分子の単離のための方法および組成物 - Google Patents

核酸分子の単離のための方法および組成物

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JP2002534080A JP2000592395A JP2000592395A JP2002534080A JP 2002534080 A JP2002534080 A JP 2002534080A JP 2000592395 A JP2000592395 A JP 2000592395A JP 2000592395 A JP2000592395 A JP 2000592395A JP 2002534080 A JP2002534080 A JP 2002534080A
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ロバート ダブリュー. ブレークスレイ,
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インビトロジェン コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般的に、核酸分子を単離する際に使用するための組成物、方法およびキットに関する。より詳細には、本発明は、溶解による細胞からの核酸の単離および1つ以上のさらなる単離工程(例えば、1つ以上のクロマトグラフィー工程)に有用な、このような組成物、方法およびキットに関する。詳細には、本発明は、核酸分子が統合型溶解/クロマトグラフィーマトリックスを使用して単離する組成物、方法およびキットに関する。本発明の組成物、方法およびキットは、細胞から核酸分子の種々の形態を単離するために適し、これらの核酸分子としては、プラスミド、ベクター、DNA、cDNA、RNA、ミトコンドリアDNA、葉緑体DNAなどが挙げられるが、これらには限定されない。本発明の組成物、方法、およびキットは、細菌細胞からの可溶性プラスミドまたはベクターDNAの迅速な単離に特によく適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、分子生物学および遺伝学の分野にある。本発明は、一般的に、核酸
分子を単離する際に使用するための組成物、方法、およびキットに関する。より
詳細には、本発明は、溶解による細胞からの低分子量核酸分子(例えば、ベクタ
ー、プラスミドなど)の単離および1つ以上のさらなる単離工程(例えば1つ以
上のクロマトグラフィー工程)に有用な、このような組成物、方法およびキット
に関する。本発明の組成物、方法およびキットは、細胞から種々の形態の核酸分
子を単離することに適している。
【0002】 (関連技術) 細菌細胞からのプラスミドDNAの単離の最も一般的な方法は、アルカリ溶解
、続いてバッチクロマトグラフィーに基づく。この溶解手順(Birnboim
,H.およびDoly,J(1979)Nucleic Acids Res.
7,1513)において、細胞を完全に破壊させ、放出されたタンパク質および
核酸を変性させ、次いで、プラスミドDNAを優先的に再生する。次いで、沈澱
した変性タンパク質および染色体DNAを溶解性プラスミドDNAから分離した
。典型的には、プラスミドDNAは、さらに、クロマトグラフィーマトリックス
から選択的に結合および放出することによって、タンパク質、脂質および核酸を
混入する残渣から精製される。1つの例において、クロマトグラフィーマトリッ
クスは、陰イオン交換樹脂(例えば、Qiagen−tip20(Qiagen
および米国特許第4,997,932号)またはCONCERT High P
urity Plasmid Miniprep System(Life T
echnologies,Inc.および米国特許第5,843,312号))
である。あるいは、クロマトグラフィーマトリックスは、シリカ吸着樹脂(例え
ば、Wizard Minipreps DNA Purification
Resin(Promegaおよび米国特許第5,658,548号)またはC
ONCERT Rapid Plasmid Miniprep System
(Life Technologies,Inc))である。プラスミドDNA
の精製には有効的ではあるが、アルカリ溶解法にはいくつかの欠陥が認識される
:第1に、アルカリ溶解法は、比較的長い処理時間を示し、第2に、アルカリ溶
解法は、少なくとも3つの異なる溶液を用いる多くの手動操作を含み、第3に、
クロマトグラフィフィーの前に沈澱の除去を必要とし、そして第4に、いくつか
の工程において、経験を積んだ操作者による注意深い操作が必要である。
【0003】 最近、真核生物細胞からのゲノムDNAの精製およびグラム陰性の細菌からの
染色体DNAの精製のための新規なタイプのシステムが導入された。GENER
ATION DNA Purification Capture Colum
n Kit(Gentra Systems)において、精製マトリックスは、
細胞を溶解し、そしてDNAを捕捉するために使用される。捕捉されたDNAは
、最初に緩衝液で洗浄され、次いで、そのマトリックスをElution So
lution中で10分間99℃で加熱し、次いで遠心分離することによって放
出される。このシステムは、細胞溶解および固相クロマトグラフィーを単一の操
作に組み合わせ、Boomらの方法(米国特許第5,234,809号)に類似
する。この方法は、DNAがおそらくマトリックス繊維によって捕捉され、そし
て変性時に放出されるのみであり、ゲノムDNAをフラグメント化した一本鎖に
する点でBoomらと異なる。Boomらの方法における細胞溶解時に、DNA
は、シリカ粒子上にすぐに吸収され、次いで、これは分離濾過操作により洗浄さ
れる。DNAは、室温での低塩緩衝液の適用の後の濾過によりシリカから除去さ
れる。穏やかな溶出条件がネイティブのDNA構造を維持し、DNAの幅広い単
一性を与え、GENERATION Kitから誘導される変性DNAより好ま
しい。
【0004】 しかし、ゲノムDNAおよび染色体DNAの単離のための技術の分野での有効
性にもかかわらず、プラスミド、ベクターなどの低分子量核酸分子の単離に有用
な、迅速でそして有効な組成物、方法およびキットについて当該分野において必
要が残っている。本発明は、このような組成物、方法およびキットを提供する。
【0005】 (発明の要旨) 本発明は、一般的に、核酸分子を単離する際に使用するための組成物、方法お
よびキットに関する。より詳細には、本発明は、溶解による細胞(例えば、細菌
細胞、動物細胞、真菌細胞、酵母細胞または植物細胞)からの核酸の単離および
1つ以上のさらなる単離工程(例えば、1つ以上のクロマトグラフィー工程)に
有用な、このような組成物、方法およびキットに関する。詳細には、本発明は、
所望の核酸分子が統合型溶解/クロマトグラフィーマトリックスを使用して単離
する組成物、方法およびキットに関する。
【0006】 さらに詳細には、本発明は、核酸分子、特に低分子の核酸分子を単離するため
の方法に関し、この方法は: (a)低分子量核酸分子を含む1つ以上の細胞または細胞供給源を提供する工
程; (b)1つ以上の細胞または細胞供給源と、高分子量核酸分子(例えば、ゲノ
ムまたは染色体核酸分子)を結合するかまたは補足するが、低分子量核酸(例え
ば、ベクター、プラスミドなど)を結合も補足もしない、少なくとも1つの有孔
性マトリックスとを接触させる工程; (c)1つ以上の細胞または細胞供給源(またはその一部)が、溶解または破
壊され(例えば、細胞膜および/または細胞壁の完全性を破壊する)、その結果
、低分子量および高分子量核酸分子が1つ以上の細胞または細胞供給源から放出
される、工程;および (d)低分子量核酸分子を収集する工程、 を包含する。
【0007】 本発明に従って、細胞は、細胞とマトリックスを接触する工程の前に溶解され
得るかまたは破壊され得るが、細胞溶解または破壊は、好ましくは細胞がマトリ
ックスと接触された後に行われ、より好ましくは、細胞がマトリックスと接触さ
れると同時(same time)にまたはほぼ同時に(例えば、同時(sim
ultaneously)または実質的に同時)に行われる。別の局面において
、細胞を、好ましくは、細胞溶解または破壊の前またはその間に、マトリックス
内またはマトリックス上で補足される。なお別の局面において、細胞と、細胞溶
解または破壊を引き起こすかまたは補助する組成物または化合物とを接触する工
程によってこの細胞を溶解/破壊するが、機械的または物理的力(例えば、圧力
、音波処理、温度(加熱、凍結)、および/または凍結−解凍など)が、本発明
に従って使用し得る。さらに、機械的力、物理的力または溶解組成物/化合物が
細胞を破壊/溶解するために使用され得る。1つ以上の細胞(またはその一部)
が本発明に従って溶解/破壊された後、低分子量核酸分子(またはその一部)を
、高分子量核酸分子とを実質的に分離する。このような分離は、好ましくは、高
分子量の分子をマトリックス結合/補足し、そして低分子量の分子を実質的に補
足/結合することによって達成される。このような作用は、目的の低分子がマト
リックスを実質的に通過することを可能にするが、一方大きな分子がマトリック
スに補足されるかまたは結合されるこのような分子の物理的分離を可能にする。
【0008】 本発明に従って、マトリックスは、高分子量を捕捉するかまたは結合し、そし
て/あるいは低分子量核酸分子を実質的に結合も捕捉もしない任意の多孔性マト
リックスであり得る。このようなマトリックスには、ポリエステルマトリックス
、ポリオレフィンマトリックス、焼結(scintered)ポリエチレンマト
リックス、ニトロセルロース、セルロースアセテートマトリックス、多孔性セラ
ミックマトリックス、シリカマトリックス、多糖類マトリックス(Sephar
ose、アガロース、Sepadexなど)、ポリマーマトリックス(Seph
acry、Trisacryl、Toyopearl、Bio−Gelなど)な
どが挙げられ得るが、これらには限定されない。好ましい局面において、マトリ
ックスは、固体マトリックスであるが、マトリックスは半固体マトリックスでも
よい。適切なマトリックス材料は、例えば、Filtrona Richmon
d,Inc.(Richmond、Virginia)、Bio−Rad(Ri
chmond、California)、Gentra Systems(Mi
nneapolis、MN)、Tosohaas(Montgomeryvil
le、PA)、BioSepra,Inc.(Marlborough、MA)
およびPorex Technologies Corp.(Fairburn
、GA)から市販で得られ得る。関連した局面において、マトリックスは、種々
のサイズ、形状および形態(平坦、ウェハ、円筒状、矩型、ビーズ、ゲル、正方
形、カートリッジ、スワッブチップ(swab tip)、プラグ、フリット、
膜などを含む)で調製され得、そしてまた、チューブ、ボトル、バイアル、アン
プル、マイクロスピンチューブ、ウェル、マルチウェルプレート、バッグなどの
種々の容器内に含まれ得る。好ましい局面において、本発明は、低分子量核酸分
子(例えばベクター)を高分子量核酸分子から分離または実質的に分離するため
のサイズ分離クロマトグラフィーおよび/または濾過の使用を含む。従って、所
望のサイズ分離(例えば、濾過、クロマトグラフィー支持体など)を提供する任
意のマトリックスが、本発明で使用され得る。当業者は、所望の核酸分子のタイ
プおよびサイズ、細胞型または細胞供給源、所望でない核酸分子のサイズを考慮
した、適切なマトリックス、マトリックスの孔サイズ、マトリックスのサイズ、
