JP6494446B2 - 基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 - Google Patents

基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP6494446B2
JP6494446B2 JP2015125766A JP2015125766A JP6494446B2 JP 6494446 B2 JP6494446 B2 JP 6494446B2 JP 2015125766 A JP2015125766 A JP 2015125766A JP 2015125766 A JP2015125766 A JP 2015125766A JP 6494446 B2 JP6494446 B2 JP 6494446B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
pattern
hydrophilic polymer
block copolymer
hydrophobic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015125766A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017006863A (ja
Inventor
村松 誠
誠 村松
忠利 冨田
忠利 冨田
久志 源島
久志 源島
元 楊
元 楊
北野 高広
高広 北野
孝典 西
孝典 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2015125766A priority Critical patent/JP6494446B2/ja
Publication of JP2017006863A publication Critical patent/JP2017006863A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6494446B2 publication Critical patent/JP6494446B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Programmable Controllers (AREA)

Description

本発明は、親水性(極性)を有する親水性(有極性)ポリマーと疎水性を有する(極性を有さない)疎水性(無極性)ポリマーとを含むブロック共重合体を用いた基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
例えば半導体デバイスの製造工程では、例えば基板としての半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、当該レジスト膜に所定のパターンを露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などを順次行うフォトリソグラフィー処理が行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。そして、このレジストパターンをマスクとして、ウェハ上の被処理膜のエッチング処理が行われ、その後レジスト膜の除去処理などが行われて、被処理膜に所定のパターンが形成される。
ところで、DRAMなどの高容量化のために、DRAM内のキャパシタを構成するホールパターンの高密度化が求められている。このため、レジストパターンの微細化が進められており、例えばフォトリソグラフィー処理における露光処理の光を短波長化することが進められている。しかしながら、露光光源の短波長化には技術的、コスト的な限界があり、光の短波長化を進める方法のみでは、例えば数ナノメートルオーダーの微細なレジストパターンを形成するのが困難な状況にある。
そこで、親水性を有するポリマー(親水性ポリマー)と疎水性を有するポリマー(疎水性ポリマー)から構成されたブロック共重合体を用いたウェハ処理方法が提案されている(特許文献1)。かかる方法では、ウェハ上に、例えば平面視において六方最密構造に対応する位置にホールパターンが形成される。具体的には、ウェハ上に、六方最密構造に対応する位置の一部に親水性を有する膜により円形のパターンを下地として形成し、パターン形成後のウェハ上にブロック共重合体を塗布する。そして、ブロック共重合体を親水性ポリマーと疎水性ポリマーに相分離させると、下地として形成していた親水性を有する円形のパターンがガイドとして機能し、当該パターンの上面に接するように円柱状の親水性ポリマーが配列する。それと共に、この円柱状の親水性ポリマーを起点として、六方最密構造に対応する位置に親水性ポリマーが自律的且つ規則的に順次配列する。
その後、例えば親水性ポリマーを除去することで、ウェハ上に疎水性ポリマーにより微細なホールパターンが形成される。そして、疎水性ポリマーのパターンをマスクとして被処理膜のエッチング処理が行われ、被処理膜に所定のパターンが形成される。
特開2007−313568
ところで、半導体デバイスの製造工程においては、金属配線を形成する際に、銅などの金属によるラインアンドスペースパターンの一部を切断してカットパターンを形成する場合がある。このカットパターンの形成においては、切断対象となるパターンの上層に所定のドットパターンを形成し、このパターンをマスクとしてエッチングが行われる。
そして、半導体デバイスの微細化に伴い、ドットパターンも同様に微細化が求められている。そこで、上述のブロック共重合体によるホールパターンの形成手法を用いて、微細なドットパターンを形成する方法が検討されている。
しかしながら、ブロック共重合体によりホールパターンを形成するにあたり、例えば特許文献1のように、親水性を有する膜により形成された円形のパターンをガイドとして用いると、ガイドの直径が所望の値から数nmずれた場合、円柱状の親水性ポリマーが六方最密構造に対応する位置に適切に配列しなくなってしまう。そのため、特許文献1の方法ではガイドの直径を数nmの精度で制御する必要があり、プロセスマージンが非常に小さいという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、親水性ポリマーと疎水性ポリマーとを含むブロック共重合体を用いた基板処理において、基板上に所定のパターンを適切に形成することを目的としている。
前記の目的を達成するため、本発明は、親水性ポリマーと疎水性ポリマーとを含むブロック共重合体を用いて、基板を処理する方法であって、前記基板上に形成された、その一部が除去された所定のパターンを有する下地膜上に、中性層を形成する中性層形成工程と、前記中性層形成工程後の基板における、前記下地膜が除去された領域内に、疎水性の塗布膜により円形、楕円形又は角丸長方形のパターンを形成する塗布膜パターン形成工程と、前記塗布膜のパターンが形成された基板上に前記ブロック共重合体を塗布するブロック共重合体塗布工程と、前記のブロック共重合体を前記親水性ポリマーと前記疎水性ポリマーに相分離させるポリマー分離工程と、前記相分離したブロック共重合体から、前記親水性ポリマーを選択的に除去するポリマー除去工程を有し、前記親水性ポリマーはポリメタクリル酸メチルであり、前記疎水性ポリマーはポリスチレンであり、前記疎水性の塗布膜は、ポリスチレン膜であり、前記中性層は、ポリメタクリル酸メチルとポリスチレンとのランダム共重合体または交互共重合体により形成され、前記ブロック共重合体における前記親水性ポリマーの分子量の比率は、前記ポリマー分離工程において、前記疎水性の塗布膜によるパターン上に円柱状の第1の親水性ポリマーが、前記疎水性の塗布膜以外の領域に円柱状の第2の親水性ポリマーがそれぞれ配列するように、20%〜40%に調整され、前記疎水性の塗布膜によるパターンが、
(1)円形の場合には、当該パターンの直径は隣り合う前記第2の親水性ポリマー間のピッチの理論値の0.8〜1.5倍
(2)楕円形又は角丸長方形の場合には、当該パターンの長手方向の長さは(A+n)L、短手方向の最も幅広の部分の長さは、(0.8〜1.5)L
に設定されていることを特徴としている。ここで、Aは0.7〜1.3の範囲の任意の定数、L、前記親水性ポリマーと前記疎水性ポリマーとの間の相互作用パラメータであるχパラメータと、前記親水性ポリマー及び前記疎水性ポリマーの分子量より定まる、隣り合う前記第2の親水性ポリマー間のピッチ、nは自然数である。
