JP6493677B2 - 極性化合物、液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents
極性化合物、液晶組成物および液晶表示素子 Download PDFInfo
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式(1)において、
R1は、炭素数1〜15のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
環A1は、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルで置き換えられてもよく;
Z1は、単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、または−CF=CF−であり;
aは、1または2であり;
L1、L2、L3、およびL4は独立して、水素、フッ素、塩素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルであり、L1、L2、L3、およびL4のうち少なくとも1つは、炭素数1から5のアルキルまたは炭素数2から5のアルケニルであり;
S1は、炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、aが1のときは少なくとも1つの−(CH2)2−は−O−で置き換えられており;
環A1が1,4−フェニレンであり、Z1が単結合であり、aが1であり、L2がエチルである時は、S1は炭素数3から10のアルキレンであり、少なくとも1つの−CH2−が−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−が−CH=CH−で置き換えられてもよい。
式(1)において、
R1は、炭素数1〜15のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
環A1は、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルで置き換えられてもよく;
Z1は、単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、または−CF=CF−であり;
aは、1または2であり;
L1、L2、L3、およびL4は独立して、水素、フッ素、塩素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルであり、L1、L2、L3、およびL4のうち少なくとも1つは、炭素数1から5のアルキルまたは炭素数2から5のアルケニルであり;
S1は、炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、aが1のときは少なくとも1つの−(CH2)2−は−O−で置き換えられており;
環A1が1,4−フェニレンであり、Z1が単結合であり、aが1であり、L2がエチルである時は、S1は炭素数3から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−が−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−が−CH=CH−で置き換えられてもよい。
式(1−1)および式(1−2)において、
R1は、炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜9のアルコキシ、または炭素数2〜9のアルケニルオキシであり;
環A1および環A2は独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロへキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルで置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;
Z1およびZ2は独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、または−OCH2−であり;
L1、L2、L3、およびL4は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルであり、L1、L2、L3、およびL4のうち少なくとも1つは、炭素数1から5のアルキルまたは炭素数2から5のアルケニルであり;
S1は、炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく;
S2は、炭素数2から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられている。
式(1−3)および式(1−4)において、
R1は、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数2〜10のアルケニルであり;
環A1および環A2は独立して、1,4−シクロへキシレン、または少なくとも1つの水素が炭素数1から5のアルキルまたは炭素数2から5のアルケニルで置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;
L1、L2、L3、およびL4は独立して、水素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルであり、L1、L2、L3、およびL4のうち少なくとも1つは、炭素数1から5のアルキルまたは炭素数2から5のアルケニルであり;
S1は、炭素数1から7のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく;
S2は、炭素数2から7のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられている。
式(1−5)から式(1−8)において、
R1は、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数2〜10のアルケニルであり;
L1、L2、およびL3は独立して、水素、炭素数1から4のアルキル、または炭素数2から4のアルケニルであり、L1、L2、およびL3のうち少なくとも1つは、炭素数1から4のアルキルまたは炭素数2から4のアルケニルであり;
S1は、炭素数1から5のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく;
S2は、炭素数2から5のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられている。
式(1−9)から式(1−15)において、
R1は、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数2〜10のアルケニルであり;
L4は、炭素数1から4のアルキル、または炭素数2から4のアルケニルであり;
S1は、炭素数1から5のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく;
S2は、炭素数1から5のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられている。
式(1−16)から式(1−23)において、
R1は、炭素数1〜10のアルキルであり;
L5は、メチル、エチル、またはプロピルである。
式(1)において、
R1は、炭素数1〜15のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
環A1は、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルで置き換えられてもよく;
Z1は、単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−OCH2−、または−CF=CF−であり;
