以下、本発明の実施形態を説明する。本実施形態は、デジタルカメラの実施形態である。
図1は、本実施形態のデジタルカメラのブロック図である。
図1において、デジタルカメラ本体100は、撮像素子1と、撮影レンズ2と、レンズ駆動回路3と、制御回路4と、操作部材5と、撮像素子駆動回路6と、信号処理回路7と、データ処理回路8と、圧縮/伸張回路9と、モニタ11と、表示制御回路12と、測光回路13と、ROM14とを有し、さらに記録媒体10が設けられている。
記録媒体10は、メモリカード、小型ハードディスク、DVD等の光ディスクなどで構成される。なお、記録媒体10は、デジタルカメラ本体100に内蔵されるものであっても、着脱可能に装着されるものであってもよいし、本体100の外部に設けられるものであってもよい。外部に設けられる場合、記録媒体10とデジタルカメラ本体100とは、有線または無線で電気的に接続される。
撮影レンズ2は、撮影光学系を構成する複数枚のレンズ群で構成され、撮像素子1の撮像面上に被写体像を結像させる。
撮影レンズ2は、不図示のフォーカスレンズを含み、レンズ駆動回路3がフォーカスレンズを光軸方向に進退駆動することにより、撮影レンズ2のフォーカス調節が行われる。また、撮影レンズ2は、不図示のズームレンズを含み、レンズ駆動回路3がズームレンズを光軸方向に進退駆動することにより、撮影レンズ2のズーム調節が行われる。
なお、簡単のため、図1では撮影レンズ2を1枚のレンズとして図示している。
レンズ駆動回路3は、制御回路4から出力されるレンズ駆動指令に応じてレンズ駆動信号を発生し、このレンズ駆動信号により不図示のレンズ駆動機構を駆動することで、撮影レンズ2の各レンズを移動させる。
撮像素子1は、連写撮影が可能な撮像素子であり、例えば、CCD型撮像素子、あるいはCMOS型撮像素子などによって構成される。なお、撮像素子1は、勿論、1フレーム毎の撮影も可能である。また、撮像素子1は、画素加算や間引き読み出しが可能な撮像素子である。
撮像素子駆動回路6は、制御回路4から出力される指令に応じて所定タイミングの駆動信号を発生し、この駆動信号を撮像素子1へ供給する。撮像素子1は、供給された駆動信号によって、電荷の蓄積(撮像)や蓄積した電荷の読み出しが制御される。
また、撮像素子駆動回路6は、制御回路4から出力される指令に基づき、撮像素子1の間引き読み出しや画素加算の動作モードを、例えば、1/2間引き読み出しや4画素加算などのモードに設定する。
ROM14には、制御回路4によって実行される各種のプログラムや、プログラムの実行に必要となるデータなどが予め格納される。なお、ROM14に格納されるデータの1つには、読み出し画素数と、撮影感度と、フレームレートとの撮影条件の設定値の組み合わせ可能なパターンの情報を格納するテーブルがある。このテーブルについては後述する。
制御回路4は、測光回路13による被写体の測光データを用いて被写界の明るさの情報を求め、この明るさの情報に基づいて、撮像素子1の電荷蓄積時間、撮影レンズ2の絞り、および撮像素子1から出力される画像信号の増幅率などの条件を決定する。
なお、被写界の明るさの情報は、撮像素子1から出力される画像信号に基づき、制御回路4が求める構成としてもよい。但し、そうした場合には、撮像素子1が測光回路13の機能を司る。
信号処理回路7は、制御回路4からの指令に応じて、撮像素子1から出力される画像信号に対し、CDS(相関二重サンプリング)、増幅(ゲイン調整)、A/D変換、ホワイトバランスなどの信号処理を施す。そして、信号処理回路7は、その信号処理後のデータを画像データとしてデータ処理回路8へ出力する。
また、信号処理回路7は、制御回路4からの指令に基づきゲイン調整の調整量(増幅率)を設定し、それによってISO感度に相当する撮影感度の調整を行う。
なお、本実施形態のデジタルカメラにおいては、撮影感度(ISO感度)は、信号処理回路7のゲイン調整の調整量と、撮像素子1の画素加算の動作モードとの組み合わせにより決定される。
データ処理回路8は、制御回路4からの指令に応じて、信号処理回路7から出力される画像データに対し、輪郭強調、カラー調整、ガンマ補正、解像度変換(画素数変換)などの画像処理を施す。
そして、データ処理回路8は、制御回路4からの指令に応じて、画像処理後の画像データをモニタ11に表示させるために表示制御回路12へ出力する。また、データ処理回路8は、制御回路4からの指令に応じて、画像処理後の画像データを圧縮/伸張回路9へ出力する。
表示制御回路12は、制御回路4からの指令に応じて、データ処理回路8から出力される画像データに所定の信号処理を施してモニタ11へ出力する。表示制御回路12は、さらに、撮影メニューやカーソル、またユーザーへの通知や警告が必要な情報などのオーバレイ画像データを前記画像データに重畳する処理を行う。これにより、オーバレイ画像が重畳された被写体画像がモニタ11に表示される。
圧縮/伸張回路9は、制御回路4からの指令に応じて、データ処理回路8から出力される画像データに、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等の所定の形式で圧縮処理を施し、その圧縮後の画像データを記録媒体10へ記録する。但し、操作部材5の操作により非圧縮記録が指示された場合には、圧縮/伸張回路9は、画像データを、圧縮処理を施すことなく記録媒体10へ記録する。
圧縮/伸張回路9は、可逆圧縮(いわゆるロスレス符号化)を行うことも可能な構成となっている。
