JP6502543B1 - エレベータの保安支援処理装置、エレベータの保安支援システム、およびエレベータの保安支援処理方法 - Google Patents

エレベータの保安支援処理装置、エレベータの保安支援システム、およびエレベータの保安支援処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 エレベータの乗りかご内でのいたずら行動の抑止を支援するためのエレベータの保安支援処理装置を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば保安支援処理装置は、異常発生判定部と異常事態関係人物特定部と監視対象人物検出部とを備える。異常発生判定部は、エレベータが呼びに応答するための運転を終了して待機状態になったことを検出する都度、当該運転前の待機状態のときの乗りかご内の撮像情報と当該運転後の待機状態のときの撮像情報とを取得して比較することで、当該運転中に前記乗りかご内の景観が損なわれる異常事態が発生したか否かを判定する。異常事態関係人物特定部は、異常事態が発生したと判定されると、乗りかご内の撮像情報に基づいて当該運転中に前記乗りかご内にいた利用者を検出し、異常事態関係人物として特定する。監視対象人物検出部は、異常事態関係人物として特定された回数が所定回数を超えた利用者を、監視対象人物として検出する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータの保安支援処理装置、エレベータの保安支援システム、およびエレベータの保安支援処理方法に関する。
エレベータの乗りかご内で落書き等のいたずらが発生すると、乗りかご内の景観が損なわれ、エレベータ利用者が不快に感じることがある。
特開2016−8106号公報
しかし、乗りかご内でいたずら行動をとった人物を特定することは困難であるため、当該人物のいたずら行動を抑止することができず、いたずらが繰り返されることが多いという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、エレベータの乗りかご内でのいたずら行動の抑止を支援するためのエレベータの保安支援処理装置、エレベータの保安支援システム、およびエレベータの保安支援処理方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するための実施形態によれば保安支援処理装置は、異常発生判定部と異常事態関係人物特定部と監視対象人物検出部と建物位置情報取得部と監視対象人物検出部と行動範囲推定部と情報出力部とを備える。異常発生判定部は、いずれかのエレベータが呼びに応答するための運転を終了して待機状態になったことを検出する都度、当該運転前の待機状態のときの乗りかご内の撮像情報と当該運転後の待機状態のときの撮像情報とを取得して比較することで、当該運転中に前記乗りかご内の景観が損なわれる異常事態が発生したか否かを判定する。異常事態関係人物特定部は、異常事態が発生したと判定されると、乗りかご内の撮像情報に基づいて当該運転中に前記乗りかご内にいた利用者を検出し、異常事態関係人物として特定する。監視対象人物検出部は、異常事態関係人物として特定された回数が所定回数を超えた利用者を、監視対象人物として検出する。建物位置情報取得部は、異常事態関係人物特定部で異常事態関係人物が特定されたエレベータに関し、該当する建物の位置情報を取得する。監視対象人物検出部は、異常事態関係人物として特定された回数が所定回数を超えた利用者を、監視対象人物として検出する。行動範囲推定部は、建物位置情報取得部で取得された建物の位置情報に基づいて、前記監視対象人物の行動範囲を推定する。情報出力部は、監視対象人物検出部で監視対象人物に関する情報を、前記行動範囲推定部で推定された範囲内のエレベータのエレベータ制御装置に出力する。
第1実施形態による保安支援システムの構成を示すブロック図。 第1〜第4実施形態による保安支援システム内のエレベータ内で出力される動作状況情報の経時的変化を示す説明図。 第1実施形態による保安支援処理装置の動作を示すフローチャート。 第2実施形態による保安支援システムの構成を示すブロック図。 第2実施形態による保安支援処理装置の動作を示すフローチャート。 第3および第4実施形態による保安支援システムの構成を示すブロック図。 第3実施形態による保安支援処理装置の動作を示すフローチャート。 第4実施形態による保安支援処理装置の動作を示すフローチャート。
《第1実施形態》
〈第1実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの構成〉
