JPH09114273A - 画像形成装置の転写装置 - Google Patents

画像形成装置の転写装置

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JPH09114273A
JPH09114273A JP27127495A JP27127495A JPH09114273A JP H09114273 A JPH09114273 A JP H09114273A JP 27127495 A JP27127495 A JP 27127495A JP 27127495 A JP27127495 A JP 27127495A JP H09114273 A JPH09114273 A JP H09114273A
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JP
Japan
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transfer
bias
roll
resistance value
transfer roll
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Application number
JP27127495A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Masuko
和久 増子
Tsukasa Inao
司 稲生
Norichika Hirohashi
範親 広橋
Toshihiro Kanematsu
寿弘 兼松
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン導電体からなる転写ロールに直流バイ
アスを印加して使用する転写装置を、低温低湿環境下で
連続して動作させた場合でも、転写時の直流バイアスで
導電イオンの偏りが積算されて抵抗値が上昇してしまう
現象を、画像形成の生産性を低下させることなく、また
像担持体を逆帯電させて所定の帯電電位が得られなくな
ったり、像担持体を絶縁破壊させることなく防止可能な
画像形成装置の転写装置を提供することを目的とする。 【構成】 転写ロールの抵抗値を検出する抵抗値検出手
段と、前記抵抗値検出手段により検出された転写ロール
の抵抗値に応じて、非転写時に、当該転写ロールに転写
時に印加した直流バイアスとは逆極性のバイアスを画像
形成に要した転写時の転写バイアスの積算量に相当する
範囲で印加する逆バイアス印加手段とを有するように構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、静電複写機や静電プ
リンタ等の静電転写プロセスを利用する画像形成装置に
関し、特に当該画像形成装置においてロール状の転写手
段を使用した転写装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の静電複写機や静電プリン
タ等の静電転写プロセスを利用する画像形成装置におい
ては、感光体ドラム等の像担持体の表面に可転写トナー
像を静電気的に形成した後、この可転写トナー像を転写
用紙などの転写媒体に転写することにより、画像を形成
するように構成されている。このように構成される画像
形成装置では、像担持体上に形成された可転写トナー像
を転写用紙などの転写媒体に転写する際に、像担持体の
表面に接触する転写部材を設け、これら像担持体と転写
部材との間のニップ部に転写媒体を通過させるととも
に、このとき転写部材に可転写トナー像の帯電極性と逆
極性のバイアス電圧を印加して、像担持体上の可転写ト
ナー像を転写媒体に転写するように構成したものがあ
る。
【0003】かかる接触型の転写方式を採用した画像形
成装置では、従来から広く実用されているコロナ放電器
を使用した装置に比べて、放電電極たるワイヤがないの
でその汚れによる障害がなく、高圧放電によるオゾンや
窒素酸化物の発生等がないという利点を有している。
【0004】上記接触型の転写装置の構成としては、無
端状に走行する像担持体に、ロール形状の転写部材を回
転させながら圧接する方式が主に採用されている。
【0005】このように、上記転写装置としては、例え
ば、金属等からなる導電性基体の上に、導電性を所望の
値に調整した弾性体層を被覆してなる転写ロールが用い
られるが、このような導電体ロールに採用される弾性体
層としては、カーボン等の導電性微粉末を配合して電子
伝導機構により所望の導電性を付与したゴムや、有機塩
等の導電性物質を配合してイオン導電機構により所望の