操作部材5は、読み出し画素数と、撮影感度と、フレームレートとの撮影条件の設定値をユーザーに入力させるための設定釦、また撮影動作をユーザーに指示させるためのレリーズ釦などを含む。操作部材5は、ユーザーが行う部材操作の内容に応じた操作信号を制御回路4へ送る。
制御回路4は、操作部材5から撮影動作を指示する操作信号を受けると、撮像素子1から出力される画像信号のうち、撮影画面内にあらかじめ設定されているフォーカス検出領域に対応する信号を用いて、公知のコントラスト方式のAF(オートフォーカス)動作を行う。
具体的には、制御回路4は、信号処理回路7により信号処理が施された画像データのうち、フォーカス検出領域に対応するデータについての高周波数成分の積算値(いわゆる焦点評価値)を最大とするように、レンズ駆動指令(フォーカス調節信号)をレンズ駆動回路3へ与える。ここで、焦点評価値が最大となるフォーカスレンズの位置は、撮像素子1により撮影される被写体像のエッジのぼけをなくし、画像のコントラストを最大とした(尖鋭度を高めた)合焦位置である。
なお、コントラスト方式のAF動作に加えて、公知の瞳分割方式による位相差AF動作を行うように構成してもよい。もちろん、位相差AF動作のみを行う構成としてもよい。
また、制御回路4は、ROM14に予め格納されたプログラムを不図示のRAMへ読み出し、そのプログラムを実行することにより、読み出し画素数と、撮影感度と、フレームレートとの撮影条件の設定値を決定して設定したり、撮影を行うなどする。
ここで、撮影モード設定時および撮影時にデジタルカメラが行う一連の動作について簡単に説明する。
操作部材5のモード釦等の操作によりデジタルカメラが撮影モードに設定されると、制御回路4は、レンズ駆動回路3、撮像素子駆動回路6、信号処理回路7およびデータ処理回路8を駆動してスルー画像の撮影を開始する。
このとき、撮像素子1はドラフトモード(間引き読み出しモード)で駆動され、スルー画像の画像データが信号処理回路7およびデータ処理回路8を介して、順次、表示制御回路12へ出力される。
制御回路4は、表示制御回路12を駆動して、スルー画像をモニタ11に表示させる。また、制御回路4は、信号処理回路7を介して出力されるスルー画像の画像データを基に、レンズ駆動回路3と協働してAF(オートフォーカス)動作を行う。さらに、制御回路4は、測光回路13による被写体の測光データから決定した画像信号の増幅率などの条件に基づき、信号処理回路7のゲイン調整等の露出制御などを行う。
撮影モードで動作中にレリーズ釦が全押しされると、制御回路4は、測光回路13による被写体の測光データを用いて求めた被写界の明るさの情報に基づき、絞り値、シャッター速度、フラッシュ発光の有無などの条件を決定すると共に、その決定した条件の下でレンズ駆動回路3、撮像素子駆動回路6、信号処理回路7およびデータ処理回路8を駆動して本撮影を行う。
このとき、撮像素子1はフレームモード(全画素読み出しモード)で駆動され、撮影された撮影画像の画像データが信号処理回路7およびデータ処理回路8を介して表示制御回路12と圧縮/伸張回路9へ出力される。
制御回路4は、表示制御回路12を駆動して撮影画像をモニタ11に表示させ、また、圧縮/伸張回路9を駆動して撮影画像の画像データに圧縮処理を施し、その圧縮処理後の画像データを記録媒体10へ記録する。
ところで、画素加算や間引き読み出しが可能な撮像素子では、読み出し画素数に応じて、撮影感度とフレームレートとを変更することができる。
画素加算時には、加算する画素数が多くなると、撮像素子の撮影感度が高くなる。
例えば、2画素加算の場合は、2つの画素の信号を加算して1画素分の信号を出力する。この場合、画素面積が2倍になるのと同等であるため、撮像素子の撮影感度が高くなる。また、この場合は、ノイズの発生量も低減される。
また、4画素加算の場合は、4つの画素の信号を加算して1画素分の信号を出力する。この場合、画素面積が4倍になるのと同等であるため、撮像素子の撮影感度がさらに高くなる。また、この場合は、ノイズの発生量もさらに低減される。
ここで、読み出し画素数であるが、2画素加算時には、読み出し画素数は、全画素読み出し時の1/2に減少する。また、4画素加算時には、読み出し画素数は、全画素読み出し時の1/4に減少する。
つまり、全画素読み出し時と比べて、読み出し画素数を1/2にすれば、2画素加算が行えるので、撮像素子の撮影感度を高くすることができる。また、読み出し画素数を1/4にすれば、4画素加算が行えるので、撮像素子の撮影感度をさらに高くすることができる。
このように、画素加算が可能な撮像素子においては、読み出し画素数に応じて、撮像素子の撮影感度を変更することができる。
また、間引き読み出し時には、間引かれる画素数が多くなると、フレームレートの最高値が高くなる。
例えば、全画素読み出しと比べて、1/2間引き読み出しの場合、フレームレートの最高値は2倍になる。なぜならば、この場合に読み出される信号のデータ量は全画素読み出し時の1/2となるので、2倍のフレームレートで信号のデータを読み出しても、単位時間あたりの信号のデータ量は全画素読み出しの場合と同じになるからである。また、1/4間引き読み出しの場合、フレームレートの最高値は4倍になる。なぜならば、この場合に読み出される信号のデータ量は全画素読み出し時の1/4となるので、4倍のフレームレートで信号のデータを読み出しても、単位時間あたりの信号のデータ量は全画素読み出しの場合と同じになるからである。
