JP6504979B2 - 建物開口部用網戸 - Google Patents
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Description
網戸は、窓枠などの清掃などの目的で開放する場合、その全体を開放するものの他、その一部を開放するものもある。また、網戸を開放する場合に、そのネットを巻き取ったり、畳んだりするもの以外に、網戸の外側に導出するものが知られている。
即ち、建物開口部枠の上下左右のいずれかの一側にスクリーンの一端を固定すると共に、スクリーンの他端に操作バーを取り付ける。また、スクリーン及び操作バーの両側に対向して、建物開口部枠に沿って一対のガイド枠を設け、このガイド枠でスクリーン及び操作バーの両側端を摺動可能にガイドする。
ガイド枠におけるスクリーンの最大開放位置において、ガイド枠の一部を切除し、操作バーでスクリーンをガイド枠の長手方向に押圧すると、スクリーンはガイド枠のこの切除された部分からガイド枠外に導出される。
しかし、この従来のスクリーン装置では、なお、以下のような解決すべき課題がある。
即ち、操作バーをネットの最大開放位置まで上げると、ネットが開口全体の上下高さの1/2まで垂れ下がる。そのため、例えば開き窓において、窓下枠中央に設けたハンドルを操作する際に、垂れ下がったネットに手が触れ、操作し難い。
ネット(スクリーン)の公差や製品(建物開口部用スクリーン装置)公差によって隙間が生じると、その隙間の部分でネットにしわが発生することがある。
ネットを外すためには、操作バーをガイド枠の切欠きから抜く必要がある。そのため、切欠部を大きくする必要があり、しかも大きくした切欠きを隠すカバー材が必要となる。そのため、コストアップになるだけではなく、ネットを切欠きから導出する際に、カバー材がネットに当たり、ネットをスムーズに開閉できない可能性がある。
図1Aは、本実施形態に係る窓枠1に取り付けた網戸枠2を概略的に示す正面図、図1Bは網戸ネット(又はスクリーン)部3を示す正面図である。
本実施形態に係る網戸10は、例えば、既存の窓枠1の室内側に取り付けられる。
網戸10は、概略的には、図1Aに示す、窓枠1に装着される網戸上枠12、網戸縦枠14と、網戸縦枠14を窓枠1の網戸縦枠14に取り付ける縦枠アタッチメント24で構成される網戸枠2と、図1Bに示す、略矩形のネット30と、ネット30の上端及び下端が収容されるインナーレール20と、で構成される網戸ネット部3を含み、網戸ネット部3には、図示のように可動桟16が装着される。
網戸10は、例えば特許文献1に記載された従来の網戸と同様に、窓枠1に取り付けられ、可動桟16の上下動でネット30を開閉する。
「網戸枠」
網戸10を収容する網戸枠2は、図1Aに示すように、下枠部分を除く枠体、即ち網戸上枠12、左右の網戸縦枠14がコ字状に連結に形成され、下枠に当たる部分には、図1Bに示す可動桟16が網戸縦枠14に沿って上下に移動可能に配置される。
図1Bに示す網戸10のネット30の四周端部32a、32b、32cは、ファスナテープのムシ(ファスナ半体)を装着し、それを合成樹脂押出し材で咥え込んで保持した構成から成る。網戸10の網戸ネット部3は全体として矩形をなし、ネット30と、ファスナ半体が装着された端部32a、32b、32cを収容する例えば合成樹脂製のインナーレール20とから成る。
図2Aは、網戸上枠12とインナーレール20を示す断面図である。
インナーレール20内には、図示のようにネット30の上端部32aが収容され、ネット30は、インナーレール20のスリット22を通してインナーレール20の外側に延在している。
網戸上枠12は、アルミ合金製であり、図2Aに示すように、断面が矩形の中空部12aとその中空部12aの下側に設けられたインナーレール20を収容する溝部12bを備えている。
