JP6108820B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
この環境変動、及び耐久変動に関わらず、画像形成時に常に最適な転写電圧を印加するため、画像形成を行う前に、各画像形成部における抵抗を検知し、その検知結果に基づき、画像形成中の転写電圧を決定する必要がある。例えば、特許文献1では、各ステーションに流れる電流をある目標電流に一定に保つように定電流制御をし、その際の電圧を検知することで各画像形成部における抵抗を検知し、その結果に基づき、画像形成時に印加する定電圧値を決定する制御が開示されている。
電流検知回路71が複数の画像形成部において共通化されていると、電流検知回路71は各画像形成部に流れる電流を合算した電流、すなわち、Itotal=I1+I2+I3+I4を検知する。すなわち、各画像形成部の抵抗の平均値Raveを計算式Rave=(4×V)/(I1+I2+I3+I4)より算出することは出来るものの、各画像形成部の抵抗R1、R2、R3、R4を個別に算出することが出来ない。そのため、各画像形成部の各種状況に応じた転写バイアスを選択することが出来ないという課題があった。
例えば、印刷画像におけるあるステーションの色の比率が低い画像が継続して印刷された場合、前記ステーション以外のステーションのトナーが消費されるため、前記ステーション以外のステーションでは、新品のユニットと交換される。一方で、前記ステーションのトナー消費量は少ないため、前記ステーションのユニットは交換されない。その場合、前記ステーションで回収される廃トナー量が多くなるため、Sdステーションの廃トナーボックスから、廃トナーが漏れ出してしまうリスクがある。このリスクをCPUが印刷画像データを解析することで感知していた場合であっても、前記ステーションの個別の抵抗が分からなかった。そのため、前記ステーションに最適な電圧を印加し、転写効率を上げ、廃トナー量を減らすことで、廃トナーが漏れ出してしまうリスクを下げるといったことが出来なかった。
また、例えば、上流ステーションのトナー像が下流ステーションを通過する際に、下流
ステーションにおける電圧が適正電圧よりも大きい場合に、トナー像が放電を受け、トナーの極性が反転(正極性)してしまう。その結果、極性が反転したトナーが中間転写ベルト6の外周面上から、下流ステーションの感光ドラム1に逆転写され、画像濃度が低下してしまう現象が発生してしまう虞があった。その場合であっても、ステーションの個別の抵抗が分からないために、下流ステーションに最適な電圧を印加することで、その現象を抑制するといったことが出来なかった。
複数の像担持体と、
前記複数の像担持体に対向して設けられ、前記像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写位置と、転写しない非転写位置との間を移動可能に設けられる複数の転写手段と、
前記複数の転写手段のそれぞれに同じ大きさの電圧を印加する共通化された一つの電圧印加手段と、
前記電圧印加手段が印加する電圧を制御可能な制御手段と
前記電圧印加手段によって前記転写手段に電圧が印加されることによって前記転写手段に流れる電流値を検知する検知手段と、
を有する画像形成装置において、
前記制御手段は、
非画像形成時に、前記複数の転写手段のうち一の転写手段である第1転写手段のみが前
記転写位置にある状態で、前記電圧印加手段が電圧を印加したときに前記検知手段が検知した第1電流値とその時の印加電圧値から得られる第1抵抗値に基づいて、
画像形成時に前記第1転写手段に流れる電流値が所定の値となる第1電圧値を決定し、
非画像形成時に、前記第1転写手段以外の第2転写手段のみが前記転写位置にある状態で、前記電圧印加手段が電圧を印加したときに前記検知手段が検知した第2電流値とその時の印加電圧値から得られる第2抵抗値に基づいて、
画像形成時に前記第2転写手段に流れる電流値が所定の値となる第2電圧値を決定し、
画像形成時に前記複数の転写手段に印加する電圧値を、
前記第1抵抗値と、前記第2抵抗値との差に基づいて、前記第1電圧値と前記第2電圧値との間の電圧値とすることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明は、
トナー像を担持する第1の像担持体と、
トナー像を担持する第2の像担持体と、
前記第1の像担持体に対向して設けられ、前記第1の像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写位置と、転写しない非転写位置との間を移動可能に設けられる第1転写手段と、
