JP6492886B2 - 杭継手装置 - Google Patents

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Description

本開示は杭継手装置に関する。
特許文献1が開示する杭継手構造は、2つの杭の端部にそれぞれ固定された2つの端板と、2つの端板に当接する当接部を有する内リングと、内リングを囲繞する外リングとを有する。内リングと端板との間には隙間が設けられ、2つの杭は相対的に屈曲可能である。
一方、特許文献2が開示する杭頭結合構造は、既製杭の上端板に固定される基板と、基板から突設された補強鉄筋とを有する。
特開平7−189246号公報 特開2004−162346号公報
特許文献1が開示する杭の継手構造は、内リング及び外リングを有している。内リングの周囲に更に外リングを配置した場合、継手構造の外径が大きくなる。
また、特許文献1が開示する杭の継手構造では、内リングの凹部は周方向に連続的に延在しており、2つの杭が相対回転可能である。このため、連結された杭を地中に回転させながら押し込むには他の部材が必要になる。
一方、特許文献2が開示する杭頭結合構造では、基板及び補強鉄筋によって、上部構造体と杭との間の接合強度が増大されており、地震時には杭に大きな曲げモーメントが作用する。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、例えば地震時に、杭に作用する曲げモーメントを低減可能な新規な杭継手装置を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る杭継手装置は、
環形状を有し、杭の端部に固定可能な第1固定部材と、
環形状を有し、前記第1固定部材と同軸に配置可能な第2固定部材と、
前記第1固定部材及び前記第2固定部材の外周に沿って配置可能な少なくとも1つの連結部材と、
前記第1固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第1凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第1凸部と、
前記第2固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第2凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第2凸部と、
を備え、
前記複数の第1凸部が前記複数の第1凹部に挿入され且つ前記複数の第2凸部が前記複数の第2凹部に挿入された組み立て状態で前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が変化することを許容するように、前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部の形状、寸法又は配置が決定されている。
上記構成(1)によれば、組み立て状態で、第1固定部材と第2固定部材との間の距離又は角度が変化することを許容するように、複数の第1凹部又は複数の第2凹部の形状、寸法又は配置が決定されているので、例えば地震時に、杭に作用する曲げモーメントを低減することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記複数の第1凸部は、前記第1固定部材に螺合可能な複数のボルトによって構成され、
前記複数の第2凸部は、前記第2固定部材に螺合可能な複数のボルトによって構成され、
前記複数の第1凹部及び複数の第2凹部のうち一方又は両方は、前記第1固定部材又は前記第2固定部材の軸線方向に沿ってそれぞれ延在する複数の長孔によって構成されている。
上記構成(2)によれば、第1凸部及び第2凸部がボルトによって構成され、第1凹部又は第2凹部が長孔によって構成されているので、簡単な構成にて確実に、杭に作用する曲げモーメントを低減することができる。
一方、第1凹部又は第2凹部が長孔によって構成されているので、簡単な構成にて確実に、第1固定部材と第2固定部材との間の距離又は角度を適当な大きさに規制することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(2)において、
前記組み立て状態において、前記第1固定部材及び前記第2固定部材の周方向にて前記複数の第1凹部の位置と前記複数の第2凹部の位置が相互に異なるように、前記連結部材での前記複数の第1凹部及び前記複数の第2凹部の位置が決定されている。
上記構成(3)によれば、第1凹部の位置と第2凹部の位置が周方向にて異なっているので、第1凸部を構成するボルトと第2凸部を構成するボルトが相互に干渉することを防止することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記複数の第1凸部及び前記複数の第2凸部のうち一方は、前記第1固定部材又は前記第2固定部材に螺合可能な複数のボルトによって構成され、
前記複数の第1凸部及び前記複数の第2凸部のうち他方は、前記第1固定部材、前記第2固定部材又は前記連結部材と一体に形成された突起によって構成されている。
上記構成(4)によれば、第1凸部及び第2凸部のうち一方がボルトによって構成されているので、簡単な構成にて確実に、第1固定部材又は第2固定部材に連結部材を固定しながら、杭に作用する曲げモーメントを低減することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
環形状を有し、前記第1固定部材と前記第2固定部材の間に同軸に配置可能な中間部材と、
前記少なくとも1つの連結部材を前記中間部材に固定するための複数のボルトと、
を更に備え、
前記少なくとも1つの連結部材は複数の前記連結部材によって構成され、
前記複数の第1凸部は、前記第1固定部材又は前記複数の連結部材とそれぞれ一体に形成された複数の突起によって構成され、
前記複数の第2凸部は、前記第2固定部材又は前記複数の連結部材とそれぞれ一体に形成された複数の突起によって構成されている。
