以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態による光音響画像化装置100の構成について説明する。
本発明の第1実施形態による光音響画像化装置100には、図1に示すように、プローブ1と装置本体部2とが設けられている。また、光音響画像化装置100には、同軸ケーブル3と信号ケーブル4とが設けられている。
同軸ケーブル3および信号ケーブル4は、たとえば、約2mの長さを有するように構成されており、プローブ1と装置本体部2とを接続するように構成されている。
また、プローブ1は、操作者により把持されながら被検体P(人体の体表など)の表面上を移動されるように構成されている。そして、同軸ケーブル3は、装置本体部2からプローブ1に電力を伝達するように構成されており、プローブ1は、同軸ケーブル3を介して取得した電力により光を発生させ、被検体Pに光を照射することが可能に構成されている。また、図2に示すように、プローブ1は、被検体P内からの後述する音響波Aおよび超音波B2を検出して、信号ケーブル4を介して、音響波Aおよび超音波B2を受信信号として装置本体部2に伝達するように構成されている。
そして、図1に示すように、装置本体部2は、プローブ1により検出された受信信号を処理して画像化するように構成されている。また、装置本体部2には、画像表示部21が設けられている。画像表示部21は、液晶パネル等により構成されており、装置本体部2から取得した画像を表示するように構成されている。
また、図2に示すように、プローブ1には、プローブ本体部11と、照明部12および13とが設けられている。具体的には、プローブ本体部11は、リニア型に形成されている。また、照明部12は、プローブ本体部11の先端部(矢印Z2方向側)近傍で、かつ、矢印X1方向側に配置され、照明部13は、プローブ本体部11の先端部(矢印Z2方向側)近傍で、かつ、矢印X2方向側に配置されている。そして、照明部12および照明部13は、プローブ本体部11をX方向の両側から挟むように配置されている。また、プローブ本体部11の先端部には、音響波検出部14が配置されている。すなわち、照明部12および13は、音響波検出部14の近傍に配置されている。なお、音響波検出部14は、本発明の「検出部」の一例である。
また、照明部12には、光源部15が設けられており、光源部15には、被検体Pに光を照射することが可能な複数(たとえば、108個)の発光ダイオード素子16が設けられている。また、照明部13には、照明部12と同様に、複数の発光ダイオード素子16が設けられた光源部17が設けられている。また、複数の発光ダイオード素子16は、アレイ状(直線状)に配列されており、アレイ状に配列された発光ダイオード素子16が全体として面光源に構成されている。なお、発光ダイオード素子16は、本発明の「発光素子」の一例である。
また、同軸ケーブル3は、同軸ケーブル31および32を含む。同軸ケーブル31は、照明部12の矢印Z1方向側に接続されており、同軸ケーブル32は、照明部13の矢印Z1方向側に接続されている。
そして、図3に示すように、同軸ケーブル31は、たとえば、AWG20(UL規格のサイズ)、AWG30、AWG36、または、AWG40等のサイズを有し、内部導体3aと、絶縁体3bと、外部導体3cと、ジャケット3dとにより構成されている。
そして、内部導体3aは、同軸ケーブル31の中心部Cに配置されており、たとえば、軟銅線、銀めっき軟銅線、錫めっき銅合金線、または、錫めっき軟銅線により構成されている。また、内部導体3aは、単線または複数本(たとえば、7本)の撚り線により構成されている。そして、内部導体3aは、内部導体3aの外径D(複数本の撚り線の場合は、撚り線全体の外径)が、たとえば、0.26mm以上0.30mm以下になるように構成されている。
また、絶縁体3bは、内部導体3aの外周面を覆うように設けられており、たとえば、ポリエチレン、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、または、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)などにより構成されている。そして、絶縁体3bは、絶縁体3bの厚みtが、たとえば、0.08mm以上0.40mm以下になるように構成されている。
また、外部導体3cは、絶縁体3bの外周面を覆うように設けられており、内部導体3aに対して、外部導体3cよりも外部側からの電磁波(ノイズ)を遮蔽する機能を有するように構成されている。また、外部導体3cは、内部導体3aから外部側への電磁波(ノイズ)を遮蔽する機能を有するように構成されている。そして、外部導体3cは、たとえば、軟銅線、錫めっき銅合金線、または、錫めっき軟銅線により構成されている。そして、外部導体3cは、たとえば、線径が0.03mm以上0.08mm以下の素線が、編組または横巻きにされた状態で設けられている。
また、ジャケット3dは、外部導体3cの外周面を覆うように設けられており、たとえば、FEP、PVC(ポリ塩化ビニル)、PFA、または、PET(ポリエチレンテレフタラート)などにより構成されている。
そして、同軸ケーブル31は、上記の構成により、たとえば、導体抵抗が約1.0Ω/2m以下になるように構成されているとともに、特性インピーダンスが22Ω以上75Ω以下になるように構成されている。
また、図4に示すように、装置本体部2には、光源駆動部22と制御部23とが設けられている。光源駆動部22は、外部電源部(図示せず)から電力を取得して、取得した電力を、同軸ケーブル3を介して、発光ダイオード素子16に供給するように構成されている。また、制御部23は、CPU(Central Processing Unit)などを含み、各部に制御信号を伝達することによって、光音響画像化装置100の全体の制御を行うように構成されている。
そして、光源駆動部22には、電源部22aと信号生成部22bとが設けられている。
ここで、第1実施形態では、同軸ケーブル31および32は、同軸ケーブル31および32の外部導体3cが、光源駆動部22の電源部22aに接続されているとともに、同軸ケーブル31および32の内部導体3aが、光源駆動部22の信号生成部22bと接続されている。そして、光源駆動部22は、発光ダイオード素子16が光を照射する状態となるためのパルス照射信号を生成する際に、同軸ケーブル31および32に、10A以上のパルス状の電流を流すように構成されている。
具体的には、電源部22aは、同軸ケーブル31および32のそれぞれの外部導体3cに接続されているとともに、たとえば、DC/DCコンバータなどを含み、所定の電圧(たとえば、約200V)を印加するように構成されている。また、同軸ケーブル31および32の外部導体3cは、発光ダイオード素子16のアノードに接続されており、アノードに所定の電圧を印加するように構成されている。
また、信号生成部22bは、たとえば、2つのFET(Field Effect Transistor)などを含む。そして、2つのFETのうちの一方のドレインが、同軸ケーブル31の内部導体3aに接続されており、2つのFETのうちの他方のドレインが、同軸ケーブル32の内部導体3aに接続されている。そして、同軸ケーブル31および32の内部導体3aは、発光ダイオード素子16のカソードに接続されている。また、信号生成部22bのFETのソースは、それぞれ接地されている。
そして、信号生成部22bのFETのゲートに、制御部23からのパルス状の光トリガ信号が入力され、FETがオンした場合には、パルス照射信号を生成することにより、発光ダイオード素子16のアノード側からカソード側に向かってパルス状の電流(たとえば、ピーク電流が15A(10A以上))を流すことが可能に構成されている。そして、発光ダイオード素子16は、パルス状の電流に応じたパルス光を被検体Pに照射するように構成されている。なお、光源駆動部22および制御部23は、パルス光のパルス幅が、たとえば、約150nsになるように構成されている。また、パルス照射信号を生成することは、発光ダイオード素子16のカソード側の電圧を低下させることを表す。
そして、図2に示すように、プローブ1から被検体Pに照射された光は、被検体P内の検出対象物Pa(たとえば、ヘモグロビン等)により吸収される。そして、検出対象物Paが、パルス光の照射強度(吸収量)に応じて、膨張および収縮する(膨張した大きさから元の大きさに戻る)ことにより、検出対象物Pa(被検体P)から音響波Aが生じる。なお、本明細書では、説明の都合上、被検体P内の検出対象物Paが光を吸収することにより発生する超音波を「音響波A」として、音響波検出部14により発生されるとともに、被検体Pに反射される超音波を後述する「超音波B2」として区別して記載している。
