JP6502855B2 - 経皮吸収型コロイド液剤 - Google Patents

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Description

本発明は、薬物の新規な経皮吸収型液剤に関するものである。特に、薬物及びホスファチジルコリンを含む、外用剤組成物に関するものである。
薬物を経皮吸収させるためには、様々な方法が存在するが、一般的には、薬物を溶媒中に完全溶解させ、その濃度勾配や吸収促進剤の効果により吸収性の確保を図っている。あるいは、ホスファチジルコリンを用いてミセルを形成させ、薬物を経皮吸収させることが知られている(非特許文献1、2)。
ホスファチジルコリンを含有する経皮外用液剤としては、L−カルニチンを用いてホスファチジルコリンの優れた経皮吸収を実現した液剤(特許文献1)や、ロピニロール塩酸塩の水中油滴エマルション型の液剤(特許文献2)が知られている。
経皮吸収型の製剤は、薬物の種類によっては皮膚刺激を示す場合があり、製剤設計にあたっては皮膚刺激の低減も考慮されなくてはならない。例えば、コレステロールをドネペジルの皮膚刺激低減剤として用いることが提案されている(特許文献3)。
国際公開第2011/024354号 国際公開第2011/111384号 国際公開第2011/136288号
P.Santos et al,Skin Pharmacol Physiol 2008;21:246−259 Adenan Azeem et al、Drug Development and Industial Pharmacy、35:525−547,2009
本発明は、皮膚への薬物浸透性が高く、しかも皮膚刺激が低減された経皮吸収型液剤を提供することを目的とする。
本発明者は、薬物及びホスファチジルコリンが、プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液中で、50〜500nmの粒子としてコロイド分散することにより、薬物が完全溶解した分子状態にある場合に比して極めて高い皮膚透過性を示すとともに、経皮吸収性が持続することを発見した。さらにアルカノールアミンを添加することにより、その効果は倍加することを見出した。
本願発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 薬物又はその塩が、ホスファチジルコリンの存存下にプロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液中でコロイド分散しており、疎水性溶媒を含まない、経皮吸収型コロイド液剤。
(2) さらに、アルカノールアミンを含む、上記(1)に記載の経皮吸収型コロイド液剤。
(3) アルカノールアミンがトリエタノールアミンである、上記(1)又は(2)に記載の経皮吸収型コロイド液剤。
(4) 薬物が、その構造中に六員環骨格及び窒素原子含有基を含む薬物である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤。
(5) (6)コロイドの平均粒子径が50〜500nmである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤。
(7) ホスファチジルコリンが、0.1から5w/w%含有される、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤。
(8) ホスファチジルコリンが、不飽和ホスファチジルコリンである、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤。
(9) アルカノールアミンが、0.01〜10w/w%含有される、上記(2)〜(8)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤。
(10) ホスファチジルコリンが、卵黄ホスファチジルコリン、大豆ホスファチジルコリンの中から1つ以上が選択される、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤。