上記構成(5)によれば、第1固定部材と第2固定部材の間に配置された中間部材に連結部材を固定しながら、杭に作用する曲げモーメントを低減することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記構成(5)において、
前記複数の突起は、前記複数のボルトよりも大きな横断面積を有し、
前記複数の突起は、前記第1固定部材又は前記第2固定部材の軸線方向にて相対変位可能に前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部に挿入されている。
上記構成(6)によれば、突起は第1凹部又は第2凹部に対し相対変位可能であるので、第1固定部材と第2固定部材との間隔又は角度が変化し、突起が第1凹部又は第2凹部の周縁に衝突したとき、突起に剪断荷重が作用する。このような使用状況でも、突起は中間部材に連結部材を固定するためのボルトよりも大きな横断面積を有し高強度であるので、突起は高い信頼性を有する。この結果として、上記構成(6)の杭継手装置は高い信頼性を有する。
(7)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(6)の何れか1つにおいて、
前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が大きくなるほど、前記複数の第1凸部又は前記複数の第2凸部に作用する摩擦力が大きくなるように、前記複数の第1凸部、前記複数の第1凹部、前記複数の第2凸部又は前記複数の第2凹部の形状が決定されている。
上記構成(7)によれば、第1固定部材に対し第2固定部材が傾斜したときに、傾斜が大きくなるほど、第1凸部又は第2凸部に作用する摩擦力が大きくなる。このため、第1固定部材に対し第2固定部材が傾斜する過程で、第1固定部材と第2固定部材との間で伝達される曲げモーメントを徐々に増大させることができる。この結果、杭継手装置や杭に作用する曲げモーメントの急激な上昇を抑制することができ、杭継手装置や杭の耐久性を確保することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記構成(7)において、
前記複数の第1凸部及び前記複数の第2凸部のうち一方又は両方は複数のボルトによって構成され、
前記組み立て状態において、前記複数のボルトの頭部と対向する前記少なくとも1つの連結部材の各々の外面は、前記第1固定部材及び前記第2固定部材の軸線方向に対し傾斜している。
上記構成(8)によれば、簡単な構成にて、第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が大きくなるほど、第1凸部又は第2凸部に作用する摩擦力を増大させることができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記構成(7)において、
前記複数の第1凸部及び前記複数の第2凸部のうち一方又は両方は複数の突起によって構成され、
前記組み立て状態において、前記複数の突起と対向する前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部の底面は、前記第1固定部材及び前記第2固定部材の軸線方向に対し傾斜している。
上記構成(9)によれば、簡単な構成にて、第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が大きくなるほど、第1凸部又は第2凸部に作用する摩擦力を増大させることができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(9)の何れか1つにおいて、
前記第1凹部又は前記第2凹部の内部に配置され、前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が大きくなるほど大きな反力を発生させる弾性部材を更に備える。
上記構成(10)によれば、第1固定部材に対し第2固定部材が傾斜したときに、傾斜が大きくなるほど弾性部材が圧縮される。このため、第1固定部材に対し第2固定部材が傾斜する過程で、弾性部材を介して、第1固定部材と第2固定部材との間で伝達される曲げモーメントを徐々に増大させることができる。この結果、杭継手装置や杭に作用する曲げモーメントの急激な上昇を抑制することができ、杭継手装置や杭の耐久性を確保することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記構成(10)において、
前記弾性部材はエラストマによって構成されている。
上記構成(11)によれば、エラストマによって構成された弾性部材を第1凹部又は第2凹部の内部に配置することで、第1凹部又は第2凹部の内部に異物が進入することが防止される。これによって、第1凹部又は第2凹部に対する第1凸部又は第2凸部の相対的な変位が、異物によって阻害されることが防止される。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、例えば地震時に、杭に作用する曲げモーメントを低減可能な新規な杭継手装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る構造体の概略的な構成を示す図である。 杭の端部とともに一実施形態に係る杭継手装置を概略的に示す側面図である。 図2中の領域IIIの概略的な部分断面図である。 図2の杭継手装置に用いられる連結部材の概略的な上面図及び側面図である。 本発明の実施形態に係る杭継手装置の作用効果を説明するための図である。 杭の端部とともに他の一実施形態に係る杭継手装置を概略的に示す側面図である。 図6中の領域VIIの概略的な部分断面図である。 杭の端部とともに他の一実施形態に係る杭継手装置を概略的に示す側面図である。 図8の杭継手装置に用いられる連結部材の概略的な側面図である。 他の一実施形態に係る杭継手装置の図3に対応する部分断面図である。 