ところで、操作部材と伝達部材の一端部との位置関係や動作方向が上述のように設定されていると、操作部材の往復移動方向に沿った操作装置の長さが比較的大きなものとなってしまう。そのため、安全性や美感の面から、操作部材が浴槽の表面から手前側(浴槽の貯水空間側)に突出しないように構成すれば、操作装置が浴槽の背面から奥側に大きく突出することとなる。その一方で、浴槽の側壁部は、通常、この裏側に位置する壁面やエプロンとの間隔が小さなものとなりやすい。従って、側壁部に形成されたオーバーフロー口に対応して操作装置を配設することは困難である。
尚、操作部材が浴槽の表面から手前側に突出するように構成すれば、オーバーフロー口に対応して操作装置を配設することが比較的容易となるが、この場合には、安全性や美感の低下を招いてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な安全性や美感の確保を図りつつ、オーバーフロー口に対応して容易に配設することができる操作装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.浴槽の側壁部に貫通形成されたオーバーフロー口に挿通されるとともに、前記オーバーフロー口の延びる方向に沿って往復移動可能な操作部材と、
筒状のチューブ部材、及び、当該チューブ部材の内周において往復移動可能に構成され、前記操作部材の変位を浴槽の排水口に設けられた栓蓋側へと伝達する伝達部材を有するレリースワイヤとを備え、
前記操作部材は、
前記浴槽の表面側に表出する操作用の被操作部と、
前記被操作部に直接又は間接的に固定され、前記操作部材の往復移動方向に沿って延びる軸部とを有する操作装置であって、
前記浴槽に対し前記軸部を相対回転不能に規制する回転規制部と、
前記軸部の外周又は内周に配置されるとともに、前記軸部の周方向に沿って前記軸部に対し相対回動可能であり、かつ、自身の相対回動時に前記伝達部材の一端部を押圧し、自身の回動方向の接線方向に沿って前記伝達部材の一端部を往動させる筒状の回動部を具備し、
前記回動部は、前記軸部に設けられた軸側接触部と接触可能な回動側接触部を有し、
前記軸側接触部のうち前記回動側接触部と接触する部位、及び、前記回動側接触部のうち前記軸側接触部と接触する部位の少なくとも一方は、前記操作部材の往復移動方向に対し傾斜する傾斜面状をなし、
前記被操作部の押圧による前記操作部材の往動に伴い、前記軸側接触部が前記回動側接触部を押圧することで、前記回動部が前記軸部に対し相対回動するように構成されていることを特徴とする操作装置。
上記手段1によれば、操作部材を往動させたときに、回動部が回動して伝達部材の一端部を押圧し、その結果、回動部の回動方向の接線方向に沿って伝達部材の一端部が往動する。従って、伝達部材の一端部の往復移動方向を、操作部材の往復移動方向と直交する方向(操作部材の周方向)とすることができ、また、操作部材と伝達部材の一端部とが直列的に並ばないようにすることができる。これにより、操作部材の往復移動方向に沿った操作装置の長さを非常に小さなものとすることができる。その結果、良好な安全性や美感を確保しつつ、壁面等との間隔が小さい側壁部のオーバーフロー口に対応して操作装置を配設することがより容易に可能となる。
また、回転規制部によって、浴槽に対し軸部を相対回転不能とすることができ、ひいては操作部材を往動させたときに回動部をより確実に回動させることができる。これにより、上述の作用効果をより確実に発揮させることができる。
さらに、伝達部材の往復移動方向を操作部材の往復移動方向と直交する方向(操作部材の周方向)とするために、上記特許文献1の図1等に示されるように、レリースワイヤを曲げる必要はない。従って、レリースワイヤの曲げに伴い、伝達部材及びチューブ部材間で生じる摩擦力が大きくなって操作性が低下してしまったり、伝達部材等に破損が生じてしまったりすることをより確実に防止できる。
手段2.前記被操作部の表面を押圧したときに、前記伝達部材の一端部の移動量が、前記操作部材の移動量よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする手段1に記載の操作装置。
上記手段2によれば、栓蓋のより確実な上下動を図りつつ、操作部材の往復移動量(ストローク量)をより小さなものとすることができる。従って、操作部材の往復移動方向に沿った操作装置の長さをより小さなものとすることができ、オーバーフロー口に対応して操作装置を配設することが一層容易に可能となる。
さらに、排水口を開閉するために必要な操作部材の移動量を小さくすることができるため、使用者が排水口を開閉しようとしたときに、操作部材の移動量が不十分となり、排水口の開閉に失敗してしまう(例えば、排水口を閉鎖したつもりが、実際には閉鎖されていない)といった事態をより確実に防止することができる。これにより、使用者にとっての使い勝手の向上を図ることができる。