ブロック共重合体を用いたパターン形成においては、一般に、親水性ポリマー及び疎水性ポリマーのうち、配置を制御したいポリマーとのエネルギー差が小さい膜によって下地にガイドを形成し、その上に塗布したブロック共重合体を相分離させることで、ガイドに対応する位置に自律的にポリマーを配列させる。その一方で本発明者らは、配置させたいポリマーとはエネルギー差が大きい膜によりガイドを形成することによっても、当該ポリマーの配置を制御できるとの知見を得た。具体的には、例えば円柱状の親水性ポリマーの配置を制御する場合、配置させたいポリマーである親水性ポリマーとはエネルギー差が大きい膜、即ち疎水性の膜により円形状のガイドを形成した場合、当該ガイド上には疎水性ポリマーが引き寄せられるが、ブロック共重合体中には一定の割合で親水性ポリマーが存在するため、疎水性ポリマーが引き寄せられた領域の中心部に自律的に親水性ポリマーが配列することがわかった。
本発明はこのような知見に基づくものであり、下地膜が除去された領域内に、疎水性の塗布膜による所定形状のパターンを形成し、その上に、親水性ポリマーの分子量が所定の比率に調整されたブロック共重合体を塗布して、その後当該ブロック共重合体を相分離させる。その結果、疎水性の塗布膜のパターンが円形であれば、当該円形のパターンの中心に対応する位置に円柱状の親水性ポリマーが自律的に配列する。また、疎水性の塗布膜のパターンが楕円形又は角丸長方形であれば、複数の円柱状の親水性ポリマーが当該パターンの長手方向の中心位置を対象として長手方向に沿って配列する。そのため、相分離後のブロック共重合体から親水性ポリマーを選択的に除去することで所望の位置に疎水性ポリマーによるホールパターンを形成することができる。そして、疎水性ポリマーによるホールパターンをマスクとしてエッチング処理を行うことで、例えば下地膜の下層に形成されたパターンの一部をカットして、所望のカットパターンを形成することができる。そして本発明においては、疎水性の塗布膜によるパターンの直径は、当該パターンが円形の場合は第2の親水性ポリマー間のピッチの0.8〜1.5倍であればよく、楕円形又は角丸長方形の場合、Aを0.7〜1.3の範囲の任意の定数、Lを前記ブロック共重合体における前記親水性ポリマーの分子量の比率に基づく、前記第2の親水性ポリマー間のピッチ、nを自然数であるとすると、当該パターンの長手方向の長さは(A+n)L、短手方向の最も幅広の部分の長さは(0.8〜1.5)Lであればよいため、特許文献1のように、円柱状の親水性ポリマーの配置を制御するために親水性の膜を用いる場合と比較して、非常に大きなプロセスマージンを確保することができる。したがって本発明によれば、親水性ポリマーと疎水性ポリマーとを含むブロック共重合体を用いた基板処理において、基板上に所定のパターンを適切に形成することができる。
別の観点による本発明は、親水性ポリマーと疎水性ポリマーとを含むブロック共重合体を用いて、基板を処理する方法であって、前記基板上に中性層を形成する中性層形成工程と、前記中性層形成工程後の基板上の所定の位置に、疎水性の塗布膜により楕円形又は角丸長方形のパターンを形成する塗布膜パターン形成工程と、前記塗布膜のパターンが形成された基板上に前記ブロック共重合体を塗布するブロック共重合体塗布工程と、前記のブロック共重合体を前記親水性ポリマーと前記疎水性ポリマーに相分離させるポリマー分離工程と、前記相分離したブロック共重合体から、前記親水性ポリマーを選択的に除去するポリマー除去工程を有し、前記親水性ポリマーはポリメタクリル酸メチルであり、前記疎水性ポリマーはポリスチレンであり、前記疎水性の塗布膜は、ポリスチレン膜であり、前記中性層は、ポリメタクリル酸メチルとポリスチレンとのランダム共重合体または交互共重合体により形成され、前記ブロック共重合体における前記親水性ポリマーの分子量の比率は、前記ポリマー分離工程において、前記疎水性の塗布膜によるパターン上に円柱状の第1の親水性ポリマーが、前記疎水性の塗布膜以外の領域に円柱状の第2の親水性ポリマーがそれぞれ配列するように、20%〜40%に調整され、前記疎水性の塗布膜による楕円形又は角丸長方形の長手方向の長さは、(A+n)Lに、短手方向の最も幅広の部分の長さは、(0.8〜1.5)Lに設定されていることを特徴としている。ここで、Aは0.7〜1.3の範囲の任意の定数、L、前記親水性ポリマーと前記疎水性ポリマーとの間の相互作用パラメータであるχパラメータと、前記親水性ポリマー及び前記疎水性ポリマーの分子量により定まる、隣り合う前記第2の親水性ポリマー間のピッチの理論値、nは自然数である。
前記ブロック共重合体における前記親水性ポリマーの分子量の比率は、32%〜34%であってもよい。
別な観点による本発明によれば、前記基板処理方法を基板処理システムによって実行させるように、当該基板処理システムを制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
また別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
本発明によれば、親水性ポリマーと疎水性ポリマーとを含むブロック共重合体を用いた基板処理において、基板上に所定のパターンを適切に形成することができる。
本実施の形態にかかる基板処理システムの構成の概略を示す平面図である。 本実施の形態にかかる基板処理システムの構成の概略を示す正面図である。 本実施の形態にかかる基板処理システムの構成の概略を示す背面図である。 ウェハ処理の主な工程を説明したフローチャートである。 ウェハ上にラインアンドスペースのパターン、保護層及びハードマスク層が形成された様子を示す縦断面の説明図である。 ハードマスク層によるパターンが形成された様子を示す平面視の説明図である。 ウェハ上に反射防止膜、中性層及びレジスト膜が形成された様子を示す縦断面の説明図である。 中性層上にレジストパターンが形成された様子を示す縦断面の説明図である。 レジストパターン上にポリスチレン膜が形成された様子を示す縦断面の説明図である。 中性層上にポリスチレン膜によるパターンが形成された様子を示す縦断面の説明図である。 ウェハ上にブロック共重合体が塗布された様子を示す縦断面の説明図である。 ブロック共重合体を親水性ポリマーと疎水性ポリマーに相分離させた様子を示す平面の説明図である。 ブロック共重合体を親水性ポリマーと疎水性ポリマーに相分離させた様子を示す縦断面の説明図である。 ポリスチレン膜のパターンの直径と親水性ポリマーの配置との関係を示す平面の説明図である。 ポリスチレン膜のパターンの直径を過大にした場合の親水性ポリマーの配置を示す平面の説明図である。 従来の方法により円柱状の親水性ポリマーを配列させた様子を示す縦断面の説明図である。 相分離後のブロック共重合体から親水性ポリマーを選択的に除去した様子を示す縦断面の説明図である。 ライアンドスペースのパターンがエッチング処理された様子を示す縦断面の説明図である。 ポリスチレン膜のパターンの配置と親水性ポリマーの配置との関係を示す平面の説明図である。 ポリスチレン膜のパターンの配置と親水性ポリマーの配置との関係を示す平面の説明図である。 ポリスチレン膜のパターンの配置と親水性ポリマーの配置との関係を示す平面の説明図である。 ラインアンドスペースのパターンと当該パターンを切断する領域を示した平面の説明図である。 ラインアンドスペースのパターンと親水性ポリマー及び疎水性ポリマーの配置を示した平面の説明図である。 ラインアンドスペースのパターンを切断した状態を示す平面の説明図である。 中性層を除去した後にポリスチレン膜を形成し、その後にレジストパターンを除去した状態を示す縦断面の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる基板処理方法を実施する基板処理システム1の構成の概略を示す説明図である。図2及び図3は、各々基板処理システム1の内部構成の概略を模式的に示す、正面図と背面図である。本実施の形態における基板処理システム1は、例えば塗布現像処理システムであり、本実施の形態では、ウェハWの上面に予め形成されたラインアンドスペースのパターンを切断して、所定のカットパターンを形成する場合を例にして説明する。
基板処理システム1は、図1に示すように複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、ウェハWに所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13とを一体に接続した構成を有している。
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、基板処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置するカセット載置板21が複数設けられている。
カセットステーション10には、図1に示すようにX方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