他の一実施形態に係る杭継手装置の図3に対応する部分断面図である。 他の一実施形態に係る杭継手装置の図3に対応する部分断面図である。 他の一実施形態に係る杭継手装置の図3に対応する部分断面図である。 図10、図13及び図20の杭継手装置に用いられる第1凸部又は第2凸部と第1凹部又は第2凹部の概略的な部分斜視図である。 図11、図12及び図20の杭継手装置に用いられる第1凸部又は第2凸部と第1凹部又は第2凹部の概略的な部分斜視図である。 図11中のXVI−XVI線に沿う概略的な断面図である。 他の一実施形態に係る杭継手装置の図3に対応する部分断面図である。 他の一実施形態に係る杭継手装置の図3に対応する部分断面図である。 他の一実施形態に係る杭継手装置の図3に対応する部分断面図である。 他の一実施形態に係る杭継手装置の図3に対応する部分断面図である。 杭の端部とともに他の一実施形態に係る杭継手装置を概略的に示す側面図である。 図21中の領域XXIの概略的な部分断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、構造体1の概略的な構成を示す図である。構造体1は、複数の杭(既製杭)2と、杭2によって支持された上部構造体3と、杭2と上部構造体3とを接続するパイルキャップ4a及び基礎梁4bとを有する。
複数の杭2は、例えば、鉛直方向に配列されて列をなし、複数の杭2によって構成される列が水平方向に離間して並列に配置されている。
そして各列において、杭2同士は、本発明の実施形態に係る杭継手装置10によって相互に連結されている。また、各列において最も上側に位置する杭2は、杭継手装置10を介して基礎4に連結されている。
図2、図6、図8及び図21は、杭2の端部とともに杭継手装置10(10a,10b,10c,10l)を概略的に示す側面図である。図3、図7、図10〜図13、図17〜図20及び図22は、杭継手装置10(10a,10b,10d〜10k,10l)の概略的な部分断面図である。なお、図3、図7及び図22は、それぞれ、図2中の領域III、図6中の領域VII及び図21中の領域XXIIの概略的な部分断面図である。図4は、杭継手装置10aに用いられる連結部材の概略的な上面図及び側面図である。図5は、杭継手装置10の作用効果を説明するための図である。図9は、杭継手装置10cに用いられる連結部材の概略的な側面図である。図14は杭継手装置10d,10g,10kに用いられる第1凸部又は第2凸部と第1凹部又は第2凹部の概略的な部分斜視図である。図15は杭継手装置10e,10fに用いられる第1凸部又は第2凸部と第1凹部又は第2凹部の概略的な部分斜視図である。図16は、図11中のXVI−XVI線に沿う概略的な断面図である。
なお本明細書において、括弧の前の符号は、括弧内の符号のうち1つ以上を指すときに用いられる。
図2〜図22に示したように、杭継手装置10は、第1固定部材12と、第2固定部材14と、少なくとも1つの連結部材16と、複数の第1凸部18と、複数の第2凸部20とを有する。
第1固定部材12は、例えば鋼製であり、環形状を有し、杭2の端部に固定可能である。なお、第1固定部材12が杭2の端部に固定可能であるとは、第1固定部材12が杭2の端部を構成している場合も含むものとする。
第2固定部材14は、例えば鋼製であり、環形状を有し、第1固定部材12と同軸に配置可能である。なお、第2固定部材14も、杭2の端部を構成していてもよい。
連結部材16は、例えば鋼製であり、第1固定部材12及び第2固定部材14の外周に沿って配置可能である。従って、連結部材16は、全体として環形状を有し、第1固定部材12及び第2固定部材14を囲むように配置可能である。連結部材16の数は特には限定されないが、例えば1〜10個である。なお、連結部材16の数が1つの場合、第1固定部材12及び第2固定部材14のうち一方に連結部材16を取り付けた後、他方が連結部材16に挿入される。
複数の第1凸部18は、第1固定部材12の径方向に沿って、第1固定部材12及び連結部材16のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第1凹部22にそれぞれ挿入可能である。
複数の第2凸部20は、第2固定部材14の径方向に沿って、第2固定部材14及び連結部材16のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第2凹部24にそれぞれ挿入可能である。
そして、杭継手装置10では、複数の第1凸部18が複数の第1凹部22に挿入され且つ複数の第2凸部20が複数の第2凹部24に挿入された組み立て状態で、第1固定部材12と第2固定部材14との間の距離又は角度が変化することを許容するように、複数の第1凹部22又は複数の第2凹部24の形状、寸法又は配置が決定されている。
上記構成の杭継手装置10によれば、組み立て状態で、第1固定部材12と第2固定部材14との間の距離又は角度が変化することを許容するように、複数の第1凹部22又は複数の第2凹部24の形状、寸法又は配置が決定されているので、第1固定部材12に対して第2固定部材14が離れることができ、又は、図5に例示したように、第1固定部材12に対し第2固定部材14が傾くことができる。このため、例えば地震時に、第1固定部材12が固定された杭2に作用する引き抜き力又は曲げモーメントを低減することができる。
なお引き抜き力は、上部構造体3が倒れようとするときに一部の列の杭2に作用し、曲げモーメントは、上部構造体3が水平方向に変位するときに全ての列の杭2に作用する。
幾つかの実施形態では、第1固定部材12に対する第2固定部材14の傾きの最大値が5.7度以下になるように、複数の第1凹部22又は複数の第2凹部24の形状、寸法又は配置が決定される。なお、5.7度は、1/10の勾配に相当する(5.7°≒tan−11/10)。