導電性を付与したウレタンフォーム等が挙げられる。
【0006】上記電子伝導機構を利用した導電性ゴムを
用いた転写ロールは、カーボン等の導電性微粉末からな
る導電材を均一に分散することが困難であるため、当該
転写ロールの抵抗値にムラが発生し易く、転写ロールの
抵抗値が高い箇所では、転写に必要な電荷を転写媒体に
注入することができずに、転写ムラが発生するという問
題点があった。
【0007】これに対して、上記イオン導電機構を利用
した転写ロールでは、当該転写ロールの導電性自体は分
子分散で付与されるため導電性を均一化することがで
き、転写ロールの抵抗値のムラが少なく、転写ロールの
抵抗値の不均一性に起因する転写ムラが発生し難いの
で、イオン導電タイプの転写ロールが採用されることが
多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
の場合には、次のような問題点を有している。すなわ
ち、上記イオン導電タイプの転写ロールからなる転写装
置は、図6に示すように、転写ロール100の導電性が
イオンの移動度に起因するが、イオンはウレタンフォー
ム等の基材中に含まれる水分を介して移動するので、乾
燥状態では、転写ロールの基材中のイオン移動度が低下
する。そのため、イオン導電体からなる転写ロールは、
低温低湿環境下(例えば、温度10℃、湿度30%以
下)において、直流バイアスを印加した状態で連続使用
していると、図7に示すように、転写ロール100と像
担持体101との転写媒体を介したニップ部でバイアス
電圧により転写ロールの表面に移動したイオンが、ニッ
プ部から離れて次にニップするまでの間に平衡状態に戻
れなくなり、次第に転写ロールの表面にイオンが蓄積さ
れる。そして、上記転写ロールの表面に蓄積されたイオ
ンの電荷によって新たなイオンの移動が阻害されて、見
掛け上の転写ロールの抵抗値が上昇するという現象が発
生する。
【0009】上記転写ロールの抵抗値がある値を越える
と、転写ロールの電源が定電圧電源の場合には、転写電
流が不足して転写濃度が低下するという問題点が発生す
る。また、上記転写ロールの電源が定電流電源の場合に
は、一定の電流を供給するために必要な電源電圧が電源
のリミット電圧を越えると、それ以上に要求される転写
電流が供給できなくなるため、やはり転写濃度が低下す
るという問題点が発生する。
【0010】このように、従来のイオン導電体からなる
転写ロールを、低温低湿環境下で連続使用した場合に、
当該転写ロールに発生する抵抗値上昇の問題点を解決す
る方法は提案されていないが、イオン導電体からなる転
写ロールのこのような問題を解決する方法としては、非
転写部または非転写時に転写ロールに転写時と反対極性
のバイアスを印加して、ロール表面のイオンの蓄積を解
消する方法が考えられる。
【0011】このような方法と類似した技術としては、
特公昭51−44409号公報に開示されているものが
ある。この特公昭51−44409号公報に開示された
転写装置は、誘電体被覆ローラを使用する転写装置にお
いて、誘電体被覆ローラが被印加物に接触している場所
とは異なった場所に、誘電体に印加している高電圧とは
逆極性の高電圧を印加せしめるように構成したものであ
る。
【0012】しかし、この特公昭51−44409号公
報に開示された転写装置は、誘電体被覆ローラが被印加
物に接触している場所とは異なった場所に、誘電体に印
加している高電圧とは逆極性の高電圧を印加せしめるよ
うに構成されているので、転写ロールが転写媒体と接触
している際に逆極性電圧を印加したのでは電流が逆極性
印加部材に流れてしまうため、所定の転写電流が得られ
ないという問題が発生する。一方、非転写時に転写ロー
ルに逆極性電圧を印加すれば、このような問題点は回避
できるが、逆極性印加部材を新たに設ける必要があるた
め、部品点数が増加するとととも、転写部のスペースが
大きくなるという問題点が新たに生じる。
【0013】また、上記転写ロールに発生する抵抗値上
昇の問題点を解決し得る技術としては、特開昭63−2
47781号公報や特開平1−292385号公報、あ
るいは特開平3−69978号公報等に開示されている
ように、非転写時に転写ロールに転写時とは反対極性の
バイアス電圧を印加するものも既に提案されている。
【0014】ところで、転写ロールを用いた画像形成装
置では、転写媒体のサイズよりも原稿の画像が大きく、
像担持体上に形成されたトナー像が直接転写ロールに転
移してしまった場合や、転写媒体のジャムが発生した場
合などには、転写ロールが著しく汚されて、後続する転
写媒体を汚したり転写バイアスが実質的に不足して転写