本発明の第1実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの構成について、図1を参照して説明する。本実施形態による保安支援システム1Aは、保安支援処理対象のエレベータ10と、保安支援処理装置20Aと、管理装置30とを備える。保安支援処理装置20Aおよび管理装置30はそれぞれ、エレベータ10が設置された建物内の管理室等に設置されてもよいし、建物外部の中央監視センター等に設置されてもよい。
エレベータ10は、昇降路上部に設置された巻上げ機11と、巻上げ機11に吊り下げられた乗りかご12と、巻上げ機11に信号線で接続されるとともに乗りかご12にテールコード13を介して接続されたエレベータ制御装置14とを有する。乗りかご12内の上部には、乗りかご12内を撮影するかご内カメラ装置121が設置されている。かご内カメラ装置121で撮影された撮像情報は、テールコード13介してエレベータ制御装置14に送信される。エレベータ制御装置14は、エレベータ10の運転状況情報を保安支援処理装置20Aに出力する。具体的には、乗りかご12がエレベータ10内で発生した呼びに応答するための運転中であるときには運転状態であることを示すH信号を運転状況情報として出力する。また、エレベータ10内で呼びが発生しておらず乗りかご12が停止中であるときには待機状態であることを示すL信号を運転状況情報として出力する。またエレベータ制御装置14は、かご内カメラ装置121で撮影された撮像情報を取得して、保安支援処理装置20Aに送信する。
保安支援処理装置20Aは、撮像情報記録部201と、動作状況情報取得部202と、異常発生判定部203と、異常事態関係人物特定部204と、特定人物情報記憶部205と、監視対象人物検出部206と、情報出力部207とを有する。撮像情報記録部201は例えばハードディスクやメモリカードで構成され、エレベータ制御装置14から送信されたかご内カメラ装置121の撮像情報を記録する。動作状況情報取得部202は、エレベータ制御装置14から送信された、エレベータ10内の動作状況情報を取得する。
異常発生判定部203は、エレベータ制御装置14から出力された信号がH信号からL信号に切り替わったことを検知する都度、撮像情報記録部201に記録された中から、該当する運転前の待機状態のときの撮像情報と運転後の待機状態のときの撮像情報とを取得して比較する。比較の結果、所定値以上の差分を検出すると、当該運転中に乗りかご12内の景観が損なわれる異常事態が発生したと判定する。
異常事態関係人物特定部204は、異常発生判定部203で異常事態が発生したと判定されると、撮像情報記録部201で記録された撮像情報に基づいて当該運転中に乗りかご12内にいた利用者を検出し、検出した利用者を異常事態の発生に関わった異常事態関係人物として特定する。また、この異常事態関係人物として特定された利用者の顔部分の撮像情報や当該利用者を識別するための特徴情報を抽出し、特定人物情報として特定人物情報記憶部205に記憶させる。
監視対象人物検出部206は、異常事態関係人物として特定された回数が所定回数を超えた利用者を、監視対象人物として検出する。情報出力部207は、監視対象人物として検出された利用者に関する特定人物情報を特定人物情報記憶部205から取得して、管理装置30に出力する。
〈第1実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの動作〉
本実施形態において、保安支援システム1Aの稼動中には、かご内カメラ装置121で撮影された撮像情報がエレベータ制御装置14で取得され、逐次保安支援処理装置20Aに送信される。保安支援処理装置20Aでは、エレベータ制御装置14から送信された撮像情報が撮像情報記録部201に記録される。また、保安支援システム1Aの稼動中には、エレベータ10の現在の運転状況情報(H信号またはL信号)が、エレベータ制御装置14から保安支援処理装置20Aに逐次出力されている。
これらの情報が取得されている状態で、保安支援処理装置20Aで実行される処理について、図2および図3を参照して説明する。図2は、エレベータ制御装置14から出力される信号が、エレベータ10内の運転状況の変化に伴って切り替わる状態の一例を示す説明図である。図3は、保安支援システム1Aの稼動中に保安支援処理装置20Aで実行される処理を示すフローチャートである。
まず、エレベータ10内で呼びが発生しておらず乗りかご12が停止している待機状態であるとき(期間X1)には、エレベータ制御装置14から保安支援処理装置20AにL信号が出力されている。エレベータ制御装置14から送信されたL信号は、保安支援処理装置20Aの動作状況情報取得部202で取得される(S1)。
その後、時刻t1に呼びが発生し、エレベータ10において呼びに応答するための運転が開始して運転状態(期間X2)に移行すると、エレベータ制御装置14から出力される信号がH信号に切り替わる。エレベータ制御装置14から送信されたH信号は、保安支援処理装置20Aの動作状況情報取得部202で取得される。そして、異常発生判定部203により、呼びが発生したことでエレベータ制御装置14から出力された信号がL信号からH信号に切り替わったこと、つまりエレベータ10が待機状態から運転状態に切り替わったことが検知される(S2の「YES」、S3)。
