以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1〜図2を用いて第1の実施形態の内視鏡システムの構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置を含む内視鏡システムの構成を示したブロック図であり、図2は、第1の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置に接続される内視鏡種別に応じた遅延部の稼働状況を示した表図である。
図1に示すように本発明の第1の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(以下、ビデオプロセッサ)3を含む内視鏡システム1は、撮像ユニット21を有する内視鏡2と、前記内視鏡2が接続可能され、所定の信号処理を行う前記ビデオプロセッサ3と、ビデオプロセッサ3により生成された画像信号を表示する表示装置としてのモニタ5と、ビデオプロセッサ3に接続され所定の指示入力信号をビデオプロセッサ3に対して出力する指示入力手段6と、を主に備えて構成される。
内視鏡2は、被検体の光学像を撮像して所定の撮像信号を出力する撮像ユニット21と、当該内視鏡2の種別に応じた所定の固有情報(スコープID)を記憶するスコープID22と、を備える。
ビデオプロセッサ3は、ビデオプロセッサ3内の各種回路の制御を行う制御部(CPU)31と、CPU31に接続され所定の固有情報を格納する固有情報格納部32と、内視鏡2における前記撮像ユニット21から出力される撮像信号(画像信号)を入力し当該画像信号に対して所定の前処理を施す前処理部34と、CPU31の制御下に前処理部34から出力される画像信号の出力先を選択する画像処理選択部35と、CPU31の制御下に前処理部34から出力される画像信号を入力し所定の画像処理を施す画像信号処理部36と、前記画像信号処理部36から出力される画像信号に対して所定の遅延時間を付与する遅延部37と、前記画像信号処理部36における各信号処理ブロックおよび前記遅延部37と接続されCPU31の制御下に奇数フィールドの画像信号と偶数フィールドの画像信号とを記憶するフィールドメモリ33と、前記遅延部37を経た画像信号を入力しまたは前記画像信号処理部36および前記遅延部37をバイパスした画像信号を入力し、これら入力した画像信号に対して所定の後段処理を施す後段処理部38と、後段処理部38の出力信号に対して前記モニタ5に表示するための所定の処理を施す表示制御部39と、を主に備える。
固有情報格納部32はCPU31に接続され、当該ビデオプロセッサ3に接続される内視鏡2の種別に応じた所定の固有情報を格納する。
前処理部34は、内視鏡2からの画像信号を入力し所定の信号処理を施すものであり、公知の信号増幅部、プリプロセス回路、A/Dコンバータ、ホワイトバランス回路等により構成され、CPU31により制御される。
画像処理選択部35は、CPU31の制御下に、固有情報格納部32に格納された内視鏡の種別情報に応じて、前処理部34から出力された前記画像信号の出力先を選択する。すなわち、前記画像信号を画像信号処理部36に対して出力するか、または、画像信号処理部36における各信号処理ブロックおよび遅延部37をバイパスし後段処理部38に対して直接出力するかを選択する。
画像信号処理部36は、入力した画像信号に対して所定の画像処理を施す信号処理ブロックを有し、具体的に、画像処理を行う際に偶数フィールド数分の遅延量を生じる偶数フィールド数分信号処理ブロック41と、画像処理を行う際に奇数フィールド数分の遅延量を生じる奇数フィールド数分信号処理ブロック42と、を有する。
これら偶数フィールド数分信号処理ブロック41および奇数フィールド数分信号処理ブロック42は、いずれも前記フィールドメモリ33に接続される。フィールドメモリ33は、CPU31の制御下に奇数フィールドの画像信号と偶数フィールドの画像信号とを記憶する。
ここで、偶数フィールド数分信号処理ブロック41としては、例えば画像信号に対して拡大縮小処理を施す拡大縮小処理回路が挙げられる。そして当該拡大縮小処理回路においては、フィールドメモリ33との相互作用により拡大縮小処理を行う際に2フィールドの遅延が生じる。
一方、奇数フィールド数分信号処理ブロック42としては、例えば画像信号に対して所定の境界補正処理を施す境界補正処理回路が挙げられる。そして当該境界補正処理回路においては、フィールドメモリ33との相互作用により境界補正処理を行う際に1フィールドの遅延が生じる。
また、偶数フィールド数分信号処理ブロック41および奇数フィールド数分信号処理ブロック42は、いずれもCPU31に制御され、当該信号処理ブロックにおける処理の実行または非実行が設定されるようになっている。
遅延部37は、フィールドメモリ33と接続され、画像信号処理部36における前記信号処理ブロックの信号処理を経た画像信号に対して、CPU31の制御下に奇数フィールド数分の遅延量を与え後段に出力する機能を有する。
ここで、接続される内視鏡2の種別によっては、CPU31の制御下に画像処理選択部35において画像信号が画像信号処理部36に入力され、かつ、偶数フィールド数分信号処理ブロック41および奇数フィールド数分信号処理ブロック42のすべてが実行されるように設定されるため、この場合、画像信号処理部36から出力される画像信号には3フィールド分(奇数フィールド数分)の遅延量が生じていることとなる。
このように、画像信号処理部36において奇数フィールド数分の遅延時間を要する場合、何等の措置も施さないと、これら信号処理ブロックの後段側においてはフィールドのODD/EVENが逆転してしまうため、モニタ5に対して出力される画像が乱れてしまう虞がある。
本願発明は、係る事情に鑑み、画像信号処理部36の直後の後段側に前記遅延部37を設け、この遅延部37において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことによりトータルでの遅延量を偶数フィールド数分とし、接続される内視鏡2の種別により画像信号処理部36からの出力される画像信号に奇数フィールド数分の遅延量が生じたとしても、上述したODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止するものである。
<第1の実施形態の作用>
次に、本第1の実施形態の作用について説明する。
図2は、第1の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置に接続される内視鏡種別に応じた遅延部稼働状況を示した表図である。
本実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ3)においてCPU31は、当該ビデオプロセッサ3に内視鏡2が接続されるとスコープID22からの情報に基づいて内視鏡2の種別を判定する。
いま、ビデオプロセッサ3に接続される内視鏡2として、本実施形態においては、内視鏡αと内視鏡βとの2種類の内視鏡を想定する。
そして、図2に示すように、内視鏡αは、画像信号処理部36における偶数フィールド数分信号処理ブロック41および奇数フィールド数分信号処理ブロック42の信号処理を必要とする種別の内視鏡とし、一方、内視鏡βは、画像信号処理部36における上述した信号処理をいずれも必要としない種類の内視鏡とする。
上述したようにCPU31は、内視鏡2の種別を判定すると固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて、画像処理選択部35、画像信号処理部36および遅延部37を制御する。