例えば第1のブロックG1には、図2に示すように複数の液処理装置、例えばウェハWを現像処理する現像装置30、ウェハW上に有機溶剤を供給する、ポリマー除去装置としての有機溶剤供給装置31、ウェハW上に反射防止膜を形成する反射防止膜形成装置32、ウェハW上に中性剤を塗布して中性層を形成する中性層形成装置33、ウェハW上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布装置34、ウェハW上に疎水性の塗布液を塗布して疎水性の塗布膜を形成する塗布膜形成装置35、ウェハW上にレジスト膜の除去液を供給してレジスト膜を除去するレジスト除去装置36、ウェハW上にブロック共重合体を塗布するブロック共重合体塗布装置37が下から順に重ねられている。
例えば現像装置30、有機溶剤供給装置31、反射防止膜形成装置32、中性層形成装置33、レジスト塗布装置34、塗布膜形成装置35、レジスト除去装置36、ブロック共重合体塗布装置37は、それぞれ水平方向に3つ並べて配置されている。なお、これら液処理装置の数や配置は、任意に選択できる。
また、これら液処理装置では、例えばウェハW上に所定の塗布液を塗布するスピンコーティングが行われる。スピンコーティングでは、例えば塗布ノズルからウェハW上に塗布液を吐出すると共に、ウェハWを回転させて、塗布液をウェハWの表面に拡散させる。
なお、ブロック共重合体塗布装置37でウェハW上に塗布されるブロック共重合体は第1のモノマーと第2のモノマーが直鎖状に重合した、第1のポリマー(第1のモノマーの重合体)と第2のポリマー(第2のモノマーの重合体)とを有する高分子(共重合体)である。第1のポリマーとしては、親水性(極性)を有する親水性ポリマーが用いられ、第2のポリマーとしては、疎水性(無極性)を有する疎水性ポリマーが用いられる。本実施の形態では、親水性ポリマーとして例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)が用いられ、疎水性ポリマーとしては例えばポリスチレン(PS)が用いられる。また、ブロック共重合体における親水性ポリマーの分子量の比率は約20%〜40%であり、ブロック共重合体における疎水性ポリマーの分子量の比率は約80%〜60%である。そして、ブロック共重合体は、これら親水性ポリマーと疎水性ポリマーの共重合体を溶剤により溶液状としたものである。
また、中性層形成装置33でウェハW上に形成される中性層は、親水性ポリマーと疎水性ポリマーに対して中間の親和性を有する。本実施の形態では、中性剤として例えばポリメタクリル酸メチルとポリスチレンとのランダム共重合体や交互共重合体が用いられる。以下において、「中性」という場合は、このように親水性ポリマーと疎水性ポリマーに対して中間の親和性を有することを意味する。
例えば第2のブロックG2には、図3に示すようにウェハWの熱処理を行う熱処理装置40、ウェハWに対して紫外線を照射する紫外線照射装置41、ウェハWを疎水化処理するアドヒージョン装置42、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置43、ブロック共重合体塗布装置37でウェハW上に塗布されたブロック共重合体を親水性ポリマーと疎水性ポリマーに相分離させるポリマー分離装置44が上下方向と水平方向に並べて設けられている。熱処理装置40は、ウェハWを載置して加熱する熱板と、ウェハWを載置して冷却する冷却板を有し、加熱処理と冷却処理の両方を行うことができる。なお、ポリマー分離装置44もウェハWに対して熱処理を施す装置であり、その構成は熱処理装置40と同様である。紫外線照射装置41は、ウェハWを載置する載置台と、載置台上のウェハWに対して、例えば波長が172nmの紫外線を照射する紫外線照射部を有している。熱処理装置40、紫外線照射装置41、アドヒージョン装置42、周辺露光装置43、ポリマー分離装置44の数や配置は、任意に選択できる。
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62が下から順に設けられている。
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有する、ウェハ搬送装置70が複数配置されている。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
シャトル搬送装置80は、例えばY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置100が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置100は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置110と受け渡し装置111が設けられている。ウェハ搬送装置110は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置110は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置111及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
以上の基板処理システム1には、図1に示すように制御部300が設けられている。制御部300は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、基板処理システム1におけるウェハ処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部300にインストールされたものであってもよい。
次に、以上のように構成された基板処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。図4は、かかるウェハ処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
先ず、複数のウェハWを収納したカセットCが、基板処理システム1のカセットステーション10に搬入され、ウェハ搬送装置23によりカセットC内の各ウェハWが順次処理ステーション11の受け渡し装置53に搬送される。なお、本実施の形態におけるウェハWには、既述の通り、図5に示すようなラインアンドスペースのパターンEがウェハWの上面に予め形成されている。このパターンEは、例えば銅などの配線用金属により形成されている。また、パターンEの上面には、例えばSOC(スピンオンカーボン)膜による第1のハードマスクとしての保護層Fと、第2のハードマスクとしてのエッチング用のハードマスク層HMが下からこの順に形成されている。ハードマスク層HMは、その一部が予め除去されることにより形成された所定のパターンJを有しており、例えばTiやTaのような金属、及び例えばTiNやTaNのような金属化合物を有するメタルハードマスクである。ハードマスク層HMに形成されるパターンJは、例えば図6に示すように、平面視において直径Qの円形状のホール部Jaを備えたパターンである。なお、図5は、図6の一点鎖線A−Aで示す部分の縦断面図である。また、本発明における下地膜は、第1のハードマスクである保護層Fまたは第2のハードマスクであるハードマスク層HMの少なくともいずれかにより構成されている。換言すれば、下地膜として、保護層Fのみを設けてもよいし、ハードマスク層HMのみを設けてもよいし、保護層F及びハードマスク層HMを両方設けてもよい。そして、本実施の形態のように、保護層Fとハードマスク層HMの2層構造となっている場合、パターンJは少なくとも上層側のハードマスク層HMに形成される。なお、ハードマスクである下地膜としては、SOC膜といった炭素含有膜の他に、SiO膜、SiON膜や、SiARCなどのSiを含有した反射防止膜なども用いることができる。また、炭素含有膜としては、SOC膜のように塗布により形成されたものに限定されるものではなく、例えばCVD(Cemical Vapor Deposition)装置などにより形成されたアモルファスカーボン膜などを用いてもよい。
パターンJのホール部Jaは、後述する工程でパターンEの一部が切断される領域の中心位置と、パターンJの中心位置とが、平面視において概ね一致するように配置されている。この際、隣り合う最も近いホール部Jaの中心間の距離Pは、所定の値以上に設定されている。ホール部Jaの直径Q及び距離Pの設定については後述する。
次にウェハWは、熱処理装置40に搬送されて温度調節された後、反射防止膜形成装置32に搬送され、図7に示すようにウェハW上に反射防止膜400が形成される(図4の工程S1)。その後ウェハWは、熱処理装置40に搬送され、加熱され、温度調節される。
次にウェハWは、中性層形成装置33に搬送され、ウェハWの反射防止膜400上に中性剤が塗布されて、図7に示すように中性層401が形成される(中性層形成工程。図4の工程S2)。その後ウェハWは、熱処理装置40に搬送され、加熱され、温度調節される。
