JP6492850B2 - 転写装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)について説明する。次いで、実施例について説明する。
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、本実施形態の画像形成装置10の全体構成について説明する。次いで、本実施形態の要部(転写装置30)の構成について説明する。次いで、本実施形態の画像形成装置10の動作について説明する。次いで、本実施形態の作用について説明する。
画像形成装置10は、図1に示されるように、トナー像形成部20と、転写装置30と、搬送装置40と、定着装置50と、制御部60と、を含んで構成される電子写真方式の装置とされている。
トナー像形成部20は、帯電、露光、現像の各工程を行って、転写装置30を構成する後述する転写ベルトTBが保持するトナー像Gを後述する各感光体22Y、22M、22C、22Kに形成する機能を有する。ここで、トナー像形成部20は、形成部の一例である。なお、本実施形態のトナー像Gを構成するトナーTは、一例として負極性とされている。
転写装置30は、各単位ユニット21で形成されて後述する各ニップN1で1次転写された各色のトナー像Gを保持しながら(図中の矢印R方向に)周回する機能と、後述するニップN2で搬送される媒体Pに各色のトナー像Gを2次転写する機能を有する。転写装置30の構成については後述する。
搬送装置40は、媒体PがニップN2及び後述するニップN3を通過するように、媒体Pを搬送する機能を有する。
定着装置50は、転写装置30により媒体Pに2次転写されたトナー像Gを構成するトナーTをニップN3で加熱、加圧して、媒体PにトナーTを定着させる機能を有する。定着装置50は、加熱部50Aと、加圧部50Bと、を含んで構成されている。
制御部60は、画像形成装置10を構成する制御部60以外の各部を制御する機能を有する。例えば、制御部60は、外部装置(図示省略)からの画像データを受け取るように構成されている。そして、画像データを受け取った制御部60は、画像形成装置10を構成する制御部60以外の各部を制御する(各部にそれぞれの動作をさせる)ようになっている。制御部60の機能については、後述する画像形成装置10の動作の説明の中で説明する。
次に、転写装置30の構成について図面を参照しつつ詳しく説明する。
転写ベルトTBは、無端状とされている。各第1ロール32は、各感光体22の下側に配置され、転写ベルトTBを挟んで各感光体22と各ニップN1を形成している。そして、各第1ロール32は、電源(図示省略)から電圧(1次転写電圧)が印加されることで、各感光体22に形成された各色のトナー像Gを転写ベルトTBに1次転写させるようになっている。また、駆動ロール34は、駆動源(図示省略)により駆動されて、その軸周りに回転しながら、転写ベルトTBを矢印R方向に周回させるようになっている。以上の構成により、転写ベルトTBは、矢印R方向に周回しながら、各単色ユニット21から各色のトナー像Gが1次転写されるようになっている。そして、転写ベルトTBは、各色のトナー像Gを外周に保持しながら、各色のトナー像Gを後述するニップN2へ到達させるようになっている。
2次転写部36は、転写ベルトTBが保持している各色のトナー像Gを、搬送装置40により搬送される媒体Pに2次転写する機能を有する。2次転写部36は、図1及び図2に示されるように、第2ロール70と、第3ロール80と、可動部(図示省略)と、電源PSと、検出部DTと、を含んで構成されている。ここで、第2ロール70は、転写部材の一例である。また、第3ロール80は、接触体の一例である。