すなわち、CPU31は、接続された内視鏡2が内視鏡αである場合は、画像処理選択部35を切替えて前処理部34の出力先を画像信号処理部36とする。
さらに、CPU31は、偶数フィールド数分信号処理ブロック41および奇数フィールド数分信号処理ブロック42を実行状態とし、これより内視鏡αからの画像信号は偶数フィールド数分信号処理ブロック41(2フィールド遅延)および奇数フィールド数分信号処理ブロック42(1フィールド遅延)による処理が施される。
ここで、画像信号処理部36における各信号処理ブロックを経た画像信号は、3フィールド分、すなわち、奇数フィールド数分の遅延が生じていることとなる。
しかしながら本実施形態においては、次段の遅延部37において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことにより、トータルの遅延量を偶数フィールド数分とし、上述したODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止する。
一方、CPU31は、接続された内視鏡2が内視鏡βである場合は、CPU31は画像処理選択部35を切替えて前処理部34の出力先を後段処理部38とする。すなわち、接続された内視鏡2が内視鏡βである場合、画像信号処理部36における信号処理を要しないため、画像信号処理部36および遅延部37をバイパスするよう制御する。
このように、画像信号処理部36における信号処理を要しない種類の内視鏡2が接続された場合、当該画像信号処理部36と共に上述した遅延部37もバイパスするため、後段処理部38に入力される画像信号は、フィールド数分の遅延が無いか、または、偶数フィールド数分の遅延が生じているのみであるため、もとより上述したODD/EVEN逆転は生じることはない。
以上説明したように、本第1の実施形態によると、画像信号処理部36の直後の後段側に遅延部37を設け、この遅延部37において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことによりトータルでの遅延量を偶数フィールド数分とすることで、接続される内視鏡2の種別により画像信号処理部36から出力される画像信号に奇数フィールド数分の遅延量が生じたとしても、ODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止することができ、一方、前記画像信号処理部36による処理を要しない内視鏡2が接続された場合においては当該画像信号処理部36と共に前記遅延部37の処理自体をバイパスさせることで、ODD/EVEN逆転が生じていない画像信号を出力することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置は、画像信号処理部36から出力される画像信号に奇数フィールド数分の遅延量が生じたとしても、遅延部37において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことにより、トータルでの遅延量を偶数フィールド数分とすると共に、画像処理選択部35を設け、画像信号処理部36による処理を要しない内視鏡2が接続された場合に対応するため画像信号処理部36および遅延部37の処理自体をバイパスさせる構成とした。
これに対して本第2の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置は、第1の実施形態における画像処理選択部35を設けずに、接続される内視鏡2の種別に係る固有情報に応じて遅延部における遅延量(遅延時間)を調整する機構を備えたことを特徴とする。
図3は、本発明の第2の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置を含む内視鏡システムの構成を示したブロック図であり、図4は、第2の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置に接続される内視鏡種別に応じた遅延部の稼働状況を示した表図である。
本第2の実施形態の内視鏡システムは、その構成は基本的には第1の実施形態と同様であるので、ここでは第1の実施形態との差異のみの説明にとどめ、その他の詳細の説明は省略する。
図3に示すように本発明の第2の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ)203を含む内視鏡システム201は、第1の実施形態と同様に撮像ユニット21を有する内視鏡2と、前記内視鏡2が接続可能され、所定の信号処理を行う前記ビデオプロセッサ203と、ビデオプロセッサ203により生成された画像信号を表示する表示装置としてのモニタ5と、ビデオプロセッサ203に接続され所定の指示入力信号をビデオプロセッサ203に対して出力する指示入力手段6と、を主に備えて構成される。
ビデオプロセッサ203は、ビデオプロセッサ203内の各種回路の制御を行う制御部(CPU)231と、第1の実施形態と同様の固有情報格納部32、前処理部34、後段処理部38、表示制御部39と、を備える。
一方、ビデオプロセッサ203は、CPU231の制御下に前処理部34から出力される画像信号を入力し所定の画像処理を施す画像信号処理部236と、前記画像信号処理部236から出力される画像信号に対して所定の遅延時間を付与する遅延部237と、前記画像信号処理部236における各信号処理ブロックおよび前記遅延部237と接続されCPU231の制御下に奇数フィールドの画像信号と偶数フィールドの画像信号とを記憶するフィールドメモリ233と、を備える。
また、本第2の実施形態においてビデオプロセッサ203は、遅延部237に接続され、CPU31の制御下に、画像信号処理部236から出力される前記画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延時間を与えるか否かを設定する遅延量設定部251を、さらに備える(遅延量設定部251については、後に詳述する)。
本第2の実施形態において画像信号処理部236は、第1の実施形態と同様に、入力した画像信号に対して所定の画像処理を施す信号処理ブロックを有し、具体的に、画像処理を行う際に偶数フィールド数分の遅延量を生じる偶数フィールド数分信号処理ブロック241と、画像処理を行う際に奇数フィールド数分の遅延量を生じる奇数フィールド数分信号処理ブロック242と、を有する。
これら偶数フィールド数分信号処理ブロック241および奇数フィールド数分信号処理ブロック242は、第1の実施形態と同様に、フィールドメモリ233に接続される。
また、偶数フィールド数分信号処理ブロック241および奇数フィールド数分信号処理ブロック242は、第1の実施形態と同様に、それぞれ拡大縮小処理回路、境界補正処理回路を想定し、それぞれ、信号処理を行う際に2フィールド、1フィールドの遅延が生じるようになっている。
また、偶数フィールド数分信号処理ブロック241および奇数フィールド数分信号処理ブロック242は、いずれもCPU231に制御され、当該信号処理ブロックにおける処理の実行または非実行が設定されるようになっている。
ここで、CPU231は、前記信号処理ブロックにおける処理の実行または非実行を設定する設定部としての役目を果たす。
