JP6498647B2 - マット装置 - Google Patents
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Description
前記角部の発生を抑えるため、例えば下記特許文献1に示されるような流体セルが知られている。この流体セルでは、可撓筒における軸方向の端部に、前記挟み込まれる方向に延びる底辺、および軸方向の外側に向けて突出する頂角を有する平面視三角形状の耳部を、閉塞部を形成した後に形成することで、前記角部の発生を抑えている。
(1)内部に流体を充填可能な可撓筒と、前記可撓筒が径方向に挟み込まれた状態で前記可撓筒の内周面同士が固着されてなり、前記可撓筒の両端開口を各別に閉塞した一対の閉塞部と、を備えた流体セルにおいて、前記可撓筒における軸方向の端部には、前記可撓筒の径方向のうち、前記閉塞部において前記可撓筒が挟み込まれる方向に交差する一方向の内側に向けて折り込まれた谷折り部が形成され、前記閉塞部は、前記軸方向に沿って前記谷折り部が形成された位置に配設されていることを特徴とする。
また、閉塞部および固定部を一体に形成することができるので、より一層簡便に流体セルを製造することができる。
以下、図1から図6を参照し、本発明の第1実施形態に係るマット装置10を説明する。
マット装置10としては、使用者が横たわるベッド装置や使用者が着座するクッション装置が挙げられ、本実施形態では、マット装置10の一例として、ベッド装置を採用している。以下、マット装置10における前後方向X、左右方向Y、上下方向Zを用いて各部の構成を説明する。
マット部11は、複数の流体セル15を有していて、これらの流体セル15の内部に給気することで空気を充填し、マット部11上に横たわる使用者の荷重を支える。流体セル15の内圧は、マット部11の硬さに対応しており、流体セル15の内圧を使用者の体重に応じて設定することで、マット部11の硬さを使用者にとって最適な硬さにすることができる。
互いに隣接して配置された流体セル15同士は、互いに固定されていても固定されていなくてもよい。流体セル15は、複数の流体セル15を一体に覆う図示しないカバーに、例えば後述する取付部材19としてのボタンや紐などを介して取付けること等もできる。
閉塞部15bは、流体セル15の左右方向Yの両端部に各別に一対形成されている。閉塞部15bは上下方向Zに沿って延び、可撓筒15aの全域にわたって配置されている。
閉塞部15bは、可撓筒15aの内周面同士を互いに接着することで、可撓筒15aの両端開口を閉塞している。図示の例では、閉塞部15bは可撓筒15aの内周面同士を互いに溶着することで形成されている。
図2および図3に示すように、谷折り部16の、互いに対向する一対の内面16cには、これらの内面16c同士を互いに固定する固定部17が形成されている。固定部17は、閉塞部15bと一体に形成されている。固定部17および閉塞部15bは、可撓筒15aを上下方向Zに縦断する溶着線によって形成されている。
谷折り部16は、谷折り凹部16aと、対向部16bと、を備えている。谷折り部16は、下方に向けて窪み、上方に向けて開口している。谷折り凹部16aは、上面視で2つの頂部が前後方向Xに沿って配設され、残りの頂部が左右方向Yの外側に配設された三角形状を呈する。対向部16bは、谷折り凹部16aの左右方向Yの外端部から左右方向Yの外側に向けて延びている。対向部16bは、谷折り部16の前後一対の内面16c同士が互いに前後方向Xに対向することで形成されている。対向部16bの、左右方向Yの内側の端部に、固定部17が形成されている。
なお、取付部材19は、1つ又は3つ以上配設されてもよいし、耳部18の上下方向Zにおける中央部に配設してもよい。また、取付部材19として、金属製のスナップボタンを採用してもよい。
まず、流体セル15をなすフィルム材を中心軸線O1回りに丸め、その両周端部同士を溶着することで接続し、周端線15fを形成する。これにより、可撓筒15aを形成する。
次に、谷折り工程として、図5(a)に示すように、左右方向Yに沿って延びる可撓筒15aの外周面のうちの上端部を、上下方向Zの内側に向けて折り込み、谷折り部16を形成する。図示の例では、可撓筒15aの全長にわたって中心軸線O1に対して平行な谷折り部16を形成している。なお、谷折り工程では、必ずしも可撓筒15aの全長にわたって谷折り部16を形成する必要はなく、少なくとも可撓筒15aにおける左右方向Yの端部を上下方向Zの内側に向けて折り込めば足りる。また、谷折り部16は、中心軸線O1に対して傾斜して形成してもよい。
谷折り線16dの最大深さが、中央部のセル幅の15%以下である場合には、可撓筒15aの左右方向Yの端部に、上方に向けて尖る角部が僅かに生ずることが確認されている。また、谷折り線16dの最大深さが、中央部のセル幅の50%以上である場合には、流体セル15の上面のうち、左右方向Yの両端部における前後方向Xの厚み寸法(以下、端部のセル幅)が、中央部のセル幅よりも大きくなってしまうことが確認されている。
図5(c)に示すように、この溶着作業により、可撓筒15aの左右方向Yの両端部に、上下方向Zに沿って延びる閉塞部15bが形成されるとともに、閉塞部15bのうち、谷折り部16の谷折り線16dよりも上方に位置する部分に、固定部17が形成される。また、可撓筒15aのうち、閉塞部15bよりも左右方向Yの外側に位置する部分には、耳部18が各別に形成される。なお、この溶着作業を、フィルム材の両周端同士を溶着して前述のように周端線15fを形成する際に同時に行うことで、周端線15f、閉塞部15b、および固定部17を同時に形成してもよい。
