JP6499424B2 - 歯磨組成物 - Google Patents

歯磨組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6499424B2
JP6499424B2 JP2014235148A JP2014235148A JP6499424B2 JP 6499424 B2 JP6499424 B2 JP 6499424B2 JP 2014235148 A JP2014235148 A JP 2014235148A JP 2014235148 A JP2014235148 A JP 2014235148A JP 6499424 B2 JP6499424 B2 JP 6499424B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
component
less
content
dentifrice composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014235148A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016098193A (ja
Inventor
勤 大山
勤 大山
戸井 学
学 戸井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2014235148A priority Critical patent/JP6499424B2/ja
Publication of JP2016098193A publication Critical patent/JP2016098193A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6499424B2 publication Critical patent/JP6499424B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、歯磨組成物に関する。
食塩は、炎症を起こした歯肉中の組織液を吸収することによって、歯肉局所における循環が改善される作用をもたらし得ることが知られており、歯周疾患の予防効果や治療効果を発揮する成分としても有用であることから、従来よりこれを用いた種々歯磨組成物が開発されている。
こうした食塩を含有する組成物として、例えば特許文献1には、特定のカルボキシメチルセルロースナトリウム又はその塩を併用した練歯磨組成物が開示されており、低温における粘度上昇の抑制を図っている。また、特許文献2には、キサンタンガム及びアルギン酸ナトリウムと、増粘性シリカを用いた歯磨剤組成物が開示されており、歯肉の引き締め実感付与効果に加え、口腔内における滞留性等を高めている。
一方、歯磨組成物にエリスリトール等の糖アルコールを含有させると、清涼感を高めることができることから、例えば特許文献3には、粒子径が500μm以上1000μm未満の食塩と粒子径が45μm以上355μm未満のエリスリトールとを併用しつつ、0.3〜10質量%の粘結剤を用いた歯磨き組成物が開示されている。
特開2013−256464号公報 特開2013−193967号公報 特開2008−13528号公報
こうしたなか、上記特許文献3に記載されるように、良好な収斂感(引き締まり感)と清涼感とを兼ね備えるべく食塩とエリスリトールを併用しようとするにあたり、食塩の粒子もより微細なものにすれば、その溶解性を高め得るものの、上記含有量の粘結剤の存在下では、粒子が微細であるにもかかわらず、口腔内での分散性が低下し、口腔内に適用したときの強い香味を感じさせる効果を享受することが困難になる。しかしながら、単に粘結剤の量を減じても良好な保形性を確保できず、高温保存後にはさらに口腔内での分散性が低下してしまうおそれがあり、依然として改善すべき余地がある。
したがって、本発明は、微細な粒子の食塩とエリスリトールを併用し、口腔内に適用したときに強い香味を感じる効果感の高い香味をもたらしつつ、口腔内における良好な分散性や保形性を保持して優れた使用感を発揮しながら、高温保存後においても口腔内での優れた分散性を確保することのできる歯磨組成物に関する。
そこで本発明者らは、種々検討したところ、微細な粒子の食塩及びエリスリトールを用いつつ、水を低含有量とし、かつ粘結剤及び増粘性シリカの含有量を制限することにより、歯肉の引き締め感と清涼感を強く感じる効果感の高い香味をもたらしながら良好な保形性を保持し、高温保存後においても口腔内で優れた分散性を発揮する歯磨組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(E):
(A)平均粒径が500μm未満であり、かつ粒子径500μm以上である粒子の含有量が5質量%未満である食塩 3質量%以上30質量%以下
(B)平均粒径が120μm未満であり、かつ粒子径250μm以上である粒子の含有量が3質量%以下であるエリスリトール 15質量%以上60質量%
(C)粘結剤 0.05質量%以上0.3質量%以下
(D)水 10質量%以上27質量%以下