すなわち、CPU231は、ビデオプロセッサ203に接続される内視鏡2の種別に応じて、固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて、偶数フィールド数分信号処理ブロック241および奇数フィールド数分信号処理ブロック242における信号処理の実行または非実行を設定するようになっている。
遅延量設定部251は、CPU231(設定部)による上述した設定(各信号処理ブロックにおける信号処理の実行または非実行の設定)に基づいて、画像信号処理部236から出力される画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延時間を与えるか否かを設定し、その設定結果を遅延部237に伝達するようになっている。
遅延部237は、フィールドメモリ233と接続され、画像信号処理部236における前記信号処理ブロックの信号処理を経た画像信号に対して、CPU231の制御下に、遅延量設定部251によって設定された遅延時間に応じて、奇数フィールド数分の遅延量を与え後段に出力する機能を有する。
<第2の実施形態の作用>
次に、本第2の実施形態の作用について説明する。
図4は、第2の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置に接続される内視鏡種別に応じた遅延部の稼働状況を示した表図である。
本第2の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ203)においてCPU231は、第1の実施形態と同様に、当該ビデオプロセッサ203に内視鏡2が接続されるとスコープID22からの情報に基づいて内視鏡2の種別を判定する。
本第2の実施形態においては、ビデオプロセッサ203に接続される内視鏡2として、内視鏡α、内視鏡βおよび内視鏡γの3種類の内視鏡を想定する。
そして、図4に示すように、内視鏡αは、画像信号処理部236における偶数フィールド数分信号処理ブロック241および奇数フィールド数分信号処理ブロック242の信号処理を必要とする種別の内視鏡とし、内視鏡βは、画像信号処理部236における上述した信号処理をいずれも必要としない種類の内視鏡とし、内視鏡γは、画像信号処理部236における偶数フィールド数分信号処理ブロック241の信号処理は要するものの、奇数フィールド数分信号処理ブロック242の信号処理は要しない種別の内視鏡とする。
本第2の実施形態においてCPU231は、内視鏡2の種別を判定すると固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて、画像信号処理部236における各信号処理ブロックの実行または非実行の設定を行う。
さらにCPU231は、固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて、換言すれば、各信号処理ブロックにおける信号処理の実行または非実行の設定に基づいて、遅延量設定部251を制御する。
そしてCPU231の制御を受けて遅延量設定部251は、CPU231による上述した設定に基づいて、画像信号処理部236から出力される画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延時間を与えるか否かを設定する。
さらに遅延量設定部251は、その設定結果を遅延部237に伝達し、これにより遅延部237は、画像信号処理部236から出力された画像信号に対して、遅延量設定部251によって設定された遅延時間に応じて、奇数フィールド数分の遅延量を与え後段に出力する。
具体的にCPU231は、接続された内視鏡2が内視鏡αである場合は、偶数フィールド数分信号処理ブロック241および奇数フィールド数分信号処理ブロック242のいずれをも“実行”に設定する。この場合、画像信号処理部236においては、計3フィールド数分(奇数フィールド数分)の遅延が生じていることとなる。
そしてCPU231は、接続された内視鏡2が内視鏡αである場合は、遅延部237において1フィールド数分の遅延処理を行うよう、遅延量設定部251および遅延部237を制御する。
このように本第2の実施形態においても、画像信号処理部236において奇数フィールド数分の遅延が生じる内視鏡2が接続される場合は、遅延部237において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことにより、トータルの遅延量を偶数フィールド数分(4フィールド)とし、上述したODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止する。
一方、CPU231は、接続された内視鏡2が内視鏡βである場合は、偶数フィールド数分信号処理ブロック241および奇数フィールド数分信号処理ブロック242のいずれも“非実行”に設定する。この場合、画像信号処理部236においては、遅延は生じていない。
そしてCPU231は、接続された内視鏡2が内視鏡βである場合は、遅延部237において0フィールド数分の遅延処理を行うよう、すなわち、遅延量がゼロに設定されるよう、遅延量設定部251および遅延部237を制御する。
さらにCPU231は、接続された内視鏡2が内視鏡γである場合は、偶数フィールド数分信号処理ブロック241のみ“実行”に設定し、奇数フィールド数分信号処理ブロック242は“非実行”に設定する。この場合、画像信号処理部236においては、遅延は2フィールド数分である。
そしてCPU231は、接続された内視鏡2が内視鏡γである場合は、画像信号処理部236において奇数フィールド数分の遅延が生じないことから、上述同様に、遅延部237において0フィールド数分の遅延処理を行うよう、すなわち、遅延量がゼロに設定されるよう、遅延量設定部251および遅延部237を制御する。
このように本第2の実施形態において、画像信号処理部236において奇数フィールド数分の遅延が生じない内視鏡2が接続される場合は、遅延部237における遅延量をゼロに設定することにより、トータルの遅延量を偶数フィールド数分のままとし、ODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止する。
以上説明したように、本第2の実施形態によると、画像信号処理部236の直後の後段側に遅延部237を設け、接続される内視鏡2の種別により当該遅延部237における遅延量を制御することで、画像信号処理部236から出力される画像信号に奇数フィールド数分の遅延量が生じる場合には、遅延部237において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことによりトータルでの遅延量を偶数フィールド数分とし、接続される内視鏡2の種別により画像信号処理部236から出力される画像信号に奇数フィールド数分の遅延量が生じない場合は、遅延部237における遅延量をゼロに設定することで、いずれの場合でも、ODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止することができる。
なお、本第2の実施形態において設定部たるCPU231は、接続される内視鏡2の種別に基づいて、画像信号処理部236における前記各信号処理ブロックによる信号処理の実行または非実行を設定することとしたが、これに限らず、CPU231は、所定の指示入力、例えば、ビデオプロセッサ203に接続された所定の指示入力手段6の指示によって前記各信号処理ブロックによる信号処理の実行または非実行を設定するようにしてもよい。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
