JP6504542B2 - 車両速度制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両速度制御装置に関する。
耐久試験、排気浄化性能評価試験及び燃費計測試験などの車両試験は、例えばシャシダイナモメータのローラ上で実車両を実際に走行させることによって行われる。この際、実車両の運転は自動運転装置(所謂、ドライブロボット)が用いられる場合が多い。ドライブロボットは、実現すべき車両の速度に相当する車速指令が入力されると、この車速指令を実現するようにアクチュエータを駆動し、車両のアクセルペダル、ブレーキペダル及びシフトレバーなどを操作する。予め定められた車速指令に従った車両の運転は、モード運転と呼称される。
車両試験において、車両の耐久性能、排気浄化性能及び燃費等は、人に替わってドライブロボットが行うモード運転の結果として評価される。ドライブロボットは、車速の時間変化を規定した基準車速指令が入力されると、これを実現するようにアクセルペダル、ブレーキペダル等を操作する。基準車速指令は試験内容に応じた規格等によって定められているが、この基準車速指令に対しては所定の車速許容範囲が定められている。すなわち、ドライブロボットを用いた試験では、ドライブロボットによって実現される車速が上記車速許容範囲から一定時間以上逸脱した場合には失格とされる。
またドライブロボットを用いた試験では、入力される基準車速指令を忠実に実現しようとするあまり、例えばアクセルペダルの操作に不自然なばたつきが生じる場合がある。一方、上述のように基準車速指令に対しては車速許容範囲が定められていることから、特許文献1には、この許容範囲を生かして、より人に近い滑らかなモード運転を実現可能とするような車速指令を生成する方法が示されている。特許文献1の発明では、車両の加速度の二乗に比例した項を含む評価関数を定義し、車両の速度が上記車速許容範囲内に収まりかつ評価関数の値が極値になるような加速度の値を決定し、これを用いてドライブロボットへ入力する車速指令を生成している。
特願2014−130709号
特許文献1の方法では、車速指令は、加速度に比例した物理量(例えば、仕事率)をできるだけ小さくしながら基準車速指令に対する許容範囲内に収まるように生成される。したがってこのようにして生成された車速指令をドライブロボットへ入力することにより、許容範囲を十分に活用したなめらかな車両の操作が実現される。
しかしながら特許文献1の発明は、運転者又はドライブロボットによる変速操作が不要である自動変速機や無段階変速機を搭載した車両(所謂、AT車やCVT車)を想定してなされたものであり、変速操作が必要な手動変速機を搭載した車両(所謂、MT車)については十分に考慮されていない。
MT車では、運転者又はドライブロボットは、変速操作時にクラッチペダルを踏み込んでからシフトレバーを操作することになるが、この際、一時的にエンジンとタイヤとの間のトルク伝達が切断されるため、所謂駆動力抜けが発生する。駆動力抜けが発生すると、走行抵抗によって車両は減速してしまう。このため、MT車を操作するドライブロボットに上記のようにAT車を想定して生成された車速指令を入力すると、追従性能が低下し、車速許容範囲を逸脱してしまう場合がある。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、MT車を操作するドライブロボットに入力した場合であっても車速許容範囲を逸脱せずに走行できる車速指令を生成する車速指令生成方法を提供することを目的とする。
(1)ドライブロボットの車速制御装置は、実現すべき車両の速度に相当する車速指令及び前記車両の変速操作を実行すべき時期を特定する変速指令が入力されると前記車速指令及び前記変速指令に応じて車両を操作する。本発明の車速指令生成方法は、車速制御装置に用いられる車速指令を生成するものであって、前記車両の速度の関数でありかつ所定の基準車速許容範囲に応じて関数形が変わる評価関数の値の最小値を与える前記車両の加速度の値を決定する最小値探索工程と、前記決定された加速度の値を用いて車速指令を生成する車速指令生成工程と、を備え、前記最小値探索工程では、変速指令の発生時期から所定時間前までの変速直前期間と当該変速直前期間以外の期間とで前記評価関数の関数形を変えることを特徴とする。
(2)この場合、前記変速直前期間で用いられる評価関数は、前記車速に対し前記基準車速許容範囲内で下に凸の正値の速度バリア関数項と負値の加速促進項とを含むことが好ましい。
(3)この場合、前記変速直前期間で用いられる評価関数は、前記加速度の二乗と前記速度の二乗と所定の負値との積を含むことが好ましい。
(4)この場合、前記最小値探索工程では、前記加速度の現在値に基づいて所定の先読み時間後の前記速度の予測値を算出し、前記評価関数は、前記速度の予測値が前記先読み時間後の許容範囲内からその時の速度上限値に近づくと大きくなりかつ前記速度の予測値が前記先読み時間後の許容範囲内からその時の速度下限値に近づくと大きくなる先読みバリア関数項を含むことが好ましい。