aは、1または2であり;
L1、L2、L3、およびL4は独立して、水素、フッ素、塩素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルであり、L1、L2、L3、およびL4のうち少なくとも1つは、炭素数1から5のアルキルまたは炭素数2から5のアルケニルであり;
S1は、炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
環A1が1,4−フェニレンであり、Z1が単結合であり、aが1であり、L2がエチルである時は、S1は、少なくとも1つの−CH2−が−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−が−CH=CH−で置き換えられてもよい、炭素数3から10のアルキレンである。
式(2)から式(4)において、
R11およびR12は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
環B1、環B2、環B3、および環B4は独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;
Z11、Z12、およびZ13は独立して、単結合、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、または−COO−である。
式(5)から式(7)において、
R13は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
X11は、フッ素、塩素、−OCF3、−OCHF2、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF2CHF2、または−OCF2CHFCF3であり;
環C1、環C2、および環C3は独立して、1,4−シクロヘキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;
Z14、Z15、およびZ16は独立して、単結合、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、または−(CH2)4−であり;
L11およびL12は独立して、水素またはフッ素である。
式(8)において、
R14は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
X12は−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nであり;
環D1は、1,4−シクロヘキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;
Z17は、単結合、−CH2CH2−、−C≡C−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、または−CH2O−であり;
L13およびL14は独立して、水素またはフッ素であり;
iは、1、2、3、または4である。
式(9)から式(15)において、
R15およびR16は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
R17は、水素、フッ素、炭素数1から10のアルキル、または炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
環E1、環E2、環E3、および環E4は独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、またはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;
環E5および環E6は独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、またはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;
Z18、Z19、Z20、およびZ21は独立して、単結合、−CH2CH2−、−COO−、−CH2O−、−OCF2−、または−OCF2CH2CH2−であり;
L15およびL16は独立して、フッ素または塩素であり;
S11は、水素またはメチルであり;
Xは、−CHF−または−CF2−であり;
j、k、m、n、p、q、r、およびsは独立して、0または1であり、k、m、n、およびpの和は、1または2であり、q、r、およびsの和は、0、1、2、または3であり、tは、1、2、または3である。
式(16)において、
環Fおよび環Iは独立して、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、ピリミジン−2−イル、またはピリジン−2−イルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;
環Gは、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;
Z22およびZ23は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2CH2−は、−CH=CH−、−C(CH3)=CH−、−CH=C(CH3)−、または−C(CH3)=C(CH3)−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
P1、P2、およびP3は独立して、重合性基であり;
Sp1、Sp2、およびSp3は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2CH2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
dは、0、1、または2であり;
e、f、およびgは独立して、0、1、2、3、または4であり、そしてe、f、およびgの和は1以上である。
式(P−1)から式(P−5)において、M1、M2、およびM3は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から5のアルキルである。
式(16−1)から式(16−7)において、P4、P5、およびP6は独立して、式(P−1)から式(P−3)で表される基の群から選択された重合性基であり、ここでM1、M2、およびM3は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;
L21、L22、L23、L24、L25、L26、L27、およびL28は独立して、水素、フッ素、またはメチルであり;Sp1、Sp2、およびSp3は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2CH2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
本発明の化合物(1)は、末端の−OH基と、側方位がアルキルまたはアルケニルで置換されたビフェニル部位を有することを特徴とする。化合物(1)は、−OH基がガラス(または金属酸化物)の基板表面と非共有結合的に相互作用するので有用である。用途の一つは、液晶表示素子に使われる液晶組成物用の添加物である。化合物(1)は,
液晶分子の配向を支援する目的で添加される。このような添加物は、素子に密閉された条件下では化学的に安定であり、液晶分子を配向させる能力が高く、液晶組成物への高い相溶性を有することが好ましい。化合物(1)は、このような特性をかなりの程度で充足する。
化合物(1)の合成法について説明する。化合物(1)は、有機合成化学の方法を適切に組み合わせることにより合成できる。合成法を記載しなかった化合物は、「オーガニック・シンセシス」(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、「オーガニック・リアクションズ」(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、「コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス」(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、「新実験化学講座」(丸善)などの成書に記載された方法によって合成する。