上述した第2の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置は、接続される内視鏡2の種別に係る固有情報に応じて遅延部における遅延量(遅延時間)を調整する機構を備えたことを特徴とする。
これに対して本第3の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置は、画像信号処理部における現実の遅延量を検出し、この検出結果に基づいて遅延部における遅延量(遅延時間)を調整する機構を備えたことを特徴とする。
図5は、本発明の第3の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置を含む内視鏡システムの構成を示したブロック図であり、図6は、第3の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置に接続される内視鏡種別に応じた遅延部の稼働状況を示した表図である。
本第3の実施形態の内視鏡システムは、その構成は基本的には第2の実施形態と同様であるので、ここでは第2の実施形態との差異のみの説明にとどめ、その他の詳細の説明は省略する。
図5に示すように本発明の第3の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ)303を含む内視鏡システム301は、第1の実施形態と同様に撮像ユニット21を有する内視鏡2と、前記内視鏡2が接続可能され、所定の信号処理を行う前記ビデオプロセッサ303と、ビデオプロセッサ303により生成された画像信号を表示する表示装置としてのモニタ5と、ビデオプロセッサ303に接続され所定の指示入力信号をビデオプロセッサ303に対して出力する指示入力手段6と、を主に備えて構成される。
ビデオプロセッサ303は、ビデオプロセッサ303内の各種回路の制御を行う制御部(CPU)331と、第1の実施形態と同様の固有情報格納部32、前処理部34、後段処理部38、表示制御部39と、を備える。
一方、ビデオプロセッサ303は、CPU331の制御下に前処理部34から出力される画像信号を入力し所定の画像処理を施す画像信号処理部336と、前記画像信号処理部336から出力される画像信号に対して所定の遅延時間を付与する遅延部337と、前記画像信号処理部336における各信号処理ブロックおよび前記遅延部337と接続されCPU331の制御下に奇数フィールドの画像信号と偶数フィールドの画像信号とを記憶するフィールドメモリ333と、を備える。
また、本第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、ビデオプロセッサ303は、遅延部337に接続され、CPU331の制御下に、画像信号処理部336から出力される前記画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延時間を与えるか否かを設定する遅延量設定部351を、さらに備える。
本第3の実施形態において画像信号処理部336は、第1の実施形態と同様に、入力した画像信号に対して所定の画像処理を施す信号処理ブロックを有し、具体的に、画像処理を行う際に偶数フィールド数分の遅延量を生じる偶数フィールド数分信号処理ブロック341と、画像処理を行う際に奇数フィールド数分の遅延量を生じる奇数フィールド数分信号処理ブロック342と、を有する。
これら偶数フィールド数分信号処理ブロック341および奇数フィールド数分信号処理ブロック342は、第1、第2の実施形態と同様に、フィールドメモリ333に接続される。
また、偶数フィールド数分信号処理ブロック341および奇数フィールド数分信号処理ブロック342は、第1、第2の実施形態と同様に、それぞれ拡大縮小処理回路、境界補正処理回路を想定し、それぞれ、信号処理を行う際に2フィールド、1フィールドの遅延が生じるようになっている。
さらに、本第3の実施形態において画像信号処理部336は、前記偶数フィールド数分信号処理ブロック341および前記奇数フィールド数分信号処理ブロック342による処理済画像信号に併走させてフィールド同期信号を出力するフィールド同期信号出力部345を備える。
さらに、本第3の実施形態においてビデオプロセッサ303は、前記フィールド同期信号出力部345から出力されるフィールド同期信号ODD/EVENを入力し、当該フィールド同期信号に基づいて、画像信号処理部336から出力される前記処理済画像信号が奇数フィールドの信号であるか偶数フィールドの信号であるかを検出する同期信号検出部352を備える。
また、前記同期信号検出部352はCPU331に接続され、当該同期信号検出部352における検出結果はCPU331に伝達されるようになっている。
そして本第3の実施形態においては、CPU331は、ビデオプロセッサ303に接続される内視鏡2の種別に拘わらず、同期信号検出部352の検出結果に応じて、遅延量設定部351および遅延部337を制御するようになっている。
すなわち、本第3の実施形態において遅延量設定部351は、CPU331の制御下に、同期信号検出部352の検出結果に基づいて、画像信号処理部336から出力される画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延時間を与えるか否かを設定し、その設定結果を遅延部337に伝達するようになっている。
遅延部337は、フィールドメモリ333と接続され、画像信号処理部336における前記信号処理ブロックの信号処理を経た画像信号に対して、CPU331の制御下に、遅延量設定部351によって設定された遅延時間に応じて、奇数フィールド数分の遅延量を与え後段に出力する機能を有する。
<第3の実施形態の作用>
次に、本第3の実施形態の作用について説明する。
図6は、第3の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置に接続される内視鏡種別に応じた遅延部の稼働状況を示した表図である。
ここで本第3の実施形態においても、ビデオプロセッサ303に接続される内視鏡2としては、第2の実施形態において説明した内視鏡α、内視鏡βおよび内視鏡γと同様の3種類の内視鏡を想定する。
すなわち図6に示すように第3の実施形態においても、内視鏡αは、画像信号処理部336における偶数フィールド数分信号処理ブロック341および奇数フィールド数分信号処理ブロック342の信号処理を必要とする種別の内視鏡であり、内視鏡βは、画像信号処理部336における上述した信号処理をいずれも必要としない種類の内視鏡であり、内視鏡γは、画像信号処理部336における偶数フィールド数分信号処理ブロック341の信号処理は要するものの、奇数フィールド数分信号処理ブロック342の信号処理は要しない種別の内視鏡である。
本第3の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ303)においてCPU331は、画像信号処理部336における前記フィールド同期信号出力部345からフィールド同期信号を受けた前記同期信号検出部352の検出結果に応じて、遅延量設定部351および遅延部337を制御する。
遅延量設定部351は、CPU331の制御下に、同期信号検出部352の検出結果に基づいて、画像信号処理部336から出力される画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延時間を与えるか否かを設定し、その設定結果を遅延部337に伝達する。