不良を生じたりするという問題点が以前から指摘されて
いる。
【0015】上記特開昭63−247781号公報や特
開平1−292385号公報等に提案されている技術
は、このような問題を回避するため、非転写時に転写ロ
ールに転写時とは反対極性のバイアスを印加してトナー
を像担持体に転移させて転写ロールをクリーニングする
ことを目的としたものである。
【0016】かかる技術を応用して、イオン導電体から
なる転写ロールの低温低湿環境下での連続運転における
抵抗値上昇を解決するためには、転写時とは逆極性のバ
イアスを、転写時に印加した直流バイアスの積算値に相
当するだけ印加する必要がある。例えば、転写時と同一
の逆極性電圧を転写時に印加したと同程度の時間だけ印
加する必要がある。また、転写時に印加したよりも高い
逆電圧を、転写時間より印加時間を短くして印加する方
法も考えられる。
【0017】しかしながら、クリーニングサイクルの都
度に転写に要したのと同じ時間だけ逆バイアスを印加す
るのでは、プリント及び複写の生産性が大幅に低下する
という問題点が新たに生ずる。また、プリント及び複写
の生産性を向上するため、逆バイアスの印加時間を短く
しようと逆バイアス電圧を高くしたのでは、像担持体を
逆帯電させて所定の帯電電位が得られなくなったり、像
担持体を絶縁破壊させてしまう大きな問題点が新たに発
生する。
【0018】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたもので、その目的とすると
ころは、イオン導電体からなる転写ロールに直流バイア
スを印加して使用する転写装置を、低温低湿環境下で連
続して動作させた場合でも、転写時の直流バイアスで導
電イオンの偏りが積算されて抵抗値が上昇してしまう現
象を、画像形成の生産性を低下させることなく、また像
担持体を逆帯電させて所定の帯電電位が得られなくなっ
たり、像担持体を絶縁破壊させることなく防止可能な画
像形成装置の転写装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載の画像形成装置の転写装置は、可転写トナー像が形成
された像担持体に導電性弾性体層を有する転写ロールを
圧接させ、これら像担持体と転写ロールとのニップ部間
に転写媒体を通過させて、前記トナー像を転写媒体に転
写させることにより画像を形成する画像形成装置におい
て、前記転写ロールが、導電性基体上にイオン導電性の
弾性体層を被覆してなるとともに、一定極性の直流バイ
アス電圧を印加して転写を行うように構成され、前記転
写ロールの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、前記抵
抗値検出手段により検出された転写ロールの抵抗値に応
じて、非転写時に、当該転写ロールに転写時に印加した
直流バイアスとは逆極性のバイアスを画像形成に要した
転写時の転写バイアスの積算量に相当する範囲で印加す
る逆バイアス印加手段とを有するように構成されてい
る。
【0020】また、この発明の請求項2に記載の画像形
成装置の転写装置は、前記逆バイアス印加手段が、一定
時間画像形成が行われない場合に転写ロールに逆バイア
スを印加するように構成される。ここで、一定時間画像
形成が行われない場合としては、例えば、画像形成装置
がパワーセーブモードになった場合やスタンバイモード
になった場合が挙げられる。また、前記逆バイアス印加
手段は、これ以外にも装置の電源電圧オフ後に転写ロー
ルに逆バイアスを印加するように構成しても良い。
【0021】さらに、この発明の請求項3に記載の画像
形成装置の転写装置は、転写時に印加する転写バイアス
の大きさに相当する電流又は電圧を逆バイアスとするよ
うに構成されている。その際、逆バイアス印加手段とし
ては、クリーニング装置に印加するクリーニング電圧を
利用するように構成しても良い。
【0022】また、前記抵抗値検出手段としては、例え
ば、転写ロールを定電流動作で使用する場合に、転写電
圧を測定することによって、当該転写ロールの抵抗値を
検出するように構成される。一方、前記抵抗値検出手段
としては、例えば、転写ロールを定電圧動作で使用する
場合に、転写電流を測定することによって、当該転写ロ
ールの抵抗値を検出するように構成される。
【0023】
【作用】この発明は、上記の構成により、請求項1に記
載の画像形成装置の転写装置においては、転写ロール
が、導電性基体上にイオン導電性の弾性体層を被覆して
なるとともに、一定極性の直流バイアス電圧を印加して
転写を行うように構成され、前記転写ロールの抵抗値を
検出する抵抗値検出手段と、前記抵抗値検出手段により