(11) プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液に溶解状態の薬物又はその塩と、プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液に溶解状態のホスファチジルコリンとを混合する工程を含む、薬物又はその塩及びホスファチジルコリンが、プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液中でコロイド分散しており、疎水性溶媒を含まない経皮吸収型コロイド液剤の製造方法。
(12) 更に、アルカノールアミンを添加する工程を含む、上記(11)に記載の経皮吸収型コロイド液剤の製造方法。
(13) アルカノールアミンがトリエタノールアミンである、上記(11)又は(12)に記載の経皮吸収型コロイド液剤の製造方法。
(14) コロイドの平均粒子径が50〜500nmである、上記(11)〜(13)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤の製造方法。
(15) ホスファチジルコリンが、0.1から5w/w%含有される、上記(11)〜(14)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤の製造方法。
(16) ホスファチジルコリンが、不飽和ホスファチジルコリンである、上記(11)〜(15)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤の製造方法。
(17) アルカノールアミンが、0.01から10w/w%含有される、上記(11)〜(16)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤の製造方法。
(18) ホスファチジルコリンが、卵黄ホスファチジルコリン、大豆ホスファチジルコリンの中から1つ以上が選択されるものである、上記(11)〜(17)のいずれかに記載の経皮吸収型コロイド液剤の製造方法。
(19) 上記(1)〜(10)のいずれかに記載の液剤が、発泡マトリックスに含浸されて成る液型貼付剤。
(20) 発泡マトリックスが発泡ウレタンフォームである、上記(19)に記載の液型貼付剤。
(21) 薬物またはその塩を、プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液中でコロイド分散させるための、ホスファチジルコリンの使用。
(22) ホスファチジルコリンが、卵黄ホスファチジルコリン、大豆ホスファチジルコリンの中から1つ以上が選択されるものである、上記(21)に記載の使用。
本発明のコロイド液剤は、薬物をコロイド分散させることにより皮膚透過性が著しく改善され、早い経皮吸収性と持続性が達成されている。従って、経口剤に匹敵する高い血中濃度を達成することも可能である。さらに、皮膚刺激が報告されている薬物であっても、本発明のコロイド液剤として経皮投与すれば、皮膚刺激が著しく低減される。
図1は、参考製造例で調製した溶液の粒度分布を示す図である。 図2は、実施例1cで調製したガランタミン臭化水素酸塩を含有するコロイド液剤の粒度分布を示す図である。 図3は、実施例1b及び1cで調製したガランタミンを含有するコロイド液剤の、血中濃度評価試験の結果を示すグラフである。 図4は、実施例2aで調製したラメルテオンを含有するコロイド液剤の粒度分布を示す図である。 図5は、実施例2aで調製したラメルテオンを含有するコロイド液剤の、血中濃度評価試験の結果を示すグラフである。 図6は、実施例3で調製したラサジリンを含有するコロイド液剤の粒度分布を示す図である。 図7は、実施例5で調製したインドメタシンを含有するコロイド液剤の粒度分布を示す図である。 図8は、実施例6で調製したドネペジルを含有するコロイド液剤の、血中濃度評価試験の結果を示すグラフである。 図9は、血中濃度評価試験に用いた液型貼付剤の写真である。
本発明は、薬物及びホスファチジルコリンが、プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液中にコロイド分散し、さらに、アルカノールアミンを含有する経皮吸収型コロイド液剤、及びその製造方法等に関する発明である。本明細書において『プロピレングリコール含有液』とは、下記詳述するが、水等の溶解補助剤及び/又は親水性溶媒を溶解混合したプロピレングリコールを示す。
