図1は、本発明の一の実施の形態に係るスイッチユニット1を示す斜視図である。図1では、互いに直交する3方向をX方向、Y方向およびZ方向として矢印にて示している(他の図において同様)。X方向、Y方向およびZ方向は便宜的なものであり、Z方向が重力方向である必要はない。
図2は、(−X)側から(+X)方向を向いて見たスイッチユニット1を示す正面図であり、図3は、スイッチユニット1を示す分解斜視図である。スイッチユニット1は、産業機械等に電気的に接続されるスイッチであり、当該産業機械等は、パネル等により周囲が囲まれた空間(以下、「機械設置空間」という。)に設置される。後述するように、スイッチユニット1は、複数の被検出部を検出する。スイッチユニット1は、例えば当該機械設置空間の出入口(加工物等の搬出入口を含む。)近傍の壁面および扉の一方に取り付けられ、他方には、複数の被検出部が取り付けられる。
スイッチユニット1は、一の電気機器である安全スイッチ2と、他の電気機器である位置検出スイッチ3と、接続金具4とを備える。安全スイッチ2は、後述のアクチュエータの挿抜により扉の開閉を検出するスイッチである。安全スイッチ2は、本体20を備え、本体20は、操作部21と、スイッチ部22とを有する。操作部21には、2つのキー挿入口(スリット孔)211,212が設けられる。2つのキー挿入口211,212は、互いに異なる方向(図1の例では、(+Z)方向および(−X)方向)に向かって開口する。安全スイッチ2の被検出部であるアクチュエータ82の操作キー821(後述の図5参照)は、いずれかのキー挿入口211,212に差し込まれる。安全スイッチ2では、操作キー821の操作部21への挿入方向が選択可能である。
操作部21の内部には、板カムおよびカムシャフトが設けられ、スイッチ部22には、接点ブロックが内蔵される。操作キー821が、いずれかのキー挿入口211,212に差し込まれると、板カムが回転し、スイッチ部22において接点ブロックの操作ロッドが移動する。これにより、接点ブロックの接続接点が切り換わる。また、操作キー821を抜き取ると、板カムが回転して、操作ロッドが操作キー821の差込時とは逆方向に移動する。これにより、接点ブロックの接続接点が切り換わる。安全スイッチ2は、アクチュエータ82の位置を検出する位置検出スイッチの一種と捉えることもできる。
図2に示すように、安全スイッチ2は、2つの貫通孔23をさらに備える。2つの貫通孔23は、スイッチ部22に設けられる。詳細には、図3に示すスイッチ部22は、X方向に垂直、かつ、互いに対向する2つの側面部220,221を有する。(−X)側の側面部221には、2つの凹部222がY方向に並んで形成される。2つの凹部222は周囲に対して(+X)側に窪む。図2に示すように、各凹部222は、X方向に垂直な底面223を有する。当該底面223には、(+X)方向に伸びる既述の貫通孔23が形成される。貫通孔23の一方の端部開口は当該底面223に設けられ、他方の端部開口は(+X)側の側面部220に設けられる。
図2に示す位置検出スイッチ3は、本体31と、検出部32とを備える。本体31は、検出部32を内部に収容する。検出部32は、位置検出スイッチ3の被検出部である後述のRFIDタグ83(後述の図5参照)が近接して配置された場合に、RFID(Radio Frequency Identification)技術を利用して当該RFIDタグ83を検出する。このように、位置検出スイッチ3は、RFIDリーダである。
図3に示すように、本体31は、X方向に垂直な2つの側面部311と、Y方向に垂直な2つの側面部312とを有する。Y方向に垂直な各側面部312には、X方向に伸びる2つの溝部313がZ方向に間隔を空けて形成される。(−Y)側の側面部312では、2つの溝部313は周囲に対して(+Y)側に窪み、(+Y)側の側面部312では、2つの溝部313は周囲に対して(−Y)側に窪む。(−Y)側の側面部312における2つの溝部313は、(+Y)側の側面部312における2つの溝部313とそれぞれZ方向の同じ位置に配置される。換言すると、位置検出スイッチ3は、(+Z)側に位置する2つの溝部313の組合せと、(−Z)側に位置する2つの溝部313の組合せとを含む。各溝部313の底面は、Y方向に垂直であり、(−X)側の側面部311から(+X)側の側面部311まで連続する。