その後、時刻t2に呼びに応答するための運転が終了し、乗りかご12が停止して待機状態(期間X3)に移行すると、エレベータ制御装置14から出力される信号がL信号に切り替わる。エレベータ制御装置14から送信されたL信号は、保安支援処理装置20Aの動作状況情報取得部202で取得される。そして、異常発生判定部203により、呼びへの応答処理が終了したことでエレベータ制御装置14から出力された信号がH信号からL信号に切り替わったこと、つまりエレベータ10が運転状態から待機状態に切り替わったことが検知される(S4の「YES」、S5)。
異常発生判定部203において、エレベータ10が運転状態から待機状態に切り替わったことが検知されると、撮像情報記録部201に記録された中から、当該運転前の待機状態(期間X1)中の撮像情報と、当該運転後の待機状態(期間X2)中の撮像情報とが取得されて比較される。各撮像情報は、対応する期間の開始直後の撮像情報を用いてもよいし、期間の開始から所定時間経った時点での撮像情報を用いてもよい。撮像情報の比較処理としては、例えば、エッジ抽出などの画像処理で、画像情報内で不連続に変化している箇所を特定するアルゴリズムがある。この処理では、画像情報を解析し、色や輝度が不連続に変化している箇所は材質や模様、深さ(奥行き)が変化する境界であると判定され、該当する位置の座標がエッジとして抽出され、黒色の背景に抽出されたエッジが線で示される。期間X1の撮像情報と期間X2の撮像情報との2つにエッジ抽出処理を施し比較したときに、その差分が所定値以上であれば(S6の「YES」)、乗りかご12内の景観に変化が生じた、つまり落書き等により景観が損なわれる異常事態が発生したと判定される。
乗りかご内の景観が損なわれる異常事態が発生したと判定されると、異常事態関係人物特定部204により、撮像情報記録部201で記録された撮像情報に基づいて期間X2の運転中に乗りかご12内にいた利用者が検出され、検出された利用者が異常事態の発生に関わった異常事態関係人物として特定される。撮像情報から利用者(人物)を検出する技術として、例えば人間の顔として考えられる主成分分析を用いて多数集積された画像情報と照らし合わせる固有顔システムの技術や、映像情報の動的成分から人間のシワやシミを特定するスキンテクスチャアナリシスの技術が用いられる。そして、この異常事態関係人物として特定された利用者の顔部分の撮像情報や当該利用者を識別するための特徴情報が抽出され、特定人物情報として特定人物情報記憶部205に記憶される(S7)。
次に、監視対象人物検出部206により、異常事態関係人物として特定された回数が所定回数を超えた利用者がいるか否かが判定され、所定回数を超えた利用者がいると判定された場合には(S8の「YES」)、当該利用者が監視対象人物として検出される。そして、情報出力部207により、監視対象人物として検出された利用者に関する特定人物情報が特定人物情報記憶部205から取得されて、管理装置30に出力される(S9)。特定人物情報が取得された管理装置30では、当該人物が落書き等のいたずらに関わった人物として、以降建物内等での動向を監視する処理が行われる。
ステップS8において、異常事態関係人物として特定された回数が所定回数を超えた利用者がいないと判定されたときにはステップS1に戻り、現在の待機状態が図2の期間X1として異常発生判定部203として認識され、ステップS1〜S8の処理が繰り返される。ステップS1〜S8の処理が繰り返されることで、ステップS6で期間X1の撮像情報と期間X2の撮像情報とに所定値以上の差分があると判定される都度、異常事態関係人物として特定された人物の特定人物情報が逐次特定人物情報記憶部205に記憶され、監視対象人物検出部206で人物ごとに特定された回数がカウントされる。
以上の第1実施形態によれば、乗りかご内で落書き等のいたずらにより景観が損なわれる異常事態が発生したときに、当該いたずらの発生に関わったと推測される監視対象人物を高い精度で特定して監視することで、いたずらの再発防止対策を行うことができる。
《第2実施形態》
〈第2実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの構成〉
本発明の第2実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの構成について、図4を参照して説明する。本実施形態による保安支援システム1Bは、保安支援処理装置20Bが、保安支援処理対象の複数のエレベータ10−1〜10−nに接続されており、保安支援処理装置20B内に、建物位置情報取得部208および行動範囲推定部209を新たに有する他は、第1実施形態で説明した保安支援システム1Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。複数のエレベータ10−1〜10−nはそれぞれ、第1実施形態で説明したエレベータ10と同様の機能を有する。