本明細書において『コロイド分散液』とは、赤色レーザー光で照射することによって明確なチンダル現象を呈する液体を示す。本発明のコロイド分散液における分散質(コロイド粒子)の平均粒子径は、0.05〜0.5μmであり、好ましくは0.05〜0.2μmである。また、0.1μm付近(0.04〜0.15μm)に粒子径の最頻値を有する。このコロイド分散系は安定しており、経時的な凝集等も認められなかった。
『薬物』としては、中性薬物、塩基性薬物、酸性薬物のいずれをも用いることができ、本明細書において『薬物』の語には、これらの薬理的に許容し得る塩も含まれる。『中性薬物』とは、非イオン性の薬物であって、例えば水酸基やアミド基を持つ薬物である。『塩基性薬物』とは、1級、2級または3級アミノ基を有し、化合物として塩基性を示す薬物である。『酸性薬物』とは、カルボキシル基等を有し、化合物として酸性を示す薬物である。優れた皮膚透過性、液剤の安定性等の本発明の効果を特に顕著に発現することから、薬物としては、中性薬物又は塩基性薬物が特に好ましい。
薬物としては、その構造中に六員環骨格及び窒素原子含有基を含む化合物を好ましく用い得る。薬物がこのような構造を有すると、安定なコロイドを形成し、皮膚透過性が向上する本発明の効果が顕著に発現する。該六員環骨格における六員環は単素環、複素環のいずれであってもよい。該六員環には、芳香族性を有する環、橋かけ構造を有していてもよい飽和又は不飽和の脂肪族環がいずれも含まれる。(a)〜(c)に六員単素環の例を、(d)〜(f)に六員複素環の例を示す。
窒素原子含有基としては、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、ニトロ基等を例示できる。窒素原子含有基は、上述の六員環骨格に任意の有機基を介して結合していてもよい。
薬物が、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン等の窒素原子を含有する六員環を含む場合は、当該六員環は窒素原子含有基としても認識され得る。換言すれば、六員環骨格の構成元素のひとつに窒素が含まれる場合は、薬物は、他の窒素原子含有基をさらに含むことを要しない。
六員環骨格は、互いに隣接する少なくとも2つの炭素原子が置換基を有することにより、下式I−a又はI−bで示される構造を形成していることが好ましい。
(式中、Yは同一又は異なって、炭素原子、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を示し、nは3〜5の整数を示す。Yにより示される各原子は、単結合又は二重結合により結合している。)
(式中、R及びRは同一又は異なって、互いに、又は他の置換基と結合して環を形成していてもよい有機基、又は水素原子を示す。)
薬物が式I−aで示される構造を含む場合におけるnの値としては、3又は4が好ましく、3が特に好ましい。
nが3である場合、式I−aで示される構造は、例えば、表2に示されるような六員環と五員環とからなる縮合環構造である。具体的にはインダン、インデン等の単素環;ベンゾフリン、イソベンゾフリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン等の酸素原子を1個含有する複素環;ベンゾジオキソール等の酸素原子を2個含有する複素環;インドリン、インドール、イソインドール等の窒素原子を1個含有する複素環;インダゾール、ベンゾイミダゾリン等の窒素原子を2個含有する複素環;ベンゾチオフェン等の硫黄原子を含有する複素環;ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール等の酸素原子及び窒素原子を含有する複素環;ベンゾチアジアゾール等の窒素原子及び硫黄原子を含有する複素環を例示することができる。
式I−aにおいてn=3である構造を含む薬物としては、ラメルテオン等のインダン構造を含む中性薬物;ラサジリン、ドネペジル等のインダン構造を含む塩基性薬物;エスシタロプラム、ガランタミン等のイソベンゾフリン構造を含む塩基性薬物;ラメルテオン等のベンゾフリン構造を含む中性薬物;モルヒネ、オキシコドン等のベンゾフリン構造を含む塩基性薬物;パロキセチン等のベンゾジオキソール構造を含む塩基性薬物;ロピニロール等のインドリン構造を含む塩基性薬物;インドメタシン等のインドール構造を含む酸性薬物;ペルゴリド、ブロモクリプチン、オンダンセトロン等のインドール構造を含む塩基性薬物;グラニセトロン等のインダゾール構造を含む塩基性薬物;ラロキシフェン、ジレウトン等のベンゾチオフェン構造を含む塩基性薬物;ルシドラン等のベンゾイソチアゾール構造を有する塩基性薬物;チザニジン等のベンゾチアジアゾール構造を含む塩基性薬物を例示できる。