次にウェハWは、アドヒージョン装置42に搬送され、アドヒージョン処理される。その後ウェハWは、レジスト塗布装置34に搬送され、ウェハWの中性層401上にレジスト液が塗布されて、図7に示すようにレジスト膜402が形成される。その後ウェハWは、熱処理装置40に搬送されて、プリベーク処理される。その後ウェハWは、周辺露光装置43に搬送され、周辺露光処理される。
次にウェハWは、インターフェイスステーション13のウェハ搬送装置110によって露光装置12に搬送され、露光処理される。その後ウェハWは、熱処理装置40に搬送されて露光後ベーク処理され、次いで現像装置30に搬送されて現像処理される。現像終了後、ウェハWは、熱処理装置40に搬送され、ポストベーク処理される。こうして、図8に示すようにウェハWの中性層401上にレジスト膜402による所定のレジストパターン403が形成される(図4の工程S3)。本実施の形態におけるレジストパターン403は、ハードマスク層HMにより形成されるパターンJと概ね同一の形状であり、ハードマスク層HMのホール部Jaが形成された位置と概ね同一の位置に、直径Qのホール部403aが形成されている。換言すれば、平面視におけるレジストパターン403のホール部403aの配置は、図6に示されるハードマスク層HMのホール部Jaの配置と概ね一致している。
次にウェハWは、塗布膜形成装置35に搬送される。塗布膜形成装置35では、レジストパターン403が形成されたウェハW上に疎水性を有する塗布液が供給される。疎水性を有する塗布液とは、ブロック共重合体塗布装置37で供給されるブロック共重合体中の親水性ポリマーと疎水性ポリマーのうち、疎水性ポリマーとのエネルギー差が小さなものを意味している。なお、本実施の形態において、塗布膜形成装置35で塗布される疎水性の塗布液は、例えばポリスチレンを溶媒により溶液状としたものである。これにより、図9に示すように、レジストパターン403上に疎水性の塗布膜として、ポリスチレン膜404が形成される(図4の工程S4)。
次にウェハWは、レジスト除去装置36に搬送される。レジスト除去装置36では、レジストの除去液がウェハW上に供給され、レジスト膜402によるレジストパターン403が除去される。レジストの除去液としては、例えば有機アミンと極性溶剤の混合溶液が用いられる。レジストパターン403が除去されると、レジストパターン403のホール部403aに形成されていたポリスチレン膜404が中性層401上に残る。その結果、図10に示すように、ウェハWの中性層401上にポリスチレン膜404により、レジストパターン403のホール部403aが形成されていた箇所に、当該ホール部403aと概ね同じ直径Qのパターンが形成される(塗布膜パターン形成工程。図4の工程S5)。
次にウェハWは、ブロック共重合体塗布装置37に搬送される。ブロック共重合体塗布装置37では、図11に示すように、ウェハW上にブロック共重合体410が塗布される(ブロック共重合体塗布工程。図4の工程S6)。
次にウェハWは、ポリマー分離装置44に搬送され、所定の温度で熱処理が行われる。これにより、ウェハW上のブロック共重合体410が、親水性ポリマーと疎水性ポリマーに相分離される(ポリマー分離工程。図4の工程S7)。ここで、上述したように、ブロック共重合体410において親水性ポリマーの分子量の比率は20%〜40%であり、疎水性ポリマーの分子量の比率は80%〜60%である。そうすると一般に、ウェハWの表面全面に中性層401が一様に形成されている場合、相分離したブロック共重合体の親水性ポリマーはウェハWの上面に対して垂直な円柱形状となり、平面視において概ね六方最密構造に対応する位置に自律的に配列する。また、疎水性ポリマーは、親水性ポリマーの周りを取り囲むように相分離する。
そして、本実施の形態では、中性層401上にポリスチレン膜404が形成されているので、例えば図12に示すように、相分離後の疎水性ポリマー412は中性層401よりもエネルギー差の小さなポリスチレン膜404上に引き寄せられ、当該ポリスチレン膜404と接するように配列する。その一方で、ブロック共重合体410中に20%〜40%の比率で存在する親水性ポリマー411もエネルギー的により安定した位置に自律的に配列するが、この場合、ポリスチレン膜404上に引き寄せられた疎水性ポリマー412の中心の位置が最もエネルギー的に安定した位置となる。その結果、図12に示すように、親水性ポリマー411は、円形状のポリスチレン膜404の中心と対応する位置に配列する。この際、親水性ポリマー411はポリスチレン膜404とのエネルギー差が大きいため、親水性ポリマー411とポリスチレン膜404との間には隙間Zが形成される場合がある。なお図12では、便宜上、円形状のポリスチレン膜404の中心と対応する位置に配列する親水性ポリマーの符号を「411a」、それ以外の親水性ポリマーの符号を「411b」としている。また、以下では、符号「411a」の親水性ポリマーを第1の親水性ポリマーと、符号「411b」の親水性ポリマーを第2の親水性ポリマーという。
そして、各ポリスチレン膜404の中心位置の上方に第1の親水性ポリマー411aが相分離すると、例えば図13に示すように、この第1の親水性ポリマー411a(図13に示す斜線付きの円)を基点としてその周囲には第2の親水性ポリマー411bが、エネルギー的に安定するように概ね等間隔に配列する。その結果、第1の親水性ポリマー411aと第2の親水性ポリマー411bは、概ね六方最密構造に対応する位置に自律的に配列する。なお、本実施の形態では、図6に示すハードマスク層HMのパターンJのホール部Jaが概ね六方最密構造に対応する位置に配置されており、その結果、図13に示すように、全体として、隣り合う各第1の親水性ポリマー411aと各第2の親水性ポリマー411b間のピッチがLで一定の六方最密構造に配列した場合を例示している。
なお、ピッチLや第1の親水性ポリマー411a及び第2の親水性ポリマー411bの直径は、ブロック共重合体410を構成する親水性ポリマー411と疎水性ポリマー412との間の相互作用パラメータであるχ(カイ)パラメータや、各ポリマーの分子量により定まるものであり、本実施の形態では、ピッチLが例えばχパラメータ等の値による定まる理論値と一致しているものとして説明する。
次に、ポリスチレン膜404による円形状のパターンの直径Q、即ちレジストパターン403のホール部403aの直径Qの設定について説明する。図11のように、その一部にポリスチレン膜404が形成された中性層401上のブロック共重合体410を相分離させると、既述のとおりポリスチレン膜404の上面にはエネルギー差の小さな疎水性ポリマー412が配列し、エネルギー差の大きな親水性ポリマー411は、極力ポリスチレン膜404と接しない位置、及びポリスチレン膜404上に引き寄せられた疎水性ポリマー412の中心に配列する。そのため、円形状のポリスチレン膜404のパターンの直径Qが円柱状の第1の親水性ポリマー411aの直径と同程度であれば、第1の親水性ポリマー411aは疎水性ポリマー412の中心と対応する位置に配列する。
しかしながら、直径Qを過大に設定すると、第1の親水性ポリマー411aの配置に影響が生じる。この第1の親水性ポリマー411aの配置への影響について、図14を用いて具体的に説明する。
既述の通り、第2の親水性ポリマー411bは、例えば図14に示すように、ポリスチレン膜404の中心上に位置する第1の親水性ポリマー411aを基点とした六方最密構造に対応する位置に配列する。この際、隣り合う第1の親水性ポリマー411aと第2の親水性ポリマー411bとの間のピッチは上述のLとなる。しかしながら、円形状のポリスチレン膜404のパターンの直径Qが大きくなり、例えば平面視において第2の親水性ポリマー411bと重なるようになると、換言すれば、第2の親水性ポリマー411bの半径がRとした場合、ポリスチレン膜404のパターンの直径Qが2(L−R)よりも大きくなると、第2の親水性ポリマー411bの配置に変化が生じる。より具体的には、例えば図15に示すように、各親水性ポリマー411a、411b間のピッチLが概ね2√3/3倍となる位置に配列すると共に、第1の親水性ポリマー411aは、ポリスチレン膜404の中心上ではなく、直径Qのポリスチレン膜404の範囲内に例えば正三角形状に配列するようになる。これは、図14の状態からポリスチレン膜404のパターンの直径Qを大きくして第2の親水性ポリマー411bと重なるようになると、図14において第2の親水性ポリマー411bが配列していた箇所において親水性ポリマー411とのエネルギー差が大きくなり、疎水性ポリマー412が配列するようになるためである。そして、図15のように、直径Qの値が大きくなった場合、エネルギー的に最も安定する第1の親水性ポリマー411aの配置は、ポリスチレン膜404のパターンの中心ではなく、疎水性ポリマー412の円形状のパターンに対応する範囲内に、正三角形状に現れる。その結果、第1の親水性ポリマー411aはポリスチレン膜404の中心位置から外れた位置に配列してしまうと共に、正三角形状に配列する第1の親水性ポリマー411aの回転方向の配置(オリエンテーション)も制御できなくなってしまう。したがって、第1の親水性ポリマー411aを所望の配置に配列させるために、ポリスチレン膜404のパターンの直径Qは2(L−R)以下とすることが好ましい。