接続金具4は、第1係合部41と、第2係合部42とを備える。第1係合部41は、ベース板部411と、対向板部413と、2つの補助板部415とを有する。ベース板部411および対向板部413は、共にX方向に略垂直な薄板状の部位である。2つの補助板部415は、共にY方向に略垂直な薄板状の部位であり、ベース板部411の(−Y)側の縁においてZ方向に間隔を空けて設けられる。ベース板部411はY方向に並ぶ2つの貫通孔410,412を有し、対向板部413は貫通孔414を有する。X方向に沿って見た場合に、ベース板部411の(−Y)側の貫通孔412と、対向板部413の貫通孔414とが互いに重なる。後述するように、貫通孔410,412,414は、接続金具4と安全スイッチ2との固定に利用されるため、以下、「固定孔410,412,414」と呼ぶ。
第2係合部42は、4つの支持板部421,422,423,424を有する。2つの支持板部421,423はX方向に略垂直であり、2つの支持板部422,424はY方向に略垂直である。4つの支持板部421〜424は順に接続する。また、支持板部421はベース板部411に接続し、支持板部424は対向板部413に接続する。第2係合部42の4つの支持板部421〜424および対向板部413は、ベース板部411において2つの補助板部415の間から伸びる帯状の薄板をプレス加工等で曲げることにより形成される部位である。接続金具4では、全体が連続する1つの部材として、例えば金属等により形成される。
スイッチユニット1を組み立てる際には、例えば、第2係合部42において、X方向に互いに対向する支持板部421,423の間を僅かに広げつつ、4つの支持板部421〜424に囲まれる空間に、位置検出スイッチ3の本体31が挿入される。そして、(+Z)側の2つの溝部313、または、(−Z)側の2つの溝部313内に、第2係合部42の2つの支持板部422,424が配置される。図1の例では、2つの支持板部422,424は、(−Z)側の2つの溝部313に嵌め込まれる。
図3の接続金具4において、外部から力が作用していない状態では、2つの支持板部422,424間の間隙の幅は、位置検出スイッチ3においてY方向に対向する2つの溝部313の底面間の距離におよそ等しい。したがって、2つの支持板部422,424は、それぞれ2つの溝部313の底面(側面部312の一部であると捉えられる。)にほぼ接する。このようにして、位置検出スイッチ3における係止部である当該2つの溝部313に、接続金具4の第2係合部42が係合する。接続金具4における残りの2つの支持板部421,423間の間隙の幅も、X方向に対向する2つの側面部311間の距離におよそ等しい。したがって、2つの支持板部421,423も、それぞれ2つの側面部311にほぼ接する。
続いて、第1係合部41において、ベース板部411と対向板部413との間を僅かに広げつつ、対向板部413が、安全スイッチ2における一方の(ここでは、(−Y)側の)凹部222内に配置され、ベース板部411が(+X)側の側面部220上に配置される。接続金具4において、外部から力が作用していない状態では、ベース板部411と対向板部413との間の間隙の幅は、安全スイッチ2における側面部220と凹部222の底面223との間の距離におよそ等しい。したがって、接続金具4のベース板部411および対向板部413は、それぞれ側面部220および凹部222の底面223(側面部221の一部であると捉えられる。)にほぼ接する。このようにして、安全スイッチ2における係止部である側面部220および凹部222に、接続金具4の第1係合部41が係合する。
