JP6499396B2 - 空調用分岐チャンバー - Google Patents
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Description
また、特許文献2においては、分岐チャンバーの長さ方向に沿って流入口から遠い位置にある流出口ほど、開口面積を小さくすることで、各流出口における流量の均等化を図っている。
また、前掲特許文献2においては、空気の流れが偏流になっていたり、流速が遅かったりすると流量バランスが悪化すると考えられる。
本発明は、前記事情に鑑み、流速や偏流による影響が少なく、良好な流量バランスすなわち分配性能が得られる分岐チャンバーを提供することを目的とする。
その後、前記空気は、前記他方の壁に沿って分岐チャンバーの長さ方向や幅方向に拡散される。この拡散方向は、前記流入口から前記他方の壁に当たるまでの流れ方向に対して交差しているから、前記他方の壁に当たった後の空気が、前記流入口から新たに入って来る後続の空気の流れに妨げられることなく十分に拡散できる。また、前記流入口から前記他方の壁に当たるまでの距離よりも長い距離をかけて拡散できる。さらに、扁平な分岐チャンバー内を通ることで流通抵抗が働く。これによって、前記空気を十分に整流でき、偏流があった場合はその偏流を十分に緩和又は解消させたうえで、各流出口からほぼ均等に流出させることができる。この結果、各分岐ダクトにおける流量バランスを確保でき、分配チャンバーの分配性能を良好にできる。また、空気の流速や偏流の有無等によって分配チャンバーの分配性能があまり影響されないようにできる。
加えて、本発明は、前掲特許文献1〜3等の従来技術とは異なり、主ダクトを分岐チャンバーの周側壁にではなく第1壁又は第2壁に接続するものであるから、分岐チャンバーの厚さ(周側壁の高さ)を主ダクトの太さとは無関係に小さくでき、分岐チャンバーを十分に扁平にできる。したがって、分岐チャンバーの設置スペースを容易に確保できる。或いは、建物の利用スペースを広くできる。
ここで、内直径相当寸法とは、流入口が非円形である場合に流入口の流路断面積Sと同じ面積となる円の直径Dを言う(S=(1/4)・πD2)。
図1〜図4は、本発明の第1実施形態を示したものである。図1及び図2に示すように、戸建て住宅などの建物には、空調装置1が設置されている。空調装置1は、空調機2と、主ダクト3と、複数の分岐ダクト4,4…とを備えている。空調機2は、冷暖房機能、湿度調節機能、送風機能、換気機能等を有している。この空調機2から主ダクト3が延びている。この主ダクト3から複数の分岐ダクト4,4…が分岐されている。分岐ダクト4が各空調エリア(図示せず)へ延びている。これら主ダクト3及び分岐ダクト4は、円形断面になっている。主ダクト3は、各分岐ダクト4より大径であり、主ダクト3の流路断面積は、各分岐ダクト4の流路断面積より大きい。
なお、各側壁部21及び先端壁部23に流出口32が1つだけ設けられていてもよく、3つ以上設けられていてもよい。各側壁部21及び先端壁部23における流出口32の個数が互いに異なっていてもよい。
図5は、主ダクト3の変形例を示したものである。この主ダクト3は、分岐チャンバー10の近くの湾曲部3cにおいてL字状に曲がっている。湾曲部3cより上流側(図5において右側)の主ダクト3は長く、かつ水平であり、湾曲部3cより下流側(流入口31側)の主ダクト3は短く、かつ垂直上方へ向けられている。このため、同図の矢印にて示すように、湾曲部3cにおいて、空気Aが片側へ偏ることで偏流が起きる。しかも、この湾曲部3cから流入口31までの距離が短いために、偏流が緩和されないまま流入口31に達して分配室10a内に導入される。この場合でも、空気Aが、流入口31の直上の第1壁11に当たることで偏流を緩和又は解消することができる。更に、第1壁11に当たった後は、扁平な分配室10a内を拡散することによって流通抵抗が働き、偏流を一層確実に緩和又は解消することができる。また、図5において実線にて示すように、分岐チャンバー10の基端側(同図において左側)の部分には流出口32が設けられていないため、流入口31において空気Aの偏流があったとしても、流量バランスが悪化するのを回避できる。
第2実施形態の分岐チャンバー10では、流出口32が一対の側壁部21,21にだけ設けられている。基端壁部22及び先端壁部23には流出口が設けられていない。各側壁部21における流出口32の数は、3つであるが、2つ以下でもよく、4つ以上でもよい。第2実施形態によれば、先端壁部23すなわち流入口31から最も遠い部分に流出口が無いため、各分岐ダクト4における流量バランスを一層良好にすることができる。