第2ロール70は、転写ベルトTBとで形成する後述するニップN2に搬送される媒体Pに、転写ベルトTBが保持するトナー像Gを2次転写する機能を有する。第2ロール70は、図2に示されるように、金属製のシャフト72と、円筒状の弾性体74と、を備えている。弾性体74は、シャフト72に嵌め込まれて接着されている。また、シャフト72の両端側の部分は、弾性体74の両端からはみ出している。そして、第2ロール70(シャフト72)の両端は、画像形成装置10のフレーム(図示省略)に嵌め込まれた軸受(図示省略)に支持されている。なお、本実施形態の弾性体74は、一例としてイオン伝導性を有している。また、シャフト72は、板ばね(図示省略)に接触して接地されている。
第3ロール80は、転写ベルトTBの内周に接触して、第2ロール70と転写ベルトTBとにニップN2を形成させる機能を有する。第3ロール80は、図2に示されるように、金属製のシャフト82と、円筒状の抵抗体84と、を備えている。抵抗体84は、シャフト82に嵌め込まれて接着されている。また、シャフト82の両端側の部分は、抵抗体84からはみ出している。また、第3ロール80は、図1及び図2に示されるように、転写ベルトTBを挟んで、第2ロール70の反対側(上側)に配置されている。そして、第3ロール80は、後述する可動部(図示省略)により可動されて、転写ベルトTBを第2ロール70(の弾性体74)に押付けるようになっている。なお、第3ロール80は、後述する電源PSから電圧が印加されるようになっている。そして、第3ロール80は、電源PSから印加された電圧を接触する転写ベルトTBに印加するようになっている。
可動部(図示省略)は、第3ロール80を上下方向に移動させる機能を有する。具体的には、可動部は、一対の軸受(図示省略)と、一対の引っ張りばね(図示省略)と、一対のカム(図示省略)と、を含んで構成されている。一対の軸受は、シャフト82の両端側の部分に嵌め込まれている。一対の引っ張りばねの一端は、それぞれ一対の軸受に引っ掛けられた状態で、第3ロール80を上側に引っ張っている。一対のカムは、シャフト(図示省略)の両端に固定された状態で、それぞれ一対の軸受を押圧している。また、一対のカムは、駆動源(図示省略)がシャフトを自軸(自らの軸のことをいう。)周りに回転させることで、一対の軸受を押圧しながら回転するようになっている。以上の構成より、可動部は、第3ロール80を上下方向に移動させるようになっている。なお、図1及び図2は、画像形成動作時(転写動作時)の位置(動作位置)に、第3ロール80が配置されている状態を示している。
電源PSは、第3ロール80(のシャフト82)に電圧を印加する機能を有する。具体的には、電源PSは、媒体PがニップN2を通過する際、シャフト82に2次転写電圧(負極性の電圧)を印加されるようになっている。その結果、転写ベルトTBと第2ロール70との間に第2ロール70から転写ベルトTBに向く電界が形成されて、転写ベルトTBに保持されているトナー像GがニップN2に搬送される媒体Pに転写(2次転写)されるようになっている。また、電源PSは、媒体PがニップN2を通過する前後に、シャフト82に2次転写電圧と逆極性の(正極性の)電圧(一例として0.5kV〜1.5kV)を印加されるようになっている。その結果、転写ベルトTBと第2ロール70との間に転写ベルトTBから第2ロール70に向く電界が形成されて、転写ベルトTBの非画像領域(トナー像Gが1次転写されていない領域のことをいう。)に付着したかぶりトナーT等を第2ロール70に転移させ難くしている。
検出部DTは、第2ロール70の抵抗値を検出する機能を有する。検出部DTは、図2に示されるように、第3ロール80のシャフト82及び第2ロール70のシャフト72に接続されている2つの端子ETを有している。各端子ETは、それぞれ第2ロール70のシャフト72と第3ロール80のシャフト82とに接続されている。そして、検出部DTは、転写ベルトTBに2次転写電圧が印加されている場合に、シャフト82とシャフト72との電位差を測定するようになっている。
以下、2次転写部36について補足する。
前述のとおり、第2ロール70の弾性体74は、一例としてイオン伝導性を有している。そして、本実施形態の第2ロール70は、転写ベルトTB及び第3ロール80に比べて、電圧が印加されることで経時的に抵抗値が変動(上昇及び低下)し易い。
