JP6499952B2 - 水処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、活性汚泥(activated sludge)を用いた水処理装置を備え、当該水処理装置を制御する水処理システムに関する。
下水処理場をはじめとする水処理プラント(水処理装置)では、環境汚濁物質を除去するために様々な水処理プロセスが導入されている。一般的な処理方式である標準活性汚泥法では、主に有機物の除去を対象としている。近年では、更なる環境負荷低減のため、窒素(特にアンモニア性窒素)やリンの除去を目的とした高度処理の普及が進められている。
有機物やアンモニア性窒素(NH−N)、リンは、溶存酸素(Dissolved Oxygen:以下、DOと称する)が存在する好気状態において主に除去される。例えば、アンモニア性窒素では、好気状態において硝化細菌により硝酸性窒素(NO−N)へと酸化する反応(硝化)により除去される。そのため、下水処理では、適切な処理水質の実現には十分な酸素供給(曝気)が必要となるが、省エネの観点から過剰な曝気を抑制し、消費電力を低減することも求められている。
所望する処理水質の安定的な達成、並びに消費電力の削減を目的に、様々な曝気制御方式が提案されている。例えば、曝気風量を一定に制御する風量一定制御、流入下水の流量に対する曝気風量の比に基づき制御する空気倍率制御、好気槽のDO濃度(溶存酸素濃度)に基づき制御するDO制御等が実施されている。近年では、精度が向上してきたアンモニア計を用い、計測したアンモニア性窒素濃度に基づき制御するアンモニア制御を実施する動きが盛んとなってきている。処理対象であるアンモニア性窒素を計測するため、従来のDO制御などに比べ、処理目標値への追随性が向上し、より適正な曝気風量の制御が可能となる。
アンモニア計は、下水処理場での設置台数も少なく、新規に購入する必要がある場合が多く、校正などの維持管理業務や、消耗品費用が新たに発生する。そこで、計測器の設置台数を削減するため、計測器の設置を代表系列に限定し、代表系列での制御目標から、計測器を設置していない系列での制御目標を設定する方法が提案されている。例えば、特許文献1では、1つの系列のみにアンモニア計を設置すると共に全ての系列に溶存酸素濃度計(DO計)を設置し、アンモニア計を設置した系列では、アンモニア計の計測値に基づき風量を制御し、その他の系列では、アンモニア計を設置した系列と同等のDO濃度になるように風量を制御している。
特許第4131955号公報
特許文献1では、アンモニア計を設置し、アンモニア計の計測値に基づき風量を制御する系列と、その他の系列のDO濃度が同等になるように風量を制御している。しかし、微生物による処理量は、処理時間(滞留時間:HRTとも称される)によって異なってくる。そのため、同じDO濃度の系列であっても、それぞれの系列への流入流量等の条件により処理時間(滞留時間)が異なると、系列によって処理量にずれが発生し、全ての系列で1つの系列に設置される計測器(アンモニア計)による制御の効果を十分に得られない恐れがある。
そこで本発明は、水質計が設置される代表系列におけるDO濃度に基づき他の複数系列における曝気風量の設定を、各系列への被処理水の流入流量に基づき補正することで、各系列における被処理水に対する処理量又は曝気風量を最適に制御可能とし得る水処理システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の水処理システムは、少なくとも好気槽を含む反応槽と前記好気槽に設けられた散気部を有する複数の系列を備え、前記複数の系列全てに設置され前記好気槽の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度計と、各系列の前記反応槽へ流入する被処理水の流量を計測する流量計又は前記被処理水の流量を推定する流量推定部と、一の系列の前記好気槽に設置される水質計と、各系列の前記散気部へ空気を供給するブロワと、を有する水処理装置と、前記ブロワより各系列の散気部へ供給される空気の風量を制御する風量制御部と、を備え、前記風量制御部は、前記水質計の計測値に基づき前記水質計が設置される一の系列への風量を制御すると共に、前記一の系列及び前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の溶存酸素濃度計測値と、前記一の系列の水質計が設置される一の系列の被処理水の流入流量及び前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の被処理水の流入流量に基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への風量を制御することを特徴とする。
本発明によれば、水質計が設置される代表系列における溶存酸素濃度(DO濃度)に基づき他の複数系列における曝気風量の設定を、各系列への被処理水の流入流量に基づき補正することで、各系列における被処理水に対する処理量又は曝気風量を最適に制御可能とし得る水処理システムを提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る実施例1の水処理システムの概略全体構成図である。 図1に示す風量制御部の機能ブロック図である。 図2に示す風量制御部を構成する目標風量演算部の処理フロー図である。 図2に示す風量制御部を構成する溶存酸素濃度(DO濃度)目標値演算部の処理フロー図である。 図2に示す風量制御部を構成する風量弁開度演算部の処理フロー図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2の水処理システムの概略全体構成図である。 図6に示す風量制御部の機能ブロック図である。 図7に示す風量制御部を構成する第1目標風量演算部の処理フロー図である。 図7に示す風量制御部を構成する第2目標風量演算部の処理フロー図である。 図7に示す風量制御部を構成する風量弁開度演算部の処理フロー図である。 本発明の他の実施例に係る実施例3の風量制御部を構成する第2目標風量演算部の処理フロー図である。 実施例3の風量制御部を構成する風量弁開度演算部33の処理フロー図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
図1に、本発明の一実施例に係る実施例1の水処理システムの概略全体構成図を示す。図1において、実線は配管を示し、点線は信号線を示している。本実施例に係る水処理システム1は、生活廃水又は工業用排水等の下水(被処理水)を、標準活性汚泥法において、活性汚泥を用いて有機物とアンモニア性窒素を除去する水処理装置2及び、風量制御部3を備える。
(水処理装置)
図1に示すように、水処理装置2は、被処理水である下水の流入側より順に、好気槽(反応槽)4−1及び最終沈殿池5−1より構成される系列1と、同様に、被処理水である下水の流入側より順に、好気槽(反応槽)4−2及び最終沈殿池5−2より構成される系列2とを備え、系列1及び系列2は活性汚泥を用いた同一の処理方式、すなわち、標準活性汚泥法を用いるものである。また、系列1における好気槽(反応槽)4−1には複数の散気部6−1が設けられ、系列2における好気槽(反応槽)4−2には複数の散気部6−2が設けられている。
系列1の好気槽(反応槽)4−1には、流入配管14及び流入配管14より分岐する系列1流入配管14−1を介して被処理水である下水が流入すると共に、返送ポンプ9−1が設置された系列1返送汚泥配管17−1を介して最終沈殿池5−1より返送汚泥が流入し、活性汚泥中の硝化細菌により、アンモニア性窒素(NH−N)を硝酸性窒素(NO−N)へ酸化する硝化が行われる。また、好気性従属栄養細菌による有機物酸化が行われる。
同様に、系列2の好気槽(反応槽)4−2には、流入配管14及び流入配管14より分岐する系列2流入配管14−2を介して被処理水である下水が流入すると共に、返送ポンプ9−2が設置された系列2返送汚泥配管17−2を介して最終沈殿池5−2より返送汚泥が流入し、活性汚泥中の硝化細菌により、アンモニア性窒素(NH−N)を硝酸性窒素(NO−N)へ酸化する硝化が行われる。また、好気性従属栄養細菌による有機物酸化が行われる。
系列1の最終沈殿池5−1及び系列2の最終沈殿池5−2は、上澄み液と活性汚泥16−1,16−2とを重力沈降により沈降分離する設備である。沈降分離後の上澄み液は、処理水としてそれぞれ系列1流出配管15−1及び系列2流出配管15−2により系外に放流される。
また、最終沈殿池5−1及び最終沈殿池5−2には、底面に沈殿する活性汚泥16−1,16−2を掻き寄せる汚泥掻寄機(図示せず)が設けられている。汚泥掻寄機は、所定の間隔でチェーンに取り付けられた複数のフライト、最終沈殿池5−1,5−2の水上部に設置された駆動装置により回転力が伝達される駆動軸の両端に設けられた駆動スプロケットホイール、駆動スプロケットホイールの下流側に配置された中間軸の両端に設けられた従動スプロケットホイール、中間軸の両端に設けられた従動スプロケットホイールの下流側であって最終沈殿池5−1,5−2の底面付近に配置されたテール軸の両端に設けられた従動スプロケットホイール、及び最終沈殿池5−1,5−2の底面付近であってテール軸の両端に設けられた従動スプロケットホイールの上流側に配置されたヘッド軸の両端に設けられた従動スプロケットホイールを備える。複数のフライトが所定間隔にて取り付けられたチェーンが、これら、駆動スプロケットホイール及び従動スプロケットホイールに2条平行に張架され、駆動装置により循環駆動される。フライトは、この2条平行に張架されたチェーンを渡るように所定間隔にて取り付けられた平板形状を有する。そして、最終沈殿池5−1,5−2の下流側から上流側へ向かう方向に沿ってチェーンが移動する際、チェーンに取り付けられたフライトにより、最終沈殿池5−1,5−2の底面に沈殿する活性汚泥16−1,16−2は汚泥ピットに掻き寄せられる。汚泥ピットに掻き寄せられた活性汚泥16−1,16−2は、それぞれ返送ポンプ9−1,9−2により、系列1返送汚泥配管17−1及び系列2返送汚泥配管17−2を介して、系列1の好気槽(反応槽)4−1及び系列2の好気槽(反応槽)4−2へと返送され、再度一連の生物処理に供される。
図1に示すように、系列1における好気槽(反応槽)4−1に設けられる複数の散気部6−1は、系列1散気配管18−1及び風量弁8−1を介してブロワ7に接続され、好気槽(反応槽)4−1に空気が供給される。また、同様に、系列2における好気槽(反応槽)4−2に設けられる複数の散気部6−2は、系列2散気配管18−2及び風量弁8−2を介してブロワ7に接続され、好気槽(反応槽)4−2に空気が供給される。散気部6−1と風量弁8−1とを接続する系列1散気配管18−1であって、風量弁8−1側には風量計13−1が設置され、風量計13−1により計測される系列1散気配管18−1を通流する空気の風量計測値は、信号線を介して風量制御部3へ出力される。
また、流入配管14より分岐し系列1の好気槽(反応槽)4−1へ接続される系列1流入配管14−1には流量計11−1が設置され、流量計11−1により計測される好気槽(反応槽)4−1へ流入する被処理水である下水の流入流量の計測値は、信号線を介して風量制御部3へ出力される。同様に、流入配管14より分岐し系列2の好気槽(反応槽)4−2へ接続される系列2流入配管14−2には流量計11−2が設置され、流量計11−2により計測される好気槽(反応槽)4−2へ流入する被処理水である下水の流入流量の計測値は、信号線を介して風量制御部3へ出力される。なお、ここで、流量計11−1及び流量計11−2は、流量推定部としても機能する。系列1における好気槽(反応槽)4−1には、水質計としてのアンモニア計10及び溶存酸素濃度計(DO計)12−1が設置され、アンモニア計10により計測されるアンモニア性窒素濃度及び、溶存酸素濃度計(DO計)12−1により計測される溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値は、信号線を介して風量制御部3へ出力される。また、系列2における好気槽(反応槽)4−2には、溶存酸素濃度計(DO計)12−2が設置され、溶存酸素濃度計(DO計)12−2により計測される溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値は、信号線を介して風量制御部3へ出力される。
(風量制御部)
