JP6493145B2 - Dcdcコンバータ制御装置 - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、DCDCコンバータ制御装置に関する。
特許文献1には、トランス、スイッチング素子、及び整流素子を有するDCDCコンバータと、スイッチング素子のスイッチングを制御するDCDCコンバータ制御装置(制御回路)と、を備える電力変換装置が開示されている。
このような電力変換装置は、ハイブリッド車や電気自動車などの電動車両に適用される。車両においてDCDCコンバータは、高電圧バッテリからの入力電圧を所定の目標電圧に降圧し、低電圧バッテリに供給する。
DCDCコンバータ制御装置は、低電圧バッテリの電圧、すなわちDCDCコンバータの出力電圧が一定となるように、スイッチング素子を制御する。これにより、低電圧バッテリから電圧が供給されて動作する負荷(たとえばECU)を、安定的に動作させることができる。しかしながら、DCDCコンバータの出力電流は負荷の動作状態によって大きく変動する。これに対し、特許文献1のDCDCコンバータ制御装置は、出力電流が所定の電流制限値を超えると、出力電流が一定となるように定電流制御を実行する。
特開2010−252610号公報
EPB(Electric Parking Brake)やバイワイヤによるEPS(Electric Power Steering)など、近年の電動化により、一時的に比較的大きな電流を使う負荷も増えてきている。また、複数の負荷の動作の重なると、一時的に大電流が必要となる。一時的な電流は、従来、低電圧バッテリによって供給するように設計している。しかしながら、低電圧バッテリはサルフェーションなど使用環境での故障もあり、低電圧バッテリに頼らない設計が求められている。
一時的な大電流をDCDCコンバータから供給する場合、上記したDCDCコンバータ制御装置によれば、一時的な大電流に対応して電流制限値を設定することになる。しかしながら、このためには、DCDCコンバータの電流容量、たとえばスイッチング素子や整流素子などの電流容量を大きくしなければならない。したがって、DCDCコンバータの小型化が困難となる。また、コストも増加してしまう。
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、一時的な大電流にも対応でき、且つ、DCDCコンバータの小型化が可能なDCDCコンバータ制御装置を提供することを目的とする。
本開示は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、技術的範囲を限定するものではない。
本開示のひとつは、一次コイル(W1)と二次コイル(W2,W3)を有するトランス(22)と、直流電源(11)と一次コイルとの間に接続され、スイッチングにより直流電源から一次コイルに供給される入力電圧を制御するスイッチング素子(Q1,Q2,Q3,Q4)と、二次コイルに接続され、二次コイルの電圧を整流する整流素子(D1,D2)と、を備えるDCDCコンバータ(20)に適用され、スイッチング素子のスイッチングを制御するDCDCコンバータ制御装置であって、
一次コイル又は二次コイルに流れる電流に基づいて、DCDCコンバータの出力電流を検出する電流検出部(S15)と、
スイッチング素子及び整流素子の少なくとも一方の温度を検出する温度検出部(S11,S18)と、
温度検出部により検出される温度である検出温度に応じて電流制限値を設定し、設定した電流制限値を出力電流が超えると、出力電流が電流制限値となるように、スイッチング素子のスイッチングを制御する制御部(S12,S14〜S17,S19)と、を備え、
制御部は、検出温度が第1温度の場合、電流制限値として第1制限値を設定し、検出温度が第1温度よりも低い第2温度の場合、電流制限値として第1制限値よりも大電流である第2制限値を設定し、
温度検出部は、温度センサの検出値を取得し、取得した検出値に基づいて検出温度を推定により検出し、
DCDCコンバータの動作開始時において、温度検出部は、動作開始時における温度センサの検出値と、DCDCコンバータが停止してからの停止時間と、DCDCコンバータが停止したときの温度センサの検出値と、DCDCコンバータが停止したときの検出温度又はDCDCコンバータが停止したときの検出温度とDCDCコンバータが停止したときの温度センサの検出値との差分値と、を取得し、動作開始時における検出温度を推定する。
これによれば、検出温度が低い場合には、電流制限値として第2制限値を設定できるため、DCDCコンバータの電流容量、ひいてはスイッチング素子や整流素子の電流容量を大きくしなくとも、一時的な大電流に対応することができる。また、スイッチング素子や整流素子の電流容量を大きくしなくともよいため、DCDCコンバータの小型化が可能である。
第1実施形態に係る制御装置を備えた電力変換装置の概略構成を示す図である。 スイッチング素子と温度センサとの伝熱経路を示す図である。 スイッチング素子の温度及び温度センサの検出温度の時間変化を示す図である。 コントローラが実行する処理を示すフローチャートである。 温度Tjの検出処理を示すフローチャートである。 電流制限値ILを設定する処理を示すフローチャートである。 各信号の時間変化を示すタイミングチャートである。 図7において、二点鎖線で囲んだ領域VIIIを拡大した図である。 負荷流の径時変化を示す図である。 図9における電流加算内容を示す図である。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、本実施形態に係るDCDCコンバータ制御装置を備えた電力変換装置について説明する。以下において、DCDCコンバータ制御装置を、単に制御装置と称する。図1では、一例として、フルブリッジ型のDCDCコンバータを示す。また、電力変換装置が、ハイブリッド車に搭載される例を示す。
図1に示す電力変換装置10は、入力電圧Vin(たとえば288V)を、所定の出力電圧Vout(たとえば14V)に変換して出力する機能を有している。電力変換装置10の入力端子P1には高電圧バッテリ11が接続され、出力端子P2には低電圧バッテリ12、負荷13、及び上位ECU14が接続される。高電圧バッテリ11は直流電源に相当する。高電圧バッテリ11としては、たとえばバッテリ(二次電池等)や燃料電池などが該当する。低電圧バッテリ12の電圧は、車両に搭載された負荷13や上位ECU14に供給される。負荷13としては、車両補機、ナビECU、メータECU、ブレーキECUなどが該当する。上位ECU14としては、たとえばハイブリッド(HV)車の制御を統合するHV−ECUが該当する。