撮像情報記録部201は、各エレベータ10−1〜10−nのエレベータ制御装置14から送信されたかご内カメラ装置121の撮像情報を記録する。動作状況情報取得部202は、各エレベータ10−1〜10−nのエレベータ制御装置14から送信された、エレベータ10内の動作状況情報を取得する。
異常発生判定部203は、いずれかのエレベータでエレベータ制御装置14から出力された信号がH信号からL信号に切り替わったことを検知する都度、撮像情報記録部201に記録された中から、該当する運転前の待機状態のときの撮像情報と運転後の待機状態のときの撮像情報とを取得して比較する。比較の結果、所定値以上の差分を検出すると、当該運転中に乗りかご12内の景観が損なわれる異常事態が発生したと判定する。
建物位置情報取得部208は、保安支援処理対象の複数エレベータが設置されたそれぞれの建物の位置情報を取得し、特定人物情報記憶部205に記憶する特定人物情報に該当する建物の位置情報を対応付ける。建物の位置情報は、異常事態関係人物として特定された利用者が携帯する端末からGPS(Global Positioning System)情報を受信することで取得してもよいし、各エレベータのエレベータ制御装置に予め設定された建物位置情報を取得するようにしてもよい。
行動範囲推定部209は、特定人物情報記憶部205に記憶された情報に基づいて、監視対象人物として検出された利用者の行動範囲を推定する。情報出力部207は、監視対象人物として検出された利用者に関する特定人物情報を特定人物情報記憶部205から取得して、管理装置30および推定された行動範囲内のエレベータに出力する。
〈第2実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの動作〉
本実施形態による保安支援システム1Bで実行される処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。本実施形態において、各エレベータ10−1〜10−nに関して実行されるステップS1〜S6の処理は、第1実施形態で説明した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS6において、期間X1の撮像情報と期間X3の撮像情報とに所定値以上の差分があると判定されたときに、異常事態が発生したと判定されて特定された異常事態関係人物の特定人物情報が記憶されるとともに、建物位置情報取得部208により、該当する建物の位置情報が取得され当該特定人物情報に対応づけられる(S11)。ステップS1〜S6およびS11の処理は、複数のエレベータそれぞれで発生した呼びに関し、実行される。
次に、監視対象人物検出部206により、異常事態関係人物として特定された回数が所定回数を超えた利用者が監視対象人物として検出されると(S12の「YES」)、行動範囲推定部209により当該利用者に関する特定人物情報が特定人物情報記憶部205から取得される。そして、それぞれの特定人物情報に対応づけられている建物の位置情報から、当該利用者の行動範囲が推定される(S13)。当該利用者の行動範囲は例えば、当該利用者に関する複数の特定人物情報に対し、異なる建物の位置情報が対応づけられていた場合には、該当する建物の位置情報の中で最も距離が離れている2つの位置情報間の直線距離を直径とする円で囲われる範囲内を、当該利用者の行動範囲として推定する。
次に、情報出力部207により、監視対象人物として検出された利用者に関する特定人物情報が管理装置30に出力されるとともに、行動範囲推定部209により推定された行動範囲内のエレベータに出力される(S14)。特定人物情報が取得されたエレベータでは、当該人物が落書き等のいたずらに関わった人物として、以降自身の建物内に当該利用者が入館するか否かを監視する処理が行われる。
以上の第2実施形態によれば、乗りかご内で落書き等のいたずらにより景観が損なわれる異常事態が発生したときに、当該いたずらの発生に関わったと推測される監視対象人物を高い精度で特定して複数の建物で監視することで、いたずらの再発防止対策を行うことができる。
《第3実施形態》
〈第3実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの構成〉
本発明の第3実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの構成について、図6を参照して説明する。本実施形態による保安支援システム1Cは、各エレベータ10−1〜10−nが設置された建物それぞれの各階の乗場に乗場カメラ装置15を備える他は、第2実施形態において説明した保安支援システム1Bの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。乗場カメラ装置15はそれぞれ、設置された乗場を撮影する。
