JP6493379B2 - 金属スラブ清浄度の評価方法および金属スラブ清浄度の評価装置 - Google Patents

金属スラブ清浄度の評価方法および金属スラブ清浄度の評価装置 Download PDF

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本発明は、金属スラブ清浄度の評価方法および金属スラブ清浄度の評価装置に関する。
鉄鋼スラブなどの金属スラブ(以下、単に「スラブ」ともいう)の清浄度は、スラブ中の不純物の少なさを表す指標である。ここで、スラブ中の不純物とは、代表的には、以下に説明するようなアルミナ介在物(以下、単に「介在物」ともいう)である。
例えば、溶鋼を鋳型に連続的に吐出してスラブを製造する連続鋳造工程においては、脱酸生成物であるアルミナ介在物が凝固シェルに付着する場合がある。このアルミナ介在物の多くは、数μm程度の小型介在物が集合した、約100μm以上の大きさを有する集合体であって、アルミナクラスタとも呼ばれる。
連続鋳造工程の後の圧延工程において、アルミナ介在物が凝固シェルに付着した状態で圧延を行なうと、ヘゲ、スリバー、ブリスター等の表面欠陥が発生するおそれがある。
スラブの清浄度は、得られる鉄鋼製品などの製品の品質に影響を与えるため、正しく評価することが望まれている。
スラブの清浄度の評価方法としては、多数の報告がなされており、大別すると、顕微鏡法(例えば、非特許文献1を参照)と、溶解法(例えば、非特許文献2を参照)とが挙げられる。顕微鏡法は、スラブを鏡面研磨仕上げして表面の介在物を顕微鏡で目視観察する方法である。溶解法は、スラブを溶解してから介在物を抽出する方法である。
JIS G 0555:2003 鎌田仁編、「最新の鉄鋼状態分析」、第1版、アグネ社、1979年8月、p.23 JIS G 1239:2014
スラブ清浄度の評価を、連続鋳造工程後に行なうことにより、そのスラブを圧延工程に移行できるか否かを判断することが可能となる。
例えば、上述した顕微鏡法または溶解法を用いて、連続鋳造工程後に、定常的に、スラブ清浄度の評価を行なうことが考えられる。しかし、顕微鏡法および溶解法は、いずれも、結果を得るまでに非常に長い時間を要する。このため、連続鋳造工程から圧延工程に移行するまでの時間が長くなるという問題が生じる。
そこで、スラブの清浄度を迅速に評価する方法として、スラブ中の酸素を定量し(例えば、非特許文献3を参照)、得られた酸素量から化学量論的にアルミナ介在物の量を求める方法が提案されている。
しかし、この方法は、アルミナ介在物の酸素以外の酸素(例えば、スラブ試料を作製する際の表面酸化など)による誤差が多いため、清浄度の評価に正確さを欠くことが懸念される。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、金属スラブの清浄度を迅速かつ正確に評価できる、金属スラブ清浄度の評価方法および金属スラブ清浄度の評価装置を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、以下の構成を採用することによって、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[13]を提供する。
[1]第1の不活性ガスを含有する金属スラブから採取したスラブ試料中の上記第1の不活性ガスの量に基づいて上記金属スラブの清浄度を評価する、金属スラブ清浄度の評価方法。
[2]上記金属スラブが鉄鋼スラブである、上記[1]に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
[3]上記第1の不活性ガスがアルゴンガスである、上記[1]または[2]に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
[4]上記スラブ試料を、上記第1の不活性ガスとは異なる第2の不活性ガスの雰囲気下で加熱することによって、上記スラブ試料から上記第1の不活性ガスを発生させる工程と、上記スラブ試料から発生する上記第1の不活性ガスを定量する工程と、を含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
[5]上記第2の不活性ガスがヘリウムガスまたは窒素ガスである、上記[4]に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
[6]上記スラブ試料から発生する上記第1の不活性ガスを定量する際に放電発光法を用いる、上記[4]または[5]に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
[7]上記第1の不活性ガスがアルゴンガスである場合であって、上記放電発光法を用いてアルゴンガスを定量するにあたり、アルゴンガスの発光波長である、750nm、751nm、764nm、772nm、812nm、および、912nmからなる群から選ばれる少なくとも1種の波長の発光強度を測定する、上記[6]に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