また、音響波検出部14には、128チャンネルを有する超音波振動子(図示せず)が配置されている。そして、音響波検出部14の超音波振動子は、圧電素子(たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT))などにより構成されており、上記した音響波Aを取得した場合には、振動して電圧(受信信号)を生じるように構成されている。そして、音響波検出部14は、取得した受信信号を後述する画像化部24(図4参照)に伝達するように構成されている。
また、音響波検出部14の超音波振動子は、制御部23からの振動子駆動信号に応じた周波数で振動することにより超音波B1を発生することが可能に構成されており、超音波B1を被検体Pに照射させるように構成されている。
そして、図2に示すように、音響波検出部14により発生した超音波B1は、被検体P内の音響インピーダンスが高い物質(検出対象物Pa)により反射される。また、超音波B2(超音波B1が反射されたもの)は、音響波検出部14により取得される。
そして、音響波検出部14は、超音波B2を取得した場合も、音響波Aを取得した場合と同様に、受信信号を画像化部24に伝達するように構成されている。なお、光音響画像化装置100は、音響波Aを音響波検出部14により取得する期間と、超音波B2を音響波検出部14により取得する期間とを、重複させないように構成することにより、音響波Aと超音波B2とを区別することが可能に構成されている。
また、図4に示すように、装置本体部2には、画像化部24が設けられている。画像化部24は、制御部23から、光トリガ信号に同期されたサンプリングトリガ信号を取得するとともに、音響波検出部14から、受信信号を取得するように構成されている。そして、画像化部24は、取得したサンプリングトリガ信号と、取得した受信信号とに基づいて、音響波Aに基づいた断層画像および超音波B2に基づいた断層画像を生成するとともに、断層画像を合成する処理を行うように構成されている。そして、画像化部24は、合成された画像を画像表示部21に出力するように構成されている。
次に、図5および図6を参照して、第1実施形態による光音響画像化装置100における、同軸ケーブル3を用いた場合(第1実施形態)と、同軸ケーブル3を用いない場合(ツイストペアケーブルを用いる場合)(比較例)との発光ダイオード素子16に流れる電流の応答性の比較を行うために行った実験について説明する。
この実験においては、まず、同軸ケーブル3を用いる第1実施形態による光音響画像化装置100(図5参照)と、ツイストペアケーブルを用いる光音響画像化装置(図6参照)とに、150nsのパルス幅を有する光トリガ信号を入力して、発光ダイオード素子16のアノード電圧の波形と、カソード電圧の波形と、発光ダイオード素子16に流れる電流値の波形とを測定した。そして、発光ダイオード素子16に流れる電流値の波形を取得することにより応答時間を測定した。
なお、ツイストペアケーブルを用いる光音響画像化装置のツイストペアの一方側の導線を、電源部および発光ダイオード素子のアノードに接続するとともに、ツイストペアの他方側の導線を、信号生成部および発光ダイオード素子のカソードに接続して測定した。
図5に示すように、光トリガ信号の信号レベルがH(High)の間(150ns)、同軸ケーブル3を用いる光音響画像化装置100では、アノード電圧の波形は、略200Vとなり一定となった。しかしながら、図6に示すように、ツイストペアケーブルを用いる光音響画像化装置では、アノード電圧の波形は、周期が50nsで、かつ、振幅(最大値および最小値間の電圧値)が80Vの反射波が発生して、変動した。
また、図5に示すように、カソード電圧の波形(パルス照射信号の波形)は、同軸ケーブル3を用いる光音響画像化装置100では、略60Vとなり一定となった。しかしながら、図6に示すように、ツイストペアケーブルを用いる光音響画像化装置では、カソード電圧の波形は、反射波が発生しており、変動した。
そして、図5に示すように、発光ダイオード素子16に流れる電流値は、同軸ケーブル3を用いる光音響画像化装置100では、光トリガ信号の信号レベルがHにされた後、100ns後に略15A(10A以上)に達した。しかしながら、図6に示すように、ツイストペアケーブルを用いる光音響画像化装置では、発光ダイオード素子16に流れる電流値は、光トリガ信号の信号レベルがHにされた後、10Aには、達しなかった。
また、図5に示すように、光トリガ信号の信号レベルがL(Low)にされた後、同軸ケーブル3を用いる光音響画像化装置100では、アノード電圧およびカソード電圧の波形は、略200Vに一定となった。しかしながら、図6に示すように、ツイストペアケーブルを用いる光音響画像化装置では、アノード電圧およびカソード電圧の波形は、振幅が220Vの反射波が発生して、変動した。
そして、図5に示すように、発光ダイオード素子16に流れる電流値は、同軸ケーブル3を用いる光音響画像化装置100では、光トリガ信号の信号レベルがLにされた後、50ns後に、略0となった。しかしながら、図6に示すように、ツイストペアケーブルを用いる光音響画像化装置では、発光ダイオード素子16に流れる電流値は、光トリガ信号の信号レベルがLにされた後、100ns後に、略0となった。
以上の結果から、同軸ケーブル3を用いる光音響画像化装置100(第1実施形態)では、発光ダイオード素子16に流れる電流の応答時間は、150ns(100ns+50ns)になり、ツイストペアケーブルを用いる光音響画像化装置(比較例)では、発光ダイオード素子16に流れる電流の応答時間は、少なくとも250ns以上になることが判明した。また、同軸ケーブル3を用いる光音響画像化装置100では、発光ダイオード素子16に流れる電流値が15Aに達する一方、ツイストペアケーブルを用いる光音響画像化装置では、10A未満(最大で9A程度)となることが判明した。すなわち、同軸ケーブル3を用いる光音響画像化装置100では、ツイストペアケーブルを用いる光音響画像化装置に比べて、光の波形(発光ダイオード素子16に流れる電流値の波形)を、急峻で、かつ、光量を大きくすることが可能であることが判明した。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、同軸ケーブル3を、プローブ1(発光ダイオード素子16)と装置本体部2とを接続するように設けて、同軸ケーブル3の外部導体3cを、光源駆動部22の電源部22aに接続するとともに、同軸ケーブル3の内部導体3aを、光源駆動部22の信号生成部22bに接続する。これにより、反射波の発生、および、発光ダイオード素子16に流れる電流の応答性の低下を抑制することができるとともに、同軸ケーブル3の外部から内部への電磁波(ノイズ)の侵入を抑制することができる。その結果、発光ダイオード素子16に流れる電流の応答性が低下することを抑制しながら、外部からの電磁波等(ノイズ)が侵入することを抑制すること、および、内部から外部への電磁波の放射を抑制することにより、発光ダイオード素子16から照射される光の光量が不足するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、光源駆動部22を、発光ダイオード素子16が光を照射する状態となるためのパルス照射信号を生成する際に、同軸ケーブル3に、10A以上のパルス状の電流を流すように構成する。ここで、同軸ケーブル3に10A以上の大電流を流すような使い方は一般的ではないが、本発明では、パルス状の電流にすることにより10A以上の大電流を流す。これにより、発光ダイオード素子16から照射される光の光量を大きくすることができるので、被検体Pから発生する音響波Aの強度を確実に大きくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、同軸ケーブル3の外部導体3cを、光源駆動部22の電源部22aに接続するとともに、同軸ケーブル3の内部導体3aを、信号生成部22bと接続する。ここで、同軸ケーブル3の外部導体3cを接地するとともに、同軸ケーブル3の内部導体3aを信号生成部22bに接続するように構成する場合には、信号生成部22bに接続される負の電圧を印加させることが可能な電源部を設ける必要がある。