(E)吸油量が200〜400mL/100gである増粘性シリカ 0.3質量%以上7質量%以下
を含有する歯磨組成物を提供するものである。
本発明の歯磨組成物によれば、微細な粒子の食塩及びエリスリトールを併用するなかで、良好な保形性を保持しつつ、歯肉の引き締め感と清涼感を強く感じる効果感の高い香味をもたらし、高温保存後においても口腔内での分散性に優れ、高い効果感を実感することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の歯磨組成物は、成分(A)として、平均粒径が500μm未満であり、かつ粒子径500μm以上である粒子の含有量が5質量%未満である食塩を3質量%以上30質量%以下含有する。このように、微細な粒径を有する食塩を高含有量で用いることにより、組成物中に未溶解の成分(A)を存在させながら口腔内における成分(A)の溶解性をも高めつつ、後述する微細な粒径を有する成分(E)とも相まって、口腔内において適用後直ちに浸透圧を高め、炎症を起こした歯肉中の組織液を吸収して、引き締め感を速やかに増強させることができる。また、高温保存後においても口腔内での良好な分散性を確保することができる。
成分(A)の食塩は、溶解性を高めて口腔内適用時の香味を増強することによる高い効果感を保持しつつ、組成物中に未溶解の成分(A)を存在させる観点、及び高温保存後における組成物の分離を回避する観点から、平均粒径が500μm未満であり、かつ粒子径500μm以上である粒子の含有量が5質量%未満であり、好ましくは平均粒径が250μm以上450μm未満であり、かつ粒子径500μm以上である粒子の含有量が2質量%未満であり、さらに好ましくは平均粒径が250μm以上400μm未満であり、かつ粒子径500μm以上である粒子の含有量が0.5質量%未満である。
なお、食塩の平均粒径は、篩を用いることができる程度に乾燥させた後に、以下のように測定される。
篩:JIS標準篩 φ75mm
目開き:上段より、それぞれ500μm、425μm、355μm、300μm、250μm、180μm、125μm、90μm、及び45μmの目開きを有する篩の下に受器を有する。
振盪機:ミクロ型電磁振動機M−2型(筒井理化学器機(株))
方法:試料15gを500μm篩上に載せ、電磁振動機にて5分間分級する。そして、425μmの目開きを有する篩上に存在する食塩が粒子径425μm以上500μm未満の食塩とする。また、篩下率(積算質量)を正規確率紙にプロットし、50%に対応する値を平均粒径とする。
成分(A)の含有量は、有効に浸透圧を高めて引き締め感を増大させる観点から、本発明の歯磨組成物中に、3質量%以上であって、好ましくは5質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、塩味が増強しすぎて使用感が低下するのを回避する観点から、本発明の歯磨組成物中に、30質量%以下であって、好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは22質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、3質量%以上30質量%以下であって、好ましくは5〜25質量%であり、より好ましくは5〜22質量%である。
本発明の歯磨組成物は、成分(B)として、平均粒径が120μm未満であり、かつ粒子径250μm以上である粒子の含有量が3質量%以下であるエリスリトールを15質量%以上60質量%含有する。このように、微細な粒子であるエリスリトールを高含有量で用いることにより、組成物中に未溶解の成分(B)を存在させつつ口腔内に適用した際の溶解スピードを高め、成分(A)の食塩の溶解スピードの向上と相まって、口腔内に適用した瞬間に強い香味をもたらすことにより、速やかに浸透圧を高めるだけでなく、口腔内に適用した際に高い効果感を感じさせることができる。
成分(B)のエリスリトールの構造としては、L−エリスリトール、D−エリスリトール、meso−エリスリトールの3種の異性体が存在するが、本発明はこれらいずれの構造のものであってもよい。本発明において使用されるエリスリトールとしては、ブドウ糖を発酵させて製造したものが好ましく、日研化学(株)、三菱化学フーズ(株)、セレスタール社製等のものが挙げられる。
成分(B)のエリスリトールは、溶解速度を高めながら組成物中に未溶解の成分(B)を存在させる観点、及び高温保存後における組成物の分離を回避する観点から、平均粒径が120μm未満であり、かつ粒子径250μm以上である粒子の含有量が5質量%未満であり、好ましくは平均粒径が50μm以上100μm未満であり、かつ粒子径250μm以上である粒子の含有量が4質量%未満であり、さらに好ましくは平均粒径が60μm以上90μm未満であり、かつ粒子径250μm以上である粒子の含有量が3.5質量%未満である。このような平均粒径及び粒子径のエリスリトールは、結晶状のエリスリトールを粉砕して製造することができる。
なお、平均粒子径は以下のように測定される。
篩:JIS標準篩 φ75mm
目開き:上段より、それぞれ355μm、250μm、180μm、125μm、90μm及び45μmの目開きを有する篩の下に受器を有する。