以上のように、第1係合部41が安全スイッチ2と係合し、第2係合部42が位置検出スイッチ3と係合することにより、安全スイッチ2と位置検出スイッチ3とが接続金具4を介して接続された状態となり、スイッチユニット1の組立が完了する。第1係合部41が安全スイッチ2と係合した状態では、対向板部413の固定孔414が、安全スイッチ2の一方の貫通孔23と重なる(図2参照)。また、ベース板部411の(−Y)側の固定孔412も、当該貫通孔23と重なる。さらに、ベース板部411の(+Y)側の固定孔410が、安全スイッチ2の他方の貫通孔23と重なる。なお、2つの補助板部415は、安全スイッチ2と位置検出スイッチ3との間に挟まれる。
その後、安全スイッチ2が、位置検出スイッチ3および接続金具4と共に、産業機械等が設置される機械設置空間の出入口近傍の壁面、または、出入口の扉の表面に取り付けられる。図4の例では、スイッチユニット1が、壁面91を取付面として、取付ねじ911,912により取り付けられる。具体的には、まず、壁面91に対する孔加工が行われ、取付ねじ911,912用の取付孔が壁面91に形成される。続いて、取付ねじ911(の軸部)が、対向板部413の固定孔414(図3参照)、安全スイッチ2の(−Y)側の貫通孔23、および、ベース板部411の(−Y)側の固定孔412に挿入され、取付ねじ911が壁面91の取付孔に対して締め付けられて固定される。また、他の取付ねじ912が、安全スイッチ2の(+Y)側の貫通孔23、および、ベース板部411の(+Y)側の固定孔410に挿入され、壁面91の取付孔に対して締め付けられて固定される。このように、安全スイッチ2の貫通孔23を利用して、スイッチユニット1が壁面91に取り付けられる。
壁面91に固定されたスイッチユニット1では、取付ねじ911によりベース板部411および対向板部413の位置が固定されており、2つの溝部313の底面に接する2つの支持板部422,424間の幅が変更不能である。また、取付ねじ911により、第1係合部41と安全スイッチ2との分離も不能である。このように、スイッチユニット1では、取付ねじ911を外さない限り、安全スイッチ2および位置検出スイッチ3を接続金具4から取り外すことができない状態となっている。換言すると、貫通孔23に挿入される取付ねじ911により安全スイッチ2が壁面91に取り付けられた状態において、第1係合部41と安全スイッチ2とが固定され、第2係合部42と位置検出スイッチ3とが固定される。スイッチユニット1の壁面91への固定では、安全スイッチ2および位置検出スイッチ3が、壁面91の取付孔を共有していると捉えることも可能である。
一方、図4に示す出入口の扉92には、スイッチユニット1に対応する被検出ユニット8が取り付けられる。図4の例では、扉92は引き戸であり、図4中において符号A1を付す矢印にて示す移動方向に移動可能である。扉92は、引き戸以外の種類の扉(開き扉等)であってもよい。
図5は、スイッチユニット1および被検出ユニット8を示す斜視図であり、図5の上下方向(Z方向)が、図4中の扉92の移動方向A1に対応する。被検出ユニット8は、ベース部81と、アクチュエータ82と、RFIDタグ83とを備える。ベース部81は、アクチュエータ82およびRFIDタグ83を保持する。ベース部81は、取付具921を介して扉92に固定される(図4参照)。既述のように、アクチュエータ82は、安全スイッチ2の被検出部である。RFIDタグ83は、位置検出スイッチ3の被検出部である。位置検出スイッチ3では、当該RFIDタグ83の固有の識別情報が予め登録されている。
