JP6497502B2 - 酢酸ビニル系重合体エマルジョン - Google Patents

酢酸ビニル系重合体エマルジョン Download PDF

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Description

本発明は、特定の有機過酸化物を用いて重合することによって得た酢酸ビニル系重合体エマルジョン、並びにこの酢酸ビニル系重合体エマルジョンを使用した接着剤に関する。
酢酸ビニル系重合体エマルジョンは、従来より接着剤や塗料などの用途に幅広く使用されており、その用途によって多種多様な検討がなされている。
従来の酢酸ビニル系重合体エマルジョンでは、重合開始剤に過酸化水素を使用した乳化重合により製造されることが一般的である。しかし、過酸化水素を用いた場合、得られたエマルジョン中に酢酸ビニルモノマー(以下、残存モノマーと称する)が残存し、機械的物性値の低下や臭気の残存、環境問題等の問題を引き起こすことがある。そこで、水性ポリマー分散液中の残留モノマー含量を減少させる方法として、ヒドロペルオキシドを用いる、下記特許文献1が提案されている。
特表2001−516775号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているt−ブチルヒドロペルオキシドを用いて実際に重合評価を行ったところ、残存モノマーの低減には不十分であった。
そこで、本発明の目的は、上記問題を考慮し、重合後の残存モノマーが少なくなることで、臭気の低減が可能な酢酸ビニル系重合体エマルジョンを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の有機過酸化物を用いることによって、本発明の目的を達成する酢酸ビニル系重合体エマルジョンを発明するに至った。
すなわち本発明は、以下[1]〜[7]である。
[1] (A)酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物を、(B)乳化剤、(C)重合開始剤および(D)還元剤の存在下に乳化重合することにより酢酸ビニル系重合体エマルジョンを製造する方法であって、
(C)重合開始剤が(C1)3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドを含むことを特徴とする酢酸ビニル系重合体エマルジョンの製造方法
[2] 前記(C)重合開始剤が、(C1)3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドのみである[1]の方法
[3] 前記(C)重合開始剤が、(C2)前記(C1)以外の有機ヒドロペルオキシドもしくは(C3)過酸化水素の1種以上を含む[1]の方法
[4] 前記(C2)有機ヒドロペルオキシドが、tert−ブチルヒドロペルオキシドである[3]の方法
[5] 前記(A)酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物が、酢酸ビニルのみである[1]〜[4]のいずれかの方法
[6] 前記(A)酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物が、酢酸ビニルと酢酸ビニルと共重合可能なビニル単量体とを含む[1]〜[4]のいずれかの方法
[7] 酢酸ビニル系重合体エマルジョンからなる接着剤を製造する方法であって、
[1]〜[6]のいずれかの方法によって前記酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得ることを特徴とする方法
また、前記の(A)酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物は、酢酸ビニル単量体のみからなってもよい。
本発明によれば、特定の有機過酸化物を、酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物の乳化重合開始剤に使用することにより、残存モノマーが低減されることで臭気を低減することができる。具体的には、本発明の乳化重合用単量体組成物には、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドが重合開始剤として用いられている。3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドは、t−ブチルヒドロペルオキシドよりもアルキル鎖が長いものの、水酸基を含有するために、t−ブチルヒドロペルオキシドよりも水溶性が高いという特徴をもつ。この3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドは、還元剤を併用することによりレドックス反応による活性ラジカルを生じる。したがって、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドを重合開始剤として使用することにより、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドから生じた活性ラジカルによりポリマーが生成する。
<乳化重合用単量体組成物>
本発明の酢酸ビニル系重合体エマルジョンは、(A)酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物を、(B)乳化剤、(C)重合開始剤および(D)還元剤の存在下に乳化重合することによって得られる。
<A.酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物>
本発明で用いることができる酢酸ビニルは、従来より接着剤分野等で使用される酢酸ビニルである。
また、本発明の効果を損なわない限り、酢酸ビニルと共重合可能なビニル単量体を用いることが可能である。酢酸ビニルと共重合可能な単量体としては、例えば、エチレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有単量体類、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体類、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体類、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系単量体類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸メチル等のエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル類が挙げられる。また、官能基を有するビニル単量体も使用可能であり、例えば、イタコン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジブチル等のエチレン性不飽和ポリカルボン酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸類、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のエチレン性不飽和ポリカルボン酸類、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体類、N−メチロールアクリルアミド等のメチロール基含有単量体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアルコール性水酸基含有単量体類、メトキシエチルアクリレート等のアルコキシル基含有単量体類、アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体類、アクリルアミド等のアミド基含有単量体類、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有単量体類、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート等の一分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体類等が挙げられる。
上記乳化重合には、公知のあらゆる乳化重合法を採用することができる。単量体及びその他の重合助剤(例えば、アルキル硫酸エステル塩等の乳化剤、過硫酸アンモニウム等の重合開始剤、メルカプタン類等の連鎖移動剤、炭酸ソーダ等のpH調整剤、各種消泡剤他)を初期に一括添加してもよいし、連続的に添加してもよいし、その一部を重合中に連続又は分割して添加してもよい。
<B.乳化剤>