また、一般的に、負の電圧を印加させることが可能な電源部を設けることは、正の電圧を印加させることが可能な電源部22aを設ける場合よりも、光音響画像化装置100の構成を複雑化する。そこで、第1実施形態では、上記のように構成することにより、負の電圧を印加させることが可能な電源部を設ける必要がない分、光音響画像化装置100の構成が複雑化するのを抑制しながら、発光ダイオード素子16から照射される光の光量が不足するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、光源部15および17に、発光ダイオード素子16を設ける。これにより、発光ダイオード素子16は、レーザ光を発する発光素子に比べて指向性が低いので、位置ずれが生じた場合でも、比較的光の照射範囲は変化しにくい。これにより、レーザ光を発する発光素子を用いる場合と異なり、光学部材の精密なアライメント(位置合わせ)が不要であるとともに、光学系の振動による特性変動を抑制するための光学定盤や強固な筐体が不要となる。その結果、光学部材の精密なアライメントが不要で、かつ、光学定盤や強固な筐体が不要な分、光音響画像化装置100の大型化および光音響画像化装置100の構成の複雑化を抑制することができる。また、発光ダイオード素子16は、レーザ光を発する発光素子等に比べて、素子1つあたりの光量が小さいので、発光ダイオード素子16を音響波検出部14近傍に配置するのが好ましい。そこで、第1実施形態では、同軸ケーブル3を、プローブ1(発光ダイオード素子16)と装置本体部2とを接続するように設けることにより、さらに効果的に、発光ダイオード素子16に流れる電流の応答性が低下することを抑制しながら、外部からの電磁波等(ノイズ)が侵入することを抑制することにより、発光ダイオード素子16から照射される光の光量が不足するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、同軸ケーブル3を、導体抵抗が0.5Ω/m以下(1.0Ω/2m)になるように構成する。これにより、同軸ケーブル3を導体抵抗が0.5Ω/mよりも大きく構成する場合に比べて、導体抵抗に起因する同軸ケーブル3内での電力の損失を小さくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、発光ダイオード素子16を含む光源部15および17をさらに備え、光源部15(照明部12)および光源部17(照明部13)と音響波検出部14とを隣接して配置する。ここで、光源部15および17からの光および被検体Pからの音響波Aは、伝搬する距離が大きくなる程、より減衰する。この点を考慮して、第1実施形態では、光源部15および17と音響波検出部14とを隣接して配置することにより、光源部15および17と音響波検出部14と被検体Pとの互いの距離をそれぞれ比較的小さくすることができるので、光源部15および17からの光および被検体Pからの音響波Aの減衰を抑制した状態で、音響波検出部14により音響波Aを効率良く検出することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数の発光ダイオード素子16を、直線状(アレイ状)に配列する。これにより、発光ダイオード素子16の1つ当りの光量が小さい場合でも、直線状に配列された複数の発光ダイオード素子16により、光源部15および17全体として、音響波Aを画像化するために十分な光量を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、図1および図7を参照して、第2実施形態による光音響画像化装置200の構成について説明する。第2実施形態では、光音響画像化装置に、15Ω以上で、かつ、30Ω以下の特性インピーダンスを有する同軸ケーブルが設けられている。
図1に示すように、第2実施形態による光音響画像化装置200には、同軸ケーブル203が設けられている。また、同軸ケーブル203は、同軸ケーブル231および232を含む。
ここで、第2実施形態では、同軸ケーブル231および232は、特性インピーダンスが、15Ω以上で、かつ、30Ω以下になるように構成されている。
図7には、同軸ケーブル231および232の特性インピーダンスと発光ダイオード素子16に流れる電流の応答時間との関係を示している。なお、応答時間(tr+tf)は、発光ダイオード素子16がパルス照射信号を取得してから、電流値が略ピーク値になるまでの時間trと、パルス照射信号が停止された時点から、電流値が略0になるまでの時間tfとを足し合わせた時間を示す。
同軸ケーブル203の特性インピーダンスが30Ωよりも大きい場合、特性インピーダンスと応答時間とは、略一次関数の関係を有する。すなわち、同軸ケーブル203の特性インピーダンスが大きくなる程、発光ダイオード素子16に流れる電流の応答時間が大きくなる関係がある。
また、同軸ケーブル203の特性インピーダンスが30Ω以下の場合、応答時間は、特性インピーダンスに対して、比較的一定(80ns以上100ns以下)である。なお、光源駆動部22と光源部15および17とを近接して配置し、ケーブルの長さを5cmとすることにより、ケーブルのインピーダンスの影響を略受けない状態で、同様の測定を行った場合、応答時間は100nsであった。したがって、同軸ケーブル203の特性インピーダンスが30Ω以下になるように、同軸ケーブル203を構成することにより、発光ダイオード素子16に流れる電流の応答時間は、100ns以下にすることが可能になる。
ここで、同軸ケーブル203(同軸ケーブル231および232)の特性インピーダンスZは、同軸ケーブル203のインダクタンスLおよび同軸ケーブル203のキャパシタンスCを用いて、式(1)に示すように表すことが可能である。
Z=√(L/C)・・・(1)
上記の式(1)より、同軸ケーブル203のインダクタンスLは、内部導体3aの外径D(図3参照)を大きくすることにより、小さくすることが可能である。したがって、内部導体3aの外径Dを大きくすることにより、特性インピーダンスZを小さくすることが可能である。しかしながら、内部導体3aの外径Dを大きくし過ぎることは、同軸ケーブル203の大型化につながり、プローブ1の取り回し操作上、好ましくない。たとえば、内部導体3aの外径Dは、約0.3mm(AWG30程度)が好ましい。
また、上記の式(1)より、同軸ケーブル203のキャパシタンスCは、絶縁体3bの厚みtを小さくすることにより、大きくすることが可能である。したがって、絶縁体3bの厚みtを小さくすることにより、特性インピーダンスZを小さくすることが可能である。しかしながら、絶縁体3bの厚みtを小さくし過ぎることは、同軸ケーブル203の耐圧(耐電圧)不足につながる。たとえば、同軸ケーブル203のサイズがAWG30の場合、同軸ケーブル203の特性インピーダンスが15Ω以上になるような、絶縁体3bの厚みtに構成することにより、同軸ケーブル203の耐圧を250Vに確保することが可能になる。
また、第2実施形態による光音響画像化装置200のその他の構成は、第1実施形態における光音響画像化装置100と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、同軸ケーブル203を、同軸ケーブル203の特性インピーダンスが、30Ω以下になるように構成する。これにより、同軸ケーブル203の特性インピーダンスが30Ωよりも大きく構成する場合に比べて、発光ダイオード素子16に流れる電流の応答時間が大きくなる(応答性が低下する)のを、より抑制することができる。その結果、より確実に、発光ダイオード素子16に流れる電流の応答性が低下することに起因する発光ダイオード素子16から照射される光の光量が不足するのを抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、同軸ケーブル203を、同軸ケーブル203の特性インピーダンスが、15Ω以上になるように構成する。これにより、同軸ケーブル203の特性インピーダンスが15Ω未満に構成する場合に比べて、内部導体3aの外径Dが大きくなり過ぎるのを抑制することができるとともに、絶縁体3bの厚みtが小さくなり過ぎるのを抑制することができる。その結果、内部導体3aの外径Dが大きくなり過ぎるのを抑制することにより、プローブ1の操作性が低下するのを抑制することができるとともに、絶縁体3bの厚みtが小さくなり過ぎることを抑制することにより、同軸ケーブル203の耐圧が小さくなるのを抑制することができる。