本実施形態において各エレベータ10−1〜10−nのエレベータ制御装置14は、自エレベータのかご内撮像装置で撮影された撮像情報、および自エレベータの運転状況情報を保安支援処理装置20Cに送信し、これに基づいて保安支援処理装置20Cから送信された監視対象人物に関する情報を取得する。また、取得した監視対象人物に関する情報および自エレベータの乗場カメラ装置15で撮影された撮像情報に基づいて、自エレベータの乗場に当該監視対象人物が入場したか否かを判定する。
〈第3実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの動作〉
本実施形態による保安支援システム1Cで実行される処理について説明する。本実施形態においても、第2実施形態と同様に、各エレベータ10−1〜10−nに関して図5のステップS1〜S6、S11〜S14の処理が実行される。ステップS14において監視対象人物の特定人物情報が、保安支援処理装置20Cから該当する行動範囲内のエレベータに出力された後に、当該特定人物情報を受信したエレベータで実行される処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。ここでは、エレベータ10−1で当該特定人物情報が受信された場合を例に説明する。
保安支援処理装置20Cから送信された監視対象人物の特定人物情報は、エレベータ10−1のエレベータ制御装置14で取得される。エレベータ制御装置14では、監視対象人物に関する情報が取得されると(S21の「YES」)、当該情報およびエレベータ10−1の乗場カメラ装置15で撮影された撮像情報に基づいて、エレベータ10−1の乗場に当該監視対象人物が入場した否かが判定される。ここで、エレベータ10−1の乗場に当該監視対象人物が入場したと判定されると(S22の「YES」、当該監視対象人物が乗場にいることを示す通知情報が出力される(S23)。エレベータ制御装置14から監視対象人物が乗場にいることを示す通知情報が出力されることで、管理者等が当該建物の乗場に監視対象人物が入場したことを認識して該当する乗場に向かう等の対応を行うことができる。
以上の第3実施形態によれば、乗りかご内で落書き等のいたずらにより景観が損なわれる異常事態が発生し、当該いたずらの発生に関わったと推測される監視対象人物が特定された後に、当該監視対象人物を複数建物のエレベータ乗場で監視することにより、高い精度で当該監視対象人物を検知することができる。
《第4実施形態》
〈第4実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの構成〉
本発明の第4実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システム1Dの構成は、第3実施形態において説明した保安支援システム1Cの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
本実施形態において各エレベータ10−1〜10−nのエレベータ制御装置14は、保安支援処理装置20Dから送信された監視対象人物に関する情報を取得すると、取得した情報および自エレベータのかご内カメラ装置121で撮影された撮像情報に基づいて、自エレベータの乗りかご12内に当該監視対象人物が乗り込んだが否かを判定する。そして、自エレベータの乗りかご12内に当該監視対象人物が乗り込んだと判定すると、予め設定された保安支援用の処理を実行する。
〈第4実施形態による保安支援処理装置を利用したエレベータの保安支援システムの動作〉
本実施形態による保安支援システム1Dで実行される処理について説明する。本実施形態においても、第2実施形態と同様に、各エレベータ10−1〜10−nに関して図5のステップS1〜S6、S11〜S14の処理が実行される。ステップS14において監視対象人物の特定人物情報が、保安支援処理装置20Dから該当する行動範囲内のエレベータに出力された後に、当該特定人物情報を受信したエレベータで実行される処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。ここでは、エレベータ10−1で当該特定人物情報が受信された場合を例に説明する。