電力変換装置10は、DCDCコンバータ20と、制御装置40と、を備えている。DCDCコンバータ20は、コンデンサC1と、DC−AC変換部21と、トランス22と、整流部23と、平滑部24と、を有している。なお、DC−AC変換部21とトランス22とを合わせて、スイッチング回路とも称される。
コンデンサC1は、入力端子P1の両端間に接続され、高電圧バッテリ11から入力される入力電圧Vinを平滑化する。
DC−AC変換部21は、フルブリッジ回路を構成する4つのスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4を有している。これらスイッチング素子Q1〜Q4が、スイッチング素子に相当する。スイッチング素子Q1,Q2は、スイッチング素子Q1を、正極端子側として、高電圧バッテリ11の正極端子と負極端子との間に直列に接続されている。スイッチング素子Q3,Q4は、スイッチング素子Q3を正極端子側として、スイッチング素子Q1,Q2に並列に接続されている。したがって、スイッチング素子Q1,Q3が上アームに相当し、スイッチング素子Q2,Q4が下アームに相当する。スイッチング素子Q1〜Q4としては、MOSFETやIGBTを採用することができる。
スイッチング素子Q1〜Q4は、後述の制御装置40から入力されるパルス幅変調信号(PWM信号)に基づいて、スイッチング(すなわちオンオフ)が制御される。なお、図示を省略するが、スイッチング素子Q1〜Q4には、それぞれダイオードが逆並列に接続されている。このダイオードは、フリーホイールダイオードとして機能する。
トランス22は、一次コイルW1と、二次コイルW2,W3と、を有している。一次コイルW1の一方の端子には、スイッチング素子Q1,Q2の接続点が接続されており、他方の端子には、スイッチング素子Q3,Q4の接続点が接続されている。二次コイルW2,W3は、互いの一方の端子同士が接続されており、二次コイルW2の他方の端子には、ダイオードD1のアノードが接続されている。同じく、二次コイルW3の他方の端子には、ダイオードD2のアノードが接続されている。なお、図1に示す構成のトランス22は一例に過ぎない。
整流部23は、交流を直流に変換する。本実施形態では、ダイオードD1,D2により、整流部が構成されている。これらダイオードD1,D2が整流素子に相当する。なお、図1に示す構成の整流部23は一例に過ぎない。整流素子としては、スイッチング素子を採用することもできるし、スイッチング素子及びダイオードを採用することもできる。
平滑部24は、出力電圧Voutを平滑化する。平滑部24は、コイルW4と、コンデンサC2を有しており、LCフィルタとして構成されている。コイルW4とコンデンサC2は互いに直列に接続されており、コイルW4のうち、コンデンサC2と接続された端子と反対の端子に、ダイオードD1,D2のカソードが接続されている。一方、コンデンサC2のうち、コイルW4と接続された端子と反対の端子が、二次コイルW2,W3の接続点に接続されている。コンデンサC2の両端子には、出力端子P2が接続されている。すなわち、コンデンサC2には、出力端子P2を介して低電圧バッテリ12が並列接続される。
制御装置40は、一次コイルW1に流れる入力電流Iin、入力電圧Vin、出力電圧Vout、及び温度Ttに基づいて、出力電圧Voutが目標電圧(たとえば14V)になるように、スイッチング素子Q1〜Q4を制御する。制御装置40は、駆動回路41、各種センサ42〜45と、コントローラ46と、を有している。
駆動回路41は、コントローラ46から出力されるPWM信号に基づいて、スイッチング素子Q1〜Q4をスイッチングする回路である。駆動回路41は、ドライブ回路とも称される。駆動回路41の出力端子は、スイッチング素子Q1〜Q4のゲートにそれぞれ接続されている。
電圧センサ42は、高電圧バッテリ11から入力される直流電圧である入力電圧Vinを検出する。この電圧センサ42の検出値は、図示しないPWM処理部及び絶縁素子を介してコントローラ46に入力される。すなわち、入力電圧Vinの検出結果は、高電圧バッテリ11側と電気的に絶縁した状態で、パルス信号としてコントローラ46に出力される。なお、PWM処理部は、電圧センサ42の検出値をPWM変調することでDuty信号に変換する。絶縁素子としては、たとえばフォトカプラを採用することができる。一方、電圧センサ43は、DCDCコンバータ20から出力される出力電圧Voutを検出し、その検出結果をコントローラ46に出力する。
電流センサ44は、トランス22の一次コイルW1に流れる入力電流Iin、すなわちDCDCコンバータ20に入力される電流を検出する。電流センサ44としては、たとえばカレントトランスを採用することができる。電流センサ44は、スイッチング素子Q1〜Q4のオン期間中に、一次コイルW1に流れる入力電流を検出し、その検出結果をコントローラ46に出力する。
入力電流Iin、入力電圧Vin、出力電圧Voutの各検出(タイミング)は、スイッチング素子Q1〜Q4がオン中に、1回以上で任意に設定してよい。たとえばオン時の最小値、オン時の平均値、オン時のピーク値(最大値)を含む。
温度センサ45は、スイッチング素子Q1〜Q4(及びフリーホイールダイオード)と、整流素子であるダイオードD1,D2との少なくとも一方の温度を検出し、コントローラ46に出力する。温度センサ45としては、たとえばサーミスタを採用することができる。本実施形態では、図示しない基板上において、スイッチング素子Q1〜Q4は隣接配置されており、スイッチング素子Q1〜Q4の温度がほぼ同一となる。そのため、温度センサ45をスイッチング素子Q1〜Q4の近傍に配置することで、スイッチング素子Q1〜Q4の温度Ttを検出する。温度Ttの検出(タイミング)は、任意に設定してよい。温度Ttの変化は、入力電流Iinなどの変化に較べると緩やかである。したがって、温度Ttの検出は、たとえばスイッチング素子Q1〜Q4が所定の回数オンするごとに、1回設定してもよい。