乳化重合反応に用いる、乳化剤又は分散剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、反応性乳化剤等全ての界面活性剤が使用でき、いずれの界面活性剤も本発明の(B)乳化剤として用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、ナトリウムドデシルサルフェートもしくはカリウムドデシルサルフェート等のアルカリ金属アルキルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート等のアンモニウムアルキルサルフェート、ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート、ナトリウムスルホリシノエート、スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩もしくはスルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネート、ナトリウムラウレートもしくはトリエタノールアミンオレエートもしくはトリエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートもしくはアルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属塩サルフェート等のアルキルアリールスルホネート、高アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルサルフェート塩、又はポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等が使用できる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールのモノラウレート等の脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体、又はエチレンオキサイドと脂肪酸アミンもしくはアミドもしくは酸との縮合生成物等が使用できる。
カチオン性界面活性剤としては、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、牛脂アルキルプロピレンジアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が使用できる。
両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、アクリルグリシン、アミドベタイン型、イミダゾリン型等が使用できる。
高分子界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、又はこれらの重合体の構成単位である重合性単量体の2種以上の共重合体もしくは他の単量体との共重合体等が使用できる。また、クラウンエーテル類等の相関移動触媒等も、界面活性を示すものとして有用である。
反応性乳化剤としては、日油株式会社製のブレンマーシリーズ、花王株式会社製のラテムルPDシリーズ、第一工業製薬株式会社製のアクアロンシリーズ、三洋化成工業株式会社製のエレミノールJSもしくはRS、日本乳化剤株式会社製のアントックスシリーズ、株式会社ADEKA製のアデカリアソープシリーズ、又は新中村化学工業株式会社製のNKエステルMシリーズ等が使用できる。
(B)乳化剤は、従来公知の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概ね、上記(A)酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物の総量100質量部に対して0.01〜35質量部、好ましくは0.1〜20質量部、更に好ましくは0.5〜10質量部である。0.01質量部未満ではこの乳化に於いて安定な乳化状態が得られず、35質量部を超えると乳化に於いては過剰量となり、意味がないばかりか無駄なコスト増加を招く。なお、本明細書において、数値範囲を示す「○○〜××」とは、特に明示しない限り「○○以上××以下」を意味する。
<C.重合開始剤>
本発明で使用する(C)重合開始剤は、(C1)3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドである。3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドは、従来公知の乳化重合用重合開始剤の通常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概ね、上記(A)酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物の総量100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜1質量部が良い。
本発明で使用する3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド以外の(C2)有機ヒドロペルオキシド化合物としては、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、tert−ヘキシルヒドロペルオキシド、2,4,4−トリメチル−2−ペンチルヒドロペルオキシド、2−シクロヘキシル−2−プロピルヒドロペルオキシド、2−メチル−2−ウンデシルヒドロペルオキシド、2−フェニル−2−プロピルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ヒドロペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ヒドロペルオキシ)−3−ヘキシン、1,3−ビス(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)ベンゼン及び1,4−ビス(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)ベンゼンなどが好ましく挙げられ、tert−ブチルヒドロペルオキシドがより好ましい。
この有機過酸化物は、種々のビニル単量体を乳化重合する際の重合開始剤として有効に使用される。有機ヒドロペルオキシド化合物は、還元剤を併用することによりレドックス反応による活性ラジカルを生じる。したがって、この有機過酸化物を重合開始剤として使用することにより、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドから生じた活性ラジカルによりポリマーが生成する。
また、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドは分子内に水酸基を有している。一般に有機過酸化物を用いた重合では、有機過酸化物から生じた活性ラジカルから重合が進行するため、ポリマーの末端に重合開始剤の一部が導入される。したがって、この有機過酸化物を重合開始剤として使用して得られるポリマーの末端には、重合開始剤由来の水酸基が導入される。水酸基を含むポリマーは、塗料、粘接着剤、ウレタンフォーム、ゲルコート剤、各種成型材料、床材等の用途に用いることができる。例えば、2液型(反応型)の塗料や粘接着剤などにおいて、水酸基を含むポリマーとイソシアネート基を含むポリマーとの反応によりウレタン結合などを形成することにより、3次元的な架橋構造をとることで強固な接着を可能とすることができる。
なお、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドは、重合後期に残存モノマーの低減のために添加することも可能である。
本発明で使用する(C3)過酸化水素は、従来公知の使用量の範囲で任意に使用することができる。
<D.還元剤>
(D)還元剤としては、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリット、グルコース、ホルマリン、硫酸第一鉄、硫酸銅、重亜硫酸ナトリウム、チオ尿素などが挙げられるが、それらに限定されるものではない。その使用量としては、使用される3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドと同一モル数が好ましいが、0.2〜2倍モル数の範囲で適宜使用量を加減することができる。
<添加剤>
本発明の酢酸ビニル系重合体エマルジョンには、必要に応じて一般的な添加剤を加えることもできる。その例としては、可塑剤、無機もしくは有機充填剤、増粘剤、有機溶剤等を本発明の酢酸ビニル系重合体エマルジョンの性能を損なわない範囲で添加することもできる。
本発明の乳化重合条件は、特に限定されるものではなく、重合温度、連鎖移動剤、重合停止剤を任意に選択することで、分子量、分子量分布、ゲル含有量、分子末端構造、結晶化速度を制御することが可能である。
上記乳化重合を行う重合温度は、通常は10〜90℃、望ましくは50〜85℃である。重合時間は3〜20時間である。この重合は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気中で行うのが望ましい。
また、エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルジョンや酢酸ビニル樹脂エマルジョン、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン等をシードとして、重合を行っても構わない。