なお、第1の親水性ポリマー411aを所望の配置、即ちポリスチレン膜404の中心位置に配列させるという観点からは、ポリスチレン膜404のパターンの直径Qについては特に下限値を設ける必要はないが、本発明者らによれば、ポリスチレン膜404による円形状のパターンの直径Qを小さくするほど、図12に示す、第1の親水性ポリマー411aとポリスチレン膜404との間に形成される隙間Zの値が大きくなることが確認されている。そのため、後工程のエッチング処理において、疎水性ポリマー412をエッチングのマスクとして用いる観点からは、この隙間Zは極力小さいことが好ましい。そして本発明者らによれば、この隙間Zを所望の値以下とするには、直径Qを所望のピッチLの概ね0.8倍以上とすることが好ましいことが確認されている。したがって、第1の親水性ポリマー411aを所望の配置に配列させるために、ポリスチレン膜404のパターンの直径Qは2(L−R)以下で且つピッチLの概ね0.8倍以上とすることが好ましい。
なお、各親水性ポリマー411間の所望のピッチがLである場合、上述の通りポリスチレン膜404のパターンの直径Qは、2(L−R)以下とすることが好ましいが、本発明者らが鋭意調査した結果、ブロック共重合体410における親水性ポリマー411の分子量の比率は約20%〜40%である場合、安定的にピッチLで各親水性ポリマー411を配列させるためには、ポリスチレン膜404のパターンの直径Qは、所望のピッチLの1.5倍以下とすることがより好ましいことが確認された。したがってこの結果から、ホールパターンを形成するためのエッチングマスクを疎水性ポリマー412により形成する場合には、直径Qは、親水性ポリマー411による円柱状のパターンの所望のピッチLの概ね0.8倍〜1.5倍に設定することがより好ましいといえる。したがって、例えば親水性ポリマー411間のピッチLが40nmである場合、直径Qは概ね32nm〜60nm程度であればよく、概ね30nm程度のプロセスマージンを確保することが可能である。
また、ハードマスク層HMのパターンJにおいて、隣り合う最も近いホール部Jaの中心間の距離P、換言すれば、ポリスチレン膜404による円形状のパターン間についても、第1の親水性ポリマー411aをポリスチレン膜404による円形状のパターンの中心に配列させるという観点からは、親水性ポリマー411間のピッチLよりも長く設定することが好ましい。この理由については後述する。
その一方、特許文献1に開示されるように、親水性ポリマー411を配列させるためのガイドとして親水性の塗布膜による円形状のパターンを用いた場合、既述のようにパターンの直径Qに対するプロセスマージンが非常に小さい。具体的には、図16に示すように、親水性の塗布膜420によりガイドを形成した場合、相分離後の第1の親水性ポリマー411aはエネルギー差の小さな塗布膜420と接するように配列するため、直径Qが所望の親水性ポリマー411の直径よりも大きな場合は、下に向かって直径が広がる円錐台形状となってしまう。そして、直径Qが過大である場合、第1の親水性ポリマー411aが疎水性ポリマー412の上面に露出しない、略円錐台形状となってしまう。かかる場合、疎水性ポリマー412をマスクとしたエッチングにおいて、所望の寸法で加工することができなくなる。したがって、直径Qは相分離後の円柱状の親水性ポリマー411の直径と概ね同じかそれ以下とする必要がある。しかしながら、一般に、レジストパターン403の寸法(CD:Critical Dimension)には5nm程度の避けがたい誤差が存在するが、円柱形状の親水性ポリマー411の直径は概ね20nm〜30nm程度であるため、親水性ポリマー411の直径に対しては、この誤差が無視できないほど大きい。そのため、親水性の塗布膜420を形成する際には、直径Qに対するプロセスマージンがほとんど無く、親水性ポリマー411の直径に合せて塗布膜420の直径Qを制御することは極めて困難となる。このプロセスマージンの差が、本実施の形態において、第1の親水性ポリマー411aを配列させるためのガイドとして、ポリスチレン膜404を用いる理由である。
ポリマー分離装置44でブロック共重合体410を相分離させた後、ウェハWは、紫外線照射装置41に搬送される。紫外線照射装置41では、ウェハWに紫外線を照射することで、親水性ポリマー411であるポリメタクリル酸メチルの結合鎖を切断すると共に、疎水性ポリマー412であるポリスチレンを架橋反応させる(図4の工程S8)。
次にウェハWは、有機溶剤供給装置31に搬送される。有機溶剤供給装置31では、ウェハWに極性を有する有機溶剤(極性有機溶剤)が供給される。極性有機溶剤としては、例えばIPA(イソプロピルアルコール)などが用いられる。これにより、紫外線照射で結合鎖が切断された親水性ポリマー411が有機溶剤により溶解され、ウェハWから親水性ポリマー411が選択的に除去される(ポリマー除去工程。図4の工程S9)。その結果、図17に示すように、疎水性ポリマー412によりホールパターン430が形成される。
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって受け渡し装置50に搬送され、
その後カセットステーション10のウェハ搬送装置23によって所定のカセット載置板21のカセットCに搬送される。
その後、カセットCは基板処理システム1の外部に設けられたエッチング処理装置(図示せず)に搬送され、疎水性ポリマー412をマスクとして、中性層401、反射防止膜400、保護層F及びパターンEがエッチング処理される。この際、保護層Fの上面にはハードマスク層HMが形成されているので、図18に示すように、ハードマスク層HMが形成されていなかった部分、換言すれば、ポリスチレン膜404により円形状のパターンが形成されていた部分についてのみ、パターンEにホールパターン430が転写される(図4の工程S10)。これにより、所望のカットパターンを形成することができる。なおエッチングの際、第1の親水性ポリマー411aにより形成されたホールパターン430内には、疎水性ポリマー412及びポリスチレン膜404が残っているが、隙間Zやポリスチレン膜404の厚みを適切に調整することで、第2の親水性ポリマー411bに対応するホールパターン430と差のない加工を行うことができる。エッチング処理装置としては、例えばRIE(Reactive Ion Eching)装置が用いられる。すなわち、エッチング処理装置では、反応性の気体(エッチングガス)やイオン、ラジカルによって、親水性ポリマーや反射防止膜といった被処理膜をエッチングするドライエッチングが行われる。
その後、ウェハWが再度エッチング処理され、ウェハW上の疎水性ポリマー412や中性層401及び反射防止膜400が除去される。その後、ウェハWがエッチング処理装置から搬出されて一連のウェハ処理が終了する。
以上の実施の形態によれば、ウェハW上に、疎水性の膜であるポリスチレン膜404による円形状のパターンを所定の直径で形成し、次いでブロック共重合体410を塗布して、その後当該ブロック共重合体410を相分離させるので、ポリスチレン膜404による円形状のパターンの中心に対応する位置に、円柱状の第1の親水性ポリマー411aが自律的に配列する。この際、ポリスチレン膜404による円形状のパターンの直径は、親水性ポリマー411間のピッチLの0.8〜1.5倍であればよいため、特許文献1のように、円柱状の親水性ポリマーの配置を制御するために親水性の膜を用いる場合と比較して、非常に大きなプロセスマージンを確保することができる。したがって本発明によれば、親水性ポリマーと疎水性ポリマーとを含むブロック共重合体を用いた基板処理において、基板上に所定のパターンを適切に形成することができる。