また、第2実施形態による光音響画像化装置200のその他の効果は、第1実施形態における光音響画像化装置100と同様である。
(第3実施形態)
次に、図8を参照して、第3実施形態による光音響画像化装置300の構成について説明する。第3実施形態では、プローブの2つの光源部と装置本体部とは、それぞれ1本ずつの同軸ケーブルにより接続されていた第1実施形態および第2実施形態による光音響画像化装置とは異なり、プローブの2つの光源部と装置本体部とは、それぞれ2本ずつ(複数)の同軸ケーブルにより接続されている。
図8に示すように、第3実施形態による光音響画像化装置300には、同軸ケーブル303が設けられている。また、光音響画像化装置300には、光源部315を含む照明部312と、光源部317を含む照明部313と、光源駆動部322とが設けられている。
同軸ケーブル303は、光源部315と光源駆動部322とを接続する第1同軸ケーブル331および第2同軸ケーブル332を含む。そして、第1同軸ケーブル331と第2同軸ケーブル332とは、光源部315と光源駆動部322とに対して、並列に接続されている。また、光源駆動部322から光源部315に電力が供給される際には、第1同軸ケーブル331と第2同軸ケーブル332とに流れる電流値(ピーク値)の合計の値が10A以上になるように構成されている。
また、同軸ケーブル303は、光源部317と光源駆動部322とを接続する第3同軸ケーブル333および第4同軸ケーブル334を含み、第3同軸ケーブル333と第4同軸ケーブル334とは、光源部317と光源駆動部322とに対して、並列に接続されている。また、光源駆動部322から光源部317に電力が供給される際には、第3同軸ケーブル333と第4同軸ケーブル334とに流れる電流値(ピーク値)の合計の値が10A以上になるように構成されている。
また、第1同軸ケーブル331と、第2同軸ケーブル332と、第3同軸ケーブル333と、第4同軸ケーブル334とは、同様に構成されており、それぞれ約50Ωの特性インピーダンスを有するように構成されている。そして、並列に接続された第1同軸ケーブル331および第2同軸ケーブル332は、それぞれの特性インピーダンスが合成されることにより、約25Ωの特性インピーダンスを有する状態となる。また、第3同軸ケーブル333および第4同軸ケーブル334も、合成されて約25Ωの特性インピーダンスを有する状態となる。
すなわち、同軸ケーブル303は、第2実施形態による同軸ケーブル203と同様に、30Ω以下の特性インピーダンスを有する状態(図7参照)となるので、発光ダイオード素子16に流れる電流の応答性が低下するのを、より抑制することが可能になる。
また、第3実施形態による光音響画像化装置300のその他の構成は、第1実施形態における光音響画像化装置100と同様である。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、プローブ1と装置本体部2とは、第1同軸ケーブル331、第2同軸ケーブル332、第3同軸ケーブル333、および、第4同軸ケーブル334により接続されている。ここで、一般的には、50Ω(または75Ω)の特性インピーダンスを有する同軸ケーブルが用いられている。そこで、上記のように構成することにより、専用の(特注の)同軸ケーブルを用いることなく、一般的な(汎用の)同軸ケーブルにより容易に、同軸ケーブル303の特性インピーダンスを、50Ω(または75Ω)よりも小さい値に構成することができる。また、第3実施形態による光音響画像化装置300のその他の効果は、第1実施形態における光音響画像化装置100と同様である。
(第4実施形態)
次に、図9〜図11を参照して、第4実施形態による光音響画像化装置400の構成について説明する。第4実施形態では、信号ケーブルと同軸ケーブルとは、プローブと装置本体部とに、別々に取り回されるように接続されていた第1〜第3実施形態による光音響画像化装置とは異なり、信号ケーブルと同軸ケーブルとは、プローブと装置本体部とに、一体的に取り回されるように接続されている。
図9に示すように、第4実施形態による光音響画像化装置400には、プローブ401と、ケーブル402とが設けられている。ケーブル402の内部には、同軸ケーブル403と信号ケーブル404とが設けられており、同軸ケーブル403と信号ケーブル404とは、一体となった状態で取り回されるように構成されている。
具体的には、図10に示すように、ケーブル402には、ジャケット405が設けられており、同軸ケーブル403と信号ケーブル404とを覆うように設けられている。また、信号ケーブル404は、上記した超音波振動子のチャンネル(128チャンネル)のそれぞれに配線される複数の(128本の)ケーブルを含む。また、各ケーブルは、それぞれ超音波振動子の各チャンネルと、制御部23および画像化部24との間で信号の送受信が行われる際に、信号を伝達するように構成されている。
なお、図10では、説明を容易にするために、信号ケーブル404のうちの信号ケーブル441および442のみを図示している。信号ケーブル441は、導体441aと導体441aの外周面を覆うジャケット441b(絶縁体)とにより構成されている。また、信号ケーブル442は、信号ケーブル441と同様に、導体442aと導体442aの外周面を覆うジャケット442b(絶縁体)とにより構成されている。
ここで、第4実施形態では、ケーブル402は、同軸ケーブル403の外側を覆うシールド403aを含む。なお、シールド403aは、本発明の「第1シールド」の一例である。
具体的には、同軸ケーブル403は、同軸ケーブル431および432を含む。同軸ケーブル431は、内側から外側に向かって、内部導体431a、絶縁体431b、外部導体431c、および、ジャケット431d(絶縁体)がこの順に設けられている。また、同軸ケーブル432は、同軸ケーブル431と同様に、内部導体432a、絶縁体432b、外部導体432c、および、ジャケット432d(絶縁体)を含む。
シールド403aは、金属からなり、電磁波を遮蔽可能に構成されている。そして、シールド403aは、互いに隣接して配置されている同軸ケーブル431および432の外側を一体的に覆うように設けられている。なお、シールド403aは、接地されていてもよい。
また、ケーブル402は、ジャケット405の内側で、かつ、シールド403aの外周面を覆うジャケット403b(絶縁体)を含む。
また、図11に示すように、プローブ401は、内部に、光源部415と音響波検出部414が配置されるように構成されている。そして、同軸ケーブル403は、光源部415に接続されており、信号ケーブル404は、音響波検出部414に接続されている。
また、第4実施形態による光音響画像化装置400のその他の構成は、第1実施形態における光音響画像化装置100と同様である。
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、上記のように、同軸ケーブル403と信号ケーブル404とを、一体となった状態で取り回されるように構成する。これにより、同軸ケーブル403と信号ケーブル404とが離間しないので、同軸ケーブル403と信号ケーブル404とが別体となった状態で取り回されるように構成されている場合に比べて、プローブ1の操作性を向上させることができる。
また、第4実施形態では、上記のように、ケーブル402に、同軸ケーブル403の外側を覆うシールド403aを設ける。これにより、シールド403aは、電磁波を遮蔽することができるので、シールド403aが覆われた同軸ケーブル403に侵入する電磁波(ノイズ)、および、シールド403aが覆われた同軸ケーブルから放射される電磁波を遮蔽することができる。
また、第4実施形態による光音響画像化装置400のその他の効果は、第1実施形態における光音響画像化装置100と同様である。
(第5実施形態)
次に、図12を参照して、第5実施形態による光音響画像化装置500の構成について説明する。第5実施形態では、ケーブル502に、同軸ケーブル403と信号ケーブル404からなるケーブル群502aの外側を覆うシールド505aが設けられている。
図12に示すように、第5実施形態による光音響画像化装置500には、ケーブル502が設けられている。ケーブル502は、同軸ケーブル403および信号ケーブル404を含む。
ここで、第5実施形態では、ケーブル502は、同軸ケーブル402の外側を覆うシールド403aと、信号ケーブル402の外側を覆うシールド404aとを含む。なお、シールド403aおよび404aは、本発明の「第1シールド」の一例である。