ここで、読み出し画素数であるが、1/2間引き読み出し時には、読み出し画素数は、全画素読み出し時の1/2に減少する。また、1/4間引き読み出し時には、読み出し画素数は、全画素読み出し時の1/4に減少する。
つまり、全画素読み出し時と比べて、読み出し画素数を1/2にすれば、フレームレートの最高値を2倍にすることができる。また、読み出し画素数を1/4にすれば、フレームレートの最高値を4倍にすることができる。
なお、間引き読み出しでは、画素加算とは異なり1画素あたりの画素面積に変化はないので、撮像素子の撮影感度は全画素読み出し時と同じとなる。
このように、間引き読み出しが可能な撮像素子においては、読み出し画素数に応じて、フレームレートの最高値を変更することができる。
ところで、この点は、画素加算が可能な場合においても同様である。つまり、読み出し画素数が、2画素加算時には、1/2間引き読み出し時と同様に全画素読み出し時の1/2に減少し、4画素加算時には、1/4間引き読み出し時と同様に全画素読み出し時の1/4に減少する。このため、全画素読み出し時の2倍又は4倍のフレームレートで信号のデータを読み出しても、単位時間あたりの信号のデータ量は全画素読み出しの場合と同じになるからである。
上述したように、画素加算や間引き読み出しが可能な撮像素子を利用する場合、読み出し画素数に応じて、撮像素子の撮影感度とフレームレートとを変更することができる。
本実施形態のデジタルカメラでは、この点を利用して、読み出し画素数と、撮影感度(ISO感度)と、フレームレートとの撮影条件の何れか1つの設定値をユーザーが変更等するため入力したときに、撮影条件の残り2つの最適な設定値を自動的に決定する。なお、以下では、特に、読み出し画素数と、撮影感度と、フレームレートとの3つ条件を撮影条件と呼ぶことにする。
具体的には、読み出し画素数と、撮影感度と、フレームレートとの撮影条件の設定値の組み合わせ可能なパターンの情報を格納するテーブルを設ける。
そして、撮影条件の何れか1つの設定値をユーザーが変更等するため入力したときに、撮影条件の現在の設定値と、前記テーブルに基づいて、撮影条件の残り2つの最適な設定値を自動的に決定する。
ここで、そのパターンの情報を格納するテーブルについて説明する。
なお、以下では、撮像素子1の総画素数が1,600万(16M)画素であるものとして説明を行う。
先ず、読み出し画素数とフレームレートとの組み合わせ可能なパターンの情報を格納するテーブル(Aテーブル)について説明する。
撮像素子1は、その全画素(16M)を読み出す場合において、フレームレートの最高値が5フレーム/秒(fps)となる特性を有しているとする。
従って、読み出し画素数が16M(全画素読み出し)に設定された場合、それと組み合わせ可能なフレームレートの設定値は、5fpsのみである。
このことから、Aテーブルには、読み出し画素数「16M」とフレームレート「5fps」との組み合わせのパターンの情報が格納される。
図2に示すAテーブルの例では、読み出し画素数の16Mとフレームレートの5fpsとの交差部分に、この組み合わせが可能であることを示す「○」印が表示されている。
また、撮像素子1は、1/2間引き読み出し又は2画素加算、1/4間引き読み出し又は4画素加算が可能であるとする。この場合、読み出し画素数としては、上記の16M(全画素読み出し)以外に、8M(1/2間引き読み出し又は2画素加算)と、4M(1/4間引き読み出し又は4画素加算)との値が設定可能である。
従って、読み出し画素数が8M(1/2間引き読み出し又は2画素加算)に設定された場合、それと組み合わせ可能なフレームレートの設定値は、5fpsと、その2倍の10fpsである。そして、読み出し画素数が4M(1/4間引き読み出し又は4画素加算)に設定された場合、それと組み合わせ可能なフレームレートの設定値は、5fpsと、その2倍の10fpsおよび4倍の20fpsである。
このことから、Aテーブルには、読み出し画素数とフレームレートとの組み合わせとして、「8M」と「5fps」、「8M」と「10fps」とのパターンの情報が格納される。さらに、Aテーブルには、読み出し画素数とフレームレートとの組み合わせとして、「4M」と「5fps」、「4M」と「10fps」、「4M」と「20fps」とのパターンの情報が格納される。
図2に示すAテーブルの例では、読み出し画素数が8Mの場合、フレームレートの5fpsと10fpsとのそれぞれと交差する部分に、組み合わせが可能であることを示す「○」印が表示されている。さらに、読み出し画素数が4Mの場合、フレームレートの5fpsと10fpsと20fpsとのそれぞれと交差する部分に「○」印が表示されている。
このようにして、読み出し画素数とフレームレートとの組み合わせ可能なパターンの情報がAテーブルに格納される。
次に、読み出し画素数と撮影感度(ISO感度)との組み合わせ可能なパターンの情報を格納するテーブル(Bテーブル)について説明する。
ところで、通常、デジタルカメラにおいては、撮影感度が高くなるにつれて画像に発生するノイズの量が増加してしまう。
例えば、図3に示すように、読み出し画素数を16Mに設定して全画素読み出しを行う場合、ノイズの量は、撮影感度(ISO感度)の100付近から段々と増加し始めて800〜1600の間で許容限を越えてしまう。このように、撮影感度が高くなるにつれて発生するノイズの量が増加する。
ここで、許容限は、その量を越えると、画像に発生したノイズにより画質に問題が生じてしまうノイズ量の限度を定めたものである。
