JP6492423B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平板状のコンデンサ素子と該コンデンサ素子の一方の面に形成された電極とを有する固体電解コンデンサの製造方法に関する。
コンデンサは、静電容量を有し、この静電容量に応じた電荷の蓄電及び放電を行う受動素子である。固体電解コンデンサは、陽極体としてアルミニウムなどの弁作用金属を用い、この電極を化学処理して誘電体層を形成し、さらに導電性高分子等を固体電解質層として用いたコンデンサである。
近年の電子機器の高周波化に伴い、コンデンサは、従来よりも十分な速さで電荷供給ができるように過渡応答性に優れ、従来よりも高周波領域でのインピーダンス特性に優れた製品が求められている。これは、高周波数で動作し、かつ大電流が求められるデジタル回路の電源電圧安定化に対応するためである。
この要求に応えるべく、固体電解コンデンサにおいては、高周波化に対応するための低ESR(等価直列抵抗)化、及びノイズ除去や過渡応答性に優れた低ESL(等価直列インダクタンス)化が強く要求される。固体電解コンデンサにおいて低ESL化を図るためには、電流経路の長さを極力短くする方法、また電流経路によって形成される磁場を別の電流経路によって形成される磁場により相殺する方法が提案されている。
出願人は、コンデンサ素子と基板を組み合わせた新規な固体電解コンデンサとして、特許文献1や特許文献2を提案している。このうち、特許文献1の固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ素子は、陽極体の中央に設けた凹部の内面に誘電体酸化皮膜層を形成し、固体電解質層および陰極部を介してコンデンサ素子の外部に電力の引き出し口を形成する。
コンデンサ素子は、搭載基板を介して固体電解コンデンサの外部に陰極電極を引き出すと共に、コンデンサ素子の中央部分の周囲を陽極部とし、この陽極部および搭載基板の導体を介して陽極電極を引き出す。このような固体電解コンデンサによれば、陽極、陰極とも固体電解コンデンサ内部での電流経路を短くすることができる。
特許文献2の固体電解コンデンサでは、コンデンサ素子と組み合わせる基板として、次のような端子板を備えている。すなわち、端子板には、薄い金属板からなる陽極電極部および陰極電極部を同一平面上に間隙を保って配置する。これら陽極電極部と陰極電極部の間隙部には絶縁性樹脂を介在させ、絶縁性樹脂により陽極電極部と陰極電極部とを電気的に絶縁すると共に両電極部をシート状に一体化している。
このような端子板をコンデンサ素子の接続面に重ね合わせ、コンデンサ素子の陽極引出部に端子板の陽極電極部を、コンデンサ素子の陰極引出部に端子板の陰極電極を、それぞれ電気的に接続する。このような技術によれば、コンデンサ素子の陽極引出部および陰極引出部から、電流の出口である端子板の陽極電極部および陰極電極部までの距離が、端子板の厚さの距離だけで達成可能であり、電流経路の短縮化を図ることができる。
上述した特許文献1や特許文献2に開示された技術では、いずれも、固体電解コンデンサの容量形成部から、電力の引き出し口としての電極までの距離が極めて短くなり、また、固体電解コンデンサの薄型化を進めることができる。したがって、電流経路の短縮化を図って低ESL化を進めることができ、過応答特性の良好な固体電解コンデンサが実現可能となる。
特開2010−239091号公報 WO/2011/02155号公報
しかしながら、特許文献1及び2に示された固体電解コンデンサでは、コンデンサ素子の陰極引出部の大きさに合致させた陰極電極部を有する搭載基板や端子板を用いていた。
このため、コンデンサ素子全体あるいは陰極引出部のサイズの違い毎に、異なる搭載基板や端子板を用意しておかなければならなかった。このことは固体電解コンデンサの設計の自由度を狭めることともなる。
本発明の目的は、固体電解コンデンサの製造方法を簡便なものとすると共に、固体電解コンデンサの設計の自由度を高めた固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法の一態様は、弁作用金属からなる陽極体の片面に拡面層が形成され、該拡面層の表面に誘電体酸化皮膜層、固体電解質層、陰極引出部が順次形成されるとともに、前記陰極引出部の表面には陰極バンプ電極が立設され、他方、前記陰極引出部と電気的に区分して配置された陽極引出部の表面には陽極バンプ電極が立設され、かつ前記陽極バンプ電極及び陰極バンプ電極を覆うように前記陽極体の片面に絶縁樹脂層が被覆されたコンデンサ素子と、陽極電極及び陰極電極が形成される平板状の電極板と、を重ね合わせて、前記陽極バンプ電極及び陰極バンプ電極を前記絶縁樹脂層を貫通させて前記電極板に到達させた後、前記電極板を陽極電極と陰極電極とに分離し、前記陰極引出部と前記陰極電極とを接続し、かつ前記陽極引出部と前記陽極電極とを接続することを特徴とする。