前述のとおり、第3ロール80のシャフト82は、転写動作時に、電源PSから正極性及び負極性の電圧が印加されるようになっている。そして、第3ロール80に正極性及び負極性の電圧が印加されることは、第2ロール70に同等の大きさで逆極性の電圧が印加されることを意味する。そのため、本実施形態の第2ロール70は、転写動作時において、転写ベルトTB及び第3ロール80に比べて、抵抗値が大きく変動する状況で使用される。
制御部60Aは、転写装置30を構成する制御部60A以外の各部を制御する機能を有する。例えば、制御部60Aは、転写装置30を構成する駆動ロール34の駆動源の駆動、電源PSによる第3ロール80への2次転写電圧の印加等の制御を行うようになっている。また、制御部60Aは、2次転写部36の検出部DTから送られる第2ロール70の抵抗値の情報に応じて電源PSから第3ロール80に正極性又は負極性の電圧を印加させて、第2ロール70(の弾性体74)の抵抗値を調整するようになっている。すなわち、制御部60Aは、第2ロール70の抵抗値の調整を行う機能を有するといえる。以下、制御部60Aによる第2ロール70の抵抗値の調整の動作(以下、調整動作という。)について、図3及び図4を参照しつつ説明する。
本実施形態の調整動作は、画像形成装置10の使用開始から装置寿命まで行われるように設定されている。本実施形態の調整動作は、転写装置30による転写動作(一例として1次転写動作、2次転写動作その他転写に関する動作)に含まれる1つの動作とされている。そして、制御部60Aは、調整動作と、調整動作以外の転写動作とを並行して行うようになっている。ただし、制御部60Aは、転写装置30(2次転写部36)が2次転写動作を行っている期間中、調整動作に含まれるすべてのステップ(図3及び図4参照)のうちステップS140、ステップS150、ステップS200及びステップS210を行わないようになっている。
制御部60Aは、判断ステップS100において、画像形成装置10の使用開始からのカウント値が基準枚数であるか(基準枚数まで画像形成を行ったか)を判断するようになっている。そして、制御部60Aは、判断ステップS100で肯定判断をした場合、判断ステップS110の判断を行うようになっている。なお、制御部60Aは、判断ステップS100において否定判断をした場合、肯定判断をするまで判断ステップS100を行うようになっている。
制御部60Aは、判断ステップS110において、第2ロール70の抵抗値が基準値(一例として1.0×108Ω)よりも大きいかを判断するようになっている。ここで、第2ロール70の抵抗値は、以下のようにして測定される。制御部60Aは、電源PSにより特定電気経路に判断ステップS110のための電流(一例として+90μA)を流し、検出部DTにより第2ロール70のシャフト72と第3ロール80のシャフト82との間の電位差を測定させて、特定電気経路の抵抗値を検出させるようになっている。次いで、制御部60Aは、検出部DTのROMのテーブルから取り出した各電流値に対応する転写ベルトTB及び第3ロール80の抵抗値を用いて、検出した特定電気経路の抵抗値から第2ロール70の抵抗値を導出するようになっている。そして、制御部60Aは、判断ステップS110で肯定判断をした場合、ステップS120を行うようになっている。なお、制御部60Aは、判断ステップS110において否定判断をした場合、ステップS120を行わず、再度判断ステップS100の判断を行うようになっている。
制御部60Aは、ステップS120において、電源PSから第3ロール80に異なる2水準の電圧(一例として、0.1kV及び3kV)を印加させて、2水準の電圧に対応する特定電気経路の2つの抵抗値を検出部DTに検出させるようになっている。そして、制御部60Aは、検出部DTのROMのテーブルから取り出した各印加電圧に対応する転写ベルトTB及び第3ロール80の抵抗値を用いて、検出した特定電気経路の抵抗値から第2ロール70の抵抗値を算出し、異なる2水準の電圧を印加させた場合の第2ロール70の抵抗値の差分(以下、差分Δという。)を導出するようになっている。制御部60Aは、ステップS120が終了すると、判断ステップS130の判断を行うようになっている。