尚、上記手段2は、例えば、回動部の回動軸から回動部のうち伝達部材の一端部を押圧する部位までの距離(回動半径)を調節したり、軸側接触部及び回動側接触部の少なくとも一方に設けられた傾斜面状部分の、操作部材の往復移動方向に対する傾斜角度を調節したり〔すなわち、操作部材の単位移動量当たりにおける回動部の回動量(回転角度)を調節したり〕することで実現することができる。
手段3.少なくとも前記回動側接触部のうち前記軸側接触部と接触する部位は、前記操作部材の往復移動方向に対し傾斜する傾斜面状をなしており、
前記回動側接触部のうち前記軸側接触部と接触する部位は、その全域において、前記操作部材の往復移動方向に対する傾斜が一定とされた螺旋状をなすことを特徴とする手段1又は2に記載の操作装置。
上記手段3によれば、操作部材を往動させたときに、軸側接触部において、回動側接触部に接触する部分を常に同一部分とすることができる。従って、操作部材を往動させたときに、回動部を安定的に回動させることができ、動作安定性の向上を図ることができる。
また、上記手段3によれば、操作部材を往動させるときに、使用者は、操作部材に生じる負荷の変化(前記負荷は、例えば、伝達部材を復動させるための戻り力付与部等で生じる力の変化や、軸側接触部及び回動側接触部間で生じる摩擦力の変化、開栓の状態などにより変化する)等をより確実に知覚することができる。その結果、使用者は、排水口を開閉する際に、操作部材を介して操作部材や栓蓋の状況などをより確実に把握することができ、ひいては操作ミスが生じてしまう等の事態をより確実に防止できる。
手段4.少なくとも前記回動側接触部のうち前記軸側接触部と接触する部位は、前記操作部材の往復移動方向に対し傾斜する傾斜面状をなしており、
前記回動側接触部のうち前記軸側接触部と接触する部位は、前記操作部材の往復移動方向に対する傾斜が一定ではない形状をなすことを特徴とする手段1又は2に記載の操作装置。
上記手段4によれば、操作部材を往動させる際に操作部材へと加わる力などを考慮し、回動側接触部の傾斜を調整することで、良好な操作性を得ることができる。
例えば、操作部材を往動させて回動部を回動させるときに、回動部が回動し開栓し始めるまでには、開栓した後よりも比較的大きな力を要する点を考慮して、回動側接触部のうち、操作部材を往動させて回動部を回動させるときに軸側接触部と最初に接触する部分の傾斜を、回動側接触部におけるその他の部分の傾斜よりも緩やかにしてもよい。この場合には、回動部を回動させて開栓し始めるときに必要となる被操作部への押圧力を比較的小さくすることができる。
また、例えば、伝達部材を復動させるための戻り力付与部(バネ部材)等が設けられ、操作部材を往動させるにつれて、前記戻り力付与部等から操作部材に対しその復動方向に加わる力が大きくなるように構成した場合には、回動側接触部のうち、前記戻り力付与部等から操作部材に対しその復動方向に加わる力が所定値よりも大きくなる段階で軸側接触部と接触する部分の傾斜を、回動側接触部におけるその他の部分の傾斜よりも緩やかにしてもよい。この場合には、例えば、被操作部を往動させるときの最後の段階などにおいて、回動部を回動させるために被操作部へと加えることが必要な押圧力を比較的小さく抑えることができる。
さらに、例えば、回動側接触部のうち、回動部を回動させるために被操作部へと加えることが必要な押圧力が比較的小さくて済む段階(例えば、回動部の回動開始後、各部材間の遊びや隙間がなくなるまでの段階)で軸側接触部と接触する部分については、その傾斜を比較的急なものとしてもよい。この場合には、被操作部の押込量(操作量)が比較的小さくても、伝達部材を比較的大きく移動させることができる。
手段5.少なくとも前記軸側接触部のうち前記回動側接触部に接触する部位は、前記操作部材の往復移動方向に対し傾斜する傾斜面状をなしており、
前記軸側接触部のうち前記回動側接触部に接触する部位は、その全域において、前記操作部材の往復移動方向に対する傾斜が一定とされた螺旋状をなすことを特徴とする手段1又は2に記載の操作装置。
上記手段5によれば、基本的には上記手段3と同様の作用効果が奏されることとなる。すなわち、動作安定性の向上を図ることができるとともに、操作ミスが生じてしまう等の事態をより確実に防止することができる。
手段6.少なくとも前記軸側接触部のうち前記回動側接触部に接触する部位は、前記操作部材の往復移動方向に対し傾斜する傾斜面状をなしており、
前記軸側接触部のうち前記回動側接触部に接触する部位は、前記操作部材の往復移動方向に対する傾斜が一定ではない形状をなすことを特徴とする手段1又は2に記載の操作装置。
上記手段6によれば、基本的には上記手段4と同様の作用効果が奏されることとなる。すなわち、操作部材を往動させる際に操作部材へと加わる力などを考慮し、軸側接触部の傾斜を調整することで、良好な操作性を得ることができる。