[8]上記スラブ試料の加熱温度が500℃以上である、上記[4]〜[7]のいずれかに記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
[9]上記スラブ試料から発生する上記第1の不活性ガスを定量する際に質量分析法を用いる、上記[4]または[5]に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
[10]上記第1の不活性ガスがアルゴンガスである場合であって、上記質量分析法を用いてアルゴンガスを定量するにあたり、質量数40のアルゴンイオン、質量数41のアルゴンおよび水素からなる多原子イオン、ならびに、質量数56のアルゴンおよび酸素からなる多原子イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のイオンの強度を測定する、上記[9]に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
[11]上記スラブ試料の加熱温度が500℃以上である、上記[9]または[10]に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
[12]第1の不活性ガスを含有する金属スラブから採取したスラブ試料を、上記第1の不活性ガスとは異なる第2の不活性ガスの雰囲気下で加熱して、上記スラブ試料から上記第1の不活性ガスを発生させる加熱炉と、上記加熱炉に、上記第2の不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、上記スラブ試料から発生した上記第1の不活性ガスを、上記第2の不活性ガスと共に、放電発光法により発光させるガス放電発光部と、上記ガス放電発光部からの光の強度を測定することによって上記スラブ試料中の上記第1の不活性ガスを定量する測光分析部と、を備える金属スラブ清浄度の評価装置。
[13]第1の不活性ガスを含有する金属スラブから採取したスラブ試料を、上記第1の不活性ガスとは異なる第2の不活性ガスの雰囲気下で加熱して、上記スラブ試料から上記第1の不活性ガスを発生させる加熱炉と、上記加熱炉に、上記第2の不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、上記スラブ試料から発生した上記第1の不活性ガスを、上記第2の不活性ガスと共に、イオン化して、イオンを生成させるイオン化部と、上記生成したイオンを質量分析することによって上記スラブ試料中の上記第1の不活性ガスを定量する質量分析部と、を備える金属スラブ清浄度の評価装置。
本発明によれば、金属スラブの清浄度を迅速かつ正確に評価できる、金属スラブ清浄度の評価方法および金属スラブ清浄度の評価装置を提供することができる。
第1の実施形態のスラブ清浄度評価装置を示す模式図である。 アルゴンガスおよびヘリウムガスの混合ガスの放電発光スペクトルを示す図である。 (a)〜(c)は、スラブ試料の採取方法を示す模式図である。 ヘリウム雰囲気中でスラブ試料を昇温加熱したときの、スラブ試料からのアルゴンガスの発光強度の変化を示すグラフである。 試験例1、試験例2および本発明例1の試験結果を示すグラフである。 スラブ試料を急速に加熱したときの、スラブ試料からのアルゴンガスの発光強度の変化を示すグラフである。 第2の実施形態のスラブ清浄度評価装置を示す模式図である。 質量数40のアルゴンイオンの強度の積算値と、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面欠陥指数との関係を示すグラフである。
本発明の金属スラブ清浄度の評価方法(以下、単に「本発明の評価方法」ともいう)は、第1の不活性ガスを含有する金属スラブから採取したスラブ試料中の上記第1の不活性ガスの量に基づいて上記金属スラブの清浄度を評価する、金属スラブ清浄度の評価方法である。
本発明の評価方法によれば、金属スラブの清浄度を迅速かつ正確に評価できる。
以下では、まず、本発明の評価方法を完成させるに至った経緯を説明する。
[本発明の評価方法を完成させるに至った経緯]
本発明者は、当初、アルミナ介在物の量そのものに着目して、スラブ清浄度を迅速に評価する方法について詳細に検討したが、迅速に評価できる方法を見出すことはできなかった。そこで、別の指標を用いて、スラブの清浄度を評価することを検討した。
製鋼プロセス(例えば、連続鋳造工程)においては、溶鋼の攪拌促進またはアルミナ介在物の浮上促進などの目的で、溶鋼中にアルゴンガスなどの不活性ガス(第1の不活性ガス)をバブリングしながら吹き込む。溶鋼中に吹き込まれたアルゴンガスは、アルミナ介在物を内部に取り込みながら溶鋼中を浮上するが、アルゴンガスの一部は浮上しきれず凝固した鋼(鉄鋼スラブ)中に気泡として取り残される。このとき、気泡の内部に取り込まれている小型介在物であるアルミナ粒子も鋼中に閉じ込められ、集合体であるアルミナクラスタが形成されると考えられる。
そこで、本発明者は、スラブ中に気泡として存在するアルゴンガスなどの不活性ガス(第1の不活性ガス)を定量することによって、間接的に、スラブ中のアルミナ介在物(アルミナクラスタ)の量を把握し、これにより、スラブの清浄度を迅速かつ正確に評価できることを見出した(後述する本発明例1〜3と試験例1〜2との対比を参照)。