保安支援処理装置20Dから送信された監視対象人物の特定人物情報は、エレベータ10−1のエレベータ制御装置14で取得される。エレベータ制御装置14において、監視対象人物の特定人物情報が取得されたときに実行されるステップS21〜S23の処理は、第3実施形態で説明した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS23において当該監視対象人物が乗場にいることを示す通知情報が出力された後、エレベータ10−1のかご内カメラ装置121で撮影された撮像情報に基づいて、乗りかご12に当該監視対象人物が乗り込んだか否かが判定される。ここで、エレベータ10−1の乗りかご12に当該監視対象人物が乗り込んだと判定されると(S24の「YES」)、当該エレベータ10内で、予め設定された保安支援用の処理が実行される(S25)。保安支援用の処理としては例えば、乗りかご12内に設置されたかご内操作盤(図示せず)内の行先階登録ボタン等のボタン操作を無効にする処理、当該建物の最上階までノンストップ運転させる処理、乗りかご12を戸閉して当該監視対象人物を閉じ込め状態にする処理等、予め設定された複数処理の中から、管理人が選択した処理が実行される。管理人による選択処理は、エレベータ制御装置14近傍に設置されたセレクタスイッチで実行されるようにしてもよいし、管理人が所持する携帯端末から無線通信により送信される情報により実行されるようにしてもよい。
以上の第4実施形態によれば、乗りかご内で落書き等のいたずらにより景観が損なわれる異常事態が発生し、当該いたずらの発生に関わったと推測される監視対象人物が特定された後に、当該監視対象人物を複数建物のエレベータの乗りかごで監視することにより高い精度で当該監視対象人物を検知することができる。また乗りかご内に監視対象人物を検知したエレベータで、保安支援用の処理を行うことができる。
上述した第1実施形態〜第4実施形態において、特定人物情報記憶部205に記憶された特定人物情報は、記憶された時点から所定期間が経過したときに削除されるようにしてもよい。このように特定人物情報記憶部205内の情報を定期的に整理する処理を行うことにより、保安支援処理装置内での監視対象人物の誤検出が低減されるとともに、演算負荷を低減させることができる。
また、上述した第1〜第4実施形態においては、撮像情報記録部201、動作状況情報取得部202、異常発生判定部203、および異常事態関係人物特定部204を保安支援処理装置20内に設けた場合について説明したが、これらの機能を、各エレベータ制御装置14内に設けるようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1A,1B,1C,1D…保安支援システム、10,10−1〜10−n…エレベータ、11…巻上げ機、12…乗りかご、13…テールコード、14…エレベータ制御装置、15…乗場カメラ装置、20A,20B,20C,20D…保安支援処理装置、30…管理装置、121…かご内カメラ装置、201…撮像情報記録部、202…動作状況情報取得部、203…異常発生判定部、204…異常事態関係人物特定部、205…特定人物情報記憶部、206…監視対象人物検出部、207…情報出力部、208…建物位置情報取得部、209…行動範囲推定部

Claims (4)

  1. 保安支援処理対象の複数エレベータのエレベータ制御装置それぞれに接続されたエレベータの保安支援処理装置において、
    各エレベータから、当該エレベータの乗りかご内を撮影した撮像情報を記録する撮像情報記録部と、
    各エレベータのエレベータ制御装置から当該エレベータの動作状況情報を取得し、取得した動作状況情報に基づいて、いずれかのエレベータで発生した呼びに応答するための運転を終了して待機状態になったことを検出する都度、前記撮像情報記録部に記録された中から、当該運転前の待機状態のときの撮像情報と当該運転後の待機状態のときの撮像情報とを取得して比較することで、当該運転中に当該乗りかご内の景観が損なわれる異常事態が発生したか否かを判定する異常発生判定部と、
    前記異常発生判定部で前記異常事態が発生したと判定されると、前記撮像情報記録部で記録された撮像情報に基づいて当該運転中に当該乗りかご内にいた利用者を検出し、検出した利用者を、前記異常事態の発生に関わった異常事態関係人物として特定する異常事態関係人物特定部と、
    前記異常事態関係人物特定部で異常事態関係人物が特定されたエレベータに関し、該当する建物の位置情報を取得する建物位置情報取得部と、
    前記異常事態関係人物として特定された回数が所定回数を超えた利用者を、監視対象人物として検出する監視対象人物検出部と、
    前記建物位置情報取得部で取得された建物の位置情報に基づいて、前記監視対象人物として検出された利用者の行動範囲を推定する行動範囲推定部と、
    前記監視対象人物検出部で監視対象人物として検出された利用者に関する情報を、前記行動範囲推定部で推定された範囲内のエレベータに出力する情報出力部と
    を備えることを特徴とするエレベータの保安支援処理装置。
  2. 保安支援処理対象の複数のエレベータと、保安支援処理装置とを備えたエレベータの保安支援システムにおいて、
    前記複数のエレベータはそれぞれ、