尚、上記手段6に係る操作装置としては、例えば、上記手段4において例示した回動側接触部の構成を、軸側接触部のうち回動側接触部に接触する部位へと適用したものなどを挙げることができる。
手段7.前記軸側接触部と前記回動側接触部とは、点接触又は線接触であることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の操作装置。
上記手段7によれば、軸側接触部と回動側接触部との接触抵抗をより小さなものとすることができる。従って、操作部材を移動させる際に要する力を一層低減させることができ、操作性を一層向上させることができる。
手段8.前記浴槽に対し直接又は間接的に取付けられ、前記回動部のその回動軸方向の端面が接触するとともに、前記回動部の回動時に前記端面が摺動する回動支持部を備え、
前記軸部は、前記被操作部とは反対側に開口する穴部を具備し、
前記回動支持部は、前記穴部に挿通される棒状部を備え、
前記穴部及び前記棒状部は、前記穴部に対し前記棒状部が挿通された状態において、前記棒状部に対し前記軸部が相対回転不能となるように構成されており、前記棒状部及び前記軸部のうち前記穴部を形成する部位によって前記回転規制部が構成されることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の操作装置。
上記手段8によれば、回動部は、その回動時に、回動支持部を摺動する。従って、回動部をより安定的に回動させることができ、装置の動作安定性を一層高めることができる。
さらに、上記手段8によれば、回動支持部が回転規制部の一部(棒状部)を有するものとされる。そのため、装置の小型化を一層図ることができ、オーバーフロー口に対応して操作装置を配設することがより一層容易に可能となるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
尚、回動支持部は、回動部の端面と接触する部位に、ボールベアリングやころ軸受等を備えていてもよい。この場合には、回動部をよりスムーズに回動させることができる。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に示すように、排水栓装置1は、排水口装置2及び操作装置3を備えており、浴槽100に取付けられている。
尚、浴槽100は、底壁部101と当該底壁部101の外周に立設された側壁部102とを備えている。また、底壁部101には、排水用の排水口103が貫通形成されており、側壁部102の上部には、浴槽100からの水の溢れ出しを防止するためのオーバーフロー口104が貫通形成されている。さらに、本実施形態では、側壁部102とその背面側に位置する壁やエプロン等の構造物STとの間が比較的狭いものとされている。すなわち、浴槽100のうち操作装置3が取付けられる部位の内部スペースは比較的小さなものとされている。
まず、排水口装置2の構成について説明する。排水口装置2は、図2に示すように、排水口103に設けられており、排水口部材21と、排水管22と、支持軸機構23と、栓蓋24とを備えている。
排水口部材21は、筒状をなし、排水口103に挿設されている。また、排水口部材21は、自身の内部において前記支持軸機構23を保持している。
排水管22は、主管22Aと、枝分かれ管22Bとを備えている。主管22Aは、鉛直方向に沿って延びる筒状をなし、排水口部材21の下方において排水口部材21と同軸に配置されている。浴槽100内の水は、排水口部材21の内部及び主管22Aの内部を通って排出されるようになっている。
枝分かれ管22Bは、主管22Aの外周から主管22Aの延びる方向と直交する方向に沿って延びている。さらに、枝分かれ管22Bは、その内部空間が主管22Aの内部空間に連通するとともに、操作装置3の後述する配管32に対し図示しない連結管を介して接続されている。
支持軸機構23は、後述する伝達部材33Aの他端部が接触可能であるとともに、上端部に栓蓋24の取付けられた支持軸23Aを有している。さらに、支持軸機構23には、図示しないロック機構(例えば、スラストロック機構)が設けられている。当該ロック機構は、前記伝達部材33Aが往動(操作装置3から排水口装置2側へと移動)する度に、支持軸23Aを所定の上方位置にてロックすることと、ロック解除に伴い支持軸23Aを前記上方位置よりも下方の位置に配置することとを交互に行うように構成されている。
また、支持軸機構23は、図示しない戻り力付与部(例えば、バネ部材など)を備えている。前記ロック機構によるロックが解除されている状態では、排水口103が閉鎖されている場合を除き、前記戻り力付与部によって前記伝達部材33Aに対し、復動方向の(排水口装置2から操作装置3側に向けた)付勢力が加えられている。
栓蓋24は、円板状の栓蓋本体24Aと、当該栓蓋本体24Aの背面に設けられたパッキン部24Bとを備えている。支持軸23Aの下動に伴い栓蓋24が下動した際には、前記パッキン部24Bが排水口部材21の内周面に接触することで、排水口103が閉鎖される。一方で、支持軸23Aの上動に伴い栓蓋24が上動した際には、前記パッキン部24Bが排水口部材21の内周面から離間することで、排水口103が開放される。