図2は、図1に示す風量制御部3の機能ブロック図である。図2に示すように、風量制御部3は、目標風量演算部31、DO濃度目標値演算部32、風量弁開度演算部33、計測値取得部34、少なくとも詳細後述する各種演算式を格納する記憶部35、入力I/F36、及び出力I/F37を備え、これらは相互に内部バス38を介して接続されている。系列1散気配管18−1を通流し散気部6−1より系列1の好気槽(反応槽)4−1へ供給される空気の目標風量を算出する目標風量演算部31、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)の目標値を算出するDO濃度目標値演算部32、及びブロワ7と系列1の散気部6−1とを接続する系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1への開度指令値並びに、ブロワ7と系列2の散気部6−2とを接続する系列2散気配管18−2に設置される風量弁8−2への開度指令値を算出する風量弁開度演算部33は、例えば、図示しないCPU等のプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に格納するRAM、外部記憶装置等の記憶装置にて実現されると共に、CPU等のプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAM又は外部記憶装置に格納する。なお、ここで演算結果又は演算過程のデータをRAMに代えて記憶部35に格納するよう構成しても良い。
図2に示すように、入力I/F36は、系列1の好気槽(反応槽)4−1に設置されるアンモニア計10により計測されるアンモニア性窒素濃度の計測値、流量計(系列1)11−1により計測される好気槽(反応槽)4−1に流入する被処理水である下水の流入流量の計測値、流量計(系列2)11−2により計測される好気槽(反応槽)4−2に流入する被処理水である下水の流入流量の計測値、系列1の好気槽(反応槽)4−1に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−1により計測される溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値、系列2の好気槽(反応槽)4−2に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−2により計測される溶存酸素濃度(DO計)により計測される溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値、及び、系列1散気配管18−1に設置される風量計13−1により計測される風量計測値を入力する。なお、図2では、上記各計測器からの計測値を1つの信号線に重畳する信号配線として表記しているが、これは、図面の記載の便宜上このように表記したものであり、実際には、それぞれの計測器毎に設けられた信号線を介して、入力I/F36に並列に入力される信号配線となっている。
また、出力I/F37は、系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1へ開度指令値を出力すると共に、系列2散気配管18−2に設置される風量弁8−2へ開度指令値を出力する。なお、目標風量演算部31、DO濃度目標値演算部32、風量弁開度演算部33及び計測値取得部34の詳細については後述する。
次に、水処理システム1、すなわち、水処理装置2及び風量制御部3の動作の概要について以下に説明する。
まず、流量推定部としても機能する流量計11−1は、系列1流入配管14−1を介して系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する被処理水である下水の流入流量を計測し、同様に、流量推定部としても機能する流量計11−2は、系列2流入配管14−2を介して系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する被処理水である下水の流入流量を計測する。系列1の好気槽(反応槽)4−1に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−1は、好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)を計測し、系列2の好気槽(反応槽)4−2に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−2は、好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)を計測する。
風量制御部3は、系列1の好気槽(反応槽)4−1に設置される水質計としてのアンモニア計10により計測される好気槽(反応槽)4−1内のアンモニア性窒素濃度の計測値に基づき、系列1への目標風量を求め設定する。系列2については、風量制御部3は、流量計11−1、流量計11−2によりそれぞれ計測された系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する被処理水である下水の流入流量、系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する被処理水である下水の流入流量と、溶存酸素濃度計(DO計)12−1により計測された系列1の好気槽4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)とに基づき、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を求め設定する。
次に、系列1及び系列2への風量制御の概要について説明する。風量制御部3は、系列1散気配管18―1に設置される風量計13−1により計測された風量計測値と上述の設定された系列1への目標風量との差分に応じて、系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1の開度を制御する。また、系列2については、風量制御部3は、系列2の好気槽(反応槽)4−2に設置された溶存酸素濃度計(DO計)12−2により計測された好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値と、上述の設定された系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値との差分に基づき、系列2散気配管18−2に設置される風量弁8−2の開度を制御する。
風量制御部3における系列1への目標風量の設定方法について以下に説明する。風量制御部3は、アンモニア計10により計測された系列1の好気槽(反応槽)4−1内のアンモニア性窒素濃度が、所望のアンモニア性窒素濃度目標値に近づくよう、フィードバック制御により、系列1への目標風量を設定する。系列1への目標風量の設定は、以下の式(1)、式(2)に従う。
Figure 0006499952
Figure 0006499952
ここで、QB1_set(t)[m/min]:時刻tにおける系列1への目標風量設定値、NH(t)[mg―N/L]:時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1内のアンモニア性窒素濃度、NH4tgt[mg―N/L]:アンモニア性窒素濃度目標値、Δt[min]:データ採取間隔(サンプリング間隔)、K[m(gas)・m(water)/(g―N・min)]:比例ゲイン、T[min]:積分時間である。
風量制御部3による系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値の設定方法について以下に説明する。硝化によるアンモニア性窒素濃度の減少量は、硝化速度と処理時間(滞留時間:HRT)との積となる。硝化速度は、以下の式(3)に示すように、溶存酸素濃度(DO濃度)の関数であり、溶存酸素濃度(DO濃度)が高いと、硝化速度は高くなる。そのため、被処理水である下水の流入流量が多く、処理時間(滞留時間:HRT)が短くなると、溶存酸素濃度(DO濃度)を高くし、硝化速度を上げる必要があると考えられる。そこで、風量制御部3では、系列1の好気槽(反応槽)4−1に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−1により計測された好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)に対し、系列1流入配管14−1に設置される流量計11−1、系列2流入配管14−2に設置される流量計11−2によりそれぞれ計測された、系列1の好気槽(反応槽)4−1への被処理水である下水の流入量の計測値、系列2の好気槽(反応槽)4−2への被処理水である下水の流入量の計測値の相違を補正するよう、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を求め設定する。系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値の設定は、以下の式(3)に従う。
Figure 0006499952
ここで、DO2_set(t)[mg/L]:時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値、DO(t)[mg/L]:時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)、Qin_i(t)[m/min]:時刻tにおける系列iの好気槽(反応槽)への被処理水である下水の流入流量(i=1もしくは2)、β,m[―]:係数である。
また、風量制御部3は、系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1及び系列2散気配管18−2に設置される風量弁8−2の開度を、以下の式(4)から式(6)に基づき制御する。風量弁8−1の開度は、系列1への風量が風量制御部3で設定した系列1への目標風量の設定値に近づくように制御する。風量弁8−2の開度は、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)が、風量制御部3で設定した系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値に近づくように制御する。
Figure 0006499952
Figure 0006499952
Figure 0006499952
ここで、VO(t) [―]:時刻tにおける風量弁8−iの開度(i=1もしくは2)、QB(t)[m/min]:時刻tにおける系列1への風量計測値、QB1_set(t)[m/min]:時刻tにおける系列1への目標風量設定値、DO(t)[mg/L]:時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値、DO2_set(t)[mg/L]:時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値、Δt[min]:データ採取間隔(サンプリング間隔)、KP_1[min/m]:系列1での比例ゲイン、KP_2[L/mg]:系列2での比例ゲイン、TI_i [min]:系列iでの積分時間(i=1もしくは2)である。
このように、本実施例では、水質計(例えば、アンモニア計)を用いた風量制御を実行している系列の好気槽(反応槽)内の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値を基に、水質計が設置される系列及び水質計が設置されない他の系列への被処理水である下水の流入流量の相違に基づき、上記他の系列の好気槽(反応槽)内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を設定する。これにより、系列によって処理量や曝気風量が不足、もしくは過剰となることを抑制でき、安定的に所望の処理水質を確保できる。
以下に、風量制御部3を構成する、目標風量演算部31、DO濃度目標演算部32、及び風量弁開度演算部33による処理の詳細について説明する。
(目標風量演算部)
図3は、風量制御部3を構成する目標風量演算部31の処理フロー図である。
図3に示すように、系列1の好気槽(反応槽)4−1内に設置されるアンモニア計10により計測された、時刻tにおけるアンモニア性窒素濃度NH(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して、計測値取得部34(図2)に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおけるアンモニア性窒素濃度NH(t)の計測値を、内部バス38を介して目標風量演算部31へ転送する。これにより、目標風量演算部31は、系列1の好気槽(反応槽)4−1内の時刻tにおけるアンモニア性窒素濃度NH(t)の計測値を取得する(ステップS11)。
続いて、ステップS12では、目標風量演算部31は、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に予め格納される、アンモニア性窒素濃度目標値NH4tgt(系列1)を読み出す。
目標風量演算部31は、ステップS11にて取得した時刻tにおけるアンモニア性窒素濃度NH(t)の計測値と、ステップS12にて記憶部35より読み出したアンモニア性窒素濃度目標値NH4tgtの差分e(t)を算出する(ステップS13)。ここで差分e(t)は、上述の式(2)の演算式を実行することにより得られる。なお、上述の通り式(2)は予め記憶部35に格納され、目標風量演算部31が当該演算式である式(2)を読み出し実行する。なお、これに代えて、予め式(2)をプログラムとして組み込み、図示しないROMに格納する構成としても良い。