(5)前記車速指令生成方法は、前記車速制御装置への車速指令及び変速指令から前記車両の速度検出までの特性を模したMT車両モデルを用いることによって前記車速指令生成工程で生成された車速指令の良否を判定するシミュレーション工程をさらに備えることが好ましい。
(6)この場合、MT車両モデルは、二次遅れと無駄時間を備えた伝達関数で表現される過渡特性モデルと、所定の走行抵抗の下で減速する前記車両の運動方程式によって表現される駆動力抜けモデルと、を含み、前記シミュレーション工程では、前記変速指令によって特定される変速操作期間では前記駆動力抜けモデルを用い、前記変速操作期間以外の期間では前記過渡特性モデルを用いることによって前記速度検出を算出することが好ましい。
(7)この場合、前記車速指令において加速と減速が切り替わる変曲点の近傍の時期では、他の時期よりも前記変速操作期間を長く設定することが好ましい。
(8)この場合、前記シミュレーション工程では、前記MT車両モデルへ前記車速指令生成工程で生成された車速指令及び前記変速指令を入力して得られる車速検出が前記基準車速許容範囲内である場合には良と判定し、前記車速検出が前記基準車速許容範囲外である場合には不良と判定することが好ましい。
(9)この場合、前記変速直前期間で用いられる評価関数は、前記車速に対し前記基準車速許容範囲内で下に凸でありかつ重み係数に反比例する正値の速度バリア関数項と負値の加速促進項とを含み、前記シミュレーション工程において不良と判定された場合には、前記重み係数の値をより大きな値に変更した後、前記最小値探索工程及び前記車速指令生成工程を再び行うことが好ましい。
(10)本発明の車速指令生成装置は、車速制御装置に用いられる車速指令を生成するものであって、前記車両の速度の関数でありかつ所定の基準車速許容範囲に応じて関数形が変わる評価関数の値の最小値を与える前記車両の加速度の値を決定する最小値探索手段と、前記決定された加速度の値を用いて車速指令を生成する車速指令生成手段と、を備え、前記最小値探索手段は、変速指令の発生時期から所定時間前までの変速直前期間と当該変速直前期間以外の期間とで前記評価関数の関数形を変えることを特徴とする。
(1)本発明では、評価関数の値の最小値を与える加速度の値を決定し、さらにこの加速度の値を用いて車速指令を生成する。この際、基準車速許容範囲に応じてその関数形が変わる評価関数を用いて加速度の値を決定することにより、基準車速許容範囲を逸脱しないような車速指令を生成することができる。ここで人である運転者が車速指令に忠実にMT車を運転しようとする場合、運転者は、変速操作を行うと一時的に駆動力抜けが発生し減速に転じることを見込んで、変速操作が終わった直後に車速指令に復帰するよう帳尻を合わせるべく、実際に変速操作を開始する少し前から加速する。これに対しドライブロボットは、実際の車速が車速指令を忠実にたどるように車両を操作しつつ、変速指令が発生するとこれに応じてタイミングで変速操作を行う。このためドライブロボットがMT車を操作すると、変速操作を開始するまでは実際の車速は忠実に車速指令を追従しようとするが、変速操作が終わった直後には駆動力抜けによって実際の車速は車速指令よりも遅くなってしまう。このように人とドライブロボットとでは、特に変速指令の発生時期から所定時間前までの変速直前期間においてMT車の運転方法に相違がある。本発明ではこの点に着目し、最小値探索工程で用いられる評価関数の関数形を変速直前期間とこれ以外の期間とで変化させる。これにより、ドライブロボットに入力した場合には、より人に近い操作をすることができる車速指令を生成することができる。
(2)本発明では、変速直前期間には、車速に対し基準車速許容範囲内で下に凸の正値の速度バリア関数項と、負値の加速促進項と含んだ評価関数を用いて加速度の値を決定する。このように変速直前期間には、速度バリア関数項とは逆符号の加速促進項を組み合わせた評価関数を用いることにより、基準車速許容範囲の最小点、すなわち基準車速指令に対してやや加速気味の車速指令を生成することができる。これにより、人がMT車を運転した場合に行うであろう上述の変速直前期間における加速操作をドライブロボットでも実現することができる。
(3)本発明では、変速直前期間には、加速度の二乗と速度の二乗との積、すなわち仕事率の二乗に負値を乗じたものを含む評価関数を用いることにより、仕事率を大きくするように、すなわち加速を促すように車速指令を生成することができる。これにより、人がMT車を運転した場合に行うであろう上述の変速直前期間における加速操作をドライブロボットでも実現することができる。
(4)加速度の現在値に基づいて所定の先読み時間後の速度の予測値を算出する。また本発明では、加速度の二乗に比例した項と、速度の予測値が先読み時間後の許容範囲内からその時の速度上限値又は速度下限値に近づくと大きくなる先読みバリア関数項とを含んだ関数を評価関数として用いる。本発明では、このように先読み時間後の速度の予測値に対して拘束条件を課すことにより、例えば、基準車速指令及びこれに応じて定まる許容範囲が急激に変化するような場合において、加速度が急激に立ち上がるように決定されるのを防止できる。これにより、さらに滑らかな車両の操作を実現する車速指令を生成できる。