次に、操作装置3の構成について説明する。操作装置3は、図1に示すように、取付部材31、配管32、レリースワイヤ33、及び、操作側機構部34を備えている。
取付部材31は、筒状をなし、オーバーフロー口104に挿通されている。また、取付部材31は、その一端部において径方向外側に突出形成された鍔部31Aと、鍔部31Aよりも他端側の外周面に形成された雄ねじ部31Bとを備えている。さらに、取付部材31は、その他端部内周に、その周方向に沿って等間隔に設けられた複数の取付用突部31C(図3参照)を備えている。
配管32は、略直角に屈曲する筒状をなし、その一端側(オーバーフロー口104側)内周に、前記雄ねじ部31Bを螺合可能な雌ねじ部32Aを備えている。本実施形態では、側壁部102の裏側において配管32をオーバーフロー口104と同軸に配置しつつ、オーバーフロー口104を通して取付部材31の雄ねじ部31Bを前記雌ねじ部32Aに対して螺合し、鍔部31A及び配管32の一端面により側壁部102を挟み込むことで、配管32が取付部材31に接続されるとともに、側壁部102に取付けられている。尚、本実施形態では、側壁部102の裏面と配管32の一端面との間に、弾性変形可能な材料により形成された環状のシール部材5が配置されており、当該シール部材5によって、取付部材31及び配管32と浴槽100との間からの漏水防止が図られている。
また、配管32のうち操作側機構部34の他端側上部に配置される部分には、後述する内側筒部341Bの軸方向と平行な方向に延びるスリット部32Bが形成されている。
加えて、配管32の他端部(下端部)には、前記排水管22に接続される連結管(図示せず)が接続されている。これにより、取付部材31の内部を通って配管32の内部へと流入した排水は、前記連結管を通り、排水管22へと流れ落ちるようになっている。
レリースワイヤ33は、支持軸機構23及び操作側機構部34間に設けられており、ワイヤー等からなる長尺状の伝達部材33Aと、樹脂等からなる長尺筒状のチューブ部材33Bとを備えている。伝達部材33Aは、チューブ部材33Bの内周に配置されており、チューブ部材33Bに対し往復移動可能とされている。
操作側機構部34は、保持部材341、回動部342、回動支持部343、及び、操作部材344を備えている。
保持部材341は、樹脂により形成されており、回動部342や操作部材344等を配管32の内部において保持するための部材である。保持部材341は、図3〜5に示すように、外側環状部341A、内側筒部341B、及び、アーム部341Cを備えている。
外側環状部341Aは、その外径が前記取付部材31の内径と略同一とされた環状をなしている。また、外側環状部341Aは、その軸方向と平行な方向に、その他端面から突出する爪部341D(図4、5参照)を備えている。爪部341Dは、外側環状部341Aの周方向に沿って等間隔に複数(本実施形態では、3つ)設けられており、各爪部341Dの先端部には、外周側に突出する係合部341Eが形成されている。また、上述の通り、保持部材341は樹脂製であるため、爪部341Dの先端部は、外側環状部341Aの径方向に沿って弾性変形可能となっている。そして、本実施形態では、係合部341E及び外側環状部341Aの他端面により、前記取付部材31の取付用突部31Cを挟み込むことで、取付部材31に対し保持部材341が取付けられている。
内側筒部341Bは、外側環状部341Aの内側に位置しており、その一端部及び他端部の双方が開口する円筒状をなしている。また、内側筒部341Bの内周には、前記回動部342が相対回転可能に挿通されている。加えて、内側筒部341Bは、その一端側開口の内径がその他端側開口の内径よりも小さなものとされており、その結果、回動部342は、内側筒部341Bに対しその他端側開口から挿通可能である一方、内側筒部341Bの一端側開口から抜けてしまうことがないようになっている。また、内側筒部341Bの外周には、その径方向外側に突出する板状の回転防止用突部341Fが形成されており、当該回転防止用突部341Fは、配管32のスリット部32Bに配置されている。その結果、保持部材341がその周方向において適正な位置で配置されるとともに、保持部材341の回転防止が図られている。
アーム部341Cは、外側環状部341Aの内周面と内側筒部341Bの外周面とを連結し、外側環状部341Aの内側にて内側筒部341Bを保持するためのものである。アーム部341Cは、外側環状部341Aの周方向に沿って等間隔に複数(本実施形態では、3つ)設けられている。そして、隣接するアーム部341C間には隙間が形成されており、取付部材31の内部空間へと流入した水は、前記隙間を通って配管32へと流れ込むようになっている。