本実施の形態では、安全スイッチ2は、機械設置空間内の産業機械等に電気的に接続される。例えば、安全スイッチ2がON状態である場合に、当該産業機械等への電力供給が可能となり、安全スイッチ2がOFF状態である場合に、当該産業機械等への電力供給が不能となる。また、位置検出スイッチ3は、壁面91等に取り付けられた表示灯に電気的に接続される。位置検出スイッチ3によりRFIDタグ83が検出されている状態では、表示灯が点灯する。位置検出スイッチ3によりRFIDタグ83が検出されていない状態では、表示灯が消灯する。図4中に二点鎖線にて示すように、扉92を閉じると、アクチュエータ82の操作キー821が、キー挿入口211に差し込まれる(図5および図6参照)。これにより、安全スイッチ2において接点ブロックの接続接点がON状態に切り換わり、機械設置空間内の産業機械等への電力供給が可能となる。また、RFIDタグ83が位置検出スイッチ3の検出部32に近接し、RFIDタグ83が検出される。これにより、表示灯が点灯し、扉92が正常に閉じていることが周囲において確認可能となる。
一方、扉92を開くと、操作キー821がキー挿入口211から抜き取られ、安全スイッチ2において接点ブロックの接続接点がOFF状態に切り換わる。また、RFIDタグ83が位置検出スイッチ3から離れ、表示灯が消灯する。何らかの部材のキー挿入口211への挿入等により、仮に、扉92が開いた状態で、接点ブロックの接続接点がON状態となる場合、産業機械等への電力供給が可能となる。しかしながら、位置検出スイッチ3においてRFIDタグ83が検出されないため、表示灯が消灯したままとなる。したがって、産業機械等が動作しているにもかかわらず、表示灯が消灯した状態となり、扉92が異常な状態で開いていることが周囲において確認可能となる。これにより、安全スイッチ2の無効化の抑止効果が期待される(以下同様)。既述のように、スイッチユニット1が扉92に取り付けられ、被検出ユニット8が壁面91に取り付けられてもよい。
図7および図8に示すように、安全スイッチ2において側面のキー挿入口212が利用されてもよい。この場合も、アクチュエータ82の操作キー821が、キー挿入口212に差し込まれることにより、安全スイッチ2において接点ブロックの接続接点がON状態に切り換わる。これにより、産業機械等への電力供給が可能となる。また、RFIDタグ83が位置検出スイッチ3の検出部32に近接し、RFIDタグ83が検出される。これにより、表示灯が点灯状態となる。
図9に示すように、接続金具4の第2係合部42における2つの支持板部422,424が、位置検出スイッチ3における(+Z)側の2つの溝部313内に配置されてもよい。図9の例では、キー挿入口211,212が(+Z)方向および(−Y)方向に向かってそれぞれ開口している。図10に示すように、アクチュエータ82の操作キー821が、(−Y)方向に開口するキー挿入口212に差し込まれる際に、RFIDタグ83が位置検出スイッチ3の検出部32に近接する。これにより、機械設置空間内の産業機械等への電力供給が可能となるとともに、表示灯が点灯状態となる。なお、安全スイッチ2では、操作部21のスイッチ部22に対する向き、すなわち、キー挿入口212の開口方向が変更可能である。操作部21の向きを変更する際には、操作部21の上面に設けられたねじを外し、Z方向に平行な軸を中心として操作部21を90度間隔で回転し、その後、ねじにより操作部21がスイッチ部22に再度取り付けられる。
図1および図9のスイッチユニット1では、安全スイッチ2の(−Y)側に位置検出スイッチ3が取り付けられるが、安全スイッチ2の(+Y)側に位置検出スイッチ3が取り付けられてもよい。具体的には、図3に示す接続金具4を、X方向に平行な軸を中心として180度回転させた後、当該接続金具4の第2係合部42と、安全スイッチ2の(+Y)側に配置される位置検出スイッチ3とが係合する。また、接続金具4の対向板部413が(+Y)側の凹部222内に配置され、ベース板部411が側面部220上に配置される。すなわち、第1係合部41が安全スイッチ2に係合する。これにより、安全スイッチ2の(+Y)側に位置検出スイッチ3が取り付けられたスイッチユニット1が組み立てられる。
ここで、安全スイッチと位置検出スイッチとが、個別の取付ねじにより取付面に取り付けられる比較例のスイッチユニットを想定する。比較例のスイッチユニットでは、安全スイッチおよび位置検出スイッチのそれぞれの取付ねじに対して、取付孔を取付面に形成する必要があり、スイッチユニットの取付面への取付に要する時間が増大する。
