JP7280063B2 - 吹出ボックス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ダクトを介して供給された空調空気を整流して室内空間へ吹き出すための吹出ボックス装置に関する。
一般に、ビルなどのダクト式空気調和システムでは、空調機とつながるダクトを、天井裏に分散設置された複数の吹出ボックス装置(チャンバー)に接続し、吹出ボックス装置の底面に設けられた吹出口を、天井に設置されたディフューザ(Diffuser)やアネモスタット(Anemostat:アネモ)などに接続して、空調された空気を室内空間へ供給している。
従来、このような吹出ボックス装置の1つとして、エルボ型接続ダクトの内部の外周側に、多数の小孔が形成された2枚の整流板を設け、一方の整流板は、吹出チャンバーとエルボ型接続ダクトとの接続面に沿って該接続面の外周端部から所定の隙間を空けて設け、他方の整流板は、接続面の外周端部を支点に一方の整流板から離間する方向に0度を超えて90度までの任意の角度に回転した姿勢で設けたものが提案されている(例えば、特許文献1など参照)。これにより、設備スペースを十分に確保できない場合であっても、吹出空気の偏流状態を解消することができ、室内に均一な気流分布状態を確保することができる。
特開2009-198014号公報
前述した特許文献1によれば、整流板の付いたエルボ型接続ダクトのような特殊な形状および構造の部品を、吹出ボックス装置の吹出口の上側に設ける必要がある。このため、構造が複雑化して、製品・製造コストだけでなく現場での設置作業負担が増大するという問題点がある。
部品入手や現場での設置などの事情を鑑みれば、平板や円筒部材を用いた比較的簡素な構成のダクトや吹出ボックス装置を使用するのが一般的である。また、天井裏スペースの高さ方向の余裕が少ないことが多いため、一般的には、側面側にダクトを接続して空気を供給し、そのボックス底面に吹出口を設けた吹出ボックス装置が使用されている。しかし、このような一般的な簡素な構成のダクトや吹出ボックス装置を使用する場合であっても、空調される室内空間における温度むらをなくしたり、隣接する吹出口との干渉を避けたりするために、吹出口における良好な整流特性、つまり、偏りのない均一な気流特性が重要視されることも多く、改善が求められている。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、平板や円筒部材を用いた比較的簡素な構成で、吹出口における良好な整流特性を得ることを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる吹出ボックス装置は、中空箱状のボックス本体と、前記ボックス本体の一側面に形成されて、空気が前記ボックス本体の内部空間に流入する流入口と、前記ボックス本体の底面に形成されて、前記内部空間の空気が外部に吹き出される吹出口と、前記吹出口から吹き出される空気を整流する整流部とを備え、前記整流部は、前記吹出口に対して略垂直に連通して設けられ、前記吹出口から吹き出される空気が流れる管部と、前記管部の管軸と略垂直な仮想平面と平行して前記管部に設けられて、前記管部の全流路領域のうち前記流入口から遠い側の一部領域を遮蔽し、残りの開口領域から前記吹出口に対して前記空気を流す遮蔽板と、前記管部のうち、前記遮蔽板の下流側で前記仮想平面と平行して設けられた第1の整流メッシュと、前記管部のうち、前記第1の整流メッシュの下流側で前記仮想平面と平行して設けられた第2の整流メッシュとを有している。
また、本発明にかかる上記吹出ボックス装置の一構成例は、前記第1の整流メッシュと前記第2の整流メッシュとの離間距離が、前記遮蔽板と前記第1の整流メッシュとの離間距離より大きい。
また、本発明にかかる上記吹出ボックス装置の一構成例は、前記遮蔽板が、前記開口領域に面した端部の中間位置に、前記開口領域に向かって突出した凸部または前記開口領域から凹んだ凹部を有している。
また、本発明にかかる上記吹出ボックス装置の一構成例は、前記管部の全流路領域のうち前記遮蔽板が遮蔽する遮蔽領域が、前記流入口の方向から見て左右非対称である。
また、本発明にかかる上記吹出ボックス装置の一構成例は、前記第1および第2の整流メッシュが、金網または樹脂網からなる。
また、本発明にかかる上記吹出ボックス装置の一構成例は、前記管部の上端開口部の周囲に、前記仮想平面と平行して前記上端開口部と面一に設けられた平板をさらに備えている。
また、本発明にかかる上記吹出ボックス装置の一構成例は、前記管部が、前記ボックス本体の底面から外部に突出して設けられている。
また、本発明にかかる上記吹出ボックス装置の一構成例は、前記吹出口と連通するよう前記ボックス本体の底面から外部に突出して設けられた吹出口接続部をさらに備え、前記管部は、下端が前記吹出口接続部の上端開口部と連通するよう前記内部空間に設けられている。
本発明によれば、遮蔽板と第1の整流メッシュの組み合わせにより、整流部に対して水平寄りの角度から斜めであって、かつ、ボックス側面の流入口から遠い側(奥)に向かって入ってくる空気の流れを、垂直寄りの角度であって、かつ、整流部の中央寄りに効率よく矯正することができる。また、第1の整流メッシュと第2の整流メッシュの組み合わせにより、垂直寄りの角度から第2の整流メッシュに入ってくる空気の流れを、整流メッシュ本来の整流能力を発揮してメッシュ面に沿った方向すなわち平面方向に均一化することができる。したがって、効率よく十分な整流効果すなわち偏流矯正効果を得ることができ、平板や円筒部材を用いた比較的簡素な構成で、吹出口における良好な整流特性を得ることが可能となる。