化合物(1)における結合基を生成する方法の例は、下記のスキームのとおりである。このスキームにおいて、MSG1(またはMSG2)は、少なくとも1つの環を有する一価の有機基である。複数のMSG1(またはMSG2)が表す一価の有機基は、同一であってもよいし、または異なってもよい。化合物(1A)〜(1G)は、化合物(1)または化合物(1)の中間体に相当する。
アリールホウ酸(21)と化合物(22)を、炭酸塩、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム触媒の存在下で反応させ、化合物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、化合物(23)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム触媒の存在下で化合物(22)を反応させても合成される。
化合物(23)にn−ブチルリチウムを、次いで二酸化炭素を反応させ、カルボン酸(24)を得る。このカルボン酸(24)と、化合物(21)から誘導したフェノール(25)とをDCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1B)を合成する。この方法によって−OCO−を有する化合物も合成する。
化合物(1B)をローソン試薬で硫黄化し、化合物(26)を得る。化合物(26)をフッ化水素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化し、−CF2O−を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C)は化合物(26)をDAST((ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド)でフッ素化しても合成される。W. H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって−OCF2−を有する化合物も合成する。
化合物(22)をn−ブチルリチウム、次いでDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)と反応させてアルデヒド(27)を得る。ホスホニウム塩(28)とカリウムtert−ブトキシドを反応させて発生させたリンイリドを、アルデヒド(27)と反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
化合物(1D)をパラジウム炭素触媒の存在下で水素化し、化合物(1E)を合成する。
ジクロロパラジウムとヨウ化銅の触媒存在下で、化合物(23)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを反応させたのち、塩基性条件下で脱保護して化合物(29)を得る。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(29)を化合物(22)と反応させて、化合物(1F)を合成する。
化合物(27)を水素化ホウ素ナトリウムで還元して化合物(30)を得る。これを臭化水素酸で臭素化して化合物(31)を得る。炭酸カリウムの存在下、化合物(25)と化合物(31)を反応させて、化合物(1G)を合成する。この方法によって−OCH2−を有する化合物も合成する。
化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理したあと、テトラフルオロエチレンを反応させて化合物(32)を得る。化合物(22)をn−ブチルリチウムで処理したあと化合物(32)と反応させて、化合物(1H)を合成する。
1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−エチル−1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルなどの環に関しては出発物が市販されているか、または合成法がよく知られている。
化合物(1)を合成する方法の例は、次のとおりである。これらの化合物において、R1、環A1、Z1、a、L1、L2、L3、L4、およびS1の定義は、前記と同一である。
本発明の液晶組成物は、化合物(1)を成分Aとして含む。化合物(1)は、素子の基板との非共有結合的な相互作用によって、液晶分子の配向を支援することができる。この組成物は、化合物(1)を成分Aとして含み、下に示す成分B、C、D、およびEから選択された液晶性化合物をさらに含むことが好ましい。成分Bは、化合物(2)から(4)である。成分Cは化合物(5)から(7)である。成分Dは、化合物(8)である。成分Eは、化合物(9)から(15)である。この組成物は、化合物(2)から(15)とは異なる、その他の液晶性化合物を含んでもよい。この組成物を調製するときには、正または負の誘電率異方性の大きさなどを考慮して成分B、C、D、およびEを選択することが好ましい。成分を適切に選択した組成物は、高い上限温度、低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性(すなわち、大きな光学異方性または小さな光学異方性)、正または負に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、熱または紫外線に対する安定性、および適切な弾性定数(すなわち、大きな弾性定数または小さな弾性定数)を有する。
液晶組成物は、PC、TN、STN、OCB、PSAなどの動作モードを有し、アクティブマトリックス方式で駆動する液晶表示素子に使用できる。この組成物は、PC、TN、STN、OCB、VA、IPSなどの動作モードを有し、パッシブマトリクス方式で駆動する液晶表示素子にも使用することができる。これらの素子は、反射型、透過型、半透過型のいずれのタイプにも適用ができる。
化合物(1)は、実施例に示す手順により合成した。特に記載のないかぎり、反応は窒素雰囲気下で行った。化合物(1)は、実施例1などに示した手順により合成した。合成した化合物は、NMR分析などの方法により同定した。化合物(1)、液晶性化合物、組成物、素子の特性は、下記の方法により測定した。
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレート(メトラー社FP−52型ホットステージ)に試料を置いた。この試料を、3℃/分の速度で加熱しながら相状態とその変化を偏光顕微鏡で観察し、相の種類を特定した。
測定には、パーキンエルマー社製の走査熱量計、Diamond DSCシステムまたはエスエスアイ・ナノテクノロジー社製の高感度示差走査熱量計、X−DSC7000を用いた。試料は、3℃/分の速度で昇降温し、試料の相変化に伴う吸熱ピークまたは発熱ピークの開始点を外挿により求め、転移温度を決定した。化合物の融点、重合開始温度もこの装置を使って測定した。化合物が固体からスメクチック相、ネマチック相などの液晶相に転移する温度を「液晶相の下限温度」と略すことがある。化合物が液晶相から液体に転移する温度を「透明点」と略すことがある。
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。試料が化合物(1)と母液晶との混合物であるときは、TNIの記号で示した。試料が化合物(1)と成分B、C、Dのような化合物との混合物であるときは、NIの記号で示した。
ネマチック相を有する試料を0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、TCを≦−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