回動部342は、円筒状をなしており、操作部材344の後述する軸部344Bの外周に配置されている(図1参照)。また、回動部342は、その周方向に沿って前記軸部344Bに対し相対回動可能となっている。さらに、回動部342の他端面の外周側には、湾曲窪み状の凹部342A(図5参照)が形成されており、当該凹部342Aに対し伝達部材33Aの一端部が嵌め込まれることで、回動部342と伝達部材33Aとが接続されている。そして、回動部342が回動したときには、回動部342により、その回動方向に沿って伝達部材33Aの一端部が押圧され、その結果、回動部342の回動方向の接線方向に沿って伝達部材33Aの一端部が往動(操作装置3から排水口装置2側へと移動)するようになっている。
さらに、回動部342の内周には、回動部342の周方向に対し傾斜する傾斜面状をなす回動側接触部342Bが形成されている。回動側接触部342Bは、前記回動軸方向に沿って、後述する軸部344Bの軸側接触部344Dと接触可能な部位である。また、回動側接触部342Bのうち軸側接触部344Dと接触する部位は、その全域において、前記回動軸方向に対する傾斜が一定とされた螺旋状をなすように構成されている。尚、本実施形態において、回動側接触部342Bは、回動部342の内周に2つ設けられている。
回動支持部343は、内側筒部341Bの他端側開口及び凹部342Aの開口を塞ぐようにして、内側筒部341Bに対しねじ止め固定されている。すなわち、回動支持部343は、保持部材341及び取付部材31を介して浴槽100に対し間接的に取付けられている。
また、回動支持部343は、内側筒部341Bの他端側開口等を塞ぐ平板状の板状部343Aと、当該板状部343Aの中心から突出する棒状部343Bとを備えている。
板状部343Aは、少なくとも回動部342の他端面と対向する部位が滑らかな平滑状とされており、回動部342の回動時には、前記対向する部位に対し回動部342の他端面が接触しつつ摺動するようになっている。
棒状部343Bは、筒状をなし、その軸方向に沿って延びるリブ(突条)を外周面に複数(本実施形態では、4つ)備えた構成となっている。また、棒状部343Bの根元部分は円柱状をなしており、当該根元部分によって回動部342が支持されるようになっている。
操作部材344は、図1に示すように、オーバーフロー口104に挿通されており、オーバーフロー口104の延びる方向に沿って往復移動可能に設けられている。操作部材344は、浴槽100の貯水空間側から見て円形状をなす被操作部344Aと、当該被操作部344Aに対しこれと同軸な状態で固定された軸部344Bとを備えている。
被操作部344Aは、排水口103を開閉する際に、使用者が操作する部分であり、浴槽100(側壁部102)の表面側に表出している。また、本実施形態では、排水口103の閉鎖時に、被操作部344Aの表面が鍔部31Aの表面と面一となるように構成されており、被操作部344Aは、常に取付部材31の表面から突出しないものとされている。これにより、外観品質や安全性の向上が図られている。
軸部344Bは、操作部材344の往復移動方向に沿って延びるとともに、被操作部344Aとは反対側に開口する穴部344C(図5参照)を具備する棒状をなしている。穴部344Cには、前記棒状部343Bのリブに対応する形状をなす凹み部が複数形成されている。そして、棒状部343Bのリブが穴部344Cの凹み部に配置されるようにして、穴部344Cに対し棒状部343Bが挿通されている。これにより、軸部344Bは、棒状部343Bひいては浴槽100に対し相対回動不能となっている。つまり、本実施形態では、棒状部343B及び軸部344Bのうち穴部344Cを形成する部位によって、浴槽100に対する軸部344Bの相対回転を規制する回転規制部が構成されている。
さらに、図3〜5に示すように、軸部344Bの外周には、外側に突出する扇型状の軸側接触部344Dが2つ形成されている。各軸側接触部344Dは、内側筒部341Bの一端側開口を通過不能な大きさとされており、常に回動部342の内側に配置されている。また、操作部材344を往動させたときに、軸側接触部344Dのうち軸部344Bの往動方向前方側に位置する面が、回動側接触部342Bへと面接触可能となっている。
尚、本実施形態において、操作側機構部34は、浴槽100の表面側(貯水空間側)から、取付部材31に対し取付・取外自在に構成されている。取付部材31に対し操作側機構部34を取付ける際には、まず、レリースワイヤ33の接続された操作側機構部34を、所定の向きで浴槽100の表面側から取付部材31内に挿通する。そして、スリット部32Bに対し回転防止用突部341Fが挿入可能となるように保持部材341を位置合わせした上で、係合部341Eの先端部外周に形成されたテーパ状部分を取付用突部31Cに接触させつつ、操作側機構部34を取付部材31の奥側へと押し込むことで、爪部341Dを径方向内側に向けて徐々に弾性変形させる。そして、爪部341Dが所定量以上弾性変形すると、係合部341Eが取付用突部31Cを超えて取付部材31のより奥側へと移動するとともに、爪部341Dの弾性変形が解除される。その結果、外側環状部341Aの他端面と係合部341Eとによって取付用突部31Cを挟み込む形となり、操作側機構部34が取付部材31に取付けられることとなる。すなわち、本実施形態では、取付部材31に対し操作側機構部34をワンタッチで取付けることができるようになっている。