前記第2の像担持体に対向して設けられ、前記第2の像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写位置と、転写しない非転写位置との間を移動可能に設けられる第2転写手段と、
前記第1転写手段と前記第2転写手段それぞれに同じ大きさの電圧を印加する共通化された一つの電圧印加手段と、
前記電圧印加手段が印加する電圧を制御可能な制御手段と、
前記電圧印加手段によって電圧が印加されることによって流れる電流値を検知する検知手段と、
を有する画像形成装置において、
前記制御手段は、
非画像形成時に、前記第1転写手段のみが前記転写位置にある状態で、前記電圧印加手段が電圧を印加したときに前記検知手段が検知した第1の電流値とその時の第1の印加電圧値から第1抵抗値を算出し、前記第1転写手段と前記第2転写手段の両方が前記転写位置にある状態で、前記電圧印加手段が電圧を印加したときに前記検知手段が検知した第2の電流値とその時の第2の印加電圧から第2抵抗値を算出し、
画像形成時に前記第1転写手段と前記第2転写手段に印加する電圧値を、前記第1抵抗値と前記第2抵抗値に基づいて、決定することを特徴とする。
まず、図1を用いて、本実施例に係るカラー画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、本実施例に係るカラー画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。本実施例に係るカラー画像形成装置100は、電子写真方式のフルカラーレーザビームプリンタであって、タンデム型の中間転写方式を採用している。すなわち、カラー画像形成装置100は、複数色成分に分解された画像情報に従って形成した各色のトナー像を中間転写ベルト6上に順次重ね合わせて一次転写した後、転写材としてのシート材Pに一括して二次転写することでカラー画像を得る。
当接離間可能な構成となっている。当接状態時は台座10上に保持されたブラシ繊維11が、中間転写ベルト6の裏面を押し上げ、中間転写ベルト6の外周面が感光ドラム1表面と400gfの当接圧で当接するような構成となっている。一方で、離間状態時には一次転写ブラシ5は中間転写ベルト6に対し、離間するとともに、中間転写ベルト6に対し、感光ドラム1は離間する構成となっており、その結果電流経路が遮断される。一次転写工程において中間転写ベルト6に転写されずに感光ドラム1上に残留した転写残トナーは、感光ドラムクリーニングブレード7によりクリーニングされ、廃トナーボックスに収容される。
本実施例のカラー画像形成装置100では、中間転写ベルト6の材質として、イオン導電性を有するPEN(ポリエチレンナフタレート)を用いている。従って、環境変動により、中間転写ベルト6の抵抗が大きく変動する。また、転写手段として一次転写ブラシ5を用いており、耐久によりブラシ繊維11と中間転写ベルト6の内周面との間に付着物が付着するため、使用するに従って抵抗上昇する。このような、環境変動・耐久変動下においても画像形成時に最適な転写電圧(転写バイアス)値を選択出来るように、画像形成前、すなわち、非画像形成時に画像形成部の抵抗値を算出する。その結果に基づいて画像形成中の印加バイアスを決定するATVC(Active Transfer Voltage Control)制御を一次転写制御として採用している。本実施例においては、ATVC制御は、非画像形成時としての画像形成動作前の前回転時に画像形成毎に行なわれる。詳細な制御方法に関しては、シーケンスの項で後述する。
次に、図2を用いて、本実施例において検知される電流値について説明する。図2(1a)、図2(2a)は、一次転写ブラシの当接離間状態を示す拡大概略図である。図2(2a)、図2(2b)は、図2(1a)、図2(2a)の状態における電流検知回路を示す図である。
2a)に示すように、一次転写ブラシ5aを離間した状態の場合には、ステーションSaに流れる電流経路は遮断されるため、ステーションSaには電流は流れない。電流は図2(b)に示すように、当接状態のステーションSb、Sc、Sdのみに流れ、それらの電流を合算した電流値Iall=Ib+Ic+Idが電流検知回路51にて検知される。
<実施例1:当接離間機構>
以下、実施例1について説明する。まず、図3を用いて、実施例1における一次転写ブラシの当接離間機構について説明する。図3(a)は、実施例1における一次転写ブラシの当接状態を示す拡大概略図であって、図3(b)は、実施例1における一次転写ブラシの離間状態を示す拡大概略図である。