そして遅延部337は、画像信号処理部336から出力された画像信号に対して、遅延量設定部351によって設定された遅延時間に応じて、奇数フィールド数分の遅延量を与え後段に出力する。
具体的にCPU331は、接続された内視鏡2が内視鏡αであるような場合は、たとえ当該接続された内視鏡2の種別を認識せずとも、同期信号検出部352において3フィールド数分の遅延が生じている同期信号を検出することから、遅延部337において1フィールド数分の遅延処理を行うよう、遅延量設定部351および遅延部337を制御する。
このように本第3の実施形態においては、画像信号処理部336において奇数フィールド数分の遅延が生じるような内視鏡2が接続される場合は、内視鏡2の種別を認識せずとも遅延部337において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことにより、トータルの遅延量を偶数フィールド数分(4フィールド)とし、ODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止する。
一方、CPU331は、接続された内視鏡2が内視鏡βまたは内視鏡γであるような場合は、同期信号検出部352において0フィールドまたは2フィールド数分の遅延が生じている同期信号を検出することから、遅延部337において0フィールド数分の遅延処理を行うよう、すなわち、遅延量がゼロに設定されるよう、遅延量設定部351および遅延部337を制御する。
このように本第3の実施形態において、画像信号処理部336においても、奇数フィールド数分の遅延が生じない内視鏡2が接続されるような場合は、同期信号検出部352においても遅延が生じていないか偶数フィールド数分の遅延が生じている同期信号を検出することから、遅延部337における遅延量をゼロに設定することにより、トータルの遅延量を偶数フィールド数分のままとし、ODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止する。
以上説明したように、本第3の実施形態によると、ビデオプロセッサ303に接続される内視鏡2の種別情報に拘わらず、画像信号処理部336におけるフィールド同期信号を検出し、画像信号処理部336における処理済みの画像信号の遅延量を判定することで、遅延部337における遅延量を調整することができ、ODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止することができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
上述した第2の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置は、画像信号処理部236に奇数フィールド数分の遅延を生じる信号処理ブロックとして、1つの信号処理ブロック(奇数フィールド数分信号処理ブロック242)を備えるが、本第4の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置は、画像信号処理部において、奇数フィールド数分の遅延を生じる複数の信号処理ブロックを備えることを特徴とする。
図7は、本発明の第4の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置を含む内視鏡システムの構成を示したブロック図であり、図8は、第4の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置に接続される内視鏡種別に応じた遅延部の稼働状況を示した表図である。
本第4の実施形態の内視鏡システムは、その構成は基本的には第2の実施形態と同様であるので、ここでは第2の実施形態との差異のみの説明にとどめ、その他の詳細の説明は省略する。
図7に示すように本発明の第4の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ)403を含む内視鏡システム401は、第1の実施形態と同様に撮像ユニット21を有する内視鏡2と、前記内視鏡2が接続可能され、所定の信号処理を行う前記ビデオプロセッサ403と、ビデオプロセッサ403により生成された画像信号を表示する表示装置としてのモニタ5と、ビデオプロセッサ403に接続され所定の指示入力信号をビデオプロセッサ403に対して出力する指示入力手段6と、を主に備えて構成される。
ビデオプロセッサ403は、ビデオプロセッサ403内の各種回路の制御を行う制御部(CPU)431と、第1の実施形態と同様の固有情報格納部32、前処理部34、後段処理部38、表示制御部39と、を備える。
一方、ビデオプロセッサ403は、CPU431の制御下に前処理部34から出力される画像信号を入力し所定の画像処理を施す画像信号処理部436と、前記画像信号処理部436から出力される画像信号に対して所定の遅延時間を付与する遅延部437と、前記画像信号処理部436における各信号処理ブロックおよび前記遅延部437と接続されCPU431の制御下に奇数フィールドの画像信号と偶数フィールドの画像信号とを記憶するフィールドメモリ433と、を備える。
また、本第4の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、ビデオプロセッサ403は、遅延部437に接続され、CPU431の制御下に、画像信号処理部436から出力される前記画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延時間を与えるか否かを設定する遅延量設定部451を、さらに備える(遅延量設定部451については、後に詳述する)。
本第4の実施形態において画像信号処理部436は、入力した画像信号に対して所定の画像処理を施す信号処理ブロックを有し、具体的に、画像処理を行う際に偶数フィールド数分の遅延量を生じる偶数フィールド数分信号処理ブロック441と、画像処理を行う際に奇数フィールド数分の遅延量を生じる複数の奇数フィールド数分信号処理ブロックA442、奇数フィールド数分信号処理ブロックB443、奇数フィールド数分信号処理ブロックC444(以下、場合によって総合的に奇数フィールド数分信号処理ブロック442〜444と記載する)と、を有する。
なお、上記実施形態と同様に、これら偶数フィールド数分信号処理ブロック441および奇数フィールド数分信号処理ブロック442〜444は、第1〜第3の実施形態と同様に、フィールドメモリ433に接続される。
また、偶数フィールド数分信号処理ブロック441および奇数フィールド数分信号処理ブロック442、奇数フィールド数分信号処理ブロックB443、奇数フィールド数分信号処理ブロックC444は、それぞれ信号処理を行う際に2フィールド、1フィールド、3フィールド、1フィールドの遅延が生じるものとする。
また、偶数フィールド数分信号処理ブロック441および奇数フィールド数分信号処理ブロック442〜444は、いずれもCPU431に制御され、当該各信号処理ブロックにおける処理の実行または非実行が設定されるようになっている。
すなわち、CPU431は、ビデオプロセッサ403に接続される内視鏡2の種別に応じて、固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて、偶数フィールド数分信号処理ブロック441および複数の奇数フィールド数分信号処理ブロック442〜444における信号処理の実行または非実行を設定するようになっている。