図1は、本発明にかかる吹出ボックス装置の構成を示す側面断面図である。 図2は、整流部の構成を示す上面図、AA断面図、および底面図である。 図3は、本発明にかかる吹出ボックス装置の構成(貫通方式)を示す側面断面図である。 図4は、本発明にかかる吹出ボックス装置の構成(外側方式)を示す側面断面図である。 図5は、ボックス本体内の空気の流れ(整流部なし)を示す説明図である。 図6は、ボックス本体内の空気の流れ(整流部あり)を示す説明図である。 図7は、遮蔽板の形状(凸部)を示す平面図である。 図8は、遮蔽板の形状(凹部)を示す平面図である。 図9は、遮蔽板の形状(傾斜)を示す平面図である。 図10は、遮蔽板の形状(折曲)を示す平面図である。 図11は、整流部の構成例(平板)を示す上面図、およびBB断面図である。 図12は、整流部を構成する部品の取付構造を示す上面図、およびCC断面図である。 図13は、整流部のユニット化を示す上面図、およびDD断面図である。 図14は、実験で用いた吹出ボックス装置の外観図である。 図15は、実験で用いた吹出ボックス装置の構成を示す側面断面図である。 図16は、風速の測定点(底面視)を示す説明図である。 図17は、吹出空気の風速分布(整流部なし)を示すグラフである。 図18は、吹出空気の風速分布(金網2枚のみ)を示すグラフである。 図19は、吹出空気の風速分布(遮蔽板のみ)を示すグラフである。 図20は、吹出空気の風速分布(遮蔽板+金網2枚)を示すグラフである。
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[吹出ボックス装置]
まず、図1および図2を参照して、本実施の形態にかかる吹出ボックス装置1について説明する。図1は、本発明にかかる吹出ボックス装置の構成を示す側面断面図である。図2は、整流部の構成を示す上面図、AA断面図、および底面図である。
この吹出ボックス装置1は、ビルなどのダクト式空気調和システムで用いられて、天井裏に分散設置され、空調機とつながるダクトから供給された空調空気を、底面に設けられた吹出口から、天井に設置されたディフューザやアネモスタットを介して室内空間へ吹き出す装置である。
図1に示すように、吹出ボックス装置1は、主な構成として、内部空間10Sが設けられた中空箱状のボックス本体10と、ボックス本体10の一側面であるボックス側面10Aに形成されて、ダクトを介して空気がボックス本体10の内部空間10Sに流入する流入口11と、ボックス本体10のボックス底面10Bに形成されて、内部空間10Sの空気が外部に吹き出される吹出口12と、吹出口12から吹き出される空気を整流する整流部20とを備えている。
ボックス側面10Aには、流入口11と連通して管状の流入口接続部11Aが設けられており、空調機とつながるダクト(図示せず)が接続される。
ボックス底面10Bには、吹出口12と連通して管状の吹出口接続部12Aが設けられており、天井に設置されたディフューザやアネモスタット(ともに図示せず)が接続される。
[整流部]
図1および図2に示すように、整流部20は、主な構成として、吹出口12に対して垂直に連通して設けられ、吹出口12から吹き出される空気が流れる管部21と、管部21の管軸Oに沿った上下方向Yと略垂直な仮想平面Pと平行して設けられて、管部21の全流路領域30のうち流入口11から遠い側の一部領域である遮蔽領域32を遮蔽し、残りの開口領域31から吹出口12に対して空気を流す遮蔽板22と、管部21のうち、仮想平面Pと平行して遮蔽板22の下流側で遮蔽板22の最も近くに設けられた第1の整流メッシュ23Aと、管部21のうち、仮想平面Pと平行して第1の整流メッシュ23Aの下流側で、第1の整流メッシュ23Aの最も近くに設けられた第2の整流メッシュ23Bとを有している。
以下では、理解を容易とするため、図1および図2に示すように、管部21の管軸Oに沿った、吹出口12の開口面と垂直な方向を上下方向Yといい、上下方向Yに略垂直な仮想的な平面を仮想平面Pという。また、仮想平面Pと平行であって流入口11の開口面と垂直な方向を横方向Xといい、仮想平面Pと平行であって流入口11から見て左右の方向を左右方向Zという。
また、本実施の形態では、管部21が円管である場合を例として説明するが、これに限定されるものではなく、断面形状が楕円形状のほか多角形状である管からなる管部21を用いてもよい。
[本発明の原理]
ここで、本発明の原理について説明する。吹出ボックス装置における、配管やダクト内の空気の流れを整流するための構造としては、複数枚の金網や多孔板を間隔を空けて配置したものやハニカム板(整流格子)などを、配管やダクトの長手方向、つまり、流れの方向と略直交するように流路内に配置したものが考えられる。この場合、全体的な空気の流れは配管やダクトの長手方向に沿って整流構造に流入するため、問題なく整流できる。
しかし、ボックス本体の一つの側面から流入し、ボックス底面の吹出口から吹き出されるような場合、吹出口付近に上記のような従来の整流構造を配置すると、その上面に対して45°程度から平行(水平)に近い角度で流れが流入する。しかも、吹出口のうち、ボックス側面の流入口から遠い側に集中して空気が流入する。よって、前述した従来の整流構造では、整流効果が不十分となり、特に偏流を矯正する効果は非常に小さく、改善の余地があることを発明者は明らかにした。