nが4である場合、式I−aで示される構造は二つの六員環が縮合した構造であり、具体的には、ナフタレン骨格、キノリン骨格、イソキノリン骨格、シンノリン骨格、キナゾリン骨格、キノキサリン骨格、フタラジン骨格、クロマン骨格等を例示できる。このような構造を含む薬物としては、アポモルヒネ、モルヒネ、オキシコドン、ペルゴリド、ブロモクリプチン、プロプラノール、ブトルファノール、ロチゴチン、アリピプラゾール、トキサゾシン、キナプリル、エスプロン、プロカテロール、アゼラスチン、クロルプロマジン等を例示できる。
nが5である場合、式I−aで示される構造は、六員環と7員環とからなる縮合環構造である。このような構造を含む薬物としては、イミプラン、フルラゼパム、ジルチアゼム、ケトチフェンを例示することができる。
式I−bで示される構造を含む薬物としては、アポモルヒネ、ドパミン、イソプレナリン等のR及びRがともに水素原子である塩基性薬物;ドネペジル、ベラパミル、オキシペルチン等のR及びRがともに脂肪族炭化水素基である塩基性薬物、ガランタミン、モルヒネ、オキシコドン等のRは水素原子または脂肪族炭化水素基であり、Rは脂肪族炭化水素基であり、六員環を構成する炭素原子の少なくとも二つとともに環を形成している塩基性薬物を例示することができる。
その他、六員環骨格及び窒素原子含有基を含む薬物としては、ニカメタート、ベタヒスチン等のピリジン骨格を含む塩基性薬物;ジフェニドール、フェンタニル、モルヒネ、オキシコドン、アポモルヒネ、ドネペジル、メチルフェニデート、エペリゾン、プリジノール、トリヘイシフェニジル、ペリソキサール等のピペリジン骨格を含む塩基性薬物、ニカルジピン、ベニジピン、エホニジピン等のジヒドロピリジン骨格を含む塩基性薬物;フルナリジン等のピペラジン骨格を含む塩基性薬物;チモロール等のモルホリン骨格を含む塩基性薬物;アマンタジン、メマンチン、ビルダグリプチン等のアダマンタン骨格を含む塩基性薬物;トラゾリン、クレスマチン、リルマザホン等のベンゼン環及び窒素原子含有環を含む塩基性薬物;ビソプロロール、メトプロロール、アルプレノロール、メタンフェニン、ツロブテロール等のベンゼン環及び第2級アミノ基を含む塩基性薬物、トルブタミド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド等のベンゼン環及び第2級アミノ基を含む中性薬物;オキシブチニン、ネオスチグミン、リドカイン等のベンゼン環及び第3級アミノ基を含む塩基性薬物、プロカイン等のベンゼン環及び第1級アミノ基を含む塩基性薬物を例示することができる。
薬物の含量は、0.1〜10w/w%、好ましくは、0.5〜5w/w%の範囲から選択できる。
ホスファチジルコリンは式(II)で示される化合物の総称であり、通常、R及びRの種類及び組み合わせの異なる混合物として提供される。
(式中、R及びRは同一又は異なって、C12−22炭化水素基を示す)
本発明では、R、Rの少なくとも一方が、不飽和炭化水素基である、不飽和ホスファチジルコリンを用いることができる。R、Rとしてパルミチル基(16:0)、ステアリル基(18:0)等の飽和炭化水素基を含んでいてもよいが、本発明で使用できる不飽和ホスファチジルコリンは、このような飽和炭化水素基の含有率が80%未満、好ましくは70%未満、さらに好ましくは60%未満、特に好ましくは50%未満である。不飽和炭化水素基としては、パレミトレイル基(16:1)、オレイル基(18:1)、リノレイル基(18:2)、リノレニル基(18:3)を例示できる。本発明において不飽和ホスファチジルコリンは、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等の炭素数18である不飽和炭化水素基の含有率が20%以上であるのが好ましく、さらに好ましくは30%以上、特に好ましくは40%以上である。不飽和ホスファチジルコリンを用いると、皮膚透過性に優れた安定なコロイド分散液を調製することができる。