幾つかの実施形態では、杭継手装置10a〜10kは、2つの杭(第1杭及び第2杭)2を相互に同軸に連結し、第2固定部材14は杭2の端部に固定可能である。なお、第2固定部材14が杭2の端部に固定可能であるとは、第2固定部材14が杭2の端部を構成している場合も含むものとする。
この場合、図5に例示したように、杭継手装置10a〜10kによって相互に連結された2つの杭2が相互に離れたり又は傾くことができ、例えば地震時に、第1固定部材12及び第2固定部材14が固定された2つの杭2に作用する引き抜き力や曲げモーメントを低減することができる。
また、第1凹部22に第1凸部18がそれぞれ挿入され、第2凹部24に第2凸部20がそれぞれ挿入されているので、例えば杭打機を用いて、杭継手装置10a〜10kによって連結された複数の杭2を回転させながら地中に押し込むことができる。
幾つかの実施形態では、図21及び図22に示したように、杭継手装置10lは、杭2とパイルキャップ4aとを相互に連結しており、杭頭結合装置を構成している。この場合、第2固定部材14は、例えば鋼管49によって構成され、第2固定部材14には、杭ではなく、上部構造体3の一部をなす複数の鉄筋26が、例えば溶接により固定される。
この構成では、例えば地震時に、上部構造体3が倒れようとしても第2固定部材14に対し第1固定部材12が離れることができ、第1固定部材12が固定された杭2に作用する引き抜き力を低減することができる。
またこの構成では、例えば地震時に、上部構造体3が水平方向に揺れても第2固定部材14に対し第1固定部材12が傾くことができ、第1固定部材12が固定された杭2、第2固定部材14が固定されたパイルキャップ4a、及び、パイルキャップ4aに接合された基礎梁4bに作用する曲げモーメントを低減することができる。
なお、杭継手装置10が組み立てられた状態では、複数の第1凸部18は、第1固定部材12の周方向に相互に離間して配列され、複数の第1凹部22も、第1固定部材12の周方向に相互に離間して配列される。また、杭継手装置10が組み立てられた状態では、複数の第2凸部20は、第2固定部材14の周方向に相互に離間して配列され、複数の第2凹部24も、第2固定部材14の周方向に相互に離間して配列される。
幾つかの実施形態では、図2、図3、図6、図8、図17、図20、図21及び図22に示したように、複数の第1凸部18は、第1固定部材12に形成されたねじ孔に螺合可能な複数のボルト18aによって構成され、複数の第2凸部20は、第2固定部材14に形成されたねじ孔に螺合可能な複数のボルト20aによって構成されている。そして、複数の第1凹部22及び複数の第2凹部24のうち一方又は両方は、第1固定部材12又は第2固定部材14の軸線方向に沿ってそれぞれ延在する複数の長孔22a,24aによって構成されている。
上記構成によれば、第1凸部18及び第2凸部20がボルト18a,20aによって構成され、第1凹部22又は第2凹部24が長孔22a,24aによって構成されているので、簡単な構成にて確実に、杭2に作用する引き抜き力又は曲げモーメントを低減することができる。
幾つかの実施形態では、図8及び図9に示したように、複数の第1凹部22及び複数の第2凹部24のうち一方は長孔22a,24aによって構成され、他方は丸孔によって構成される。
上記構成によれば、複数の第1凹部22及び複数の第2凹部24のうち一方を丸孔によって構成したことで、杭2の軸線方向での連結部材16の長さを短くすることができ、連結部材16の加工が容易になる。
幾つかの実施形態では、図6、図7、図8、図9及び図18に示したように、組み立て状態において、第1固定部材12及び第2固定部材14の周方向にて複数の第1凹部22の位置と複数の第2凹部24の位置が異なるように、連結部材16での複数の第1凹部22及び複数の第2凹部24の位置が決定されている。
上記構成によれば、第1凹部22の位置と第2凹部24の位置が周方向にて異なっているので、第1凸部18を構成するボルト18aと第2凸部20を構成するボルト20aが相互に干渉することを防止することができる。また、第1固定部材12又は第2固定部材としての端板42の厚さを薄くすることができ、軽量化による作業効率の向上及び材料費削減を図ることができる。
幾つかの実施形態では、図6、図8及び図9に示したように、第1固定部材12及び第2固定部材14の周方向にて、第1凹部22と第2凹部24は1つずつ交互に配置され、千鳥状に配置されている。
幾つかの実施形態では、図10、図11及び図20に示したように、複数の第1凸部18及び複数の第2凸部20のうち一方は、第1固定部材12又は第2固定部材14に螺合可能な複数のボルト18a,20aによって構成されている。そして、複数の第1凸部18及び複数の第2凸部20のうち他方は、第1固定部材12、第2固定部材14又は連結部材16と一体に形成された突起20b,20cによって構成されている。
上記構成によれば、複数の第1凸部18又は複数の第2凸部20が複数のボルト18a,20aによって構成されているので、簡単な構成にて確実に、連結部材16を第1固定部材12又は第2固定部材14に固定することができる。
また、図10、図11及び図20に示したように、複数の第1凹部22及び複数の第2凹部24のうち一方を丸孔によって構成することで、図8及び図9の場合と同様に、杭2の軸線方向での連結部材16の長さを短くすることができ、連結部材16の加工が容易になる。
幾つかの実施形態では、図12及び図13に示したように、杭継手装置10f,10gは中間部材28を更に備える。中間部材28は環形状を有し、第1固定部材12と第2固定部材14の間に同軸に配置可能である。中間部材28には、複数のボルト30によって、複数の連結部材16が固定される。
そして、複数の第1凸部18は、第1固定部材12又は複数の連結部材16とそれぞれ一体に形成された複数の突起18b,18cによって構成され、複数の第2凸部20は、第2固定部材14又は複数の連結部材16とそれぞれ一体に形成された複数の突起20b,20cによって構成される。