検出された転写ロールの抵抗値に応じて、非転写時に、
当該転写ロールに転写時に印加した直流バイアスとは逆
極性のバイアスを画像形成に要した転写時の転写バイア
スの積算量に相当する範囲で印加する逆バイアス印加手
段とを有するように構成されているので、前記抵抗値検
出手段によって転写ロールの抵抗値を検出し、この抵抗
値検出手段により検出された転写ロールの抵抗値に応じ
て、非転写時に、当該転写ロールに転写時に印加した直
流バイアスとは逆極性のバイアスを、逆バイアス印加手
段によって画像形成に要した転写時の転写バイアスの積
算量に相当する範囲で印加することにより、逆バイアス
の印加は、抵抗値検出手段により検出された転写ロール
の抵抗値に応じて、非転写時に行われるので、必要以上
に逆バイアスの印加を行う必要がなく、画像形成の生産
性を低下させることがない。また、転写ロールの抵抗値
が上昇していない場合には、逆バイアスを印加する必要
がないので、不必要に逆バイアスを印加して像担持体を
逆帯電させ、所定の帯電電位が得られなくなることがな
いばかりか、不必要に高い逆バイアスを印加することが
ないので、像担持体を絶縁破壊させることもない。
【0024】また、この発明の請求項2に記載の画像形
成装置の転写装置においては、前記逆バイアス印加手段
が、一定時間画像形成が行われない場合に転写ロールに
逆バイアスを印加するように構成されているので、画像
形成の生産性を低下させることがない。
【0025】さらに、この発明の請求項3に記載の画像
形成装置の転写装置においては、転写時に印加する転写
バイアスの大きさに相当する電流又は電圧を逆バイアス
とするように構成されているので、不必要に逆バイアス
を印加して像担持体を逆帯電させ、所定の帯電電位が得
られなくなることがないばかりか、不必要に高い逆バイ
アスを印加することがないので、像担持体を絶縁破壊さ
せることをも確実に防止することができる。
【0026】
【実施例】以下にこの発明を図示の実施例に基づいて説
明する。
【0027】図1はこの発明の一実施例における画像形
成装置の構成を示す概略断面図である。
【0028】図において、1は図面に垂直な方向に軸線
を有し、図示の矢印方向に沿って所定の回転速度で回転
駆動される像担持体としての感光体ドラムを示すもので
あり、この感光体ドラム1としては、例えば、OPC感
光層を表面に有する外径が30mmのものが使用され
る。上記感光体ドラム1の表面は、一次帯電器2によっ
て−410Vに一様に帯電された後、当該感光体ドラム
1の表面には、画像情報に応じて変調されたレーザビー
ム3が照射されて静電潜像が形成される。また、上記感
光体ドラム1の表面に形成された静電潜像は、現像器4
の現像ロール4aから負帯電したトナーが供給され、こ
のトナーが潜像部分に付着してトナー像が形成される。
その際、上記現像器4の現像ロール4aには、現像バイ
アス電源4bによって、ピーク間電圧1800V、周波
数2400Hzの交流電圧に−300Vの直流電圧を重
畳した現像バイアス電圧が印加される。次いで、この感
光体ドラム1上に形成されたトナー像は、当該感光体ド
ラム1の回転に伴って転写部位に移動する。この転写部
位では、接触型の転写手段としての転写ロール6が感光
体ドラム1の表面に圧接している。そして、上記感光体
ドラム1上に形成されたトナー像が転写部位に移動する
タイミングに合わせて、搬送路5から転写媒体としての
転写用紙10が供給される。
【0029】上記転写用紙10が転写部位に供給される
と同時に、後述する転写バイアス電源6aによって転写
ロール6に例えば+11μAの転写電流が供給され、感
光体ドラム1上に形成されたトナー像が転写用紙10上
に転写されるとともに、感光体ドラム1から転写用紙1
0が剥離される。その後、トナー像を担持した転写用紙
10は、搬送ベルト9によって不図示の定着器に搬送さ
れ、熱及び圧力等によって定着処理を受け、装置の外部
に排出される。一方、転写部位において転写用紙10に
転移せずに感光体ドラム1上に残ったトナーは、クリー
ナ7によって除去されるとともに、前除電ランプ8によ
って残留電荷が消去される。
【0030】この実施例では、上記転写ロール6とし
て、図2に示すように、直径8mmの金属性のシャフト
61に、イオン導電剤である4級アンモニウム塩を分散
させ、窒素ガスで発泡させて硬度を28〜38°(AS
KER−C硬度)に調整した導電性ウレタンフォームか
らなる導電性弾性体61を被覆し、外径を18.7mm
に形成したロールを使用している。この転写ロール6の
抵抗値としては、イオン導電剤の配合量を0.5〜1.