制御部60Aは、判断ステップS130において、差分Δの値が定められた上限値(一例として0.3logΩ)よりも大きいかを判断するようになっている。そして、制御部60Aは、判断ステップS130で肯定判断をした場合、ステップS140を行うようになっている。これに対して、制御部60Aは、判断ステップS130で否定判断をした場合、ステップS150を行うようになっている。
制御部60Aは、ステップS140において、直前に第3ロール80に印加されていた2次転写電圧と逆極性の電圧(逆電圧、一例として2次転写電圧(の絶対値)と同等の大きさの電圧)を、電源PSから第3ロール80に定められた期間(一例として2秒)印加させるようになっている。そして、制御部60Aは、ステップS140が終了すると、判断ステップS160を行うようになっている。なお、ステップS140は、逆印加モードの一例である。
制御部60Aは、ステップS150において、電源PSから第3ロール80へ2次転写電圧と同極性の電圧(一例として直前に第3ロール80に印加されていた2次転写電圧)を、定められた期間(一例として2秒)印加させるようになっている。そして、制御部60Aは、ステップS150が終了すると、判断ステップS160を行うようになっている。なお、ステップS150は、正印加モードの一例である。
制御部60Aは、判断ステップS160において、判断ステップS100で肯定判断をした後のカウント値が基準枚数であるか(基準枚数まで画像形成を行ったか)を判断するようになっている。そして、制御部60Aは、判断ステップS160で肯定判断をした場合、判断ステップS170の判断を行うようになっている。なお、制御部60Aは、判断ステップS160において、判断ステップS100と同様に否定判断をした場合、肯定判断をするまで判断ステップS160を行うようになっている。
制御部60Aは、判断ステップS170において、第2ロール70の抵抗値が基準値よりも大きいかを判断するようになっている。制御部60Aは、判断ステップS170において、判断ステップS110と同様の方法で第2ロール70の抵抗値を導出するようになっている。そして、制御部60Aは、判断ステップS170において肯定判断をした場合、ステップS180を行うようになっている。これに対して、制御部60Aは、判断ステップS170において否定判断をした場合、ステップS180を行わず、再度判断ステップS100の判断を行うようになっている。
制御部60Aは、ステップS180において、ステップS120と同様の方法で、差分Δを導出するようになっている。そして、制御部60Aは、ステップS180が終了すると、判断ステップS190の判断を行うようになっている。
制御部60Aは、判断ステップS190において、判断ステップS130と同様に差分Δの値が定められた上限値よりも大きいかを判断するようになっている。そして、制御部60Aは、判断ステップS190で肯定判断をした場合、ステップS200を行うようになっている。これに対して、制御部60Aは、判断ステップS190で否定判断をした場合、ステップS210を行うようになっている。
制御部60Aは、ステップS200において、電源PSから第3ロール80へ直前に第3ロール80に印加されていた2次転写電圧と逆極性の電圧であって、2次転写電圧(の絶対値)よりも大きい電圧(一例として2次転写電圧よりも10%大きい電圧)を、定められた期間(一例として2秒)印加させるようになっている。そして、制御部60Aは、ステップS200が終了すると、再び判断ステップS160を行うようになっている。なお、前述の2次転写電圧(の絶対値)よりも大きい電圧とは、先に行ったステップS140で第3ロール80に印加した電圧のことである。