従って、読み出し画素数が16M(全画素読み出し)に設定された場合、それと組み合わせ可能な撮影感度の設定値は、50〜800とする。
このことから、Bテーブルには、読み出し画素数「16M」と、撮影感度「50」〜「800」のそれぞれとの組み合わせのパターンの情報が格納される。
図4に示すBテーブルの例では、読み出し画素数の16Mと、撮影感度(ISO感度)「50」〜「800」のそれぞれとが交差する部分に、組み合わせが可能であることを示す「○」印が表示されている。
このようにして、読み出し画素数16Mと撮影感度との組み合わせ可能なパターンの情報がBテーブルに格納される。
また、読み出し画素数を8Mに設定して1/2間引き読み出しを行う場合、発生するノイズの量は、16M設定で全画素読み出しを行う場合と同じになる。
ところが、8M設定の場合は、2画素加算が行えるため、ノイズ量を低減させつつ、撮影感度の設定可能な範囲を16M設定の場合よりも拡大することができる。
例えば、図3に示すように、読み出し画素数を8Mに設定し、低感度域においては1/2間引き読み出しを行うようにする。そして、感度(ゲイン)を上げてノイズの発生量が検知限を越える前に、即ち、撮影感度(ISO感度)の200〜400の間に、2画素加算を行うようにして撮像素子の感度を高くする。こうすることで、8M設定時には、撮影感度を、許容限を越えてしまう1600〜3200の間の値まで拡大することができる。
なお、検知限は、その量を越えなければ、人が画像を見た場合にノイズの発生に気づかないノイズ量の限度を定めたものである。
従って、読み出し画素数が8Mに設定された場合、それと組み合わせ可能な撮影感度の設定値は、50〜1600とする。そして、撮影感度が50〜200の低感度域においては1/2間引き読み出しを行い、400〜1600の高感度域においては2画素加算を行うようにする。
このことから、Bテーブルには、読み出し画素数「8M」と、撮影感度「50」〜「1600」のそれぞれとの組み合わせのパターンの情報が、1/2間引き読み出しと2画素加算のどちらを行うかを示す情報と共に格納される。
図4に示すBテーブルの例では、読み出し画素数の8Mと、撮影感度(ISO感度)「50」〜「1600」のそれぞれとが交差する部分に、組み合わせが可能であることを示す「1/2」または「2」との数字が表示されている。なお、この数字のうち「1/2」は、1/2間引き読み出しを行うことを示しており、また「2」は、2画素加算を行うことを示している。
このようにして、読み出し画素数8Mと撮影感度との組み合わせ可能なパターンの情報がBテーブルに格納される。
また、読み出し画素数を4Mに設定して1/4間引き読み出しを行う場合、発生するノイズの量は、16M設定で全画素読み出しを行う場合と同じになる。
ところが、4M設定の場合は、4画素加算が行えるため、ノイズ量を低減させつつ、撮影感度の設定可能な範囲を16M設定の場合よりもさらに拡大することができる。
例えば、図3に示すように、読み出し画素数を4Mに設定し、低感度域においては1/4間引き読み出しを行うようにする。そして、感度(ゲイン)を上げてノイズの発生量が検知限を越える前に、即ち、撮影感度(ISO感度)の200〜400の間に、4画素加算を行うようにして撮影感度を高くする。こうすることで、4M設定時には、撮影感度を、許容限を越えてしまう3200〜6400の間の値まで拡大することができる。
従って、読み出し画素数が4Mに設定された場合、それと組み合わせ可能な撮影感度の設定値は、50〜3200とする。そして、撮影感度が50〜200の低感度域においては1/4間引き読み出しを行い、400〜3200の高感度域においては2画素加算を行うようにする。
このことから、Bテーブルには、読み出し画素数「4M」と、撮影感度「50」〜「3200」のそれぞれとの組み合わせのパターンの情報が、1/4間引き読み出しと4画素加算のどちらを行うかを示す情報と共に格納される。
図4に示すBテーブルの例では、読み出し画素数の4Mと、撮影感度(ISO感度)「50」〜「3200」のそれぞれとが交差する部分に、組み合わせが可能であることを示す「1/4」または「4」との数字が表示されている。なお、この数字のうち「1/4」は、1/4間引き読み出しを行うことを示しており、また「4」は、4画素加算を行うことを示している。
このようにして、読み出し画素数4Mと撮影感度との組み合わせ可能なパターンの情報がBテーブルに格納される。
なお、上述したAテーブルおよびBテーブルは、ROM14などの不揮発性記憶媒体に記憶されており、デジタルカメラの電源ON時の初期設定動作などにおいて、制御回路4により、ROM14から不図示のRAMに読み出されて使用される。
以下、デジタルカメラが、上述したAテーブルおよびBテーブルに基づき撮影条件の設定値を決定して設定する動作を、図5の流れ図を参照して説明する。
図5のフローは、例えば、ユーザーが操作部材5の設定釦等を操作して、撮影条件の設定値を入力した場合などに実行される。
ステップ101:読み出し画素数と、撮影感度(ISO感度)と、フレームレートとの撮影条件の何れか1つを変更するための設定値(入力値A)をユーザーが入力すると、制御回路4は、撮影条件の残り2つの現在の設定値(現在値B、現在値C)を取得する。
ステップ102:制御回路4は、AテーブルおよびBテーブルを参照して、入力値Aと、現在値Bと、現在値Cとを組み合わせたパターンがテーブルに存在するかを調べる。