次に、実施例1の特徴的構成であるATVCシーケンスについて説明する。実施例1においては、前回転時等の非画像形成時に、第1転写手段としての一次転写ブラシ5dのみが当接位置にある状態で定電流制御を行う。この時、電流検知回路51で検知される電流値を第1電流値とする。この第1電流値は、一次転写ブラシ5dの使用状態、すなわち抵抗値によって決まるものである。第1電流値と、この時の印加電圧値とによって得られる抵抗値を第1抵抗値とする。この第1抵抗値に基づいて、画像形成時に一次転写ブラシ5dに流れる電流値が転写不良等が生じにくい所定の値となるような転写電圧である第1電圧値が決定される。実施例1においては、この第1電圧値を基準として、画像形成時に、転写電源50が、全ての一次転写ブラシ5a〜5dに印加する電圧値が決定されることとなる。
電圧値Vatを所定時間、記憶し、演算を行うことで抵抗値Raを計算式Ra=Vat/Itより算出する(ステップ4)。抵抗値の算出終了後、CPUは一次転写電源50の電流供給を終了する(ステップ5)。CPUは不図示のクラッチaを連結することで偏心カム21aを更に回転させ、一次転写ブラシ5aを離間状態とする。
以下に実施例の制御を用いて、廃トナーパンクリスクを低減した場合の廃トナーパンクリスクと、従来の制御を用いた比較例における廃トナーパンクリスクの測定結果を示す。測定は、各ステーションの抵抗値がそれぞれ以下のケース1〜3の場合について行った。(ケース1)Ra=50MΩ、Rb=50MΩ、Rc=50MΩ、Rd=50MΩ
(ケース2)Ra=50MΩ、Rb=50MΩ、Rc=50MΩ、Rd=70MΩ
(ケース3)Ra=50MΩ、Rb=50MΩ、Rc=50MΩ、Rd=30MΩ
ることが可能である。従って、前記再転写性の悪化が予期された場合には、転写電圧値を
最適値と対し、若干低い値に選択することで、前記再転写性の悪化を抑制・防止することが出来る。
実施例2の画像形成装置101は、当接離間機構と、シーケンスの点で、実施例1の画像形成装置100と異なる。その他の構成に関しては同様であるため、説明を省略する。図6は、実施例2における一次転写ブラシの当接離間機構の構成を示す図である。図6(a)は一次転写ブラシ5dの当接離間機構を示す拡大概略図であり、図6(b)、図6(c)は、一次転写ブラシ5a〜5cの当接離間機構を示す拡大概略図である。
図6(a)に示すように、実施例2のカラー画像形成装置101は、実施例1のカラー画像形成装置100と異なり、ステーションSdが当接離間機構を持たない。すなわち、ステーションSdは、常に、押圧バネ9dにより、400gfの当接圧で中間転写ベルト6の外周面が感光ドラム1dの表面に当接する。
偏心カム211が回転すると、図6(b)に示すように、偏心カム211による揺動アーム53の押し下げが解除される。偏心カム211による揺動アーム53への押圧が解除されると、一次転写ブラシ5a、5b、5cは押圧バネ9の押圧力により中間転写ベルト6を押し上る。そして、中間転写ベルト6の外周面が感光ドラム1に400gfの当接圧で当接し、4つのステーション全てが当接の状態となる。この状態を以下、フル当接状態と呼ぶ。
図7は、実施例2におけるATVCシーケンスのフローチャート図である。また、図8(1a)、図8(2a)に一次転写ブラシ5の当接離間状態を示す。更に、図8(1b)、図8(2b)に、その当接離間状態時の等価回路を示す。
ーションSa、Sb、Scにおける抵抗の平均値Rabc、及び電流値Iabcの平均値を算出可能となる。その結果、ステーションSdの抵抗値Rdだけでなく、ステーションSa、Sb、Scにおける平均抵抗値Rabcの両者を考慮して、画像形成電圧Vpを選択することが可能となる。
本実施例のカラー画像形成装置102は、実施例1、実施例2の画像形成装置と異なり、各ステーションの抵抗値の算出結果を転写バイアスだけでなく、転写バイアスと帯電バイアスの両者に反映させる点が異なる。画像形成装置の構成に関しては実施例2のカラー画像形成装置101と同様のため、説明は省略する。
図9に本実施例のATVCの工程を示す。実施例2のカラー画像形成装置101とステップ9までは同一のため省略する。ステップ9の後、CPU1は、帯電ローラ2dが備えられるステーションSdにおける分担電圧Vdを下記計算式(式4)より算出する。また、第2帯電手段としての帯電ローラ2a、2b、2cが備えられるステーションSa、Sb、Scにおける分担電圧の平均値Vabcを下記計算式(式5)より算出する(ステップ10)。
画像形成時において、前記画像形成電圧Vpと、帯電電圧値Vpabc、Vpdを所定のタイミングで印加し、感光ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト6の外周面上に転写させる(ステップ12)。感光ドラム1d上のトナー像を中間転写ベルト6の外周面へ転写し終えた後、画像形成電圧Vp、Vpabc、Vdの印加を終了する(ステップ13)。