ここで、整流メッシュ、多孔板、ハニカム板(整流格子)について、それぞれの整流性能の特徴を説明する。金網や樹脂網などの整流メッシュは、基本的に、流れが網目を通過することにより発生する流体抵抗として、流れの乱れや変動をダンピングしつつ、上流側の面近傍の流速分布を均一化するように作用する第1の効果と、各網目から下流側へ吹き出す噴流の混合拡散作用によって流速分布を均一化するように作用する第2の効果と、流れの中の大きな渦を網目で分断して細い渦にすることによって乱れや変動をダンピングする第3の効果を持っている。第1の効果の流体抵抗の大きさは流速の2乗に比例して大きくなるため、上流面の流速の速い部分の圧力がより高くなり、その部分の流れが遅い部分、つまり、圧力の低い部分に流れ込み、流速分布を均一にする方向に働く。
多孔板も基本的に整流メッシュと同様な効果を持つが、一般的に整流メッシュより流体抵抗が高く、上記第1の効果の割合が大きくなる。つまり、多孔板は、整流メッシュに比較して製造上の理由により開口率が小さくなり、また、網目を構成するワイヤーの断面外形が滑らかな略円形状である整流メッシュに対して、多孔板ではエッジの立った矩形状の断面外形になるため、各網目から下流側へ吹き出す噴流の最大流速や乱れが強くなることなどにより流体抵抗が高くなる。なお、第2の効果に関しては、一般に多孔板は、整流メッシュに比較して製造上の理由により隣接する開口間の距離が大きくなるため、噴流の混合拡散作用は弱くなり、混合拡散に必要な下流側の助走距離も整流メッシュより長く、つまり、より大きなスペースが下流側に必要になる。
ハニカム板(整流格子)は、製造上の理由により一般的に整流メッシュや多孔板に比較して各開口サイズを小さくすることが難しく、開口を仕切っている板厚も薄いため、発生する流れの乱れも少なく、流体抵抗が小さい。このため、上述した整流メッシュや多孔板のような各効果は小さく、流路断面内で偏りのある流れ(偏流)を矯正して均一化する効果も小さい。なお、開口部の流れ方向の流路が長いため、その流路方向に流れの向きを揃える効果が特に大きいため、斜め方向から角度を持って入ってくる流れや、旋回流などの整流には効果が大きい。しかし、ハニカム板(整流格子)に流入した偏流は、ほぼそのままの流速分布(偏流)状態で吹き出されることになる。
本発明は、金網や樹脂網に代表される整流メッシュの欠点を補い、その利点を効率よく利用するために、ボックス底面10Bの吹出口12付近に設けた整流部20を、以下のような構成にしている。
図1および図2に示すように、まず、遮蔽板22を管部21の管路、すなわち管部21の管部上端21Aまたは管部21の内部に、管部21の全流路領域30のうち、ボックス側面10Aの流入口11から遠い側の流路の一部、すなわち遮蔽領域32を遮蔽するように、仮想平面Pと平行して略水平に設け、その下側すなわち下流側に近接して、第1の整流メッシュ23Aを仮想平面Pと平行して配置する。
これにより、遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aの組み合わせにより、整流部20に対して水平寄りの角度から斜めであって、かつ、ボックス側面10Aの流入口11から遠い側(奥)に向かって入ってくる空気の流れを、垂直寄りの角度であって、かつ、整流部20の中央寄りに効率よく矯正することができる。
そして、第1の整流メッシュ23Aの下側すなわち下流側に、第2の整流メッシュ23Bを仮想平面Pと平行して配置する。これにより、第1の整流メッシュ23Aと第2の整流メッシュ23Bの組み合わせにより、垂直寄りの角度から第2の整流メッシュ23Bに入ってくる空気の流れを、整流メッシュ本来の整流能力を発揮して、メッシュ面すなわち仮想平面Pと平行方向に均一化することができる。この際、第1の整流メッシュ23Aと十分な間隔を空けて第2の整流メッシュ23Bを配置することにより、より大きな効果が得られる。
したがって、本発明によれば、効率よく十分な整流効果すなわち偏流矯正効果を得ることができ、平板や円筒部材を用いた簡素な構成であっても、吹出口12における良好な整流特性を得ることが可能となる。
[整流部の詳細]
次に、図2を参照して、本発明にかかる整流部20の離間距離について説明する。
図2に示すように、第1の整流メッシュ23Aと第2の整流メッシュ23Bとの離間距離H2は、遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aとの離間距離H1より大きい。
これにより、第1の整流メッシュ23Aの各網目で発生する多数の噴流において、離間距離H2を助走する間に十分な混合拡散が行われ、偏流の矯正と流れ方向の垂直寄りへの矯正、および、流れの乱れや変動の安定化が行われる。
そして、第2の整流メッシュ23Bで、垂直寄りの角度から第2の整流メッシュ23Bに入ってくる空気の流れを、そのメッシュ面すなわち仮想平面Pと平行方向に、極めて効果的に均一化することができるため、効率よく十分な整流効果すなわち偏流矯正効果を得ることができる。一方、遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aとの離間距離H1を大きくしていくと、遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aとの相乗効果が弱くなっていくため、離間距離H1は、第1の整流メッシュ23Aと第2の整流メッシュ23Bとの離間距離H2よりも小さく設定する必要がある。
次に、図3および図4を参照して、整流部20の配置位置について説明する。図3は、本発明にかかる吹出ボックス装置の構成(貫通方式)を示す側面断面図である。図4は、本発明にかかる吹出ボックス装置の構成(外側方式)を示す側面断面図である。