測定には、東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いた。
測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率(n‖)は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性(Δn)の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。
測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmであった。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積であった。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。
25℃の代わりに、80℃で測定した以外は、上記の方法で電圧保持率を測定した。得られた結果をVHR−2の記号で示した。
正の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。ツイスト角が0度であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。
負の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmのVA素子に試料を入れた。この素子に39ボルトから50ボルトの範囲で1ボルト毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算に必要な誘電率異方性は、下記の誘電率異方性の項で測定した値を用いた。
正の誘電率異方性:2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
負の誘電率異方性:誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。誘電率(ε‖およびε⊥)は次のように測定した。
1)誘電率(ε‖)の測定:よく洗浄したガラス基板にオクタデシルトリエトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回転させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであるVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。
2)誘電率(ε⊥)の測定:よく洗浄したガラス基板にポリイミド溶液を塗布した。このガラス基板を焼成した後、得られた配向膜にラビング処理をした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、ツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
正の誘電率異方性:測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向素子に試料を入れた。この素子に0ボルトから20ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を「液晶デバイスハンドブックク」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK11およびK33の値を得た。次に171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK11およびK33の値を用いてK22を算出した。弾性定数Kは、このようにして求めたK11、K22およびK33の平均値で表した。
負の誘電率異方性:測定には株式会社東陽テクニカ製のEC−1型弾性定数測定器を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである垂直配向素子に試料を入れた。この素子に20ボルトから0ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。静電容量(C)と印加電圧(V)の値を、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.100)から弾性定数の値を得た。
正の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が0.45/Δn(μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧で表した。
負の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子に印加する電圧(60Hz、矩形波)は0Vから20Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が10%になったときの電圧で表した。
正の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。
負の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が3.2μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のPVA素子に試料を入れた。この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子にしきい値電圧を若干超える程度の電圧を1分間印加し、次に5.6Vの電圧を印加しながら23.5mW/cm2の紫外線を8分間照射した。この素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。応答時間は透過率90%から10%に変化するのに要した時間(立ち下がり時間;fall time;ミリ秒)で表した。
組成物(i)に、測定化合物の濃度が1、3、5重量%になるように添加しそれぞれの濃度の資料を調整し、この資料を2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が3.5μmである配向膜を有さない素子に注入した。この素子を偏光顕微鏡にセットし、下から素子に光を照射し、光漏れの有無を観察した。液晶分子が充分に配向し、光が素子を通過しない場合は、垂直配向性が「良好」と判断した。素子を通過した光が観察された場合は、「不良」と判断した。より低濃度で配向が良好である化合物は、液晶分子を垂直配向させる能力が高いといえる。
(16)液晶組成物への相溶性
組成物(i)に、測定化合物の濃度が1、3、5重量%になるようにそれぞれ添加し、その混合物を100℃に過熱した後室温に戻し、混合物内に結晶が発生しているかを観察した。より高濃度においても結晶が発生していない場合に、液晶組成物への相溶性が良いといえる。
ソルミックス(登録商標)A−11は、エタノール(85.5%)、メタノール(13.4%)とイソプロパノール(1.1%)の混合物であり、日本アルコール販売(株)から入手した。
化合物(T−1)(10.0g)、4−ブロモ−2−エチル−1−ヨードベンゼン(13.6g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1g)、炭酸カリウム(10.1g)、テトラブチルアンモニウムブロミド(1.18g)、及びトルエン(300ml)、IPA(80ml)、純水(20ml)を反応器に入れて、90℃で5時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、水層をトルエンで抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(体積比、ヘプタン:トルエン=4:1)で精製した。さらにヘプタンとトルエンとの混合溶媒(体積比、4:1)からの再結晶により精製して、化合物(T−2)(12.6g;80%)を得た。