ところで、アルゴンガスなどの不活性ガスは、様々な分析装置においてキャリアガスとして広く用いられているが、それ自体が定量の対象となることはほとんどなく、一般的な定量方法は知られていない。
そこで、本発明者は、アルゴンガスなどの不活性ガスを定量する方法について検討した。その結果、ガス中に放電を発生させることにより固有の発光スペクトルが現れることを利用した放電発光法(気体放電発光法、気体放電発光分析法)を用いることを見出した。
具体的には、本発明者は、まず、スラブから採取したスラブ試料を耐熱容器に入れて一定温度に加熱保持した。スラブ試料から発生したアルゴンガスを、ヘリウムガス(第2の不活性ガス)をキャリアガスとしてガス放電発光部に導き、混合ガスのまま放電発光させ、その発光スペクトルからアルゴンガスを定量することができた。
更に、本発明者は、不活性ガスを定量する方法として、質量分析法を用いることを見出した。具体的には、スラブ試料から発生したアルゴンガスを、イオン化し、そのマススペクトルからアルゴンガスを定量できた。
このとき、スラブ試料を500℃以上に加熱することによって、スラブ試料からアルゴンガスが発生しやすく、迅速に清浄度を評価できることが分かった。
第1の不活性ガスおよび第2の不活性ガスは、上述した例に限定されない。
例えば、連続鋳造工程において溶鋼中にヘリウムガスを吹き込んだ場合には、スラブ(スラブ試料)中の第1の不活性ガスは、このヘリウムガスとなる。この場合、第2の不活性ガスは、ヘリウムガスである第1の不活性ガスとは異なる不活性ガスであればよく、例えば、窒素ガスを使用できる。
もっとも、第1の不活性ガスは、一般的にはアルゴンガスである場合が多く、その場合、第2の不活性ガスとしては、ヘリウムガスまたは窒素ガスであることが好ましい。
清浄度の評価対象であるスラブ(金属スラブ)も、鉄鋼スラブに限定されない。
[第1の実施形態]
以下、図1〜図2に基づいて、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。第1の実施形態は、金属スラブ清浄度の評価装置としてのスラブ清浄度評価装置1への適用例である。第1の実施形態では、第1の不活性ガスがアルゴンガスであり、第2の不活性ガスがヘリウムガスである場合を例に説明する。
図1は、第1の実施形態のスラブ清浄度評価装置1を示す模式図である。
スラブ清浄度評価装置1は、図1中左から順に、不活性ガス供給部としてのヘリウムガス供給部2と、加熱炉3と、ダストフィルタ4と、酸化器6と、カラム部7と、ガス放電発光部8と、測光分析部9とを備える。
概略的には、スラブ清浄度評価装置1においては、まず、ヘリウムガス供給部2が、加熱炉3にヘリウムガスを供給する。
加熱炉3は、ヘリウムガス雰囲気下で、加熱炉3の内部のスラブ試料5を加熱することによって、スラブ試料5からアルゴンガスを発生させる。このとき、スラブ試料5からは、後述するように、水素ガスおよび一酸化炭素ガスも発生する。スラブ試料5からは更にダスト(塵埃)が発生する場合もあるが、ダストフィルタ4によって除去される。
酸化器6は、ダストが除去された混合ガス(より詳細には、スラブ試料5から発生したアルゴンガス等のガスを含有する、ヘリウムガスを主体とした混合ガス)中の水素ガスおよび一酸化炭素ガスを酸化して、それぞれ、水蒸気および二酸化炭素ガスに変える。
カラム部7は、混合ガス中の水蒸気および二酸化炭素ガスを除去する。
ガス放電発光部8は、水蒸気および二酸化炭素ガスが除去された混合ガス(実質的に、アルゴンガスおよびヘリウムガスからなる混合ガス)に放電を与えて発光させる。
測光分析部9は、ガス放電発光部8からの光の強度を測定することによって、スラブ試料5中のアルゴンガスを定量する。
次に、スラブ清浄度評価装置1の各部をより詳細に説明する。
ヘリウムガス供給部2は、ヘリウムガス供給源(図示せず)、ヘリウムガス供給源と加熱炉3とに接続したヘリウムガス供給ライン21、および、ヘリウムガス供給ライン21上に設けられた流量調節器22を備える。
ヘリウムガス供給部2において、ヘリウムガスは、ヘリウムガス供給源から、ヘリウムガス供給ライン21を流通し、流量調節器22によって流量を調節されながら、加熱炉3に供給される。
加熱炉3の内部には、スラブ試料5が収容された容器31が配置される。こうして、加熱炉3にスラブ試料5が挿入される。スラブ試料5は、加熱炉3に挿入される前に、その質量を計量しておくことが好ましい。
加熱炉3では、スラブ試料5が加熱される。このとき、スラブ試料5の加熱温度は、清浄度を迅速に評価するという観点からは、高温であることが好ましく、500℃以上がより好ましい。
加熱炉3としては、ガス漏れなく500℃以上に加熱できる加熱炉が好ましく、例えば、電気抵抗炉、高周波加熱炉、インパルス炉などが好適に使用できる。
加熱炉3にスラブ試料5を挿入する際、大気中に含まれるアルゴンガスが加熱炉3の内部に混入する場合がある。このため、加熱炉3の内部を、第2の不活性ガスとしてのヘリウムガスで十分に置換してから、スラブ試料5を加熱することが好ましい。このような点を考慮すると、加熱炉3としては、スラブ試料5を挿入する際に内部が常温である高周波加熱炉またはインパルス炉が好ましい。