コントローラ46は、上位ECU14から起動信号が入力されると、入力電流Iinに基づいて推定される出力電流Iout、温度Ttから推定される温度Tj、入力電圧Vin、及び出力電圧Voutに基づいて、スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチングを制御するためのPWM信号を生成し、駆動回路41に出力する回路である。コントローラ46は、出力電圧Voutが目標電圧となるように、PWM信号のオンデューティ比を調整する。ここで、オンデューティ比とは、PWM信号のオン、オフの1周期に対するオン期間の比率のことである。コントローラ46は、たとえばマイコン(マイクロコンピュータ)を備えて構成されている。
コントローラ46は、入力電流Iinに基づいて出力電流Ioutを推定する。出力電流Ioutの推定方法としては、周知の方法を採用することができる。たとえば、入力電圧Vin×入力電流Iin×効率=出力電圧Vout×出力電流Ioutとの関係式から、出力電圧Voutを求めてもよい。効率は定格時の効率であり、コントローラ46のメモリに、予め所定値として記憶される。
また、特開2010−252610号公報に記載の方法を採用することもできる。この場合、コントローラ46のメモリに、トランス22の巻数比n、一次コイルW1のインダクタンスLm、スイッチング素子Q1〜Q4のPWM信号の周波数f、スイッチング素子Q1〜Q4のオン電圧Vds、及びダイオードD1,D2の順方向電圧Vfが予め設定される。コントローラ46は、温度センサ45によって検出された温度Ttに基づいて、インダクタンスLm、オン電圧Vds、及び順方向電圧Vfの設定値を補正する。そして、電流センサ44によって検出された入力電流Iinを、入力電圧Vin及び出力電圧Voutの検出結果と、巻数比n、インダクタンスLm、周波数f、オン電圧Vds及び順方向電圧Vfの設定値とに基づいて補正し、出力電流Ioutを求める。この推定方法については、特開2010−252610号公報の記載を参照することができる。
なお、シャント抵抗などにより、出力電流Ioutを直接的に検出することも可能である。しかしながら、出力電流Ioutが大きい場合に、シャント抵抗の電流容量を大きくしなければならず、シャント抵抗自体が大きくなる。このため、本実施形態では、入力電流Iinに基づいて出力電流Ioutを求める方法を採用している。
コントローラ46は、温度センサ45により検出された温度Ttを取得し、温度Ttに基づいてスイッチング素子Q1〜Q4の温度Tj(ジャンクション温度)を推定することで、スイッチング素子Q1〜Q4の温度Tjを検出する。この温度Tjが、検出温度に相当する。温度Tjの推定方法については後述する。上記したようにスイッチング素子Q1〜Q4は隣接配置されており、スイッチング素子Q1〜Q4の温度がほぼ同一となるため、温度Tjは、スイッチング素子Q1〜Q4のジャンクション温度である。
コントローラ46は、検出した温度Tjが第1温度の場合、定電流制御実行の判断基準となる電流制限値ILとして第1制限値IL1を設定し、温度Tjが第1温度よりも低い第2温度の場合、電流制限値ILとして第1制限値IL1よりも大電流である第2制限値IL2を設定する。本実施形態では、その一例として、コントローラ46が、検出した温度Tjと予め設定された閾値温度Tthとを比較し、温度Tjが閾値温度Tth以上の場合に第1制限値IL1を設定し、閾値温度Tth未満の場合に第2制限値IL2を設定する。コントローラ46のメモリには、予め閾値温度Tth、電流制限値ILとしての第1制限値IL1及び第2制限値IL2が記憶されている。なお、閾値温度Tthが閾値に相当する。
そして、コントローラ46は、求めた出力電流Ioutが設定されている電流制限値ILを超えると、出力電圧Voutに係わらず出力電流Ioutが電流制限値ILで一定となるように、出力電流Ioutに基づいてスイッチング素子Q1〜Q4のスイッチングを制御する。
次に、図2及び図3に基づき、温度センサ45の配置と、検出温度に相当する温度Tjの推定方法について説明する。
図2の断面図に示すように、電力変換装置10は、放熱板60と、金属ケース61と、をさらに備えている。放熱板60は、スイッチング素子Q1〜Q4やダイオードD1,D2など、DCDCコンバータ20を構成する要素の生じた熱を放熱させるための部材である。放熱板60は、たとえばCuなどの熱伝導性に優れる金属材料を用いて形成されている。本実施形態では、放熱板60の一面60a上に基板62が配置されている。そして、基板62における放熱板60と反対の面側に、スイッチング素子Q1〜Q4やダイオードD1,D2が実装されている。なお、図2では、便宜上、代表してスイッチング素子Q1のみを示している。
基板62は、樹脂やセラミックなどの電気絶縁性の基材62aと、基材62aに配置された金属箔などの導体層62bと、を有している。放熱板60の一面60aに基材62aが配置され、基材62aにおける放熱板60と反対の面に導体層62bが配置されている。そして、導体層62bに対して、はんだなどの接合部材63を介してスイッチング素子Q1〜Q4が実装されている。
金属ケース61は、電力変換装置10を収容する部材であり、たとえばアルミダイカスト部品である。金属ケース61の内面61aには、一面60aと反対の面を対向面として、放熱板60が配置されている。金属ケース61と放熱板60との間には、熱伝導性に優れるグリス64が介在している。また、内面61aにおける放熱板60の近傍には、温度センサ45としてのサーミスタが実装されている。金属ケース61の内面61aと反対の面である外面61bが、空冷又は水冷によって冷却されるようになっている。
なお、温度センサ45を基板62上に配置することも考えられるが、この場合、温度センサ45とスイッチング素子Q1〜Q4との間において、基材62aによる熱抵抗が大きい。このため、本実施形態では、金属ケース61の内面61aに温度センサ45を配置している。温度センサ45とスイッチング素子Q1〜Q4との間の伝熱経路に、放熱板60と金属ケース61が介在する場合、放熱板60と金属ケース61の熱容量がともに大きいため、過渡的な温度変化に対して追従し難い。熱容量は、放熱板60及び金属ケース61の形状や材質により二次元的に変化するため、図3に示すように、温度Tjも二次元的に変化する。