網戸上枠12は、窓枠1(図1A)に例えばビス(図示せず)で一体に取り付けられる。
図2Bは、網戸縦枠14とインナーレール20、縦枠アタッチメント24を示す断面図である。
網戸縦枠14は、アルミ合金製であり、図2Bに示すように、その全長に渡りチャネル状の縦枠アタッチメント24に、例えばビス24aで取り付けられる。また、縦枠アタッチメント24は、窓枠1の左右の縦枠1bに例えばビス24bにより固定される(なお、網戸上枠12は縦枠アタッチメント24を用いず窓上枠に直接ビスなどで固定される)。
網戸縦枠14には、インナーレール20が収容されており、インナーレール20は、網戸10のネット30を開閉する際に、その全長に渡って設けたスリット22により抜け止め規制されたネット30の左右両端部32をガイドする。
図3は、可動桟16の断面図であり、図4は可動桟16及び後述する取手80などを示す斜視図である。
網戸の可動桟16はアルミ合金製であり、図3に示すように、断面中空の部分(中空部)16aとその中空部16aの上側に設けられたインナーレール20を収容する溝部16bから成る。可動桟16は引手部品18中に収容されている。
溝部16bの溝壁内面一側部には横に延びた突条16cが一条又は間隔を置いて複数条形成されている。他方インナーレール20の溝壁内面他側に対向する面にも、一条又は複数条の突条20aが形成されている。可動桟16の溝部16bとインナーレール20の溝部対向面の各突条により、樹脂製のインナーレール20をアルミ合金製の可動桟16の溝部16bに押し込み、その押し込み深さにより可動桟16の高さ方向における位置を調整することができる。
また、可動桟16の下降位置において窓下枠1cとの間にできる隙間を塞ぐために、可動桟16の下端から下方に延在するカバー16dと引手部品18のカバー18aが、設けられている。
即ち、可動桟キャップ40の横方向端面と網戸縦枠14との隙間を極力少なくするように、可動桟16に対する可動桟キャップ40の取付位置を調整する。これにより、可動桟16を網戸縦枠14に沿ってスムーズに上下動することができる。
次に、網戸縦枠14の上部に装着するコーナーブロック50と、網戸縦枠14の下端に装着する縦枠キャップ60について説明する。
図5は、コーナーブロック50で連結した網戸上枠12と網戸縦枠14、網戸縦枠14に取り付けたストッパ70及び網戸縦枠14に装着した縦枠キャップ60を示す斜視図である。
コーナーブロック50は、網戸上枠12と網戸縦枠14の上部を連結する。即ち、コーナーブロック50は、図5に示すように、網戸上枠12の端部と連結する部分(上枠連結部)52と、網戸縦枠14及び縦枠アタッチメント24の上端部に連結される部分(縦枠連結部)54とから成っている。
なお、ネット導出補助部56の形状は、上述のものに限らず、屈曲面やテーパー面など、要するに可動桟16を持ち上げる際に、ネット30がネット導出補助部56により二つ折状態で導出し易い形状になるのを促進できればよい。
つまり、コーナーブロック50は、室内側に導出するネット30のネット導出部53としての機能を有すると共に、連結される網戸縦枠14と網戸上枠12における長さの変動に対する調整機能をも有している。
縦枠キャップ60は、図5に示すように網戸縦枠14の下端部の小口部分を塞ぐ板状体62と、板状体62に立設され網戸縦枠14下端から挿入される突状部64と、板状体62から延在する部分には付勢手段、一例としてここではコイルバネ66を嵌装するピン68を備えている。
ここで、コイルバネ66は、網戸縦枠14に収容されたインナーレール20の下端部を弾発付勢して、インナーレール20上端部をコーナーブロック50に常に当接する機能を有している。
この機能により、上部のコーナーブロック50が位置調整を行ったときにも、インナーレール20を常にその位置調整に追従させることができ、コーナーブロック50との間に隙間が生じない。