なお、以上の実施の形態では、親水性ポリマーの分子量の比率は約20%〜40%であったが、本発明者らによれば、第1の親水性ポリマー411aとポリスチレン膜404との間に形成される隙間Zの値を所望の値とするという観点からは、ブロック共重合体410における親水性ポリマー411の分子量の比率を32%〜34%とし、疎水性ポリマー412の分子量の比率を68%〜66%とすることがより好ましいことが確認されている。具体的に説明すると、ポリスチレン膜404による円形状のパターンをガイドとする場合、相分離のためにブロック共重合体410を熱処理すると、親水性ポリマー411はポリスチレン膜404と接触せず且つエネルギー的に安定な位置である、ポリスチレン膜404の中心部上方に先ず移動する。即ち、図12に示すように、疎水性ポリマー412の海の中に、第1の親水性ポリマー411aの島が浮かんだような状態となる。その一方、第1の親水性ポリマー411aの周囲に第2の親水性ポリマー411bが配列すると、ポリスチレン膜404の中心部上方の第1の親水性ポリマー411aは、隣り合う第2の親水性ポリマー411bとの間の距離が一定になるように(エネルギー的に安定するように)、第1の親水性ポリマー411aの上面の直径は縮小し、全体として、略円柱形状に変化する。そして、第1の親水性ポリマー411aの上面の直径が縮小しても、第1の親水性ポリマー411aの島の体積は変化しないので、上面の直径が縮小した分はウェハWの厚み方向の下向きに移動する。つまり、第1の親水性ポリマー411aにおけるウェハWの厚み方向の下向きへの移動の程度により、隙間Zの値が定まる。そして、第1の親水性ポリマー411aの島の体積は、第1の親水性ポリマー411aがウェハWの厚み方向の下向きにどの程度移動するかを決定する要因の一つであり、また、この第1の親水性ポリマー411aの島の体積は、ブロック共重合体410における親水性ポリマーの分子量の比率に依存する。したがって、ブロック共重合体410における親水性ポリマーの分子量の比率を調整することで隙間Zの値を調整することができ、本発明者らによれば、上述のとおり、32%〜34%とすることが好ましい。
また、隙間Zを決定する要因としては、ブロック共重合体410における親水性ポリマーの分子量の比率の他に、工程S6で形成されるブロック共重合体410の膜厚があげられるが、本発明者らによればこの膜厚は、親水性ポリマー411間の所望のピッチLの概ね0.4〜0.6倍程度とすることが好ましいことが確認されている。
以上の実施の形態では、ハードマスク層HMのパターンJのホール部Jaが概ね六方最密構造に対応する位置に配置されることにより、例えば図13に示すように、相分離後の第1の親水性ポリマー411aと第2の親水性ポリマー411bが、概ね六方最密構造に対応する位置に自律的に配列する場合を例に説明したが、ホール部Jaの配置、換言すればポリスチレン膜404による円形状のパターンの配置は、必ずしも六方最密構造に対応する位置とする必要はない。ポリスチレン膜404による円形状のパターンの直径Qを適切に設定することで、各第1の親水性ポリマー411aは円形状の各パターンの中心位置に配列し、ポリスチレン膜404の周囲には第1の親水性ポリマー411aを基点として第2の親水性ポリマー411bが配列するが、ポリスチレン膜404による円形状のパターンの配置が六方最密構造に対応する位置とずれている場合、換言すれば、隣り合う第1の親水性ポリマー411a間のピッチが第2の親水性ポリマー411bのピッチLの理論値の整数倍となっていない場合は、第1の親水性ポリマー411aの周囲に配列する第2の親水性ポリマー411b間のピッチLも理論値とは異なる値となる。しかしながら、ブロック共重合体410の相分離においては、上述のとおり第1の親水性ポリマー411aの配置が先ず決定するので、第1の親水性ポリマー411aの配置は第2の親水性ポリマー411bの配置に影響を受けるものではない。そのため、第2の親水性ポリマー411bの配列状態によらず、第1の親水性ポリマー411aを所望の位置、本実施の形態ではポリスチレン膜404による円形状のパターンの中心に配列させることができる。そして、第2の親水性ポリマー411bに対応する位置にはハードマスク層HMが形成されているため、工程S10において疎水性ポリマー412をマスクとしてエッチング処理を行う際に、第2の親水性ポリマー411bの配置が制御できていなかったとしても、ハードマスク層HMの下層のパターンEにはなんら影響を及ぼすものではない。
以上の実施の形態では、ガイドとして機能するポリスチレン膜404の形状を円形状としていたが、ポリスチレン膜404の形状を例えば楕円形状や角丸長方形状としてもよい。例えば、ダブルパターニングなどを用いてカットの対象となるラインアンドスペースのパターンEを形成した場合、当該パターンEの中心間のピッチが親水性ポリマー411間のピッチLと概ね大差ない程度に設定されている場合がある。
かかる場合は、円形状のポリスチレン膜404のパターンをピッチLで形成することが考えられるが、例えば図19に示すように、ピッチLでポリスチレン膜404のパターンを形成すると、当該パターン同士が重なってしまう場合がある。そうすると、第1の親水性ポリマー411aは、各円形状のパターンLの中心に配列するのではなく、一部が重なったことにより略8の字状になったポリスチレン膜404のパターン内において最もエネルギー的に安定した位置に配列する。なお、図19においては、例えば略8の字状になったポリスチレン膜404の範囲内にピッチLで第1の親水性ポリマー411aが配列した状態を描図している。かかる場合、ポリスチレン膜404の直径Qが過大となった場合と同様に、第1の親水性ポリマー411aの配列を所望の位置に制御できなくなる。換言すれば、ポリスチレン膜404による円形状のパターンでは、例えばピッチLでとなりあった位置にカットパターンを形成することは困難となる場合がある。またこれが、上述した、ハードマスク層HMのパターンJにおいて隣り合う最も近いホール部Jaの中心間の距離P(ポリスチレン膜404による円形状のパターン間の距離)を親水性ポリマー411間のピッチLよりも長く設定する理由である。
そこで、本発明者らは、ピッチLでカットパターンを形成する場合には、ポリスチレン膜404によるパターンを楕円形状や角丸長方形状とすることに想到した。以下、具体的に説明する。
本発明者によれば、例えば図20に示すように、ポリスチレン膜404により、角丸長方形状のパターン440を形成すると、当該角丸長方形状の長手方向の長さKと、短手方向の長さBの中間の位置CLを中心として、且つ長手方向に沿って第1の親水性ポリマー411aがピッチLで配列することが確認されている。
この際、短手方向の長さBを過大にすると、例えば図15に示すようなポリスチレン膜404による円形状のパターンの直径Qを過大にした場合と同様に、短手方向の長さBの範囲内に複数の第1の親水性ポリマー411aが配列してしまい、第1の親水性ポリマー411aが配列する位置を制御することが困難となるが、この短手方向の長さBをピッチLの0.8〜1.5倍とすることで、長手方向に沿って一列に第1の親水性ポリマー411aを配列させることができることが本発明者らにより確認されている。このピッチLの0.8〜1.5倍という設定値は、ポリスチレン膜404による円形状のパターンの直径Qの範囲と同一であり、短手方向の長さBをこのような値に設定することで、第1の親水性ポリマー411aが短手方向に複数配列することを防止することができる。
また、長手方向の長さKについては、(A+n)Lに設定することで、パターン440の長手方向に沿って、2以上の第1の親水性ポリマー411aを一列に配列させられることが本発明者らにより確認されている。ここで、Aは0.7〜1.3の範囲の任意の定数であり、nは自然数である。この設定値について説明する。
本発明者らによれば、パターン440の長手方向の長さKが不十分である場合、第1の親水性ポリマー411aは例えば図21に示すように、パターン440の長手方向に沿って略角丸長方形状に配列してしまうことが確認されている。これは、パターン440の長手方向に、第1の親水性ポリマー411aがピッチLで相分離するスペースが無い場合、略角丸長方形状が最もエネルギー的に安定した形状となることによるものと考えられる。そこで本発明者らが鋭意検討したところ、長手方向の長さKをピッチLよりもA×Lだけ長くすることで、角丸長方形状のパターン440内に、2つの第1の親水性ポリマー411aをピッチLで複数配列させることが確認された。また、長さKをピッチLの分ずつ長くするごとに、パターン440内に配列する第1の親水性ポリマー411aが1つずつ増加することが確認された。この知見から、長手方向の長さKを離散的に(A+n)Lと設定することで、パターン440の長手方向に沿って、2以上の第1の親水性ポリマー411aを一列に配列させられることが見いだされた。なお、nの値を1とした場合、パターン440内には第1の親水性ポリマー411aが2つ配列し、nの値を2とした場合、パターン440内には第1の親水性ポリマー411aが3つ配列する。したがって、長手方向に配列する第1の親水性ポリマー411aの数は、長手方向の長さKの(A+n)Lに対して「n+1」となる。また、nの値を偶数とした場合、パターン440内には奇数の第1の親水性ポリマー411aが配列するが、かかる場合は、位置CLの中心に第1の親水性ポリマー411aが配列し、位置CLとピッチLだけ離間して第1の親水性ポリマー411aが複数配列するので、第1の親水性ポリマー411aの配置を適切に制御することができる。