ステップS14では、目標風量演算部31は、ステップS13にて算出した差分e(t)に基づき、系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量、すなわち、系列1散気配管18−1を通流させる風量の目標値を上述の式(1)を演算することにより算出する。なお、上記同様、式(1)を予め記憶部35に格納しても良く、また、式(1)をプログラムとして組み込み、図示しないROMに格納しても良い。
ステップS15では、目標風量算出部31は、算出した系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量を、内部バス38を介して記憶部35の所定の記憶領域に格納する。なお、ステップS15に代えて、算出した系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量を、内部バス38を介して後述する風量弁開度演算部33へ転送する構成としても良い。
(DO濃度目標値演算部)
図4は、風量制御部3を構成するDO濃度目標値演算部32の処理フロー図である。
図4に示すように、系列1の好気槽(反応槽)4−1内に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−1により計測された、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値を、内部バス38を介してDO濃度目標値演算部32へ転送する。これにより、DO濃度目標値演算部32は、系列1の好気槽(反応槽)4−1内の時刻tにおける溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値を取得する(ステップS21)。
続いて、ステップS22では、系列1流入配管14−1に設置される流量計11−1により計測された、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する被処理水である下水の流入流量Qin_1(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する被処理水である下水の流入流量Qin_1(t)の計測値を、内部バス38を介してDO濃度目標値演算部32へ転送する。これにより、DO濃度目標値演算部32は、時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値を取得する。
ステップS23では、系列2流入配管14−2に設置される流量計11−2により計測された、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する被処理水である下水の流入流量Qin_2(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する被処理水である下水の流入流量Qin_2(t)の計測値を、内部バス38を介してDO濃度目標値演算部32へ転送する。これにより、DO濃度目標値演算部32は、時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値を取得する。なお、ステップS21〜ステップS23を並列に実行するよう構成しても良い。
ステップS24では、DO濃度目標値演算部32は、ステップS21にて取得した系列1の好気槽(反応槽)4−1内の時刻tにおける溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値、ステップS22にて取得した時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値、及びステップS23にて取得した時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値に基づき、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を算出する。ここで、DO濃度目標値演算部32は、上述の式(3)を演算することにより、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を算出する。なお、式(3)を予め記憶部35に格納しても良く、また、式(3)をプログラムとして組み込み、図示しないROMに格納しても良い。
ステップS25では、DO濃度目標値演算部32は、算出した系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を、内部バス38を介して記憶部35の所定の記憶領域に格納する。なお、ステップS25に代えて、算出した系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を、内部バス38を介して後述する風量弁開度演算部33へ転送する構成としても良い。
(風量弁開度演算部)
図5は、風量制御部3を構成する風量弁開度演算部33の処理フロー図である。
図5に示すように、風量弁開度演算部33は、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に格納される、系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量QB1_set(t)を読み出す(ステップS31)。ここで、記憶部35に格納される、系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量QB1_set(t)は、上述の目標風量演算部31により算出された目標風量(図3)である。
ステップS32では、系列1散気配管18−1に設置される風量計13−1により計測された、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)、すなわち、系列1散気配管18−1内を通流する時刻tにおける風量計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)を、内部バス38を介して風量開度演算部33へ転送する。これにより風量開度演算部33は、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)を取得する。
ステップS33では、風量弁開度演算部33は、ステップS32にて得られた時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)と、ステップS31にて取得された系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量QB1_set(t)との差分e(t)を算出する。ここで、差分e(t)は上述の式(5)を風量弁開度演算部33が実行することにより算出される。
ステップS34では、系列2の好気槽(反応槽)4−2内に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−2により計測された、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値を、内部バス38を介して風量弁開度演算部33へ転送する。これにより、風量弁開度演算部33は、時刻tにおける系列2の好気槽内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値を取得する。
ステップS35では、風量弁開度演算部33は、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に格納される時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値DO2_set(t)を読み出す。ここで、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値DO2_set(t)は、上述のDO濃度目標値演算部32により算出された溶存酸素濃度(DO濃度)目標値(図4)である。
ステップS36では、風量弁開度演算部33は、ステップS34にて取得された時刻tにおける系列2の好気槽内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値と、ステップS35にて得られた時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値DO2_set(t)との差分e(t)を算出する。ここで、差分e(t)は上述の式(6)を風量弁開度演算部33が実行することにより算出される。
ステップ37では、風量弁開度演算部33は、系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1の時刻tにおける開度計測値VO(t)、及び系列2散気配管18―2に設置される風量弁8−2の時刻tにおける開度計測値VO(t)を、入力I/F36、計測値取得部34、及び内部バス38を介して取り込む。
ステップS38では、ステップS37にて取り込まれた系列1の風量弁8−1の開度計測値VO(t)、系列2の風量弁8−2の開度計測値VO(t)、ステップS33にて得られた差分e(t)、及びステップS36にて得られた差分e(t)に基づき、風量弁開度演算部33は、系列1の風量弁8−1の開度及び系列2の風量弁8−2の開度を算出する。ここで、系列1の風量弁8−1の開度及び系列2の風量弁8−2の開度は、上述の式(4)を風量弁開度演算部33が実行することにより算出される。
ステップS39では、風量弁開度演算部33は、ステップS38にて算出した系列1の風量弁8−1の開度及び系列2の風量弁8−2の開度を、それぞれ指令値として、内部バス38及び出力I/F37を介して系列1の風量弁8−1及び系列2の風量弁8−2へ出力する。
上述の通り、風量制御部3を構成する、目標風量演算部31、DO濃度目標値演算部32及び風量弁開度演算部33が動作することにより、水質計(例えば、アンモニア計)を用いた風量制御を実行している系列1の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値を基に、水質計が設置される系列1及び水質計が設置されない他の系列2への被処理水である下水の流入流量の相違に基づき、上記他の系列2の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を設定する。そして、少なくとも設定された系列2の溶存酸素濃度(DO濃度)の目標値と系列2の溶存酸素濃度(DO濃度)の差分に基づき、系列1への曝気風量を調整する風量弁8−1及び系列2への曝気風量を調整する風量弁8−2の開度を制御することにより、系列によって処理量や曝気風量が不足、もしくは過剰となることを抑制でき、安定的に所望の処理水質を確保することが可能となる。
なお、本実施例では、標準活性汚泥法を用いる水処理装置2を一例として説明したが、これに限られることなく、例えば、嫌気好気活性汚泥法又は循環式硝化脱窒法等、好気槽を有する処理方式であれば、同様に適用できる。また、本実施例では、説明を分かり易くするため、水質計としてのアンモニア計及び溶存酸素濃度計(DO計)を好気槽(反応槽)内に設置する系列1と、溶存酸素濃度計(DO計)のみを好気槽(反応槽)内に設置する系列2との2系列のみを対象としたが、3系列以上を有する水処理装置においても、各系列における処理方式が同一であれば、同様に適用できる。
また、本実施例では、系列1の系列1流入配管14−1に流量計11−1を、系列2の系列2流入配管14−2に流量計11−2を設置する構成としたが、必ずしも系列毎に流量計を設置しなくとも良い。例えば、系列毎への分岐点(流入配管14より各系列へ分岐する分岐点)より上流側に1つの流量計を設置し、流入配管14へ流入する被処理水である下水の流入流量を計測し、予め設定した分配比によって、各系列の流量を算出する構成としても良い。更に、流量計を設置せず、各系列へ流入する被処理水である下水の過去の流入流量実績データを格納するデータベースを用意し、各系列の流量を推定する構成としても良い。この場合、各系列の流量を推定する構成要素を流量制御部と称する。以下では、特に、ことわりない限り、流量計は、流量推定部に置き換え可能である。
なお、本実施例では、系列1、系列2への風量をそれぞれ風量弁8−1、風量弁8−2により制御したが、インレットベーン制御など風量制御が可能なブロワ7の場合、併せてブロワ7の風量を制御しても良く、また、系列毎にブロワ7が設置されている場合には、ブロワ7のみで系列1及び系列2への風量を制御する構成としても良い。
なお、本実施例では、硝化制御への適用を想定し、水質計としてアンモニア計10を用いる場合を示したが、例えば、有機物除去、窒素除去、或いはリン除去に関する制御を行う系列への適用も可能である。その場合、水質計として、硝酸性窒素濃度、全窒素濃度、リン酸性リン濃度、全リン濃度や、BOD(Biochemical Oxygen Demand)、CODMn(過マンガン酸カリウムによる酸素要求量)、CODCr(ニクロム酸カリウムによる酸素要求量)、TOC(Total Organic Carbon)などの有機物濃度を計測する計測器を用いても良い。