形状および寸法などを容易に決定し得る。別の局面において、本発明は、このよ
うなサイズ分離クロマトグラフィー/濾過と、細胞溶解/破壊(好ましくは、こ
のような溶解/破壊は、細胞供給源がクロマトグラフィー/濾過マトリックスと
接触したとき、またはほぼそのとき、あるいは細胞供給源がクロマトグラフィー
/濾過マトリックスと接触した後に、なされる)とを組み合わせる。マトリック
スの孔または通路は、典型的には、大きな核酸分子の通過を防ぐのに十分な小さ
さであるが、低分子量核酸分子の通過を可能にするのに十分な大きさであり、そ
して約0.1〜約10,000マイクロメートルの直径、約0.1〜約5,00
0マイクロメートルの直径、約0.1〜約1,000マイクロメートルの直径、
約1〜約500マイクロメートルの直径、約10〜約500マイクロメートルの
直径、または約25〜約400マイクロメートルの直径の範囲であり得る。
【0009】 1つの好ましい実施形態において、細胞膜または細胞壁の完全性を破壊する組
成物または化合物は、以下を含み得る:1以上の界面活性剤(例えば、ドデシル
硫酸ナトリウム(SDS)またはSarkosyl、Triton X−100
、NP−40、デオキシコレートまたはBrij 35);1以上のカオトロピ
ック(chaeotropic)剤(例えば、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナト
リウムあるいはグアニジンまたはその塩);1以上の酵素(例えば、ザイモリア
ーゼ、リチカーゼ、リゾチームまたはリソスタフィン);1以上の無機塩(例え
ば、塩化ナトリウム、塩化カリウムまたは塩化リチウム);1以上の酸および/
または塩基あるいは緩衝剤(例えば、pHを上昇または減少させるための);1
以上の有機溶媒(例えば、トルエン、フェノール、エタノール、イソプロパノー
ル、イソアミルアルコール、ブタノール、エーテル(例えば、ジエチルエーテル
、ジメチルエーテル、またはエチルメチルエーテル)、またはクロロホルム);
あるいは細胞膜および/または細胞壁の完全性を破壊する(すなわち、細胞膜お
よび/または細胞壁を溶解するか、または細胞膜および/または細胞壁に孔の形
成を引き起こす)、任意の他の化合物または酵素(例えば、ポリミキシンB)。
別の局面において、これらの組成物は、所望でない成分または混入物を分解、破
壊または除去するための、1以上の化合物または酵素(例えば、リボヌクレアー
ゼ(RNase)(細胞供給源から放出された所望でないRNAの除去または破
壊または分解のため)および/またはプロテアーゼ(例えば、プロテイナーゼK
)(放出されたタンパク質を破壊または分解するため))を含み得る。これあの
組成物はまた、上記の成分の任意の組み合わせを含み得る。1つの特に好ましい
このような局面において、この組成物はまた、1以上の細胞または細胞供給源を
マトリックスに適用する前に、そのマトリックス上に吸着され得るか、あるいは
そのマトリックスと複合体化または会合され得る。好ましい局面において、この
組成物は、マトリックス中またはマトリックス上で乾燥される。従って、好まし
い局面において、このマトリックスは、細胞溶解性/破壊性の化合物または組成
物を含む。この局面において、細胞破壊/溶解は、細胞がそのマトリックスを含
有する組成物と接触する場合に、または接触とほぼ同時に生じ得る。別の局面に
おいて、この組成物は、細胞がマトリックスに添加される(例えば、マトリック
スに結合するか、マトリックスと会合する)後に、添加される。なお別の局面に
おいて、この組成物は、細胞がマトリックスに添加される前に、細胞に添加され
る。この局面において、この組成物は、細胞膜/細胞壁を弱めるように処方され
得、その結果、細胞は、マトリックスと接触される場合に実質的に破壊/溶解す
る。あるいは、この組成物は、マトリックスへの添加前に細胞を実質的に溶解/
破壊する。
【0010】 本発明に従って、目的の核酸分子(例えば、プラスミド、ベクターなど)は、
水溶液(例えば、緩衝化塩溶液または溶出緩衝液)での溶出によって、マトリッ
クスから取り出され得る。所望でない分子(例えば、染色体またはゲノムDNA
)は、マトリックス中またはマトリックス上に実質的に保持され、従って、これ
は、所望の核酸分子が、マトリックスから溶出または実質的に取り出されるのを
可能にする。所望の核酸のこのような溶出または取り出しは、マトリックスから
所望の核酸サンプルの流出を提供する、遠心分離、重力、真空、圧力などによっ
て、容易にされ得る。次いで、目的の単離された核酸分子はさらに、標準的な核
酸精製技術によって精製され得、そして/またはさらに、標準的な分子生物学的
技術(例えば、配列決定、増幅、エンドヌクレアーゼ消化(例えば、制限酵素消
化)、核酸合成、形質転換、トランスフェクションなど)によって操作され得る
【0011】 本発明に従う方法は、以下を含む任意の細胞または細胞供給源からの、低分子
量核酸分子の単離に適切である:細菌細胞(特に、Escherichia c
oli細胞)、酵母細胞、真菌細胞、動物細胞(特に、昆虫細胞、および哺乳動
物細胞(ヒト細胞、CHO細胞、VERO細胞、Bowes黒色腫細胞、Hep
G2細胞などを含む))、ならびに植物細胞。これらの細胞のいずれもは、形質
転換された細胞、樹立された細胞株、癌細胞または正常細胞であり得る。本発明
の方法は、以下を含むが、これらに限定されない染色体外核酸分子の単離に、特
に良好に適切である:プラスミド、ベクター、ファージミド、コスミド、BAC
、PAC、YAC、cDNA分子またはcDNAライブラリー、ミトコンドリア
核酸分子、および葉緑体核酸分子。これらのいずれもは、一本鎖または二本鎖、
線状または環状、スーパーコイルであり得、そしてDNA分子またはRNA分子
であり得る。
【0012】 本発明はまた、本発明の方法によって生成された単離された核酸分子に関し、
これらの核酸分子は、好ましくは、低分子量核酸分子(例えば、本明細書中に記
載の染色体外核酸分子、ならびに特にプラスミドおよびベクター)である。本発
明はまた、ベクター(特に、発現ベクター)、および本発明のこれらの単離され
た核酸分子を含む宿主細胞に関する。本発明はまた、標準的な分子生物学的技術
(例えば、配列決定、核酸合成、クローニング、増幅、エンドヌクレアーゼ消化
(例えば、制限エンドヌクレアーゼ消化)、形質転換、トランスフェクションな
ど)による、本発明の単離された核酸分子のさらなる操作に関する。
【0013】 関連する局面において、本発明は、低分子量核酸分子の単離における使用のた
めの組成物に関する。本発明のこのような組成物は、好ましくは、以下のような
、1以上の成分を含む: (a)目的の低分子量核酸分子の細胞供給源; (b)高分子量核酸分子を結合または捕捉するが、低分子量核酸分子を実質的
に捕捉も結合もしない、少なくとも1つの有孔性(pore−containi
ng)マトリックスを含む、核酸結合部分;および (c)この細胞供給源が、その化合物と接触する場合に細胞膜または細胞壁の
完全性を破壊する、少なくとも1つの化合物を含む、細胞破壊部分または細胞溶
解部分。 本発明の組成物における使用のための、好ましい細胞供給源、固体マトリックス
、および溶解/破壊化合物としては、本発明の方法に記載および使用されるもの
が挙げられる。本発明の好ましい組成物において、細胞膜および/または細胞壁
の完全性を破壊する化合物は、そのマトリックス上に吸着されるか、あるいはそ
のマトリックスと複合体化または会合され、これらは、例えば、細胞膜/細胞壁
破壊化合物のマトリックス材料への、イオン結合、疎水結合、あるいは共有結合
または非共有結合による。好ましい局面において、このような化合物は、マトリ
ックス中またはマトリックス上で乾燥される。本発明の組成物は、種々の低分子
量核酸分子(特に、本明細書中に記載の核酸分子、ならびに最も特には、プラス
ミドおよびベクター)を単離する際に有用である。
【0014】 本発明はまた、低分子量核酸分子の単離における使用のためのキットに関し、
このキットは、本発明の方法を実行するための1以上の成分、または本発明の1
以上の組成物を含む。本発明のこのようなキットは、1以上の成分を含み得、こ
れらは、1以上の容器(箱、カートン、チューブ、バイアル、アンプル、バック
など)に含まれ得る。1つのこのような局面において、本発明のキットは、以下
を含み得る: (a)高分子量核酸分子を実質的に結合または捕捉するが、低分子量核酸分子
を実質的に結合も捕捉もしない(そして、好ましくはマトリックス内またはマト
リックス上で、高分子量核酸分子および低分子量核酸分子の細胞供給源を補足す
る)、少なくとも1つの有孔性マトリックス;および (b)この細胞供給源が、その化合物または組成物と接触する場合に細胞膜ま
たは細胞壁の完全性を破壊する(その結果、高分子量核酸分子および低分子量核
酸分子(またはそれらの部分)は、細胞供給源から放出される)、少なくとも1
つの化合物を含む、細胞破壊組成物または細胞溶解組成物。
【0015】 1つのこのようなキットにおいて、マトリックスは、その細胞破壊/溶解組成
物または化合物を含む。このような細胞破壊/溶解組成物または化合物は、その
マトリックス上に吸着されるか、あるいはそのマトリックスと複合体化または会
合され、これらは、例えば、そのマトリックス材料への、イオン結合、疎水結合
、あるいは非共有結合または共有結合による。このような細胞破壊/溶解組成物
は、好ましくは、マトリックス中またはマトリックス上で乾燥される。本発明の
キットにおける使用のための、好ましい固体マトリックス材料、細胞破壊/溶解
組成物および化合物、ならびに洗浄組成物および溶出組成物としては、本発明の
方法における使用のための、本明細書中に記載のものが挙げられる。関連する局
面において、本発明のキットは、以下のような1以上のさらなる試薬を含む:1
以上の制限酵素、核酸ポリメラーゼ活性を有する1以上のポリペプチド(例えば
、耐熱性DNAポリメラーゼであり得る、1以上のDNAポリメラーゼ、および
/またはRNaseH活性を実質的に減少され得る逆転写酵素)、形質転換にコ
ンピテントな1以上の細胞および/または他の形質転換(例えば、コンピテント
細胞)トランスフェクション試薬(例えば、カチオン性脂質)、あるいは本発明
の単離された核酸分子のさらなる精製、処理および分析と組み合わせて有用であ
り得る他の成分または試薬(例えば、核酸の増幅、配列決定、クローニング、ト
ランスフェクション、転写、翻訳などに有用な、成分または試薬)。本発明のこ
のようなキットはまた、本発明の方法を実行するためのプロトコルまたは説明書
を含み得る。
【0016】 本発明の他の好ましい実施形態は、当該分野で公知の事項、以下の図面および
本発明の説明、ならびに特許請求の範囲を考慮して、当業者に明らかである。
【0017】 (発明の詳細な説明) 本発明は、核酸含有サンプルから核酸分子を単離する際に使用され得る、組成
物、方法、およびキットを提供する。本発明に従って、任意の細胞、組織、器官
、細胞集団などが、核酸供給源として使用され得ることが、当業者に容易に理解
される。好ましくは、このような核酸供給源は、任意の所定のプラスミド、ベク
ター、または他のゲノム外または染色体外構造を単離するために使用される。特
定の局面において、異なるベクターの集団(例えば、細胞集団または培養物に含
まれる、cDNAライブラリーまたはゲノムライブラリー)が、核酸供給源とし
て使用される。従って、本発明は、ベクター/cDNAライブラリー/ゲノムラ
イブラリーのこのような集団の単離を可能にする。
【0018】 以下の説明において、分子生物学および組換えDNA技術の分野で使用される