シールド403aは、第4実施形態による光音響画像化装置400のシールド403aと同様に構成されている。シールド404aは、シールド403aと同様に金属からなり、電磁波を遮蔽するように構成されている。また、信号ケーブル404は、信号ケーブル441および442を含む。そして、シールド404aは、互いに隣接して配置されている信号ケーブル441および442の外側から覆うように配置されている。また、ケーブル502は、シールド403aの外周面を覆うジャケット403b(絶縁体)と、シールド404aの外周面を覆うジャケット404bとを含む。
また、第5実施形態では、同軸ケーブル403と信号ケーブル404とは、一体となった状態で取り回されるケーブル群502aを形成しており、ケーブル502は、ケーブル群502aの外側を覆うシールド505aを含む。なお、シールド505aは、本発明の「第2シールド」の一例である。
具体的には、ケーブル群502aは、同軸ケーブル403、シールド403a、および、ジャケット403bと、信号ケーブル404、シールド404a、および、ジャケット404bとからなる。そして、ケーブル502は、ケーブル群502aの外側を取り囲むように覆うシールド505aを含む。シールド505は、金属からなり、電磁波を遮蔽可能に構成されている。また、ケーブル502は、シールド505aの外周面を覆うジャケット505bを含む。これにより、ケーブル群505aは、シールド505aにより電磁波を遮蔽されながら、ジャケット505bにより、一体的に取り回されるように構成されている。
また、第5実施形態による光音響画像化装置500のその他の構成は、第1実施形態における光音響画像化装置100と同様である。
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第5実施形態では、上記のように、同軸ケーブル403と信号ケーブル404とを、一体となった状態で取り回されるケーブル群502aを形成するように構成するとともに、ケーブル502に、ケーブル群502aの外側を覆うシールド505aを設ける。これにより、シールド505aは、電磁波を遮蔽することができるので、ケーブル群502aの外側から侵入する電磁波(ノイズ)、および、ケーブル群502aの外側に放射される電磁波を遮蔽することができる。
また、第5実施形態による光音響画像化装置500のその他の効果は、第1実施形態における光音響画像化装置100と同様である。
(第6実施形態)
まず、図13〜図18を参照して、本発明の第6実施形態による光音響画像化装置600の構成について説明する。
図13に示すように、本発明の第6実施形態による光音響画像化装置600は、第1筺体610aと、第2筺体610bと、光源部620と、基板630とを備えている。図14に示すように、光音響画像化装置600は、絶縁部材640と、電磁波吸収層650と、熱伝導部660と、検出部670(図13参照)と、装置本体部680(図18参照)とを備えている。なお、図13では、説明の便宜上、絶縁部材640および電磁波吸収層650は省略して図示している。
第1筺体610aおよび第2筺体610bは、樹脂により形成されている。なお、第1筺体610aは、本発明の「筺体」の一例である。
図13に示すように、第1筺体610aは、検出部670を収容している。第1筺体610aは、上部(Z1側)に放熱部601aを含んでいる。放熱部601aは、たとえば、アルミニウムなどの金属により構成されている。なお、第1筺体610a(光音響画像化装置600)として、リニア型、コンベックス型およびセクタ型などを適用することができる。
第2筺体610bは、光源部620と、基板630と、絶縁部材640(図14参照)と、電磁波吸収層650(図14参照)とを収容している。また、第2筺体610bは、第1筺体610aを挟み込むように一対設けられている。第2筺体610bのZ2側は、光を透過させるように構成されている。
光源部620は、検出部670の近傍に配置されている。図15に示すように、光源部620は、基板630の第1面630a側(Z2側)に設けられている。また、光源部620は、複数の発光素子620aを含む。発光素子620aは、LED素子(発光ダイオード素子)により構成されている。また、基板630の長手方向(X方向)に隣接する発光素子620aは、互いに、ボンディングワイヤ(図示せず)により接続されている。また、各発光素子620aは、直列に接続されている。また、光源部620は、被検体P(図13参照)に光を照射するように構成されている。被検体P内の検出対象物Pa(図13参照)は、光源部620から照射された光を吸収した際に、音響波を発生する。なお、基板630の第1面630aとは、図13に示す使用状態において、基板630の被検体Pに対向する面を示す概念である。
なお、本明細書中における超音波とは、正常な聴力を持つ人に聴感覚を生じないほど周波数が高い音波(弾性波)のことであり、約16000Hz以上の音波を示す概念である。また、本明細書では、被検体P内の検出対象物Paが、光源部620から照射された光を吸収することにより発生する超音波を「音響波」という。また、検出部670(後述する超音波振動子673)により発生されるとともに、被検体P内の検出対象物Paに反射される超音波を、単に「超音波」という。
基板630は、板状のアルミ基板である。基板630は、表面が絶縁体の被膜より覆われている。基板630は、平面視において、X方向に延びる長方形形状を有している。基板630は、第1面630aに光源部620が配置されるように構成されている。また、基板630は、第1面630aが被検体Pに対向するように、第2筺体610bに収容されている。また、基板630は、図13に示す使用状態において、後述する検出部670の超音波振動子673(図13参照)の下方に配置されている。図16に示すように、基板630のうち、第1面630aと反対側(Z1側)の第2面630bには配線631が設けられている。配線631は、基板630の絶縁体の被膜上に設けられている。第1面630aに光源部620を配置し、第2面630bに配線631を配置することにより、第1面630aに光源部620および配線631の両方を配置する場合と異なり、平面視における基板630のサイズ(面積)を小さくすることが可能である。その結果、第2筺体610bをコンパクトに形成することが可能である。
配線631は、たとえば、銅などの金属製の配線により構成されていてもよいし、第2面630bに形成された配線パターンであってもよい。また、光源部620は、X方向の両端部で、スルーホール630cを介して配線631に電気的に接続されている。また、配線631は、接続部631aで同軸ケーブル3(31および32)(図13参照)に接続されている。同軸ケーブル3は、電磁波を発生させないように処理が施されている。
図14に示すように、絶縁部材640は、フィルム部材により構成されている。また、絶縁部材640は、絶縁体からなる材料により構成されている。絶縁部材640には、たとえば、ポリイミドフィルムなどを用いることができる。絶縁部材640は、平面視において、X方向が長手方向となる長方形形状(図16参照)を有している。また、絶縁部材640は、基板630の第2面630bと、電磁波吸収層650との間に設けられている。また、絶縁部材640は、基板630の第2面630bを略全体に亘って覆う(図16参照)ように設けられている。また、絶縁部材640は、基板630の第2面630bと、電磁波吸収層650とのそれぞれに密着している。また、絶縁部材640は、基板630の配線631を覆うように設けられている。また、絶縁部材640は、配線631に密着するように配置されている。また、絶縁部材640は、接着剤により、基板630の第2面630bおよび電磁波吸収層650のそれぞれに貼付されている。また、絶縁部材640には、基板630の第2面630bの一部を露出させるための切欠状の基板露出部641が形成されている。
電磁波吸収層650は、シート状の部材により構成されている。電磁波吸収層650は、配線631を基板630の第2面630b側(Z1側)から覆うように構成されている。また、電磁波吸収層650は、絶縁部材640の基板630側と反対側(Z1側)の面を略全体に亘って覆う(図16参照)ように構成されている。電磁波吸収層650は、絶縁部材640を介して基板630の第2面630bに貼付されている。また、電磁波吸収層650は、絶縁部材640を介した状態で、配線631および基板630の第2面630bを略全体に亘って覆うように設けられている。また、電磁波吸収層650には、基板630の第2面630bを露出させるための切欠状の基板露出部651(図16参照)が形成されている。基板露出部651は、絶縁部材640の基板露出部641に対応する位置に設けられている。