網戸縦枠14にはストッパ70が装着される。
図6Aは、網戸縦枠14に装着前のストッパ70の斜視図、図6Bは、網戸縦枠14に装着後のストッパ70の断面を示す斜視図である。
ストッパ70は、網戸縦枠14において可動桟16の通路に向かって突出して上昇する可動桟16が係止する係止部72を有する。
本実施形態では、図示のように網戸縦枠14の一側面に設けた取付穴14aに網戸縦枠14の外面側から嵌合する突状部64と、突状部64と一体に形成され、可動桟16の通路にネット30の側端部が通過する網戸縦枠14の内面側に突出する係止部72とを有する。
係止部72は、網戸の開放時において持ち上げられ、上昇してくる可動桟16を、その段部に載置することで係止し、可動桟16のそれ以上の上昇を阻止する。
即ち、ストッパを、このように網戸縦枠14の上下間の長さ(高さ)の約2/3のところに設置することで、後述する取手80を持って可動桟16を持ち上げて網戸10を開放し、可動桟16をストッパ70に係止したとき、コーナーブロック50のネット導出部53から室内側に導出されたネット30は、室内側に二つ折状態で下方に延伸し、その二つ折りの長さは、インナーレール20内に残留するネットの長さとほぼ同じになる。
そのため、従来のように、開放に伴い室内側に垂れ下がったネット30が、例えば開き窓のハンドル操作をする手の上に被さり、被さったネット30を手で離して支えながら操作する不便さが解消できる。
可動桟16には取手80が装着される。ここでは図4及び5を参照して説明する。
図4には、可動桟16に装着される取手80及び上述の可動桟キャップ40を示す斜視図が示されている。
取手80は、図4に示す例では可動桟16の例えばその長手方向中央部に装着される。
取手80は、図示のように手掛り部82と、手掛り部82の裏面に可動桟16にスナップ係止できる係止部(図示せず)を備えている。
取手80は、図5に示すように、可動桟16の両側部に一対設けてもよい。この場合は取手80にこれも隙間調整手段である取手小口キャップ84を備えることで上述の可動桟キャップ40の隙間調整機能を付加することができる。
即ち、網戸縦枠14と取手80の横方向側面の取手小口キャップ84との隙間(クリアランス)を極力小さくするように調整して可動桟16に取り付ける。
これにより、上述の可動桟キャップ40を取り付けたときと同様に、網戸縦枠14と可動桟16との間に隙間を存しつつ、ガタツキがなくまた可動桟16の転びのないスムーズな上下動が可能である。
即ち、網戸の可動桟16の取手80を持って持ち上げると、ネット30が上昇する。ネット30の上端部は網戸上枠12に収容されたインナーレール20に収容・係止されているため、上昇するネット30は、コーナーブロック50のネット30の導出部53から室内側に膨出する。
ここで、図7Aにおいて、可動桟16をさらに上昇させると、それに伴って室内側に膨出するネット量が増大し、導出されるネット30は、二つ折りした状態で自身の重量により下方に下がる。
可動桟16は網戸縦枠14に設けたストッパ70に係止されて、その位置に保持される。
網戸を閉じるときは、可動桟16を下降させれば、それに伴ってコーナーブロック50のネット導出部53から導出されたネット30が網戸枠内に引き戻されてもとの状態に戻る。
図8Aは網戸ネット部3の装着時における網戸10の断面図、図8Bは網戸10から網戸ネット部3を外したときの断面図である。
本実施形態では、ネット30の交換はネット30の上下のインナーレール20と共に行う。即ち、網戸ネット部3を網戸10から外すときは、ネット30の上下端部を収容する上下のインナーレール20の取手となる鍔部分25を持って或いはその一方を持って交互に、両者の距離が縮まる方向に力を加える。それによって、図8Bに示すようにそれぞれ網戸上枠12及び可動桟16から外すことができる。