多くの用語が、広範に利用される。所定のこのような用語に対する範囲を含む、
本明細書および特許請求の範囲の明白かつ一貫した理解を提供するために、以下
の定義を提供する。
【0019】 (低分子量核酸分子) 本明細書で使用される場合、語句「低分子量核酸分子」とは、サイズまたは分
子量において、所定の細胞または細胞供給源由来の染色体のようなゲノム核酸分
子よりも小さな任意の核酸分子または核酸分子集団をいう。本発明に従う低分子
量核酸分子は、代表的には、約500キロベース以下のサイズであり、好ましく
は約1〜約300キロベースであり、より好ましくは約1〜約200キロベース
であり、より好ましくは約1〜約100キロベースであり、さらにより好ましく
は約1〜約50キロベースであり、さらにより好ましくは約1〜約25キロベー
スであり、そして最も好ましくは約1〜約15キロベースのサイズである。対照
的に、用語「高分子量核酸分子」は、約500キロベースより大きなサイズの任
意の核酸分子または核酸分子集団を意味するように使用され、特に、約1〜約1
5,000メガベースのサイズ範囲であり得るゲノム核酸分子または染色体を意
味するように使用される。低分子量核酸分子の例には、プラスミド、高分子量の
プラスミド(BAC、PAC、YAC)、ベクター、ファージミド、コスミド、
ミトコンドリア核酸分子、葉緑体核酸分子、cDNA分子またはcDNAライブ
ラリー、増幅フラグメント(例えば、PCR生成された核酸分子)および、フラ
グメントが生成される手段に関係無く、核酸分子のフラグメントが挙げられるが
これらに限定されない。このようなフラグメントは、酵素消化(例えば、I型お
よび/またはII型制限酵素を用いるエンドヌクレアーゼ消化など)、機械的な
力(剪断)などによって生成され得る。特に、由来する完全なゲノム核酸分子ま
たは染色体核酸分子よりも小さなサイズのゲノム核酸分子または染色体核酸分子
のフラグメントは、この定義に含まれる。
【0020】 (増幅) 本明細書中で用いる場合、「増幅」とは、ポリメラーゼを用いてヌクレオチド
配列のコピー数を増加させるための任意のインビトロでの方法をいう。核酸増幅
は、核酸(例えば、DNA)分子またはプライマーへのヌクレオチドの取り込み
を生じ、それによって核酸テンプレートに相補的な新たな核酸分子を形成する。
形成された核酸分子およびそのテンプレートは、さらなる核酸分子を合成するた
めのテンプレートとして用いられ得る。本明細書中で用いる場合、1つの増幅反
応は、多くの回の核酸合成からなり得る。増幅反応としては、例えば、ポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)が挙げられる。1つのPCR反応は、核酸分子の5〜1
00「サイクル」の変性および合成からなり得る。
【0021】 (宿主) 複製可能な発現ベクターまたはクローニングベクターのレシピエントである、
任意の原核生物細胞または真核生物細胞。用語「宿主」または「宿主細胞」は、
本明細書中で交換可能に使用され得る。このような宿主の例に関しては、Man
iatisら、「Molecular Cloning:A Laborato
ry Manual.」Cold Spring Harbor Labora
tory,Cold Spring Harbor,New York(198
2)を参照のこと。好ましい原核生物宿主としては、以下の属の細菌が挙げられ
るがこれらに限定されない:Escherichia(例えば、E.coli)
、Bacillus、Staphylococcus、Agrobacter(
例えば、A.tumefaciens)、Streptomyces、Pseu
domonas、Salmonella、Serratia、Caryopha
nonなど。最も好ましい原核生物宿主は、E.coliである。本発明におい
て特に目的の細菌宿主としては、E.coli株のK12、DH10B、DH5
αおよびHB101が挙げられる。好ましい真核生物宿主としては、真菌、魚類
細胞、酵母細胞、植物細胞および動物細胞が挙げられるがこれらに限定されない
。特に好ましい動物細胞は、Drosophila細胞、Spodoptera
Sf9、Sf21細胞、およびTrichoplusa High−Five
細胞のような昆虫細胞;C.elegans細胞のような線虫細胞;ならびにC
OS細胞、CHO細胞、VERO細胞、293細胞、PERC6細胞、BHK細
胞およびヒト細胞のような哺乳動物細胞である。本発明に従って、宿主または宿
主細胞は、単離される所望の核酸分子の細胞供給源として利用し得る。
【0022】 (ベクター) ベクターは、宿主細胞において自律複製し得る核酸分子(好ましくはDNA)
である。このようなベクターはまた、少数のエンドヌクレアーゼ制限部位(ここ
で、必須の生物学的機能を失うことなくこのような配列が切断され得、そして核
酸分子がスプライシングされてその複製およびクローニングがもたらされ得る)
を有することによって特徴付けられ得る。例としては、プラスミド、自律複製配
列(ARS)、セントロメア、コスミドおよびファージミドが挙げられる。ベク
ターは、(例えば、PCRについての)プライマー部位、転写および/または翻
訳開始および/または調節部位、組換えシグナル、組換え部位(例えば、199
6年6月7日出願の同時係属中の米国出願番号08/663,002および19
97年10月24日出願の米国出願番号60/065,930を参照のこと)、
レプリコンなどをさらに提供し得る。このベクターは、ベクターで形質転換また
はトランスフェクトされた細胞の同定における使用に適切な1以上の選択マーカ
ー(例えば、カナマイシン、テトラサイクリン、アンピシリンなど)をさらに含
み得る。
【0023】 本発明に従って、任意のベクターが用いられ得る。詳細には、当該分野で公知
のベクターおよび市販のベクター(および、それらの改変体または誘導体)が、
本発明に従って用いられ得る。このようなベクターは、例えば、Vector
Laboratories Inc.、InVitrogen、Promega
、Novagen、NEB、Clontech、Boehringer Man
nheim、Pharmacia、EpiCenter、OriGenes T
echnologies Inc.、Stratagene、Perkin E
lmer、Pharmingen、Life Technologies,In
c.およびResearch Geneticsから入手され得る。このような
ベクターは、目的の核酸分子のクローニングまたはサブクローニングのために用
いられ得、従って、挿入物、核酸フラグメントまたは遺伝子を含む組換えベクタ
ーはまた、本発明に従って単離され得る。特に目的のベクターの概括的クラスと
しては、原核生物および/または真核生物のクローニングベクター、発現ベクタ
ー、融合ベクター、ツーハイブリッドベクターまたは逆ツーハイブリッドベクタ
ー、異なる宿主における使用のためのシャトルベクター、変異誘発ベクター、転
写ベクター、大きな挿入物(酵母人工染色体(TAC)、細菌人工染色体(BA
C)およびP1人工染色体(PAC))を受容するベクターなどが挙げられる。
目的の他のベクターとしては、ウイルス起源のベクター(M13ベクター、細菌
ファージλベクター、バキュロウイルスベクター、アデノウイルスベクターおよ
びレトロウイルスベクター)、高コピー数、低コピー数および調節可能なコピー
数のベクター、単一宿主における組み合せでの使用に適合可能なレプリコンを有
するベクター(例えば、pACYC184およびpBR322)ならびに真核生
物エピソーム性複製ベクター(pCDM8)が挙げられる。本発明によって意図
されるベクターには、挿入または付加された核酸フラグメントまたは配列を含む
ベクター(例えば、組換えベクター)、ならびに本明細書中に記載される任意の
ベクターの誘導体または改変体が挙げられる。
【0024】 本発明に従う有用な発現ベクターには、染色体由来ベクター、エピソーム由来
ベクター、およびウイルス由来ベクター(例えば、細菌性プラスミドまたはバク
テリオファージ由来のベクター)およびそれらの組み合わせに由来するベクター
(例えば、コスミドおよびファージミド)が挙げられ、そして好ましくは、少な
くとも1つの選択マーカー(例えば、テトラサイクリンまたはアンピシリン耐性
遺伝子)ならびに1つ以上のプロモーター(例えば、ファージλPLプロモータ
ーならびに/またはE.coliのlac、trpおよびtacプロモーター)
を含む。他の適切なプロモーターは、当業者に公知である。
【0025】 本発明における使用に好ましいベクターには、Qiagenから入手可能なp
QE70、pQE60およびpQE−9:Stratageneから入手可能な
pBSベクター、Phagescriptベクター、Bluescriptベク
ター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A:Invitr
ogenから入手可能なpcDNA3:Pharmaciakから入手可能なp
GEX、pTrxfus、pTrc99a、pET−5、pET−9、pKK2
23−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5:ならびにLife
Technologies.Inc.から入手可能なpSPORT1、pSPO
RT2およびpSV・SPORT1が挙げられる。他の適切なベクターは、当業
者に容易に明らかである。
【0026】 (プラスミド) 本明細書で使用する場合、用語プラスミドは、代表的には約25キロベース(
kb)未満のサイズ、より代表的には約15kb〜約2kbのサイズの染色体外
の遺伝因子を意味する。
【0027】 (単離される(された)) 本明細書で使用する場合、用語「単離される(された)」(「単離された核酸
分子」におけるような)は、分離されている物質、成分または組成物の一部では
なく、他の物質、夾雑物などから少なくとも部分的に精製されている単離された
物質、成分または組成物を意味する。例えば、「単離された低分子量核酸分子」
は、細胞、組織、器官、または生物体に関連付けられ得る少なくともいくつかの
他の核酸分子(例えば、大きな核酸分子)を取り除くような方法で処理された核
酸分子である。特に、用語「単離された低分子量核酸分子」または「単離された
ベクター」は、約50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以
下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、および7%以下、好ま
しくは約5%以下、2.5%以下、および2%以下、そして最も好ましくは1%
未満、0.5%未満、および0.1%未満(重量パーセント)の高分子量核酸分
子(例えば、染色体DNA/ゲノムDNA)を含む低分子量核酸分子調製物また
はベクター調製物をいう。しかし、当業者が理解するように、単離された核酸分
子を含む溶液は、1つ以上の緩衝塩および/または溶媒(例えば、水または、ア
セトン、エタノール、メタノールなどのような有機溶媒)を含み得、そしてなお
、この核酸分子はその出発物質に関して「単離された」核酸分子であるとみなさ
れ得る。
【0028】 (細胞破壊または細胞溶解する化合物または組成物) 本明細書で使用される場合、「細胞破壊」または「細胞溶解」とは、単離され
る核酸分子の供給源として使用される細胞、組織、または生物体の溶解、破裂、
または穿孔(poration)をもたらす組成物または組成物の成分をいい、
素の結果、細胞、組織または生物体供給源に含まれる核酸分子(または、その部
分)は、細胞、組織または生物体から放出される。本発明に従って、この細胞、