図3は、DCDCコンバータ20の動作時と非動作時におけるスイッチング素子Q1〜Q4のジャンクション温度と温度センサ45により検出される温度Ttの実際の変化を示している。ここでは、スイッチング素子Q1〜Q4の温度(ジャンクション温度)は実測値であるが、便宜上、温度Tjと示す。図3では、温度Tjを実線、温度Ttを破線で示している。図3では、時刻t1までスイッチング素子Q1のオン期間ton、時刻t2までスイッチング素子Q2のオフ期間toff、同じく時刻t2でDCDCコンバータ20が動作停止となっている。また、時刻t3で、温度Tjの推定再開となっている。
図3に示すように、DCDCコンバータ20の動作時、すなわちスイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング時において、温度Tjは二次元的に変化する。そこで、本実施形態では、温度センサ45の検出した温度Ttからスイッチング素子Q1〜Q4の温度Tjを推定するにあたってマッピング関数を用いる。コントローラ46は、DCDCコンバータ20の動作時において、下記式のようにして温度Tjを推定する。
(式1)Tj=Tt+ΔTj
(式2)ΔTj=Tmap(ton、Ipeak、Vin、Tt)
ここで、Ipeakとは、スイッチング素子Q1〜Q4のオン時のピーク電流値(最大値)である。ピーク電流値Ipeakは電流センサ44により検出される。動作時において、温度Tjの傾きは、ピーク電流値Ipeakと入力電圧Vinとに応じて変化する。たとえばピーク電流値Ipeak及び入力電圧Vinがともに大きい場合、スイッチング素子Q1〜Q4のオン期間tonにおいて傾きは大きくなり、ピーク電流値Ipeak及び入力電圧Vinがともに小さい場合、オン期間tonにおいて傾きは小さくなる。このため、動作時におけるΔTjは、オン期間ton、ピーク電流値Ipeak、入力電圧Vin、及びそのときの温度Ttにより、式2に示すようにマッピング関数で定義されている。このマッピング関数は、コントローラ46のメモリに予め記憶されている。
一方、DCDCコンバータ20の非動作時(停止時)にも、図3に示すように、温度Tjは二次元的に変化する。また、非動作時において、コントローラ46は、温度センサ45の検出した温度Ttにより温度Tjを推定することができない。そこで、非動作時において、コントローラ46は、上記した式1と下記式3とにより、温度Tjを推定する。
(式3)ΔTj=Tmapb(trst、Tjb、Ttb)
ここで、trstとは、DCDCコンバータ20の動作停止、すなわち温度推定の停止からの次に温度推定を再開するまでの停止時間である。Ttbは、温度Ttのうち、DCDCコンバータ20の動作停止時に最後に検出した停止時温度である。Tjbは、温度Tjのうち、停止時温度Ttbに基づいて、上記式1,2により推定された停止時温度である。
ここで、制御装置40の電源が投入されて最初に検出される温度Ttを開始時温度Ttaと示す。非動作時において、温度Tjの傾きは、停止時温度Ttbと開始時温度Ttaとの差分、すなわち温度Ttの傾きと、停止時間trstに応じて変化する。たとえば非動作時における温度Ttの傾き(=Ttb−Tta)が大きく、停止時間trstが長い場合、非動作時の温度Tjの傾きは大きくなり、温度Ttの傾きが小さく、停止時間trstが短い場合、非動作時の温度Tjの傾きは小さくなる。このため、動作開始時におけるΔTjは、停止時間trst、停止時温度Tjb、及び停止時温度Ttbにより、式3に示すようにマッピング関数で定義されている。このマッピング関数は、コントローラ46のメモリに予め記憶されている。
本実施形態では、停止時温度Tjb,Ttbを、コントローラ46が上位ECU14へ送信し、上位ECU14は受信データである停止時温度Tjb,Ttbを保持する。また、上位ECU14は、コントローラ46からデータを受信すると停止時間のカウントを開始する。制御装置40の電源が投入されてコントローラ46が受信可能となると、上位ECU14は、保持していた停止時温度Tjb,Ttbとともに、これまでの停止時間trstを、コントローラ46へ送信する。コントローラ46は、受信したデータである停止時温度Tjb,Ttb及び停止時間trstと、温度センサ45から取得した温度Tt(開始時温度Tta)とにより、開始時の温度Tjを推定する。
なお、開始時温度Ttaに基づいて開始時の温度Tjを推定した後、DCDCコンバータ20が動作開始するまでの期間においても、コントローラ46は、上記した非動作時の温度Tjの推定方法を用いる。このとき、ΔTjは一定であり、温度Ttも、スイッチング素子Q1〜Q4がスイッチング動作を開始するまでは殆ど変化しないため、温度Ttは、開始時の温度Tjのままほぼ一定値となる。
また、上位ECU14が停止時温度Tjb,Ttb及び停止時間trstを有さない状態、すなわち初期化状態においては、上位ECU14は、コントローラ46に対し、初期化状態を示すフラグをオンするためのフラグ信号を送信する。なお、フラグ信号に代えて、停止時温度Tjb,Ttb及び停止時間trstの初期値を送信するようにしてもよい。
次に、図4〜図6に基づき、制御装置40のコントローラ46が実行する処理について説明する。コントローラ46は、制御装置40の電源が投入されると、以下に示す処理を実行する。
先ずコントローラ46は、図4に示すように、上位ECU14からデータを受信する(ステップS10)。初期化状態ではない場合、すなわち、停止時温度Tjb,Ttbを上位ECU14に対してすでに送信している場合、コントローラ46は、データとして、停止時温度Tjb,Ttb及び停止時間trstを受信する。一方、初期化状態の場合、コントローラ46は、データとして、初期化状態を示すフラグをオンするためのフラグ信号を受信する。これにより、コントローラ46において、該当するフラグがオンになる。
次いでコントローラ46は、温度Tjを検出する(ステップS11)。上記したように、本実施形態では、温度Ttに基づいて推定することで温度Tjを検出する。ステップS11における温度Tjの検出は、動作開始時においては開始時温度Tjaを検出するステップである。図5は、温度Tjの検出ステップを示している。図5は、ステップS11と後述するステップS18に共通のステップである。