そのため、従来のように、ネット(スクリーン)に可動桟(操作バー)をつけたまま、しかも網戸縦枠に設けた切欠きから挿脱する場合のように、網戸縦枠の切欠部を大きくする必要がない。
このように、本実施形態によれば、ネット30の交換を容易に行うことができる。
また、窓枠1のコーナーブロックのネットに導出部を備えたことで、従来のように網戸縦枠に大きな切欠部を設け、かつ大きな切欠部を隠すためのカバーを用いることがなく、構造もコストの低廉化も可能である。
インナーレールをそれぞれ上枠、可動桟から引き出すだけの簡易な操作でネットを取り外すことができ、従来のように可動桟を網戸縦枠の切欠部から外す必要はない。
可動桟と縦枠の間に隙間を設け、可動桟には、その隙間を最小限に調整するためのキャップ又は取手を設けたことで、可動桟と縦枠間に水滴が溜まって凍結して可動桟や縦枠を変形させることがなく、また、隙間を最小限にしたことにより可動桟を上下動させる際にガタついたり、可動桟が転ぶ等の虞がなく、可動桟をスムーズに上下動させることが出来る。取付ける開口に合わせた網戸枠の微調整も可能である。
その場合、ネットを交換するためには、インナーレールごと外せばよいから、ネットを従来のように可動桟を付けたまま外す場合に比べて切欠きを小さくでき、したがって敢えてカバーを付する必要がなく低コストにできる。
Claims (7)
- 網戸上枠と前記網戸上枠に連結された左右の網戸縦枠から成る網戸枠と、
上端部が前記網戸上枠に連結されると共に下端部が可動桟に連結されて、前記可動桟により前記左右の網戸縦枠に沿って上下動し、開放時に前記網戸枠の上端部近傍から外部に導出される略矩形のネット部を備えた網戸であって、
前記網戸縦枠の上端部近傍に前記ネット部を外部に導出する導出部を有し、
前記網戸縦枠の上下高さの約2/3の位置に、前記可動桟に係止して前記可動桟の上動を停止させるストッパを有し、
前記網戸上枠と網戸縦枠を連結するコーナーブロックを有し、
前記導出部は前記コーナーブロックに設けた建物開口部用網戸。 - 請求項1に記載された建物開口部用網戸において、
前記コーナーブロックは、前記導出部に対応して前記ネット部の導出側と反対側に導出する前記ネット部の屈曲を促進する導出補助部を有する建物開口部用網戸。 - 請求項1又は2に記載された建物開口部用網戸において、
前記コーナーブロックは、網戸上枠及び網戸縦枠の連結長さを調整する調整機能を有する建物開口部用網戸。 - 請求項3に記載された建物開口部用網戸において、
前記網戸縦枠に収容されたインナーレールの下端部を上方に弾発付勢する付勢手段を備えた建物開口部用網戸。 - 請求項1に記載された建物開口部用網戸において、
前記ネット部のネットの上下両端部は、それぞれ前記網戸上枠及び前記可動桟に押圧挿入されかつ装脱可能に収容されたインナーレールに装着されており、前記ネットの両側部は、網戸縦枠に装着されたインナーレールにガイドされて上下動する建物開口部用網戸。 - 請求項1に記載された建物開口部用網戸において、
前記網戸上枠及び網戸縦枠は躯体開口部の上枠及び縦枠にそれぞれ固定され、前記可動桟は躯体開口部の下枠から離して配置し、前記ネット部のネットに前記可動桟の自重が作用可能にした建物開口部用網戸。 - 請求項1に記載された建物開口部用網戸において、
前記可動桟は、前記網戸縦枠との間に隙間を存して配置すると共に、前記可動桟の横方向端部と前記網戸縦枠間の前記隙間を縮小し、前記可動桟の上下動時における前記可動桟のガタツキを防止する、前記可動桟の横方向からの突出長さが調整可能な隙間調整手段を備えた建物開口部用網戸。
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