本実施例では、アンモニア計10を系列1の好気槽(反応槽)4−1内に設置し、フィードバック的に系列1への目標風量を設定したが、その設置位置、目標風量の設定方法は問わない。例えば、アンモニア計10を系列1の好気槽(反応槽)4−1の上流に設置し、好気槽(反応槽)4−1へ流入する被処理水である下水のアンモニア性窒素濃度を計測し、当該計測されたアンモニア性窒素濃度に基づき、フィードフォワード的に系列1への目標風量を設定する構成としても良い。なお、アンモニア計10を好気槽(反応槽)4−1の下流側に設置する構成としても良い。
なお、本実施例では、アンモニア計10により計測されるアンモニア性窒素濃度の計測値に基づき系列1への目標風量を設定する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、アンモニア計10により計測されるアンモニア性窒素濃度の計測値に基づき、系列1の好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を設定し、設定した溶存酸素濃度(DO濃度)目標値と、好気槽(反応槽)4−1に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−1の計測値との差分に基づき風量を制御する構成としても良い。なお、この場合において、必ずしも好気槽(反応槽)4−1内にアンモニア計10を設置する必要はなく、例えば、好気槽(反応槽)4−1内でのアンモニア除去性能及び溶存酸素濃度(DO濃度)の関係を、過去の実績データに基づき予め格納するデータベースを用意し、このデータベースを参照することにより、好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を設定する構成としても良い。
また、本実施例では、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値と、系列2の好気槽(反応槽)4−2内に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−2の計測値との差分に基づき、風量弁8−2の開度を制御する構成としたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、系列1散気配管18−1に設置される風量計13−1と同様に、系列2散気配管18−2に風量計を設置し、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を満足するよう設定した目標風量と、系列2散気配管18−2に設置した風量計による風量計測値との差分に基づき、風量弁8−2の開度を制御するよう構成しても良い。
なお、本実施例では、図4に示したように、DO濃度目標演算部32が、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値に対し、時刻tにおける系列1への下水(被処理水)流入流量Qin_1(t)の計測値と時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値による流入流量比に係る関数を乗ずること(上述の式(3))で、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を算出し設定する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値と時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値に係る他の関数を用いても良く、例えば、時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値と時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値の差分に係る関数を乗じても良い。また、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値に対し、時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値と時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値に係る関数を加えることで、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を算出し設定しても良い。
また、硝化速度は一般的に以下の式(7)で表されるため、以下の式(8)に示す演算式により、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を算出し設定しても良い。
Figure 0006499952
ここで、μ[mg―N/L/h]:硝化速度、DO[mg/L]:DO濃度、α, K[―]:係数である。
Figure 0006499952
ここで、DO2_set(t)[mg/L]:時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値、DO(t)[mg/L]:時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1内のDO濃度、Qin_i(t)[m/min]:時刻tにおける系列iの好気槽(反応槽)への被処理水である下水の流入流量(i=1もしくは2)、αi、[―]:係数(i=1もしくは2)である。
なお、本実施例では、上記式(3)において、時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値と時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値を用いて、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を算出し設定する構成としたが、これに加え、系列1返送汚泥配管17−1及び系列2返送汚泥配管17−2に流量計を設置し、以下の式(9)のように、時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値と系列1返送汚泥配管17−1を通流する返送汚泥の流量との合計、及び、時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値と系列2返送汚泥配管17−2を通流する返送汚泥の流量との合計との比率に係る関数に基づいて、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を算出し設定する構成としても良い。また、循環式硝化脱窒法など活性汚泥混合液の循環を行っている場合には、循環流量も流量の項に追加して良い。
Figure 0006499952
ここで、Qr_i[m/h]:系列i返送汚泥配管17−iを通流する返送汚泥の流量(i=1もしくは2)である。
本実施例では、上述の式(3)では、各系列に流入する被処理水である下水の流入流量のみの相違を考慮したが、各系列の好気槽内のMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)濃度(曝気混合液浮遊物濃度又は活性汚泥浮遊物質濃度)の相違も考慮し、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を算出し設定しても良い。例えば、系列1の好気槽(反応槽)4−1及び系列2の好気槽(反応槽)4−2内にMLSS計を設置し、以下の式(10)に示すように、上述の式(3)にMLSS濃度に関する項を追加しても良い。
Figure 0006499952
ここで、MLSSi[mg/L]:系列iの好気槽(反応槽)4−i内のMLSS濃度(i=1もしくは2)、β’,n[−]:係数である。
また、上述の式(8)において、係数αをMLSSi[mg/L]:系列iの好気槽(反応槽)4−i内のMLSS濃度(i=1もしくは2)としても良い。
更に、本実施例では、上述の式(3)において、時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値及び時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値、すなわち、系列1及び系列2に流入する下水(被処理水)の流入流量の瞬時値を用いて、系列2の好気槽(反応槽)4−2の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値を算出し設定する構成としたが、これに代えて、任意の期間の下水(被処理水)の流入流量の平均値を用いても良い。また、上記式(8)、(9)、(10)における、各系列に流入する下水(被処理水)の流入流量の計測値、各系列の返送汚泥配管内を通流する返送汚泥の流量の計測値、各系列の好気槽(反応槽)内のMLSS濃度の計測値についても、同様に任意の期間の平均値を用いても良い。
以上の通り、本実施例によれば、水質計が設置される代表系列におけるDO濃度に基づき他の複数系列における曝気風量の設定を、各系列への被処理水の流入流量に基づき補正することで、各系列における被処理水に対する処理量又は曝気風量を最適に制御可能とし得る水処理システムを提供することが可能となる。
更に、具体的には、水質計(例えば、アンモニア計)を用いた風量制御を実行している系列の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値を基に、水質計が設置される系列及び水質計が設置されない他の系列への被処理水である下水の流入流量の相違に基づき、上記他の系列の溶存酸素濃度(DO濃度)目標値が設定されることにより、系列によって処理量や曝気風量が不足、もしくは過剰となることを抑制でき、安定的に所望の処理水質を確保できる。
図6に、本発明の他の実施例に係る実施例2の水処理システムの概略全体構成図を示し、図7に、図6に示す風量制御部の機能ブロック図を示す。本実施例の水処理システムでは、水処理装置2を構成する系列2散気配管18−2に設置される風量計13−2を有する点、及び、風量制御部3aが、実施例1における目標風量演算部31及びDO濃度目標値演算部32に代えて、第1目標風量演算部31a及び第2目標演算部31bを備える点が実施例1と異なる。実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図6に示すように、本実施例の水処理装置2は、系列2における好気槽(反応槽)4−2にそれぞれ設けられる散気部6−2とブロワ7とを接続する系列2散気配管18−2に設置される風量計13−2を備える。なお、系列2散気配管18−2には風量弁8−2が設置されており、風量計13−2は、この系列2散気配管18−2であって風量弁8−2側に設置されている。風量計13−2により計測される、ブロワ7より風量弁8−2を介して系列2散気配管18−2内を通流する空気の流量、すなわち、系列2への風量計測値は、信号線を介して風量制御部3aへ出力される。その他については、実施例1の水処理装置2と同様である。
図7に示すように、本実施例の風量制御部3aは、第1目標風量演算部31a、第2目標風量演算部31b、風量弁開度演算部33、計測値取得部34、少なくとも詳細後述する各種演算式を格納する記憶部35、入力I/F36、及び出力I/F37を備え、これらは相互に内部バス38を介して接続されている。系列1散気配管18−1を通流し散気部6−1より系列1の好気槽(反応槽)4−1へ供給される空気の目標風量を算出する第1目標風量演算部31a、系列2散気配管18−2を通流し散気部6−2より系列2の好気槽(反応槽)4−2へ供給される空気の目標風量を算出する第2目標風量演算部31b、及びブロワ7と系列1の散気部6−1とを接続する系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1への開度指令値並びに、ブロワ7と系列2の散気部6−2とを接続する系列2散気配管18−2に設置される風量弁8−2への開度指令値を算出する風量弁開度演算部33は、例えば、図示しないCPU等のプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に格納するRAM、外部記憶装置等の記憶装置にて実現されると共に、CPU等のプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAM又は外部記憶装置に格納する。なお、ここで演算結果又は演算過程のデータをRAMに代えて記憶部35に格納するよう構成しても良い。