一方、取付部材31から操作側機構部34を取外すに際しては、操作側機構部34を取付時とは反対の方向へと引っ張れば、取付用突部31Cから係合部341Eが外れ、取付部材31から操作側機構部34を取外すことができる。このように取付部材31に対し操作側機構部34が取付・取外自在とされることで、取付部材31や配管32の内周面の清掃や、操作側機構部34の故障時における部品の交換作業などが容易となり、清掃性やメンテナンス性の向上が図られるようになっている。
次に、排水口103の開閉する際の各部の動作について説明する。まず、排水口103を閉状態から開状態とするときには、被操作部344Aを押圧し操作部材344を往動させることで、軸側接触部344Dが回動側接触部342Bを押圧し、ひいては回動部342が軸部344Bに対し相対回動する。その結果、回動部342によって伝達部材33Aの一端部が押圧され、回動部342の回動方向の接線方向に沿って伝達部材33Aの一端部が往動する。また、これにより、チューブ部材33Bの内部において伝達部材33Aが往動し、伝達部材33Aの他端部によって支持軸23Aが押し上げられる。そして、支持軸23Aが所定位置以上まで押し上げられると、前記ロック機構によって、栓蓋24が排水口部材21から離間した状態で支持軸23Aが所定の上方位置にてロックされ、排水口103が開放される。
一方、排水口103を開状態から閉状態とするときには、排水口103を開放するときと同様に、被操作部344Aを押圧し操作部材344を往動させることで、伝達部材33Aを往動させる。これにより、前記ロック機構による支持軸23Aのロックが解除され、重力や前記戻り力付与部の作用により、支持軸23A及び栓蓋24が下動する。その結果、排水口103が閉鎖される。また、戻り力付与部の作用により、チューブ部材33B内を伝達部材33Aが復動することとなり、伝達部材33Aの一端部に押圧されることで、回動部342が、排水口103を開放するときとは逆方向に回動する。これにより、回動側接触部342Bによって軸側接触部344Dが押圧され、軸部344B(操作部材344)が復動し、被操作部344Aは、その表面が鍔部31Aの表面と面一となる状態まで戻ることとなる。
尚、本実施形態では、回動部342の回動軸から回動部342のうち伝達部材33Aの一端部を押圧する部位までの距離(半径)を調節したり、操作部材344の往復移動方向に対する回動側接触部342Bの傾斜角度を調節したりすることで、被操作部344Aを押圧したときに、伝達部材33Aの一端部の移動量が、操作部材344の移動量よりも大きくなるように構成されている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、伝達部材33Aの一端部の往復移動方向を、操作部材344の往復移動方向と直交する方向(操作部材344の周方向)とすることができ、また、操作部材344と伝達部材33Aの一端部とが直列的に並ばないようにすることができる。これにより、操作部材344の往復移動方向に沿った操作装置3の長さを非常に小さなものとすることができる。その結果、良好な安全性や美感を確保しつつ、構造物STとの間隔が小さい側壁部102のオーバーフロー口104に対応して操作装置3を配設することがより容易に可能となる。
また、軸部344B及び棒状部343Bにより構成される回転規制部によって、浴槽100に対し軸部344Bを相対回転不能とすることができ、ひいては操作部材344を往動させたときに回動部342をより確実に回動させることができる。これにより、上述の作用効果をより確実に発揮させることができる。
さらに、伝達部材33Aの往復移動方向を操作部材344の往復移動方向と直交する方向(操作部材344の周方向)とするために、レリースワイヤ33を曲げる必要はない。従って、レリースワイヤ33の曲げに伴い、伝達部材33A及びチューブ部材33B間で生じる摩擦力が大きくなって操作性が低下してしまったり、伝達部材33A等に破損が生じてしまったりすることをより確実に防止できる。
また、本実施形態では、被操作部344Aの表面を押圧したときに、伝達部材33Aの一端部の移動量が、操作部材344の移動量よりも大きくなるように構成されている。従って、栓蓋24のより確実な上下動を図りつつ、操作部材344の往復移動量(ストローク量)をより小さなものとすることができる。その結果、操作部材344の往復移動方向に沿った操作装置3の長さをより小さなものとすることができ、オーバーフロー口104に対応して操作装置3を配設することが一層容易に可能となる。