本発明では、不飽和ホスファチジルコリンとして、大豆レシチン、卵黄レシチン等の天然由来であり、ホスファチジルコリンの含有量が95%以上である高純度のホスファチジルコリンを好ましく使用できる。水素添加処理を行った水素化ホスファチジルコリンや、酵素処理等により得られるリゾホスファチジルコリン等の化学的及び/又は生物学的修飾がなされたホスファチジルコリンを用いると、安定なコロイド分散液が得られない場合があり、好ましくない。ただし、天然由来レシチンの部分水添物等、化学的及び/又は生物学的修飾がなされたホスファチジルコリンであっても、不飽和度の高い、高純度ホスファチジルコリン(例えば、ヨウ素価が20以上であり、リゾレシチンの含有量が10%未満である)は、本発明の『不飽和ホスファチジルコリン』として用い得る。コロイドが形成されない場合には、薬物の経皮吸収性向上効果が劣る。
ホスファチジルコリンの含量は通常、0.1〜5w/w%から選択され、好ましくは0.2〜3.0w/w%、さらに好ましくは0.3〜2.0w/w%、特に好ましくは0.3〜1.5w/w%である。ホスファチジルコリンの含量が0.1w/w%未満であると、安定なコロイド分散液が形成されない場合があり、好ましくない。5w/w%を超えてホスファチジルコリンを添加しても、ホスファチジルコリン含量の増加に依存する皮膚透過性の向上はみられない。
薬物とホスファチジルコリンがプロピレングリコール又はプロピレングリコール中にコロイド分散した本発明の液剤は、保存安定性及び皮膚透過性に優れているが、吸収促進剤としてアルカノールアミンをさらに含有すると、薬物の皮膚透過性が飛躍的に向上する。アルカノールアミンとしては、炭素数2〜12の1級、2級、又は3級のアルカノールアミンを使用することができる。これらの中で、2級又は3級アルカノールアミンが好ましく、3級のアルカノールアミンが特に好ましい。具体的には、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンを挙げることができる。皮膚透過促進効果が優れていることから、トリエタノールアミンが特に好ましい。
アルカノールアミンの含量は、薬物の特性に応じて0.01〜10w/w%の範囲から適宜選択される。多くの薬物においては1〜8w/w%、特に2〜5w/w%の範囲で顕著な皮膚透過促進効果を示す。ただし、例えば後述の塩酸ドネペジルのように1w/w%を超えるアルカノールアミンの添加が好ましくない場合もある。
本発明の液剤の液性は、薬物及びその塩が溶解して提示する液性とアルカノールアミンの添加量で決まることになる。本発明の液性は弱アルカリ性が望ましいが、薬物によってはアルカリ側で安定性が悪いものもある。そのため、アルカノールアミンの添加量は適宜調節することができる。例えば、塩酸ドネペジルの場合には、1%以上の添加で結晶の析出・凝集がみられるため、トリエタノールアミンの添加量は、0.01〜0.5w/w%が望ましい。このように薬物の安定性に応じて適宜液剤のpHをアルカノールアミンの添加量で調節することができる。
本発明の「プロピレングリコール」としては、特に限定はなく、市販のものを使用することができる。下記詳述するが、本発明のコロイド分散液は、プロピレングリコールに溶解状態の薬物と、プロピレングリコールに溶解状態のホスファチジルコリンとを混合することにより製造する。例えば、塩基性薬物の塩等の中にはプロピレングリコールに対する溶解度が低く(例えば、1%未満)、所望の量をプロピレングリコールに溶解できない薬物もある。このような場合には、プロピレングリコールに水、ポリエチレングリコール等の溶解補助剤を添加してプロピレングリコール含有液とし、このプロピレングリコール含有液に薬物を溶解することにより、溶解状態の薬物を調製する。溶解補助剤の添加量は、プロピレングリコール含有液中のプロピレングリコールの含有量が50w/w%以上、好ましくは60w/w%以上、特に好ましくは65w/w%以上となる範囲から選択される。溶解補助剤の量が多く、プロピレングリコールの含有量が少ないと、良好な薬物皮膚透過性を発現する安定なコロイドが形成されない場合があり、好ましくない。
プロピレングリコール含有液には、必要に応じてプロピレングリコールと混和する親水性溶媒をさらに含むこともできる。具体的には、例えば、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコールを挙げることができる。このような親水性溶媒の含有量は、プロピレングリコール含有液の10w/w%未満である。