更に、複数の第1凹部22及び複数の第2凹部24のうち一方又は両方は、第1固定部材12又は第2固定部材14の軸線方向に沿う第1凸部18又は第2凸部20の相対変位をそれぞれ許容するように構成される。例えば、第1凹部22及び第2凹部24は、第1固定部材12若しくは第2固定部材14の外面に開口した溝22c,24c、又は、連結部材16の内面に開口した溝22b,24bによって構成される。溝22b,22c,24c,24cは、組み立てられた状態で、杭2の軸線方向に沿って延在している。
上記構成によれば、第1固定部材12と第2固定部材14の間に配置された中間部材28に連結部材16を固定しながら、2つの杭2に作用する引き抜き力又は曲げモーメントを低減することができる。
また上記構成によれば、2つの杭2に引き抜き力又は曲げモーメントが作用するとき、突起18b,18c,20b,20cは第1凹部22b,22c又は第2凹部24b,24cに対し相対変位可能であるので、第1固定部材12と第2固定部材14との間の距離又は角度が変化し、突起18b,18c,20b,20cが第1凹部22b,22c又は第2凹部24b,24cの周縁に衝突したとき、突起18b,18c,20b,20cに剪断荷重が作用する。このとき、2つの突起18b,18cから連結部材16に作用する荷重は互いに逆方向であり、又は、2つの突起20b,20cに作用する荷重は互いに逆方向であるため、2つの突起18b,18cの間、又は、2つの突起20b,20cの間に位置する複数のボルト30には剪断荷重が作用しない。このため、中間部材28を固定するための複数のボルト30として、第1凸部18又は第2凸部20を構成するボルト18a,20aに比べて低強度のボルトを用いることができる。また、ボルト30に剪断力が作用しないので、杭継手装置10f,10gは高い信頼性を有する。
幾つかの実施形態では、図12及び図13に示したように、複数の突起18b,18c,20b,20cは、中間部材28に対し連結部材16を固定するための複数のボルト30よりも大きな横断面積を有し、複数の突起18b,18c,20b,20cは、第1固定部材12又は第2固定部材14の軸線方向にて相対変位可能に複数の第1凹部22b,22c又は複数の第2凹部24b,24cに挿入されている。
上記構成では、突起18b,18c,20b,20cに剪断荷重が作用しても、突起18b,18c,20b,20cは、中間部材28に対し連結部材16を固定するためのボルト30よりも大きな横断面積を有し高強度であるので、高い信頼性を有する。この結果として、上記構成の杭継手装置10f,10gは高い信頼性を有する。
幾つかの実施形態では、図14及び図15に示したように、突起18b,18c,20b,20cは角柱形状を有し、第1固定部材12、第2固定部材14又は連結部材16から一体に突出する。
幾つかの実施形態では、図16に示したように、突起18b,18c,20b,20cは、先端に近付くほど横断面積が小さくなっている。例えば、突起18b,18c,20b,20cは、裁頭四角錐形状(四角錐台形状)を有する。この構成によれば、突起18b,18c,20b,20cを第1凹部22b,22c又は第2凹部24b,24cに容易に挿入することができる。
なお本明細書では、裁頭四角錐形状は角柱形状に含まれるものとする。
幾つかの実施形態では、図14及び図15に示したように、第1凹部22b,22c又は第2凹部24b,24cは直方体形状の空間を形成し、第1固定部材12若しくは第2固定部材14の外面、又は、連結部材16の内面に開口する。
幾つかの実施形態では、図10に示したように、連結部材16に形成された第1凹部22b又は第2凹部24bは、連結部材16を貫通し、連結部材16の内面及び外面に開口する。
幾つかの実施形態では、図13及び図20に示したように、連結部材16に形成された第1凹部22b又は第2凹部24bは、連結部材16を貫通しておらず底面25を有する。
この構成によれば、第1凹部22b又は第2凹部24bが連結部材16の外面に開口していないので、第1凹部22b又は第2凹部24bの内部に異物が進入することが防止される。これによって、第1凹部22b又は第2凹部24bに対する突起18b,20bの相対的な変位が、異物によって阻害されることが防止される。
同様に、図11及び図12に示したように、第1凹部22c又は第2凹部24cが連結部材16によって覆われている場合も、第1凹部22c又は第2凹部24cの内部に異物が進入することが防止される。これによって、第1凹部22c又は第2凹部24cに対する突起18c,20cの相対的な変位が、異物によって阻害されることが防止される。
幾つかの実施形態では、図11及び図12に示したように、第1固定部材12又は第2固定部材14に形成された第1凹部22c又は第2凹部24cは、第1固定部材12又は第2固定部材14を貫通しておらず、底面27を有する。
幾つかの実施形態では、図18、図19及び図20に示したように、第1固定部材12と第2固定部材14との間の距離(隙間)又は角度が大きくなるほど、複数の第1凸部18及び複数の第2凸部20のうち一方又は両方に作用する摩擦力が大きくなるように、複数の第1凸部18、複数の第1凹部22、複数の第2凸部20又は複数の第2凹部24の形状が決定されている。
上記構成によれば、第1固定部材12に対し第2固定部材14が離れたり又は傾斜したときに、これらの間の距離(隙間)又は角度が大きくなるほど第1凸部18又は第2凸部20に作用する摩擦力が大きくなる。このため、第1固定部材12に対し第2固定部材14が離れたり傾斜する過程で、第1凸部18又は第2凸部20に働く剪断力を徐々に増大させることができ、第1固定部材12と第2固定部材14との間で伝達される引き抜き力又は曲げモーメントを徐々に増大させることができる。この結果、杭継手装置10i,10jに作用する力や杭2に作用する引き抜き力又は曲げモーメントの急激な上昇を抑制することができ、杭継手装置10i,10jや杭2の耐久性を確保することができる。
幾つかの実施形態では、図18及び図19に示したように、複数の第1凸部18及び複数の第2凸部20のうち一方又は両方は複数のボルト18a,20aによって構成され、組み立て状態において、複数のボルト18a,20aの頭部と対向する連結部材16の各々の外面は、第1固定部材12及び第2固定部材14の軸線方向に対し傾斜している。