容器31としては、例えば、セラミックス製、石英製または黒鉛製の容器が挙げられる。黒鉛製の容器31の具体例としては、黒鉛るつぼが挙げられる。
例えば、加熱炉3としてインパルス炉を、容器31として黒鉛るつぼを使用する場合について説明する。この場合、インパルス炉である加熱炉3においては、ヘリウムガス供給部2から供給されるヘリウムガスの雰囲気下、電極に例えば700Aの交流電流を印加する。これにより、黒鉛るつぼである容器31の中のスラブ試料5が加熱されて迅速に溶融すると共に、スラブ試料5に含まれていたアルゴン成分、水素成分および酸素成分がガス化して、アルゴンガス、水素ガスおよび一酸化炭素ガスが生成する。
こうして、加熱炉3からは、スラブ試料5から発生したアルゴンガス、水素ガスおよび一酸化炭素ガスを含有する、ヘリウムガスを主体とした混合ガス(以下、単に「混合ガス」ともいう)が排出される。
ダストフィルタ4は、加熱炉3から排出された混合ガス中のダストを捕捉して除去する。ダストは、スラブ試料5または容器31に起因する。こうして、後述するガス放電発光部8がダストから保護される。
ダストフィルタ4としては、特に限定されないが、例えば、シリカ繊維またはポリテトラフルオロエチレンからなる通気性の優れたフィルタを好適に使用できる。
酸化器6は、ダストが除去された混合ガス中の、スラブ試料5から発生した水素ガスおよび一酸化炭素ガスを酸化して、それぞれ、水蒸気および二酸化炭素ガスに変える。
酸化器6には、例えば、酸化銅(II)などの酸化剤を用いることができる。
カラム部7は、脱CO器71および脱水器72からなる。脱CO器71は、水酸化ナトリウムなどを用いて、混合ガス中の二酸化炭素ガスを除去する。脱水器72は、過塩素酸マグネシウムなどを用いて、混合ガス中の水蒸気を除去する。
カラム部7を経た混合ガスは、実質的に、アルゴンガスおよびヘリウムガスからなる混合ガスとなる。
ガス放電発光部8は、カラム部7を経た混合ガス(アルゴンガスおよびヘリウムガス)中に放電を発生させる。この放電によって、混合ガスは励起状態となり、その後、基底状態に戻るが、その際に光を放出(発光)する。
ガス放電発光部8においては、例えば、構造体に配置された一対の電極の間に、カラム部7を経た混合ガスを流しつつ、交流電圧を印加することによって、放電を発生させる。
ガス放電発光部8の構造体としては、例えば、石英ガラスなどの光の透過性の高い物質が挙げられ、電極としては、例えば、電解液または金属が挙げられる。ガス放電発光部8としては、このような構造をもつ公知のガス放電装置または無声放電式のオゾン生成装置を使用できる。
測光分析部9は、分光部92、測光部93および演算部94を有し、分光部92は、光ファイバ91によってガス放電発光部8に接続している。
ガス放電発光部8での放電により励起状態となったアルゴンガスおよびヘリウムガスが基底状態に戻る際に放出する光(発光)は、光ファイバ91により分光部92に導かれ、分光部92は、これをアルゴンガスの発光波長とヘリウムガスの発光波長とに分光する。
図2は、アルゴンガスおよびヘリウムガスの混合ガスの放電発光スペクトルを示す図である。図2には、ヘリウムガスのみの放電発光スペクトルも併せて示している。
図2に示すように、ヘリウムガスの発光波長と区別されるアルゴンガスの発光波長としては、例えば、750nm、751nm、764nm、772nm、812nm、および、912nmなどが挙げられる。
光ファイバ91を使用せずに、ガス放電発光部8の光を直接的に分光部92に導いてもよい。分光部92としては、例えば、バンドパスフィルタなどの光学フィルタ;回折格子を用いた分光装置;等を使用できる。
測光部93は、分光部92で分けられた光の強度(発光強度)を測定する。
このとき、測光部93は、アルゴンガスの発光波長(図2参照)の発光強度を測定するが、このとき、750nm、751nm、764nm、772nm、812nm、および、912nmからなる群から選ばれる少なくとも1種の波長の発光強度を測定することが好ましい。
測光部93としては、例えば、光電子増倍管、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ、フォトダイオードなどの受光部を使用できる。
演算部94は、例えば、測光部93で測定された発光強度の積算値と、あらかじめ計量されたスラブ試料5の質量とから、スラブ試料5中のアルゴンガス量を計算する。
より具体的には、例えば、1gのスラブ試料5の発光強度がXのとき、アルゴンガス量がYであるというデータをあらかじめ持っておき、同じ1gのスラブ試料5の発光強度が1.2Xであるときは、アルゴンガス量として1.2Yの数値を算出できる。
このような構成において、スラブ清浄度評価装置1を用いて、例えば、次のようにして、スラブ試料5中のアルゴンガスを定量できる。
まず、スラブからスラブ試料5を採取し、質量を計量してから容器31に入れ、加熱炉3に挿入する。次に、ヘリウムガス供給部2からヘリウムガスを加熱炉3に連続的に供給する。加熱炉3の内部がヘリウムガスで十分に置換されたならば、ヘリウムガス雰囲気下の加熱炉3において、スラブ試料5を加熱する。この加熱によって、スラブ試料5はアルゴンガスを発生させる。