なお、図20では、ポリスチレン膜404によるパターン440が角丸長方形状である場合を図示したが、パターン440は楕円形状であってもよい。楕円形用のパターンを用いる場合、長径の長さKは、角丸長方形を採用する場合と同様に(A+n)Lとし、短手方向の長さBについても、短手方向の最も幅広の部分、即ち短径の長さを(0.8〜1.5)Lとすることで、パターン440が角丸長方形状であった場合と同様の効果を奏することができる。
このように、角丸長方形状や楕円形状のパターン440を用いて、例えば図22に示すような、ピッチL0のラインアンドスペースのパターンEを図22に破線で示す領域Mで切断してカットパターンを形成する場合、平面視において領域Mと重複する範囲にハードマスク層HMのホール部Jaを形成する。なお、図22に示す場合においては、ホール部Jaの形状は円形状のみではなく、楕円形状または角丸長方形状を含む。そうすることで、工程S5においてホール部Jaにポリスチレン膜404によるパターン440が形成される。なお、この場合も、パターン440は円形状のみではなく、楕円形状または角丸長方形状を含む。
そして、工程S6でブロック共重合体410を塗布した後、工程S7においてブロック共重合体410を相分離させると、図23に示すように、領域Mに対応する位置に第1の親水性ポリマー411aと疎水性ポリマー412が相分離して配列する。この際、角丸長方形状に形成された領域Mには、複数の第1の親水性ポリマー411aが配列する。なお、図23では、パターンEと第1の親水性ポリマー411aの位置関係を明確にするために、中性層401、反射防止膜400、保護層F及びハードマスク層HMといった、パターンEと第1の親水性ポリマー411aとの間に介在するものや、第2の親水性ポリマー411bについては省略して描図している。
そして、工程S9で親水性ポリマー411を除去した後に、工程S10において疎水性ポリマー412をマスクとしてエッチング処理を行うことで、図24に示すように、パターンEの所望の箇所を切断し、カットパターンを形成することができる。
なお、楕円形や角丸長方形のパターン440を用いる場合、ラインアンドスペースのパターンEのピッチと、親水性ポリマー411間のピッチLと一致しないことが考えられる。かかる場合、ブロック共重合体410における親水性ポリマー411と疎水性ポリマー412の分子量の比率や、ブロック共重合体410を溶液状とするための溶剤の濃度などを適宜調整することでχパラメータを変化させ、パターンEのピッチと、親水性ポリマー411間のピッチLと一致させるようにすることが好ましい。
以上の実施の形態では、ホール部403aを有するレジストパターン403を形成した後、レジストパターン403上にポリスチレン膜404を塗布し、その後レジストパターン403を除去することで中性層401上にポリスチレン膜404による円形状のパターンを形成したが、ポリスチレン膜404による円形状のパターンの形成方法は本実施の形態の内容に限定されるものではない。例えば、中性層401上にポリスチレン膜404を塗布し、次いでポリスチレン膜404上にレジストパターン403を形成し、このレジストパターン403をマスクとしてポリスチレン膜404をエッチングすることで、中性層401上にポリスチレン膜404によるパターンを形成してもよい。
また、ポリスチレン膜は必ずしも中性層401の上面に形成する必要はない。例えば工程S3において中性層401上にレジストパターン403を図4に示すように形成した後、レジストパターン403をマスクとして、中性層401をエッチングにより除去し、その後、工程S4においてポリスチレン膜404を塗布するようにしてもよい。この場合、工程S5においてレジストパターン403を除去することにより、例えば図25に示すように、反射防止膜400上に直接ポリスチレン膜404を形成することができる。かかる場合も、ウェハWの上面に露出しているのは直接ポリスチレン膜404及び中性層401であるため、ポリスチレン膜404をガイドとして、第1の親水性ポリマー411aを所望の位置に配列させることができる。
以上の実施の形態では、ウェハW上のパターンEに対してレジストパターン403を転写する場合を例に説明したため、ウェハW上には予めハードマスク層HMが形成されていたが、当然ながら、単にホール状のパターンを形成する場合にも適用でき、かかる場合においては、ハードマスク層HMは必ずしも形成する必要はない。
また、以上の実施の形態では、保護層FとしてSOC膜を、ハードマスク層HMとしてメタルハードマスクを用いていたが、例えば保護層FとしてSiARCを用い、ハードマスク層HMとしてSOC膜を用いるようにしてもよい。例えば保護層Fを無機膜であるSiARCに、ハードマスク層HMを有機膜であるSOC膜にすることで、工程S10においてエッチング処理によりパターンEにホールパターン430を転写する際、保護層Fとハードマスク層HMとの間のエッチングの選択比を大きくすることができる。また、保護層FをSiARCとすることで、保護層Fが反射防止膜としても機能するため、例えばハードマスク層HMの上面に反射防止膜を形成する工程S1を省略することができる。その結果、ウェハ処理のスループットを向上させることができる。
以上の実施の形態では、工程S5におけるレジストパターン403の除去、及び工程S9における親水性ポリマー411の除去は、いわゆるウェット処理により行ったが、レジストパターン403や親水性ポリマー411を除去する手法は本実施の形態に限定されるものではなく、例えば上述のドライエッチングなどを用いてもよい。即ち、レジスト除去装置36やポリマー除去装置としての有機溶剤供給装置31に代えて、ドライエッチングの装置を用いてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
本発明は、例えば親水性を有する親水性ポリマーと疎水性を有する疎水性ポリマーとを含むブロック共重合体を用いて、基板を処理する際に有用である。
1 基板処理システム
30 現像装置
31 有機溶剤供給装置
32 反射防止膜形成装置
33 中性層形成装置
34 レジスト塗布装置
35 塗布膜形成装置
36 レジスト除去装置
37 ブロック共重合体塗布装置
40 熱処理装置
41 紫外線照射装置
42 アドヒージョン装置
43 周辺露光装置
44 ポリマー分離装置
300 制御部
400 反射防止膜
401 中性層
402 レジスト膜
403 レジストパターン
404 ポリスチレン膜
410 ブロック共重合体
411 親水性ポリマー
412 疎水性ポリマー
E パターン
F 保護層
HM ハードマスク層
W ウェハ

Claims (6)

  1. 親水性ポリマーと疎水性ポリマーとを含むブロック共重合体を用いて、基板を処理する方法であって、
    前記基板上に形成された、その一部が除去された所定のパターンを有する下地膜上に、中性層を形成する中性層形成工程と、
    前記中性層形成工程後の基板における、前記下地膜が除去された領域内に、疎水性の塗布膜により円形、楕円形又は角丸長方形のパターンを形成する塗布膜パターン形成工程と、
    前記塗布膜のパターンが形成された基板上に前記ブロック共重合体を塗布するブロック共重合体塗布工程と、
    前記のブロック共重合体を前記親水性ポリマーと前記疎水性ポリマーに相分離させるポリマー分離工程と、
    前記相分離したブロック共重合体から、前記親水性ポリマーを選択的に除去するポリマー除去工程を有し、
    前記親水性ポリマーはポリメタクリル酸メチルであり、前記疎水性ポリマーはポリスチレンであり、
    前記疎水性の塗布膜は、ポリスチレン膜であり、
    前記中性層は、ポリメタクリル酸メチルとポリスチレンとのランダム共重合体または交互共重合体により形成され、
    前記ブロック共重合体における前記親水性ポリマーの分子量の比率は、前記ポリマー分離工程において、前記疎水性の塗布膜によるパターン上に円柱状の第1の親水性ポリマーが、前記疎水性の塗布膜以外の領域に円柱状の第2の親水性ポリマーがそれぞれ配列するように、20%〜40%に調整され、
    前記疎水性の塗布膜によるパターンが、
    (1)円形の場合には、当該パターンの直径は隣り合う前記第2の親水性ポリマー間のピッチの理論値の0.8〜1.5倍
    (2)楕円形又は角丸長方形の場合には、当該パターンの長手方向の長さは(A+n)L、短手方向の最も幅広の部分の長さは(0.8〜1.5)L
    に設定されていることを特徴とする、基板処理方法。
    A:0.7〜1.3の範囲の任意の定数