本発明に係る製造方法では、重合後の残存モノマーが少なく、臭気の低減が可能な酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得ることができるが、重合反応後に、未反応の単量体等を除去することでさらにエマルジョン中の残存モノマーを低減させることもできる。未反応の単量体等の除去方法も特に限定されず、一般的な方法を自由に選択して用いることができる。例えば、スチームフラッシュ法や濃縮法により反応液を高温下にさらすことで、未反応の単量体等を除去することができる。また、同様の方法にて固形分濃度も自由に調整することが出来る。
なお、本発明の酢酸ビニル系重合体エマルジョンの被塗物としては特に限定されないが、例えば、無機窯業基材、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属基材、ガラス基材、紙基材等に使用可能である。
また、本発明による接着剤の施行方法に関しては、特に限定されるものでは無く、例えば、刷毛塗り、コテ塗り、ブラシ塗り、スプレー塗布、バーコーター塗布やロールコーター塗布が可能である。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中に記載される「部」は、全て質量基準である。
<酢酸ビニル系重合体エマルジョンの製造>
(実施例1−1)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水173部、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)5部を仕込んだ。窒素置換を行い、撹拌しながら、80℃に昇温した。その後、酢酸ビニル100部及びL−アスコルビン酸(和光純薬製)0.4部と3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド(日油製:パーヘキシルGH)0.3部を、それぞれ4時間連続追加した。その後、80℃で1時間反応させ、30℃まで冷却し、酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得た。
(実施例1−2)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水173部、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)5部を仕込んだ。窒素置換を行い、撹拌しながら、80℃に昇温した。その後、酢酸ビニル86部と2−エチルヘキシルアクリレート14部、及びL−アスコルビン酸(和光純薬製)0.4部と3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド(日油製:パーヘキシルGH)0.3部を、それぞれ4時間連続追加した。その後、80℃で1時間反応させ、30℃まで冷却し、酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得た。
(実施例2−1)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水173部、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)5部を仕込んだ。窒素置換を行い、撹拌しながら、80℃に昇温した。その後、酢酸ビニル100部及びL−アスコルビン酸(和光純薬製)0.4部と3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド(日油製:パーヘキシルGH)0.3部、t-ブチルヒドロペルオキシド(日油製:パーブチルH)0.1質量部を、それぞれ4時間連続追加した。その後、80℃で1時間反応させ、30℃まで冷却し、酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得た。
(実施例2−2)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水173部、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)5部を仕込んだ。窒素置換を行い、撹拌しながら、80℃に昇温した。その後、酢酸ビニル100部及びL−アスコルビン酸(和光純薬製)0.4部と3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド(日油製:パーヘキシルGH)0.3部、10重量%過酸化水素水1部と10重量%酒石酸水溶液1.5部を、それぞれ4時間連続追加した。その後、80℃で1時間反応させ、30℃まで冷却し、酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得た。
(実施例2−3)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水173部、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)5部を仕込んだ。窒素置換を行い、撹拌しながら、80℃に昇温した。その後、酢酸ビニル100部及びL−アスコルビン酸(和光純薬製)0.4部と3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド(日油製:パーヘキシルGH)0.3部、t-ブチルヒドロペルオキシド(日油製:パーブチルH)0.1質量部、10重量%過酸化水素水1部と10重量%酒石酸水溶液1.5部を、それぞれ4時間連続追加した。その後、80℃で1時間反応させ、30℃まで冷却し、酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得た。
(比較例1−1)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水173部、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)5部を仕込んだ。窒素置換を行い、撹拌しながら、80℃に昇温した。その後、酢酸ビニル100部及び10重量%過酸化水素水1部と10重量%酒石酸水溶液1.5部を、それぞれ4時間連続追加した。その後、80℃で1時間反応させ、30℃まで冷却し、酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得た。
(比較例1−2)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水173部、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)5部を仕込んだ。窒素置換を行い、撹拌しながら、80℃に昇温した。その後、酢酸ビニル86部と2−エチルヘキシルアクリレート14部、及び10重量%過酸化水素水1部と10重量%酒石酸水溶液1.5部を、それぞれ4時間連続追加した。その後、80℃で1時間反応させ、30℃まで冷却し、酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得た。
(比較例2−1)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水173部、ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)5部を仕込んだ。窒素置換を行い、撹拌しながら、80℃に昇温した。その後、酢酸ビニル100部及びL−アスコルビン酸(和光純薬製)0.4部とt-ブチルヒドロペルオキシド(日油製:パーブチルH)0.1質量部、10重量%過酸化水素水1部と10重量%酒石酸水溶液1.5部を、それぞれ4時間連続追加した。その後、80℃で1時間反応させ、30℃まで冷却し、酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得た。
<評価方法>
各実施例及び比較例で得られポリ酢酸ビニル系エマルジョンを、下記試験法によって評価した。得られた評価結果を下記表1、2に示す。
<ポリ酢酸ビニル系エマルジョンの臭気測定方法>
得られたポリ酢酸ビニル系エマルジョンの臭気測定を、5名の検査員による臭気測定を行った。重合開始剤に過酸化水素のみを使用したポリ酢酸ビニル系エマルジョンの臭いを嗅ぎ、これを基準臭(臭気強度が0〜5段階のうちの4)とする。次に、得られたポリ酢酸ビニル系エマルジョンの臭いを嗅ぎ、上記基準臭よりもやや強い(強い臭い)場合を臭気強度5、同じ程度の場合を臭気強度4、やや弱い(何の臭いかがわかる弱い臭い)場合を臭気強度3、弱い(何とか感知できる臭い)場合を臭気強度2、非常に弱い(やっと感知できる臭い)場合を臭気強度1、無臭の場合を0とする。試験終了後、上記の試験を行なった5名の検査員による臭気強度の平均値を求めた。