組織または生物体は、完全に溶解、破裂、穿孔される必要はなく、そして供給源
の細胞、組織または生物体に含まれる全ての核酸分子は、それから放出される必
要はない。好ましくは、細胞破壊または細胞溶解する化合物または組成物は、細
胞、組織、または生物体に含まれる少なくとも25%、50%、75%、80%
、85%、90%、95%、97%、99%またはそれより多くの総核酸分子、
特に総低分子量核酸分子(例えば、ベクター、プラスミドなど)を放出する。本
明細書で使用される、組換えDNA技術ならびに分子生物学および細胞生物学の
分野で使用される他の用語は、適用される分野における当業者によって一般的に
理解される。
【0029】 (DNAの供給源) 本発明の方法、組成物、およびキットは、天然であり得るか、または多くの商
業供給源(American Type Culture Collectio
n(ATCC),Rockville,Maryland:Jackson L
aboratories,Bar Harbor,Maine:Cell Sy
stems,Inc.,Kirkland,Washington:Advan
ced Tissue Sciences,La Jolla,Califor
niaを含む)を通して入手され得る種々の細胞、組織、器官または生物体を含
む任意の細胞供給源からの低分子量核酸分子の単離に適する。細胞性核酸供給源
として使用され得る細胞は、原核生物(以下の属のメンバーを含む細菌:Esc
herichia(特に、E.coli)、Serratia、Salmone
lla、Staphylococcus、Streptococcus、Clo
stridium、Chlamydia、Neisseria、Trepone
ma、Mycoplasma、Borrelia、Bordetella、Le
gionella、Pseudomonas、Mycobacterium、H
elicobacter、Agrobacterium、Collectotr
ichum、Rhizobium、およびStreptomyces)または真
核生物(真菌または酵母、植物、原性動物および他の寄生生物、ならびにヒトお
よび他の哺乳動物を含む動物を含む)であり得る。任意のウイルスもまた、本発
明に従って核酸分子の細胞供給源として使用され得る。低分子量核酸分子の供給
源としての使用について、哺乳動物の組織または器官(例えば、脳、腎臓、肝臓
、膵臓、血液、骨髄、筋肉、神経、皮膚、尿生殖器、循環、リンパ、胃腸、およ
び結合組織の供給源由来のもの)、ならびに哺乳動物(ヒトを含む)の胚または
胎児由来のものもまた適する。これらの細胞、組織および器官は、正常な細胞株
、形質転換細胞株、または確立された細胞株であり得るか、あるいは、これらは
、遺伝的または生化学的病理学(例えば、嚢胞性線維症、血友病、アルツハイマ
ー病、精神分裂病、筋ジストロフィー、または多発性硬化症)において、あるい
は癌または癌性プロセスにおいて病理学的(例えば、感染疾患(細菌、真菌また
は酵母、ウイルス(AIDSを含む)あるいは寄生生物によって引き起こされる
)に関するもの)であり得る。本発明の方法、組成物およびキットは、プラスミ
ド、ベクター、ファージミド、コスミド、cDNA分子、ミトコンドリア核酸分
子、および葉緑体核酸分子(これらはいずれも、一本鎖または二本鎖、直鎖状ま
たは環状、超らせんであり得、そしてこれらはDNAまたはRNA分子であり得
る)を含むがこれらに限定されない染色体外核酸分子の単離に特に適切である。
特に好ましい局面において、本発明の方法は、細菌細胞由来のプラスミドまたは
ベクターDNAの単離に有用である。当業者によく知られた他の細胞、組織、ウ
イルス、器官および生物体は、本発明に従う単離された核酸分子の調製のための
核酸分子の供給源としてもまた使用され得る。
【0030】 (方法) 1つの局面において、本発明は、核酸分子、特にプラスミド、ベクター、オル
ガネラ核酸分子などのような低分子量核酸分子を単離する方法に関する。本発明
のこの局面に従う方法は、核酸分子が見出される自然環境からの、1つ以上の核
酸分子または核酸分子集団(例えば、cDNAライブラリー)の単離を生じる1
つ以上の工程を包含し得る。
【0031】 1つのこのような好ましい局面において、本発明の方法は、以下を含み得る: (a)核酸分子の細胞供給源を、高分子量核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子
または染色体核酸分子)を結合あるいは補足するが、低分子量核酸分子を実質的
に結合も捕捉もしない、少なくとも1つの有孔性マトリックスと接触させ、そし
て細胞供給源(またはその部分)に、所望の低分子量核酸分子のすべてまたは一
部を放出させる工程;および (b)低分子量核酸分子を、高分子量核酸分子から分離または実質的に分離す
る工程。
【0032】 さらに詳細には、本発明は、1つ以上のベクターを得るための方法に関し、こ
れは以下を含む: (a)1つ以上のベクターの細胞供給源を、少なくとも1つの有孔性マトリッ
クスと接触させ、そして細胞供給源(またはその部分)に、1つ以上のベクター
のすべてまたは一部を放出させる工程:および (b)1つ以上のベクターを、この細胞供給源に含まれるゲノム核酸分子また
は染色体核酸分子から、分離または実質的に分離する工程。
【0033】 本発明に従って、所望の低分子量核酸分子またはベクターは、好ましくはサイ
ズ分離またはサイズ排除に基づくマトリックスによって分離され、従ってこのマ
トリックスは、細胞供給源に含まれる所望でない核酸分子(例えば、染色体核酸
分子またはゲノム核酸分子)から所望の核酸分子(例えば、ベクター)を分離す
るために設計され得る(例えば、孔のサイズ、マトリックスの材料、マトリック
スのサイズおよび寸法などを変化させる)。この分離は、遠心分離、減圧、重力
、圧力などを含むマトリックスを通して所望の核酸分子を移動させるための任意
の手段によって容易にされ得る。
【0034】 本発明に従って、マトリックスは、高分子量核酸分子を実質的に(可逆的また
は不可逆的に)捕捉または結合するが、低分子量核酸分子を実質的に結合も捕捉
もしない、任意の多孔性マトリックスであり得る。本発明のこの局面において使
用される、固体マトリックスを調製するための適切な材料としては、ポリエステ
ル、焼結(scintered)ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリオレフ
ィン、セルロースアセテート、セルロース、シリカなどが挙げられるが、これら
に限定されない。この固体マトリックスは、核酸分子の単離の際に使用される任
意の都合の良い形式において提供され得る(例えば、インサート(例えば、フリ
ットまたはプラグまたはスワッブまたはカートリッジ)として、膜として、フィ
ルターとして、または高密度で充填された多孔性マトリックス(例えば、ビーズ
またはゲル)として)。一つの局面において、例えば、マトリックスは、マトリ
ックスによって、チューブまたはカラムを上部チャンバー及び下部チャンバーに
分割する場合(本発明のそのような局面は、図1において図示されるような)に
は、フリットまたはカートリッジとして、あるいはチューブまたはカラムへの挿
入のために適切な膜として提供され得る。マトリックスはまた、他の都合のよい
形態、例えば、複数サンプルの濾過の際に代表的に使用されるマルチウェルプレ
ート(例えば、6ウェルプレート、12ウェルプレート、24ウェルプレート、
48ウェルプレート、96ウェルプレート、384ウェルプレートなどを含む)
に合うような適切なシート、フリット、プラグ、カートリッジまたはインサート
として、または他のプレートサイズ(例えば、35mmプレート、60mmプレ
ート、100mmプレート、150mmプレートなど)に合うような適切なシー
ト、フリット、プラグ、カートリッジまたはインサートとして、提供され得る。
特に好ましい実施形態において、固体マトリックスは、微量遠心管、マイクロス
ピン管またはスピンカートリッジに合うような適切なフリットまたはインサート
またはカートリッジまたはスワッブとして提供される。一つの例において、フリ
ット/インサート/カートリッジ/スワッブは、直径8mm×長さ1cmのサイ
ズを有する。そのような管は、例えば、NNI/Lida Manufactu
ring、Naperville、ILから入手可能である。
【0035】 分離マトリックスにおける孔は、代表的に、高分子量(例えば、ゲノムまたは
染色体)核酸分子の通過を防ぐのに十分なほど小さいが、低分子量核酸分子の通
過を可能にするほど十分に大きく、そして、直径約0.1〜約10,000μm
、直径約0.1〜約5,000μm、直径約0.1〜約1,000μm、直径約
1〜500μm、直径約10〜500μm、または好ましくは、直径約25〜約
400μmの範囲であり得る。マトリックスが、高分子量核酸分子のフロースル
ーを直接防ぐが、なお低分子量核酸分子のフロースルーを許容する、「曲がりく
ねった(tortuous)経路」(このようなフレーズは、クロマトグラフィ
ー分野の当業者によって一般に使用される)を提供するように十分に高密度であ
る場合、より大きなまたはより小さな孔サイズもまた、使用され得る。
【0036】 好ましい使用において、細胞供給源は、好ましくは、水溶液において、マトリ
ックス上に適用され、次いで、単位重力インキュベーション(unit gra
vity incubation)または好ましくは遠心分離もしくは真空の、
いずれかによって、マトリックス内またはマトリックス上に導入される。細胞供
給源は、必要に応じて、核酸分子の放出のための調製においてマトリックス内ま
たはマトリックス上に捕捉される。溶解/破壊組成物、物理的力および/または
機械的力(またはその組み合わせ)は、核酸分子の細胞供給源の細胞膜/細胞壁
の完全性を破壊するために使用され得る。本発明に従って、任意の物理的力また
は機械的力(凍結、加熱、凍結解凍、圧力、超音波処理など)を、溶解/破壊化
合物または組成物とともに、別個にまたは組み合わせて使用して、細胞供給源か
ら所望の核酸分子を放出し得る。好ましくは、マトリックスは、そのような溶解
/破壊化合物または組成物を含む。本発明に従って、溶解/破壊組成物または化
合物は、細胞供給源を含むマトリックスに適用され得るか、または好ましくはマ
トリックスに細胞供給源を適用する前に、マトリックスに、吸着、複合体化、ま
たは会合(例えば、イオン結合、疎水結合、共有結合または非共有結合により)
され得る。これらは、例えば、破壊/溶解組成物中にマトリックスを浸漬するか
、または飽和させて、次いで、マトリックスを大気、真空および/または加熱下
で乾燥させることによるか;あるいは、その組成物を、その使用の直前か、また
はマトリックス材料からのマトリックスプラグ、フリット、インサート、膜など
の調製の前に、マトリックス材料に適用し得る。マトリックスを前処理する任意
の方法は、破壊/溶解組成物を食浸されたマトリックスの形成を生じる。従って
、好ましい局面において、マトリックスは、溶解/破壊組成物または化合物を含
む。本発明の好ましい局面において、細胞供給源の接触工程および本方法の溶解
/破壊工程は、従って同時か、またはほとんど同時に達成され、これにより、低
分子量核酸分子の単離のために要求される時間および操作の量を減少させる。
【0037】 一つの好ましい実施形態において、マトリックスに適用されるか、またはマト
リックス上に予め吸着される、細胞膜/細胞壁完全性を破壊する組成物は、一つ
以上の界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)またはSark
osyl、Triton X−100、Tween 20、NP−40、N−ア