図1では、整流部20の管部21を、ボックス本体10の内部空間10S内であって、吹出口12に対して垂直に連通して設け、吹出口接続部12Aを吹出口12と連通するようボックス本体10のボックス底面10Bから外部に突出して設けた場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、図3に示すように、整流部20の管部21を、ボックス本体10の内部空間10S内に配置する点については、図1と同様であるが、管部21の管部下端21Bが、ボックス本体10のボックス底面10Bから外部に突出するよう配置してもよい。また、図4に示すように、整流部20の管部21自体をボックス本体10のボックス底面10Bから外部に突出するよう配置してもよい。
これにより、整流部20の管部21自体を、天井に設置されたディフューザやアネモスタットを接続するための接続部として兼用でき、吹出ボックス装置1の構成および組立作業を簡素化でき、吹出ボックス装置1の製品コストを低減できる。
[空気の流れ]
図5および図6を参照して、ボックス本体10内の空気の流れについて詳細に説明する。図5は、ボックス本体内の空気の流れ(整流部なし)を示す説明図である。図6は、ボックス本体内の空気の流れ(整流部あり)を示す説明図である。これら図5および図6では、空気の流れを代表する流線として上側の流れF1と下側の流れF2の2つに分けて記載してある。以下では、図5に示した従来の構成と比較するため、図6に示すように、吹出ボックス装置1が図4の構成に沿った構成を有する場合を例として説明する。なお、空気の流れについては、図1や図3の構成であっても、図6とほぼ同様であり、ここでの説明は省略する。
図5に示すように、整流部20がない場合、吹出口12に近いほうの下側の流れF2は、ダイレクトに吹出口12の奥側に斜めに流入するが、吹出口12から遠いほうの上側の流れF1は、ボックス本体10の内部空間10Sの奥の面にぶつかって左右2つに分かれ、流入口11から見てそれぞれ左右の側面を回り込んで、吹出口12の中央部付近に流入する。よって、吹出口12のうち流入口11から遠い奥側で流速が速く、手前側、すなわち流入口11側に近いほど流速が遅くなり、ほとんど流れのない部分も発生する。また、上述した上側の流れF1は内部空間10S内を左右に回転しながら吹出口12に流入するため、流れが不安定であり、吹出口12の開口面上では複雑な風速分布になる。
これに対して、図6に示すように、整流部20がある場合、遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aの働きにより、遮蔽板22の上方に圧力の高い部分ができるため、上述した上側の流れF1と下側の流れF2は、それぞれ流入口11側に進路が矯正されて第1の整流メッシュ23Aに流入する。そして、第1の整流メッシュ23Aを通過した空気の流れは、上述した3つの効果により流速分布が均一化されるとともに垂直寄りの流れに矯正されて第2の整流メッシュ23Bに流入し、さらに第2の整流メッシュ23Bで流速分布が均一化されるとともに垂直寄りの流れに矯正されて吹出口12から吹き出される。
[遮蔽板の詳細]
次に、図2を参照して、本発明にかかる遮蔽板22の詳細について説明する。
遮蔽板22は、横方向Xに沿った遮蔽幅Wとして、管部21の流路直径または流路開口幅を示す全幅Lの1/5~1/3程度を有し、遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aとの離間距離H1は0mm~15mm程度(さらに好ましくは、5mm~10mm程度)である。なお、遮蔽板22を、管部21の内部に配置、例えば、管部21の管部上端21Aから5mm程度の距離に配置することは、整流効果は向上するが、その距離の分だけ整流部の高さが高くなるので、実施するかどうかは必要に応じて決めればよい。
これにより、整流部20の上下方向Yに沿った高さを低く、かつ、遮蔽領域32すなわち遮蔽板22の面積を小さくできるため、ボックス本体10全体の高さを低くでき、圧損も低くできる。遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aとの離間距離H1と、遮蔽板22が整流部20の流路直径または流路開口幅を示す全幅Lを遮蔽する遮蔽幅Wには相関関係があり、H1を小さくすれば、遮蔽幅Wも小さくすることができる。これらのサイズは、圧損と流速分布の状態を考慮して選択すればよい。
[遮蔽板の形状]
次に、図7~図10を参照して、本発明にかかる遮蔽板22の形状について説明する。図7は、遮蔽板の形状(凸部)を示す平面図である。図8は、遮蔽板の形状(凹部)を示す平面図である。図9は、遮蔽板の形状(傾斜)を示す平面図である。図10は、遮蔽板の形状(折曲)を示す平面図である。
遮蔽板22は、図2に示すように、管部21が円管である場合、平面視で弓型形状をなし、開口領域31に面した端部22Aが左右方向Zに沿った直線形状をなす場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、図7に示すように、端部22Aの略中央位置に開口領域31に向かって突出した凸部22Bを設けてもよく、図8に示すように、左右方向Zに沿った端部22Aの中間位置、例えば略中央位置に開口領域31から凹んだ凹部22Cを設けてもよい。
これにより、流入口接続部11Aの流路(カラー)内に風量を調節する可変風量ダンパー装置などを設置した場合、通常よりも吹出口12における偏流が大きくなるが、必要に応じて、遮蔽板22の端部22Aに凸部22Bや凹部22Cを設けて、端部22Aの形状を変えることにより風速分布の均一性を改善できる。