遅延量設定部451は、CPU431(設定部)による上述した設定(各信号処理ブロックにおける信号処理の実行または非実行の設定)に基づいて、画像信号処理部436から出力される画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延時間を与えるか否かを設定し、その設定結果を遅延部437に伝達するようになっている。
遅延部437は、フィールドメモリ433と接続され、画像信号処理部436における前記信号処理ブロックの信号処理を経た画像信号に対して、CPU431の制御下に、遅延量設定部451によって設定された遅延時間に応じて、奇数フィールド数分の遅延量を与え後段に出力する機能を有する。
<第4の実施形態の作用>
次に、本第4の実施形態の作用について説明する。
図8は、第4の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置に接続される内視鏡種別に応じた遅延部の稼働状況を示した表図である。
本第4の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ403)においてCPU431は、第2の実施形態と同様に、当該ビデオプロセッサ403に内視鏡2が接続されるとスコープID22からの情報に基づいて内視鏡2の種別を判定する。
本第4の実施形態においては、ビデオプロセッサ403に接続される内視鏡2として、内視鏡α、内視鏡β、内視鏡γおよび内視鏡δの4種類の内視鏡を想定する。
そして、図8に示すように、内視鏡αは、画像信号処理部436における偶数フィールド数分信号処理ブロック441および複数の奇数フィールド数分信号処理ブロック442〜444の信号処理ブロックにおける信号処理を必要とする種別の内視鏡とし、内視鏡βは、画像信号処理部436における上述した信号処理をいずれも必要としない種類の内視鏡とし、内視鏡γは、画像信号処理部436における偶数フィールド数分信号処理ブロック441の他、2つの奇数フィールド数分信号処理ブロック(奇数フィールド数分信号処理ブロックB443および奇数フィールド数分信号処理ブロックC444)の信号処理は要するものの、奇数フィールド数分信号処理ブロックA442の信号処理は要しない種別の内視鏡とし、内視鏡δは、画像信号処理部436における偶数フィールド数分信号処理ブロック441の他、奇数フィールド数分信号処理ブロックC444の信号処理は要するものの、奇数フィールド数分信号処理ブロックA442および奇数フィールド数分信号処理ブロックB443の信号処理は要しない種別の内視鏡とする。
本第4の実施形態においてCPU431は、内視鏡2の種別を判定すると固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて、画像信号処理部436における各信号処理ブロックの実行または非実行の設定を行う。
さらにCPU431は、固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて、換言すれば、各信号処理ブロックにおける信号処理の実行または非実行の設定に基づいて、遅延量設定部451を制御する。
そしてCPU431の制御を受けて遅延量設定部451は、CPU431による上述した設定に基づいて、画像信号処理部436から出力される画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延時間を与えるか否かを設定する。
さらに遅延量設定部451は、その設定結果を遅延部437に伝達し、これにより遅延部437は、画像信号処理部436から出力された画像信号に対して、遅延量設定部451によって設定された遅延時間に応じて、奇数フィールド数分の遅延量を与え後段に出力する。
具体的にCPU431は、接続された内視鏡2が内視鏡αである場合は、偶数フィールド数分信号処理ブロック441および奇数フィールド数分信号処理ブロック442〜444のいずれをも“実行”に設定する。この場合、画像信号処理部436においては、計7フィールド数分(奇数フィールド数分)の遅延が生じていることとなる。
またCPU431は、接続された内視鏡2が内視鏡δである場合は、偶数フィールド数分信号処理ブロック441および奇数フィールド数分信号処理ブロックC444を“実行”に設定し、奇数フィールド数分信号処理ブロックA442および奇数フィールド数分信号処理ブロックB443を“非実行”に設定する。この場合、画像信号処理部436においては、計3フィールド数分(奇数フィールド数分)の遅延が生じていることとなる。
そしてCPU431は、接続された内視鏡2が内視鏡αまたは内視鏡δである場合は、遅延部437において1フィールド数分の遅延処理を行うよう、遅延量設定部451および遅延部437を制御する。
このように本第4の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、画像信号処理部436において奇数フィールド数分の遅延が生じる内視鏡2が接続される場合は、遅延部437において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことにより、トータルの遅延量を偶数フィールド数分とし、上述したODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止する。
一方、CPU431は、接続された内視鏡2が内視鏡βである場合は、偶数フィールド数分信号処理ブロック441および奇数フィールド数分信号処理ブロック442〜444のいずれも“非実行”に設定する。この場合、画像信号処理部436においては、遅延は生じていない。
またCPU431は、接続された内視鏡2が内視鏡γである場合は、偶数フィールド数分信号処理ブロック441、奇数フィールド数分信号処理ブロックB443および奇数フィールド数分信号処理ブロックC444を“実行”に設定し、奇数フィールド数分信号処理ブロックA442を“非実行”に設定する。この場合、画像信号処理部436においては、遅延は6フィールド数分である。
そしてCPU431は、接続された内視鏡2が内視鏡βまたは内視鏡γである場合は、画像信号処理部436において奇数フィールド数分の遅延が生じないことから、遅延部437において0フィールド数分の遅延処理を行うよう、すなわち、遅延量がゼロに設定されるよう、遅延量設定部451および遅延部437を制御する。
このように本第4の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、画像信号処理部436において奇数フィールド数分の遅延が生じない内視鏡2が接続される場合は、遅延部437における遅延量をゼロに設定することにより、トータルの遅延量を偶数フィールド数分のままとし、ODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止する。
以上説明したように、本第4の実施形態によると、画像信号処理部に封数の奇数フィールド数分信号処理ブロックを有する場合であっても、第2の実施形態と同様に、画像信号処理部436の直後の後段側に遅延部437を設け、接続される内視鏡2の種別により当該遅延部437における遅延量を制御することで、画像信号処理部436から出力される画像信号に奇数フィールド数分の遅延量が生じる場合には、遅延部437において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことによりトータルでの遅延量を偶数フィールド数分とし、接続される内視鏡2の種別により画像信号処理部436から出力される画像信号に奇数フィールド数分の遅延量が生じない場合は、遅延部437における遅延量をゼロに設定することで、いずれの場合でも、ODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止することができる。