図5に示すように、先ずコントローラ46は、温度センサ45から温度Ttを取得し(ステップS30)、次いでステップS31の処理を実行する。ステップS31において、初期化状態を示すフラグがオン、又は、停止時間trstが予め設定された基準時間ts以上であると判定すると、コントローラ46は、ステップS30で取得した温度Ttが温度Tjであると判定する(ステップS32)。ステップS30において、電源投入後に最初に取得する温度Ttが、上記した開始時温度Ttaである。
一方、ステップS31において、初期化状態を示すフラグがオフ、且つ、停止時間trstが予め設定された基準時間ts未満であると判定した場合、コントローラ46は、上記したマッピング関数からΔTjを求め、求めたΔTjとステップS30で取得した温度Ttとにより、温度Tjを求める(ステップS33)。
ステップS11は、起動信号が入力される前の処理、すなわちDCDCコンバータ20が非動作時の処理である。したがって、ステップS11の処理として、ステップS33を実行する場合、コントローラ46は、ステップS10で取得した停止時温度Tjb,Ttb及び停止時間trstから、マッピング関数によりΔTjを求め、このΔTjとステップS30で取得した温度Ttから、温度Tjを推定する。
図4に戻り、ステップS11の処理が終了すると、次いでコントローラ46は、電流制限値ILを設定する(ステップS12)。図6は、電流制限値ILの設定ステップを示している。図5は、ステップS12と後述するステップS19に共通のステップである。
図6に示すように、先ずコントローラ46は、ステップS11で検出した温度Tjが、予め設定された閾値温度Tth以上であるか否かを判定する(ステップS40)。そして、温度Tjが閾値温度Tth以上であると判定すると、コントローラ46は、電流制限値ILとして第1制限値IL1を設定する(ステップS41)。一方、温度Tjが閾値温度Tth未満であると判定すると、コントローラ46は、電流制限値ILとして第2制限値IL2を設定する(ステップS42)。第1制限値IL1は温度Tjが高いときに設定される電流制限値ILであり、第2制限値IL2は温度Tjが低いときに設定される電流制限値である。第2制限値IL2は、第1制限値IL1よりも大きい電流値が設定されている。第2制限値IL2は、たとえば負荷の動作状態により見込まれる最大電流を、DCDCコンバータ20から供給できるように、たとえば上記最大電流に所定のマージンを加味して設定されている。
図4に戻り、ステップS12の処理が終了すると、次いでコントローラ46は、DCDCコンバータ20の起動信号としてオン信号が入力されたか否かを判定する(ステップS13)。上位ECU14から、起動信号として、DCDCコンバータ20の駆動を指示するオン信号が入力されると、コントローラ46は、次いでステップS14の処理を実行する。一方、起動信号としてオン信号が入力されないと、コントローラ46は、ステップS11に戻り、オン信号が入力されるまで、ステップS11〜S13の処理を繰り返す。ステップS13のNO判定により、ステップS11の処理を実行する場合、上記したように、コントローラ46は、非動作時の温度Tjの推定方法を用いる。このとき、温度Ttは、開始時の温度Tjのままほぼ一定値を示す。
ステップS14において、コントローラ46は、入力電圧Vin及び出力電圧Voutを取得する。次いでコントローラ46は、出力電流Ioutを検出する(ステップS15)。本実施形態では、上記したように、コントローラ46が入力電流Iinを取得し、取得した入力電流Iinに基づいて推定することで出力電流Ioutを検出する。たとえば、入力電流Iinの平均電流値に基づいて、出力電流Ioutを検出する。コントローラ46が実行するステップS15の処理が、電流検出部に相当する。コントローラ46は、入力電流Iinの平均電流値だけでなく、ピーク電流値Ipeakも取得する。
次いでコントローラ46は、出力電流Iout、温度Tj、入力電圧Vin、及び出力電圧Voutに基づいて、フィードバック制御を実行する(ステップS16)。コントローラ46は、上記したように、出力電圧Voutが目標電圧となるようにフィードバック制御する。また、コントローラ46は、ステップS15で検出した出力電流IoutがステップS12で設定した電流制限値ILを超えると、出力電圧Voutに係わらず出力電流Ioutが電流制限値ILで一定となるように、フィードバック制御する。そして、フィードバック制御の実行値として所定のオンデューティ比を有するPWM信号を生成し、駆動回路41に出力する(ステップS17)。
次いでコントローラ46は、DCDCコンバータ20の動作中において、温度Tjを検出する(ステップS18)。この処理は、基本的にステップS11(図5参照)と同じ処理である。ただし、ステップS33におけるマッピング関数から温度Tjを推定する処理は、動作中であるため、ステップS17でPWM信号を生成する際のオン期間ton、ステップS15で取得した入力電流Iinのピーク電流値Ipeak、ステップS14で取得した入力電圧Vin、及び起動信号オンの直前にステップS11で取得した温度TtによりΔTjを求め、求めたΔTjと温度Ttとにより、温度Tjを求める。なお、ステップS11,S18の処理が、温度検出部に相当する。
次いでコントローラ46は、電流制限値ILを設定する(ステップS19)。ステップS19の処理内容は、ステップS12(図6参照)と同じであるため、記載を省略する。コントローラ46は、温度Tjを検出すると、検出した温度Tjを用いて電流制限値ILの設定を行う。ステップS12,S14〜S16,S19の処理が、制御部に相当する。
次いでコントローラ46は、DCDCコンバータ20の起動信号としてオフ信号が入力されたか否かを判定する(ステップS20)。上位ECU14から、起動信号として、DCDCコンバータ20の駆動を停止するためのオフ信号が入力されると、コントローラ46は、次いでPWM信号の生成を停止する(ステップS21)。すなわち、スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチングを停止させる。ステップS21の終了後、コントローラ46は、上位ECU14に対して、停止時温度Tjb,Ttbを送信し(ステップS22)、一連の処理を終了する。ステップS22で送信する停止時温度Tjb,Ttbは、起動信号オフの直前にステップS18で検出した温度Tt,Tjである。