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法の他の態様は、弁作用金属からなる陽極体の片面に拡面層が形成され、該拡面層の表面に誘電体酸化皮膜層、固体電解質層、陰極引出部が順次形成されるとともに、前記陰極引出部の表面には陰極バンプ電極が立設され、他方、前記陰極引出部と電気的に区分して配置された陽極引出部の表面には陽極バンプ電極が立設されたコンデンサ素子と、陽極電極及び陰極電極が形成される電極板の前記コンデンサ素子を搭載する面を封止樹脂層によって被覆した平板状の端子板と、を重ね合わせて、前記陽極バンプ電極及び陰極バンプ電極を前記封止樹脂層を貫通させて前記電極板に到達させた後、前記電極板を陽極電極と陰極電極とに分離し、前記陰極引出部と前記陰極電極とを接続し、かつ前記陽極引出部と前記陽極電極とを接続することを特徴とする。
第1の実施形態のコンデンサ素子を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 第1の実施形態のコンデンサ素子と電極板との実装関係を示す断面図である。 本発明の固体電解コンデンサの構造を示す断面図である。 第2の実施形態のコンデンサ素子と電極板との実装関係を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.コンデンサ素子)
図1は、本実施形態のコンデンサ素子を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。図1に示すコンデンサ素子10は、100〜500μm程度の厚みを有する略正方形の板であり、正方形板の各辺に沿って陽極部の陽極引出部13を有し、中心部に陰極部の陰極引出部14を有する。陽極引出部13と陰極引出部14とは、分離部15で区分されている。また、陽極引出部13の表面には多数の陽極バンプ電極16aが、陰極引出部14の表面には多数の陰極バンプ電極16bが立設されている。さらに、これらの多数の陽極バンプ電極16a及び陰極バンプ電極16bを覆うようにコンデンサ素子10の片側の全面に、絶縁樹脂層17が被覆されている。
このコンデンサ素子10は、陽極体11として機能する弁金属板または弁金属箔から形成される。この実施形態では、弁金属として、アルミニウムを例として説明する。アルミニウムとしては、純度99%以上の純アルミニウムや、アルミニウムにマンガンを添加したアルミニウム−マンガン合金等を好適に使用することができる。特に純アルミニウムとしては、JIS規格H0001で規定する調質記号がHであるアルミニウム材、いわゆるH材を用いると好適である。H材は硬度が高く、後に説明する陽極の金バンプを形成する際にも、陽極体としてのアルミニウム材の変形を抑制することができる。
陽極体11の片面中央部にはエッチング層12が形成され、エッチング層12には誘電体層となる誘電体酸化皮膜が形成され、その表面に陰極引出部14が形成される。陰極引出部14は、固体電解質層、グラファイト層、及び銀ペースト層からなる。
エッチング層12は、エッチング処理により拡面化された多孔質の層である。例えば、厚さ100μm程度の陽極体11であれば、エッチング層12は、40μm程度の深さで形成する。従って、陽極体のエッチングされなかった層の厚さは60μm程度となる。陽極体11の周縁部は、未エッチング部であるが、この未エッチング部が陽極引出部13となる。
なお、拡面層の形成方法としては、上記のエッチング処理に限定されない。アルミニウム等の金属微粒子を蒸着して拡面層を形成したものであっても良い。
誘電体酸化皮膜は、陽極酸化処理にて形成し、エッチングされ多孔質層となったアルミニウムの表面(エッチング層12の内部の表面)に酸化アルミニウムからなる誘電体酸化皮膜を形成する。陽極酸化は、エッチング層12をホウ酸やアジピン酸等の水溶液に浸漬した状態で所定の電圧を印加する。
(2.固体電解質層)
固体電解質層は誘電体酸化皮膜の上に形成される。すなわち、誘電体酸化皮膜が形成された陽極体11を重合性モノマー溶液と酸化剤溶液に順次浸漬し、各液より引き上げて重合反応を進めることにより、エッチング層12の内部に各液が浸透し、誘電体酸化皮膜の上に固体電解質層が形成される。この固体電解質層の形成は、重合性モノマー溶液と酸化剤溶液をエッチング層12の上から塗布または吐出する方法によって形成してもよい。また、重合性モノマー溶液と酸化剤を混合した混合溶液に陽極体11を浸漬したり、塗布したりする方法であってもよい。また、固体電解コンデンサの分野で用いられる電解重合による方法や、導電性高分子の溶液または分散液を塗布・乾燥する方法によっても固体電解質層を形成することもできる。