上記構成によれば、簡単な構成にて、第1固定部材12と第2固定部材14との間の距離又は角度が大きくなるほど、第1凸部18又は第2凸部20に作用する摩擦力を増大させることができる。
幾つかの実施形態では、図20に示したように、複数の第1凸部18及び複数の第2凸部20のうち一方又は両方は複数の突起18b,18c,20b,20cによって構成され、組み立て状態において、複数の突起18b,18c,20b,20cと対向する複数の第1凹部22b,22c又は複数の第2凹部24b,24cの底面25,27は、第1固定部材12及び第2固定部材14の軸線方向に対し傾斜している。
上記構成によれば、簡単な構成にて、第1固定部材12と第2固定部材14との間の距離又は角度が大きくなるほど、第1凸部18又は第2凸部20に作用する摩擦力を増大させることができる。
幾つかの実施形態では、図17に示したように、杭継手装置10hは、複数の弾性部材32を更に備える。複数の弾性部材32は、第1凹部22又は第2凹部24の内部に配置され、第1固定部材12と第2固定部材14との間の距離又は角度が大きくなるほど大きな反力を発生させる。
上記構成によれば、第1固定部材12に対し第2固定部材14が離れたり又は傾斜したときに、距離又は傾斜角度が大きくなるほど弾性部材32が大きな反力を発生させる。このため、第1固定部材12に対し第2固定部材14が離れたり傾斜する過程で、弾性部材32を介して、第1凸部18又は第2凸部20に働く剪断力を徐々に増大させることができ、第1固定部材12と第2固定部材14との間で伝達される引き抜き力又は曲げモーメントを徐々に増大させることができる。この結果、杭継手装置10hに作用する力や杭2に作用する引き抜き力又は曲げモーメントの急激な上昇を抑制することができ、杭継手装置10hや杭2の耐久性を確保することができる。
幾つかの実施形態では、弾性部材32は、図17に示したように、エラストマによって構成され、例えばクロロプレンゴムによって構成される。
この構成によれば、エラストマによって構成された弾性部材32を第1凹部22又は第2凹部24の内部に配置することで、第1凹部22又は第2凹部24の内部に異物が進入することが防止される。これによって、第1凹部22又は第2凹部24に対する第1凸部18又は第2凸部20の相対的な変位が、異物によって阻害されることが防止される。
幾つかの実施形態では、複数の杭2によって構成される列において、図1に示したように、上側の杭2はSC杭(外殻鋼管付きコンクリート杭)2aによって構成され、中間の杭2はPRC杭(高強度プレストレスト鉄筋コンクリート杭)2bによって構成され、下側の杭2はPHC杭(高強度プレストレストコンクリート杭)2cによって構成される。曲げモーメントに対する強度は、SC杭2a>PRC杭2b>PHC杭2cの順である。
幾つかの実施形態では、杭2は、図3、図7、図10〜図13及び図17〜図20に示したように、いわゆる既製コンクリート杭であり、円筒形状のコンクリート40と、コンクリート40の両端に配置された端板42と、コンクリート40を貫通して端板42間を延びる複数のPC鋼棒44と、コンクリート40の端部を囲む補強バンド46とを有する。PC鋼棒44及び端板42によってコンクリート40に圧縮応力が与えられている。そして、端板42が、第1固定部材12又は第2固定部材14を構成している。
幾つかの実施形態では、図22に示したように、杭2がSC杭2aの場合、補強バンド46に代えて、コンクリート40の全体が外殻鋼管48によって覆われ、端板42が外殻鋼管48に溶接される。
なお、既製杭2の構成は上記構成に限定されることはない。
幾つかの実施形態では、図2、図3、図6〜図8、図10〜図13及び図17〜図20に示したように、第1固定部材12、第2固定部材14、及び、必要に応じて第1固定部材12又は第2固定部材14に隣接する杭2の端部50の部分は、杭2の中間部52よりも小さい外径を有し、連結部材16は、杭2の径方向にて杭2の中間部52の外周よりも内側に配置可能である。
上記構成によれば、連結部材16が杭2の径方向にて杭2の中間部52の外周よりも内側に配置されるので、杭2を孔に挿入するときに、孔の壁面と連結部材16が摺動することが防止され、孔に対し杭2を容易に挿入することができる。
幾つかの実施形態では、第1固定部材12及び第2固定部材14と連結部材16との間には、第1固定部材12と第2固定部材14との間の距離又は角度の変化を許容するように隙間が設けられる。
幾つかの実施形態では、第1固定部材12と第2固定部材14との間の距離又は角度の変化を許容するように、複数のボルト18a,20a,30の締め付けトルクが設定される。
最後に、本発明は上述した幾つかの実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 構造体
2 杭(既製杭)
2a SC杭
2b PRC杭
2c PHC杭
3 上部構造体
4a パイルキャップ
4b 基礎梁
5 上部構造体
10(10a〜10l) 杭継手装置
12 第1固定部材
14 第2固定部材
16 連結部材
18 第1凸部
18a ボルト
18b,18c 突起
20 第2凸部
20a ボルト
20b,20c 突起
22 第1凹部
22a 長孔
22b,22c 溝
24 第2凹部
24a 長孔
24b,24c 溝
25 底面
26 鉄筋
27 底面
28 中間部材
30 ボルト
32 弾性部材
40 コンクリート
42 端板
44 PC鋼棒
46 補強バンド
48 外殻鋼管
49 鋼管
50 杭の端部
52 杭の中間部

Claims (11)

  1. 環形状を有し、杭の端部に固定可能な第1固定部材と、
    環形状を有し、前記第1固定部材と同軸に配置可能な第2固定部材と、
    前記第1固定部材及び前記第2固定部材の外周に沿って配置可能な少なくとも1つの連結部材と、