これに対し、図3のスイッチユニット1では、接続金具4が用いられ、接続金具4が、安全スイッチ2に係合する第1係合部41と、位置検出スイッチ3に係合する第2係合部42とを備える。そして、安全スイッチ2の貫通孔23に挿入される取付ねじ911により、安全スイッチ2が所定の取付面に取り付けられた状態において、第1係合部41と安全スイッチ2とが固定され、第2係合部42と位置検出スイッチ3とが固定される。これにより、位置検出スイッチ3の取付用の取付ねじが不要になり、比較例のスイッチユニットに比べて取付ねじの個数を少なくしつつ、安全スイッチ2および位置検出スイッチ3を取付面に強固に固定することができる。また、位置検出スイッチ3の専用の取付孔の形成も不要となり、安全スイッチ2および位置検出スイッチ3の取付面への取付に要する時間を削減することができる。
また、安全スイッチ2のみが取付面に既に取り付けられている場合に、取付面において新たな取付孔の形成ができないときでも、接続金具4を用いて位置検出スイッチ3を安全スイッチ2に接続して、位置検出スイッチ3を実質的に取付面に固定することができる。接続金具4を用いた位置検出スイッチ3の安全スイッチ2への固定では、位置検出スイッチ3を安全スイッチ2に対して一定の相対位置に配置することが容易に可能となる。
スイッチユニット1では、第1係合部41が、安全スイッチ2の貫通孔23と重なる固定孔412,414を有し、安全スイッチ2が取付面に取り付けられた状態において、取付ねじ911が固定孔412,414にも挿入される。これにより、第1係合部41を安全スイッチ2に確実に固定することができる。また、安全スイッチ2が取付面に取り付けられた状態において、第2係合部42の複数の支持板部421〜424が、位置検出スイッチ3の複数の側面部311,312とそれぞれ接する状態が維持される。これにより、第2係合部42を位置検出スイッチ3に確実に固定することができる。
また、比較例のスイッチユニットでは、安全スイッチに対する位置検出スイッチの相対位置を変更する場合に、取付面に対して追加の取付孔を形成する必要がある。これに対し、スイッチユニット1の位置検出スイッチ3では、2つの側面部312にそれぞれ設けられる2つの溝部313の組合せを係止部として、第2係合部42と係合可能であり、かつ、Z方向に離れて配置される複数の係止部が設けられる。これにより、取付面に対して追加の取付孔を形成することなく、安全スイッチ2および位置検出スイッチ3に対応する2つの被検出部(アクチュエータ82およびRFIDタグ83)の配置に合わせて、安全スイッチ2に対する位置検出スイッチ3の相対位置を容易に変更(選択)することができる。位置検出スイッチ3では、3以上の係止部が設けられてもよい。
図11は、スイッチユニットの他の例を示す分解斜視図である。図11のスイッチユニット1aでは、図3のスイッチユニット1における接続金具4が省略される。また、安全スイッチ2の本体20に係止部24が設けられ、位置検出スイッチ3では、溝部313に代えて複数の突起部331が設けられる。他の構成は、図1と同様であり、同じ構成に同じ符号を付している。
安全スイッチ2の係止部24は、スイッチ部22の(−Y)側の側面部224から(−Y)方向に突出する2つの突出板部241を有する。2つの突出板部241は、薄板状であり、それぞれ(−X)側の側面部221および(+X)側の側面部220に沿うように突出する。Z方向における2つの突出板部241の位置は同じである。各突出板部241には、矩形の貫通孔242が設けられる。突出板部241は、スイッチ部22のケースと共に、例えば樹脂にて形成される。後述するように、貫通孔242は突起部331の係止に利用されるため、以下、「係止孔242」と呼ぶ。