また、電磁波吸収層650は、磁性体および誘電体を含んでいる。磁性体として、強磁性金属、強磁性合金、強磁性焼結体、強磁性酸化物などを用いることができる。具体的には、強磁性金属として、Fe、Ni、Co,Gdなどを用いることができる。また、強磁性合金として、Fe−Niの合金であるパーマロイおよびスーパーマロイ、パーメンジュール(Fe−Coの合金)、センダスト(Fe−Si−Alの合金)、SmCo、NdFeBなどを用いることができる。また、強磁性体の焼結体を用いることができる。また、強磁性酸化物として、各種フェライト系材料を用いることができる。磁性体は、電磁波のうち、特に磁界成分を吸収して熱に変換する。誘電体として、ゴム、樹脂、ガラス、セラミックなどを用いることができる。誘電体は、電磁波のうち、特に電界成分を吸収して熱に変換する。
熱伝導部660は、内部に空洞660aを有するヒートパイプにより構成されている。また、熱伝導部660は、たとえば、銅などの金属により構成されている。熱伝導部660は、一方の端部側(Z2側)に拡径部661を含む。これにより、基板630との接触面積を大きくすることができので、基板630から効率よく熱を奪うことができる。熱伝導部660は、電磁波吸収層650の基板露出部651および絶縁部材640の基板露出部641を介した状態で、一方の端部側(拡径部661)が基板630の第2面630bに直接接触し、基板630の熱を奪う。なお、一方の端部側(拡径部661)の表面には、絶縁処理が施されている。また、図17に示すように、熱伝導部660は、他方の端部側(Z1側)が第1筺体610aに接触している。具体的には、熱伝導部660の他方の端部側(Z1側)は、第1筺体610aの放熱部601aに接続している。熱伝導部660は、基板630と接触している高温側(Z2側)から低温側(Z1側)に熱が移動するように構成されている。
検出部670は、光源部620から照射された光を吸収した被検体P内の検出対象物Pa(図13参照)から発生する音響波を検出するように構成されている。検出部670は、音響レンズ671と、音響整合層672と、超音波振動子673と、バッキング材674とを備えている。検出部670は、超音波を照射するように構成されている。また、検出部670は、超音波および音響波を検出するように構成されている。
検出部670は、光源部620から被検体Pに光を照射した際に被検体P内の検出対象物Paから発生する音響波(超音波)を検出する。また、光音響画像化装置600は、検出部670により検出された音響波に基づいて、検出対象物Paを画像化することが可能に構成されている。
また、検出部670は、超音波振動子673から被検体Pに超音波を照射するとともに、被検体P内の検出対象物Paにより反射された超音波を検出可能に構成されている。また、光音響画像化装置600は、検出部670により検出された反射された超音波に基づいて、検出対象物を画像化することが可能に構成されている。
音響レンズ671(図13参照)は、音響整合層672(超音波振動子673)からの超音波を集束させながら被検体Pに照射させるように構成されている。
音響整合層672(図13参照)は、複数の音響インピーダンスが異なる層により構成されており、超音波振動子673と被検体Pとの間の音響インピーダンスを整合するように構成されている。
超音波振動子673(図13参照)は、圧電素子(たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT))などにより構成されている。超音波振動子673は、電圧の印加によって振動し、超音波を発生するとともに、音響波(超音波)を検出した場合には、振動して電圧(受信信号)を生じる。また、超音波振動子673は、光源部620および配線631から発生する電磁波によっても電圧を生じ、振動されて超音波を発生する。この電磁波に起因する超音波が被検体P内の検出対象物Paにより反射され、反射された超音波が超音波振動子673(検出部670)により検出されることが、生成される画像にノイズが乗る原因である。
また、バッキング材674(図13参照)は、超音波振動子673の後方(Z1側)に配置されており、超音波および音響波が後方に伝搬するのを抑制するように構成されている。
図18に示すように、装置本体部680は、制御部681と、光源駆動部682と、信号処理部683と、画像表示部684とを備えている。
制御部681は、CPU(Central Processing Unit)などを含み、所定のプログラムに基づいて動作するように構成されている。制御部681は、光音響画像化装置600の全体の制御を行うように構成されている。
光源駆動部682は、外部電源部(図示せず)から電力を取得するように構成されている。光源駆動部682は、検出部670を収容する第1筺体610aとは別個の装置本体部680に配置されている。これにより、検出部670によって、光源駆動部682から照射される電磁波に起因する、ノイズが検出されるのを抑制することができる。光源駆動部682は、制御部681からの光トリガ信号を取得して、取得した光トリガ信号に基づいて、光源部620に電力を供給するように構成されている。光源駆動部682は、光トリガ信号に基づいた電力を基板630の配線631に接続される同軸ケーブル3(図13参照)を介して、光源部620に供給するように構成されている。また、光源駆動部682は、光源部620から、たとえば、約150nsのパルス幅のパルス光を発生させるように構成されている。
信号処理部683は、制御部681から、光トリガ信号に同期されたサンプリングトリガ信号を取得するように構成されている。信号処理部683は、超音波振動子673が音響波(超音波)を検出することにより振動した際の電圧(受信信号)を検出部670から取得するように構成されている。信号処理部683は、取得したサンプリングトリガ信号と、取得した受信信号とに基づいて、音響波に基づいた断層画像および超音波に基づいた断層画像を生成するとともに、断層画像を合成する処理を行い、合成された画像を画像表示部684に出力するように構成されている。
画像表示部684は、液晶パネルなどにより構成されている。また、画像表示部684は、合成された画像を表示するように構成されている。
次に、図19および図20を参照して、第6実施形態による電磁波吸収層650を設けたことによる効果を確認するための実験結果について説明する。この実験は、検出対象物Paとしてステンレス棒を使用し、ステンレス棒を寒天の表面から20mmの位置に埋没させたものを被検体Pと見立てて行った。
光源部620から照射される光の速さVc(3×108m/s)は、音響波(超音波)Vsの速さと比べて極めて大きい(Vc>>Vs)。このため、光源部620から照射された光が検出対象物Paに到達するまでの時間t1は、検出部670から発生された超音波が検出対象物Paに到達するまでの時間t2、および、音響波(超音波)が超音波検出対象物Paから検出部670に到達するまでの時間t3(≒t2)に比べて極めて小さい。このため、t2およびt3との関係において、t1は略0と見なすことができる。
図19は、電磁波吸収層を設けない光音響画像化装置により生成された画像を模式的に示した図である。電磁波吸収層を設けない光音響画像化装置を用いた場合には、寒天の表面から20mmに対応する位置に、ステンレス棒(検出対象物Pa)を示す実像RIが確認された。光源部620からステンレス棒に光を照射した場合、光を照射した時刻t0からt1+t3(≒t3)後に、ステンレス棒からの音響波が検出される。この音響波から生成された像が、実像RIである。
また、電磁波吸収層を設けない光音響画像化装置を用いた場合には、寒天の表面から40mmに対応する位置(ステンレス棒が存在しない位置)に、虚像VIが確認された。光源部からステンレス棒に光を照射した場合、光を照射した時刻t0と同時に、光源部および配線から電磁波が発生する。すなわち、時刻t0において、検出部の超音波振動子が振動される。これにより、時刻t0からt2+t3(≒2×t3)後に、ステンレス棒により反射された超音波が検出される。虚像VIは、実像RIの深度位置(被検体Pの表面からの位置)に対して、2倍大きい深度位置に生成される。この超音波から生成された像が虚像VIであり、虚像VIは、光の照射と同時に光源部および配線から発生した電磁波に起因するノイズである。