図7に示すように、入力I/F36は、系列1の好気槽(反応槽)4−1に設置されるアンモニア計10により計測されるアンモニア性窒素濃度の計測値、流量計(系列1)11−1により計測される好気槽(反応槽)4−1に流入する被処理水である下水の流入流量の計測値、流量計(系列2)11−2により計測される好気槽(反応槽)4−2に流入する被処理水である下水の流入流量の計測値、系列1の好気槽(反応槽)4−1に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−1により計測される溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値、系列2の好気槽(反応槽)4−2に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−2により計測される溶存酸素濃度(DO計)により計測される溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値、及び、系列1散気配管18−1に設置される風量計13−1により計測される風量計測値を入力する。
また、出力I/F37は、系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1へ開度指令値を出力すると共に、系列2散気配管18−2に設置される風量弁8−2へ開度指令値を出力する。なお、第1目標風量演算部31a、第2目標風量演算部31b、風量弁開度演算部33及び計測値取得部34の詳細については後述する。
次に、水処理システム1、すなわち、水処理装置2及び風量制御部3aの動作の概要について以下に説明する。
風量制御部3aは、水質計としてのアンモニア計10により計測される系列1の好気槽(反応槽)4−1内のアンモニア性窒素濃度の計測値に基づき、系列1への目標風量を求め設定する。設定方法は、上述の式(1)、式(2)に従う。系列2については、風量制御部3aは、まず以下の式(11)、式(12)に従い、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)が、系列1の好気槽(反応槽)4−1と同様になるような系列2への目標風量を演算する。上述の通り、系列毎に好気槽(反応槽)への下水(被処理水)の流入流量が異なると、アンモニア性窒素の除去量に相違が生じる恐れがある。そのため、式(11)、式(12)により算出した目標風量に対し、系列1流入配管14−1に設置される流量計11−1及び系列2流入配管14−2に設置される流量計11−2によりそれぞれ計測された、系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量と系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量との相違を補正する係数を乗ずることで、系列2への補正後の目標風量を求め設定する。系列2への補正後の目標風量設定式を式(13)に示す。
Figure 0006499952
Figure 0006499952
ここで、QB2_DO(t)[m3/min]:時刻tにおいて、系列1の好気槽(反応槽)4−1及び系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)が同様になるような系列2への目標風量、QB2_set(t)[m3/min]:時刻tにおける系列2への目標風量設定値、DOi(t)[mg/L]:時刻tにおける系列iの好気槽(反応槽)4−i内の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値(i=1もしくは2)、Δt[min]:データ採取間隔、K[m3(gas)・m3(water)/(g・min)]:比例ゲイン、T[min]:積分時間である。
Figure 0006499952
ここで、Qin_i(t)[m3/min]:時刻tにおける系列iの好気槽(反応槽)への被処理水である下水の流入流量(i=1もしくは2)、γ,p[−]:係数である。
また、風量制御部3aは、系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1及び系列2散気配管18−2に設置される風量弁8−2の開度を、上述の式(4)、式(5)に基づき制御する。風量弁8−1の開度は、系列1への風量が風量制御部3aで設定した系列1への目標風量の設定値に近づくように制御する。また、風量弁8−2の開度は、系列2への風量が風量制御部3aで設定した系列2への目標風量の設定値に近づくように制御する。
このように、本実施例では、水質計(例えば、アンモニア計)を用いた風量制御を実行している系列の好気槽(反応槽)内の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値に基づき演算した水質計が設置されない他の系列へ風量に対し、水質計が設置される系列及び水質計が設置されない他の系列への被処理水である下水の流入流量の相違に基づき補正を行うことで、水質計が設置されない他の系列への適切な風量制御を実現できる。
以下に、風量制御部3aを構成する、第1目標風量演算部31a、第2目標風量演算部31b、及び風量弁開度演算部33による処理の詳細について説明する。
(第1目標風量演算部)
図8は、風量制御部3aを構成する第1目標風量演算部31aの処理フロー図である。
図8に示すように、第1目標風量演算部31aの処理フローは、上述の実施例1における目標風量演算部31の処理フローと同様である。
図8に示すように、ステップS11では、系列1の好気槽(反応槽)4−1内に設置されるアンモニア計10により計測された、時刻tにおけるアンモニア性窒素濃度NH(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して、計測値取得部34(図7)に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおけるアンモニア性窒素濃度NH(t)の計測値を、内部バス38を介して目標風量演算部31へ転送する。これにより、第1目標風量演算部31aは、系列1の好気槽(反応槽)4−1内の時刻tにおけるアンモニア性窒素濃度NH(t)の計測値を取得する。
続いて、ステップS12では、第1目標風量演算部31aは、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に予め格納される、アンモニア性窒素濃度目標値NH4tgt(系列1)を読み出す。
第1目標風量演算部31aは、ステップS11にて取得した時刻tにおけるアンモニア性窒素濃度NH(t)の計測値と、ステップS12にて記憶部35より読み出したアンモニア性窒素濃度目標値NH4tgtの差分e(t)を算出する(ステップS13)。ここで差分e(t)は、上述の式(2)の演算式を実行することにより得られる。なお、上述の通り式(2)は予め記憶部35に格納され、目標風量演算部31が当該演算式である式(2)を読み出し実行する。なお、これに代えて、予め式(2)をプログラムとして組み込み、図示しないROMに格納する構成としても良い。
ステップS14では、第1目標風量演算部31aは、ステップS13にて算出した差分e(t)に基づき、系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量、すなわち、系列1散気配管18−1を通流させる風量の目標値を上述の式(1)を演算することにより算出する。なお、上記同様、式(1)を予め記憶部35に格納しても良く、また、式(1)をプログラムとして組み込み、図示しないROMに格納しても良い。
ステップS15では、第1目標風量算出部31aは、算出した系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量を、内部バス38を介して記憶部35の所定の記憶領域に格納する。なお、ステップS15に代えて、算出した系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量を、内部バス38を介して後述する風量弁開度演算部33へ転送する構成としても良い。
(第2目標風量演算部)
図9は、風量制御部3aを構成する第2目標風量演算部31bの処理フロー図である。
図9に示すように、系列1の好気槽(反応槽)4−1内に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−1により計測された、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値を、内部バス38を介して第2目標風量演算部31bへ転送する。これにより、第2目標風量演算部31bは、系列1の好気槽(反応槽)4−1内の時刻tにおける溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値を取得する(ステップS41)。
続いて、ステップS42では、系列2の好気槽(反応槽)4−2内に設置される溶存酸素濃度計(DO計)12−2により計測された、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値を、内部バス38を介して第2目標風量演算部31bへ転送する。これにより、第2目標風量演算部31bは、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の時刻tにおける溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値を取得する。
ステップS43では、第2目標風量演算部31bは、ステップ42にて取得された時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値と、ステップS41にて取得された系列1の好気槽(反応槽)4−1内の時刻tにおける溶存酸素濃度(DO濃度)DO(t)の計測値との差分e(t)を算出する。ここで、差分e(t)は上述の式(12)を第2目標風量演算部31bが実行することにより算出される。
次に、第2目標風量演算部31bは、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に予め格納される、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量設定値QB2_set(t)を読み出す(ステップS44)。
ステップS45では、第2目標風量演算部31bは、ステップS43にて算出された差分e(t)と、ステップS44にて記憶部35より読み出した時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量設定値QB2_set(t)に基づき、時刻tにおいて系列1の好気槽(反応槽)4−1及び系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)が同様になるような系列2への目標風量QB2_DO(t)を算出する。ここで、時刻tにおいて系列1の好気槽(反応槽)4−1及び系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)が同様になるような系列2への目標風量QB2_DO(t)は、上述の式(11)を第2目標風量演算部31bが実行することにより算出される。
続いて、系列1流入配管14−1に設置される流量計11−1により計測された、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値を、内部バス38を介して第2目標風量演算部31bへ転送する。これにより、第2目標風量演算部31bは、時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値を取得する(ステップS46)。
ステップS47では、系列2流入配管14−2に設置される流量計11−2により計測された、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値を、内部バス38を介して第2目標風量演算部31bへ転送する。これにより、第2目標風量演算部31bは、時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値を取得する。
ステップS48では、第2目標風量演算部31bは、ステップS45にて算出された時刻tにおいて系列1の好気槽(反応槽)4−1及び系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)が同様になるような系列2への目標風量QB2_DO(t)、ステップS46にて取得された時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値、及びステップS47にて取得された時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値に基づき、系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量(補正後)を算出する。ここで、系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量(補正後)は、上述の式(13)を第2目標風量演算部31bが実行することにより算出される。これにより、ステップS45にて算出された系列2への目標風量が、系列1及び系列2へ流入する下水(被処理水)の流入流量の相違に基づき補正され、補正後の値が系列2への目標風量(補正後)として得られる。