化合物(T−2)(10.0g)、テトラヒドロフラン(500ml)を反応器に入れて、撹拌しながら−70℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(29ml、1.6M)を滴下して、1時間撹拌した。N,N−ジメチルホルムアミド(2.25ml)を滴下して、室温まで昇温しながら6時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、水層をトルエンで抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン)で精製した。さらにヘプタンとトルエンとの混合溶媒(体積比、4:1)からの再結晶により精製して、化合物(T−3)(7.10g;81%)を得た。
水素化ホウ素ナトリウム(0.45g)、及びエタノール(200ml)を反応器に入れて、撹拌しながら氷冷した。エタノール(50ml)に溶解させた化合物(T−3)(7.10g)を滴下し、室温まで昇温しながら5時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、水層を酢酸エチルで抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン)で精製した。さらにヘプタンとトルエンとの混合溶媒(体積比、4:1)からの再結晶により精製して、化合物(1−1−39)(5.93g;83%)を得た。
1H−NMR:化学シフトδ(ppm;CDCl3):7.32−7.30(m,1H)、7.25−7.20(m,6H)、4.72(d,2H)、2.62(q,2H)、2.54−2.47(m,1H)、1.96−1.87(m,4H)、1.65−1.62(m,1H)、1.54−1.52(m,2H)、1.36−1.21(m,9H)、1.12(t,3H)、1.08−1.03(m,2H)、0.90(t,3H)
窒素雰囲気下、化合物(T−2)(8g)、THF(50ml)を容器にとり、−70℃に冷却した。そこにn-BuLi(1.6M、15ml)を滴下し、1時間攪拌した。その後ホウ酸トリメチル(2.6g)を添加し、徐々に室温に戻した。反応溶液を1N塩酸水溶液に注ぎ、そこから酢酸エチルで抽出した。有機層を溶媒留去し、(T−10)6gを得た。
(T−10)(6g)と(T−11)(3.5g)をトルエンに溶解させ、水、エタノール、Pd(PPh3)4(0.4g)、TBAB(1.3g)および炭酸カリウム(5.7g)を加えて6時間加熱還流した。反応終了後トルエンにて抽出し、水にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して淡茶色固体を得た。この固体を溶液にして、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製し(T−12)(5.85g)得た。
(T−12)(5.84g)とギ酸(28g)をトルエンに溶解させ、2時間還流した。反応終了後トルエンにて抽出し、水にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して(T−13)(5.46g)得た。
(T−13)(5.46g)をエタノールに溶解させ、氷冷しながら水素化ホウ素ナトリウム(0.27g)を添加し、室温に戻しながら1時間攪拌した。反応溶液をアンモニア水に注ぎ、そこから酢酸エチルで抽出した。この固体を溶液にして、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製し(1−2−24)(5.48g)得た。
1H−NMR:化学シフトδ(ppm;CDCl3):7.56(d,2H)、7.51(s,1H)、7.43(dd,2H)、7.29−7.20(m,6H)、3.72(q,2H)、2.76(t,2H)、2.68(t,2H)、2.52(tt,1H)、1.97−1.80(m,6H)、1.60(dq,2H)、1.40−1.21(m,10H)、1.16(t,3H)、1.07(dq,2H)、0.90(t,3H).
化合物(T−1)(10.0g)、4−ヒドロキ−2−エチル−1−ヨードベンゼン(13.6g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1g)、炭酸カリウム(10.1g)、テトラブチルアンモニウムブロミド(1.18g)、トルエン(300ml)、IPA(80ml)、及び純水(20ml)を反応器に入れて、90℃で5時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、水層をトルエンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(体積比、ヘプタン:トルエン=4:1)で精製した。さらにヘプタンとトルエンとの混合溶媒(体積比、4:1)からの再結晶により精製して、化合物(T−30)(12.6g;80%)を得た。
化合物(T−30)(10.0g)、DMF(100ml)、及びエチレンカーボネート(10g)を反応器に入れて、撹拌しながら130℃で二時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、水層をトルエンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン)で精製した。さらにヘプタンとトルエンとの混合溶媒(体積比、4:1)からの再結晶により精製して、化合物(1−1−43)(9.2g;90%)を得た。
比較化合物として、化合物(S−1)を合成し、特性を測定した。この化合物は、欧州特許出願公開2883934号明細書に記載されており、本発明の化合物に類似しているから比較実験を行った。
(S−1)の垂直配向性を評価した。結果は1重量%において光漏れのある配向不良であり、3%において配向良好であった。これに対し化合物(1−1−43)及び(1−2−24)は、1重量%において配向良好であり、より液晶分子を垂直配向させる能力が高いといえる。
実施例における化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号により表した。表3において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。記号の後にあるかっこ内の番号は化合物の番号に対応する。(−)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)である。最後に、液晶組成物の特性値をまとめた。特性は、先に記載した方法にしたがって測定し、測定値を(外挿することなく)そのまま記載した。
5−HB−CL (5−2) 16%
3−HH−4 (2−1) 11%
3−HH−5 (2−1) 4%
3−HHB−F (6−1) 3%
3−HHB−CL (6−1) 3%
4−HHB−CL (6−1) 4%
3−HHB(F)−F (6−2) 9%
4−HHB(F)−F (6−2) 10%
5−HHB(F)−F (6−2) 9%
7−HHB(F)−F (6−2) 8%
5−HBB(F)−F (6−23) 4%
1O1−HBBH−5 (4−1) 3%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
4−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
5−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
3−HH2BB(F,F)−F (7−15) 4%
4−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−1−39)を5重量%の割合で添加した。
NI=116.7℃;η=20.6mPa・s;Δn=0.093;Δε=4.0.