(組み合わせパターン例1)
例えば、現在、読み出し画素数が8M、フレームレートが10fps、撮影感度(ISO感度)が1600に設定されているとする。そして、ユーザーが、読み出し画素数を変更するため、その設定値として4M(入力値A)を入力したとする。
この場合、制御回路4は、先ず、Aテーブルを参照して、入力値A「4M」と、フレームレートの現在の設定値(現在値B)「10fps」とを組み合わせたパターンが存在するかを調べる。例えば、図2のAテーブルの例をみると、読み出し画素数、即ち、入力値A「4M」と、フレームレート、即ち、現在値B「10fps」との交差部分には、この組み合わせが可能であることを示す「○」印が表示されている。
次に、制御回路4は、Bテーブルを参照して、読み出し画素数、即ち、入力値A「4M」と、撮影感度の現在の設定値、即ち、現在値C「1600」とを組み合わせたパターンが存在するかを調べる。例えば、図4のBテーブルの例をみると、読み出し画素数、即ち、入力値A「4M」と、撮影感度(ISO感度)、即ち、現在値C「1600」との交差部分には、この組み合わせが可能であることを示す「4」との数字が表示されている。
つまり、この場合、読み出し画素数とフレームレートとの組み合わせについても、読み出し画素数と撮影感度との組み合わせについても、パターンが存在する。したがって、この場合には、パターンが存在することとなる。
(組み合わせパターン例2)
また、例えば、現在、読み出し画素数が8M、フレームレートが10fps、撮影感度(ISO感度)が200に設定されているとする。そして、ユーザーが、撮影感度を変更するため、その設定値として400(入力値A)を入力したとする。
この場合、制御回路4は、Bテーブルを参照して、入力値A「400」と、読み出し画素数の現在の設定値(現在値B)「8M」とを組み合わせたパターンが存在するかを調べる。例えば、図4のBテーブルの例をみると、読み出し画素数、即ち、現在値B「8M」と、撮影感度(ISO感度)、即ち、入力値A「400」との交差部分には、この組み合わせが可能であることを示す「2」との数字が表示されている。
なお、図2のAテーブルの例では、読み出し画素数、即ち、現在値B「8M」と、フレームレートの現在の設定値、即ち、現在値C「10fps」との交差部分には、この組み合わせが可能であることを示す「○」印が表示されている。
つまり、この場合、読み出し画素数と撮影感度との組み合わせについても、読み出し画素数とフレームレートとの組み合わせについてもパターンが存在する。したがって、この場合には、パターンが存在することとなる。
(組み合わせパターン例3)
また、例えば、現在、読み出し画素数が16M、フレームレートが5fps、撮影感度(ISO感度)が800に設定されているとする。そして、ユーザーが、フレームレートを変更するため、その設定値として10fps(入力値A)を入力したとする。
この場合、制御回路4は、Aテーブルを参照して、入力値A「10fps」と、読み出し画素数の現在の設定値(現在値B)「16M」とを組み合わせたパターンが存在するかを調べる。例えば、図2のAテーブルの例をみると、読み出し画素数、即ち、現在値B「16M」と、フレームレート、即ち、入力値A「10fps」との交差部分には、この組み合わせが不可能であることを示す「×」印が表示されている。
なお、図4のBテーブルの例では、読み出し画素数、即ち、現在値B「16M」と、撮影感度(ISO感度)の現在の設定値、即ち、現在値C「800」との交差部分には、この組み合わせが可能であることを示す「○」との数字が表示されている。
つまり、この場合、読み出し画素数と撮影感度との組み合わせは、パターンが存在するが、読み出し画素数とフレームレートとの組み合わせは、パターンが存在しない。したがって、この場合には、パターンが存在しないこととなる。
ステップ103:制御回路4は、存在を調べた結果、パターンがテーブルに存在しない場合にはステップ107へ移行する(No側)。一方、制御回路4は、パターンがテーブルに存在する場合にはステップ104へ移行する(Yes側)。
ステップ104:制御回路4は、撮影条件に対して設定可能な設定値の範囲(設定可能範囲)が変化するか否かを調べる。
ここで、設定可能範囲の変化について説明する。
例えば、上述した組み合わせパターン例1の場合においては、読み出し画素数が8Mに設定されており、ユーザーが、それを変更するために4Mとの設定値を入力する。
この場合、図2のAテーブルの例に示すように、読み出し画素数が8Mであれば、組み合わせ可能なフレームレートは、例えば「5fps」と、「10fps」とになる。一方、ユーザーが変更のために入力した4Mの場合には、組み合わせ可能なフレームレートは、例えば「5fps」と、「10fps」と、「20fps」とになる。この増加した「20fps」との値は、8Mのパターンを拡張する方向の設定値である。
つまり、読み出し画素数を、ユーザーが、8Mから4Mに変更する場合は、フレームレートの設定可能範囲が、例えば「5fps」、「10fps」から「5fps」、「10fps」、「20fps」に、拡張する方向に変化する。
なお、これとは反対に、読み出し画素数を4Mから8Mに変更する場合は、フレームレートの設定可能範囲は縮小する方向に変化する。
また、読み出し画素数を変更する場合は、図4のBテーブルの例に示すように、撮影感度(ISO感度)の設定可能範囲についても同様に変化する。