振盪機:ミクロ型電磁振動機M−2型(筒井理化学器機(株))
方法:試料15gを355μm篩上に載せ、電磁振動機にて5分間分級する。そして、250μmの目開きを有する篩上に存在する食塩が粒子径250μm以上355μm未満の食塩とする。また、篩下率(積算質量)を正規確立紙にプロットし、50%に対応する値を平均粒子径とする。
成分(B)の含有量は、組成物中に未溶解の成分(B)を存在させ、良好な清涼感を付与しつつ良好な香味をもたらす観点から、本発明の歯磨組成物中に、15質量%以上であって、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、良好な使用感を確保する観点から、本発明の歯磨組成物中に、60質量%以下であって、好ましくは55質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、15質量%以上60質量%以下であって、好ましくは20〜55質量%であり、より好ましくは25〜50質量%である。
成分(B)と成分(A)の質量比((B)/(A))は、成分(B)及び成分(A)がともに微細な粒子であるが故に高い溶解性を有するなかで、良好な保形性を確保しつつ優れた香味をもたらす観点から、好ましくは1以上であり、より好ましくは1.2以上であり、さらに好ましくは1.4以上である。また、成分(B)と成分(A)の質量比((B)/(A))は、口腔内の適用時において強い香味であっても良好な香味を保持しつつ、高い引き締め感を確保する観点から、好ましくは12以下であり、より好ましくは10以下であり、さらに好ましくは9以下である。そして、成分(B)と成分(A)の質量比((B)/(A))は、好ましくは1〜12以下であり、より好ましくは1.2〜10であり、さらに好ましくは1.4〜9である。
本発明の歯磨組成物は、成分(C)として、粘結剤を0.05質量%以上0.3質量%以下含有する。これにより、後述する成分(D)の水が低含有量であるなか、良好な保形性を確保して、高含有量の成分(A)及び成分(B)によって高い引き締め感や清涼感を保持しつつ、高温保存後においても口腔内での良好な分散性を確保することができる。かかる成分(C)の粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、グアガム及びコンドロイチン硫酸ナトリウム等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、高温保存後における口腔内での分散性を有効に高め、良好な使用感を付与する観点から、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、及びカラギーナンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びキサンタンガムから選ばれる1種又は2種がより好ましい。
成分(C)の含有量は、適度な粘度を付与して良好な保形性を確保する観点から、本発明の歯磨組成物中に、0.05質量%以上であって、好ましくは0.1質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、高温保存後における口腔内での良好な分散性を保持する観点から、本発明の歯磨組成物中に、0.3質量%以下であって、好ましくは0.28質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、0.05質量%以上0.3質量%以下であって、好ましくは0.1〜0.28質量%ある。
本発明の歯磨組成物は、成分(D)として、水を10質量%以上27質量%以下含有する。これにより、成分(D)の含有量を減じる一方で成分(A)及び成分(B)の含有量を高め、これら成分(A)及び成分(B)の少なくとも一部を粉末状又は粒状のまま未溶解状態で組成物中に存在させて適度な構造粘性を付与することを可能にし、良好な保形性を確保しつつ、高温保存後においても口腔内での高い分散性を保持し、有効に浸透圧を高めて良好な引き締め感や清涼感をもたらすことができる。
成分(D)の含有量は、各成分の分散性や使用時における口溶け性を良好に確保しつつ、構造粘性が過剰に高くなることを抑制して保形性をも良好に確保する観点から、本発明の歯磨組成物中に、10質量%以上であって、好ましくは11質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、適度な量の成分(A)及び成分(E)を未溶解状態で組成物中に存在させる観点から、本発明の歯磨組成物中に、27質量%以下であって、好ましくは26質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、10質量%以上27質量%以下であって、好ましくは11〜26質量%である。
なお、成分(D)の含有量は、配合した水分量及び配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することができる。カールフィッシャー水分計としては、例えば、微量水分測定装置(平沼産業)を用いることができる。この装置では、歯磨組成物を5gとり、無水メタノール25gに懸濁させ、この懸濁液0.02gを分取して水分量を成分(D)の含有量として測定することができる。