7−HB(F,F)−F (5−4) 3%
3−HB−O2 (2−5) 7%
2−HHB(F)−F (6−2) 10%
3−HHB(F)−F (6−2) 10%
5−HHB(F)−F (6−2) 9%
2−HBB(F)−F (6−23) 9%
3−HBB(F)−F (6−23) 10%
5−HBB(F)−F (6−23) 15%
2−HBB−F (6−22) 4%
3−HBB−F (6−22) 5%
5−HBB−F (6−22) 3%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 5%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 10%
上記の組成物に下記の化合物(1−1−43)を4重量%の割合で添加した。
さらに加えて、下記の化合物(16−1−1)を0.3重量%の割合で添加した。
NI=85.3℃;η=24.9mPa・s;Δn=0.116;Δε=5.8.
3−HHB(F,F)−F (6−3) 9%
3−H2HB(F,F)−F (6−15) 9%
4−H2HB(F,F)−F (6−15) 8%
5−H2HB(F,F)−F (6−15) 7%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 21%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 18%
3−H2BB(F,F)−F (6−27) 12%
5−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
5−HHEBB−F (7−17) 2%
3−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3%
1O1−HBBH−4 (4−1) 5%
1O1−HBBH−5 (4−1) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−24)を1重量%の割合で添加した。
NI=97.2℃;η=34.9mPa・s;Δn=0.116;Δε=9.1.
2−HB−C (8−1) 5%
3−HB−C (8−1) 13%
3−HB−O2 (2−5) 14%
2−BTB−1 (2−10) 3%
3−HHB−F (6−1) 4%
3−HHB−1 (3−1) 8%
3−HHB−O1 (3−1) 5%
3−HHB−3 (3−1) 14%
3−HHEB−F (6−10) 5%
5−HHEB−F (6−10) 3%
2−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F)−F (6−2) 7%
5−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−1−37)を3重量%の割合で添加した。
NI=100.7℃;η=17.9mPa・s;Δn=0.101;Δε=4.8.
5−HB−CL (5−2) 16%
7−HB(F,F)−F (5−4) 4%
3−HH−4 (2−1) 11%
3−HH−5 (2−1) 5%
3−HB−O2 (2−5) 14%
3−HHB−1 (3−1) 7%
3−HHB−O1 (3−1) 6%
2−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F)−F (6−2) 7%
5−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 6%
3−H2HB(F,F)−F (6−15) 5%
4−H2HB(F,F)−F (6−15) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−1−15)を5重量%の割合で添加した。
NI=71.0℃;η=13.7mPa・s;Δn=0.073;Δε=2.8.
5−HB−CL (5−2) 3%
7−HB(F)−F (5−3) 7%
3−HH−4 (2−1) 9%
3−HH−EMe (2−2) 22%
3−HHEB−F (6−10) 8%
5−HHEB−F (6−10) 7%
3−HHEB(F,F)−F (6−12) 10%
4−HHEB(F,F)−F (6−12) 6%
4−HGB(F,F)−F (6−103) 6%
5−HGB(F,F)−F (6−103) 6%
2−H2GB(F,F)−F (6−106) 4%
3−H2GB(F,F)−F (6−106) 6%
5−GHB(F,F)−F (6−109) 6%
上記の組成物に下記の化合物(1−1−48)を1重量%の割合で添加した。
NI=78.7℃;η=19.9mPa・s;Δn=0.064;Δε=5.8.
1V2−BEB(F,F)−C (8−15) 7%
3−HB−C (8−1) 18%
2−BTB−1 (2−10) 10%
5−HH−VFF (2−1) 30%
3−HHB−1 (3−1) 5%
VFF−HHB−1 (3−1) 6%
VFF2−HHB−1 (3−1) 11%
3−H2BTB−2 (3−17) 5%
3−H2BTB−3 (3−17) 5%
3−H2BTB−4 (3−17) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−1−76)を0.5重量%の割合で添加した。
NI=80.3℃;η=12.1mPa・s;Δn=0.130;Δε=7.2.