制御回路4は、このような設定可能範囲の変化の有/無を調べて、設定可能範囲が変化する場合はステップ105へ移行する(Yes側)。
一方、制御回路4は、設定可能範囲に変化が無い場合は、ステップ109へ移行する(No側)。なお、設定可能範囲に変化が無い場合の例としては、上述した組み合わせパターン例2の場合が挙げられる。
ステップ105:制御回路4は、撮影条件に対する設定値の設定可能範囲を変更する。
例えば、上述した組み合わせパターン例1のように、読み出し画素数を、ユーザーが、8Mから4Mに変更する場合は、図2のAテーブルの例に示すように、フレームレートの設定可能範囲を、例えば「5fps」、「10fps」、「20fps」との範囲に変更(拡張)する。また、このとき、撮影感度(ISO感度)の設定可能範囲についても、図4のBテーブルの例に示すように、例えば「50」、「100」、「200」、「400」、「800」、「1600」、「3200」との範囲に変更(拡張)する。
ステップ106:制御回路4は、表示制御回路12を駆動して、設定可能範囲が変更されたことを示す情報をモニタ11に表示させる。この表示により、ユーザーは設定可能範囲が変更されたこと知ることができる。
なお、上述した組み合わせパターン例1の場合においては、設定可能範囲が拡張されたことを示す情報がモニタ11に表示される。この場合における画面表示のイメージの例を図6に示す。図6の例は、ユーザーが読み出し画素数を8Mから4Mに変更することによって、撮影感度(ISO感度)の設定可能範囲における最高感度がISO1600から「ISO3200」へ拡張されたことを表示している。
また、設定可能範囲が縮小された場合には、特に、そのことをユーザーに知らせる必要があるため、設定可能範囲が拡張された場合よりもユーザーが気付きやすいように、縮小されたことの警告を表示してもよい。
このような表示を行った後、所定の時間が経過すると、制御回路4はステップ109へ移行する。
ステップ107:制御回路4は、ユーザーが入力した撮影条件の1つに対する設定値を優先し、その入力値を含んだ最も近いパターンをテーブルから選択する。
例えば、上述の組み合わせパターン例3の場合においては、現在の読み出し画素数が「16M」であるときに、ユーザーが、現在のフレームレート「5fps」を変更するために、「10fps」との設定値を入力する。しかし、例えば、図7に示すAテーブルの例では、読み出し画素数「16M」と、フレームレート「10fps」との組み合わせのパターンは存在しない。
このように一致するパターンがテーブルに存在しない場合、制御回路4は、ユーザーが入力した「10fps」との設定値を優先した上で、その入力値を含んだ最も近いパターンをテーブルから選択する。例えば、図7のAテーブルの例では、制御回路4は、現在の読み出し画素数「16M」に最も近く、かつ、ユーザーが入力したフレームレートの設定値「10fps」と組み合わせることが可能なパターンである読み出し画素数の「8M」を選択する。
また、このように、読み出し画素数「8M」とフレームレート「10fps」とのパターンが選択されたことにより、撮影感度(ISO感度)の設定可能範囲が変化してしまう。この場合、読み出し画素数は「16M」から「8M」に変更されることとなるので、撮影感度の設定可能範囲は拡張する方向に変化する。このため、例えば上述の組み合わせパターン例3の場合においては、現在の撮影感度(ISO感度)が「800」であるので、制御回路4は、撮影感度「800」と、読み出し画素数「8M」とのパターンがBテーブルに存在するかを調べる。例えば、図4のBテーブルの例では、このパターンがテーブルに存在するので、制御回路4は、この撮影感度「800」と、読み出し画素数「8M」との組み合わせを選択する。
即ち、上述の組み合わせパターン例3の場合においては、制御回路4は、ユーザーが入力したフレームレート「10fps」と、現在の読み出し画素数「16M」に最も近い「8M」と、現在の撮影感度「800」との組み合わせを選択する。なお、この場合には、読み出し画素数が、現在の設定値の「16M」から「8M」に減少することとなる。
ステップ108:制御回路4は、表示制御回路12を駆動して、ユーザーが入力したものを除く、撮影条件の残り2つの現在の設定値の何れか一方または双方が減少することを示す警告をモニタ11に表示させる。ここで、読み出し画素数の現在の設定値が減少する場合における画面表示のイメージの例を図8に示す。図8の例は、読み出し画素数が、現在設定されている16M(1600万画素)から8M(800万画素)に減少することの警告を表示している。
また、制御回路4は、所定の時間が経過すると、ステップ104へ移行する。
ステップ109:制御回路4は、ユーザーが入力した設定値を除く撮影条件の残り2つに対する設定値を決定する。
例えば、組み合わせパターン例1の場合においては、現在の読み出し画素数「8M」を変更するためにユーザーが入力した「4M」と、現在のフレームレート「10fps」及び現在の撮影感度(ISO感度)「1600」とのパターンがテーブルに存在した。
このため、制御回路4は、読み出し画素数を、ユーザーが入力した「4M」に、そして、撮影条件の残り2つの設定値を、フレームレート「10fps」と、撮影感度「1600」とに決定する。
また、例えば、組み合わせパターン例2の場合においては、現在の撮影感度(ISO感度)「200」を変更するためにユーザーが入力した「400」と、現在の読み出し画素数「8M」とのパターンがテーブルに存在した。そして、その現在の読み出し画素数「8M」と、現在のフレームレート「10fps」とのパターンもテーブルに存在する。