(5)本発明では、MT車両モデルを用いることによって、車速指令生成工程で生成された車速指令の良否を判定する。これにより、ドライブロボットを搭載した実機を使わずに車速指令の良否を判定できる。
(6)ドライブロボットを搭載した実機には、車速制御系の特性や車両の特性等により、目標速度に対して遅れやオーバーシュート等が存在する。また変速操作を行っている間は、上述のように駆動力抜けが発生し、車両は所定の走行抵抗の下で減速する。本発明のシミュレーション工程では、変速指令によって特定される変速操作期間では駆動力抜けによる減速を模した駆動力抜けモデルを用い、これ以外の期間では遅れや無駄時間を模した過渡特性モデルを用いることにより、再現精度を向上できる。
(7)本発明のシミュレーション工程では、加速と減速が切り替わる変曲点の近傍の時期では、他の時期よりも変速操作期間、すなわち駆動力抜けモデルを用いる期間を長く設定する。一般的に人がMT車を運転する場合、加速と減速が切り替わる変曲点の近傍の時期では、他の時期(例えば、加速中又は減速中等)よりも変速操作にかかる時間が長くなる。本発明のシミュレーション工程では、このような変曲点における特徴的な駆動力抜けを再現することができる。
(8)本発明のシミュレーション工程では、実際に最小値探索工程及び車速指令生成工程を行うことによって生成した車速指令及び変速指令をMT車両モデルへ入力して得られる車速検出が基準車速許容範囲内にない場合には、不良と判定する。したがって不良と判定された場合には、例えば、各種設定条件を変更した上で再度車速指令を生成することにより、最終的には適切な車速指令を生成することができる。
(9)本発明では、変速直前期間で用いられる評価関数を正値の速度バリア関数項と負値の加速促進項とで構成し、この評価関数を用いて得られた車速指令を用いてシミュレーション工程を行い不良と判定された場合には、重み係数の値を大きくし、すなわち評価関数における速度バリア関数項の寄与度を加速促進項に比して小さくする。これにより、変速直前期間における加速操作をより顕著にできるので、ドライブロボットに入力した場合には、駆動力抜けに起因して車速が基準車速許容範囲から逸脱しないような車速指令を容易に生成することができる。
(10)本発明の車速指令生成装置によれば、(1)の車速指令生成方法の発明と同じ効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る車速指令生成方法が適用された車両試験システムの制御系の構成を示す図である。 基準車速指令と目標車速指令との関係を示す図である。 目標車速指令から車速検出までの特性を示す図である。 MT車両モデルの出力例を示す図である。 車速指令生成装置を用いて最適な目標車速指令及び目標変速指令を生成する手順を示すフローチャートである。 最適な目標車速指令及び目標変速指令の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る車速指令生成方法が適用された車両試験システムSの制御系の構成を示す図である。車両試験システムSによる試験対象としての車両には、変速操作が必要な手動変速機を搭載した所謂MT車が好ましく用いられる。
車両試験システムSは、車速指令生成装置1と、車速制御装置2と、制御対象3と、シャシダイナモメータ4と、走行抵抗力制御装置5と、を備える。
制御対象3は、試験対象としての車両と、この車両の運転席に搭載され、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル、シフトレバー、及びイグニッションスイッチ等の車両を走行させるために必要な装置を指令に応じて操作する複数のアクチュエータを備えたドライブロボットが搭載されている。この制御対象3としての車両は、実路面上での実走行を模した走行抵抗力を発生するシャシダイナモメータ4に搭載される。
制御対象3は、車両駆動系31と、加算部32と、車両慣性系33と、に分けられる。車両駆動系31は、アクセル開度指令が入力されると、これに応じた駆動力を発生する。車両慣性系33には、車両駆動系31が発生する駆動力からシャシダイナモメータで発生する走行抵抗力を減じて得られる車両の加速力が入力される。車両慣性系33は、車両の加速力が入力されるとこれに応じた車速を発生する。
走行抵抗力制御装置5は、シャシダイナモメータ4で発生し、車両に付与する走行抵抗力を制御する。この走行抵抗力は、空気抵抗力、ころがり抵抗力、及び勾配抵抗力等の実走行中の車両に作用し得る外力を模したものである。この走行抵抗力は、例えば図1に模式的に示すように車両の速度が大きくなるほど大きくなるように設定される。
車速指令生成装置1は、各時刻において実現すべき車両の速度に相当する目標車速指令と、車両において変速操作(より具体的には、クラッチペダルの踏み込み及びシフトレバーの操作等からなる一連の操作)を実行すべき時期を規定した目標変速指令と、を生成する。車速指令生成装置1によってこれら目標車速指令及び目標変速指令を生成する具体的な手順については、後に詳述する。
車速制御装置2は、車速指令生成装置1によって生成された目標車速指令及び目標変速指令を実現するように、すなわち目標変速指令によって特定される時期にMT車の変速操作を行いつつ実際の車両の車速が目標車速指令をトレースするように、ドライブロボットを制御する。