成分(D)と成分(C)の質量比((D)/(C))は、適度な粘度を付与して良好な保形性を確保しつつ、高温保存後における口腔内での良好な分散性を保持する観点から、好ましくは35以上であり、より好ましくは40以上であり、さらに好ましくは55以上であり、よりさらに好ましくは60以上である。また、成分(D)と成分(C)の質量比((D)/(C))は、各成分の良好な溶解性又は分散性を確保しつつ、良好な保形性をも確保する観点から、好ましくは250以下であり、より好ましくは200以下であり、さらに好ましくは185以下である。そして、成分(D)と成分(C)の質量比((D)/(C))は、好ましくは35〜250であり、より好ましくは40〜200であり、さらに好ましくは55〜185であり、よりさらに好ましくは60〜185である。
本発明の歯磨組成物は、成分(E)として、吸油量が200〜400mL/100gである増粘性シリカを0.3質量%以上7質量%以下含有する。これにより、良好な香味の付与を確保することができるとともに、成分(A)のみならず成分(B)も高含有量であるなか、成分(C)との併用により適度な保形性を確保しながら、高温保存後における口腔内での良好な分散性をも保持することができる。
成分(E)の増粘性シリカとは、吸油量が200〜400mL/100gであって、好ましくは220〜380mL/100gであり、より好ましくは250〜350mL/100gであるシリカを意味する。したがって、成分(E)の増粘性シリカは吸油量の多いシリカであり、研磨剤として用いられるシリカとは相違する。一般的に、研磨剤として用いられるシリカの吸油量は、50〜150mL/100gである。ここで、吸油量とは、シリカが担持できる油量を示したものであり、測定方法はJIS K5101−13−2(2004年制定)に基づく方法により、吸収される煮あまに油の量により特定する。成分(E)としては、サイリシア、サイロピュア(富士シリシア化学社製)、チキソシル(ローディア社製)、ソルボシル(イネオスシリカ社製)、ファインシール(トクヤマ社製)、ニップジェル(東ソー・シリカ社製)の市販品を用いることができる。
成分(E)の含有量は、良好な香味の付与を確保する観点、及び成分(C)との併用により適度な粘度を付与して良好な保形性を保持しながら、高温保存後における口腔内での良好な分散性を保持する観点から、本発明の歯磨組成物中に、0.3質量%以上であって、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上である。また、成分(E)の含有量は、口腔内における良好な分散性と使用感を確保する観点から、本発明の歯磨組成物中に、7質量%以下であって、好ましくは6質量%以下であり、より好ましくは5.5質量%以下である。そして、成分(E)の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、0.3質量%以上7質量%以下であって、好ましくは0.5〜6質量%であり、より好ましくは1〜5.5質量%である。
成分(D)と成分(E)の質量比((D)/(E))は、良好な保形性と使用感を確保する観点から、好ましくは1.5以上であり、より好ましくは2以上である。また、成分(D)と成分(E)の質量比((D)/(E))は、良好な香味の付与を確保するとともに、高温保存後における口腔内での良好な分散性を保持する観点から、好ましくは40以下であり、より好ましくは30以下であり、さらに好ましくは20以下であり、よりさらに好ましくは10以下である。そして、成分(D)と成分(E)の質量比((D)/(E))は、好ましくは1.5〜40であり、より好ましくは2〜30であり、さらに好ましくは2〜20であり、よりさらに好ましくは2〜10である。
成分(A)と成分(B)の含有量の合計は、組成物中に未溶解の成分(A)及び成分(E)を存在させつつ、良好な構造粘性をもたせ、成分(A)及び成分(B)の良好な口溶けを確保する観点から、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは35質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上であり、良好な使用感を確保する観点、及び適度な構造粘性の付与の観点から、好ましくは65質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下である。そして、成分(A)と成分(B)の含有量の合計は、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは30〜65質量%であり、より好ましくは35〜65質量%であり、さらに好ましくは40〜60質量%である。