〜5cに印加される電圧と、の重畳電圧値が第2電圧値に近づくように、帯電電圧値を増減している。その結果、モノ印字モードが継続し、ステーションSdの一次転写ブラシ5dの抵抗が上昇した場合であっても、各ステーションに最適な転写電界を形成し、画像不良のない、画像の提供を可能とする。
Claims (7)
- 複数の像担持体と、
前記複数の像担持体に対向して設けられ、前記像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写位置と、転写しない非転写位置との間を移動可能に設けられる複数の転写手段と、
前記複数の転写手段のそれぞれに同じ大きさの電圧を印加する共通化された一つの電圧印加手段と、
前記電圧印加手段が印加する電圧を制御可能な制御手段と
前記電圧印加手段によって前記転写手段に電圧が印加されることによって前記転写手段に流れる電流値を検知する検知手段と、
を有する画像形成装置において、
前記制御手段は、
非画像形成時に、前記複数の転写手段のうち一の転写手段である第1転写手段のみが前記転写位置にある状態で、前記電圧印加手段が電圧を印加したときに前記検知手段が検知した第1電流値とその時の印加電圧値から得られる第1抵抗値に基づいて、
画像形成時に前記第1転写手段に流れる電流値が所定の値となる第1電圧値を決定し、
非画像形成時に、前記第1転写手段以外の第2転写手段のみが前記転写位置にある状態で、前記電圧印加手段が電圧を印加したときに前記検知手段が検知した第2電流値とその時の印加電圧値から得られる第2抵抗値に基づいて、
画像形成時に前記第2転写手段に流れる電流値が所定の値となる第2電圧値を決定し、
画像形成時に前記複数の転写手段に印加する電圧値を、
前記第1抵抗値と、前記第2抵抗値との差に基づいて、前記第1電圧値と前記第2電圧値との間の電圧値とすることを特徴とする画像形成装置。 - トナー像を担持する第1の像担持体と、
トナー像を担持する第2の像担持体と、
前記第1の像担持体に対向して設けられ、前記第1の像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写位置と、転写しない非転写位置との間を移動可能に設けられる第1転写手段と、
前記第2の像担持体に対向して設けられ、前記第2の像担持体上に形成されたトナー像
を被転写体に転写する転写位置と、転写しない非転写位置との間を移動可能に設けられる第2転写手段と、
前記第1転写手段と前記第2転写手段それぞれに同じ大きさの電圧を印加する共通化された一つの電圧印加手段と、
前記電圧印加手段が印加する電圧を制御可能な制御手段と、
前記電圧印加手段によって電圧が印加されることによって流れる電流値を検知する検知手段と、
を有する画像形成装置において、
前記制御手段は、
非画像形成時に、前記第1転写手段のみが前記転写位置にある状態で、前記電圧印加手段が電圧を印加したときに前記検知手段が検知した第1の電流値とその時の第1の印加電圧値から第1抵抗値を算出し、前記第1転写手段と前記第2転写手段の両方が前記転写位置にある状態で、前記電圧印加手段が電圧を印加したときに前記検知手段が検知した第2の電流値とその時の第2の印加電圧から第2抵抗値を算出し、
画像形成時に前記第1転写手段と前記第2転写手段に印加する電圧値を、前記第1抵抗値と前記第2抵抗値に基づいて、決定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1転写手段は、前記被転写体の移動方向において、前記第2転写手段よりも下流側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記第1転写手段は、ブラックのトナー像を前記被転写体に転写する転写手段であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記被転写体は、シート材であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記被転写体は、回転可能に設けられる無端状の中間転写ベルトであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記第1転写手段と前記第2転写手段の前記非転写位置は、前記中間転写ベルトから離間した位置であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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