スラブ試料5から発生したアルゴンガスを含む、ヘリウムガスを主体とする混合ガスは、ダストフィルタ4によってダストが除去され、酸化器6およびカラム部7を通過する過程で妨害となるガスが除去された後、ガス放電発光部8において放電発光される。この発光から、測光分析部9においてスラブ試料5中のアルゴンガス量が測定される。
[第2の実施形態]
次に、図7に基づいて、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態と同一の部分は同一の符号で示し、説明を省略する。第2の実施形態は、金属スラブ清浄度の評価装置としてのスラブ清浄度評価装置10への適用例である。
図7は、第2の実施形態のスラブ清浄度評価装置10を示す模式図である。
スラブ清浄度評価装置10は、図7中左から順に、不活性ガス供給部としてのヘリウムガス供給部2と、加熱炉3と、ダストフィルタ4と、酸化器6と、カラム部7と、イオン化部101と、質量分析部102とを備える。
すなわち、スラブ清浄度評価装置10は、ガス放電発光部8および測光分析部9(図1参照)に代えて、イオン化部101および質量分析部102を備える。
スラブ清浄度評価装置10において、酸化器6およびカラム部7は、必須の構成ではないが、妨害イオンの生成が少なくなるという理由から、設置することが好ましい。
イオン化部101は、カラム部7を経た混合ガス(アルゴンガスおよびヘリウムガス)を、例えばヘリウムマイクロ波プラズマまたはコロナ放電などによってイオン化し、イオンを生成させる。生成したイオンは、質量分析部102に導かれる。
質量分析部102は、イオン化部101で生成したイオンを質量分析することによって、スラブ試料5中のアルゴンガスを定量する。
質量分析部102は、従来公知の質量分析装置の構成と変わらないため、詳細な説明は省略するが、概略的には、イオン化部101で生成したイオンを質量(質量数)ごとに分離して、そのイオンの強度を測定し、更に、測定結果に基づく各種データ処理を行ない、マススペクトルを作成する。イオンの分離手法としては、例えば、磁場偏向型、四重極型、イオントラップ型、飛行時間型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型などが挙げられ、特に限定されない。
質量分析部102は、アルゴンガスを定量する際、例えば、質量数40のアルゴンイオン、質量数41のアルゴンおよび水素からなる多原子イオン、ならびに、質量数56のアルゴンおよび酸素からなる多原子イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のイオンの強度を測定することが好ましい。
こうして、カラム部7を経た混合ガス(アルゴンガスおよびヘリウムガス)から、アルゴンイオンまたはアルゴン多原子イオンの強度の積算値データ等を取得し、検量線などを用いて、アルゴンガス(スラブ試料5中のアルゴンガス)を定量できる。
定量されたアルゴンガス量から、スラブ試料5を採取したスラブの清浄度を評価する方法は特に限定されない。
例えば、複数の清浄度水準のスラブサンプルを準備し、スラブ清浄度評価装置1を用いて、それぞれのアルゴンガス量を測定し、アルゴンガス量と清浄度との関係式を求める。次に、その関係式から、清浄度が良好と判断される(例えば、圧延後に表面欠陥が発生しない)閾値としてのアルゴンガス量Aを定めておく。その後、清浄度を評価したいスラブについて、スラブ試料5を採取し、スラブ清浄度評価装置1を用いてアルゴンガス量Bを測定する。そして、アルゴンガス量Bが、アルゴンガス量A以下である場合は清浄度が良好であると判定し、アルゴンガス量Aを超える場合は清浄度が良好ではないと判定できる。この評価方法は、あくまで一例である。
このような清浄度の評価を行なう主体は、特に限定されない。例えば、第1の実施形態の場合は、演算部94が行なってもよいし、演算部94とは異なる別の演算部が行なってもよい。第2の実施形態の場合は、質量分析部102が行なってもよいし、別の部位が行なってもよい。スラブ清浄度評価装置1またはスラブ清浄度評価装置10の使用者を含む作業者が行なってもよい。
本発明の実施形態は、上述した第1の実施形態および第2の実施形態に限定されることなく、適宜変更できる。具体的には、例えば、加熱炉3として電気抵抗炉を用いた昇温測定をすることができる。その場合、容器31としてはセラミックス製または石英製の容器を使用できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
<スラブ試料の採取>
表面の酸化スケールを機械研磨(グラインダ)を用いて除去したスラブ(C:0.04質量%、Si:0.01質量%、Mn:0.24質量%、P:0.01質量%、S:0.007質量%、N:0.004質量%)から、スラブ試料を採取した。
図3(a)〜図3(c)は、スラブ試料の採取方法を示す模式図である。
具体的には、まず、図3(a)に示すように、一方向に長い厚板状のスラブSの端部(端面)を切断し、スラブSの板幅をWとした場合に1/4Wとなる位置から、棒状(四角柱形状)のスラブ試料Saを採取した。