5−HB−F (5−2) 12%
6−HB−F (5−2) 9%
7−HB−F (5−2) 7%
2−HHB−OCF3 (6−1) 5%
3−HHB−OCF3 (6−1) 7%
4−HHB−OCF3 (6−1) 7%
5−HHB−OCF3 (6−1) 5%
3−HH2B−OCF3 (6−4) 7%
5−HH2B−OCF3 (6−4) 4%
3−HHB(F,F)−OCF2H (6−3) 4%
3−HHB(F,F)−OCF3 (6−3) 5%
3−HH2B(F)−F (6−5) 3%
3−HBB(F)−F (6−23) 11%
5−HBB(F)−F (6−23) 8%
5−HBBH−3 (4−1) 3%
3−HB(F)BH−3 (4−2) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−6)を3重量%の割合で添加した。
NI=85.9℃;η=14.7mPa・s;Δn=0.092;Δε=4.4.
3−HB−O2 (2−5) 10%
5−HB−CL (5−2) 13%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 7%
3−PyB(F)−F (5−15) 10%
5−PyB(F)−F (5−15) 10%
3−PyBB−F (6−80) 11%
4−PyBB−F (6−80) 10%
5−PyBB−F (6−80) 10%
5−HBB(F)B−2 (4−5) 9%
5−HBB(F)B−3 (4−5) 10%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−36)を5重量%の割合で添加した。
NI=98.5℃;η=39.6mPa・s;Δn=0.190;Δε=8.1.
3−HB−CL (5−2) 6%
5−HB−CL (5−2) 4%
3−HHB−OCF3 (6−1) 5%
3−H2HB−OCF3 (6−13) 5%
5−H4HB−OCF3 (6−19) 15%
V−HHB(F)−F (6−2) 5%
3−HHB(F)−F (6−2) 6%
5−HHB(F)−F (6−2) 5%
3−H4HB(F,F)−CF3 (6−21) 9%
5−H4HB(F,F)−CF3 (6−21) 9%
5−H2HB(F,F)−F (6−15) 5%
5−H4HB(F,F)−F (6−21) 7%
2−H2BB(F)−F (6−26) 5%
3−H2BB(F)−F (6−26) 9%
3−HBEB(F,F)−F (6−39) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−1−39)を4重量%の割合で添加した。
NI=70.1℃;η=25.3mPa・s;Δn=0.097;Δε=8.3.
5−HB−CL (5−2) 9%
3−HH−4 (2−1) 9%
3−HHB−1 (3−1) 4%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 8%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 19%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 13%
3−HHEB(F,F)−F (6−12) 9%
4−HHEB(F,F)−F (6−12) 5%
5−HHEB(F,F)−F (6−12) 4%
2−HBEB(F,F)−F (6−39) 5%
3−HBEB(F,F)−F (6−39) 4%
5−HBEB(F,F)−F (6−39) 5%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 6%
上記の組成物に下記の化合物(1−1−43)を2重量%の割合で添加した。
さらに、下記の化合物(16−1−1)を0.3重量%の割合で添加した。
NI=81.5℃;η=23.6mPa・s;Δn=0.102;Δε=9.1.
3−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−57) 3%
5−HB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−41) 3%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 5%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 4%
3−HH−V (2−1) 40%
3−HH−V1 (2−1) 8%
3−HHEH−5 (3−13) 3%
3−HHB−1 (3−1) 4%
V−HHB−1 (3−1) 3%
V2−BB(F)B−1 (3−6) 5%
1V2−BB―F (5−1) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 6%
3−GB(F,F)XB(F,F)−F (6−113) 5%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−24)を5重量%の割合で添加した。
NI=82.8℃;η=13.4mPa・s;Δn=0.103;Δε=7.2.