なお図1には、ドライブロボットを構成する複数のアクチュエータのうちアクセルアクチュエータへの入力であるアクセル開度指令の決定に係る部分のみを示す。ドライブロボットには、車両のアクセルペダルを操作するアクセルアクチュエータの他、ブレーキペダル、クラッチペダル、及びシフトレバー等を操作するアクチュエータも含まれるが、これらへの入力を決定する構成については図示及び詳細な説明を省略する。
車速制御装置2は、例えば、図1に示すように駆動力特性マップを用いたフィードフォワード制御とPI制御とを組み合わせた制御方法によって、目標車速指令の追従制御を行う。以下、この車速制御装置2の具体的な構成について説明する。
駆動力特性マップ演算部21は、所定の入力(目標車速指令及び目標駆動力)と車両のアクセルペダルの開度とが関連付けられた駆動力特性マップ(図示省略)を有する。この駆動力特性マップは、試験対象である車両について事前に実験を行うことによって作製されたものが用いられる。駆動力特性マップ演算部21は、上述のようにして生成された目標車速指令と、図示しない処理によって決定された目標駆動力とが入力されると、上述の駆動力特性マップを検索し、これら入力に応じたアクセル開度を決定する。
車速フィードバック演算部22は、車両感度演算部23と、比例演算部24と、積分演算部25と、加算部26と、を備える。車両感度演算部23は、上記演算部21が有するものと同じ駆動力特性マップを用いて、車両の感度(駆動力変化/アクセル開度変化)の逆数を算出する。比例演算部24は、車両感度に応じて可変される比例ゲインを車速偏差(目標車速指令−実車速)に乗算する。積分演算部25は、比例演算部24の出力を積分する。加算部26は、比例演算部24の出力と積分演算部25の出力とを加算する。
以上のような駆動力特性マップ演算部21の出力と車速フィードバック演算部22の出力は、加算部27によって加算され、アクセルペダルの開度に対するアクセル開度指令として制御対象3に入力される。制御対象3である車両及びシャシダイナモメータシステムは、車両駆動系31と、加算部32と、車両慣性系33と、に分けられる。車両駆動系31は、アクセル開度指令が入力されると、これに応じた駆動力を発生する。車両慣性系33には、車両駆動系31が発生する駆動力からシャシダイナモメータシステムで発生する走行抵抗を減じて得られる車両の加速力が入力される。車両慣性系33は、車両の加速力が入力されるとこれに応じた車速を発生する。
次に、車速指令生成装置1の構成について具体的に説明する。
車速指令生成装置1は、試験内容に応じた規格等によって予め定められた基準車速指令及び基準変速指令と、これら基準車速指令及び基準変速指令に対して予め設定された車速許容範囲(以下、「トレランス」という)と、に関するデータとを読み込み、これらを用いて目標車速指令及び目標変速指令を生成する。ここで、「車速指令」とは、目標車速の波形、すなわち複数の時刻と各時刻において実現すべき車両の速度の値とが関連付けられたデータの集合である。また「変速指令」とは、変速操作を開始すべき時期に関するデータの集合である。
図2は、基準車速指令と目標車速指令との関係を示す図である。図2において、太実線は基準車速指令(vref)であり、太破線は基準車速指令を入力として後述の手順に従い車速指令生成装置によって生成した目標車速指令(vcmd)の一例である。
上述のように基準車速指令及び基準変速指令は規格等によって定められたものが用いられるが、これら指令に対しては所定のトレランスが定められている。このトレランスも規格等によって定められる。図2において破線枠で示すように、トレランスは、各時刻における速度のずれ(図2における縦方向へのずれ)だけでなく、時刻のずれも許容される。日本で定められた一規格によれば、速度のずれについては±2[km/h]だけ許容され、時刻のずれについては±1[s]だけ許容される。このように基準車速指令に対するトレランスは速度のずれと時刻のずれの両方が許容されることから、各時刻における許容速度上限(Tupper)及び許容速度下限(Tlower)は、それぞれ図2において一点鎖線で示すようにトレランスの包絡線となる。
ドライブロボットを用いた試験では、ドライブロボットによって実現される車速がトレランスから一定時間以上逸脱した場合には失格とされる。したがって車速指令生成装置1において上述のように規格によって定められた基準車速指令及び基準変速指令から目標車速指令及び目標変速指令を生成する場合、生成したこれら目標指令を実際にドライブロボットに入力した場合に実現される車速がトレランスを逸脱しないようにする必要がある。特に、試験対象がMT車である場合、変速操作を行うことによって駆動力抜けが発生し、その間の車速が著しく減少することから、基準車速指令及び基準変速指令をそのままドライブロボットへ入力すると、実現される車速がトレランスを逸脱してしまう場合がある。従ってMT車を想定する場合、車速指令生成装置1では、ドライブロボットに入力した場合に駆動力抜けによるトレランスの逸脱が発生しないような目標車速指令及び目標変速指令を生成する必要がある。