次に、図3(b)に示すように、棒状のスラブ試料Saを切断して、複数枚の板状のスラブ試料Sbを採取した。より詳細には、棒状のスラブ試料Saの表層から板状のスラブ試料Sbを採取したほか、棒状のスラブ試料Saの長手方向の距離である厚さをTとした場合に、1/8Tとなる位置からスラブ試料Sbを、1/4Tとなる位置からスラブ試料Sbを、1/2Tとなる位置からスラブ試料Sbを、3/4Tとなる位置からスラブ試料Sbを採取した。
各々のスラブ試料Sbは、一辺が50mm、厚さが5mmの薄板形状とした。
次に、図3(c)に示すように、各々のスラブ試料Sb(Sb〜Sb)を切断して、四角柱状のスラブ試料5を採取した。板状のスラブ試料Sbからは、更に、スラブ試料5よりも短い四角柱状のスラブ試料5aおよび薄板形状のスラブ試料5bも採取した。スラブ試料5aは後述する試験例1に使用し、スラブ試料5bは後述する試験例2に使用した。
<試験例1>
非特許文献3を参照して、スラブ試料5aの酸素を定量した。
具体的には、スラブ試料5a(1g)を、表面を電解研磨した後、助燃剤のスズと共に黒鉛るつぼに入れ、酸素・窒素分析装置EMGA620W(堀場製作所社製)を用いて、酸素量を測定した。
試験の所要時間は、約3分間であった。
<試験例2>
酸溶解法(非特許文献2)を用いて、スラブ試料5bのアルミナ介在物を定量した。
まず、(1+3)HNO水溶液1800mLと濃HSO7mLとを混合して得られた酸溶解液に、表面を電解研磨したスラブ試料5b(140g)を入れ、80℃に加熱して全量溶解した。溶解反応が終了した後、未溶解残渣をニュークリポアフィルタ上に回収した。回収した残渣中には、アルミナ介在物のほか、窒化物または炭化物なども含まれているので、アルミナ介在物のみを抽出するために、次の操作を行なった。
回収した残渣を、(1+6)HSO水溶液50mLにフィルタごと投入し、80℃で60分間加熱することによって溶解した。次に、飽和KMnO溶液を50mL添加してから、80℃で60分間加熱した。その後、十分に放冷してから、生成したMnOおよび余剰のKMnOが完全に分解するまで、31%Hを加えた。次に、濾過を行なって、残渣をニュークリポアフィルタ上に回収した。次に、(1+6)HNO3水溶液50mLに、残渣をフィルタごと投入し、80℃で60分間加熱することによって、窒化物および炭化物を完全に除去した。
最後に、水およびメタノールをこの順で用いて洗浄し、得られた残渣を十分に乾燥した後、秤量して、これを、アルミナ介在物の量とした。
試験の所要時間は、約60時間であった。
<本発明例1>
図1に基づいて説明したスラブ清浄度評価装置1を用いて、スラブ試料5のアルゴンガスを定量した。
このとき、ヘリウムガス供給部2においては、ヘリウムガス供給源として、市販の高純度ヘリウムガスボンベを用い、これに流量調節器22を取り付けた。加熱炉3、ダストフィルタ4、酸化器6およびカラム部7は、炭素・硫黄分析装置EMIA810W(堀場製作所社製)から必要部分だけを使用することによって構成した。ガス放電発光部8としては、オゾン発生器 ED−OG−R6(エコデザイン社製)を用いた。測光分析部9は、イメージングスペクトロメータiHR320(堀場製作所社製)に、ICCD検出器DH−520(アンドール・テクノロジー社製)を取り付けることによって構成した。
このような構成において、本発明例1では、スラブ試料5(10g)を、磁製ボートである容器31に収容してから、常温の加熱炉3の内部に挿入し、その後、加熱炉3の内部をヘリウムガスで置換してから、1℃/秒の昇温速度で900℃まで加熱した。測光分析部9で用いたアルゴンガスの測定波長は750nmとし、この波長の発光強度の積算値から、スラブ試料5中のアルゴンガス量を測定した。
試験の所要時間は、約15分間であった。
図4は、ヘリウム雰囲気中でスラブ試料を昇温加熱したときの、スラブ試料からのアルゴンガスの発光強度の変化を示すグラフである。図4にはブランクの結果も併せて示している。
図4のグラフから、加熱温度が約500℃を超えると、スラブ試料からアルゴンガスが発生していることが確認できる。そこで、本発明例1においては、加熱温度が400〜800℃の範囲における発光強度の積算値を、アルゴンガスの量とし、これを清浄度の指数とした。
<試験例1、試験例2および本発明例1の対比>
図5は、試験例1、試験例2および本発明例1の試験結果を示すグラフである。図5には、左から順に、棒状のスラブ試料Saから採取した、表層のスラブ試料Sb、1/8Tのスラブ試料Sb、1/4Tのスラブ試料Sb、および、3/4Tのスラブ試料Sbについての結果を示している。
図5中の棒グラフは、試験例2の試験結果であり、左側の縦軸に、アルミナ介在物の量(単位:ppm)を示している。
図5中の菱型プロットの折れ線グラフは、試験例1の試験結果であり、右側の縦軸に、酸素量の相対値を示している。このとき、表層のスラブ試料Sb(から採取したスラブ試料5a)の酸素量を「1」としている。
図5中の四角プロットの折れ線グラフは、本発明例1の試験結果であり、右側の縦軸に、アルゴンガス量の相対値を示している。このとき、表層のスラブ試料Sb(から採取したスラブ試料5)のアルゴンガス量を「1」としている。