図20は、電磁波吸収層650を設けた光音響画像化装置600により生成された画像を模式的に示した図である。電磁波吸収層650を設けた光音響画像化装置600を用いた場合には、寒天の表面から20mmに対応する位置に、ステンレス棒(検出対象物Pa)を示す実像RIのみが確認された。光を照射した時刻t0からt1+t3(≒t3)後に、ステンレス棒からの音響波が検出される。この音響波から生成された像が、実像RIである。
また、電磁波吸収層650を設けた光音響画像化装置600を用いた場合には、電磁波吸収層を設けない光音響画像化装置を用いた場合(図19)と異なり、寒天の表面から40mmに対応する位置(ステンレス棒が存在しない位置)に、虚像VIが確認されなかった。これにより、光源部620から光を照射した時刻t0と同時に光源部620および配線631から発生した電磁波が、電磁波吸収層650によって吸収されたことが確認できた。
第6実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第6実施形態では、上記のように、配線631を基板630の第2面630bから覆う電磁波吸収層650を設ける。ここで、同軸ケーブル3以外の部分、具体的には発光素子620aを含む光源部620は、外部からの電磁波等(ノイズ)の侵入を抑制すること、および、内部から外部への電磁波の放射を抑制することが不十分である可能性がある。これに対して、第6実施形態では、光音響画像化装置600に、配線631を基板630の第2面630b側から覆う電磁波吸収層650を設ける。これにより、光源部620および光源部620に接続される配線631から発生し、光源部620の近傍の検出部670に向かう電磁波を電磁波吸収層650により吸収することができる。その結果、検出部670により電磁波が検出されるのを抑制することができるので、光音響画像化装置600により生成される画像にノイズが乗るのを抑制することができる。
また、第6実施形態では、基板630の第2面630bを露出させるための基板露出部651を電磁波吸収層650に形成する。また、電磁波吸収層650の基板露出部651を介して、基板630の第2面630bに接触するように配置され、基板630の熱を放熱するための熱伝導部660を設ける。これにより、熱伝導部660により、光源部620から発生した熱を基板630の第2面630bから効果的に放熱することができる。その結果、光源部620の寿命を延ばすことができる。
また、第6実施形態では、検出部670を収容する第1筺体610aを設ける。また、一方の端部側が基板630の第2面630bに接触し、他方の端部側が第1筺体610aに接触するように熱伝導部660を構成する。これにより、熱伝導部660により、光源部620から発生した熱を第1筺体610a側に逃がすことができる。その結果、光源部620から発生した熱をより効果的に放熱することができる。
また、第6実施形態では、第1筺体610aに放熱部601aを設ける。また、熱伝導部660の他方の端部側を放熱部601aに接続する。これにより、熱伝導部660の他方の端部側の放熱部601aにより、光源部620から発生した熱をより一層効果的に放熱することができる。
また、第6実施形態では、基板630の第2面630bと、電磁波吸収層650との間に、絶縁部材640を設ける。これにより、絶縁層により絶縁耐圧を上げることができる。その結果、光源部620に高い電圧を印加し、光源部620から照射される光の強度を大きくすることができる。
また、第6実施形態では、光源部620の発光素子620aを、発光ダイオード素子により構成する。これにより、光源部620が固体レーザ光源により構成される場合に比べて、光源部620の消費電力を低減するとともに、装置を小型化することができる。
(第7実施形態)
以下、図21を参照して、本発明の第7実施形態による光音響画像化装置700の構成について説明する。
この第7実施形態では、基板630の第2面630bと、電磁波吸収層650との間に、絶縁部材640が設けられている第6実施形態と異なり、基板630の第2面630bと、電磁波吸収層650との間に、絶縁部材640が設けられていない光音響画像化装置700について説明する。なお、第7実施形態において、第6実施形態と同様の構成については同じ符号を用いるとともに、説明を省略する。
図21に示すように、第7実施形態による光音響画像化装置700では、電磁波吸収層650は、基板630の第2面630b側に接するように設けられている。また、電磁波吸収層650は、基板630の第2面630bを略全体に亘って覆うように構成されている。また、電磁波吸収層650のZ2側の面には、絶縁処理が施されている。また、電磁波吸収層650は、配線631および基板630の第2面630bを直接覆うように設けられている。また、電磁波吸収層650は、配線631および基板630の第2面630bと密着(接触)するように配置されている。また、電磁波吸収層650は、接着剤により、基板630の第2面630bに貼付されている。
第7実施形態では、電磁波吸収層650を配線631および基板630の第2面630bと密着(接触)させることができるので、配線631から照射される電磁波を確実に吸収することができる。また、第7実施形態では、絶縁部材640を設ける構成と異なり、光音響画像化装置700の構造を簡素化することが可能である。また、絶縁部材640を設ける構成と異なり、部品点数を削減することが可能である。なお、第6実施形態では、シート状の絶縁部材640を設けている分、第7実施形態よりも光源部620に容易に高い電圧を印加することができるので、光源部620から照射される光の強度を容易に大きくすることができる。
なお、第7実施形態のその他の構成は、上記第6実施形態と同様である。
第7実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第7実施形態では、第6実施形態と同様、検出部670により電磁波が検出されるのを抑制することができるので、光音響画像化装置700により生成される画像にノイズが乗るのを抑制することができる。
(第8実施形態)
以下、図22を参照して、本発明の第8実施形態による光音響画像化装置800の構成について説明する。
この第8実施形態では、熱伝導部660が設けられている第6実施形態と異なり、熱伝導部660が設けられていない光音響画像化装置800について説明する。なお、第8実施形態において、第6実施形態と同様の構成については同じ符号を用いるとともに、説明を省略する。
図22に示すように、第8実施形態による光音響画像化装置800では、第1筺体610aと、第2筺体610bと、光源部620と、基板630とを備えている。また、光音響画像化装置800は、絶縁部材640(図14参照)と、電磁波吸収層650(図14参照)と、検出部670と、装置本体部680(図18参照)とを備えている。
第8実施形態では、熱伝導部660を設ける構成と異なり、光音響画像化装置800の構造を簡素化することが可能である。また、熱伝導部660を設ける構成と異なり、部品点数を削減することが可能である。
なお、第8実施形態のその他の構成は、上記第6実施形態と同様である。
第8実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第8実施形態では、第6実施形態と同様、検出部670により電磁波が検出されるのを抑制することができるので、光音響画像化装置800により生成される画像にノイズが乗るのを抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第8実施形態では、本発明の発光素子として、発光ダイオード素子を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、発光素子として、発光ダイオード素子以外の発光素子を用いてもよい。たとえば、発光素子として、半導体レーザ素子を用いてもよい。
また、上記第1〜第8実施形態では、本発明の光源駆動部と、画像化部とを一体的に設けるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、光源駆動部と、画像化部とを別々に設けるように構成してもよい。たとえば、図23に示す第1変形例のように、装置本体部2aを、光源駆動部本体2bおよび画像化部本体2cからなるように構成してもよい。