このように製造された流体セル15をマット装置10として使用する際には、複数の流体セル15を、取付部材19を用いてマット装置10のカバーに取付けた状態で、給排気部12および制御部13を用いて流体セル15の内部に空気を充填する。
また、流体セル15の耳部18に配設された取付部材19が取付けられる受け部材を、マット装置10のカバーに設ける際の前後方向Xの間隔(ピッチ)は、端部のセル幅と同等であることが好ましい。これにより、前後方向Xの流体セル15間の隙間を狭めることができ、使用者が複数の流体セル15の間に手をついた際に、手が流体セル15の間に形成された隙間に入るのを防ぐことができる。
以上より、谷折り部16の深さを、前記ピッチの半分の大きさにすることで、流体セル15間の隙間を効果的に狭めることができるといえる。
図6(a)に示すように、第1変形例の流体セル25では、閉塞部25bが、上下方向Zの内側に向かうに従い漸次、左右方向Yの外側に向けて突となす曲線状に形成されている。このように閉塞部25bを形成することで、耳部18の上下方向Zの両端部に取付部材19を配設する部分を容易に確保することができる。この構成によれば、閉塞部25bが、上下方向Zに沿って延びる直線状に形成されている場合に比べて、耳部18を前後方向Xに折りたたんだときに、取付部材19が、流体セル25における前後方向Xの中央部付近に配置し易くすることができる。
また、閉塞部のその他の態様として、前後方向Xから見た平面視において、上方に向かうに従い漸次、左右方向Yの外側に向かう傾斜線や、前記平面視において、上方に向かうに従い漸次、左右方向Yの内側に向かう傾斜線をなすように形成してもよい。
また、取付部材のその他の態様として、耳部18に固定孔を設け、前後方向Xに複数配置された流体セル15の各固定孔に、所定間隔毎に節部が形成された固定紐を通貫させるような構成であってもよい。
また、閉塞部15bおよび固定部17を一体に形成することができるので、より一層簡便に流体セル15を製造することができる。
また、耳部18が、前記一方向に沿って可撓筒15aの全域にわたって配置されている。このため、耳部18の面積を大きく確保することができ、例えば、耳部18に取付ける取付部材19の数量や形状等について自由度をもって選択することができる。
また、可撓筒15aの内部が、谷折り部16が折り込まれた一方向に2つの充填室に区画されている。したがって、この可撓筒15aを前記一方向に自立させ易くすることができる。さらに、固定部17の周囲に位置する外周面を、前記一方向に直交する平坦状に形成することができるので、流体セル15上に横たわる使用者の使い心地を良好にすることができる。
また、本実施形態に係る流体セル15の製造方法によれば、固定工程と閉塞工程とが同時に行われるので、工数を抑えて簡便に流体セル15を製造することができる。
次に、図8および図9を参照し、本発明に係る第2実施形態の流体セル45を説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8および図9に示すように、流体セル45は、前後方向Xに複数の流体セル45が互いに連結され、流体セルユニット50をなしている。図示の例では、3つの流体セル45が互いに連結されている。なお、連結される流体セル45の数量としては2つ又は4つ以上であってもよい。
互いに隣接する流体セル15の耳部48に形成された規制部49同士が、互いに接続されている。図示の例では、耳部48には、上下方向Zの位置を異ならせて2つの規制部49が各別に形成されている。規制部49のうち、上方に位置するものは、耳部48の上端部に形成され、下方に位置するものは、上下方向Zの中央部に形成されている。規制部49同士は、図示しない係止部同士が係止し合うことで互いに接続される。
例えば、上記実施形態では、流体セルとして、内部に空気を充填した流体セル15を採用した構成について示したが、このような態様に限られず、内部に液体を充填した流体セルとしてもよい。
15、25、35、45 流体セル
15a 可撓筒
15b、25b 閉塞部
16 谷折り部
16c 内面
17 固定部
18、48 耳部
19、29 取付部材(規制部)
40 連結片
49 規制部
Claims (6)
- 複数の流体セルを備えたマット装置であって、
前記流体セルは、
内部に流体を充填可能な可撓筒と、
前記可撓筒の両端開口を各別に閉塞した一対の閉塞部と、
前記閉塞部から前記可撓筒の長手方向の外側に向けて突出する耳部と、を備え、
前記可撓筒の上面には、下方に向けて折り込まれた谷折り部が形成され、
前記閉塞部は、前記谷折り部が折り込まれた状態で前記可撓筒の内周面同士が固着されてなり、
前記可撓筒の上面と側面とは1枚のフィルム材により形成され、
前記可撓筒内に流体が充填されたときに、前記可撓筒の上面の一部の高さが、前記一対の閉塞部の高さよりも高いマット装置。 - 前記耳部には、他の流体セルに連結され、互いの相対変位を規制する規制部が形成されている請求項1に記載のマット装置。
- 前記谷折り部において互いに対向する内面同士を固定する固定部を更に備える請求項1または2に記載のマット装置。
- 前記耳部は、上下方向に沿って前記可撓筒の全域にわたって形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載のマット装置。
- 前記可撓筒には、前記可撓筒の内部を2つの充填室に区画する区画壁が設けられ、
前記区画壁は、前記可撓筒の内部を上下方向に区画する請求項1から4のうちのいずれか1項に記載のマット装置。 - 前記可撓筒の側面に給排気口が設けられている請求項1から5のいずれか1項に記載のマット装置。
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