    前記第1固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第1凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第1凸部と、
    前記第2固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第2凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第2凸部と、
    を備え、
    前記複数の第1凸部が前記複数の第1凹部に挿入され且つ前記複数の第2凸部が前記複数の第2凹部に挿入された組み立て状態で前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が変化することを許容するように、前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部の形状、寸法又は配置が決定され、
    前記複数の第1凸部は、前記第1固定部材に螺合可能な複数のボルトによって構成され、
    前記複数の第2凸部は、前記第2固定部材に螺合可能な複数のボルトによって構成され、
    前記複数の第1凹部及び複数の第2凹部のうち一方又は両方は、前記第1固定部材又は前記第2固定部材の軸線方向に沿ってそれぞれ延在する複数の長孔によって構成されていることを特徴とする杭継手装置。
  2. 前記組み立て状態において、前記第1固定部材及び前記第2固定部材の周方向にて前記複数の第1凹部の位置と前記複数の第2凹部の位置が相互に異なるように、前記連結部材での前記複数の第1凹部及び前記複数の第2凹部の位置が決定されている
    ことを特徴とする請求項に記載の杭継手装置。
  3. 環形状を有し、杭の端部に固定可能な第1固定部材と、
    環形状を有し、前記第1固定部材と同軸に配置可能な第2固定部材と、
    前記第1固定部材及び前記第2固定部材の外周に沿って配置可能な少なくとも1つの連結部材と、
    前記第1固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第1凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第1凸部と、
    前記第2固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第2凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第2凸部と、
    を備え、
    前記複数の第1凸部が前記複数の第1凹部に挿入され且つ前記複数の第2凸部が前記複数の第2凹部に挿入された組み立て状態で前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が変化することを許容するように、前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部の形状、寸法又は配置が決定され、
    前記複数の第1凸部及び前記複数の第2凸部のうち一方は、前記第1固定部材又は前記第2固定部材に螺合可能な複数のボルトによって構成され、
    前記複数の第1凸部及び前記複数の第2凸部のうち他方は、前記第1固定部材、前記第2固定部材又は前記連結部材と一体に形成された突起によって構成されている
    ことを特徴とする杭継手装置。
  4. 環形状を有し、杭の端部に固定可能な第1固定部材と、
    環形状を有し、前記第1固定部材と同軸に配置可能な第2固定部材と、
    前記第1固定部材及び前記第2固定部材の外周に沿って配置可能な少なくとも1つの連結部材と、
    前記第1固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第1凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第1凸部と、
    前記第2固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第2凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第2凸部と、
    環形状を有し、前記第1固定部材と前記第2固定部材の間に同軸に配置可能な中間部材と、
    前記少なくとも1つの連結部材を前記中間部材に固定するための複数のボルトと、
    を備え、
    前記複数の第1凸部が前記複数の第1凹部に挿入され且つ前記複数の第2凸部が前記複数の第2凹部に挿入された組み立て状態で前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が変化することを許容するように、前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部の形状、寸法又は配置が決定され、
    前記少なくとも1つの連結部材は複数の前記連結部材によって構成され、
    前記複数の第1凸部は、前記第1固定部材又は前記複数の連結部材とそれぞれ一体に形成された複数の突起によって構成され、
    前記複数の第2凸部は、前記第2固定部材又は前記複数の連結部材とそれぞれ一体に形成された複数の突起によって構成されている
    ことを特徴とする杭継手装置。
  5. 前記複数の突起は、前記複数のボルトよりも大きな横断面積を有し、
    前記複数の突起は、前記第1固定部材又は前記第2固定部材の軸線方向にて相対変位可能に前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部に挿入されている
    ことを特徴とする請求項に記載の杭継手装置。
  6. 環形状を有し、杭の端部に固定可能な第1固定部材と、
    環形状を有し、前記第1固定部材と同軸に配置可能な第2固定部材と、