Figure 0006497502
Figure 0006497502

なお、表1、2中の略称は以下の通りである。
パーヘキシルGH:3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド
パーブチルH:t-ブチルヒドロペルオキシド
表1,2に示されるように、実施例1−1〜2、2−1〜3は良好な臭気を示した。一方、過酸化水素水のみを重合開始剤として用いた比較例1−1〜2では、実施例1−1〜2、2−1〜3と比べて高い臭気を示したことから、残存モノマーが多く残っていることが推測された。さらにtert−ブチルヒドロペルオキシド(日油製:パーブチルH)を重合開始剤として用いた比較例2−1では、比較例1−1〜2よりも良好な臭気を示したものの、実施例2−3と比べて高い臭気を示したことから、残存モノマーが多く残っていることが推測された。

Claims (7)

  1. (A)酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物を、(B)乳化剤、(C)重合開始剤および(D)還元剤の存在下に乳化重合することにより酢酸ビニル系重合体エマルジョンを製造する方法であって、
    (C)重合開始剤が(C1)3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドを含むことを特徴とする酢酸ビニル系重合体エマルジョンの製造方法
  2. 前記(C)重合開始剤が、(C1)3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドのみである請求項1に記載の方法

  3. 前記(C)重合開始剤が、(C2)前記(C1)以外の有機ヒドロペルオキシドもしくは(C3)過酸化水素の1種以上を含む請求項1に記載の方法

  4. 前記(C2)有機ヒドロペルオキシドが、tert−ブチルヒドロペルオキシドである請求項3に記載の方法

  5. 前記(A)酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物が、酢酸ビニルのみである請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法

  6. 前記(A)酢酸ビニルを含むビニル単量体組成物が、酢酸ビニルと酢酸ビニルと共重合可能なビニル単量体とを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法
  7. 酢酸ビニル系重合体エマルジョンからなる接着剤を製造する方法であって、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法によって前記酢酸ビニル系重合体エマルジョンを得ることを特徴とする方法
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