制御部60Aは、ステップS210において、電源PSから第3ロール80へ直前に第3ロール80に印加されていた2次転写電圧と同極性の電圧であって、2次転写電圧(の絶対値)よりも大きい電圧(一例として2次転写電圧よりも10%大きい電圧)を、電源PSから第3ロール80に定められた期間(一例として2秒)印加させるようになっている。そして、制御部60Aは、ステップS210が終了すると、再び判断ステップS160を行うようになっている。なお、前述の2次転写電圧(の絶対値)よりも大きい電圧とは、先に行ったステップS150で第3ロール80に印加した電圧のことである。
前述の調整動作は、第2ロール70の抵抗上昇による転写不良の発生を抑制するために行われるものである。以下、前述の調整動作を行うことで第2ロール70の抵抗上昇を抑制するメカニズムを説明する。
次に、本実施形態の画像形成装置10の動作について、図面を参照しつつ説明する。
次に、本実施形態の作用(第1〜第3の作用)について説明する。
まず、本実施形態の第1の作用を以下に想定する比較形態と比較しながら図面を参照しつつ説明する。なお、比較形態の説明において、本実施形態で用いた部品等と同じ部品等を用いる場合、その部品等の符号をそのまま用いる。
次に、本実施形態の第2の作用について説明する。
次に、本実施形態の第3の作用について説明する。
次に、実施例及び比較例について図面を参照しつつ説明する。なお、各実施例及び各比較例の説明において、本実施形態で用いた部品等と同じ部品等を用いる場合、その部品等の符号をそのまま用いる。
以下に説明する実施例の画像形成装置及び比較例の画像形成装置を用いて、第2ロール70の抵抗値の特性の測定及び媒体Pに形成された画像の評価を行った。
実施例の画像形成装置は、実施例1として図9の画像形成装置10Bと、実施例2として本実施形態の画像形成装置10とである。なお、実施例1の画像形成装置10Bは、検出部DTの2つの端子ETが第2ロール70のシャフト72と弾性体74の外周とに接触するように構成されている。そのため、実施例1の場合、第2ロールの電圧を測定して、第2ロール70に流れる電流との関係から第2ロール70の抵抗値を導出するようになっている。実施例1の画像形成装置10Bは、上記の点以外は、本実施形態の画像形成装置10と同様の構成とされている。なお、実施例1の画像形成装置10B及び転写装置30Bは、本発明の技術的範囲に含まれることはいうまでもない。
比較例の画像形成装置は、比較例1として図10の画像形成装置10Aと、比較例2として図11の画像形成装置10Cとである。比較例1の画像形成装置10Aは、上記の点以外は、本実施形態の画像形成装置10と同様の構成とされている。また、比較例2の画像形成装置10Cは、第2ロール70のシャフト72を接地せず、第2ロール70(の弾性体74)の外周に接触する金属製ロールMRを接地している。そして、金属製ロールMRに電源PSの一方の出力端子を接続している。比較例2の画像形成装置10Cは、上記の点以外は、比較例1の画像形成装置10Aと同様の構成とされている。
上記の画像形成装置10、10B、10A、10Cを用いて、A4サイズの媒体Pに、ハーフトーンのベタ画像の画像形成を媒体Pの枚数80万枚まで行った。そして、この実験では、初期(画像形成開始前)、媒体Pに40万枚及び80万枚の画像形成を行った後で、抵抗値の特性の測定と、画質の評価を行った。
以下、図12にまとめた表に基づいて、本実験の評価結果について説明する。
〔抵抗値について〕
実施例1及び2の場合、抵抗値(体積抵抗率(logΩ))は、最大7.5(初期から抵抗値が0.1上昇)であった。すなわち、実施例1及び2の場合、各評価時において、抵抗値が基準値を超えていなかった。これに対して、比較例1の抵抗値は最大8.2(初期から抵抗値が0.8上昇)、比較例2の抵抗値は最大7.7(初期から抵抗値が0.5上昇)であった。すなわち、比較例1及び2の場合、画像形成枚数が増えるほど、抵抗値が大きくなり、比較例1の場合は40万枚の時点で基準値を超え、比較例2の場合は、80万枚の時点で基準値を超えていた。以上より、実施例1及び2は、比較例1及び2に比べて、第2ロール70の抵抗値が上昇し難いといえる。