グリセリン、ブタンジオール等の多価アルコールをプロピレングリコールに少量添加してもよいが、これらの多価アルコールをプロピレングリコールの代替として使用することは本発明のコロイド液には適切ではない。例えば、グリセリンにホスファチジルコリンを添加すると、液の白濁及び液表面へのホスファチジルコリンの集合が認められ、ホスファチジルコリン単独で会合コロイドを形成する傾向がある。さらに薬物添加後は、ゲル化する傾向にある。また、1,3−ブタンジオールを使用した場合には、ホスファチジルコリンはプロピレングリコールの場合と同様に分子として完全溶解するが、薬物添加後、プロピレングリコールの場合とは異なり短時間で凝集・沈殿が生じる傾向がある。
本発明の液剤は、疎水性溶媒を含まない。本明細書において『疎水性溶媒』とは、プロピレングリコールに任意の割合で溶解しない油性の溶媒である。具体的には例えば、流動パラフィン、スクアレン等の炭化水素類;オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル類;オリーブ油、ツバキ油、ホホバ油等の植物油類を例示することができる。
本発明のコロイド液剤は、プロピレングリコールを60w/w%以上含み、プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液に可溶な成分のみにより構成されている。
本発明のコロイド液剤に対して、必要に応じて外用剤や化粧料に使用する各種添加剤を追加することができる。追加可能な添加剤としては、香料や抗酸化剤、防腐剤、着色剤、緩衝剤、pH調整剤等を挙げることができる。香料としては、エタノール、オレンジエッセンス等を例示できる。抗酸化剤としては、酢酸トコフェロール、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、1,3−ブチレングリコール、ピロ亜硫酸ナトリウム等を例示できる。防腐剤としては、ソルビン酸、タウリン等を例示できる。pH調節剤としては、クエン酸、酢酸、酒石酸等の有機酸;リン酸、塩酸等の無機酸を例示できる。更には、紫外線吸収剤や抗菌剤を目的に応じて添加することができる。
本発明のコロイド分散液は、プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液に溶解状態の薬物と、プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液に溶解状態のホスファチジルコリンを混合することにより製造することができる。薬物、又はホスファチジルコリンのいずれか一方のみを溶解した場合は、真の溶液となり、10nm以上の粒子径は観測されない(参考製造例及び図1参照)。また、これらの薬物溶液、ホスファチジルコリン溶液のいずれにもチンダル現象は観察されない。ところが、溶解状態の薬物と溶解状態のホスファチジルコリンとを混合すると、チンダル現象を示すコロイド分散液となり、粒子径の最頻値は100nm付近に観測される。
溶解状態の薬物と溶解状態のホスファチジルコリンを混合する方法としては、プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液に薬物を溶解した溶液(I液)及び、プロピレングリコール又はプロピレングリコール含有液にホスファチジルコリンを溶解した溶液(II液)を各々調製し、I液とII液とを混合する方法;上記I液にホスファチジルコリンを添加混合する方法;上記II液に薬物を添加混合する方法;プロピレングリコール又はプロピレングリコール液に薬物及びホスファチジルコリンを同時に添加する方法などが例示でき、特に制限されない。I液及びII液を各々調製し、両者を混合する方法は、薬物及びホスファチジルコリンが溶解状態にあることを確実に確認できる点で優れている。溶解状態の薬物と、溶解状態のホスファチジルコリンとを混合し、撹拌することにより、50〜500nmに平均粒子径を有する安定なコロイド分散液が得られる。
アルカノールアミン及び他の添加剤は、任意の時点で添加することができる。