また、図9に示すように、端部22Aが左右方向Zに対して傾斜を持つ直線形状を有していてもよく、図10に示すように、左右方向Zに沿った端部22Aの中間位置、例えば略中央位置で折れ曲がっていて、一方が左右方向Zに沿った直線形状をなし、他方が左右方向Zに対して傾斜を持つものでもよい。
これにより、流入口接続部11Aの流路(カラー)内に風量を調節する可変風量ダンパー装置などを設置した場合や、ボックス本体10の内部空間10Sが、仮想平面Pと平行して流入口11の流入口方向から見て左右非対称になっている場合など、内部空間10S内に流入する空気の流れが左右非対称の場合に風速分布の均一性をさらに改善できる。
[管部上端の形状]
また、整流部20の管部21に平板24を設けてもよい。図11は、整流部の構成例(平板)を示す上面図、およびBB断面図である。
図11に示す構成例では、管部21の管部上端21Aの周囲に、仮想平面Pと平行して管部21の上端開口部21Cと面一に平板24が設けられている。
これにより、空気の流れが整流部20に流入する際の乱れを低減して、整流効率を向上するとともに圧損を低減することができる。
[整流メッシュの詳細]
次に、本発明にかかる第1の整流メッシュ23Aおよび第2の整流メッシュ23Bの詳細について説明する。
第1の整流メッシュ23Aおよび第2の整流メッシュ23Bは、管部21の全流路領域30を覆うように設けられる。このため、図2に示すように、管部21が円管である場合、第1の整流メッシュ23Aおよび第2の整流メッシュ23Bの外形は、平面視で円形状をなすことになる。
第1の整流メッシュ23Aおよび第2の整流メッシュ23Bは、金網または樹脂網からなり、上述の[本発明の原理]で説明したような3つの整流効果を持つ。特に、一般的な金網または樹脂網のように、網目を構成するワイヤーの断面外形が略円形であるものを用いた場合、前述した多孔板と比較して流体抵抗を大幅に低くでき、効率よく流速分布を均一化することができる。また、第1の整流メッシュ23Aおよび第2の整流メッシュ23Bとして、開口率が40%~60%のものを使用することにより、比較的低圧損で高い整流効果を得ることができる。
吹出口12における面内の平均風速が3m/s程度を上限として使用される一般的な吹出口12において、第1および第2の整流メッシュ23A,23Bを構成する金網のサイズは、12メッシュ~14メッシュ程度で、ワイヤー線径は、φ0.55mm~φ0.7mm程度が好ましい。
本発明が使用されるような条件においては、第1および第2の整流メッシュ23A,23Bの離間距離H2は、第1および第2の整流メッシュ23A,23Bの整流効果を十分に、かつ、効率的に引き出すために、網目の開口寸法の13~20倍程度が好ましい。例えば、第1および第2の整流メッシュ23A,23Bとして12メッシュでワイヤー線径0.6mmの金網を用いた場合、網目の開口寸法が1.52mmであるため、離間距離H2は20mm~30mmになる。
サイズが異なる複数の整流メッシュ23(23A,23B)を使用する場合、それぞれの整流メッシュ23の目の粗さは、上流側の整流メッシュ23の目の粗さに比較して、下流側の整流メッシュ23の目の粗さを細かくするのが好ましい。また、対向する整流メッシュ23(23A,23B)の目の向き(ワイヤーの向き)を45°ずらして設置することも、整流効果が向上するので好ましい。しかし、上述のどちらの構成も、部品点数が増えたり、製造工程が複雑になったりするため、必要に応じて実施すればよい。
[整流部を構成する部品の取付構造]
次に、図12を参照して、本発明にかかる整流部20を構成する部品の取付構造について説明する。図12は、整流部を構成する部品の取付構造を示す上面図、およびCC断面図である。
管部21と、第1の整流メッシュ23Aおよび第2の整流メッシュ23Bとが、円管と円形金網とからなる場合、平面視で弓型形状となる遮蔽板22は、L型金具25で管部21の内壁に固定される。また、第1の整流メッシュ23Aおよび第2の整流メッシュ23Bは、樹脂製のスペーサ27を挟んで、上下方向Yに沿って上下からL型金具26で押さえ込むようにして、L型金具26が管部21の内壁に固定される。なお、L型金具26は、上下方向Yから見てL字型に見えるよう、管部21の内壁面に取り付けられている。これにより、上下方向Yにおける占有面積が小さくなり、L型金具26で生じる空気の流れの抵抗を小さく抑制できる。また、スペーサ27としては、高密度発泡ポリエチレンなど、難燃性、柔軟性、耐久性のある樹脂が好ましい。
[整流部のユニット化]
次に、図13を参照して、本発明にかかる整流部20のユニット化について説明する。図13は、整流部のユニット化を示す上面図、およびDD断面図である。
図13には、遮蔽板22とユニットの外枠を兼ねる板金製の筐体41で整流部20全体をユニット化して整流ユニット40とし、第1の整流メッシュ23Aおよび第2の整流メッシュ23Bとして、外形が矩形状の第1の金網42Aおよび第2の金網42Bを使用する例が示されている。
筐体41内には、空気の流れに沿って上流側から順に、スペーサ43A、第1の金網42A、スペーサ43B、第2の金網42B、スペーサ43Cが収納されて、整流ユニット40(整流部20)を構成している。筐体41は、その天板41Aに、遮蔽板22に相当する弓型形状の遮蔽領域32以外の領域が、開口領域31として形成されており、筐体41の底部41Bの上下左右四方には、天板41Aと連続する側板44が仮想平面Pと平行するように外側に折り曲げられて形成されている。なお、天板41Aは、前述した[管部上端の形状]における、図11に示す構成例の平板24と同様の機能も持っている。