ステップS49では、第2目標風量演算部31bは、算出した系列2の好気槽(反応槽)4−2への補正後の目標風量を、内部バス38を介して記憶部35の所定の記憶領域に格納する。なお、ステップS49に代えて、算出した系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量を、内部バス38を介して後述する風量弁開度演算部33へ転送する構成としても良い。
また、ステップS41及びステップS42、並びに、ステップS46及びステップS47をそれぞれ並列に実行するよう構成しても良い。
(風量弁開度演算部)
図10は、風量制御部3aを構成する風量弁開度演算部33の処理フロー図である。
図10に示すように、風量弁開度演算部33は、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量QB1_set(t)を読み出す(ステップS51)。ここで、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量QB1_set(t)は、上述の第1目標風量演算部31aにより算出された目標風量(図8)である。
ステップS52では、系列1散気配管18−1に設置される風量計13−1により計測された、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)、すなわち、系列1散気配管18−1内を通流する時刻tにおける風量計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)を、内部バス38を介して風量開度演算部33へ転送する。これにより風量開度演算部33は、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)を取得する。
ステップS53では、風量弁開度演算部33は、ステップS52にて得られた時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)と、ステップS51にて取得された系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量QB1_set(t)との差分e(t)を算出する。ここで、差分e(t)は上述の式(5)を風量弁開度演算部33が実行することにより算出される。
ステップS54では、風量弁開度演算部33は、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量QB2_set(t)を読み出す。ここで、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量QB2_set(t)は、上述の第2目標風量演算部31bにより算出された補正後の目標風量(図9)である。
ステップS55では、系列2散気配管18−2に設置される風量計13−2により計測された、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への風量計測値QB(t)、すなわち、系列2散気配管18−2内を通流する時刻tにおける風量計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への風量計測値QB(t)を、内部バス38を介して風量開度演算部33へ転送する。これにより風量開度演算部33は、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への風量計測値QB(t)を取得する。
ステップS56では、風量弁開度演算部33は、ステップS55にて取得された時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への風量計測値QB(t)と、ステップS54にて得られた時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量QB2_set(t)との差分e’(t)を算出する。ここで、差分e’(t)は上述の式(5)において、QB(t)をQB(t)に、QB1_set(t)をQB2_set(t)に置き換え、風量弁開度演算部33が実行することにより算出される。
ステップS57では、風量弁開度演算部33は、系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1の時刻tにおける開度計測値VO(t)、及び系列2散気配管18―2に設置される風量弁8−2の時刻tにおける開度計測値VO(t)を、入力I/F36、計測値取得部34、及び内部バス38を介して取り込む。
ステップS58では、ステップS57にて取り込まれた系列1の風量弁8−1の開度計測値VO(t)、系列2の風量弁8−2の開度計測値VO(t)、ステップS53にて得られた差分e(t)、及びステップS56にて得られた差分e’(t)に基づき、風量弁開度演算部33は、系列1の風量弁8−1の開度及び系列2の風量弁8−2の開度を算出する。ここで、系列1の風量弁8−1の開度及び系列2の風量弁8−2の開度は、上述の式(4)において、e(t)をe’(t)に置き換え、風量弁開度演算部33が実行することにより算出される。
ステップS59では、風量弁開度演算部33は、ステップS58にて算出した系列1の風量弁8−1の開度及び系列2の風量弁8−2の開度を、それぞれ指令値として、内部バス38及び出力I/F37を介して系列1の風量弁8−1及び系列2の風量弁8−2へ出力する。
上述の通り、風量制御部3aを構成する、第1目標風量演算部31a、第2目標風量演算部31b及び風量弁開度演算部33が動作することにより、水質計(例えば、アンモニア計)を用いた風量制御を実行している系列1の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値に基づき、水質計が設置されない他の系列2への目標風量を算出する。算出された系列2への目標風量に対し、水質計が設置される系列1及び水質計が設置されない他の系列2へ流入する下水(被処理水)の流入流量の相違を補正する係数を乗ずることで、補正後の系列2への目標風量を求める。求めた補正後の系列2への目標風量に基づき、系列1への曝気風量を調整する風量弁8−1及び系列2への曝気風量を調整する風量弁8−2の開度を制御することにより、水質計が設置されない他の系列2への適切な風量制御を実現することが可能となる。
なお、本実施例では、系列1の好気槽(反応槽)4−1及び系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)が等しくなるような系列2への目標風量を、式(11)を用いて算出したが、これに限られるものではない。例えば、系列1の好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)に、補正係数を乗じる、もしくは補正係数を加えた値と、系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)が等しくなるような系列2への目標風量を算出する構成としても良い。
また、本実施例では、系列1の好気槽(反応槽)4−1及び系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)が等しくなるような系列2への目標風量に対し、系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量と、系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量の流量比に係る関数を乗ずることで、補正後の系列2への目標風量を求め設定する構成としたが、これに限られるものではない。系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量と、系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量に係る他の関数でも良く、例えば、系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量と、系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量の差分に係る関数を乗ずる構成としても良い。更にまた、系列1の好気槽(反応槽)4−1及び系列2の好気槽(反応槽)4−2内の溶存酸素濃度(DO濃度)が等しくなるような系列2への目標風量に対し、系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量と、系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量に係る関数を加えることで、補正後の系列2への目標風量を求め設定しても良い。
なお、本実施例では、上述の式(13)において、系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量及び系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量を用いて、補正後の系列2への目標風量を求め設定したが、返送汚泥の流量及び/又は活性汚泥混合液の循環流量を、それぞれ系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量、系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量に加えても良い。
本実施例によれば、水質計が設置される代表系列におけるDO濃度に基づき他の複数系列における曝気風量の設定を、各系列への被処理水の流入流量に基づき補正することで、各系列における被処理水に対する処理量又は曝気風量を最適に制御可能とし得る水処理システムを実現することが可能となる。
更に、具体的には、水質計(例えば、アンモニア計)を用いた風量制御を実行している系列の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値に基づき、水質計が設置されない他の系列への目標風量を算出する。算出された他の系列への目標風量に対し、水質計が設置される系列及び水質計が設置されない他の系列へ流入する下水(被処理水)の流入流量の相違を補正する係数を乗ずることで、補正後の他の系列2への目標風量を求める。求めた補正後の他の系列への目標風量に基づき、水質計が設置される系列への曝気風量を調整する風量弁8及び水質計が設置されない他の系列への曝気風量を調整する風量弁の開度を制御することにより、水質計が設置されない他の系列への適切な風量制御を実現することが可能となる。
図11に、本発明の他の実施例に係る実施例3の風量制御部を構成する第2目標風量演算部の処理フロー図を示し、図12に、実施例3の風量制御部を構成する風量弁開度演算部の処理フロー図を示す。なお、本実施例に係る水処理装置の構成は、上述の実施例2で示した図6の構成と同一である。また、本実施例の風量制御部の構成は、上述の実施例2で示した図7の機能ブロック図と同一である。本実施例では、実施例2で示した系列2への補正後の目標風量に加え、実施例1又は実施例2に示した系列1への目標風量に基づき系列2への目標風量を求め、当該求めた系列2への目標風量と上記系列2への補正後の目標風量を比較し、大となるいずれか一方の目標風量を系列2への目標風量とするよう構成した点が、実施例1及び実施例2と異なる。以下では、実施例1又は実施例2と重複する説明を省略する。
本実施例では、風量制御部3a(図7)が、図6に示す系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量に基づき、系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量も演算する。水処理に必要な風量は、被処理水である下水の流入流量及び散気部の性能によって影響を受ける。そのため、系列2において系列1と処理性能を同様にするには、下水(被処理水)の流入流量及び散気部の性能の違いを補正し、目標風量を設定することが望ましい。系列1への目標風量に基づく系列2への目標風量設定式を式(14)に示す。
Figure 0006499952
ここで、QB2_air(t)[m/min]:時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量に基づく、系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量(風量演算値)、QB1_set(t)[m/min]:時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量設定値、Qin_i(t)[m/min]:時刻tにおける系列iの好気槽(反応槽)への被処理水である下水の流入流量(i=1もしくは2)、δ〔−〕:散気効率に係る係数、q〔−〕:係数である。