ここで、試験例1、試験例2および本発明例1を対比すると、まず、図5の棒グラフで示す試験例2は、スラブ試料5b中のアルミナ介在物の量を直接的に測定していることから、アルミナ介在物の量を最も正確に示していると解される。しかし、試験例2は、所要時間が約60時間と最も長い。
一方、酸素量を測定した試験例1は、所要時間が約3分と極めて短いが、図5の菱型プロットの折れ線グラフを見ると、比較的平坦なグラフであり、最も正確にアルミナ介在物の量を示している試験例2のグラフとの一致度が少ない。このため、酸素量から間接的に、アルミナ介在物の量、すなわち、スラブSの清浄度を評価する場合は、評価の正確性に劣る。
これに対して、本発明例1は、図5の四角プロットの折れ線グラフを見ると、試験例2のグラフとの一致度が多い。このため、アルゴンガス量から間接的に、アルミナ介在物の量、すなわち、スラブSの清浄度を評価する場合、評価の正確性は、試験例2と同等であると言える。
本発明例1の所要時間は約15分間であり、試験例1ほど短時間ではないが、試験例2よりも大幅に短時間である。
したがって、本発明例1は、スラブSの清浄度を迅速かつ正確に評価できたと言える。
<本発明例2>
本発明例2では、本発明例1と同様にスラブ清浄度評価装置1を用いて、スラブ試料5のアルゴンガスを定量した。ただし、本発明例2では、本発明例1よりもスラブ試料5を高速に加熱できるようした。本発明例2では、本発明例1と異なる点として、加熱炉3としてシリコニット電気炉(シリコニット高熱工業社製)を用いた。
まず、容器31に入れたスラブ試料5(約10g)を、加熱炉3の石英ガラス管の入口部に置いた状態で、石英ガラス管の内部を流量3L/分のヘリウムガスで60秒間パージした。ヘリウムガスでパージした後、押し出し棒を用いてスラブ試料5を容器31ごと1200℃に保持した加熱炉3の高温部に挿入した。これにより、スラブ試料5は急速に加熱された。
図6は、スラブ試料を急速に加熱したときの、スラブ試料からのアルゴンガスの発光強度の変化を示すグラフである。
図6のグラフに示すように、本発明例2では、スラブ試料5を加熱炉3に挿入してから約50秒程度でスラブ試料5に含まれるアルゴンガスを定量できることが分かる。
試験の所要時間は、約3分間であった。
したがって、本発明例2は、本発明例1よりも迅速に(試験例1と同等の所要時間で)、スラブSの清浄度を評価できることが分かった。
<本発明例3>
本発明例3では、スラブ清浄度評価装置10のイオン化部101および質量分析部102として、日立東京エレクトロニクス社製の大気圧イオン化質量分析装置(UG−400P)を用いた。その他の装置構成等は、本発明例2と同じとした。
図3(a)〜図3(c)に示すように、表面の酸化スケールを機械研磨によって除去したスラブSの表層から、板状のスラブ試料Sbを採取し、このスラブ試料Sbを、四角柱形状に切断し、表面を電解研磨して、スラブ試料5を得た。
容器31に入れたスラブ試料5(約10g)を、加熱炉3の石英ガラス管の入口部に置いた状態で、石英ガラス管の内部を流量3L/分のヘリウムガスで60秒間パージした。ヘリウムガスでパージした後、押し出し棒を用いてスラブ試料5を容器31ごと900℃に保持した加熱炉3の高温部に挿入した。これにより、スラブ試料5は、急速に加熱され、アルゴンガスを発生させた。
スラブ試料5から発生したアルゴンガスを含む混合ガスは、ダストフィルタ4、酸化器6およびカラム部7を経由して、イオン化部101においてコロナ放電によってイオン化され、質量分析部102で質量分析が行なわれた。質量分析部102では、質量数40のアルゴンイオンの強度を測定した。
更に、スラブ試料を採取したスラブに熱間圧延および冷間圧延を施して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施して、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得た。
得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計を用いて、表面欠陥を連続的に測定した。測定した表面欠陥の中から、欠陥外観、および、SEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥を判別し、コイル長さ100m当たりにおける、これら欠陥の個数を、表面欠陥指数とした。
上記試験を、50のスラブに対して行なった。
図8は、質量数40のアルゴンイオンの強度の積算値と、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面欠陥指数との関係を示すグラフである。ここでは、質量数40のアルゴンイオンの強度の積算値を、アルゴンガスの量とした。図8のグラフから、表面欠陥指数と、スラブ試料中のアルゴンガス量との間に相関があることが明確である。
したがって、本発明の評価方法によって、スラブの段階において、その後に得られる鋼板の表面欠陥を予測できるため、製品不良の発生を未然に防ぐことが可能となる。
1 :スラブ清浄度評価装置(金属スラブ清浄度の評価装置)
10:スラブ清浄度評価装置(金属スラブ清浄度の評価装置)
2 :ヘリウムガス供給部(不活性ガス供給部)
21:ヘリウムガス供給ライン
22:流量調節器