ルキルグルコシド、N−アルキルマルトシド、グルカミド、ジギトニン、デオキ
シコレート、3−[(3−クロラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プ
ロパン−スルホネート(CHAPS)または臭化セチルトリメチルアンモニウム
(CTAB)またはBrij35)を約0.01%〜10%(w/v)、より好
ましくは約0.1%〜5%および最も好ましくは約0.5%の濃度で含み得;一
つ以上のカオトロピック(chaeotropic)剤(例えば、ヨウ化ナトリ
ウム、過塩素酸ナトリウム、グアニジンもしくはその塩または尿素)を、約30
0〜1000mM、より好ましくは、約500〜2000mMおよび最も好まし
くは、約1500mMの濃度で含み得;一つ以上の酵素(例えば、リゾチーム、
リチカーゼ(lyticase)、ザイモリアーゼ(zymolyase)、ノ
イラミニダーゼ、Novozym 234、ストレプトリシン、セルリシン(c
ellulysin)、ムタノリシン(mutanolysin)またはリソス
タフィン)を約0.1〜5mg/mlの濃度にて含み得;一つ以上の無機塩(例
えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、また
は塩化プラセオジミウム)を約1mM〜5Mの濃度にて含み得;一つ以上の有機
溶媒(例えば、トルエン、フェノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、
イソアミルアルコール、エタノール、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジ
メチルエーテル、もしくはエチルメチルエーテル)またはクロロホルム)を25
〜60%(v/v)の濃度にて含み得;または核酸分子の細胞供給源の膜および
/もしくは細胞壁の完全性を破壊する(すなわち、溶解するか、または孔の形成
を引き起こす)任意の他の化合物(例えば、ポリミキシンB)を含み得るか、あ
るいは前述の組み合わせを含み得る。この組成物はまた、他の成分、例えば、キ
レート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(Na2EDTA)
、EGTA、CDTA)を、最も好ましくは、約10mMの濃度にて含み得、お
よび/または一つ以上のリボヌクレアーゼ(RNase A、T1、T2など)
を、1〜400μg/mlの範囲の濃度で含み得、プロテアーゼ(プロテイナー
ゼ K、プロナーゼ、ペプシン、トリプシン、パパイン、サブチリシン)を、5
0〜1000μg/mlの範囲の濃度で含み得るか、あるいは前述の任意の組み
合わせを含み得る。特に好ましい実施形態において、組成物は、0.5%SDS
、またはtriton X−100およびリゾチームの組み合わせを含む。溶解
/破壊組成物の活性成分の所望の濃度および組み合わせは、当業者によって容易
に決定され得る。
【0038】 一旦核酸分子の細胞供給源が、マトリックスと接触され、そして細胞が破壊ま
たは溶解されると、細胞供給源内に含まれる高分子量核酸分子および低分子量核
酸分子は、その細胞から放出され、そして高分子量(例えば、ゲノムまたは染色
体)核酸分子は、マトリックス材料に結合されるか、あるいはマトリックス材料
内またはマトリックス上に捕捉されるが、低分子量核酸分子(例えば、プラスミ
ド、ベクター、ファージミド、コスミドなど)は、マトリックスにより結合され
ず、またはマトリックス内に捕獲されずに、マトリックス材料を実質的に通過す
る。これらの低分子量核酸分子は、例えば、低分子量核酸分子をマトリックスを
通して洗浄または溶出するために十分ではあるが、マトリックスに結合されてい
るか、もしくはマトリックス中に捕捉された大きな(ゲノムまたは染色体)核酸
分子をマトリックスから取り除くには不十分な水溶液を用いてマトリックスを洗
浄することによって、フロースルーとともに収集され得る:このようなアプロー
チは、以下の実施例において詳細に記載される。所望される場合、これらの高分
子量分子は、当該分野において周知の核酸クロマトグラフィーの方法に従って、
水溶液(例えば、緩衝化塩溶液)を用いて溶出させることによって、それらが一
旦細胞供給源から放出されると、結合されるマトリックスから取り除かれ得る。
【0039】 本発明に従って、得られた所望の核酸分子は、周知の核酸精製またはクロマト
グラフィー技術によってさらに精製され得る。好ましい実施形態において、その
ようなさらなる精製工程は、吸着クロマトグラフィー、逆相イオン対クロマトグ
ラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、抽出(例えば、フェニル/クロロホ
ルムのような有機溶媒を用いて)、エタノール沈殿、密度/勾配遠心分離法(C
sCl)などを含み得る。従って、本発明はさらに、当該分野で利用可能な任意
の公知の技術によって、所望の核酸を精製する工程を包含する。そのようなさら
なる精製は、不要な夾雑物(例えば、タンパク質、脂質、ヌクレオチド、オリゴ
ヌクレオチド、核酸分子のさらなる操作(例えば、増幅、配列決定、形質転換、
トランスフェクション、核酸合成、制限酵素消化などによる)を阻害し得る化合
物または組成物)の除去を促進し得る。任意の事象において、そのようなさらな
る精製は、行われることを必要としない。したがって本発明の方法によって得ら
れた核酸分子は、標準的な分子生物学的技術によって、直接操作され得る。本発
明の好ましい局面において、一つ以上のさらなる精製樹脂(例えば、イオン交換
樹脂、および/または吸着樹脂)が、本発明に従う分離マトリックスと組み合わ
せて使用される。そのようなさらなる精製は、分離工程において達成され得るが
、好ましい局面において、このさらなる精製は、本発明の分離方法と同時にか、
またはそれと共に達成される。一つの局面において、一つ以上の分離マトリクス
および一つ以上の核酸結合樹脂は、所望の核酸分子を含むサンプルが、一つのマ
トリックスから別のマトリックスへ通過し得るように、液体チャネル内で直列し
て連結される。この局面において、分離マトリックスおよび結合樹脂の組み合わ
せは、液体連絡する種々のマトリックスを連結するための液体チャネルを提供す
るための、任意の形式(例えばカラム形式、チューブ形式、ウェル形式、マルチ
ウェルプレート形式など)で提供され得る。この実施形態において、分離マトリ
ックスを通過する所望の核酸分子は、核酸結合樹脂上に結合するか、または吸収
される。不用な物質(例えば、脂質、タンパク質、溶解/破壊組成物および核酸
分子のさらなる操作を阻害し得る成分)の除去は、所望の核酸分子が結合樹脂上
に保持されること可能にする洗浄緩衝液または洗浄溶液を用いて除去される。次
いで、所望の核酸分子を結合樹脂から抽出するための溶出緩衝液または溶液を使
用して、精製された核酸分子を単離し得る。
【0040】 (組成物) 関連する局面において、本発明は、低分子量核酸分子を単離する際に使用する
ための組成物に関する。本発明のこの局面に従う組成物は、一つ以上の成分また
は部分、例えば、以下: (a)所望の低分子量核酸分子の細胞供給源; (b)高分子量核酸分子を実質的に結合または捕捉するが、低分子量核酸分子
を実質的に結合も捕捉もしないマトリックス;および必要に応じて (c)細胞供給源の一つ以上の細胞を破壊または溶解する、少なくとも一つの
化合物または組成物、 を含み得る。
【0041】 本発明の組成物における使用のための好ましいそのような細胞供給源、マトリ
クス、ならびに化合物および組成物は、本発明の方法において記載され、そして
使用されるものを含む。本発明の好ましい組成物において、マトリックスは、細
胞膜または細胞壁の完全性を破壊させる化合物を含む。そのような化合物は、例
えば、マトリックス材料に対する、溶解/破壊化合物または組成物のイオン結合
、疎水結合、非共有結合または共有結合によって、好ましくは、マトリックス上
に吸着されるか、あるいはマトリックスと複合体化または会合される。本発明の
組成物は、種々の低分子量核酸分子、特に本明細書中に記載される核酸分子およ
び最も詳細には細菌細胞からのプラスミドまたはベクターを単離する際に有用で
ある。
【0042】 (キット) 別の実施形態において、本発明は、低分子量核酸分子を単離する際の使用のた
めのキットに関する。本発明のそのようなキットは、一つ以上の成分を含み得、
その成分は、一つ以上の容器(例えば、箱、カートン、管、マイクロスピン管、
微量遠心管、スピンカートリッジ、マルチウェルプレート、バイアル、アンプル
、バッグなど)に含まれ得るか、またはそれらを含み得る。そのような一つの局
面において、本発明のキットは、本明細書中に詳細に記載される、本発明の一つ
以上の組成物を含み得る。別の局面において、本発明のキットは、以下: (a)高分子量核酸分子を実質的に結合または捕捉するが、低分子量核酸分子
を実質的に結合も捕捉もしない、少なくとも一つのマトリックス(好ましくは、
管、カラム、カートリッジなどに含まれる);および (b)細胞破壊/溶解組成物または化合物、 を含み得る。
【0043】 そのような一つのキットにおいて、マトリックスは、例えば、マトリックス材
料に対する、その組成物または化合物の、イオン結合、疎水結合、非共有結合ま
たは共有結合によって、マトリックス上に吸着され得るか、あるいはマトリック
スと複合体化または会合され得る、細胞破壊/溶解組成物または化合物を含む。
別の局面において、キットは、さらなる核酸精製樹脂(例えば、核酸結合樹脂)
、洗浄緩衝液、溶出液などを含む。本発明のキットにおける使用のための好まし
いマトリックス材料、細胞溶解/破壊組成物および化合物、ならびに溶出および
洗浄組成物は、本発明の方法および組成物における使用のために、本明細書中に
記載されるものを含む。
【0044】 本発明のキットはさらに、本発明に従って単離されるか、または精製される核
酸分子のさらなるプロセシング、分析、または使用において有用であり得る一つ
以上のさらなる成分または試薬を含み得る(例えば、核酸増幅、配列決定、クロ
ーンニング、トランスフェクション、転写、翻訳などにおいて有用な成分または
試薬)。例えば、そのような試薬または成分としては、一つ以上の制限酵素、核
酸ポリメラーゼ活性を有する一つ以上のポリペプチド、逆転写酵素活性を有する
一つ以上のポリペプチド、形質転換のための一つ以上の細胞成分、一つ以上のト
ランスフェクション試薬(例えば、脂質)および他の試薬が挙げられ、これらは
当業者において公知である。
【0045】 本発明のキットにおける使用のための核酸ポリメラーゼ活性を有するポリペプ
チドは、代表的に5’〜3’方向で、核酸テンプレートから核酸分子を合成し得
る任意のポリペプチドであり得る。本発明のキットにおいて使用される核酸ポリ
メラーゼは、好中温性または好熱性であり得、好ましくは好熱性である。好まし
い好中温性DNAポリメラーゼとしては、T7DNAポリメラーゼ、T5DNA
ポリメラーゼ、KlenowフラグメントDNAポリメラーゼ、DNAポリメラ
ーゼIIIなどが挙げられる。本発明のキットにおいて使用され得る、好ましい
耐熱性DNAポリメラーゼとしては、Taq、Tne、Tma、Pfu、Tfl
、Tth、Stoffelフラグメント、VENTTMおよびDEEPVENTTM DNAポリメラーゼ、ならびにそれらの変異体、改変体および誘導体が挙げら
れる(米国特許第5,436,149号;同第4,889,818号;同第4,
965,188号;同第5,079,352号;同第5,614,365号;同
第5,374,553号;同第5,270,179号;同第5,047,342