なお、本第4の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、設定部たるCPU431は、所定の指示入力、例えば、ビデオプロセッサ403に接続された所定の指示入力手段6の指示によって前記各信号処理ブロックによる信号処理の実行または非実行を設定するようにしてもよい。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
上述した第4の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置は、画像信号処理部において、奇数フィールド数分の遅延を生じる複数の信号処理ブロックを備えることを特徴とするが、本第5の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置は、第4の実施形態と同様に画像信号処理部に複数の奇数フィールド数分信号処理ブロックを備えると共に、第3の実施形態の如きフィールド同期信号出力部および同期信号検出部を備えることを特徴とする。
図9は、本発明の第5の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置を含む内視鏡システムの構成を示したブロック図である。
本第5の実施形態の内視鏡システムは、その構成は基本的には第4の実施形態と同様であるので、ここでは第4の実施形態との差異のみの説明にとどめ、その他の詳細の説明は省略する。
図9に示すように本発明の第5の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ)503を含む内視鏡システム501は、第1の実施形態と同様に撮像ユニット21を有する内視鏡2と、前記内視鏡2が接続可能され、所定の信号処理を行う前記ビデオプロセッサ503と、ビデオプロセッサ503により生成された画像信号を表示する表示装置としてのモニタ5と、ビデオプロセッサ503に接続され所定の指示入力信号をビデオプロセッサ503に対して出力する指示入力手段6と、を主に備えて構成される。
ビデオプロセッサ503は、ビデオプロセッサ503内の各種回路の制御を行う制御部(CPU)531と、第1の実施形態と同様の固有情報格納部32、前処理部34、後段処理部38、表示制御部39と、を備える。
またビデオプロセッサ503は、CPU531の制御下に前処理部34から出力される画像信号を入力し所定の画像処理を施す画像信号処理部536と、前記画像信号処理部536から出力される画像信号に対して所定の遅延時間を付与する遅延部537と、前記画像信号処理部536における各信号処理ブロックおよび前記遅延部537と接続されCPU531の制御下に奇数フィールドの画像信号と偶数フィールドの画像信号とを記憶するフィールドメモリ533と、を備える。
また、本第5の実施形態においても、第2〜第4の実施形態と同様の機能を果たす遅延量設定部551をさらに備える。
本第5の実施形態において画像信号処理部536は、第4の実施形態と同様の機能を果たす偶数フィールド数分信号処理ブロック541、複数の奇数フィールド数分信号処理ブロック(奇数フィールド数分信号処理ブロックA542、奇数フィールド数分信号処理ブロックB543、奇数フィールド数分信号処理ブロックC544(以下、場合によって総合的に奇数フィールド数分信号処理ブロック542〜544と記載する))と、を有する。
なお、上記実施形態と同様に、これら偶数フィールド数分信号処理ブロック541および奇数フィールド数分信号処理ブロック542〜544は、第1〜第4の実施形態と同様に、フィールドメモリ533に接続される。
本第5の実施形態においては、第2、第4の実施形態と同様に、偶数フィールド数分信号処理ブロック541および奇数フィールド数分信号処理ブロック542〜544は、いずれもCPU531に制御され、当該各信号処理ブロックにおける処理の実行または非実行が設定されるようになっている。
すなわち、CPU531は、ビデオプロセッサ503に接続される内視鏡2の種別に応じて、固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて、偶数フィールド数分信号処理ブロック541および複数の奇数フィールド数分信号処理ブロック542〜544における信号処理の実行または非実行を設定するようになっている。
その一方で本第5の実施形態における画像信号処理部536は、第3の実施形態と同様に、前記偶数フィールド数分信号処理ブロック541および前記奇数フィールド数分信号処理ブロック542〜544による処理済画像信号に併走させてフィールド同期信号を出力するフィールド同期信号出力部545を備える。
さらに本第5の実施形態においてビデオプロセッサ503は、第3の実施形態と同様に、前記フィールド同期信号出力部545から出力されるフィールド同期信号ODD/EVENを入力し、当該フィールド同期信号に基づいて、画像信号処理部536から出力される前記処理済画像信号が奇数フィールドの信号であるか偶数フィールドの信号であるかを検出する同期信号検出部552を備える。
また、前記同期信号検出部552はCPU531に接続され、当該同期信号検出部552における検出結果はCPU531に伝達されるようになっている。
このような構成をなす本第5の実施形態は、CPU531は、ビデオプロセッサ503に接続される内視鏡2の種別が判別されかつ固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報により各信号処理ブロックの実行または非実行が認識できる場合においては、当該固有情報に応じて遅延量設定部551および遅延部537を制御する一方で、ビデオプロセッサ503に接続された内視鏡2に係る固有情報を認識することができないような場合においては、同期信号検出部552の検出結果に応じて遅延量設定部551および遅延部537を制御するようになっている。
本第5の実施形態において遅延部537は、フィールドメモリ533と接続され、画像信号処理部536における前記信号処理ブロックの信号処理を経た画像信号に対して、CPU531の制御下に、遅延量設定部551によって設定された遅延時間に応じて、奇数フィールド数分の遅延量を与え後段に出力する機能を有する。
<第5の実施形態の作用>
次に、本第5の実施形態の作用について説明する。
本第5の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ503)においてCPU531は、第4の実施形態と同様に、当該ビデオプロセッサ503に内視鏡2が接続されるとスコープID22からの情報に基づいて内視鏡2の種別を判定する。
ここでCPU531において、固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて各信号処理ブロックの実行または非実行が認識できる場合は、当該CPU531は、当該固有情報に応じて、第4の実施形態と同様に、遅延量設定部551および遅延部537を制御する。