3 :加熱炉
31:容器
4 :ダストフィルタ
5,5a,5b:スラブ試料
6 :酸化器
7 :カラム部
71:脱CO
72:脱水器
8 :ガス放電発光部
9 :測光分析部
91:光ファイバ
92:分光部
93:測光部
94:演算部
101:イオン化部
102:質量分析部
S :スラブ
Sa,Sb(Sb〜Sb):スラブ試料

Claims (13)

  1. アルゴンガスまたはヘリウムガスである第1の不活性ガスを含有する金属スラブから採取したスラブ試料中の前記第1の不活性ガスの量に基づいて前記金属スラブの清浄度を評価する、金属スラブ清浄度の評価方法。
  2. 前記金属スラブが鉄鋼スラブである、請求項1に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
  3. 前記第1の不活性ガスがアルゴンガスである、請求項1または2に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
  4. 前記スラブ試料を、前記第1の不活性ガスとは異なる第2の不活性ガスの雰囲気下で加熱することによって、前記スラブ試料から前記第1の不活性ガスを発生させる工程と、
    前記スラブ試料から発生する前記第1の不活性ガスを定量する工程と、を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
  5. 前記第2の不活性ガスがヘリウムガスまたは窒素ガスである、請求項4に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
  6. 前記スラブ試料から発生する前記第1の不活性ガスを定量する際に放電発光法を用いる、請求項4または5に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
  7. 前記第1の不活性ガスがアルゴンガスである場合であって、前記放電発光法を用いてアルゴンガスを定量するにあたり、アルゴンガスの発光波長である、750nm、751nm、764nm、772nm、812nm、および、912nmからなる群から選ばれる少なくとも1種の波長の発光強度を測定する、請求項6に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
  8. 前記スラブ試料の加熱温度が500℃以上である、請求項4〜7のいずれか1項に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
  9. 前記スラブ試料から発生する前記第1の不活性ガスを定量する際に質量分析法を用いる、請求項4または5に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
  10. 前記第1の不活性ガスがアルゴンガスである場合であって、前記質量分析法を用いてアルゴンガスを定量するにあたり、質量数40のアルゴンイオン、質量数41のアルゴンおよび水素からなる多原子イオン、ならびに、質量数56のアルゴンおよび酸素からなる多原子イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のイオンの強度を測定する、請求項9に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
  11. 前記スラブ試料の加熱温度が500℃以上である、請求項9または10に記載の金属スラブ清浄度の評価方法。
  12. アルゴンガスまたはヘリウムガスである第1の不活性ガスを含有する金属スラブから採取したスラブ試料を、前記第1の不活性ガスとは異なる第2の不活性ガスの雰囲気下で加熱して、前記スラブ試料から前記第1の不活性ガスを発生させる加熱炉と、
    前記加熱炉に、前記第2の不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
    前記スラブ試料から発生した前記第1の不活性ガスを、前記第2の不活性ガスと共に、放電発光法により発光させるガス放電発光部と、
    前記ガス放電発光部からの光の強度を測定することによって前記スラブ試料中の前記第1の不活性ガスを定量する測光分析部と、
    を備える金属スラブ清浄度の評価装置。
  13. アルゴンガスまたはヘリウムガスである第1の不活性ガスを含有する金属スラブから採取したスラブ試料を、前記第1の不活性ガスとは異なる第2の不活性ガスの雰囲気下で加熱して、前記スラブ試料から前記第1の不活性ガスを発生させる加熱炉と、
    前記加熱炉に、前記第2の不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
    前記スラブ試料から発生した前記第1の不活性ガスを、前記第2の不活性ガスと共に、イオン化して、イオンを生成させるイオン化部と、
    前記生成したイオンを質量分析することによって前記スラブ試料中の前記第1の不活性ガスを定量する質量分析部と、
    を備える金属スラブ清浄度の評価装置。
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