号;同第5,512,462号;WO92/06188:WO92/06200
;WO96/10640;Barnes,W.M.、Gene 112:29−
35(1992);Lawyer,F.Cら、PCR Meth.Appl.2
:275−287(1993);Flaman.J.−M.ら、Nuc.Aci
ds Res.22(15):3259−3260(1994))。長い核酸分
子(例えば、約3〜5Kb長よりも長い核酸分子)の増幅のために、少なくとも
2つのDNAポリメラーゼ(一方は、3’エキソヌクレアーゼ活性が実質的に欠
損しており、もう一方は、3’エキソヌクレアーゼ活性を有する)が代表的に使
用される。米国特許第5,436,149号;および同第5,512,462号
;Barnes,W.M.、Gene 112:29〜35(1992)を参照
のこと。これらの開示は、その全体において本明細書中に参考として援用される
。3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠損しているDNAポリメラーゼの例
としては、Taq、Tne(exo-)、Tma(exo-)、Pfu(exo-
)、Pwo(exo-)およびTth DNAポリメラーゼならびにそれらの変
異体、改変体および誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。RNAポリ
メラーゼ(例えば、T3、T5ならびにSP6およびそれらの変異体、改変体お
よび誘導体)もまた、本発明に従って使用され得る。
【0046】 本発明のキットにおける使用のための逆転写酵素活性を有するポリペプチドは
、DNAテンプレート分子からRNA分子を合成する能力を有する任意のポリペ
プチドを含み得る。一つの実施形態において、逆転写酵素活性を有するポリペプ
チドは、RNase H活性を実質的に減少され得る。本発明のキットにおける
使用のための逆転写酵素活性を有する適切なポリペプチドとしては、M−MLV
逆転写酵素、RSV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、RAV逆転写酵素、MAV
逆転写酵素またはHIV逆転写酵素が挙げられるが、これらに限定されない。逆
転写酵素活性を有するこれらのポリペプチドは、RNase H活性を実質的に
減少され得る;好ましいこのようなポリペプチドとしては、M−MLV H-
転写酵素、RSV H-逆転写酵素、AMV H-逆転写酵素、RAV H-逆転
写酵素、MAV H-逆転写酵素およびHIV H-逆転写酵素が挙げられる。逆
転写酵素活性を有するそのようなポリペプチド(実質的にRNase H活性が
減少されたポリペプチドを含む)の産生および使用のための方法は、共有に係る
、1998年4月22日に提出された同時係属米国特許出願第09/064,0
57号において詳細に記載され、その開示は、その全体において本明細書中に参
考として援用される。
【0047】 (単離された核酸分子、ベクター、および宿主細胞) 本発明はまた、本発明の方法に従って調製される単離された核酸分子に関する
。本発明に従って、本発明の単離された核酸分子は、好ましくは、低分子量核酸
分子である。本発明に従って単離され得る好ましいこのような低分子量核酸分子
としては、プラスミド、高分子量プラスミド(BAC’s、PAC’s、および
YAC’s)、ベクター、cDNA分子またはcDNAライブラリー、コスミド
、ファージミド、細胞小器官の核酸分子(例えば、ミトコンドリアまたは葉緑体
のような細胞小器官から単離される核酸分子)、RNA転写物などが挙げられる
が、これらに限定されない。この核酸分子は、一本鎖または二本鎖、環状または
直鎖状、スーパーコイルであり得、かつDNA、RNA、またはDNAおよびR
NAの組み合わせであり得る。1つの好ましい実施形態では、本発明の単離され
た核酸分子は、二本鎖DNAプラスミドまたはベクター(これは必要に応じて、
スーパーコイルである)、詳細には、例えば、細菌細胞から単離された二本鎖D
NAプラスミドまたはベクターである。
【0048】 関連する局面において、本発明は、組換え技術により(例えば、クローニング
またはサブクローニングにより)調製される組換えベクターを迅速にスクリーニ
ングし、そして評価する能力を提供する。従って、本発明を用いて、このような
組換えベクターを迅速に単離して、(例えば、配列決定、制限酵素消化、制限酵
素マッピングなどによる)このような評価またはスクリーニングのための準備の
できた組換えベクターの供給源を提供し得る。
【0049】 本発明により得られるベクターおよび組換えベクターは、本明細書中に記載さ
れる核酸分子を宿主細胞に導入するための技術のいずれかを用いて、宿主細胞に
導入され得る。
【0050】 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子、ベクター、または組換えベクタ
ーを含む組換え宿主細胞を提供する。本発明に従って産生され得る例示的宿主細
胞(原核生物細胞または真核生物細胞)としては、細菌細胞、酵母細胞、植物細
胞および動物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。このような適切な宿
主細胞は、例えば、Life Technologies,Inc.(Rock
ville,Maryland)、ATCC(Manassas,Virgin
ia)、および当業者に知られている他の商業上の供給元より市販されている。
本発明のベクター、組換えベクター、または単離された核酸分子を含む宿主細胞
は、当業者に知られている周知の形質転換技術、エレクトロポレーション技術、
またはトランスフェクション技術を用いて、本発明の単離された核酸分子または
ベクターを宿主細胞に挿入することにより調製され得る。本発明のこの局面に従
って、核酸分子を含む宿主細胞を産生するための、単離された核酸分子の宿主細
胞への導入は、核酸分子を宿主細胞へと導入する任意の公知の方法によりもたら
され得る。このような方法としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、
DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トラン
スフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、(例えば、コンピテント
細胞、特にE.coli細胞の)形質転換、感染、または他の方法が挙げられる
が、これらに限定されない。このような方法は、多くの標準的実験手引書(例え
ば、Davisら、「Basic Methods In Molecular
Biology」(1986)およびManiatisら、「Molecul
ar Cloning:A Laboratory Mannual」,Col
d Spring Harbor Laboratory,Cold Spri
ng Harbor,New York(1982))に記載される。形質転換
されたまたはトランスフェクトされた宿主細胞のための適切な培養培地および培
養条件は、当該分野で公知である。
【0051】 さらに、本発明は、本発明の単離された核酸分子によりコードされる組換えポ
リペプチドを産生するための方法、およびこれらの方法により産生されたポリペ
プチドを提供する。本発明のこの局面に従って、組換えポリペプチドは、宿主細
胞からのポリペプチドの産生およびポリペプチドの単離に好ましい条件下で、本
発明の単離された核酸分子、組換えベクター、またはベクターを含む、上記の組
換え宿主細胞のいずれかを培養することにより産生され得る。組換え宿主細胞を
培養するための方法、宿主細胞からのポリペプチドの産生および単離のための方
法は、当業者に周知である。
【0052】 (単離された核酸分子の使用) 本発明の組成物、方法、およびキットにより単離される核酸分子は、例えば、
クローニング、配列決定、増幅、核酸合成、エンドヌクレアーゼ消化などにより
、さらに特徴付けられ得るか、または操作され得る。
【0053】 本発明の単離された核酸分子は、核酸分子を増幅し、そして配列決定するため
の方法に用いられ得る。本発明に従って用いられ得る増幅方法としては、PCR
(米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号)、Stran
d Displacement Amplification(SDA;米国特
許第5,455,166号;EP 0 684 315)、およびNuclei
c Acid Sequence−Based Amplification(
NASBA;米国特許第5,409,818号;EP 0 329 822)が
挙げられる。単離された核酸分子はまた、複合型PCRベースの核酸フィンガー
プリント技術(例えば、Random Amplified Polymorp
hic DNA(RAPD)分析(Williams,J.G.K.ら、Nuc
l.Acids Res.18(22):6531−6535,1990)、A
rbitrarily Primed PCR(AP−PCR;Welsh,J
.,およびMcClelland,M.、Nucl.Acids Res.18
(24):7213−7218,1990)、DNA Amplificati
on Fingerprinting(DAF:Caetano−Anolle
sら、Bio/Technology 9:553−557,1991)、マイ
クロサテライトPCRまたはDirected Amplification
of Minisatellite−region DNA(DAMD;Hea
th,D.D.ら、Nucl.Acids Res.21(24):5782−
5785,1993)、およびAmplification Fragment
Length Polymorphism(AFLP)分析(EP 0534
858;Vos,P.ら、Nucl.Acids Res.23(21):4
407−4414,1995;Lin,J.J.、およびKuo J.、FOC
US 17(2):66−70,1995)において用いられ得る。特定の好ま
しい局面において、本発明は、1つ以上のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例
えば、上記のPCRベースの方法のいずれか)を含む核酸分子を増幅または配列
決定する方法に用いられ得る。本発明のこの局面に従う核酸配列決定法は、サイ
クルシークエンシング(リニアな増幅と組み合わせて配列決定する)、ならびに
当該分野で周知である方法および共有に係る同時係属中の米国特許出願第08/
971,675号(1997年11月17日出願)に記載されるような方法(こ
れらの開示は、その関連する技術の全てが本明細書中で参考として援用される)
に従う標準的な配列決定反応の両方を含み得る。
【0054】 あるいは、本発明に従って単離された核酸分子は、当該分野で周知である方法
により、工業生産における種々の材料の製造のために用いられ得る。このような
材料としては、ハイブリダイゼーションプローブ、治療用タンパク質(単離され
た核酸分子の転写および翻訳、または特定の核酸分子のヌクレオチド配列から推
定したアミノ酸配列を有する合成ペプチドまたはタンパク質の産生に依存する)
、遺伝子治療ビヒクルおよび組成物、分子量マーカーなどが挙げられるが、これ
らに限定されない。
【0055】 本明細書中に記載される方法および適用に対する他の適切な改変および適応が
、容易に理解され、そして本発明の範囲または本発明の実施形態から逸脱するこ
となくなされ得ることは、関連する分野の当業者により理解される。ここで本発