次に、風量制御部3aは、上述の式(13)における系列1の好気槽(反応槽)4−1内の溶存酸素濃度(DO濃度)に基づく系列2への補正後の目標風量、すなわち、図9のステップ48にて得られた系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量(補正後)と、式(14)における系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量に基づく系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量(風量演算値)とを比較し、より大きい目標風量を選択し系列2への目標風量として設定する。
また、風量制御部3aは、系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1及び系列2散気配管18−2に設置される風量弁8−2の開度を、上述の式(4)、式(5)に基づき制御する。風量弁8−1の開度は、系列1への風量が風量制御部3aで設定した系列1への目標風量の設定値に近づくように制御する。また、風量弁8−2の開度は、系列2への風量が風量制御部3aで設定した系列2への目標風量の設定値に近づくように制御する。
このように、本実施例では、水質計(例えば、アンモニア計)を用いた風量制御を実施している系列の好気槽(反応槽)内の溶存酸素濃度(DO濃度)に基づく方法と、水質計が設置される好気槽(反応槽)への目標風量に基づく方法の2通りの方法により、それぞれ、水質計が設置されない他の系列への目標風量を求め、当該求めた他の系列への目標風量のうち処理性能の観点からより安全側の目標風量を選択することで、処理水の水質を良好に保つことができる。
以下に、風量制御部3aを構成する、第1目標風量演算部31a、第2目標風量演算部31b、及び風量弁開度演算部33による処理の詳細について説明する。
(第1目標風量演算部)
第1目標風量演算部31aは、実施例2と同様に、図8に示すステップS11〜ステップS15を実行し、系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量を算出する。
(第2目標風量演算部)
図11は、風量制御部3aを構成する第2目標風量演算部31bの処理フロー図である。
図11に示すように、第2目標風量演算部31bは、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量設定値QB1_set(t)を読み出す(ステップS61)。
続いて、系列1流入配管14−1に設置される流量計11−1により計測された、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1へ流入する下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値を、内部バス38を介して第2目標風量演算部31bへ転送する。これにより、第2目標風量演算部31bは、時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値を取得する(ステップS62)。
ステップS63では、系列2流入配管14−2に設置される流量計11−2により計測された、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2へ流入する下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値を、内部バス38を介して第2目標風量演算部31bへ転送する。これにより、第2目標風量演算部31bは、時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値を取得する。
ステップS64では、第2目標風量演算部31bは、ステップS61にて取得された時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量設定値QB1_set(t)、ステップS62にて取得された時刻tにおける系列1への下水(被処理水)の流入流量Qin_1(t)の計測値、及び、ステップS63にて取得された時刻tにおける系列2への下水(被処理水)の流入流量Qin_2(t)の計測値に基づき、系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量QB2_air(t)を算出する。ここで、系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量QB2_air(t)は、上述の式(14)を第2目標風量演算部31bが実行することにより算出される。
ステップS65では、第2目標風量演算部31bは、算出した系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量(風量演算値)QB2_air(t)を、内部バス38を介して記憶部35の所定の記憶領域に格納する。なお、ステップS65に代えて、算出した系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量(風量演算値)QB2_air(t)を、内部バス38を介して後述する風量弁開度演算部33へ転送する構成としても良い。また、ステップS62及びステップS63並列に実行するよう構成しても良い。
また、第2目標風量演算部31bは、実施例2と同様に、図9に示したステップS41〜ステップS49を実行し、算出された系列2の好気槽(反応槽)4−2への補正後の目標風量を、内部バス38を介して記憶部35の所定の記憶領域へ格納する。
(風量弁開度演算部)
図12は、風量制御部3aを構成する風量弁開度演算部33の処理フロー図である。
図12に示すように、風量弁開度演算部33は、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量QB1_set(t)を読み出す(ステップS71)。ここで、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量QB1_set(t)は、上述の第1目標風量演算部31aにより算出された目標風量(図8)である。
ステップS72では、系列1散気配管18−1に設置される風量計13−1により計測された、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)、すなわち、系列1散気配管18−1内を通流する時刻tにおける風量計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)を、内部バス38を介して風量開度演算部33へ転送する。これにより風量開度演算部33は、時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)を取得する。
ステップS73では、風量弁開度演算部33は、ステップS72にて得られた時刻tにおける系列1の好気槽(反応槽)4−1への風量計測値QB(t)と、ステップS71にて取得された系列1の好気槽(反応槽)4−1への目標風量QB1_set(t)との差分e(t)を算出する。ここで、差分e(t)は上述の式(5)を風量弁開度演算部33が実行することにより算出される。
ステップS74では、風量弁開度演算部33は、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への補正後の目標風量QB2_set(t)を読み出す。ここで、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への補正後の目標風量QB2_set(t)は、上述の第2目標風量演算部31bにより算出された補正後の目標風量(図9)である。
ステップS75では、風量弁開度演算部33は、内部バス38を介して記憶部35へアクセスし、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量(風量演算値)QB2_air(t)を読み出す。ここで、記憶部35に格納される、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量(風量演算値)QB2_air(t)は、上述の第2目標風量演算部31bはより算出された目標風量(風量演算値)(図11)である。
ステップS76では、風量弁開度演算部33は、ステップS74にて読み出された時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への補正後の目標風量QB2_set(t)と、ステップS75にて読み出された時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への目標風量(風量演算値)QB2_air(t)とを比較する。比較の結果、補正後の目標風量QB2_set(t)及び目標風量(風量演算値)QB2_air(t)のうち、より大きな風量となるいずれか一方を選択する。
ステップS77では、系列2散気配管18−2に設置される風量計13−2により計測された、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への風量計測値QB(t)、すなわち、系列2散気配管18−2内を通流する時刻tにおける風量計測値は、入力I/F36及び内部バス38を介して計測値取得部34に取り込まれる。計測値取得部34は、取り込んだ時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への風量計測値QB(t)を、内部バス38を介して風量開度演算部33へ転送する。これにより風量開度演算部33は、時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への風量計測値QB(t)を取得する。
ステップS78では、風量弁開度演算部33は、ステップS77にて取得された時刻tにおける系列2の好気槽(反応槽)4−2への風量計測値QB(t)と、ステップS76にて選択された系列2への補正後の目標風量QB2_set(t)又は系列2への目標風量(風量演算値)QB2_air(t)との差分e’(t)を算出する。ここで、差分e’(t)は上述の式(5)において、QB(t)をQB(t)に、QB1_set(t)をQB2_set(t)又はQB2_air(t)に置き換え、風量弁開度演算部33が実行することにより算出される。
ステップS79では、風量弁開度演算部33は、系列1散気配管18−1に設置される風量弁8−1の時刻tにおける開度計測値VO(t)、及び系列2散気配管18―2に設置される風量弁8−2の時刻tにおける開度計測値VO(t)を、入力I/F36、計測値取得部34、及び内部バス38を介して取り込む。
ステップS80では、ステップS79にて取り込まれた系列1の風量弁8−1の開度計測値VO(t)、系列2の風量弁8−2の開度計測値VO(t)、ステップS73にて得られた差分e(t)、及びステップS78にて得られた差分e’(t)に基づき、風量弁開度演算部33は、系列1の風量弁8−1の開度及び系列2の風量弁8−2の開度を算出する。ここで、系列1の風量弁8−1の開度及び系列2の風量弁8−2の開度は、上述の式(4)において、e(t)をe’(t)に置き換え、風量弁開度演算部33が実行することにより算出される。
ステップS81では、風量弁開度演算部33は、ステップS80にて算出した系列1の風量弁8−1の開度及び系列2の風量弁8−2の開度を、それぞれ指令値として、内部バス38及び出力I/F37を介して系列1の風量弁8−1及び系列2の風量弁8−2へ出力する。
上述の通り、風量制御部3aを構成する、第1目標風量演算部31a、第2目標風量演算部31b及び風量弁開度演算部33が動作することにより、水質計(例えば、アンモニア計)を用いた風量制御を実行している系列1の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値に基づく方法と、水質計が設置される系列1の好気槽(反応槽)への目標風量に基づく方法の2通りの方法により、それぞれ、水質計が設置されない他の系列2への目標風量を求め、当該求めた他の系列2への目標風量のうち処理性能の観点からより安全側の目標風量を選択することで、処理水の水質を良好に保つことができる。
なお、本実施例では式(14)において、下水(被処理水)好気槽(反応槽)への流入流量及び散気効率が、系列毎に相違する点を考慮し、系列2への目標風量を設定したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、系列1の好気槽(反応槽)4−1及び系列2の好気槽(反応槽)4−2内に微生物濃度計としての曝気混合液浮遊物濃度計(MLSS計)を設置し、MLSS濃度の違いを考慮した設定式により、系列2への目標風量を設定しても良い。
なお、本実施例では、散気効率に係る係数を固定値としたが、風量と溶存酸素濃度(DO濃度)の関係などを用いて演算した値を用いても良い。
本実施例によれば、水質計が設置される代表系列におけるDO濃度に基づき他の複数系列における曝気風量の設定を、各系列への被処理水の流入流量に基づき補正することで、各系列における被処理水に対する処理量又は曝気風量を最適に制御可能とし得る水処理システムを実現することが可能となる。