スペーサ43A,43B,43Cは、その中央に空気の流路となる円形の開口部が形成された、略正方形の発泡ポリエチレン製樹脂板であり、略正方形の第1および第2の金網42A,42Bを上下から挟むことによって、円形の流路内に第1および第2の金網42A,42Bが間隔を空けて配置された構造を形成する。なお、金網をカットして外形を成形する手順は、一般的に、まず、金網のロール材から、適当なサイズの矩形の小片を切り出し、円形などの任意の形状が必要であれば、その矩形の小片をプレス型で打抜いて製作される。よって、円形よりも矩形の金網の方が、製造工程が少なくて好ましい。図1に示した構成と同様に、この整流ユニット40が、ボックス本体10のボックス底面10Bの吹出口12に連通してその上に設置され、また、吹出口12の下方には、アネモスタットやディフューザを接続する吹出口接続部12A(図示せず)が設置される。なお、整流ユニット40のボックス底面10Bへの固定は、側板44に設けられた孔を用いてリベットやボルトなどで行われる。
[整流部の偏流矯正効果]
次に、図14~図16を参照して、本発明の整流部20による偏流矯正効果について、実験により計測した実測データを用いて説明する。図14は、実験で用いた吹出ボックス装置の外観図である。図15は、実験で用いた吹出ボックス装置の構成を示す側面断面図である。図16は、風速の測定点(底面視)を示す説明図である。図17は、吹出空気の風速分布(整流部なし)を示すグラフである。図18は、吹出空気の風速分布(金網2枚のみ)を示すグラフである。図19は、吹出空気の風速分布(遮蔽板のみ)を示すグラフである。図20は、吹出空気の風速分布(遮蔽板+金網2枚)を示すグラフである。
実験では、呼び径φ200mmダクト用の吹出ボックス装置1を用いた。図14および図15に示すように、吹出ボックス装置1のうち、ダクトを接続する流入口接続部11A(カラー)内には、風量調整用ダンパー50が設置されており、吹出口に図13に示した整流ユニット40からなる整流部20が設置されている。測定時、風量調整用ダンパー50は、ダンパー羽根51を、垂直方向(上下方向Y)から75°だけ水平方向(横方向X)に開いた状態、すなわち実使用上の全開状態とした。
このような測定環境では、ダンパー羽根51やダンパー駆動用のモータ52、および、その他の機構部品などにより、流入口接続部11A内の空気の流れが絞られて、ボックス本体10に流入する風速の最大値が高くなる。また、モータ52などの風量調整用ダンパー50の機構部品が空気流路内の偏った位置にある。このため、風量調整用ダンパー50のない通常の場合よりも流れの乱れや偏流の度合いが高くなり、整流の難易度が高い測定環境となっている。
また、整流部20の偏流矯正効果の測定は、図15に示すように、内径がφ196mm(呼び径200mm)、長さ85mmの吹出口接続部12A(カラー)を吹出口12に取付け、その吹出口接続部12Aの下端開口部12Cから吹出口接続部12A内に約30mm入った高さにおける、仮想平面Pと平行する測定面Q上に、吹出口接続部12Aの中心点すなわち管軸Oから等距離にある同心円C上に、45°間隔で設けた複数の測定点M1,M2,M3,M4,M5における吹出空気の風速を、一般的なピトー管で測定した。
測定の結果、図17に示すように、整流部20がない場合、流入口11に近い手前側(測定点M1)の風速は0m/sであるが、流入口11から遠い奥側(測定点M4,M5)では5m/s程度と大きな差がある。また、同心円Cのうち流入口11の流入口方向から見て、左右方向Zにおける左側の左側領域Caと右側の右側領域Cbにおける風速の差もあり、偏流の度合いが高いことが分かる。なお、左側領域Caにおける風速が右側領域Cbよりも低くなっているのは、左側領域Caの上流に風量調整用ダンパー50のモータ52があることにより、空気の流れが遮られているためであると考えられる。
一方、図18に示すように、整流部20に2枚の金網42(42A,42B)のみを備えた場合、空気の偏流はやや抑えられ、左側領域Caと右側領域Cbにおける風速の差がほぼなくなり、手前側(測定点M1)と奥側(測定点M5)の風速差も小さくなっているが、まだ1.5m/s程度の差がある。
また、図19に示すように、整流部20に遮蔽板22のみ備えた場合、奥側(測定点M5)の風速が抑えられて、風速のピークが中央寄り(測定点M3)に移動しているが、手前側(測定点M1)では風速0m/sのままであり、左側領域Caと右側領域Cbにおける風速の差は、やや大きくなっている。
これに対して、図20に示す本発明の構成、すなわち整流部20に遮蔽板22と2枚の金網42(42A,42B)を備えた場合、各測定点M1~M5における風速が均一化され、その最大値と最小値の差が約0.5m/s、具体的には最大値3.2m/sの16%以下に抑えられ、十分な偏流矯正効果が得られていることが分かる。
整流部20の偏流矯正の目安としては、公知文献の記述などを参考にして考慮すると、吹出口12に取付けた吹出口接続部12A(カラー)内のうち、同じ高さすなわち同一測定面Q上における同心円C上の複数の測定点において、例えば、最大風速と最小風速の差が20%程度以下、具体的には10~20%程度になるようにするのが好ましいと思われる。