これらの固体電解質の形成方法に用いられる重合性モノマー溶液としては、チオフェン、ピロール、またはそれらの誘導体を好適に使用することができる。チオフェン誘導体の中でも、3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いると好適である。酸化剤としては、エタノールに溶解したパラトルエンスルホン酸第二鉄、過ヨウ素酸、もしくはヨウ素酸の水溶液を用いることができる。
固体電解質の上には、固体電解質層を覆うようにカーボン層、銀ペースト層が形成される。このカーボン層、銀ペースト層は、固体電解質層の全面を被覆するように形成する。固体電解質層の上に部分的にカーボン層、銀ペースト層を形成しても引き出し電極としての機能は果たすものの、固体電解質とカーボン層、銀ペースト層との接触面積が小さくなる。このことで、カーボン層、銀ペースト層を固体電解質層の一部の上にのみ形成した場合には、固体電解質層とカーボン層、銀ペースト層との界面接触抵抗が大きくなり、固体電解コンデンサのESRの増加を引き起こす要因となる。
分離部15は、陽極引出部13の内周囲と陰極引出部14の外周囲との境界に位置し、陽極引出部13と陰極引出部14との絶縁を図っている。この分離部15は、陽極引出部13と陰極引出部14との間に絶縁性の樹脂を塗布することで形成されている。陽極引出部13の外周囲においても絶縁性の樹脂を塗布してもよい。
(3.バンプ電極)
陽極バンプ電極16aは、陽極引出部13と後述する電極板20の陽極電極部22とを導通させる電極引出部の一例であり、先鋭化された四角錐や円錐形状を有し、外力によって先端が潰れるような可撓性の突起電極である。このような突起電極は、金ワイヤをワイヤボンディング法で陽極引出部13に形成することができる。
陰極バンプ電極16bは、陰極引出部14と後述する電極板20の陰極電極部21とを導通させる電極引出部の一例であり、先鋭化された四角錐や円錐形状を有し、外力によって先端が潰れるような可撓性の突起電極である。前述した銀ペースト層の上に、ほぼ等間隔で複数の陰極バンプ電極16bが形成される。
陰極バンプ電極16bは、たとえば銀,金,銅,半田粉などの導電性粉末、これらの合金粉末もしくは複合(混合)金属粉末と、たとえばエポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂,ポリスルホン樹脂,ポリエステル樹脂,フェノキシ樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂などのバインダー成分とを混合して調製された導電性組成物、あるいは導電性金属などで構成される。前記バンプ群を導電性組成物で形成する場合、たとえば比較的厚いメタルマスクを用いた印刷法により、アスペクト比の高いバンプを形成でき、そのバンプ群の高さは一般的に、100〜400μm程度が望ましい。
導電性金属でバンプ群を形成する手段としては、次のものがある。
(1)ある程度形状もしくは寸法が一定な微小金属魂を、粘着剤層を予め設けておいた支持基体面に散布し、選択的に固着させる。このときマスクを配置して行ってもよい。
(2)銅箔などを支持基体とした場合は、メッキレジストを印刷・パターニングして、銅,錫,金,銀,半田などメッキして選択的に微小な金属柱(バンプ)群を形成する。
(3)支持基体面に半田レジストの塗布・パターニングして、半田浴に浸漬して選択的に微小な金属柱(バンプ)群を形成する。
バンプに相当する微小金属魂あるいは微小な金属柱は、異種金属を組み合わせて成る多層構造、多層シェル構造でもよい。たとえば銅を芯にして表面を金や銀の層で被覆して耐酸化性を付与したり、銅を芯にして表面を半田層被覆して半田接合性を持たせたりしてもよい。
本発明において、バンプ群を導電性組成物で形成する場合は、メッキ法などの手段で行う場合に較べて、さらに工程など簡略化し得るので、低コスト化の点で有効である。
(4.絶縁樹脂層)
陽極・陰極にそれぞれバンプ群が形成されたコンデンサ素子10のバンプ群形成側の全面に、熱硬化性の絶縁樹脂層17が被覆される。この絶縁樹脂層17は、後述する電極板20とコンデンサ素子10との隙間を埋める封止機能を果たすものである。このような封止樹脂としては、例えば、コンデンサ素子10と後述する電極板20との密着性、絶縁性、強度等が固体電解コンデンサに適合するエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、又はポリイミド樹脂が好ましい。