さらに、排水口103を開閉するために必要な操作部材344の移動量を小さくすることができるため、使用者が排水口103を開閉しようとしたときに、操作部材344の移動量が不十分となり、排水口103の開閉に失敗してしまうといった事態をより確実に防止できる。これにより、使用者にとっての使い勝手を向上させることができる。
加えて、回動側接触部342Bは一定傾斜の螺旋状であるため、操作部材344を往動させたときに、軸側接触部344Dにおいて、回動側接触部342Bに接触する部分を常に同一部分とすることができる。従って、操作部材344を往動させたときに、回動部342を安定的に回動させることができ、動作安定性の向上を図ることができる。
また、操作部材344を往動させるときに、使用者は、操作部材344に生じる負荷の変化(前記負荷は、例えば、前記戻り力付与部で生じる力の変化や、軸側接触部344D及び回動側接触部342B間で生じる摩擦力の変化、排水口103の開閉状態などにより変化する)等をより確実に知覚することができる。その結果、使用者は、排水口103を開閉する際に、操作部材344を介して操作部材344や栓蓋24の状況などをより確実に把握することができ、ひいては操作ミスが生じてしまう等の事態をより確実に防止できる。
加えて、回動部342は、その回動時に、回動支持部343を摺動するため、回動部342をより安定的に回動させることができ、装置の動作安定性を一層高めることができる。
また、回動支持部343は、回転規制部の一部(棒状部343B)を有するものとされる。そのため、装置の小型化を一層図ることができ、オーバーフロー口104に対応して操作装置3を配設することがより一層容易に可能となるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)軸側接触部344Dに対し回転可能なローラ部を設け、被操作部344Aの表面の押圧による操作部材344の往動に伴い、前記ローラ部が回動側接触部342Bを押圧しつつ回転するように構成してもよい。この場合には、回動部342の回動時に、軸側接触部344D(ローラ部)に対し回動側接触部342Bを非常にスムーズに移動させることができ、軸側接触部344Dと回動側接触部342Bとの間で生じる抵抗を効果的に小さくすることができる。従って、操作部材344の移動に要する力をより低減させることができ、一層良好な操作性を実現することができる。
(b)上記実施形態において、回動側接触部342Bは、操作部材344の往復移動方向(回動部342の回動軸の延びる方向)に対する傾斜が一定とされた螺旋状をなすように構成されているが、必ずしも操作部材344の往復移動方向に対する回動側接触部342Bの傾斜は一定でなくてもよい。従って、例えば、図6に示すように、回動部352の回動側接触部352Bが、排水口103を開放するために被操作部344Aの表面が押圧されたときに、軸側接触部344Dと最初に接触する部位である回動側接触始端部352Cと、排水口103を開放するために被操作部344Aの表面が押圧されたときに、軸側接触部344Dと最後に接触する部位である回動側接触終端部352Dと、回動側接触始端部352C及び回動側接触終端部352Dの間に位置する回動側接触中間部352Eとを有するものとし、回動側接触始端部352Cの傾斜が、回動側接触中間部352Eの傾斜よりも緩やかなものとなるように構成してもよい。
このように構成することで、通常、回動部352が回動し開栓し始めるまでには、開栓した後よりも比較的大きな力を要するところ、回動部352を回動させ始めるときに必要となる被操作部344Aへの押圧力を比較的小さくすることができる。その結果、良好な操作性を得ることができる。
尚、「回動側接触始端部352Cの傾斜が、回動側接触中間部352Eの傾斜よりも緩やかである」とは、回動側接触部352Bを平面上に展開したときに、回動部352の回動軸と回動側接触始端部352Cとのなす角のうち鋭角の角度が、前記回動軸と回動側接触中間部352Eとのなす角のうち鋭角の角度よりも小さいことをいう。また、回動側接触中間部352Eが湾曲形状であったり、複数の角度の異なる傾斜面を有する形状であったりする場合には、回動側接触中間部352Eを平面上に展開したときに、回動側接触中間部352Eの各部において、前記回動軸と回動側接触中間部352E(回動側接触中間部352Eが湾曲形状の場合は、回動側接触中間部352Eに接する接線)とのなす角のうち鋭角の角度が、回動軸と回動側接触始端部352Cとのなす角のうち鋭角の角度よりも大きなものとされる。