車速指令生成装置1は、予め定められた基準車速指令、基準変速指令、及びトレランスを読み込み、これらを用いて以下で説明する車速指令生成演算11、最小値探索演算12、及びモデル演算13等を実行するためのプログラムがインストールされたコンピュータによって構成される。車速指令生成装置1では、これら車速指令生成演算11、最小値探索演算12、及びモデル演算13を繰り返し行うことにより、与えられた基準車速指令及び基準変速指令から、MT車に適した目標車速指令及び目標変速指令を生成する。なお、目標変速指令は、基本的には基準変速指令と同じである。しかしながら、図2に示すようにトレランスには時刻のずれも許容されていることから、車速指令生成装置1では、このトレランスで許容されている範囲内(すなわち±1[s])で基準変速指令を作業者が手動で変更したものを目標変速指令とすることができるようになっている。
車速指令生成演算11では、車速指令生成装置1は、下記式(1)に示すような車両の時刻”t”における速度v(t)及び加速度a(t)に関する差分方程式を用いることによって、開始時刻t=0から終了時刻t=tendまでの目標車速指令(v(0),v(dt),v(2dt),…,v (tend))を漸進的に算出する。ここで、下記式(1)において、”dt”は、生成する車速指令の時間間隔(所謂、サンプル時間)を示す。”dt”は、例えば1[s]であるが、これに限るものではない。下記式(1)は、各時刻における加速度a(t)が決定されれば、これを積算することによって各時刻における車速v(t)が決定されることを意味する。車速指令生成装置1は、時間ステップdt毎に後述の最小値探索演算12によって決定された加速度aの値を用いることによって、時間ステップdt毎に目標車速指令(v(0),v(dt),v(2dt),…,v (tend))を生成する。
Figure 0006504542
最小値探索演算12では、車速指令生成装置1は、車速v(t)の関数でありかつトレランスに応じて関数形が変わる評価関数J(t)を定義し、この評価関数J(t)の値の最小値を与えるような加速度a(t)の値を決定する。最小値探索演算12では、例えば最急降下法や共役勾配法等の既知の非線形計画法のアルゴリズムを利用することにより、定められた評価関数J(t)の最小値を与える加速度a(t)の値を決定する。
ここで、上述のようにMT車を想定する場合、最終的に得られる目標車速指令は、変速操作に伴う駆動力抜けに起因したトレランスの逸脱が防止されるようにする必要がある。この点、例えば人である運転者が目標車速指令に忠実にMT車を運転しようとすると、運転者は、変速操作を行うと一時的に駆動力抜けが発生し減速に転じることを見込んで、変速操作が終わった直後に車速指令に復帰するよう帳尻を合わせるべく、実際に変速操作を開始する少し前から加速すると考えられる。すなわち運転者は、実際に変速操作を開始する所定時間前(すなわち、基準変速指令が発生する所定時間前)から実際に変速操作を開始するまでの変速直前期間では一時的に加速することにより、駆動力抜けによるトレランスからの逸脱を防止しようとすると考えられる。
最小値探索演算12では、このような変速直前期間におけるMT車固有の運転を再現すべく、変速直前期間とこの変速直前期間以外の期間とで、下記式(2)に示すように評価関数J(t)の関数形を変える。ここで変速直前期間とは、より具体的には目標変速指令によって特定される変速操作を開始する時期から、所定時間(具体的には、例えば1[s])手前までの期間と定義する。
Figure 0006504542
上記式(2)において、変速直前期間及びそれ以外の期間の両方で用いられる評価関数で共通の項”B(t)”は、車速がトレランスから逸脱するのを防止するための速度バリア関数項であり、具体的には、トレランスの許容速度上限Tupper(t)及び許容速度下限Tlower(t)によって下記式(3)によって表される。下記式(3)において、”r”は、速度バリア関数項の影響度を決定する正の重み係数である。速度バリア関数項B(t)は、重み係数rに反比例することから、重み係数rの値を大きくするほど、速度バリア関数項の他の項に対する影響度は相対的に小さくなる。この重み係数rの具体的な値は任意であるが、例えば後述のモデル演算13を経て微調整されることが好ましい。
Figure 0006504542
また速度バリア関数項B(t)は、式(3)に示すように正値でありかつ車速v(t)に対し許容速度上限Tupper(t)から許容速度下限Tlower(t)の範囲内で下に凸の関数形である。すなわち、速度バリア関数項は、速度v(t)の値が許容範囲内(Tlower(t)〜Tupper(t))ではほぼ0であり、かつ速度v(t)が許容範囲内から許容速度上限Tupper(t)又は許容速度下限Tlower(t)に近づくに従って発散する特性を有する。評価関数にこのような速度バリア関数項B(t)を含めることにより、目標車速指令はトレランスの中心である基準車速指令の近傍に定められる。