なお、遮蔽板22を使用しなくても、金網42(42A,42B)を3枚、4枚、5枚と増やしていけば、遮蔽板22を使用した場合と同様の偏流矯正効果を得ることも可能であると思われるが、ビルの天井裏の高さ方向のサイズにはあまり余裕がなく、ボックス本体10の高さをできるだけ低くすることが要求されているため、整流部20の高さを高くすることが困難である。金網42間の距離は、20~30mm程度離す必要があるため、金網42を1枚増やすとボックス本体10の高さが20~30mm高くなることになるため、金網42の枚数で改善するのは好ましい方法ではない。また、金網42の目を細かくして整流効果を上げる方法も、圧損が増える割には、偏流の改善効果の向上は少なく、効率的ではないことが実験で分かった。
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、吹出口12から吹き出される空気を整流する整流部20として、吹出口12に対して垂直に連通して設けられ、吹出口12から吹き出される空気が流れる管部21と、管部21の管軸Oと略垂直な仮想平面Pと平行して管部21の管路に設けられて、管部21の全流路領域30のうち流入口11から遠い側の一部領域すなわち遮蔽領域32を遮蔽し、残りの開口領域31から吹出口12に対して空気を流す遮蔽板22と、管部21のうち、遮蔽板22の下流側で仮想平面Pと平行して設けられた第1の整流メッシュ23Aと、管部21のうち、第1の整流メッシュ23Aの下流側で仮想平面Pと平行して設けられた第2の整流メッシュ23Bとを有するものである。
これにより、遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aの組み合わせにより、整流部20に対して水平寄りの角度から斜めであって、かつ、ボックス側面10Aの流入口11から遠い側(奥)に向かって入ってくる空気の流れを、垂直寄りの角度であって、かつ、整流部20の中央寄りに効率よく矯正することができる。また、第1の整流メッシュ23Aと第2の整流メッシュ23Bの組み合わせにより、垂直寄りの角度から第2の整流メッシュ23Bに入ってくる空気の流れを、整流メッシュ本来の整流能力を発揮してメッシュ面に沿った方向すなわち仮想平面Pと平行方向に均一化することができる。
したがって、本発明によれば、効率よく十分な整流効果すなわち偏流矯正効果を得ることができ、平板や円筒部材を用いた比較的簡素な構成で、吹出口12における良好な整流特性を得ることが可能となる。
また、本実施の形態において、第1の整流メッシュ23Aと第2の整流メッシュ23Bとの離間距離H2は、遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aとの離間距離H1より大きくすることが好ましい。これにより、第2の整流メッシュ23Bで、垂直寄りの角度から第2の整流メッシュ23Bに入ってくる流れを、そのメッシュ面に沿った方向すなわち仮想平面Pと平行方向に、極めて効果的に均一化することができるため、効率よく十分な整流効果すなわち偏流矯正効果を得ることができる。
また、本実施の形態において、遮蔽板22により、管部21の流路直径または流路開口幅を示す全幅Lの1/5~1/3程度を遮蔽し、遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aとの離間距離H1を0mm~15mm程度とすることが好ましい。
これにより、整流部20の上下方向Yに沿った高さを低く、かつ、遮蔽領域32すなわち遮蔽板22の面積を小さくできるため、ボックス本体10全体の高さを低くでき、圧損も低くできる。遮蔽板22と第1の整流メッシュ23Aとの離間距離H1と、遮蔽板22が整流部20の流路直径または流路開口幅を示す全幅Lを遮蔽する遮蔽幅Wには相関関係があり、H1を小さくすれば、遮蔽幅Wも小さくすることができる。
また、本実施の形態において、遮蔽板22に、開口領域31に面した端部22Aに、開口領域31に向かって突出した凸部22Bまたは開口領域31から凹んだ凹部22Cを設けてもよい。
これにより、流入口接続部11Aの流路(カラー)内に風量を調節する可変風量ダンパー装置などを設置した場合、通常よりも吹出口12における偏流が大きくなるが、遮蔽板22の端部22Aに凸部22Bや凹部22Cを設けて、端部22Aの形状を変えることにより風速分布の均一性をさらに改善できる。
また、本実施の形態において、管部21の全流路領域30のうち遮蔽板22が遮蔽する遮蔽領域32は、流入口11の方向から見て左右非対称としてもよい。
これにより、流入口接続部11Aの流路(カラー)内に風量を調節する可変風量ダンパー装置などを設置した場合や、ボックス本体10の内部空間10Sが、仮想平面Pと平行して流入口方向から見て左右非対称になっている場合など、内部空間10S内における空気の流れが左右非対称の場合に風速分布の均一性をさらに改善できる。
また、本実施の形態において、第1および第2の整流メッシュ23A,23Bとして、金網または樹脂網を用いてもよい。
これにより、金網または樹脂網の網目を構成するワイヤーの断面外形が滑らかな略円形であることから、整流メッシュと同様の効果を持つ多孔板と比較して流体抵抗を大幅に低くでき、効率よく流速分布を均一化することができる。
また、本実施の形態において、第1および第2の整流メッシュ23A,23Bとして、開口率が40%~60%のものを用いてもよい。
これにより、比較的低圧損で高い整流効果を得ることができる。
また、本実施の形態において、管部21の上端開口部21Cの周囲に、仮想平面Pと平行して上端開口部21Cと面一に設けられた平板24をさらに備えてもよい。
これにより、空気の流れが整流部20に流入する際の乱れを低減して、整流効率を向上するとともに圧損を低減することができる。
また、本実施の形態において、管部21を、ボックス本体10のボックス底面10Bから外部に突出して設けてもよい。