成分(A)と成分(B)の含有量の合計と成分(D)の質量比((A)+(B)/(D)は、未溶解の成分(A)及び成分(B)を存在させつつ、良好な構造粘性をもたせ、成分(C)の併用による良好な使用感、及び成分(A)及び成分(B)の良好な口溶けを確保する観点から、好ましくは1.5以上であり、より好ましくは1.7以上であり、良好な使用感を確保する観点、及び適度な構造粘性の付与の観点から、好ましくは6以下であり、より好ましくは5.5以下であり、さらに好ましくは5以下である。そして、成分(A)と成分(B)の含有量の合計と成分(D)の質量比((A)+(B)/(D)は、好ましくは1.5〜6であり、より好ましくは1.7〜5.5であり、さらに好ましくは1.7〜5である。
本発明の歯磨組成物は、成分(B)の再結晶化を有効に抑制して温度変化の影響を低減することにより良好な使用感を保持しつつ、高含有量である成分(A)や成分(C)の粘結剤及び成分(D)の水の含有量による、高温環境下における粘度上昇と高温保存後における口腔内での分散性の低下を有効に抑制する観点から、グリセリンを含有することが好ましい。グリセリンの含有量は、成分(B)の再結晶化を効果的に抑制する観点から、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であって、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。また、グリセリンの含有量は、高温環境下における粘度上昇の抑制効果を安定的に発揮する観点から、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは5質量%以下であって、より好ましくは4.5質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下である。そして、グリセリンの含有量は、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは0.1〜5質量%であって、より好ましくは0.5〜4.5質量%であり、さらに好ましくは1〜4質量%である。
本発明の歯磨組成物は、良好な口溶け性や使用感の観点及び製造性の観点から、さらにプロピレングリコールを含有してもよい。プロピレングリコールを含有する場合、かかるプロピレングリコールの含有量は、良好な口溶け性の向上の観点から、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上である。また、プロピレングリコールの含有量は、良好な香味を確保する観点から、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは7質量%以下である。そして、プロピレングリコールの含有量は、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは1〜8質量%であり、さらに好ましくは2〜7質量%である。
本発明の歯磨組成物は、適度な保形性と口腔内における分散性の両立の観点から、製造してから24時間、室温(25℃)での保存後の25℃における粘度は、好ましくは1000dPa・s以上であり、より好ましくは1200dPa・s以上であり、さらに好ましくは1500dPa・s以上であり、よりさらに好ましくは2000dPa・s以上であり、好ましくは5000dPa・s以下であり、より好ましくは4500dPa・s以上であり、さらに好ましくは4200dPa・s以下である。なお、前記粘度は、高温(50℃以上80℃以下)の環境下におかれていない場合の25℃における粘度である。本発明の歯磨組成物の粘度は、ヘリパス粘度であり、25℃においてT字型スピンドルをロータに用いて測定された値であり、歯磨組成物を粘度測定用の容器に詰め、25℃の恒温器で24時間保存した後、ヘリパス型粘度計(東機産業株式会社 VISCOMETER TVB−10)を用いて、ロータC、回転数2.5rpm、1分間の条件で測定することができる。
本発明の歯磨組成物は、さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で、アニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;フッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム等のフッ素イオン供給化合物やモノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物;グリセリンやプロピレングリコール以外の、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール等の湿潤剤;トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、トコフェロール、グリチルレチン酸等の油溶性薬効成分;メントール、アネトール、シネオール、ゲラニオール、リナロール、ラクトン等の香料;pH調整剤;その他有効成分等を含有することができる。