一方、起動信号としてオフ信号が入力されないと、コントローラ46は、ステップS14に戻り、オフ信号が入力されるまで、ステップS14〜S20の処理を繰り返す。
図7及び図8は、上記したコントローラ46の制御の適用例を示している。図7では、取得した温度Ttを破線で示し、温度Ttにより推定される温度Tjを実線で示している。また、温度Ttが検出されるまでの期間については、温度Ttの取得及び温度Tjの推定されないが、予想される温度変化を温度Ttについて一点鎖線で示し、温度Tjについて二点鎖線で示している。一点鎖線及び二点鎖線の部分は参考線である。
図7に示す例では、時刻t10において、上位ECU14から電源保持信号としてオン信号が入力され、これにより、制御装置40の電源が投入される。また、制御装置40の電源が投入されることで、コントローラ46が受信可能となり、上位ECU14からデータを受信する。すなわち、コントローラ46がステップS10の処理を実行する。なお、実際には、制御装置40の電源が投入されてからわずかに遅れて、コントローラ46が上位ECU14からデータを受信する。このようなデータ処理にともなうごくわずかな遅れについては、ほぼ同時として取り扱う。
なお、時刻t10〜t11で行うデータ受信は、初期化状態でのデータ受信である。このため、コントローラ46は、初期化状態を示すフラグをオンするためのフラグ信号を受信する。時刻t11でデータ受信が終了すると、コントローラ46は、ステップS11〜ステップS13の処理を実行する。上記したように、起動信号としてオン信号が入力されるまでは、ステップS11〜S13を繰り返す。このとき、温度Tjは温度Ttと一致する。また、スイッチング素子Q1〜Q4がスイッチングされていないため、温度Tjはほぼ一定値を示す。
時刻t12において、上位ECU14から起動信号としてオン信号が入力されると、コントローラ46は、ステップS14以降の処理を実行する。すなわち、PWM信号を生成する。PWM信号の生成によりスイッチング素子Q1〜Q4が動作するため、図7では、PWM信号の生成期間を、スイッチング信号のオン期間として示している。スイッチング素子Q1〜Q4がスイッチングする、すなわちDCDCコンバータ20が動作するため、温度Tjは上昇していく。
図8は、図7において、二点鎖線で囲まれた領域VIIIを拡大したタイミングチャートである。すなわち、時刻t12から、起動信号としてオフ信号が入力される時刻t13までの間の一時期を示している。時刻t120の検出タイミングでは、温度Tjは閾値温度Tth未満であるが、次の検出タイミングである時刻t121において、温度Tjが閾値温度Tth以上となっている。このため、時刻t121において、電流制限値ILが第2制限値IL2から第1制限値IL1に切り替わる。
第2制限値IL2は、第1制限値IL1よりも大電流であるため、第1制限値IL1が設定されている期間は、負荷13に対して大電流を供給することができる。換言すれば、温度Tjが高い期間は、第1制限値IL1を設定することで、負荷13へ供給する電流、すなわち出力電流Ioutを絞り、たとえばスイッチング素子Q1〜Q4の発熱を抑制することができる。時刻t121で第1制限値IL1に切り替えるため、これにより温度Tjは低下する。
本実施形態では、第1制限値IL1に切り替わってから所定の基準時間tsが経過すると、コントローラ46が、第2制限値IL2に切り替えて設定する。図8では、時刻t122で基準時間tsが経過し、第2制限値IL2に切り替わる。なお、基準時間tsに代えて閾値温度Tthよりも所定温度低い復帰温度を設定し、温度Tjが復帰温度まで低下したら、第2制限値IL2に切り替えるようにしてもよい。
図7に戻り、時刻t13において、起動信号としてオフ信号が入力されると、コントローラ46は、PWM信号の生成を停止、すなわちスイッチング信号をオフする。そして、上位ECU14に対し、データとして停止時温度Tjb,Ttbを送信する。すなわち、ステップS22の処理を実行する。データ送信後、電源保持信号としてオフ信号が入力され、制御装置40の電源がオフとなる。
時刻t14において、上位ECU14から電源保持信号としてオン信号が入力され、これにより、制御装置40の電源が投入されると、コントローラ46は、上位ECU14からデータを受信する。ここでは、データとして、停止時温度Tjb,Ttb及び停止時間trstを受信する。停止時温度Ttbは、時刻t13においてDCDCコンバータ20を停止させた際に、最後に検出した温度Ttである。停止時温度Tjbは、停止時温度Ttbにより推定された温度Tjである。停止時間trstは、コントローラ46からデータを受信してからデータを送信するまでの停止時間である。このため、停止時間trstは、DCDCコンバータ20が停止してから、温度Tjの検出を開始(再開)するまでの時間とほぼ等しい。すなわち、時刻t14〜t15のデータ受信時間は、非常に短い。
時刻t15において、コントローラ46は、ステップS11〜ステップS13の処理を実行する。停止時間trstが基準時間tsよりも長いため、ここでは、温度Tjが温度Ttと一致する。また、スイッチング素子Q1〜Q4がスイッチングされていないため、温度Tjは、時刻t16までほぼ一定値を示す。
時刻t16において、上位ECU14から起動信号としてオン信号が入力されると、上記同様、コントローラ46は、ステップS14以降の処理を実行する。
時刻t17において、起動信号としてオフ信号が入力されると、上記同様、コントローラ46は、スイッチング信号をオフし、上位ECU14に対し、データとして停止時温度Tjb,Ttbを送信する。データ送信後、電源保持信号としてオフ信号が入力され、制御装置40の電源がオフとなる。
時刻t18において、上位ECU14から電源保持信号としてオン信号が入力され、これにより、制御装置40の電源が投入されると、コントローラ46は、上位ECU14からデータとして、停止時温度Tjb,Ttb及び停止時間trstを受信する。上記したように、時刻t18〜t19におけるデータの受信時間は非常に短く、停止時間trstは、時刻t17でDCDCコンバータ20が停止してから、時刻t19で温度Tjの検出を開始(再開)するまでの時間とほぼ等しい。