明を詳細に記載しているので、本発明は以下の実施例を参照することにより明確
に理解される。以下の実施例は、例示のみの目的のために挙げられ、そして本発
明の限定を意図しない。
【0056】 (実施例) (実施例1:細菌細胞由来のプラスミドDNAの単離) 本発明の目的は、細菌細胞由来のプラスミドDNAを調製するプロセスを改善
することであった。詳細には、この目的は、第1に、より迅速な溶解手順(ここ
で、より少ない操作が存在し、そしてこの操作は、より寛大である)を開発する
ことであり、そして第2に、沈殿した変性タンパク質およびゲノムDNAの除去
のための遠心分離工程または濾過工程を取り除くことであった。本発明に従って
、これらの目的は、溶解プロセスおよび濾過プロセスの単一の操作への統合によ
り達成される。この操作からの産物は、必要な場合、マトリックスクロマトグラ
フィーによるさらなる精製のための準備のできた可溶性プラスミドDNAである
。本発明により、マトリックスクロマトグラフィー工程と、溶解工程および沈殿
除去工程とを組み合わせて、全てのプラスミド調製法のシングルユニット操作を
行うことをさらに可能にする。
【0057】 (材料および方法) 全ての試薬は、他に述べない限り、Life Technologies,I
nc.,Rockville,Marylandからの試薬である。
【0058】 (溶解マトリックス)最初の実験において、GENERATION DNA
Purification Capture Column Kit(Gene
tra Systems,Minneapolis,MN)の構成部品である、
Capture Columnを、製造業者の指示書に従って用いた。引き続く
実験は、細菌溶解液を用いるフィルターの含浸により調製された溶解マトリック
スを用いた。溶解液(400μlの0.5%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム
)に、不織(bonded)ポリオレフィンファイバー(長さ1cm×直径8m
m(カタログ番号8700−20,Filtrona Richmond,Ri
chmond,VA))のプラグまたはスワッブチップ(swab tip)を
浸した。処理したスワッブチップを、室温で三日間乾燥させた。乾燥したスワッ
ブチップを、Micro Spin(カタログ番号8700−20,NNI/L
ida Manufacturing,Naperville,IL)中に、細
胞溶解用に配置した。
【0059】 (細胞増殖および細胞溶解)プラスミドpRPA−1を保有するE.coli
DH10Bを、100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地中で、37℃
で16時間増殖させた。1.5mlの培養サンプルを、14,000rpmにて
5分間遠心分離した。上清をデカントし、そしてペレットを200μlの50m
M Tris−HCl(pH8.0)、10mM EDTA、166μg/ml
RNase A中に懸濁した。懸濁物の全てを、Micro Spin中の処
理したスワッブチップにアプライし、次いで室温で1分間インキュベートした。
200μlの容積の10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM ED
TA、166μg/ml RNase A溶液を、同じスワッブチップにアプラ
イし、次いで室温で1分間インキュベートした。このMicro Spinを1
4,000rpmにて1分間遠心分離し、そして400μlの貫流溶離液を1.
5mlマイクロ遠心分離チューブに収集した。
【0060】 (シリカ吸着クロマトグラフィー)Micro Spinから溶出したプラス
ミドDNA(200μl)を、400μlの1.5M グアニジンHCl(pH
7.5)、12mM EDTA(GE)と混合した。この混合物を、14,00
0rpmにて2分間遠心分離して、沈殿した物質をペレット化した。この上清を
、スピンカートリッジ(CONCERT Rapid Plasmid Min
iprep System(Life Technologies))に移し、
そして14,000rpmにて1分間遠心分離した。製造業者の手引きの残りに
従った。簡単には、スピンカートリッジを、500μlの洗浄緩衝液で2回洗浄
し、次いでプラスミドDNAを、75℃に予め温めた75μlのTE緩衝液を用
いて1.5mlマイクロ遠心分離チューブに溶出した。
【0061】 (溶解マトリックスからのDNA溶出)上記のMicro Spinを処理し
て、捕捉したDNAを溶出した。スワップチップに、200μlのTE緩衝液(
pH8.0)を添加した。スワップチップを収容するMicro Spinを、
100℃の水浴で10分間インキュベートした。14,000rpmにて1分間
のMicro Spinの遠心分離は、スワップチップから溶離物を取り出した
。この容量を、1.5mlマイクロ遠心分離チューブ中に収集した。
【0062】 (プラスミドDNAの制限消化)プラスミドDNAのアリコート(10μl)
を、製造業者の手引きに従って、10単位のHind III(Life Te
chnologies)と共に37℃にて30分間インキュベートした。
【0063】 (結果および考察) いくつかの実験を、GENERATION DNA Purificatio
n Capture Column Kitが細菌細胞由来のプラスミドDNA
を溶解、捕捉、および放出するために用いられ得るか否かを決定するために行っ
た。プラスミドDNAを保有する細菌培養物を、Capture Column
に導入した場合に、首尾良く良く溶解した。しかし、染色体DNAとは異なり、
プラスミドDNAは、予想外に、マトリックスにより捕捉されなかった。むしろ
、プラスミドDNAを、カラムからの溶解容積の単純な遠心分離により、マトリ
ックスから定量的に取り出した。標準的なGentra Systemsキット
プロトコルを停止することで、ここでは、ゲノムDNAに必要とされる、2回洗
浄して、次いで99℃にて溶出する、次の工程を排除した。この短縮化プロトコ
ルは、より速いプロセシング、より少なくより粗野な操作、および別々の沈殿除
去工程の排除を用いて、アルカリ溶解にまさる所望の利点を達成した。溶解溶液
中の溶出したプラスミドDNAを、アルコールを用いて沈殿させ、次いで、酵素
反応(例えば、制限エンドヌクレアーゼ消化またはインビトロ増幅)に用いるた
めにTE緩衝液中に再懸濁した。
【0064】 Caputure Columnから溶出したプラスミドDNAは、RNA、
タンパク質、および他の生物学的分子(これらは、他の型の分析に干渉し得る)
で汚染されたので、標準的なカラムクロマトグラフィーシステムを用いて、さら
にDNAを精製することが望ましかった。プロセスが速く、かつDNAがすぐに
使える(ready−to−use)形態で溶出するので、シリカへの吸着が好
ましい。しかし、Capture Columnからの溶離液の組成は、シリカ
マトリックスへの直接的なプラスミドDNA吸着と不適合であることを見出した
。シリカへの吸着は、DNA溶液が、高濃度のカオトロピオック試薬(例えば、
グアニジンHCl)を含む、特定の化学環境にあることを必要とする。溶解後の
シリカ結合のための制御した環境を提供するために、細胞溶解試薬を単純化して
、0.5%SDSを有する新規の溶解マトリックス(上記)を作製した。あまり
好ましくはないが、プラスミドDNAは、溶離液から陰イオン交換クロマトグラ
フィーマトリックス(例えば、CONCERT High Purity Pl
asmid Miniprep System)に直接結合してもよい。
【0065】 プラスミドpRPA−1を含む細菌細胞を、Suspension Buff
erに導入し、次いでMicro Spin中のSDS含浸スワッブチップにア
プライした。細胞溶解溶離物(サンプル1)を、2容量のGE緩衝液を添加して
、遠心分離により除去可能な沈殿を形成させることにより、シリカ吸着条件に調
整した。プラスミド含有上清を、CONCERT Rapid Plasmid
Miniprep Systemからのシリカメンブランスピンカップ(sp
in cup)にアプライした。結合したDNAを洗浄し、次いでTE緩衝液に
溶出した(サンプル2)。どの核酸分子が、溶解マトリックスに捕捉されたかを
決定するために、Micro SpinをTE緩衝液中で100℃にて10分間
インキュベートし、次いで溶離物を遠心分離により収集した(サンプル3)。
【0066】 各サンプルのアリコートを、アガロースゲル電気泳動で分析した(図2)。プ
ラスミドDNAは、溶解マトリックスからの溶離物中に存在し、RNAをほとん
ど含まず、そして比較的少量の染色体DNAを混入していた。化学的環境の調整
は、高収量のプラスミドならびに染色体DNAおよびRNAの減少により証明さ
れるように、シリカ吸着による効率的な精製を可能にした。上昇した温度でのマ
トリックスの溶出は、フラグメント化した染色体DNAのみを示し、そしてマト
リックスにより捕捉したプラスミドDNAを含まなかった。酵素反応における精
製したDNAの適合性を評価するために、サンプル1および3のアリコートを、
Hind IIIを用いて消化した。シリカ吸着を介して洗浄したDNAのみが
、切断可能であった(サンプル3)。予測したように、サンプル1中の溶解溶液
は、Hind III活性を阻害した。
【0067】 これらのデータは、プラスミドDNAを、標準的なアルカリ溶解よりも、より
少ない操作を必要とする、単純化したプロセスにおいて細菌細胞から単離し得る
ことを実証する。さらに、グアニジンを含む溶解液による固体支持マトリックス
の含浸が、さらなる精製のためのシリカメンブラン上への、直接的な溶解マトリ
ックスからの溶離物の吸着を可能にすることを示唆するデータを得た(データ示
さず)。
【0068】 ここで、本発明を、理解の明確さの目的のための例証および例として、いくら
か詳細に全て記載したので、本発明が、本発明の範囲または本発明の任意の特定
の実施形態に影響することなく、広範かつ等価な範囲の条件、組成、および他の
パラメーター内で本発明を改変または変更することにより実施され得ること、な
らびにこのような改変または変更が、添付の特許請求の範囲内に含まれることが
意図されることは当業者に明かである。
【0069】 本明細書中で言及した全ての刊行物、特許、および特許出願は、本発明が属す
る当業者の技術のレベルを示し、そして個々の刊行物、特許、および特許出願の
各々が、参考として援用されることを具体的にかつ個々に示された場合と同一程
度に本明細書中で参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の1つの局面の図示である。これは、薄壁チューブ(好ましく
は、任意のサイズの微量遠心管)1を示し、これは、フリットまたはプラグまた
はカートリッジまたはスワッブチップの形態の多孔性のマトリックス材料2を含
み、このマトリックス材料2は、チューブ内の空間を、上部のサンプル適用セク
ション3と下部のサンプル収集セクションまたはサンプル溶出セクション4に分
割する。本発明の1つの局面に従って、このマトリックス材料2は、1以上の細
胞破壊/溶解化合物または組成物を含み得る。別の局面において、このマトリッ
クス材料は、ビーズまたはゲル、あるいは他の半固体マトリックスの形態であり
得、これらの場合、このマトリックスは、好ましくは、上部のサンプル適用セク
ション3と下部のサンプル収集セクション4を維持するために、固体支持体物質
で封入(encase)または会合される。好ましくは、マトリックス材料(固
体または半固体)は、チューブ1から用意に除去され得る、カートリッジまたは