第3実施形態においては、分岐チャンバー10の長さ方向の先端側(図4において右側)の部分の幅が、先端壁部23に向かって漸次小さくなっている。側壁部21の先端側の部分は、長さ方向に対して傾斜され、斜壁部24となっている。一対の側壁部21,21の斜壁部24,24どうしが先端に向かうにしたがって互いに接近されている。先端壁部23の幅は、流出口32の直径よりも小さい。
例えば、流入口31が、分岐チャンバー10の第1壁11(上板)に設けられ、主ダクト3がこの第1壁11の流入口31に接続され、第2壁12(底板)は、全体が塞がっていてもよい。この場合、主ダクト3からの空気が、第1壁11の流入口31から分配室10aに導入されて下方へ流れ、第2壁12に当たって拡散される。
流入口31は非円形であってもよい。この場合、第1、第2壁11,12どうしの対向距離H(分配室10aの厚さ)が、流入口31の内直径相当寸法より小さいことが好ましい。ここで、内直径相当寸法とは、流入口31の流路断面積をSとすると、面積がSとなる円の直径Dを言う(S=(1/4)・πD2)。
分配チャンバー10は、厚さt10が長さL10及び幅w10より小さい扁平形状であればよく、長さL10が幅w10とほぼ同じ大きさであってもよく(L10≒w10)、幅w10以下であってもよい(L10≦w10)。
分配室10a内の流れを一層整流化するために、分配室10a内に整流板を設けてもよい。前記整流板は、例えば設置スペースの都合等で分岐チャンバー10の長さL10をあまり大きくできない場合などに有効である。
1又は複数の流出口32が、分配チャンバー10の長さ方向に沿って流入口31とほぼ同じ位置に配置されていてもよく、流入口31よりも前記長さ方向の基端側(例えば図1において左側)に配置されていてもよい。
分岐チャンバー10の第1壁11と第2壁12との対向方向(分岐チャンバー10の厚さ方向)は、必ずしも上下方向(鉛直)である必要はなく、水平であってもよく、水平及び鉛直に対して斜めであってもよい。
分岐チャンバー10の長さ方向及び幅方向は、必ずしも水平でなくてもよく、鉛直であってもよく、水平及び鉛直に対して斜めであってもよい。
2 空調機
3 主ダクト
3a 垂直ダクト部
4 分岐ダクト
10 空調用分岐チャンバー
10a 分配室
11 第1壁(他方の壁)
12 第2壁(一方の壁)
20 周側壁
21 側壁部
22 基端壁部
23 先端壁部
24 斜壁部
31 流入口
32 流出口
Claims (4)
- 主ダクトと複数の分岐ダクトとの間に設けられ、前記主ダクトを前記複数の分岐ダクトに分岐させる中空の分配室を有する空調用分岐チャンバーにおいて、
厚さ方向に対向する板状の第1壁及び板状の第2壁、並びに前記第1、第2壁と交差するようにしてこれら壁の周端縁どうし間に配置された枠状の周側壁を有し、厚さが長さ及び幅より小さく、かつ長さが幅より大きい扁平容器状であり、前記第1、第2壁及び周側壁によって前記分配室が画成され、
前記第1壁及び第2壁のうち一方の壁に、前記主ダクトと接続される流入口が形成され、
前記周側壁に、前記分岐ダクトと接続される複数の流出口が互いに離れて形成されており、
前記流入口が、前記一方の壁における長さ方向の中央部と基端部との間に前記第2壁と対面するように配置され、
前記複数の流出口が、前記周側壁における前記長さ方向の中央部よりも先端側だけに偏って配置されており、前記周側壁が、前記第1壁及び第2壁の幅方向の互いに同じ側の端縁どうし間に配置された側壁部を有し、前記複数の流出口のうち前記流入口に最も近い流出口が、前記側壁部における長さ方向の中央部より先端側の部分に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調用分岐チャンバー。 - 前記第1、第2壁どうしの対向距離が、前記流入口の内直径又は内直径相当寸法より小さいことを特徴とする請求項1に記載の空調用分岐チャンバー。
- 前記長さ方向の先端側の部分の幅が、先端に向かって漸次小さくなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調用分岐チャンバー。
- 前記一方の壁が底板であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の空調用分岐チャンバー。
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