位置検出スイッチ3は、4つの突起部331を有する。2つの突起部331は、本体31の(−X)側の側面部311においてZ方向に離れて設けられ、残りの2つの突起部331は、(+X)側の側面部311においてZ方向に離れて設けられる。2つの側面部311における(+Z)側の2つの突起部331は、一の係合部33としてZ方向の同じ位置に配置され、(−Z)側の2つの突起部331は、他の一の係合部33としてZ方向の同じ位置に配置される。このように、図11の例では、2つの係合部33がZ方向の異なる位置に設けられる。突起部331は、本体31のケースと共に、例えば樹脂にて形成される。
スイッチユニット1aを組み立てる際には、例えば、2つの突出板部241の間を僅かに広げつつ、両者の間に位置検出スイッチ3の本体31が配置される。そして、(+Z)側の係合部33における2つの突起部331、または、(−Z)側の係合部33における2つの突起部331が、2つの突出板部241の係止孔242に嵌め込まれる。図12の例では、(−Z)側の2つの突起部331が、2つの突出板部241の係止孔242に嵌め込まれる。このようにして、安全スイッチ2の係止部24に、位置検出スイッチ3の(−Z)側の係合部33が係合し、位置検出スイッチ3が安全スイッチ2の本体20に固定される。これにより、スイッチユニット1aの組立が完了する。
その後、スイッチユニット1aが、機械設置空間の出入口近傍の壁面に取り付けられる。スイッチユニット1aの取付では、取付ねじ用の取付孔が壁面に形成され、続いて、各貫通孔23(図2参照)に挿入される取付ねじの締め付けにより、安全スイッチ2が壁面に取り付けられる。出入口の扉に対する被検出ユニット8の取付は、上記と同様である。もちろん、スイッチユニット1aが扉に取り付けられ、被検出ユニット8が壁面に取り付けられてもよい。
スイッチユニット1aを用いる場合も、扉を閉じると、図12に示すように、被検出ユニット8がスイッチユニット1aに近接し、アクチュエータ82の操作キー821が、上面のキー挿入口211に差し込まれる(図5参照)。また、RFIDタグ83が位置検出スイッチ3の検出部32に近接し、RFIDタグ83が検出される。これにより、機械設置空間内の産業機械等への電力供給が可能となるとともに、表示灯が点灯状態となる。
図13に示すように、安全スイッチ2において側面のキー挿入口212が利用されてもよい。この場合も、アクチュエータ82の操作キー821が、キー挿入口212に差し込まれることにより、産業機械等への電力供給が可能となり、RFIDタグ83が位置検出スイッチ3に検出されることにより、表示灯が点灯状態となる。また、図14に示すように、(+Z)側の2つの突起部331が、2つの突出板部241の係止孔242に嵌め込まれる、すなわち、安全スイッチ2の係止部24に、位置検出スイッチ3の(+Z)側の係合部33が係合してもよい。
以上のように、図11のスイッチユニット1aでは、安全スイッチ2の本体20において、取付面への取付ねじによる取付用の貫通孔23が設けられる。また、当該本体20において、位置検出スイッチ3における係合部33と係合する係止部24が設けられ、係合部33および係止部24の協働により、位置検出スイッチ3が本体20に固定される。これにより、スイッチユニット1aの取付面への取付では、安全スイッチ2の取付面への取付により、位置検出スイッチ3の取付面への取付も完了し、安全スイッチ2および位置検出スイッチ3の取付面への取付に要する時間を削減することができる。
また、位置検出スイッチ3では、安全スイッチ2の係止部24と係合可能であり、かつ、Z方向に離れて配置される複数の係合部33が設けられる。これにより、安全スイッチ2および位置検出スイッチ3に対応する2つの被検出部(アクチュエータ82およびRFIDタグ83)の配置に合わせて、安全スイッチ2に対する位置検出スイッチ3の相対位置を容易に変更(選択)することができる。
上記スイッチユニット1,1aでは様々な変形が可能である。