成分(A)の食塩及び成分(B)のエリスリトールは、製造中に溶解してより粒径が小さくなる傾向にあるものの、上記範囲の平均粒径及び粒子径を有する成分(A)及び成分(B)を、その他成分(C)〜(E)とともに、いずれも上記量で配合すればよい。そして、これらの少なくとも一部が粉末状又は粒状のまま未溶解状態で歯磨組成物中に分散していることが好ましく、かかる観点から、本発明の歯磨組成物は、成分(C)〜(E)を混合する工程を経た後、成分(A)及び成分(B)を混合する工程を含む製造方法により得ることが好ましく、さらに加熱工程を含む場合は、かかる加熱工程を経た後の工程において、成分(A)及び成分(B)を混合する工程を含む製造方法により得ることが好ましい。またグリセリンを用いる場合、かかるグリセリンを添加し、混合する工程を経た後、成分(A)及び成分(B)を混合する工程を経ればよい。なお、成分(C)〜(E)、及び必要に応じて用いるグリセリンを混合する順序は、特に制限されず、いずれを先に添加して混合してもよく、一括して添加し混合してもよい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1〜8、比較例1〜2]
表1に示す組成にしたがい、先ずは成分(C)〜(E)を混合した後、香料を除く成分(A)及び成分(B)以外の成分を添加し、次いで成分(A)及び成分(B)を添加してさらに混合した後、香料を添加し混合することによって各歯磨組成物を得た。
なお、各測定及び評価については以下の方法にしたがって行った。
結果を表1に示す。
《保形性の評価》
歯磨組成物を製造後、室温(25℃)で1日間保存した後に25℃における粘度を測定し、保形性の評価の指標とした。粘度の測定条件はヘリパス粘度計(東機産業株式会社 VISCOMETER TVB−10製)により、ロータC、回転数2.5rpm、1分である。)を用いて、ロータC、回転数2.5rpm、1分間の条件で測定することができる。
《口腔内に適用した直後の香味の強さの評価》
専門パネラー8名により、ブラインドで歯ブラシに歯磨組成物1gをとり、ブラッシングした後、口腔内に適用した直後の香味の強さについて下記の評価基準で評価し、その平均値を求めて評価の指標とした。
なお、保形性がない(室温における粘度が1000dPa・s未満)比較例1は、歯ブラシに歯磨組成物1gをとれないため、評価しなかった。
5:とても強い
4:やや強い
3:どちらともいえない
2:あまり感じない
1:感じない
《高温保存後の口腔内における分散性の評価》
歯磨組成物を50℃1ヶ月保存した後、専門パネラー8名により、ブラインドで歯ブラシに歯磨組成物1gをとり、約2分間ブラッシングした後、口腔内における分散性(ひろがりやすさ)について下記の評価基準で評価し、その平均値を求めて評価の指標とした。
なお、保形性がない(室温における粘度が1000dPa・s未満)比較例1は、評価しなかった。
5:口腔内で素早く広がる
4:口腔内にすぐにではないが広がる
3:どちらともいえない
2:口腔内でやや広がりにくい
1:口腔内に広がらない
Figure 0006499424
上記結果によれば、実施例1〜8の歯磨組成物は、室温において保形性を確保できる程度の粘性を有しながら、高温保存後においても口腔内における良好な分散性を保持しており、かつ口腔内に適用した際に強い香味を感じ、高い効果感を与えることがわかる。
一方、水の量が多い比較例1は、ある程度粘結剤を含有し、増粘性シリカを含有しても、室温での保形性が不十分であり、また成分(D)の水の含有量が少ない比較例2は、構造粘性が高すぎることにより、特に高温保存後における口腔内での広がりが低いことがわかる。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)〜(E):
    (A)平均粒径が500μm未満であり、かつ粒子径500μm以上である粒子の含有量が5質量%未満である食塩 3質量%以上30質量%以下
    (B)平均粒径が120μm未満であり、かつ粒子径250μm以上である粒子の含有量が3質量%以下であるエリスリトール 15質量%以上60質量%
    (C)粘結剤 0.05質量%以上0.3質量%以下
    (D)水 10質量%以上27質量%以下
    (E)吸油量が200〜400mL/100gである増粘性シリカ 0.3質量%以上7質量%以下
    を含有する歯磨組成物。
  2. 成分(D)と成分(C)の質量比((D)/(C))が、35以上250以下である請求項1に記載の歯磨組成物。
  3. 成分(D)と成分(E)の質量比((D)/(E))が、1.5以上40以下である請求項1又は2に記載の歯磨組成物。
  4. 成分(A)と成分(B)の含有量の合計と成分(D)の質量比((A)+(B)/(D)が、1.5以上6以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯磨組成物。
  5. 次の成分(A)〜(E)
    (A)平均粒径が500μm未満であり、かつ粒子径500μm以上である粒子の含有量が5質量%未満である食塩 3質量%以上30質量%以下
    (B)平均粒径が120μm未満であり、かつ粒子径250μm以上である粒子の含有量が3質量%以下であるエリスリトール 15質量%以上60質量%
    (C)粘結剤 0.05質量%以上0.3質量%以下
    (D)水 10質量%以上27質量%以下
    (E)吸油量が200〜400mL/100gである増粘性シリカ 0.3質量%以上7質量%以下
    を配合して得られる歯磨組成物。