5部の間で調整することにより、図2に示すように、感
光体ドラム1と同様の金属製ロール11にニップさせた
状態に相当する条件で測定し、シャフト61と導電層6
2の抵抗値を常温、常湿状態で0.5×108 Ω(7.
7〔LogΩ〕)、L/Lゾーン(温度10℃、湿度1
5%)で4.0×108 Ω(8.6〔LogΩ〕)に調
整したものを用いている。この転写ロール6の抵抗値の
面内ムラは、0.2〔LogΩ〕以下であった。なお、
以下の説明では、転写ロール6の抵抗値を〔LogΩ〕
で表す。
【0031】ところで、この実施例では、前記転写ロー
ルが、導電性基体上にイオン導電性の弾性体層を被覆し
てなるとともに、一定極性の直流バイアス電圧を印加し
て転写を行うように構成され、前記転写ロールの抵抗値
を検出する抵抗値検出手段と、前記抵抗値検出手段によ
り検出された転写ロールの抵抗値に応じて、非転写時
に、当該転写ロールに転写時に印加した直流バイアスと
は逆極性のバイアスを画像形成に要した転写時の転写バ
イアスの積算量に相当する範囲で印加する逆バイアス印
加手段とを有するように構成されている。
【0032】すなわち、上記転写ロール6には、図1に
示すように、転写時に転写バイアスとして転写用定電流
電源6aによって+11μAの直流電流が転写電流とし
て供給されるようになっている。また、上記転写用定電
流電源6aの電圧を電圧検出回路6bによって検出する
ことにより、転写ロール6の抵抗値を検出するように構
成されている。そして、上記電圧検出回路6bで検出さ
れた転写ロール3の抵抗値に応じて、動作制御手段6c
によって、非転写時に、当該転写ロール6に転写時に印
加した直流バイアスとは逆極性のバイアスを画像形成に
要した転写時の転写バイアスの積算量に相当する範囲で
印加する逆バイアス印加手段としての抵抗低減用定電流
電源6dを備えている。
【0033】以上の構成において、この実施例に係る画
像形成装置では、次のようにして、イオン導電体からな
る転写ロールに直流バイアスを印加して使用する転写装
置を、低温低湿環境下で連続して動作させた場合でも、
転写時の直流バイアスで導電イオンの偏りが積算されて
抵抗値が上昇してしまう現象を、画像形成の生産性を低
下させることなく、また像担持体を逆帯電させて所定の
帯電電位が得られなくなったり、像担持体を絶縁破壊さ
せることなく防止可能となっている。
【0034】図3は、上記の如く構成される画像形成装
置の動作を示すタイミングチャートである。
【0035】まず、上記画像形成装置では、時点Xにお
いて、感光体ドラム1の前回転が開始され、この間、転
写ロール6には、例えば、ジャム等によって感光体ドラ
ム1の表面に付着しているトナーが吸引されないよう
に、しかも転写ロール6に付着している負極性トナーを
感光体ドラム1に移行させるために、転写バイアスとは
逆極性の−1500Vのバイアスが印加される。この転
写バイアスとは逆極性のバイアスが印加される時間D
は、転写ロール6の1回転する時間よりも長く設定され
る。
【0036】時間Dが経過した後、感光体ドラム1上に
形成されるトナー像と同期して、転写用紙10が転写部
に搬送されると、転写ロール6には、印加電圧の極性が
反転されて所定の転写電流が供給され、転写が開始され
る。
【0037】転写が終了した後は、転写ロール6に付着
している負極性トナーを感光体ドラム1側に移行させる
ために、転写ロール6には、再び−1500Vのバイア
スを転写ロール6が1回転する時間よりも長く印加され
る。そして、更に転写中に付着した正極性トナーを感光
体ドラム1に移行させるために、転写バイアスを転写ロ
ール6の1回転する時間よりも長く印加される。
【0038】複数枚プリントする場合は、2枚目以降の
転写用紙10が転写部に搬送されるまでの間(インター