更に、具体的には、水質計(例えば、アンモニア計)を用いた風量制御を実行している系列の溶存酸素濃度(DO濃度)の計測値に基づく方法と、水質計が設置される系列の好気槽(反応槽)への目標風量に基づく方法の2通りの方法により、それぞれ、水質計が設置されない他の系列への目標風量を求め、当該求めた他の系列への目標風量のうち処理性能の観点からより安全側の目標風量を選択することで、処理水の水質を良好に保つことが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1・・・水処理システム
2・・・水処理装置
3,3a・・・風量制御部
4−1,4−2・・・好気槽(反応槽)
5−1,5−2・・・最終沈殿池
6−1,6−2・・・散気部
7・・・ブロワ
8−1,8−2・・・風量弁
9−1,9−2・・・返送ポンプ
10・・・アンモニア計
11−1,11−2・・・流量計
12−1,12−2・・・溶存酸素濃度計(DO計)
13−1,13−2・・・風量計
14・・・流入配管
14−1・・・系列1流入配管
14−2・・・系列2流入配管
15−1・・・系列1流出配管
15−2・・・系列2流出配管
16−1,16−2・・・活性汚泥
17−1・・・系列1返送汚泥配管
17−2・・・系列2返送汚泥配管
18−1・・・系列1散気配管
18−2・・・系列2散気配管
31・・・目標風量演算部
31a・・・第1目標風量演算部(系列1)
31b・・・第2目標風量演算部(系列2)
32・・・DO濃度目標値演算部
33・・・風量弁開度演算部
34・・・計測値取得部
35・・・記憶部
36・・・入力I/F
37・・・出力I/F
38・・・内部バス

Claims (11)

  1. 少なくとも好気槽を含む反応槽と前記好気槽に設けられた散気部を有する複数の系列を備え、前記複数の系列全てに設置され前記好気槽の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度計と、各系列の前記反応槽へ流入する被処理水の流量を計測する流量計又は前記被処理水の流量を推定する流量推定部と、一の系列の前記好気槽に設置される水質計と、各系列の前記散気部へ空気を供給するブロワと、を有する水処理装置と、
    前記ブロワより各系列の散気部へ供給される空気の風量を制御する風量制御部と、を備え、
    前記風量制御部は、
    前記水質計の計測値に基づき前記水質計が設置される一の系列への風量を制御すると共に、
    前記一の系列及び前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の溶存酸素濃度計測値と、前記一の系列の水質計が設置される一の系列の被処理水の流入流量及び前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の被処理水の流入流量に基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への風量を制御することを特徴とする水処理システム。
  2. 請求項1に記載の水処理システムにおいて、
    前記風量制御部は、
    前記水質計の計測値に基づき前記一の系列への目標風量を求める目標風量演算部と、
    前記一の系列の溶存酸素濃度計測値及び被処理水の流入流量と、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の被処理水の流入流量に基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の溶存酸素濃度目標値を求める溶存酸素濃度目標値演算部と、を備え、
    前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の前記溶存酸素濃度目標値と前記溶存酸素濃度計測値に基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への風量を制御することを特徴とする水処理システム。
  3. 請求項1に記載の水処理システムにおいて、
    前記風量制御部は、
    前記水質計の計測値に基づき前記一の系列への目標風量を求める第1目標風量演算部と、
    前記一の系列及び前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の溶存酸素濃度計測値が同様となる前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への目標風量を求め、当該求めた前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への目標風量と、前記一の系列及び前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の被処理水の流入流量に基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への前記目標風量を補正する第2目標風量演算部と、を備え、
    前記第2目標風量演算部による補正後の目標風量に基づき前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への風量を制御することを特徴とする水処理システム。
  4. 請求項1に記載の水処理システムにおいて、
    前記風量制御部は、
    前記水質計の計測値に基づき前記一の系列への目標風量を求める第1目標風量演算部と、
    前記一の系列の溶存酸素濃度計測値及び被処理水の流入流量と、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の溶存酸素濃度目標値を求め、当該求めた前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の前記溶存酸素濃度目標値と前記溶存酸素濃度計測値に基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への目標風量を求めると共に、
    前記第1目標風量演算部による前記一の系列への目標風量と、前記一の系列及び前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の被処理水の流入流量に基づき前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への目標風量演算値を求める第2目標風量演算部と、を備え、
    前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への目標風量及び前記目標風量演算値のうち何れか一方に基づき前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の風量を制御することを特徴とする水処理システム。
  5. 請求項1に記載の水処理システムにおいて、
    前記風量制御部は、
    前記水質計の計測値に基づき前記一の系列への目標風量を求める第1目標風量演算部と、
    前記一の系列及び前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の溶存酸素濃度計測値が同様となる前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への目標風量を求め、当該求めた前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への目標風量と、前記一の系列及び前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の被処理水の流入流量に基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への補正後の目標風量を求めると共に、
    前記第1目標風量演算部による前記一の系列への目標風量と、前記一の系列及び前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の被処理水の流入流量に基づき前記他の系列への目標風量演算値を求める第2目標風量演算部と、を備え、
    前記補正後の目標風量及び前記目標風量演算値のうち何れか一方に基づき前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の風量を制御することを特徴とする水処理システム。
  6. 請求項2に記載の水処理システムにおいて、
    前記水処理装置は、前記一の系列の散気部と前記ブロワとを接続する散気配管に設置される風量計を備え、
    前記風量制御部は、
    前記目標風量演算部による前記一の系列への目標風量と前記風量計による風量計測値との差分と、前記溶存酸素濃度目標値演算部による前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の溶存酸素濃度目標値と前記溶存酸素濃度計測値との差分とに基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への風量を制御することを特徴とする水処理システム。
  7. 請求項3に記載の水処理システムにおいて、
    前記水処理装置は、前記一の系列の散気部と前記ブロワとを接続する第1散気配管に設置される第1風量計と、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の散気部と前記ブロワとを接続する第2散気配管に設置される第2風量計と、を備え、
    前記風量制御部は、
    前記第1目標風量演算部による前記一の系列への目標風量と前記第1風量計による風量計測値との差分と、前記第2目標風量演算部による前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への補正後の目標風量と前記第2風量計による風量計測値との差分とに基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への風量を制御することを特徴とする水処理システム。
  8. 請求項4に記載の水処理システムにおいて、
    前記水処理装置は、前記一の系列の散気部と前記ブロワとを接続する第1散気配管に設置される第1風量計と、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の散気部と前記ブロワとを接続する第2散気配管に設置される第2風量計と、を備え、
    前記風量制御部は、
    前記第1目標風量演算部による前記一の系列への目標風量と前記第1風量計による風量計測値との差分と、前記第2目標風量演算部による前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への目標風量又は前記目標風量演算値と前記第2風量計による風量計測値との差分とに基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列への風量を制御することを特徴とする水処理システム。
  9. 請求項5に記載の水処理システムにおいて、
    前記水処理装置は、前記一の系列の散気部と前記ブロワとを接続する第1散気配管に設置される第1風量計と、前記他の系列のうち少なくとも一つの系列の散気部と前記ブロワとを接続する第2散気配管に設置される第2風量計と、を備え、
    前記風量制御部は、
    前記第1目標風量演算部による前記一の系列への目標風量と前記第1風量計による風量計測値との差分と、前記第2目標風量演算部による前記補正後の目標風量又は前記目標風量演算値と前記第2風量計による風量計測値との差分とに基づき、前記他の系列のうち少なくとも一つ系列への風量を制御することを特徴とする水処理システム。
  10. 請求項6乃至請求項9のうち、いずれか一項に記載の水処理システムにおいて、
    前記水質計は、アンモニア性窒素濃度、硝酸性窒素濃度、全窒素濃度、リン酸性リン濃度、全リン濃度、生物化学的酸素要求量、化学的酸素要求量、及び全有機炭素のうちいずれか一つを計測する計測器であることを特徴とする水処理システム。
  11. 請求項6乃至請求項9のうち、いずれか一項に記載の水処理システムにおいて、
    全ての系列の前記反応槽に設置され、前記反応槽内の活性汚泥浮遊物質濃度を計測する活性汚泥浮遊物質濃度計を備え、
    前記風量制御部は、
    前記水質計の計測値に基づき前記水質計が設置される一の系列への風量を制御すると共に、
    前記水質計の計測値と、全ての系列の溶存酸素濃度計測値及び活性汚泥浮遊物濃度計測値と、前記一の系列の被処理水の流入流量と、前記他の系列の被処理水の流入流量とに基づき前記他の系列への風量を制御することを特徴とする水処理システム。
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