ここで、第1変形例による装置本体部2aは、光源駆動部本体2bと、画像化部本体2cとを含む。そして、光源駆動部本体2bの内部には、光源駆動部2dが設けられている。また、画像化部本体2cの内部には、第1実施形態による装置本体部2の光源駆動部2d(22)を除く構成が配置されている。
そして、光源駆動部本体2bと、画像化部本体2cとは、制御ケーブル2eにより接続されており、画像化部本体2cから光源駆動部本体2bに光トリガ信号を伝達するように構成されている。また、光源駆動部本体2bに同軸ケーブル3が接続されており、画像化部本体2cに信号ケーブル4が接続されている。
また、上記第1〜第8実施形態では、本発明の同軸ケーブルの外部導体を光源駆動部の電源部に接続するとともに、同軸ケーブルの内部導体を信号生成部に接続するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、同軸ケーブルの外部導体を接地するとともに、同軸ケーブルの内部導体を信号生成部に接続するように構成してもよい。たとえば、図24に示す第2変形例のように、同軸ケーブル3の外部導体3cを接地するとともに、同軸ケーブル3の内部導体3aを信号生成部922bに接続するように構成してもよい。
ここで、第2変形例による光源駆動部922は、電源部922aと信号生成部922bとを含む。そして、電源部922aは、信号生成部922bに接続されており、負の電圧(たとえば、−200V)を印加することが可能に構成されている。そして、同軸ケーブル3の外部導体3cは接地されているとともに、同軸ケーブル3の内部導体3aは信号生成部922bに接続されている。
そして、制御部23により光トリガ信号の電圧レベルがHにされた場合には、同軸ケーブル3の内部導体3aに接続されている発光ダイオード素子16のカソードが負の電圧となり、発光ダイオード素子16のアノード側からカソード側に電流が流れるように構成されている。なお、同軸ケーブル3の外部導体3cは接地されているので、外部導体3cが電源部922a(または22a)に接続されている場合に比べて、ジャケット3dよりも外部(たとえば、グラウンド)との電位差が小さくなる。その結果、同軸ケーブル3のジャケット3dの厚みが大きくなるのを抑制することが可能になる。
また、上記第1〜第8実施形態では、本発明の同軸ケーブルを、1つの光源部に対して、1本または2本設けるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、同軸ケーブルを、1つの光源部に対して、3本以上設けるように構成してもよい。
また、上記第3実施形態では、本発明の同軸ケーブルを、1本あたりの特性インピーダンスが50Ωの同軸ケーブルを複数本用いるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、同軸ケーブルを、1本あたりの特性インピーダンスが50Ω以外の同軸ケーブルを複数本用いるように構成してもよい。たとえば、1本あたりの特性インピーダンスが75Ωの同軸ケーブルを複数本用いるように構成してもよい。
また、上記第1〜第8実施形態では、本発明の光源部を、プローブに1つまたは2つ設けるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、光源部を、プローブに3つ以上設けるように構成してもよい。たとえば、光源部を、プローブに3つ設けて、それぞれに同軸ケーブルを接続するように構成してもよい。
また、上記第1〜第8実施形態では、本発明の耐圧(250V)、光トリガ信号のパルスの時間幅(150ns)、ケーブルの長さ(2m)など、数値の例を示して説明したが、本発明は、これに限られない。本発明では、たとえば、耐圧を300Vに構成してもよいし、パルスの時間幅を100nsに構成してもよいし、ケーブルを3mとして構成してもよい。
また、上記第1〜第8実施形態では、本発明のプローブをリニア型の形状により構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、プローブをリニア型以外の形状により構成してもよい。たとえば、プローブをコンベックス型の形状により構成してもよいし、セクタ型の形状により構成してもよい。
また、上記第1〜第8実施形態では、本発明のプローブに発光ダイオード素子(照明部)と音響波検出部(プローブ本体部)との両方を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、プローブに発光ダイオード素子と音響波検出部との両方を設けなくてもよい。たとえば、プローブに音響波検出部を設けて、発光ダイオード素子を含む照明部をプローブと離間して配置されるように構成してもよい。
また、上記第1〜第8実施形態では、本発明の発光素子として発光ダイオード素子を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、発光素子として発光ダイオード素子以外の発光素子を用いてもよい。たとえば、図25に示す変形例のように、発光素子として半導体レーザ素子16aまたは有機発光ダイオード素子16bを用いてもよい。
ここで、第3変形例による照明部12a(および13a)は、図25に示すように、光源部15a(および17a)を含み、光源部15a(および17a)は、半導体レーザ素子16aを含む。この場合、半導体レーザ素子16aは、発光ダイオード素子と比べて、比較的指向性が高いレーザ光を被検体Pに照射することができるので、半導体レーザ素子16aからの光の大部分を確実に被検体Pに照射することができる。
また、第4変形例による照明部12b(および13b)は、図25に示すように、光源部15b(および17b)を含み、光源部15b(および17b)は、有機発光ダイオード素子16bを含む。この場合、有機発光ダイオード素子16bは、薄型化が容易であり、光源部15b(および17b)を容易に小型化することができる。また、発光素子として、発光ダイオード素子、半導体レーザ素子、および有機発光ダイオード素子以外の素子を用いてもよい。
また、上記第1〜第8実施形態では、本発明の信号生成部に、2つのFETを設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、信号生成部に、2つ以外の数のFETを設けるように構成してもよい。たとえば、上記第1〜第3実施形態のように2つの照明部を設けた場合でも、発光ダイオード素子(発光素子)の順電圧値が略均等である(ばらつきが小さい)場合には、1つのFETを設けて、FETのドレインに2つの同軸ケーブルの内部導体を接続するように構成してもよい。
また、上記第4実施形態では、ケーブル402に、同軸ケーブル403の外側を覆うシールド403a(第1シールド)を設ける例を示し、上記第5実施形態では、ケーブル502に、同軸ケーブル403の外側を覆うシールド403a(第1シールド)と、信号ケーブル404の外側を覆うシールド404a(第1シールド)との両方を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図26に示す第4実施形態および第5実施形態の第5変形例によるケーブル402aのように、同軸ケーブル403の外側を覆うシールド403aは設けずに、信号ケーブル404の外側を覆うシールド404a(第1シールド)を設けるように構成してもよい。
ここで、第5変形例によるケーブル402aは、図26に示すように、同軸ケーブル403および信号ケーブル404を含む。そして、ケーブル402aには、信号ケーブル404の外側を覆うシールド404aが設けられている。また、ケーブル402aは、シールド404aの外周面を覆うジャケット404bを含むとともに、同軸ケーブル403と信号ケーブル404とシールド404aとジャケット404bとの外側を覆うジャケット405aを含む。これにより、ケーブル402aは、同軸ケーブル403と、シールド404aに覆われた信号ケーブル404とを一体的に取り回し可能に構成されている。
また、上記第6〜第8実施形態では、基板630の第1面630aに光源部620を設け、第2面630bに配線631を設けたが本発明はこれに限られない。本発明では、図27に示す第6変形例のように、基板630の第1面630aに配線631を設けてもよい。
この場合、電磁波吸収層650を基板630の第2面630bのみならず、第1面630aにも設けてもよい。
また、上記第6〜第8実施形態では、シート状の部材の電磁波吸収層650を設けたが本発明はこれに限られない。本発明では、ペースト状の電磁波吸収層650を設けてもよい。