上記式(2)において、変速直前期間で用いられる評価関数に含まれる項”-W(t)2”は、変速直前期間において上述のように加速を促すための負値の加速促進項である。この加速促進項は、より具体的には例えば下記式(4)に示すように、加速度a(t)の二乗と車速v(t)の二乗の積、すなわち加速度a(t)で走行する車両の仕事率の二乗に比例した項を含む。下記式(4)において、”M”は、車両重量であり、時間に依存しない正の定数である。
Figure 0006504542
このように変速直前期間では、正値の速度バリア関数項B(t)と、これとは逆符号の負値でありかつ仕事率の二乗に比例した加速促進項W(t)2とを組み合わせた評価関数J(t)を用いることにより、トレランスの中心である基準車速指令に対してやや加速気味の目標車速指令を生成することができる。
なお最小値探索演算12では、上記式(2)に示すような評価関数J(t)の他、下記式(5)に示すように、式(2)にさらに項Best(t)を追加した評価関数J’(t)を用いても良い。
Figure 0006504542
式(5)において新たに追加された項”Best(t)”は、最終的に算出される目標車速指令が急激に立ち上がるのを防止するために加えた先読みバリア関数項である。より具体的には、この先読みバリア関数項とは、所定の予測車速vest(t)に対して速度バリア関数項B(t)によって課される拘束条件を実現するためのバリア関数項である。ここで予測速度vest(t)とは、現在の時刻tから所定の先読み時間dt×n後(”n”は1以上の整数であり、例えば1である)における速度の予測値に相当する。より具体的には、例えば、下記式(6)に示すように、現在の加速度a(t)を先読み時間にわたって積算することによって算出される値が用いられる。
Figure 0006504542
また先読みバリア関数項Best(t)の関数形は、予測速度vest(t)に対し許容速度上限Tupper(t+ndt)から許容速度下限Tlower(t+ndt)の範囲内で下に凸であることが好ましい。すなわち、先読みバリア関数項Best(t)は、予測速度vest(t)の値が先読み時間後の許容範囲内(Tlower(t+ndt)〜Tupper(t+ndt))ではほぼ0であり、かつ予測速度vest(t)が先読み時間後の許容範囲内から許容速度上限Tupper(t+ndt)又は許容速度下限Tlower(t+ndt)に近づくに従って発散する特性を有することが好ましい。より具体的には、例えば下記式(7)で表されたものが用いられる。
Figure 0006504542
車速指令生成装置1では、以上のような最小値探索演算12及び車速指令生成演算11を時間ステップdt毎に繰り返して行うことによって、時間ステップdt毎に目標車速指令(v(0),v(dt),v(2dt),…,v (tend))を生成する。
モデル演算13では、車速指令生成装置1は、以下で説明するMT車両モデルを用いたシミュレーションを行うことによって、上述の車速指令生成演算11及び最小値探索演算12を用いて生成した目標車速指令及び目標変速指令の良否を判定する。
図3に示すように、車速制御装置への目標車速指令の入力から実車両の車速検出には、試験の対象とする車両やこれに搭載されるドライブロボットの特性に応じた遅れやオーバーシュート等の過渡特性がある。このため、車速制御装置へ入力する目標車速指令と車速検出の間にはずれがある。これに加えて車両がMT車である場合、変速操作を行っている間は駆動力抜けが発生するため、この間、車両は所定の走行抵抗の下で減速し、車速検出は目標車速指令から外れてしまう。
モデル演算13では、車速制御装置への目標車速指令及び目標変速指令から車速検出までの特性を、MT車固有の駆動力抜けを考慮して模したMT車両モデルを用いることによって目標車速指令及び目標変速指令の良否を判定する。
MT車両モデルは、上述のような過渡特性を模した過渡特性モデルと、変速操作に伴う駆動力抜けを模した駆動力抜けモデルとの2つのモデルを組み合わせることによって構成される。
過渡特性モデルには、目標車速指令から車速検出までの過渡特性を下記式(8)に示すような二次遅れと無駄時間を備えた伝達関数G(s)によって表現したものが用いられる。下記式(8)において、”s”はラプラス演算子であり、”ζ”は減衰係数であり、”ωn”は固有角振動数であり、”Kはゲイン定数であり、”L”はむだ時間である。これらパラメータ具体的な値は、実車を用いた試験を行うことによって同定された値が用いられる。図3には、目標車速指令を入力とした伝達関数G(s)の車速出力を濃い実線で示す。また図3には、実際の車速検出を薄い実線で示す。図3に示すように、このような過渡特性モデルによれば、目標車速指令が一定の傾きから定常状態へ移行する区間において、高い精度で再現できる。
Figure 0006504542
次に駆動力抜けモデルについて説明する。変速操作を行っている間、より具体的にはクラッチペダルを踏み込んでいる間は、駆動力抜けによって走行中の車両は走行抵抗の下で減速する。またこの走行抵抗は、車速が速くなるほど大きくなる。したがって駆動力抜けによって所定の走行抵抗FRL(t)の下で走行する車両重量Mの車両の加速度adec(t)は、下記運動方程式(9)によって表現される。ここで走行抵抗FRL(t)は、正値かつ車速に依存した所定の関数である。駆動力抜けモデルには、下記式(9)に示す運動方程式が用いられる。