(5.電極板)
本実施形態の固体電解コンデンサは、図1に示すコンデンサ素子10と、電極板20とを、図2に示すように重ね合わせて一体化することで構成される。すなわち、コンデンサ素子10と電極板20を重ね合わせた状態で加圧することにより、バンプ状をした陽極バンプ電極16a及び陰極バンプ電極16bが、電極板20に電気的に接続される。
電極板20としては、薄い金属板からなる。金属板としては、例えば、厚さが15〜100μm程度の薄い銅板であり、圧延銅箔や銅合金箔を挙げることができる。
(6.固体電解コンデンサの製造)
図3は、コンデンサ素子10と電極板20との実装関係を示す図である。図3に示すように、固体電解コンデンサは、陽極引出部13及び陰極引出部14が形成されている面を電極板20側に向けて、コンデンサ素子10を電極板20に重ね合わせることにより構成される。この固体電解コンデンサにおいて、陽極引出部13は陽極バンプ電極16aを介した実装、陰極引出部14は陰極バンプ電極16bを介した実装であり、ともにコンデンサ素子10に陽極バンプ電極16a,陰極バンプ電極16bが形成されたものを用いている。
実装の際に、コンデンサ素子10を所定の治具に載置し、この治具からコンデンサ素子10に熱を加えて、コンデンサ素子10を温めておくことが好ましい。加熱することで、陰極バンプ電極16bが軟化して半硬化状態となる。この状態で、陰極バンプ電極16bが絶縁樹脂層17より突出し、電極板20の陰極電極部21に到達した際、陰極バンプ電極16bの先端がつぶれ易くなり、電極板20と接合する際に電極板20の陰極電極部21に対しての接着面積が広がり易くなるとともに、接着強度も向上する。
(7.電極板の分離)
このようにコンデンサ素子10と電極板20を一体化した後、電極板20を陽極電極部22と陰極電極部21とに分離する。分離する方法としては、電極板20として残す部分を耐薬品性のレジスト樹脂でマスキングを行い、薬品を用いて溶解させるエッチング法を用いることができる。また、レーザーの照射によるトリミング法、機械的な治具によるトリミング法で所定の箇所を除去しても良い。この結果、陰極電極部21は正方形状を有し、この陰極電極部21を囲むように同一平面上に例えば0.1mm程度の間隙を保って陽極電極部22が配置される。
(8.実施形態の作用、効果)
本実施形態では、コンデンサ素子10の片面全面に予め絶縁樹脂層17を形成しておき、コンデンサ素子10と電極板20とを重ね合わせるため、従来のようにコンデンサ素子10と電極板20との隙間から封止樹脂を充填する必要はなく、固体電解コンデンサを封止する工程は極めて簡便なものとなる。
また、確実に絶縁を要する箇所を絶縁樹脂層17で確実に覆って絶縁することができる。
さらに、コンデンサ素子10と電極板20との隙間から封止樹脂を充填する場合には、狭い隙間に封止樹脂を充填していため、充填の際に同時に空気を巻き込んでしまっていた。そのため、封止樹脂を硬化した後に、空気が残存し、熱硬化後の封止樹脂中にいわゆるボイドとして存在していた。これに対して、本実施形態では、予めコンデンサ素子10上の全面に絶縁樹脂層17を貼り付け、あるいは塗布しておくことで、空気を取り入れるおそれはなくなる。このため、ボイドの発生を抑制することができる。
陽極引出部13や陰極引出部14に先鋭化された陽極バンプ電極16a,陰極バンプ電極16bを立設させておけば、陽極バンプ電極16a及び陰極バンプ電極16bが絶縁樹脂層17より突出して電極板20の陰極電極部21や陽極電極部22に至る。従って、実装中に、絶縁樹脂層17が電極板20を覆ってしまった状態であっても導電に問題は生じない。また、コンデンサ素子10と電極板20との間の絶縁を要する箇所を更に確実に絶縁することができる。
また、本実施形態では、コンデンサ素子10の陰極引出部14の形状に合わせて、電極板20を陰極電極部21、陽極電極部22に分離することができるので、コンデンサ素子10の形状に合わせた電極板20を準備する必要が無く、固体電解コンデンサの設計の自由度が向上する。
[第2の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態における絶縁樹脂層17をコンデンサ素子10側に設ける代わりに、封止樹脂層30として電極板20側に設けたものである。
(1.封止樹脂層)