イメージ部)で、転写ロール6は感光体ドラム1と直接
接触した状態にある。上記感光体ドラム1上にはかぶり
トナーが存在するが、このかぶりトナーが転写ロール6
に付着し、2枚目以降の転写用紙10の裏面が汚れるの
を防止するため、インタイメージ部では転写ロール6の
バイアスが0Vに設定されている。
【0039】なお、この画像形成装置のプリントスピー
ドは、A4SEFで30枚/分に設定されている。
【0040】上記転写ロール6として、L/Lゾーンで
の抵抗値が8.8〔LogΩ〕に調整したロールを用い
たところ、転写開始直後の転写電圧は、図4に示すよう
に、4.4KVであった。
【0041】この転写ロール6とは別に、イオン導電剤
の添加量を調整して、L/Lゾーンでの抵抗値を抵抗上
昇分に相当する0.2〔LogΩ〕だけ高い9.0〔L
ogΩ〕に設定した転写ロール6を用い、上記転写電流
での転写電圧を測定したところ、図4に示すように、
5.0KVであった。
【0042】そこで、転写時の転写電圧を電圧検出回路
6bで検出し、転写電圧が5.0KVを越えた場合に
は、動作制御回路6cによって画像形成装置の電源スイ
ッチをオフした際に、切替スイッチS1により転写ロー
ル6の電源を切り替えて、抵抗低減用定電流電源6dか
ら転写電流に相当する−11μAを、転写ロール6に3
分間(A4SEFで900枚相当)だけ印加させるよう
にした。こうすることによって、転写動作によって上昇
した転写ロール6の抵抗値を低減させて回復させるよう
になっている。
【0043】このように、上記実施例では、転写ロール
6が、導電性基体61上にイオン導電性の弾性体層62
を被覆してなるとともに、一定極性の直流バイアス電圧
を印加して転写を行うように構成され、前記転写ロール
6の抵抗値を検出する抵抗値検出手段としての電圧検出
回路6bと、前記電圧検出回路6bにより検出された転
写ロール6の抵抗値に応じて、非転写時に、当該転写ロ
ール6に転写時に印加した直流バイアスとは逆極性のバ
イアスを画像形成に要した転写時の転写バイアスの積算
量に相当する範囲で印加する抵抗低減用定電流電源6d
とを有するように構成されているので、前記電圧検出回
路6bによって転写ロール6の抵抗値を検出し、この電
圧検出回路6bにより検出された転写ロール6の抵抗値
に応じて、非転写時に、当該転写ロール6に転写時に印
加した直流バイアスとは逆極性のバイアスを、抵抗低減
用定電流電源6dによって画像形成に要した転写時の転
写バイアスの積算量に相当する範囲で印加することによ
り、逆バイアスの印加は、電圧検出回路6bにより検出
された転写ロール6の抵抗値に応じて、非転写時に行わ
れるので、必要以上に逆バイアスの印加を行う必要がな
く、画像形成の生産性を低下させることがない。また、
転写ロール6の抵抗値が上昇していない場合には、逆バ
イアスを印加する必要がないので、不必要に逆バイアス
を印加して感光体ドラム1を逆帯電させ、所定の帯電電
位が得られなくなることがないばかりか、不必要に高い
逆バイアスを印加することがないので、感光体ドラム1
を絶縁破壊させることもない。
【0044】本発明者らは、上記実施例の効果を確認す
るため、ストレス状態である連続プリントモードを想定
し、L/Lゾーンにて、図2に示すように感光体ドラム
1の直径に等しい導電性シャフト11に転写ロール6を
所定の荷重でニップさせ、導電シャフト11と転写ロー
ル6の間に転写電圧として+1000Vを印加しながら
所定のプロセススピードに相当する回転数で回転させ、
転写ロール6の抵抗値の上昇を比較評価した。
【0045】図5は上記実験の結果を示すものである。
【0046】逆バイアスを印加いない場合は、図5に示
すように、30分で0.2〔LogΩ〕、3時間で0.