    :前記ブロック共重合体における、前記親水性ポリマーと前記疎水性ポリマーとの間の相互作用パラメータであるχパラメータと、前記親水性ポリマー及び前記疎水性ポリマーの分子量により定まる、隣り合う前記第2の親水性ポリマー間のピッチの理論値
    n:自然数
  2. 親水性ポリマーと疎水性ポリマーとを含むブロック共重合体を用いて、基板を処理する方法であって、
    前記基板上に中性層を形成する中性層形成工程と、
    前記中性層形成工程後の基板上の所定の位置に、疎水性の塗布膜により楕円形又は角丸長方形のパターンを形成する塗布膜パターン形成工程と、
    前記塗布膜のパターンが形成された基板上に前記ブロック共重合体を塗布するブロック共重合体塗布工程と、
    前記のブロック共重合体を前記親水性ポリマーと前記疎水性ポリマーに相分離させるポリマー分離工程と、
    前記相分離したブロック共重合体から、前記親水性ポリマーを選択的に除去するポリマー除去工程を有し、
    前記親水性ポリマーはポリメタクリル酸メチルであり、前記疎水性ポリマーはポリスチレンであり、
    前記疎水性の塗布膜は、ポリスチレン膜であり、
    前記中性層は、ポリメタクリル酸メチルとポリスチレンとのランダム共重合体または交互共重合体により形成され、
    前記ブロック共重合体における前記親水性ポリマーの分子量の比率は、前記ポリマー分離工程において、前記疎水性の塗布膜によるパターン上に円柱状の第1の親水性ポリマーが、前記疎水性の塗布膜以外の領域に円柱状の第2の親水性ポリマーがそれぞれ配列するように、20%〜40%に調整され、
    前記疎水性の塗布膜による楕円形又は角丸長方形の長手方向の長さは、(A+n)Lに、短手方向の最も幅広の部分の長さは、(0.8〜1.5)Lに設定されていることを特徴とする、基板処理方法。
    A:0.7〜1.3の範囲の任意の定数
    :前記ブロック共重合体における、前記親水性ポリマーと前記疎水性ポリマーとの間の相互作用パラメータであるχパラメータと、前記親水性ポリマー及び前記疎水性ポリマーの分子量により定まる、前記第2の親水性ポリマー間のピッチの理論値
    n:自然数
  3. 前記塗布膜パターン形成工程の前に、基板上に形成された中性層のうち、前記下地膜が除去された領域に対応する部分を除去する中性層除去工程をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理方法。
  4. 前記ブロック共重合体における前記親水性ポリマーの分子量の比率は、32%〜34%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理方法を基板処理システムによって実行させるように、当該基板処理システムを制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
  6. 請求項に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。
JP2015125766A 2015-06-23 2015-06-23 基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 Active JP6494446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015125766A JP6494446B2 (ja) 2015-06-23 2015-06-23 基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015125766A JP6494446B2 (ja) 2015-06-23 2015-06-23 基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017006863A JP2017006863A (ja) 2017-01-12
JP6494446B2 true JP6494446B2 (ja) 2019-04-03

Family

ID=57762627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015125766A Active JP6494446B2 (ja) 2015-06-23 2015-06-23 基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6494446B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8168284B2 (en) * 2005-10-06 2012-05-01 Wisconsin Alumni Research Foundation Fabrication of complex three-dimensional structures based on directed assembly of self-assembling materials on activated two-dimensional templates
JP5881565B2 (ja) * 2012-09-07 2016-03-09 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
KR102399752B1 (ko) * 2013-09-04 2022-05-20 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 유도 자기 조립용 화학 템플릿을 생성하기 위한 경화 포토레지스트의 자외선을 이용한 박리

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017006863A (ja) 2017-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5919210B2 (ja) 基板処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム
JP5981392B2 (ja) パターン形成方法
JP6007141B2 (ja) 基板処理装置、基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
JP2014027228A (ja) 基板処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム
JP6267143B2 (ja) 基板処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム
JP5881565B2 (ja) 基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
JP6045482B2 (ja) 表面処理装置、表面処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
JP6494446B2 (ja) 基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
KR102268930B1 (ko) 기판 처리 방법, 판독 가능한 컴퓨터 기억 매체 및 기판 처리 시스템
KR20190073585A (ko) 분해능이하 기판 패터닝 방법
JP5837525B2 (ja) 基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
JP6371745B2 (ja) パターン形成方法
WO2014046241A1 (ja) 基板処理システム
JP6678183B2 (ja) 基板処理方法及びコンピュータ記憶媒体
JP5847738B2 (ja) 基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
US20150205209A1 (en) Patterning apparatus and patterning methods thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180709

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180829

TRDD Decision of grant or rejection written
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6494446

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250