実施例1及び2の場合、差分Δは、評価時に関わらず0.2であった。これに対して、比較例1の差分Δは最大0.8(初期から抵抗値が0.6上昇)、比較例2の差分Δは最大0.5(初期から抵抗値が0.3上昇)であった。以上より、実施例1及び2は、評価時に関わらず差分Δが上昇しない(し難い)といえる。これに対して、比較例1及び2は、実施例1及び2に比べて、第2ロール70の差分Δが上昇し易いといえる。
以下、各評価において、○は良好(問題がない状態)、△は○よりは悪い状態、×は不良(△よりも悪い状態であって、問題がある状態)とした。
実施例1及び2の場合、評価時に関わらず転写不良が観察されなかった。これに対して、比較例1では、40万枚及び80万枚の画像形成を行った後、転写不良が観察された。また、比較例2では、80万枚の画像形成を行った後、実施例1に比べて注意して発見できる程度の転写不良が観察された。
実施例1及び2の場合、評価時に関わらず連鎖状白抜けが観察されなかった。これに対して、比較例1及び2では、40万枚及び80万枚の画像形成を行った後、連鎖状白抜けが観察された。
前述のとおり、比較例1の画質の評価の結果は、全体の中で最も悪い結果となった。これについて、図12の表を見ると、比較例1の場合、実施例1及び2並びに比較例2に比べて、経時的に第2ロール70の抵抗値が上昇しやすく、また、第2ロール70の差分Δが大きくなる傾向にあることがわかる。そして、比較例2の場合、第2ロール70の抵抗値が基準値を超えると転写不良及び連鎖状白抜けの不良が観察された。
10B 画像形成装置
20 トナー像形成部(形成部の一例)
30 転写装置
30B 転写装置
60A 制御部
70 第2ロール(転写部材の一例)
80 第3ロール(接触体の一例)
Δ 差分
DT 検出部
G トナー像
N2 ニップ
P 媒体
PS 電源
TB 転写ベルト(像保持体の一例)
Claims (6)
- トナー像を保持する像保持体とで形成するニップに搬送される媒体に、前記像保持体が保持するトナー像を転写する転写部材と、
媒体にトナー像を転写させる転写電圧を、前記像保持体又は前記転写部材に印加する電源と、
前記電源が前記像保持体又は前記転写部材に電圧を印加している状態で、前記転写部材の抵抗値を検出する検出部と、
前記転写部材の抵抗値が定められた基準値よりも大きい場合において、前記電源に異なる2水準の電圧を印加させて前記検出部で検出した2つの抵抗値の差分が定められた上限値以下のときは、前記電源に前記転写電圧と同極性の正電圧を印加させる正印加モードを行う制御部と、
を備えた転写装置。 - 前記制御部は、前記正印加モードを行った後に前記検出部で検出した前記差分が前記上限値以下のときは、前記転写電圧と同極性で前記正電圧よりも大きい電圧を印加させる、
請求項1記載の転写装置。 - 前記制御部は、前記抵抗値が前記基準値よりも大きい場合において、前記差分が定められた上限値よりも大きいときは、前記電源に前記転写電圧と逆極性の逆電圧を印加させる逆印加モードを行う、
請求項1又は2記載の転写装置。 - 前記制御部は、前記逆印加モードを行った後に前記検出部で検出した前記差分が前記上限値よりも大きいときは、前記転写電圧と逆極性で前記逆電圧よりも大きい電圧を印加させる、
請求項3記載の転写装置。 - 前記像保持体は、ベルトであり、
前記転写部材とで前記ベルトを挟む接触体を備え、
前記検出部は、前記電源が前記転写部材に電圧を印加している状態又は前記電源が前記接触体を介して前記ベルトに電圧を印加している状態で、前記転写部材、前記ベルト及び前記接触体で形成される電気経路の抵抗値を検出して前記転写部材の抵抗値を導出する、
請求項1〜4の何れか1項に記載の転写装置。 - 請求項1〜5の何れか1項記載の転写装置と、
前記像保持体が保持するトナー像を形成する形成部と、
を備えた画像形成装置。
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