このため、制御回路4は、撮影感度を、ユーザーが入力した「400」に、そして、撮影条件の残り2つの設定値を、読み出し画素数「8M」と、フレームレート「10fps」とに決定する。
また、例えば、組み合わせパターン例3の場合においては、現在のフレームレート「5fps」を変更するためにユーザーが入力した「10fps」と、現在の読み出し画素数「16M」とのパターンはテーブルに存在しなかった。
このため、制御回路4は、ユーザーが入力した「10fps」との設定値を優先した上で、その入力値を含んだ最も近いパターンをテーブルから選択した。例えば、図7のAテーブルの例では、制御回路4は、現在の読み出し画素数「16M」に最も近く、かつ、ユーザーが入力したフレームレートの設定値「10fps」と組み合わせることが可能なパターンである読み出し画素数の「8M」を選択した。
また、この選択により撮影感度(ISO感度)の設定可能範囲が変化してしまうので、制御回路4は、現在の撮影感度(ISO感度)「800」と、読み出し画素数「8M」とのパターンがテーブルに存在することを調べた上で、この組み合わせを選択した。
制御回路4は、このように選択した内容に基づき、フレームレートを、ユーザーが入力した「10fps」に、そして、撮影条件の残り2つの設定値を、読み出し画素数「8M」と、撮影感度「800」とに決定する。
上記のように決定した設定値に基づき、制御回路4は、撮像素子駆動回路6に対して、撮像素子1の読み出し画素数とフレームレートとを設定する。
また、制御回路4は、上記のように決定した撮影感度(ISO感度)の設定値に基づき、撮像素子駆動回路6に対して、撮像素子1の間引き読み出しや画素加算の動作モードを設定すると共に、データ処理回路8に対してゲイン調整の調整量を設定する。
なお、この設定において、制御回路4は、組み合わせパターン例1の場合には、撮像素子1の前記動作モードを、これまでの2画素加算から4画素加算のモードに変更する。また、組み合わせパターン例2の場合には、制御回路4は、撮像素子1の前記動作モードを、これまでの1/2間引き読み出しから2画素加算のモードに変更する。また、組み合わせパターン例3の場合には、制御回路4は、撮像素子1の前記動作モードを、これまでの全画素読み出しから2画素加算のモードに変更する。
そして、制御回路4は、本フローの処理を終了する。
なお、この後に、ユーザーがレリーズ釦を押下すると、読み出し画素数と、撮影感度(ISO感度)と、フレームレートとの撮影条件の設定が上述した処理により行われた状態で、制御回路4は、撮影動作を開始する。
(本実施形態の補足事項)
以下、ユーザーが、撮影条件の読み出し画素数を変更する場合の例を説明する。
例えば、現在、読み出し画素数が8M、フレームレートが10fps、撮影感度(ISO感度)が1600に設定されているとする。そして、ユーザーが、読み出し画素数を変更するため、その設定値として16M(入力値A)を入力したとする。
この場合、上記ステップ102において、制御回路4は、Aテーブルを参照して、入力値A「16M」と、フレームレートの現在の設定値「10fps」(現在値B)とを組み合わせたパターンが存在するかを調べる。例えば、図2のAテーブルの例をみると、読み出し画素数、即ち、入力値A「16M」と、フレームレート、即ち、現在値B「10fps」との交差部分には、この組み合わせが不可能であることを示す「×」印が表示されている。また、制御回路4は、Bテーブルを参照して、入力値A「16M」と、撮影感度の現在の設定値「1600」(現在値C)とを組み合わせたパターンが存在するかを調べる。例えば、図4のBテーブルの例をみると、読み出し画素数、即ち、入力値A「16M」と、撮影感度、即ち、現在値C「1600」との交差部分には、この組み合わせが不可能であることを示す「×」印が表示されている。
つまり、この場合、読み出し画素数とフレームレートとの組み合わせについても、読み出し画素数と撮影感度との組み合わせについても、パターンが存在しない。
したがって、この場合、上記ステップ103において、制御回路4は、テーブルにパターンが存在しないと判断して、ステップ107(No側)へ移行する。
上記ステップ107においては、制御回路4は、読み出し画素数を変更するためにユーザーが入力した入力値A「16M」を優先した上で、その入力値を含んだ最も近いフレームレートとの組み合わせのパターンをテーブルAから選択する。例えば、図2のAテーブルの例では、制御回路4は、フレームレートの現在値B「10fps」に最も近く、かつ、ユーザーの入力値A「16M」と組み合わせることが可能なパターンであるフレームレートの「5fps」を選択する。また、制御回路4は、ユーザーの入力値A「16M」を優先した上で、その入力値を含んだ最も近い撮影感度(ISO感度)との組み合わせのパターンをBテーブルから選択する。例えば、図4のBテーブルの例では、制御回路4は、撮影感度の現在値C「1600」に最も近く、かつ、ユーザーの入力値A「16M」と組み合わせることが可能なパターンである撮影感度の「800」を選択する。
このように、パターンが選択されたことにより、フレームレートと撮影感度は、現在の設定値である「10fps」と「1600」から「5fps」と「800」に減少する。このため、上記ステップ108においては、制御回路4は、表示制御回路12を駆動して、フレームレートの設定値が「5fps」に、また撮影感度の設定値が「800」に減少することを示す警告をモニタ11に表示させる。