さらに、図7に示すように、回動部362の回動側接触部362Bのうち、前記戻り力付与部から伝達部材33Aを介して操作部材344に対しその復動方向に加わる力が所定値よりも大きくなる段階で軸側接触部344Dと接触する部分362Cの傾斜を、回動側接触部におけるその他の部分362Dの傾斜よりも緩やかにしてもよい。この場合には、例えば、被操作部344Aを往動させるときの最後の段階などにおいて、回動部362を回動させるために被操作部344Aへと加えることが必要な押圧力を比較的小さく抑えることができ、操作性をより高めることができる。
さらに、例えば、回動側接触部のうち、回動部342を回動させるために被操作部344Aへと加えることが必要な押圧力が比較的小さくて済む段階(例えば、回動部342の回動開始後、各部材間の遊びや隙間がなくなるまでの段階)で軸側接触部344Dと接触する部分については、その傾斜を比較的急なものとしてもよい。この場合には、被操作部344Aの押込量(操作量)が比較的小さくても、伝達部材33Aを比較的大きく移動させることができる。
(c)上記実施形態では、回動側接触部342Bが傾斜面状をなすように構成されているが、図8に示すように、軸部374Bの軸側接触部374Dが傾斜面状をなすように構成し、回動部372の回動側接触部372Bが非傾斜面状(例えば、突起状)をなすように構成してもよい。また、回動側接触部及び軸側接触部の双方が傾斜面状をなすように構成してもよい。
加えて、軸側接触部が傾斜面状をなす場合、軸側接触部を、操作部材344の往復移動方向(回動部372の回動軸の延びる方向)に対する傾斜が一定とされた螺旋状としてもよい。この場合には、上記実施形態と同様に、動作安定性の向上や操作ミスの防止といった作用効果が奏されることとなる。
また、操作部材344の往復移動方向に対する軸側接触部の傾斜を一定とせず、例えば、上記(b)において示した回動側接触部の構成を軸側接触部に対して適用してもよい。この場合には、上記(b)において記載した作用効果と同様の作用効果が奏されることとなる。
さらに、軸側接触部が傾斜面状をなす場合には、回動側接触部に対し回転可能なローラ部を設け、被操作部344Aの表面の押圧による操作部材344の往動に伴い、前記ローラ部が軸側接触部に押圧されつつ回転するように構成してもよい。この場合には、操作部材344を往動させたときに、軸側接触部に対し回動側接触部(ローラ部)を非常にスムーズに移動させることができ、軸側接触部と回動側接触部との間で生じる抵抗を効果的に小さくすることができる。その結果、操作部材344の移動に要する力をより低減させることができ、一層良好な操作性を実現することができる。
(d)上記実施形態において、軸側接触部344D及び回動側接触部342Bはそれぞれ2つ設けられているが、軸側接触部及び回動側接触部の数はこれに限定されるものではない。例えば、軸側接触部及び回動側接触部を1つずつ設けてもよいし、両者をそれぞれ3つ以上ずつ設けてもよい。
(e)上記実施形態において、軸側接触部344D及び回動側接触部342Bは面接触するように構成されているが、両者が線接触又は点接触するように構成してもよい。この場合には、軸側接触部と回動側接触部との接触抵抗をより小さなものとすることができる。従って、操作部材344を移動させる際に要する力を一層低減させることができ、操作性を一層向上させることができる。
尚、軸側接触部と回動側接触部とを点接触とするには、例えば、回動側接触部及び軸側接触部のうちの一方を螺旋状とし、回動側接触部及び軸側接触部のうちの他方における前記一方に向く部分を前記一方側に凸の球面状としたり、前記一方側に突出する尖端状としたりすればよい。
(f)上記実施形態では、回動部342の内周に段差を設けることで傾斜面状の回動側接触部342Bが構成されているが、回動部342の内周に溝を設けることで回動側接触部を構成することとしてもよい。また、軸側接触部を傾斜面状とする場合にも同様である。
(g)上記実施形態では、軸部344Bの外周に回動部342が設けられる構成とされているが、軸部の内周に回動部を設ける構成としてもよい。そして、軸部の内周に設けられた軸側接触部、及び、回動部の外周に設けられた回動側接触部の少なくとも一方を傾斜面状とすることで、操作部材の往動時に、軸部に対し回動部が回動するように構成してもよい。
(h)上記実施形態において、被操作部344Aは取付部材31の表面から常に非突出となるように構成されているが、被操作部344Aが取付部材31の表面から多少突出するように構成してもよい。
(i)上記実施形態では、栓蓋24(パッキン部24B)が排水口部材21に接触することで排水口103を閉鎖するように構成されているが、栓蓋24(パッキン部24B)が浴槽100(底壁部101)に接触することで排水口103を閉鎖するように構成してもよい。
(j)上記実施形態において、ロック機構及び戻り力付与部は、支持軸機構23に設けられているが、ロック機構及び戻り力付与部を操作側機構部34に設けることとしてもよい。また、ロック機構及び戻り力付与部の一方を支持軸機構23に設け、ロック機構及び戻り力付与部の他方を操作側機構部34に設けることとしてもよい。