    自エレベータの乗りかご内を撮影するかご内撮像装置と、
    自エレベータの乗場を撮影する乗場カメラ装置と、
    自エレベータのかご内撮像装置で撮影された撮像情報、および自エレベータの運転状況情報を前記保安支援処理装置に送信し、これに基づいて前記保安支援処理装置から送信された監視対象人物に関する情報を取得し、取得した監視対象人物に関する情報および自エレベータの乗場カメラ装置で撮影された撮像情報に基づいて、自エレベータの乗場に前記監視対象人物が入場したと判定すると、当該監視対象人物の乗場への入場を通知する通知情報を出力するエレベータ制御装置と
    を有し、
    前記保安支援処理装置は、
    各エレベータのかご内撮像装置から、当該エレベータの乗りかご内を撮影した撮像情報を記録する撮像情報記録部と、
    各エレベータのエレベータ制御装置から当該エレベータの動作状況情報を取得し、取得した動作状況情報に基づいて、いずれかのエレベータで発生した呼びに応答するための運転を終了して待機状態になったことを検出する都度、前記撮像情報記録部に記録された中から、当該運転前の待機状態のときの撮像情報と当該運転後の待機状態のときの撮像情報とを取得して比較することで、当該運転中に当該乗りかご内の景観が損なわれる異常事態が発生したか否かを判定する異常発生判定部と、
    前記異常発生判定部で前記異常事態が発生したと判定されると、前記撮像情報記録部で記録された撮像情報に基づいて当該運転中に当該乗りかご内にいた利用者を検出し、検出した利用者を、前記異常事態の発生に関わった異常事態関係人物として特定する異常事態関係人物特定部と、
    前記異常事態関係人物特定部で異常事態関係人物が特定されたエレベータに関し、該当する建物の位置情報を取得する建物位置情報取得部と、
    前記異常事態関係人物として特定された回数が所定回数を超えた利用者を、監視対象人物として検出する監視対象人物検出部と、
    前記建物位置情報取得部で取得された建物の位置情報に基づいて、前記監視対象人物の行動範囲を推定する行動範囲推定部と、
    前記監視対象人物検出部で監視対象人物に関する情報を、前記行動範囲推定部で推定された範囲内のエレベータのエレベータ制御装置に出力する情報出力部と
    を備えることを特徴とするエレベータの保安支援システム。
  3. 前記エレベータ制御装置は、自エレベータのかご内撮像装置で撮影された撮像情報、および自エレベータの運転状況情報を前記保安支援処理装置に送信したことにより前記保安支援処理装置から送信された監視対象人物に関する情報を取得し、取得した監視対象人物に関する情報および自エレベータのかご内撮像装置で撮影された撮像情報に基づいて、自エレベータの乗りかご内に前記監視対象人物が乗り込んだと判定すると、当該監視対象人物の乗りかごへの入場を通知する通知情報を出力する
    ことを特徴とする請求項2に記載のエレベータの保安支援システム。
  4. 保安支援処理対象の複数エレベータのエレベータ制御装置それぞれに接続されたエレベータの保安支援処理装置が、
    各エレベータから、当該エレベータの乗りかご内を撮影した撮像情報を記録する撮像情報記録ステップと、
    各エレベータのエレベータ制御装置から当該エレベータの動作状況情報を取得し、取得した動作状況情報に基づいて、いずれかのエレベータで発生した呼びに応答するための運転を終了して待機状態になったことを検出する都度、前記撮像情報記録ステップで記録された中から、当該運転前の待機状態のときの撮像情報と当該運転後の待機状態のときの撮像情報とを取得して比較することで、当該運転中に当該乗りかご内の景観が損なわれる異常事態が発生したか否かを判定する異常発生判定ステップと、
    前記異常発生判定ステップで前記異常事態が発生したと判定されると、前記撮像情報記録ステップで記録された撮像情報に基づいて当該運転中に当該乗りかご内にいた利用者を検出し、検出した利用者を、前記異常事態の発生に関わった異常事態関係人物として特定する異常事態関係人物特定ステップと、
    前記異常事態関係人物が特定されたエレベータに関し、該当する建物の位置情報を取得する建物位置情報取得ステップと、
    前記異常事態関係人物として特定された回数が所定回数を超えた利用者を、監視対象人物として検出する監視対象人物検出ステップと、
    前記建物位置情報取得ステップで取得された建物の位置情報に基づいて、前記監視対象人物として検出された利用者の行動範囲を推定する行動範囲推定ステップと、
    前記監視対象人物検出ステップで監視対象人物として検出された利用者に関する情報を、前記行動範囲推定ステップで推定された範囲内のエレベータに出力する情報出力ステップと
    を有することを特徴とするエレベータの保安支援処理方法。
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