時刻t19において、コントローラ46は、ステップS11〜ステップS13の処理を実行する。停止時間trstが基準時間tsよりも短いため、非動作時のマッピング関数により、温度Tjが推定される。結果、時刻t19〜t20では、温度Tjが温度Ttよりも高い温度でほぼ一定となる。
そして、時刻t20において、上位ECU14から起動信号としてオン信号が入力されると、再びコントローラ46は、ステップS14以降の処理を実行する。
次に、上記した制御装置40、ひいては電力変換装置10の効果について説明する。
本実施形態では、制御装置40を構成するコントローラ46が、温度Tjが第1温度の場合、電流制限値ILとして第1制限値IL1を設定し、温度Tjが第1温度よりも低い第2温度の場合、電流制限値ILとして第1制限値IL1よりも大電流である第2制限値IL2を設定する。一例として、本実施形態では、コントローラ46が、温度Tjと予め設定された閾値温度Tthとを比較し、温度Tjが閾値温度Tth以上の場合に第1制限値IL1を設定し、閾値温度Tth未満の場合に第2制限値IL2を設定する。
このように、温度Tjが低い場合には、電流制限値ILとして第2制限値IL2を設定できるため、DCDCコンバータ20の電流容量、ひいてはスイッチング素子Q1〜Q4の電流容量を大きくしなくとも、一時的な大電流に対応することができる。また、スイッチング素子Q1〜Q4の電流容量を大きくしなくともよいため、DCDCコンバータ20の小型化が可能である。
図9は、負荷電流の経時変化を示しており、図10は、図9における電流加算内容を示している。図9及び図10に示すように、時刻t40で制御装置40の電源が投入され、DCDCコンバータ20が動作を開始する。また、負荷13として、通常走行に必要なエンジン補機等により、20Aを消費する。時刻t41になると、さらにナビにより、5Aを消費する。時刻t42になると、さらにエアコンにより、20Aを消費する。時刻t43になると、さらにヘッドライトにより、12Aを消費する。時刻t44になると、さらにヒータにより、8Aを消費する。
時刻t45になると、さらにEPS(Electric Power Steering)により、30Aを消費する。時刻t46になると、さらにEPB(Electric Parking Brake)により、25Aを消費する。以上により、時刻t46では、計120Aを消費することとなる。ここでは、急ハンドルを切りながら、急ブレーキ操作する緊急時の対応を想定している。図9には、参考例として、緊急時の対応ではない場合に、EPS、EPBで消費される電流を加算した合計電流を破線で示している。なお、時刻t47になると、EPSとEPBが解除され、合計電流は65Aとなる。
このように、負荷13による消費電流は、一時的に100Aを超える。120Aが負荷13による最大電流であるとすると、本実施形態では、たとえば第1制限値IL1として100A、第2制限値IL2として130Aを設定できる。したがって、温度Tjに余裕があれば、一時的な大電流にも十分に対応することができる。
さらに、本実施形態では、コントローラ46が、温度センサ45の検出した温度Ttに基づいて、スイッチング素子Q1〜Q4の温度Tj(ジャンクション温度)を推定により検出する。これによれば、スイッチング素子Q1〜Q4と同じチップに、pnダイオードなどの温度検出素子を作りこまなくても、温度Tjを検出することができる。これにより、電力変換装置10の製造コストを低減することができる。
本実施形態では、コントローラ46が、電流センサ44から取得することでピーク電流値Ipeakを検出する。そして、DCDCコンバータ20の動作中において、温度Tt、入力電圧Vin、オン期間ton、及びピーク電流値Ipeakを取得し、温度Tjを推定する。これによれば、上記したように、DCDCコンバータ20の動作中において、温度センサ45とスイッチング素子Q1〜Q4との間の伝熱経路における熱容量の影響を考慮し、温度Tjを精度良く検出することができる。
本実施形態では、コントローラ46が、DCDCコンバータの動作開始時において、動作開始時における温度Tt(Tta)、停止時間trst、及び停止時温度Ttb,Tjbを取得し、動作開始時における温度Tjを推定する。これによれば、上記したように、DCDCコンバータ20の非動作時において、温度センサ45とスイッチング素子Q1〜Q4との間の伝熱経路における熱容量の影響を考慮し、温度Tjを精度良く検出することができる。
本実施形態では、コントローラ46が、初期化状態、又は、停止時間trstが基準時間ts以上の場合、温度Ttを温度Tjとする。これによれば、初期化状態や、放熱時間である停止時間trstが長い場合の処理を簡素化することができる。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
電力変換装置10としては、ハイブリッド車に搭載されるものに限らず、たとえば電気自動車に搭載されるものでもよい。さらには、電力変換装置10及び制御装置40は、車載に限定されない。
DCDCコンバータ20の構成は、上記例に限定されない。一次コイルと二次コイルを有するトランス22を備えるものであればよい。
スイッチング素子Q1〜Q4と同じチップ内に、pnダイオードなどの温度検出素子を形成し、温度Tj(ジャンクション温度)を実測してもよい。
DCDCコンバータ20の動作中における温度Tjの推定に、ピーク電流値Ipeakを用いる例を示したが、平均電流値を用いてもよい。
非動作時の温度Tjの推定に、停止時温度Tjbを用いる例を示した。しかしながら、停止したときのΔTjを用いてもよい。
上位ECU14で停止時間trstをカウントする例を示したが、これに限定されない。制御装置40側、たとえばコントローラ46で停止時間trstを検出してもよい。
コントローラ46が、電流制限値ILとして、1つの閾値温度Tthにより、2つの制限値IL1,IL2のいずれかを設定する例を示した。すなわち、電流制限値ILを2段階に設定する例を示した。しかしながら、コントローラ46は、温度Tjが第1温度の場合、電流制限値ILとして第1制限値IL1を設定し、温度Tjが第1温度よりも低い第2温度の場合、電流制限値ILとして第1制限値IL1よりも大電流である第2制限値IL2を設定すればよい。したがって、コントローラ46は、電流制限値ILを、複数の温度閾値により3段以上の多段階に設定し、温度Tjに応じて電流制限値ILを多段に切り替えることもできる。このため、換言すれば、コントローラ46は、温度Tjが低いほど電流制限値ILが大きくなるように電流制限値ILを設定することができる。