これにより、整流部20の管部21自体が、天井に設置されたディフューザやアネモスタットを接続するための接続部として兼用でき、吹出ボックス装置1の構成および組立作業を簡素化でき、吹出ボックス装置1の製品コストを低減できる。
また、本実施の形態において、吹出口12と連通するようボックス本体10のボックス底面10Bから外部に突出して設けられた吹出口接続部12Aを備え、管部21は、管部下端21Bが吹出口接続部12Aの上端開口部12Bと連通するよう内部空間10Sに設けてもよい。
これにより、整流部20と、天井に設置されたディフューザやアネモスタットを接続するための吹出口接続部12Aと分離できるため、吹出口接続部12Aの形状に制約を受けることなく、整流部20を設計でき、効率よく十分な整流効果すなわち偏流矯正効果を得ることができる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
1…吹出ボックス装置、10…ボックス本体、10A…ボックス側面、10B…ボックス底面、10S…内部空間、11…流入口、11A…流入口接続部、12…吹出口、12A…吹出口接続部、12B…上端開口部、12C…下端開口部、20…整流部、21…管部、21A…管部上端、21B…管部下端、21C…上端開口部、22…遮蔽板、22A…端部、22B…凸部、22C…凹部、23A…第1の整流メッシュ、23B…第2の整流メッシュ、24…平板、25,26…L型金具、27…スペーサ、30…全流路領域、31…開口領域、32…遮蔽領域、40…整流ユニット、41…筐体、41A…天板、41B…底部、42,42A,42B…金網、43A,43B,43C…スペーサ、44…側板、50…風量調整用ダンパー、51…ダンパー羽根、52…モータ、O…管軸、P…仮想平面、X…横方向、Y…上下方向、Z…左右方向、H1,H2…離間距離、L…全幅、W…遮蔽幅、M1,M2,M3,M4,M5…測定点、Q…測定面、C…同心円、Ca…左側領域、Cb…右側領域。

Claims (9)

  1. 中空箱状のボックス本体と、
    前記ボックス本体の一側面に形成されて、空気が前記ボックス本体の内部空間に流入する流入口と、
    前記ボックス本体の前記一側面につながった底面に形成されて、前記内部空間の空気が外部に吹き出される吹出口と、
    前記底面に設けられ、前記吹出口から吹き出される空気を整流する整流部とを備え、
    前記整流部は、
    記吹出口から吹き出される空気が流れる中空の管部であって、当該管部の管軸が前記吹出口に対して略垂直の方向に延びた状態で前記吹出口を貫通するか当該管部の内部が前記吹出口に連通する管部と、
    前記管部の前記管軸と略垂直な仮想平面と平行して前記管部に設けられ、管軸方向から見て、前記管部前記空気が流れる全流路領域のうち中央を含まない前記流入口から遠い側の一部領域を遮蔽し、前記中央を含む他領域を開口領域とする遮蔽板と、
    前記管部内の前記遮蔽板の下流側で前記仮想平面と平行して設けられた第1の整流メッシュと、
    前記管部内の前記第1の整流メッシュの下流側で前記仮想平面と平行して設けられた第2の整流メッシュとを有し、
    前記遮蔽板は、当該遮蔽板より下流の前記全流路領域における空気の風速が最も速くなるピーク位置を、前記遮蔽板を設けないときに比べて前記全流路領域の中央に寄せる形状に形成されている、
    ことを特徴とする吹出ボックス装置。
  2. 請求項1に記載の吹出ボックス装置において、
    前記管軸方向から見て、前記流入口の開口面に垂直な方向を幅方向としたときの前記遮蔽板の幅は、前記全流路領域の幅の1/5~1/3であることを特徴とする吹出ボックス装置。
  3. 請求項1又は2に記載の吹出ボックス装置において、
    前記第1の整流メッシュと前記第2の整流メッシュとの前記管軸方向に沿った距離は、前記遮蔽板と前記第1の整流メッシュとの前記管軸方向に沿った距離より大きいことを特徴とする吹出ボックス装置。
  4. 請求項1~請求項3のいずれかに記載の吹出ボックス装置において、
    前記遮蔽板は、前記開口領域に面した端部の中間位置に、前記開口領域に向かって突出した凸部または前記開口領域から凹んだ凹部を有することを特徴とする吹出ボックス装置。
  5. 請求項1~請求項4のいずれかに記載の吹出ボックス装置において、
    前記全流路領域のうち前記遮蔽板が遮蔽する遮蔽領域は、前記流入口の方向から見て左右非対称であることを特徴とする吹出ボックス装置。
  6. 請求項1~請求項5のいずれかに記載の吹出ボックス装置において、
    前記第1および第2の整流メッシュは、金網または樹脂網からなることを特徴とする吹出ボックス装置。
  7. 請求項1~請求項6のいずれかに記載の吹出ボックス装置において、
    前記管部の上端開口部の周囲に、前記仮想平面と平行して前記上端開口部と面一に設けられた平板をさらに備えることを特徴とする吹出ボックス装置。
  8. 請求項1~請求項7のいずれかに記載の吹出ボックス装置において、
    前記管部は、前記ボックス本体の底面から外部に突出して設けられていることを特徴とする吹出ボックス装置。
  9. 請求項1~請求項7のいずれかに記載の吹出ボックス装置において、
    前記吹出口と連通するよう前記ボックス本体の底面から外部に突出して設けられた吹出口接続部をさらに備え、
    前記管部は、下端が前記吹出口接続部の上端開口部と連通するよう前記内部空間に設けられている
    ことを特徴とする吹出ボックス装置。
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