Figure 0006504542
モデル演算13では、車速指令生成装置1は、目標変速指令によって特定される所定の変速操作期間では式(9)の運動方程式で表現される駆動力抜けモデルを用いて目標車速指令から車速検出を算出し、この変速操作期間以外の期間では式(8)の伝達関数で表現される過渡特性モデルを用いて目標車速指令から車速検出を算出する。
ここで変速操作期間とは、具体的には、目標変速指令が発生する時期、すなわち変速操作を開始する時期から変速操作を終える時期までの所定時間であって、例えば1[s]程度である。また実際には、走行状態によって変速操作にかかる時間が異なることから、車速指令生成装置1では、この変速操作期間の長さを作業者が適宜手動で調整できるようになっている。具体的には、目標車速指令において加速と減速とが切り替わる変曲点の近傍で目標車速指令が発生する場合、変速操作期間は例えば2[s]に設定し、これ以外の時期に目標車速指令が発生する場合、変速操作期間は例えば1[s]に設定することが好ましい。
図4は、以上のようなMT車両モデルの出力例を示す図である。図4には、基準車速指令を実線で示し、この基準車速指令及び基準変速指令を実機に入力して得られる車速検出を一点鎖線で示し、またこれら指令をMT車両モデルに入力して算出される車速検出を太破線で示す。
図4に示すように、MT車両モデルの出力と実機の出力は概ね一致する。特に図4左下の拡大図で示すように、MT車両モデルでは変速ショックによって生じる車速の振動までは再現できていないが、変速操作に伴う駆動力抜けによる減速及び遅れ特性の特徴は十分に再現されている。また図4の右下の拡大図に示すように、減速から加速に転じる変曲点においては、上述のように変速操作期間を他の時よりも長く(具体的には、2[s])設定することにより、変曲点における特徴的な振る舞いが概ね再現されている。以上のように、MT車両モデルを用いたモデル演算13によれば、短時間で実機に近いシミュレーションを行うことが可能である。
図5は、以上のように構成された車速指令生成装置1を用いて、最適な目標車速指令及び目標変速指令を生成する具体的な手順を示すフローチャートである。
始めに、S1では、車速指令生成装置1は、所定の設定の下で上述のようにサンプル時刻毎に車速指令生成演算11及び最小値探索演算12を行うことにより、目標車速指令及び目標変速指令を生成する。
次にS2では、車速指令生成装置1は、生成した目標車速指令及び目標変速指令を用いてモデル演算13によってシミュレーションを行うことにより車速検出を算出する。
S3では、車速指令生成装置1は、算出した車速検出とトレランスとを比較することにより、上記S1で生成した目標車速指令及び目標変速指令の良否を判定する。より具体的には、モデル演算13によって算出された車速検出がトレランスから逸脱していないかを判定する。ここで算出した車速検出がトレランスから逸脱していない場合には、車速指令生成装置1は、S1で生成した目標車速指令及び目標変速指令は良と判定し、これを最適な目標車速指令及び目標変速指令として図5の処理を終了する。また車速検出がトレランスから逸脱している場合には、車速指令生成装置1は、S1で生成した目標車速指令及び目標変速指令は不良と判定し、設定条件を変更した上で(S4参照)、再度S1に戻り、車速指令生成演算11及び最小値探索演算12を行うことにより、目標車速指令及び目標変速指令を生成する。
ここで設定条件とは、より具体的には例えば評価関数の重み係数rの値である。MT車において車速検出がトレランスから逸脱する場合とは、主に駆動力抜けによるものが多い。そこで、S4では、重み係数rの値をより大きな値に変更し、式(5)の評価関数J(t)での車速バリア関数項に対する加速促進項の寄与度を大きくし、変速直前期間における加速を促すことが好ましい。これにより逸脱が防止できる場合がある。
またS4では、重み係数rの値を上述のように調整することの他、目標変速指令が変曲点の近傍で発生する場合には、この目標変速指令の発生時期を基準変速指令を基準として±1[s]程度で微調整し、変曲点の近傍で変速操作が行われないようにすることも有効である。図5のフローチャートでは、モデル演算13を用いたシミュレーションによって良と判定されるまでS1〜S4の処理を繰り返すことにより、トレランスからの逸脱がない最適な目標車速指令及び目標変速指令を生成することができる。
図6は、図5のフローチャートの処理を行うことによって得られた最適な目標車速指令及び目標変速指令の一例を示す図である。図6には、基準車速指令を細い実線で示し、最適な目標車速指令を太い一点鎖線で示し、基準変速指令の発生時期を四角印で示し、目標変速指令の発生時期を三角印で示す。
図6の左下側の拡大図に示すように、本実施形態の車速指令生成装置1によれば、変速操作直前期間では基準車速指令に対して加速を促進するように目標変速指令が生成される。このように変速操作直前期間では加速を促すことにより、変速操作に伴う駆動力抜けが発生しても、実際の車速がトレランスから逸脱するのを防止することができる。また図6の右下側の拡大図に示すように、基準変速指令の発生時期が変曲点の近傍である場合、目標変速指令の発生時期はこの変曲点から遠ざかるように1[s]手前に変更される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