JP2014235148A 2014-11-20 2014-11-20 歯磨組成物 Active JP6499424B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014235148A JP6499424B2 (ja) 2014-11-20 2014-11-20 歯磨組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014235148A JP6499424B2 (ja) 2014-11-20 2014-11-20 歯磨組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016098193A JP2016098193A (ja) 2016-05-30
JP6499424B2 true JP6499424B2 (ja) 2019-04-10

Family

ID=56075320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014235148A Active JP6499424B2 (ja) 2014-11-20 2014-11-20 歯磨組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6499424B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3440472B2 (ja) * 1991-08-28 2003-08-25 ライオン株式会社 歯磨組成物の製造方法
JP3195150B2 (ja) * 1994-01-25 2001-08-06 花王株式会社 口腔用組成物
JP3752053B2 (ja) * 1997-04-18 2006-03-08 花王株式会社 塩化ナトリウム含有歯磨組成物
JP4806597B2 (ja) * 2006-07-10 2011-11-02 花王株式会社 歯磨き組成物
JP2011190201A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Kao Corp 歯磨き組成物
JP2013129600A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Lion Corp 歯磨剤組成物
JP2013129603A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Kao Corp 練り歯磨組成物
JP5924049B2 (ja) * 2012-03-16 2016-05-25 ライオン株式会社 練歯磨剤組成物
JP6155022B2 (ja) * 2012-12-26 2017-06-28 花王株式会社 口腔用組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016098193A (ja) 2016-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4806597B2 (ja) 歯磨き組成物
WO2010140328A1 (ja) 歯磨剤
JP2014125440A (ja) 口腔用組成物
JP2009096724A (ja) 液体口腔用組成物
JP6783555B2 (ja) 口腔用組成物
JP6125859B2 (ja) 外用組成物
JP2013129600A (ja) 歯磨剤組成物
JP5202895B2 (ja) 歯磨き組成物
JP5448531B2 (ja) 多価金属化合物含有口腔用組成物
JP2007063188A (ja) 歯磨き組成物
JP6669492B2 (ja) 泡吐出容器入り液体口腔用組成物
JP5716388B2 (ja) 歯磨剤組成物及び歯磨剤組成物におけるアスコルビン酸リン酸エステル又はその塩の安定化方法
JP2011190201A (ja) 歯磨き組成物
JP6499424B2 (ja) 歯磨組成物
JP6973034B2 (ja) 歯磨剤製品
JP4719537B2 (ja) 歯磨き組成物
JP4658745B2 (ja) 歯磨き組成物
JP6096396B1 (ja) 口腔用組成物
JP2007070261A (ja) 歯磨き組成物
JP5818334B2 (ja) 歯磨き組成物
JP6206169B2 (ja) 歯磨剤組成物
JP6422747B2 (ja) 歯磨組成物
JP4658746B2 (ja) 歯磨き組成物
JP6700110B2 (ja) 歯磨組成物
JP2007063187A (ja) 歯磨き組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181012

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190315

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6499424

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250