3〔LogΩ〕だけ抵抗値が上昇した。8時間後には、
転写ロール6の抵抗値が0.4〔LogΩ〕上昇し、こ
のまま電源をオフして一昼夜放置したが抵抗値は、図5
のAに示すように回復しなかった。
【0047】一方、上記転写ロール6に30分連続して
通電して後、逆バイアスとして−1000Vを10分間
のあいだ印加したところ、転写ロール6の抵抗値は、図
5のBに示すように、テスト前の値まで回復し、転写ロ
ール6の抵抗値の上昇を解消することができるという効
果を確認することができた。
【0048】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、請
求項1に記載の画像形成装置の転写装置においては、転
写ロールが、導電性基体上にイオン導電性の弾性体層を
被覆してなるとともに、一定極性の直流バイアス電圧を
印加して転写を行うように構成され、前記転写ロールの
抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、前記抵抗値検出手
段により検出された転写ロールの抵抗値に応じて、非転
写時に、当該転写ロールに転写時に印加した直流バイア
スとは逆極性のバイアスを画像形成に要した転写時の転
写バイアスの積算量に相当する範囲で印加する逆バイア
ス印加手段とを有するように構成されているので、前記
抵抗値検出手段によって転写ロールの抵抗値を検出し、
この抵抗値検出手段により検出された転写ロールの抵抗
値に応じて、非転写時に、当該転写ロールに転写時に印
加した直流バイアスとは逆極性のバイアスを、逆バイア
ス印加手段によって画像形成に要した転写時の転写バイ
アスの積算量に相当する範囲で印加することにより、逆
バイアスの印加は、抵抗値検出手段により検出された転
写ロールの抵抗値に応じて、非転写時に行われるので、
必要以上に逆バイアスの印加を行う必要がなく、画像形
成の生産性を低下させることがない。また、転写ロール
の抵抗値が上昇していない場合には、逆バイアスを印加
する必要がないので、不必要に逆バイアスを印加して像
担持体を逆帯電させ、所定の帯電電位が得られなくなる
ことがないばかりか、不必要に高い逆バイアスを印加す
ることがないので、像担持体を絶縁破壊させることもな
い。
【0049】また、この発明の請求項2に記載の画像形
成装置の転写装置においては、前記逆バイアス印加手段
が、一定時間画像形成が行われない場合に転写ロールに
逆バイアスを印加するように構成されているので、画像
形成の生産性を低下させることがない。
【0050】さらに、この発明の請求項3に記載の画像
形成装置の転写装置においては、転写時に印加する転写
バイアスの大きさに相当する電流又は電圧を逆バイアス
とするように構成されているので、不必要に逆バイアス
を印加して像担持体を逆帯電させ、所定の帯電電位が得
られなくなることがないばかりか、不必要に高い逆バイ
アスを印加することがないので、像担持体を絶縁破壊さ
せることをも確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明に係る画像形成装置の一実施
例を示す構成図である。
【図2】 図2は転写ロールの試験状態を示す説明図で
ある。
【図3】 図3はこの発明に係る画像形成装置の一実施
例における動作を示すタイミングチャートである。
【図4】 図4は転写ロールの抵抗値と印加電圧との関
係を示すグラフである。
【図5】 図5は転写ロールの抵抗値の変化を確認する
実験の結果を示すグラフである。
【図6】 図6はイオン導電性の転写ロールの原理を示
す説明図である。
【図7】 図7はイオン導電性の転写ロールにおける抵
抗値上昇のメカニズムを示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム、6 転写ロール、6a 転写用定電
流電源、6b 電圧検出回路、6c 動作制御回路、6
d 抵抗低減用定電流電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兼松 寿弘 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可転写トナー像が形成された像担持体に
    導電性弾性体層を有する転写ロールを圧接させ、これら
    像担持体と転写ロールとのニップ部間に転写媒体を通過
    させて、前記トナー像を転写媒体に転写させることによ
    り画像を形成する画像形成装置において、 前記転写ロールが、導電性基体上にイオン導電性の弾性
    体層を被覆してなるとともに、一定極性の直流バイアス
    電圧を印加して転写を行うように構成され、前記転写ロ
    ールの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、前記抵抗値
    検出手段により検出された転写ロールの抵抗値に応じ
    て、非転写時に、当該転写ロールに転写時に印加した直
    流バイアスとは逆極性のバイアスを画像形成に要した転
    写時の転写バイアスの積算量に相当する範囲で印加する
    逆バイアス印加手段とを有する画像形成装置の転写装
    置。
  2. 【請求項2】 前記逆バイアス印加手段が、一定時間画
    像形成が行われない場合に転写ロールに逆バイアスを印
    加することを特徴とする請求項第1項記載の画像形成装
    置の転写装置。
  3. 【請求項3】 転写時に印加する転写バイアスの大きさ
    に相当する電流又は電圧を逆バイアスとすることを特徴
    とする請求項第1項又は第2項記載の画像形成装置の転
    写装置。
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