Claims (15)
- 式(1−1)または式(1−2)で表される化合物。
式(1−1)および式(1−2)において、
R1は、炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜9のアルコキシ、または炭素数2〜9のアルケニルオキシであり;
環A1および環A2は独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロへキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルで置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;
Z1およびZ2は独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、または−OCH2−であり;
L1、L2、L3、およびL4は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルであり、L1、L2、L3、およびL4のうち少なくとも1つは、炭素数1から5のアルキルまたは炭素数2から5のアルケニルであり;
S1は、炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく;
S2は、炭素数2から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられている。 - 式(1−3)または式(1−4)で表される、請求項1に記載の化合物。
式(1−3)および式(1−4)において、
R1は、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数2〜10のアルケニルであり;
環A1および環A2は独立して、1,4−シクロへキシレンまたは少なくとも1つの水素が炭素数1から5のアルキルまたは炭素数2から5のアルケニルで置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;
L1、L2、L3、およびL4は独立して、水素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数2から5のアルケニルであり、L1、L2、L3、およびL4のうち少なくとも1つは、炭素数1から5のアルキルまたは炭素数2から5のアルケニルであり;
S1は、炭素数1から7のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく;
S2は、炭素数2から7のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられている。 - 式(1−5)から式(1−8)のいずれか1つで表される、請求項1または2に記載の化合物。
式(1−5)から式(1−8)において、
R1は、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数2〜10のアルケニルであり;
L1、L2、およびL3は独立して、水素、炭素数1から4のアルキル、または炭素数2から4のアルケニルであり、L1、L2、およびL3のうち少なくとも1つは、炭素数1から4のアルキルまたは炭素数2から4のアルケニルであり;
S1は、炭素数1から5のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく;
S2は、炭素数2から5のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられている。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つを、第一添加物として含有する液晶組成物。
- 式(2)から式(4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項6に記載の液晶組成物。
式(2)から式(4)において、
R11およびR12は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
環B1、環B2、環B3、および環B4は独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;
Z11、Z12、およびZ13は独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、−C≡C−、または−COO−である。 - 式(5)から式(7)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項6または7に記載の液晶組成物。
式(5)から式(7)において、
R13は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
X11は、フッ素、塩素、−OCF3、−OCHF2、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF2CHF2、または−OCF2CHFCF3であり;
環C1、環C2、および環C3は独立して、1,4−シクロヘキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;
Z14、Z15、およびZ16は独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、または−(CH2)4−であり;
L11およびL12は独立して、水素またはフッ素である。 - 式(8)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項6または7に記載の液晶組成物。
式(8)において、
R14は炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
X12は−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nであり;
環D1は、1,4−シクロヘキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;
Z17は、単結合、−(CH2)2−−CH2CH2−、−C≡C−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、または−CH2O−であり;
L13およびL14は独立して、水素またはフッ素であり;
iは、1、2、3、または4である。 - 式(9)から式(15)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項6または7に記載の液晶組成物。
式(9)から式(15)において、
R15およびR16は独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
R17は、水素、フッ素、炭素数1から10のアルキル、または炭素数2から10のアルケニルであり、このアルキルおよびアルケニルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく;
環E1、環E2、環E3、および環E4は独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、またはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;
環E5および環E6は独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、またはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;
Z18、Z19、Z20、およびZ21は独立して、単結合、−(CH2)2−−、−COO−、−CH2O−、−OCF2−、または−OCF2CH2CH2−であり;
L15およびL16は独立して、フッ素または塩素であり;
S11は、水素またはメチルであり;
Xは、−CHF−または−CF2−であり;
j、k、m、n、p、q、r、およびsは独立して、0または1であり、k、m、n、およびpの和は、1または2であり、q、r、およびsの和は、0、1、2、または3であり、tは、1、2、または3である。 - 第二添加物成分として、式(16)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの重合性化合物を含有する、請求項6から10のいずれか1項に記載の液晶組成物。
式(16)において、
環Fおよび環Iは独立して、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、ピリミジン−2−イル、またはピリジン−2−イルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;
環Gは、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;
Z22およびZ23は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2CH2−は、−CH=CH−、−C(CH3)=CH−、−CH=C(CH3)−、または−C(CH3)=C(CH3)−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
P1、P2、およびP3は独立して、重合性基であり;
Sp1、Sp2、およびSp3は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2CH2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
dは、0、1、または2であり;
e、f、およびgは独立して、0、1、2、3、または4であり、そしてe、f、およびgの和は1以上である。 - 第二添加物成分として、式(16−1)から式(16−7)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの重合性化合物を含有する、請求項6から12のいずれか1項に記載の液晶組成物。
式(16−1)から式(16−7)において、P4、P5、およびP6は独立して、式(P−1)から式(P−3)で表される基の群から選択された重合性基であり、ここでM1、M2、およびM3は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;
L21、L22、L23、L24、L25、L26、L27、およびL28は独立して、水素、フッ素、またはメチルであり;Sp1、Sp2、およびSp3は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。 - 式(16)以外の重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、および消泡剤の少なくとも1つをさらに含有する、請求項6から13のいずれか1項に記載の液晶組成物。
- 請求項6から14のいずれか1項に記載の液晶組成物を少なくとも1つ含有する液晶表示素子。
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