本発明の液剤を皮膚に適応する方法は特に制限されず、液剤を塗布又は噴霧する方法、液剤を担持させた適宜な担持体を皮膚上に貼付する方法などが例示できる。これらの中で、液剤を担持した発泡マトリックスを貼付する方法が、用量調節が容易である事や取扱い性の点から好ましい。『発泡マトリックス』とは、樹脂類を物理的あるいは化学的方法により発泡させることにより得られた多孔質体のであり、具体的にはポリウレタンフォームを例示できる。『ポリウレタンフォーム』とは、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて重合する際に、発泡剤、整泡剤、触媒、着色剤などを混合し樹脂化させながら発泡させたものである。ポリウレタンフォームは、ウレタンフォームとも略称され、発泡方法で次の3つに大別される。気泡が連通し柔らかくて復元性のあるものを「軟質ウレタンフォーム」と言い、独立気泡で硬くて復元性が無いものを「硬質ウレタンフォーム」と言う。また、中間的な性状のものを「半硬質ウレタンフォーム」と言う。気泡の連通が少なく、不連続型の硬質ウレタンフォームが薬液を担持させても漏出が少ないことから好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(参考製造例)
プロピレングリコール(94.5重量部)にホスファチジルコリン(0.5重量部)を溶解し、さらにトリエタノールアミン(5重量部)を添加撹拌して澄明な液体を得た。当該液体に赤色レーザーを照射したが、チンダル現象は観察されなかった。ゼーターサイザーナノ(マルバーン社製)により粒度分布を測定したところ、粒径1nm以上に分布は観測されなかった。粒度分布の測定結果を図1に示す。
[ガランタミンを含む液剤の調製]
(実施例1a〜1c)及び(比較例1a〜1c)
表3に示す組成で液剤を調製した。得られた澄明な液剤に赤色レーザー光を照射して、チンダル現象の有無を観察した。また、得られた液剤についてフランツセルを用いてガランタミンの皮膚透過性を評価した。試験に用いた皮膚は5週齢ヘアレスラット(雄)腹部摘出皮膚であり、レセプター溶液は(水:エタノール=9:1)溶液であった。結果を表3に併せて示す。
ホスファチジルコリンを含む実施例1aの液剤は、ホスファチジルコリンを含まない比較例1aの液剤に比して、優れた皮膚透過性を示した。エタノールアミンをさらに含む実施例1bの液剤は、実施例1aの液剤に比してさらに皮膚透過性が向上した。ホスファチジルコリンに替えてリゾレシチンを添加した比較例1bの液剤は、チンダル現象を示さず、皮膚透過性の向上もみられなかった。ガランタミン臭化水素塩はプロピレングリコールへの溶解性が低いため、溶解補助剤として精製水を添加したプロピレングリコール含有液に溶解して、遊離体の場合と同様にコロイド液を調製した(実施例1c)。得られた液剤は優れた皮膚透過性を示した。プロピレングリコールに替えてポリエチレングリコールを使用した比較例1cの液剤は、チンダル現象は観察されず、皮膚透過性の向上もみられなかった。
実施例1cの液剤について、ゼーターサイザーナノ(マルバーン社製)により粒度分布を測定した。70nm付近に粒子径の最頻値が観測された。測定結果を図2に示す。実施例1b及び実施例1cの液剤(0.08g)をウレタンフォーム(面積:2cm 厚さ:0.5mm 嵩密度0.2g/cm)に含浸させて液型貼付剤を作製した。作製した液型貼付剤をラット(5週齢、雄)の背部に貼付してラットの血中濃度の推移を常法に従って評価した。結果を図3に示す。遊離体を用いた実施例1bの液剤と、臭化水素酸塩を用いた実施例1cの液剤はいずれも良好な経皮吸収性を示し、血中濃度の推移にも差異は認められなかった。
[ラメルテオンを含む液剤の調製]
(実施例2a)及び(比較例2a〜2e)
表4に示す組成(w/w%)で液剤を調製した。得られた液剤についてラメルテオンの皮膚透過性をフランツセルにより評価した。結果を併せて表4に示す。実2aの液剤についてゼーターサイザーナノ(マルバーン社製)により粒度分布を測定した。110nm付近に粒子径の最頻値が観測された。結果を図4に示す。フランツセル試験に用いた皮膚は5週齢ヘアレスラット(雄)腹部摘出皮膚であり、レセプター溶液は(水:エタノール=9:1)溶液であった。
ホスファチジルコリンを含まない比較例2a〜2eの液剤は、いずれもコロイド液を形成せず、経皮吸収性が劣っていた。ホスファチジルコリンに替えて、ホスファチジルコリンと同様に界面活性作用を有するTween80及びHCO40を使用した比較例2a及び2bは、コロイド分散せず、皮膚透過性の顕著な向上もみられないことから、ホスファチジルコリンには通常の界面活性剤と異なる特異な経皮吸収促進活性がある。
実施例2aの液剤(0.3g)をウレタンフォーム(面積:9cm 厚さ:0.5mm 嵩密度0.2g/cm)に含浸させて液型貼付剤を作製した。作成した液型貼付剤をラット(5週齢、雄)の背部に貼付してラットの血中濃度の推移を常法に従って評価した。結果を図5に示す。ラット6時間貼付後の貼付剤を回収し、製剤中及び皮膚表面に残存するラメルテオンの量を測定した。ラメルテオンの残存率は約65%であった。即ち、製剤に含有するラメルテオンの約35%が血中に移行していた。ラメルテオンの放出量は約5.5mg/枚であった。