電極板20の表面全体は、絶縁性の封止樹脂層30によって被覆されている。封止樹脂層30は、電極板20とコンデンサ素子10との隙間を埋める熱硬化性の絶縁樹脂である。封止樹脂層30に用いる樹脂としては、NCF(Non-Conductive Film)と呼ばれるシート状の樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、絶縁性、コンデンサ素子10と電極板20との密着性、強度等が固体電解コンデンサに適合するエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、又はポリイミド樹脂が挙げられる。また、封止樹脂層30としては、前述した熱硬化性の樹脂に限定されるものではなく、高耐熱性の熱可塑性の絶縁樹脂、例えば、全芳香族ポリアミド樹脂や液晶ポリマーを用いることも可能である。
電極板20に封止樹脂層30を形成するには、熱硬化性の絶縁樹脂のペースト状の封止樹脂を電極板20に吐出したり、印刷したりすれば良い。
(2.固体電解コンデンサの製造)
本実施形態の固体電解コンデンサは、図4に示すように、第1の実施形態のコンデンサ素子10とは絶縁樹脂層17が形成されていない以外は同一の構造を有するコンデンサ素子10’と、電極板20上に封止樹脂層30が形成された端子板40とを重ね合わせて一体化することで構成される。すなわち、コンデンサ素子10’と端子板40を重ね合わせた状態で加圧することにより、バンプ状をした陽極バンプ電極16a及び陰極バンプ電極16bが、電極板20に電気的に接続される。
封止樹脂層30は、加圧された際に先端の潰れた陽極バンプ電極16a,陰極バンプ電極16bの高さと同程度となるように、その厚みが調節されて塗布して配置される。
本実施形態において、コンデンサ素子10’のバンプ形成までの工程、コンデンサ素子10’と端子板40との貼合わせ、電極板20の分離工程は、第1の実施形態と同様である。
(本実施形態の作用、効果)
本実施形態では、まず、電極板20の搭載面上の全面に封止樹脂層30を貼り付け、あるいは塗布により形成した後、コンデンサ素子10’と端子板40とを重ね合わせる。このため、コンデンサ素子10’と端子板40との隙間から封止樹脂を充填する必要はなく、固体電解コンデンサを封止する工程は極めて簡便なものとなる。
また、確実に絶縁を要する箇所を封止樹脂層30で確実に覆って絶縁することができる。
さらに、コンデンサ素子10’と電極板20との隙間から封止樹脂を充填する場合には、狭い隙間に封止樹脂を充填していため、充填の際に同時に空気を巻き込んでしまっていた。そのため、封止樹脂を硬化した後に、空気が残存し、熱硬化後の封止樹脂中にいわゆるボイドとして存在していた。これに対して、本実施形態では、予め、電極板20の搭載面上の全面に封止樹脂層30を貼り付け、あるいは塗布しておくことで、空気を取り入れるおそれはなくなる。このため、ボイドの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、電極板20の全面に封止樹脂層30を貼り付け、あるいは塗布すればよいので、電極板20の所定位置にのみ封止樹脂を貼り付けあるいは塗布するための位置制御が必要でなくなり、製造工程の簡略化を図ることができる。
このとき、重ね合わせの前に封止樹脂層30を塗布してしまうと、封止樹脂層30を熱硬化させる前に、コンデンサ素子10’と端子板40との隙間が封止樹脂層30で埋められてしまうケースも考えられる。その場合は封止樹脂をガスが発生しにくい無溶剤とすることで、コンデンサ素子10’と端子板40とを熱を与えながら加圧する際に、大量のガスが封止樹脂層30から発生するおそれはなくなる。従って、コンデンサ素子10’と端子板40とを重ね合わせる前に封止樹脂層30を形成したとしても、封口性能が良好な固体電解コンデンサを製造することができる。
陽極引出部13や陰極引出部14に先鋭化された陽極バンプ電極16a,陰極バンプ電極16bを立設させておけば、陽極バンプ電極16a,陰極バンプ電極16bが封止樹脂層30を貫いて電極板20で後に形成される陰極電極部21や陽極電極部22に至る。従って、封止樹脂層30で電極板20を覆ってしまっても導電に問題は生じない。そのため、封止樹脂層30を塗布する工程を更に簡便化することができる。また、コンデンサ素子10’と電極板20との間の絶縁を要する箇所を更に確実に絶縁することができる。