一方で、ビデオプロセッサ503に接続された内視鏡2に係る固有情報が固有情報格納部32に格納されていない等、内視鏡固有情報を認識することができないような場合は、CPU531は、第3の実施形態と同様に、同期信号検出部552の検出結果に応じて遅延量設定部551および遅延部537を制御する。
以上説明したように、本第5の実施形態によると、第3の実施形態および第4の実施形態の両方の機能を備えることで、ビデオプロセッサ503に接続された内視鏡2に係る固有情報が認識できる場合または認識できない場合のいずれも場合であっても、画像信号処理部536から出力される画像信号に奇数フィールド数分の遅延量が生じる場合には、遅延部537において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことによりトータルでの遅延量を偶数フィールド数分とし、画像信号処理部536から出力される画像信号に奇数フィールド数分の遅延量が生じない場合は、遅延部537における遅延量をゼロに設定することで、いずれの場合でも、ODD/EVEN逆転による不具合の発生を防止することができる。
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
上述した第2〜第4の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置は、遅延部(遅延部237、337、437)は画像信号処理部(画像信号処理部236、336、436)の後段に接続され、画像信号処理部から出力される画像信号に対して所定の遅延量を付加する機能を有している。
これに対して、本第6の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置は、画像信号処理部内に設けた奇数フィールド数分信号処理ブロックごとに所定の遅延量を付加する遅延部を、当該画像信号処理部の内部に設けたことを特徴とする。
図10は、本発明の第6の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置を含む内視鏡システムの構成を示したブロック図である。
本第6の実施形態の内視鏡システムは、その構成は基本的には第4の実施形態と同様であり遅延部についてのみ異なるので、ここでは第4の実施形態との差異のみの説明にとどめ、その他の詳細の説明は省略する。
図10に示すように本発明の第6の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ)603を含む内視鏡システム601は、第1の実施形態と同様に撮像ユニット21を有する内視鏡2と、前記内視鏡2が接続可能され、所定の信号処理を行う前記ビデオプロセッサ603と、ビデオプロセッサ603により生成された画像信号を表示する表示装置としてのモニタ5と、ビデオプロセッサ603に接続され所定の指示入力信号をビデオプロセッサ603に対して出力する指示入力手段6と、を主に備えて構成される。
ビデオプロセッサ603は、ビデオプロセッサ603内の各種回路の制御を行う制御部(CPU)631と、第1の実施形態と同様の固有情報格納部32、前処理部34、後段処理部38、表示制御部39と、を備える。
またビデオプロセッサ603は、CPU631の制御下に前処理部34から出力される画像信号を入力し所定の画像処理を施す画像信号処理部636を備える。
本第5の実施形態において画像信号処理部636は、第4の実施形態と同様の機能を果たす偶数フィールド数分信号処理ブロック641、複数の奇数フィールド数分信号処理ブロック(奇数フィールド数分信号処理ブロックA642、奇数フィールド数分信号処理ブロックB643、奇数フィールド数分信号処理ブロックC644(以下、場合によって総合的にまとめて奇数フィールド数分信号処理ブロック642〜644と記載する))と、を有する。
なお、上記実施形態と同様に、これら偶数フィールド数分信号処理ブロック641および奇数フィールド数分信号処理ブロック642〜644は、第1〜第5の実施形態と同様に、フィールドメモリ633に接続される。
本第6の実施形態においては、第2、第4の実施形態と同様に、偶数フィールド数分信号処理ブロック641および奇数フィールド数分信号処理ブロック642〜644は、いずれもCPU631に制御され、当該各信号処理ブロックにおける処理の実行または非実行が設定されるようになっている。
すなわち、CPU631は、ビデオプロセッサ603に接続される内視鏡2の種別に応じて、固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて、偶数フィールド数分信号処理ブロック641および複数の奇数フィールド数分信号処理ブロック642〜644における信号処理の実行または非実行を設定するようになっている。
一方、本第6の実施形態において画像信号処理部636は、複数の各奇数フィールド数分信号処理ブロック642〜644毎に対応して設けられた遅延部を有する。
すなわち、画像信号処理部636は、奇数フィールド数分信号処理ブロックとして設けた奇数フィールド数分信号処理ブロックA642、奇数フィールド数分信号処理ブロックB643および奇数フィールド数分信号処理ブロックC644毎に、各信号処理ブロックから出力される画像信号に対して所定の遅延時間を付与する遅延部A646、遅延部B647および遅延部C648を付随的に備える。
また、本第6の実施形態においても、第2〜第4の実施形態と同様の機能を果たすと共に、前記遅延部A646、遅延部B647または遅延部C648に対して所定の遅延量を設定するための遅延量設定部651を備える。
前記遅延部A646、遅延部B647および遅延部C648は、それぞれ対応する奇数フィールド数分信号処理ブロックが“実行”に設定される場合は、CPU631の制御下に遅延量設定部651によって設定された遅延時間に応じて、それぞれの奇数フィールド数分信号処理ブロックから出力される画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延量を与え後段に出力する機能を有する。
<第6の実施形態の作用>
次に、本第6の実施形態の作用について説明する。
本第6の実施形態の内視鏡用画像信号処理装置(ビデオプロセッサ603)においてCPU631は、第4の実施形態と同様に、当該ビデオプロセッサ603に内視鏡2が接続されるとスコープID22からの情報に基づいて内視鏡2の種別を判定する。
次にCPU631は、固有情報格納部32に格納された内視鏡固有情報に基づいて各信号処理ブロックの実行または非実行を設定する。そして、“実行”に設定した奇数フィールド数分信号処理ブロックに対応する遅延部A646、遅延部B647または遅延部C648を駆動せしめ、遅延量設定部651によって設定された遅延時間に応じて、“実行”に設定した奇数フィールド数分信号処理ブロックから出力される画像信号に対して奇数フィールド数分の遅延量を与え後段に出力せしめる。
以上説明したように、本第6の実施形態によると、画像信号処理部636内におけるいずれかの奇数フィールド数分信号処理ブロックが稼働する場合、その稼働した奇数フィールド数分信号処理ブロックから出力される画像信号に対して、対応する遅延部において奇数フィールド数分の遅延処理を行うことにより、画像信号処理部636から出力される画像信号に係る遅延量を偶数フィールド数分とし、DD/EVEN逆転による不具合の発生を防止することができる。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能であり、上述した実施形態等を部分的に組み合わせる等して構成される実施形態も本発明に属する。