    前記第1固定部材及び前記第2固定部材の外周に沿って配置可能な少なくとも1つの連結部材と、
    前記第1固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第1凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第1凸部と、
    前記第2固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第2凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第2凸部と、
    を備え、
    前記複数の第1凸部が前記複数の第1凹部に挿入され且つ前記複数の第2凸部が前記複数の第2凹部に挿入された組み立て状態で前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が変化することを許容するように、前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部の形状、寸法又は配置が決定され、
    前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が大きくなるほど、前記複数の第1凸部又は前記複数の第2凸部に作用する摩擦力が大きくなるように、前記複数の第1凸部、前記複数の第1凹部、前記複数の第2凸部又は前記複数の第2凹部の形状が決定されている
    ことを特徴とする杭継手装置。
  7. 前記複数の第1凸部及び前記複数の第2凸部のうち一方又は両方は複数のボルトによって構成され、
    前記組み立て状態において、前記複数のボルトの頭部と対向する前記少なくとも1つの連結部材の各々の外面は、前記第1固定部材及び前記第2固定部材の軸線方向に対し傾斜している
    ことを特徴とする請求項に記載の杭継手装置。
  8. 前記複数の第1凸部及び前記複数の第2凸部のうち一方又は両方は複数の突起によって構成され、
    前記組み立て状態において、前記複数の突起と対向する前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部の底面は、前記第1固定部材及び前記第2固定部材の軸線方向に対し傾斜している
    ことを特徴とする請求項に記載の杭継手装置。
  9. 環形状を有し、杭の端部に固定可能な第1固定部材と、
    環形状を有し、前記第1固定部材と同軸に配置可能な第2固定部材と、
    前記第1固定部材及び前記第2固定部材の外周に沿って配置可能な少なくとも1つの連結部材と、
    前記第1固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第1凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第1凸部と、
    前記第2固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第2凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第2凸部と、
    を備え、
    前記複数の第1凸部が前記複数の第1凹部に挿入され且つ前記複数の第2凸部が前記複数の第2凹部に挿入された組み立て状態で前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が変化することを許容するように、前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部の形状、寸法又は配置が決定され、
    前記第1凹部又は前記第2凹部の内部に配置され、前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が大きくなるほど大きな反力を発生させる弾性部材を更に備える
    ことを特徴とする杭継手装置。
  10. 前記弾性部材はエラストマによって構成されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の杭継手装置。
  11. 環形状を有し、杭の端部に固定可能な第1固定部材と、
    環形状を有し、前記第1固定部材と同軸に配置可能な第2固定部材と、
    前記第1固定部材及び前記第2固定部材の外周に沿って配置可能な少なくとも1つの連結部材と、
    前記第1固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第1凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第1凸部と、
    前記第2固定部材及び前記少なくとも1つの連結部材のうち一方から突出し、他方に設けられた複数の第2凹部にそれぞれ挿入可能な複数の第2凸部と、
    を備え、
    前記複数の第1凸部が前記複数の第1凹部に挿入され且つ前記複数の第2凸部が前記複数の第2凹部に挿入された組み立て状態で前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が変化することを許容するように、前記複数の第1凹部又は前記複数の第2凹部の形状、寸法又は配置が決定され、
    前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離又は角度が大きくなるほど、前記複数の第1凸部又は前記複数の第2凸部に作用する摩擦力が大きくなるように、前記複数の第1凸部、前記複数の第1凹部、前記複数の第2凸部又は前記複数の第2凹部の形状が決定されている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、7、8、9又は10に記載の杭継手装置。
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