[ホスファチジルコリンの含有量及び吸収促進剤の検討]
(実施例2b〜2f)
表5に示す組成(w/w%)で液剤を調製し、各液剤についてフランツセルを用いて皮膚透過性を評価した。評価結果を併せて表5に示す。フランツセル試験に用いた皮膚は5週齢ヘアレスラット(雄)腹部摘出皮膚であり、レセプター溶液は(水:エタノール=9:1)溶液であった。
皮膚透過量は、ホスファチジルコリンの含有量に依存して増大しているが、0.5w/w%を超えてホスファチジルコリンを添加しても皮膚透過量の顕著な増加は観察されない。従って、ホスファチジルコリンの含有量は、通常0.1〜5w/w%の範囲から選択され、0.3〜2.0w/w%が好ましい。トリエタノールアミンは、ジエタノールアミン、ジイソプロパノール等他の吸収促進剤に比して、短時間に顕著な吸収促進効果を発現した。
[吸収促進剤の含有量の検討]
(実施例2g〜2j)
表6に示す組成(w/w%)で液剤を調製し、各液剤についてフランツセルを用いて皮膚透過性を評価した。評価結果を併せて表6に示す。試験に用いた皮膚は5週齢ヘアレスラット(雄)腹部摘出皮膚であり、レセプター溶液は(水:エタノール=9:1)溶液であった。
トリエタノールアミンの含有量の増加に依存して、皮膚透過量が増加した。含有量が5w/w%を超えても皮膚透過量は増加しないことから、トリエタノールアミンの含有量は0.01〜10w/w%の範囲から選択できるが、十分な吸収促進効果を得るためには、1〜8w/w%が好ましく、2.5〜5.5w/w%、が特に好ましい。
[多様な薬物を含む液剤の調製]
(実施例3〜7b)及び(比較例3〜比較例7)
表7及び表8に示す組成(w/w%)で液剤を調製し、各液剤についてフランツセルを用いて皮膚透過性を評価した。評価結果を併せて表7及び表8に示す。実施例3及び実施例5の液剤について、ゼーターサイザーナノ(マルバーン社製)により粒度分布を測定した。結果を図6及び図7に示す。試験に用いた皮膚は5週齢ヘアレスラット(雄)腹部摘出皮膚であり、レセプター溶液は(水:エタノール=9:1)溶液であった。
いずれの薬物についてもホスファチジルコリンを含むコロイド液剤はホスファチジルコリンを含まない液剤に比べて顕著に皮膚透過量が増加し、トリエタノールアミンの添加により、さらに飛躍的に皮膚透過量が増加した。本発明のコロイド液剤は、塩基性薬物、中性薬物、及び酸性薬物のいずれについても優れた皮膚透過性を示す。
実施例6の液剤(0.18g)をウレタンフォーム(面積:6cm 厚さ:0.5mm 嵩密度0.2g/cm)に含浸させて液型貼付剤を作製した。作成した液型貼付剤をラット(5週齢、雄)の背部に貼付してラットの血中濃度の推移を常法に従って評価した。結果を図8に示す。ドネペジルは皮膚刺激が報告されている薬物であるが、貼付剤剥離後のラットの皮膚に紅斑等の異常は一切認められなかった。ホスファチジルコリンの皮膚保護作用によるものと推察される。
本発明のコロイド液剤は、多様な薬剤を経皮投与するための液剤として使用することができる。

Claims (6)

  1. 薬物(但し、フィナステリド及びミノキシジルを除く。)またはその塩が、0.1〜5w/w%のホスファチジルコリン存存下に50w/w%以上のプロピレングリコール含有液中でコロイド分散し、アルカノールアミンを含む、経皮吸収型コロイド液剤。
  2. アルカノールアミンがトリエタノールアミンである、請求項1に記載の経皮吸収型コロイド液剤。
  3. 薬物が、その構造中に六員環骨格及び窒素原子含有基を含む、請求項1又は2いずれかの項に記載の経皮吸収型コロイド液剤。
  4. ホスファチジルコリンが、不飽和ホスファチジルコリンである、請求項1〜3いずれかの項に記載の経皮吸収型コロイド液剤。
  5. アルカノールアミンの含有量が、0.01〜10w/w%である、請求項1〜4いずれかの項に記載の経皮吸収型コロイド液剤。
  6. ホスファチジルコリンが、卵黄ホスファチジルコリン、及び大豆ホスファチジルコリンの中から1つ以上が選択される、請求項1〜5いずれかの項に記載の経皮吸収型コロイド液剤。
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