陽極バンプ電極16a及び陰極バンプ電極16bを予め端子板40に先端が潰れた状態で圧接させておき、その後に封止樹脂30を硬化させるための加熱及び加圧を実施することにより、陽極バンプ電極16a及び陰極バンプ電極16bには封止樹脂30による収縮応力がかかるため、陽極バンプ電極16a及び陰極バンプ電極16bと電極板20とは圧接させるのみで電気的に導通した状態が維持される。そのため、作業工程の簡便化を図ることができる。
また、本実施形態では、コンデンサ素子10’の陰極引出部14の形状に合わせて、電極板20を陰極電極部21、陽極電極部22に分離することができるので、コンデンサ素子10’の形状に合わせた電極板20を準備する必要が無く、固体電解コンデンサの設計の自由度が向上する。
[他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る実施形態を例として提示したが、発明の範囲を限定することを意図したものではなく、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。例えば、次のような構成も、本発明に包含される。
(1)陰極電極部21が形成される部分のみをシート状の封止樹脂によって被覆し、陽極電極部22が形成される部分は、陰極電極部21と陽極電極部22とを絶縁する絶縁性樹脂23と一体あるいは絶縁性樹脂23の装着と同時に別体の絶縁性樹脂を配置する。
(2)先端が尖った円錐状や柱状の陽極バンプ電極16a及び陰極バンプ電極16bの代わりに、断面が三角形状をした1本あるいは複数本の突条や、鋸歯状の突起を使用する。
(3)シート状の封止樹脂層30に陽極バンプ電極16a,陰極バンプ電極16bの位置に合わせて予め小さい穴を開けておき、その部分にバンプ電極を挿入する。
(4)シート状の封止樹層脂層30に代えて、液状の封止樹脂を電極板20の表面に塗布する。
10、10’…コンデンサ素子
11…陽極体
12…エッチング層
13…陽極引出部
14…陰極引出部
15…分離部
16a…陽極バンプ電極
16b…陰極バンプ電極
17…絶縁樹脂層
20…電極板
21…陰極電極部
22…陽極電極部
23…絶縁性樹脂
30…封止樹脂層
40…端子板

Claims (5)

  1. 弁作用金属からなる陽極体の片面に拡面層が形成され、該拡面層の表面に誘電体酸化皮膜層、固体電解質層、陰極引出部が順次形成されるとともに、前記陰極引出部の表面には陰極バンプ電極が立設され、他方、前記陰極引出部と電気的に区分して配置された陽極引出部の表面には陽極バンプ電極が立設され、かつ前記陽極体の片面に絶縁樹脂層が被覆されたコンデンサ素子と、
    陽極電極及び陰極電極が形成される平板状の電極板と、を重ね合わせて、前記陽極バンプ電極及び陰極バンプ電極を前記電極板に到達させた後、
    前記電極板を陽極電極と陰極電極とに分離し、前記陰極引出部と前記陰極電極とを接続し、かつ前記陽極引出部と前記陽極電極とを接続することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記陽極バンプ電極及び陰極バンプ電極を、前記絶縁樹脂層を硬化させる際の加圧によって、前記電極板と圧接させることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記コンデンサ素子と前記電極板とを重ね合わせる際に、前記コンデンサ素子を予め加熱しておくことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 弁作用金属からなる陽極体の片面に拡面層が形成され、該拡面層の表面に誘電体酸化皮膜層、固体電解質層、陰極引出部が順次形成されるとともに、前記陰極引出部の表面には陰極バンプ電極が立設され、他方、前記陰極引出部と電気的に区分して配置された陽極引出部の表面には陽極バンプ電極が立設されたコンデンサ素子と、
    陽極電極及び陰極電極が形成される電極板の前記コンデンサ素子を搭載する面を封止樹脂層によって被覆した平板状の端子板と、を重ね合わせて、前記陽極バンプ電極及び陰極バンプ電極を前記封止樹脂層を貫通させて前記電極板に到達させた後、
    前記電極板を陽極電極と陰極電極とに分離し、前記陰極引出部と前記陰極電極とを接続し、かつ前記陽極引出部と前記陽極電極とを接続することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記陽極バンプ電極及び陰極バンプ電極を、前記封止樹脂層を硬化させる際の加圧によって、前記電極板と圧接させることを特徴とする請求項4に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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