また、読み出し画素数が、現在の「8M」からユーザーが入力した「16M」に変更されることになるので、フレームレートおよび撮影感度の設定可能範囲は何れも縮小する方向に変化してしまう。このため、上記ステップ104においては、制御回路4は、それらの撮影条件に対して設定可能な設定値の範囲(設定可能範囲)が変化すると判断して、ステップ105へ移行する(Yes側)。そして、上記ステップ105においては、制御回路4は、撮影条件のフレームレートと撮影感度とに対する設定値の設定可能範囲をそれぞれ変更(縮小)する。また、上記ステップ106においては、制御回路4は、表示制御回路12を駆動して、設定可能範囲が変更されたことを示す情報をモニタ11に表示させる。
このような処理の結果、制御回路4は、上記ステップ109において、ユーザーが入力した設定値を除く撮影条件の残り2つに対する設定値を決定する。具体的には、制御回路4は、読み出し画素数を、ユーザーが入力した「16M」に、そして、撮影条件の残り2つの設定値を、フレームレート「5fps」と、撮影感度(ISO感度)「800」とに決定する。
(実施形態の作用効果)
以下、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態のデジタルカメラでは、読み出し画素数と、撮影感度(ISO感度)と、フレームレートとの撮影条件の何れか1つを変更するための設定値(入力値A)がユーザーにより入力されると、先ず、撮影条件の残り2つの現在の設定値(現在値B、現在値C)が取得される。次に、AテーブルおよびBテーブルが参照され、入力値Aと、現在値Bと、現在値Cとを組み合わせたパターンがテーブルに存在するかが調べられる。そして、テーブルにパターンが存在する場合は、撮影条件の残り2つの設定値が、現在値Bと、現在値Cとに決定されて、これら現在値B、現在値Cと、ユーザーにより入力された入力値Aとに基づき、読み出し画素数と撮影感度(ISO感度)とフレームレートとが設定される。
従って、本実施形態のデジタルカメラによれば、読み出し画素数と、撮影感度と、フレームレートとの最適設定を容易に行うことができる。
また、本実施形態のデジタルカメラでは、テーブルにパターンが存在しない場合は、ユーザーにより入力された撮影条件の1つに対する設定値が優先されて、その入力値を含んだ最も近いパターンがテーブルから選択される。そして、選択されたパターンを基に撮影条件の残り2つの設定値が決定されて、ユーザーにより入力された撮影条件の何れか1つに対する設定値と、その決定された2つの設定値とに基づき、読み出し画素数と撮影感度(ISO感度)とフレームレートとが設定される。
従って、本実施形態のデジタルカメラによれば、読み出し画素数と、撮影感度と、フレームレートとの最適設定を容易に行うことができる。
また、本実施形態のデジタルカメラでは、ユーザーにより入力された設定値を含んだ最も近いパターンがテーブルから選択されたときには、撮影条件の残り2つの現在の設定値の何れか一方または双方が減少することを示す警告がモニタ11に表示される。このため、ユーザーは、選択されたパターンに基づき設定される撮影条件の内容が意図に反する場合にも、警告表示によってそのことを知ることができる。
従って、本実施形態のデジタルカメラによれば、ユーザーは、読み出し画素数と、撮影感度(ISO感度)と、フレームレートとの撮影条件の設定を確実に行うことができる。
また、本実施形態のデジタルカメラでは、設定可能範囲が変化する場合には、設定可能範囲が新たな範囲に変更されると共に、変更されたことを示す情報がモニタ11に表示される。このため、ユーザーは、デジタルカメラに入力可能な設定値の新たな範囲をその表示によって知ることができる。
従って、本実施形態のデジタルカメラによれば、ユーザーは、読み出し画素数と、撮影感度(ISO感度)と、フレームレートとの撮影条件の設定を効率的に行うことができる。
(その他)
なお、上述したBテーブルとして、例えば、図9に示す内容のテーブルを使用することもできる。図9のテーブルでは、拡張設定1の場合を示す「△」と、拡張設定2の場合を示す「▲」との印が新たに追加され、また、これらの追加により撮影感度(ISO感度)の設定可能範囲が拡張されている。
なお、拡張設定1と拡張設定2は、設定可能ではあるが、その範囲に撮影感度を設定した場合、発生するノイズにより画像の画質劣化が目立つこととなる範囲を示している。但し、画質劣化の程度は、拡張設定2の方が拡張設定1よりも大きくなる。
また、拡張設定1または拡張設定2の範囲の撮影感度を設定可能とするには、例えば、ユーザーがデジタルカメラのモード設定項目の「拡張設定1」または「拡張設定2」の項目を「有効」に設定する。これにより、例えば、ユーザーが「拡張設定2」の項目を有効にした場合、図9のテーブルでは、読み出し画素数8Mと組み合わせることが可能な撮影感度の範囲は、「25」〜「6400」となる。即ち、この場合には、撮影感度の設定可能範囲は「25」〜「6400」となり、非拡張設定時の「50」〜「1600」よりも設定可能範囲が拡張される。
1…撮像素子,2…撮影レンズ,3…レンズ駆動回路,4…制御回路,5…操作部材,6…撮像素子駆動回路,7…信号処理回路,8…データ処理回路,9…圧縮/伸張回路,10…記録媒体,11…モニタ,12…表示制御回路,13…測光回路,14…ROM,100…デジタルカメラ本体