10…電力変換装置、11…高電圧バッテリ、12…低電圧バッテリ、13…負荷、14…上位ECU、20…DCDCコンバータ、21…DC−AC変換部、22…トランス、23…整流部、24…平滑部、40…制御部、41…駆動回路、42,43…電圧センサ、44…電流センサ、45…温度センサ、46…コントローラ、60…放熱板、60a…一面、61…金属ケース、61a…内面、61b…外面、62…基板、62a…基材、62b…導体層、63…接合部材、64…グリス、C1,C2…コンデンサ、D1,D2…ダイオード、Q1,Q2,Q3,Q4…スイッチング素子、W1…一次コイル、W2,W3…二次コイル、W4…コイル

Claims (5)

  1. 一次コイル(W1)と二次コイル(W2,W3)を有するトランス(22)と、直流電源(11)と前記一次コイルとの間に接続され、スイッチングにより前記直流電源から前記一次コイルに供給される入力電圧を制御するスイッチング素子(Q1,Q2,Q3,Q4)と、前記二次コイルに接続され、前記二次コイルの電圧を整流する整流素子(D1,D2)と、を備えるDCDCコンバータ(20)に適用され、前記スイッチング素子のスイッチングを制御するDCDCコンバータ制御装置であって、
    前記一次コイル又は前記二次コイルに流れる電流に基づいて、前記DCDCコンバータの出力電流を検出する電流検出部(S15)と、
    前記スイッチング素子及び前記整流素子の少なくとも一方の温度を検出する温度検出部(S11,S18)と、
    前記温度検出部により検出される温度である検出温度に応じて電流制限値を設定し、設定した前記電流制限値を前記出力電流が超えると、前記出力電流が前記電流制限値となるように、前記スイッチング素子のスイッチングを制御する制御部(S12,S14〜S17,S19)と、を備え、
    前記制御部は、前記検出温度が第1温度の場合、前記電流制限値として第1制限値を設定し、前記検出温度が前記第1温度よりも低い第2温度の場合、前記電流制限値として前記第1制限値よりも大電流である第2制限値を設定し、
    前記温度検出部は、温度センサの検出値を取得し、取得した前記検出値に基づいて前記検出温度を推定により検出し、
    前記電流検出部は、前記スイッチング素子のスイッチングにともなう電流値として、ピーク電流値又は平均電流値を検出し、
    前記DCDCコンバータの動作中において、前記温度検出部は、前記温度センサの検出値と、前記入力電圧と、前記スイッチング素子のオン期間時間と、前記電流値と、を取得し、前記検出温度を推定するDCDCコンバータ制御装置。
  2. 前記DCDCコンバータの動作開始時において、前記温度検出部は、前記動作開始時における前記温度センサの検出値と、前記DCDCコンバータが停止してからの停止時間と、前記DCDCコンバータが停止したときの前記温度センサの検出値と、前記DCDCコンバータが停止したときの前記検出温度又は前記DCDCコンバータが停止したときの前記検出温度と前記DCDCコンバータが停止したときの前記温度センサの検出値との差分値と、を取得し、前記動作開始時における前記検出温度を推定する請求項1に記載のDCDCコンバータ制御装置。
  3. 一次コイル(W1)と二次コイル(W2,W3)を有するトランス(22)と、直流電源(11)と前記一次コイルとの間に接続され、スイッチングにより前記直流電源から前記一次コイルに供給される入力電圧を制御するスイッチング素子(Q1,Q2,Q3,Q4)と、前記二次コイルに接続され、前記二次コイルの電圧を整流する整流素子(D1,D2)と、を備えるDCDCコンバータ(20)に適用され、前記スイッチング素子のスイッチングを制御するDCDCコンバータ制御装置であって、
    前記一次コイル又は前記二次コイルに流れる電流に基づいて、前記DCDCコンバータの出力電流を検出する電流検出部(S15)と、
    前記スイッチング素子及び前記整流素子の少なくとも一方の温度を検出する温度検出部(S11,S18)と、
    前記温度検出部により検出される温度である検出温度に応じて電流制限値を設定し、設定した前記電流制限値を前記出力電流が超えると、前記出力電流が前記電流制限値となるように、前記スイッチング素子のスイッチングを制御する制御部(S12,S14〜S17,S19)と、を備え、
    前記制御部は、前記検出温度が第1温度の場合、前記電流制限値として第1制限値を設定し、前記検出温度が前記第1温度よりも低い第2温度の場合、前記電流制限値として前記第1制限値よりも大電流である第2制限値を設定し、
    前記温度検出部は、温度センサの検出値を取得し、取得した前記検出値に基づいて前記検出温度を推定により検出し、
    前記DCDCコンバータの動作開始時において、前記温度検出部は、前記動作開始時における前記温度センサの検出値と、前記DCDCコンバータが停止してからの停止時間と、前記DCDCコンバータが停止したときの前記温度センサの検出値と、前記DCDCコンバータが停止したときの前記検出温度又は前記DCDCコンバータが停止したときの前記検出温度と前記DCDCコンバータが停止したときの前記温度センサの検出値との差分値と、を取得し、前記動作開始時における前記検出温度を推定するDCDCコンバータ制御装置。
  4. 前記温度検出部は、前回停止時間及び前回停止したときの前記温度センサの検出値がない初期化状態、又は、前記停止時間が所定時間以上の場合、前記温度センサの検出値を前記検出温度とする請求項2又は請求項3に記載のDCDCコンバータ制御装置。
  5. 前記制御部は、前記検出温度と所定の閾値とを比較し、前記検出温度が前記閾値以上の場合に前記第1制限値を設定し、前記検出温度が前記閾値未満の場合に前記第2制限値を設定する請求項1〜4いずれか1項に記載のDCDCコンバータ制御装置。
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