スイッチユニット1において、図3の接続金具4の形状は適宜変更されてよい。例えば、図15に示すように、接続金具4の第2係合部42が、位置検出スイッチ3の連続する2つの側面部311,312((+X)側および(−Y)側の側面部であり、溝部313の底面を含む。)のみに接してもよい。図15では、接続金具4を太い実線および太い破線にて示している。図15の場合も、安全スイッチ2が壁面91に取り付けられた状態において、接続金具4を用いて位置検出スイッチ3と安全スイッチ2とを強固に固定することができる。
また、図16に示すように、接続金具4aが安全スイッチ2および位置検出スイッチ3の双方の周囲を囲むような形状であってもよい。図16の位置検出スイッチ3では、接続金具4aが嵌まる溝部313が、(−X)側および(−Y)側の側面部に形成される。安全スイッチ2の(−X)側および(+Y)側の側面部にも、同様の溝部213が形成される。接続金具4aにおいて溝部213内に配置される部位は第1係合部41であり、溝部313内に配置される部位は第2係合部42である。接続金具4aは、安全スイッチ2の貫通孔23と重ならない位置に配置される。スイッチユニット1が取付ねじにより壁面に取り付けられた状態において、接続金具4aの両端部43が、安全スイッチ2および位置検出スイッチ3と壁面との間に配置される。これにより、安全スイッチ2および位置検出スイッチ3からの接続金具4aの取り外しが不能となる。すなわち、接続金具4aの第1係合部41と安全スイッチ2とが固定され、第2係合部42と位置検出スイッチ3とが固定される。
さらに、位置検出スイッチ3において接続金具4,4aの第2係合部42と係合する係止部は、溝以外の形状であってよく、例えば、Z方向における接続金具4,4aの両側を挟む突部であってもよい。安全スイッチ2において接続金具4,4aの第1係合部41と係合する係止部において同様である。
スイッチユニット1aにおいて、図11の係合部33および係止部24の形状も適宜変更されてもよい。例えば、係止部24に突起部が設けられ、係合部33に当該突起部が嵌まる係合孔が設けられてもよい。また、安全スイッチ2および位置検出スイッチ3の互いに対向する側面部の一方に、フック部を設け、他方に当該フック部を係止する引掛孔を設けることも可能である。さらに、ねじ等を用いて、位置検出スイッチ3が安全スイッチ2に対して固定されてもよい。
スイッチユニット1,1aの設計によっては、2以上の位置検出スイッチ3が、接続金具4,4aにより、または、係合部33および係止部24により、安全スイッチ2に対して固定されてもよい。また、表示灯に代えて、ブザー等が位置検出スイッチ3に電気的に接続され、扉の開閉によりブザー等のON/OFFが行われてもよい。
安全スイッチ2は、典型的には、アクチュエータの挿抜により扉の開閉を検出するスイッチであるが、機械設置空間の扉の開閉検出に利用可能であるならば、例えばリードスイッチや、リミットスイッチ等であってもよい。
位置検出スイッチ3は、被検出部が近接して配置されたことが検出可能であればよく、RFID技術を利用するもの以外に、電波、磁気、光等を検出するスイッチであってもよい。安全スイッチ2は、PLC、リレー等、スイッチ以外の電気機器であってよく、位置検出スイッチ3も、スイッチ以外の電気機器であってよい。以上のように、接続金具を用いる場合には、当該接続金具が、第1電気機器に係合する第1係合部と、第2電気機器に係合する第2係合部とを備える。第1電気機器において、取付面への取付ねじによる取付用の貫通孔が設けられており、当該貫通孔に挿入される取付ねじにより第1電気機器が取付面に取り付けられた状態において、第1係合部と第1電気機器とが固定され、第2係合部と第2電気機器とが固定される。これにより、2つの電気機器の取付面への取付に要する時間を削減することができる。また、接続金具を用いない場合には、電気機器が、取付面への取付ねじによる取付用の貫通孔が設けられる本体と、当該本体に設けられ、他の電気機器における係合部と係合して、当該他の電気機器を当該本体に固定する係止部とを備える。この場合も、2つの電気機器の取付面への取付に要する時間を削減することができる。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。