S…車両試験システム
1…車速指令生成装置
11…車速指令生成演算
12…最小値探索演算
13…モデル演算
2…車速制御装置
3…制御対象

Claims (10)

  1. 実現すべき車両の速度に相当する車速指令及び前記車両の変速操作を実行すべき時期を特定する変速指令が入力されると前記車速指令及び前記変速指令に応じて車両を操作するドライブロボットの車速制御装置について、当該車速制御装置に用いられる車速指令を生成する車速指令生成方法であって、
    前記車両の速度の関数でありかつ所定の基準車速許容範囲に応じて関数形が変わる評価関数の値の最小値を与える前記車両の加速度の値を決定する最小値探索工程と、
    前記決定された加速度の値を用いて車速指令を生成する車速指令生成工程と、を備え、
    前記最小値探索工程では、変速指令の発生時期から所定時間前までの変速直前期間と当該変速直前期間以外の期間とで前記評価関数の関数形を変えることを特徴とする車速指令生成方法。
  2. 前記変速直前期間で用いられる評価関数は、前記車速に対し前記基準車速許容範囲内で下に凸の正値の速度バリア関数項と負値の加速促進項とを含むことを特徴とする請求項1に記載の車速指令生成方法。
  3. 前記変速直前期間で用いられる評価関数は、前記加速度の二乗と前記速度の二乗と所定の負値との積を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の車速指令生成方法。
  4. 前記最小値探索工程では、前記加速度の現在値に基づいて所定の先読み時間後の前記速度の予測値を算出し、
    前記評価関数は、前記速度の予測値が前記先読み時間後の許容範囲内からその時の速度上限値に近づくと大きくなりかつ前記速度の予測値が前記先読み時間後の許容範囲内からその時の速度下限値に近づくと大きくなる先読みバリア関数項を含むことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の車速指令生成方法。
  5. 前記車速制御装置への車速指令及び変速指令から前記車両の速度検出までの特性を模したMT車両モデルを用いることによって前記車速指令生成工程で生成された車速指令の良否を判定するシミュレーション工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の車速指令生成方法。
  6. 前記MT車両モデルは、二次遅れと無駄時間を備えた伝達関数で表現される過渡特性モデルと、所定の走行抵抗の下で減速する前記車両の運動方程式によって表現される駆動力抜けモデルと、を含み、
    前記シミュレーション工程では、前記変速指令によって特定される変速操作期間では前記駆動力抜けモデルを用い、前記変速操作期間以外の期間では前記過渡特性モデルを用いることによって前記速度検出を算出することを特徴とする請求項5に記載の車速指令生成方法。
  7. 前記車速指令において加速と減速が切り替わる変曲点の近傍の時期では、他の時期よりも前記変速操作期間を長く設定することを特徴とする請求項6に記載の車速指令生成方法。
  8. 前記シミュレーション工程では、前記MT車両モデルへ前記車速指令生成工程で生成された車速指令及び前記変速指令を入力して得られる車速検出が前記基準車速許容範囲内である場合には良と判定し、前記車速検出が前記基準車速許容範囲外である場合には不良と判定することを特徴とする請求項5から7の何れかに記載の車速指令生成方法。
  9. 前記変速直前期間で用いられる評価関数は、前記車速に対し前記基準車速許容範囲内で下に凸でありかつ重み係数に反比例する正値の速度バリア関数項と負値の加速促進項とを含み、
    前記シミュレーション工程において不良と判定された場合には、前記重み係数の値をより大きな値に変更した後、前記最小値探索工程及び前記車速指令生成工程を再び行うことを特徴とする請求項5から8の何れかに記載の車速指令生成方法。
  10. 実現すべき車両の速度に相当する車速指令及び前記車両の変速操作を実行すべき時期を特定する変速指令が入力されると前記車速指令及び前記変速指令に応じて車両を操作するドライブロボットの車速制御装置について、当該車速制御装置に用いられる車速指令を生成する車速指令生成装置であって、
    前記車両の速度の関数でありかつ所定の基準車速許容範囲に応じて関数形が変わる評価関数の値の最小値を与える前記車両の加速度の値を決定する最小値探索手段と、
    前記決定された加速度の値を用いて車速指令を生成する車速指令生成手段と、を備え、
    前記最小値探索手段は、変速指令の発生時期から所定時間前までの変速直前期間と当該変速直前期間以外の期間とで前記評価関数の関数形を変えることを特徴とする車速指令生成装置。
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