プラグまたはスワッブチップの形態であり、サンプルの収集を容易にする。別の
局面において、1以上のさらなるマトリックスまたは樹脂は、上部サンプル適用
セクション3および/またはサンプル収集セクション4に含まれ得、所望の核酸
分子の単離または精製をさらに容易にする。例えば、周知の核酸結合マトリック
ス(例えば、シリカ吸着樹脂、アニオン交換樹脂、逆相樹脂、および/またはア
フィニティー樹脂)が、本発明のサイズ分離マトリックスの下に含まれ得、所望
でない成分(タンパク質、脂質、細胞供給源を溶解/破壊するために使用された
溶解/破壊組成物、溶媒、界面活性剤などを含む)をさらに除去するか、または
実質的に除去する。あるいは、所望でないこのような成分を結合するが、所望の
核酸を実質的に結合しないマトリックス(例えば、カチオン交換樹脂、逆相樹脂
、および/または疎水性相互作用樹脂)が、使用され得る。別の実施形態におい
て、このような核酸結合マトリックスおよび混入物結合マトリックスの組み合わ
せが、使用され得る。任意の核酸結合樹脂および/または混入物結合樹脂5が示
される。このようなさらなるマトリックスは、好ましくは、カートリッジまたは
プラグまたはスワッブチップ形態である。別の局面において、サンプル収集セク
ション4は、開口部またはアクセスポート(所望の場合は、閉じられ得る)を備
え得、マトリックスの除去の必要なくサンプルを収集する。1つの例において、
サイズ分離マトリックスおよび核酸結合マトリックスが提供される場合、所望の
核酸分子は、このサイズ分離マトリックスを通過し、結合マトリックスに結合す
る。次いで、サンプル収集セクション4内のアクセスポートまたは開口部を通っ
て、所望でない物質を除去するように適用される。所望の場合、洗浄緩衝液の添
加の前に、サイズ分離マトリックスは、チューブ1から除去され得る。次いで、
所望の単離された核酸分子は、溶出緩衝液が適用される場合に、アクセスポート
/開口部から取り出され得る。あるいは、所望の核酸分子の取り出しは、マトリ
ックスを除去して、サンプル収集セクション4にアクセスすることによって達成
される。
【図2】 図2は、本発明の方法による単離の種々の段階での核酸分子のサンプルを分析
する、エチジウムブロマイド染色1%アガロースゲルの写真である。レーン1:
10μlのスワッブチップからのフロースルー(サンプル1);レーン2:10
μlのスワッブチップから放出された捕捉DNA(サンプル2);レーン3:1
0μlのConcert Rapidスピンカートリッジからの溶出物(サンプ
ル3);レーン4:精製プラスミドpRPA−1;レーン5:10μlの、10
ユニットのHindIIIで消化したサンプル1;レーン6:10μlの、10
ユニットのHindIIIで消化したサンプル3;レーン7:10ユニットのH
indIIIで消化した精製pRPA−1;M:分子量マーカー−−スーパーコ
イルDNAラダー(左)および1KbのDNAラダー(右)。
【図3】 図3は、本発明の1つの局面の図示である。これは、薄壁チューブまたはカラ
ム(好ましくは、任意のサイズのマイクロスピンカートリッジまたはスピンカー
トリッジ)1を示し、これは、サイズ分離マトリックス(小さい核酸分子から大
きい核酸分子を分離するための)2および第2のマトリックス材料5(低分子量
核酸分子をさらに精製するための)を含む。好ましくは、このマトリックス材料
5は、核酸結合マトリックスまたは混入物結合マトリックス、あるいはそれらの
組み合わせである。サイズ分離マトリックス2および好ましい核酸結合マトリッ
クス5は、チューブまたはカラム1内で、空間をあけて分離され得るが、このよ
うなマトリックスは、好ましくは近くに近接し、そして好ましくはフリットまた
は他の材料によって分離される。カラム1のチューブは、サンプル適用セクショ
ン3およびサンプルを収集するための開口部またはアクセスポート6(所望の場
合、閉じられ得る)を備える。任意の収集チューブ、ウェルまたは容器7が、開
口部またはアクセスポート6を通過するサンプルを収集するために提供される。
好ましい局面において、サイズ分離マトリックス2は、細胞溶解/破壊化合物ま
たは組成物を含む。このような好ましい実施形態の適用において、高分子量核酸
分子および低分子量核酸分子の細胞供給源を含むサンプルは、サンプル適用セク
ション3に、好ましくはマトリックス2の上側用面に適用される。この細胞溶解
/破壊組成物または化合物は、低分子量および/または高分子量核酸分子の放出
を生じ、これらは、サイズ分離マトリックス2中で、低分子量核酸分子がこのマ
トリックス2を通過するのを可能する一方で、高分子量核酸分子の実質的部分が
、マトリックス2中またはマトリックス2上に保持されて、サイズに従って分離
する。サイズ分離マトリックスを通過する低分子量核酸分子は、核酸結合マトリ
ックス5に結合する。サイズ分離マトリックス2は、必要に応じてカラムまたは
チューブ1から除去され得(洗浄の前または後で)、引き続く洗浄および溶出工
程の間に、サイズ分離マトリックス2を通過する高分子量核酸分子を最小化する
。次いで、洗浄緩衝液または洗浄溶液が適用されて、所望でない物質を除去し得
る。次いで、溶出緩衝液または溶出溶液が適用されて、核酸結合マトリックスか
ら、開口部またはアクセスポート6を通って、所望の低分子量核酸分子を溶出し
得る。洗浄の間、収集チューブ7(所望でない物質を含む)は、第2のまたは新
しい収集チューブ7と取り替えられ得、溶出時に所望の核酸分子を収集する。
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月26日(2002.2.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図1】
【図2】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子量核酸分子または低分子量核酸分子集団を単離するた
    めの方法であって、該方法は: (a)核酸分子の細胞供給源と少なくとも1つの有孔性マトリックスとを接触
    させる工程であって、該マトリックスは、高分子量核酸分子を結合するかまたは
    捕捉するが、該低分子量核酸分子を実質的に結合も捕捉もせず、そしてこれによ
    って細胞供給源またはその一部が、該核酸分子の全てまたはその一部を放出する
    、工程;および (b)該分子量核酸分子を該高分子量核酸分子から分離または実質的に分離す
    る工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記マトリックス
    が、ポリエステルマトリックス、ポリオレフィンマトリックス、焼結ポリエチレ
    ンマトリックス、ニトロセルロースマトリックス、セルロースアセテートマトリ
    ックス、セルロースマトリックス、およびシリカマトリックスからなる群から選
    択される、方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記マトリックス
    の前記孔が、約1,000マイクロメートル〜約0.1マイクロメートルの直径
    の範囲である、方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記孔が、約50
    0〜約1マイクロメートルの直径である、方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記孔が、約40
    0〜約25マイクロメートルの直径である、方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記核酸分子の前
    記放出が、溶解/破壊組成物または化合物によって達成される、方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の方法であって、ここで、前記溶解/破壊組
    成物が、1つ以上の界面活性剤を含む、方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の方法であって、ここで、前記溶解/破壊組
    成物が、1つ以上のカオトロピック剤を含む、方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の方法であって、ここで、前記カオトロピッ
    ク剤が、グアニジンまたはその塩である、方法。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載の方法であって、ここで、前記溶解/破壊
    組成物が、1つ以上の酵素を含む、方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の方法であって、ここで、前記酵素がリ
    ゾチーム、リソスタフィン、またはザイモリアーゼである、方法。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記マトリック
    スが、1つ以上の溶解/破壊組成物または化合物を含む、方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の方法であって、さらに、前記低分子量核
    酸分子を回収する工程を包含する、方法。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記細胞供給源
    が、細菌細胞、酵母細胞、真菌細胞、動物細胞、ウイルス細胞、および植物細胞
    からなる群から選択される細胞である、方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法であって、ここで、前記細菌細胞
    が、Escherichia coli細胞である、方法。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記低分子量核
    酸分子が、プラスミド、ベクター、ファージミド、コスミド、ミトコンドリア核
    酸分子、および葉緑体核酸分子からなる群から選択される、方法。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記低分子量核
    酸分子が、DNA分子である、方法。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の方法によって生成された、単離された核
    酸分子。
  19. 【請求項19】 低分子量核酸分子または核酸分子集団を単離する際に使用
    するための組成物であって、該組成物は: (a)該低分子量核酸分子の細胞供給源; (b)高分子量核酸分子を実質的に結合するかまたは捕捉するが、低分子量核
    酸分子を実質的に結合も捕捉もしない、マトリックス;ならびに、必要に応じて
    、 (c)該細胞供給源を破壊または溶解する少なくとも1つの化合物または組成
    物、 を含む、組成物。
  20. 【請求項20】 低分子量核酸分子または核酸分子集団を単離する際に使用
    するためのキットであって、該キットが、請求項19に記載の組成物を含む、キ
    ット。
  21. 【請求項21】 低分子量核酸分子または核酸分子集団の単離の際に使用す
    るためのキットであって、該キットが: (a)高分子量核酸分子を実質的に結合または捕捉するが、低分子量核酸分子
    を実質的に結合も捕捉もしない、少なくとも1つのマトリックス;および (b)細胞破壊/溶解組成物または化合物、 を含む、キット。
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